2005/12/31
■年の瀬の挨拶
お久しぶりです。
日記再起動の一環として、ちょっとレイアウトを変えてみました。文字のサイズを大きくしたり、テキスト欄の幅を広くしたりして、文章を読みやすくしてみたつもりなのですがどうか。
そんな感じで、激動の2005年もまもなく終わります。
今年は「絶対可憐チルドレン」で大いに盛り上がることができ、椎名高志マンガファンとしては大変に充実した時を過ごすことができました。2006年の「絶チル」と椎名先生の、更なる発展を期待しております。
あと、個人的に今年は生活環境が激変したこともあり、本当に色々な意味で大変だったんですけど、時間的にも精神的にもようやく落ち着く目処が着いてきました。こちらのサイトもまたぼちぼちやって行きたいと思いますので、来年もよろしければご愛顧の程をよろしくお願いします。
それではよいお年をー
2005/12/17
■サンデー2号を与えられた時の反応
ハヤテのごとく
ディードリット雪路!(挨拶)
我々のような出渕エルフ直撃世代ならともかく、今の子供に「ディードリット」なんて言って意味が通じるのか? と思いましたが、でもよく考えてみたら今のサンデーは『聖結晶アルバトロス』における「アルバトロス」という単語から一番最初に連想する言葉が宮崎駿氏が脚本と演出を手がけたことで知られる「ルパン三世・死の翼アルバトロス」だったりするロートルなオッサン読者が支えている雑誌になっているので、ディード程度なら一向に問題がないなと思い直しました。パソコンゲーム版「ロードス島戦記」のCDに入っていたドラマでは、ディードリットの声は鶴ひろみだったんですよ。今のサンデーの読者は、こういうネタが普通に通じるドメインに所属して居る人ばっかりなんですよ。
ですので、2006年における週刊少年サンデーのキャッチフレーズは、「少年サンデーの目指す低年齢路線? 知るかよ、そんなもの」で決まりということで一つ。
あと「ハヤテ」本編の方ですが、こちらも相当に大概な感じにグデグデして来て実に良い案配に。「執事クエスト」だなんて行き当たりばったりな展開、もしこの話を書いたのが畑先生でなければ間違いなく編集部に突き返されているに違いありません。畑先生の大物っぷりを実感させて頂きました。
絶対可憐チルドレン
今回の九具津の敗因は、対超能力者兵器であるモガちゃんに、サイコキネシスの使い手をも一撃で制圧できるだけの火力を備えなかった点が挙げられると思います。
より具体的には、モガちゃんの攻撃兵装としておっぱいミサイルを装備していなかったことに尽きます。女性型兵器を作ったら、おっぱいに兵器を仕込むのは当然。君もオタクなら、アフロダイAくらいは常識として知っておけと言いたい。あるいは、「巨乳ハンター」に出てきた『バストガン』や、対超能力兵装として『スペルゲン盆地胸バリヤー』でも可。体の中からモガちゃん集団が出てくる不気味なセンスは高く評価しますが、それだけではマスターグレードは名乗れないね!
これのどこが感想だ。
本来のストーリーの方ですが、BABELに反する組織の存在が明確になったという点で、作品世界がますます奥深くなってきたと見るべきでしょう。おそらくは兵部が関係している例の組織でしょうね。この事件根が深そう。
あと、賢木が皆本に「お前はチルドレンを連れて九具津を追え
」と指示したのは、あの状況下で九具津を追えるのはチルドレンだけだったということもありますけど、それ以上にダブルフェイスの二人に対して「皆本は子供が大好きなロリコン」という刷り込みをより強力に行い、彼に対する興味を失わせようとしたからではないか? と思いましたがどうだろう。例え死の淵に立っても、自分がモテるための努力を惜しまない男賢木恐るべしであります。
これのどこが感想だ。
からくりサーカス
「愛するが故に見守る愛もある」という、まるで「北斗の拳」におけるトキのような、あるいは「うる星やつら」のメガネのような心意気で愛するものの幸せのために死んだギイが素敵すぎてたまりません。
「自分」というものの役割を弁えた男はカッコいいなあ。
地底少年チャッピー
こういうタイプの異邦人来訪型コメディーは、サンデーでは「一番湯のカナタ」以来ですね(不吉な例え)。
水口尚樹作品を構成する主要要素であるヤンキー・オヤジ・生意気なガキの全てが揃っている辺り、気合いの程を伺い知ることができます。なんか作者が脱いでいるのも気合いの現れに違いありません。人気出るといいなあ。
2005/12/14
■リバビリ記念:サンデー1号短観
聖結晶アルバトロス
変身前も変身後も常にヒドイ目に遭うことが運命付けられた、被虐系ヒロインがサンデーに降臨。彼女がヒドイ目に遭っている時に見せる憂いた表情こそがこのマンガにおける最大の萌え要素であることは、もはや疑いようがありません。往年の「DAN DOH!!」と同じ路線を狙っているのか。
果たしてゴミ子は、そのいじめられっぷりでダンドーを超えることができるのか!(ミスリード)
MAR
『一部の連中だろう…
』
ドロシーの乳首露出ばかりが話題になってるこのマンガですが、個人的にはのまネコ騒動の時にネットで話題となった「一部の人」メソッドを使用しているのが気になりました。脅迫目的で殺人予告をするのは2ちゃんねらーの一部の人。キメラをヒドイ目に遭わせたのはメルヘブンの一部の人。「一部の人」という表現を使うことは、結果的に同じコミューンに属している自分以外の誰かに責任を全て転嫁してしまうことにも繋がってしまうのです。
果たして今回の悲劇は、「一部の連中」のやったこととして済ませてしまって良いものなのか? 主人公達もまた、キメラに対してその責を負うべきではないのか?
「MAR」はライトなバトルファンタジーであると思われていますが、作者がその気にさえなれば大変にドロドロしたヘビーな問題に対する提起を行うことが可能な作品であることを伺い知った気がします。安西先生ならやりかねないので恐ろしい。
あいこら
井上先生は、ゾンビと同じくらいメガネが好きなのかも知れないと思いました。井上先生は底が知れないなあ(変態度の)。
弓雁ちゃんの将来が心配です。
絶対可憐チルドレン
前回の段階で、既に読者の間では「賢木が犯人だとは考えにくい。人形遣いの九具津が怪しいのではないか
」という予想が主流になっていたみたいですが、個人的には「フィギィアを愛好する人は、変な人はいても悪い人はいない」というフィギィア萌え族性善説を論拠に、この意見に反論したかったです。もう時遅しですが。
あと、「賢木の嫌いな食べ物を把握しているだなんて、皆本は普段から彼を相当意識しているに違いない!
」というやおい好きな人の意見をネットで見かけ、わずかな手がかりから二人の親密な関係性を「発見」してしまう深い洞察力に対して一方的に敗北感を覚えました。皆本が股間から銃を撃った表現に気を取られすぎて、もっと大切なものを見失っていましたよ自分。みんな妄想のレベルが高すぎます。負けてられないね!
ガッシュ休載
「雷句先生が右手をケガした!」というところから、師匠つながりで「吼えろペン」における富士鷹ジュビロが手を火傷した時のエピソードを連想し、そこから『ライバルに代筆を頼んだら清麿が勝手に殺される展開にされて激怒する』というネタを考えついたはいいけど、肝心の「富士鷹ジュビロに対する炎尾燃に匹敵する、雷句先生のライバル役の漫画家」に該当する人物を思いつかず、あとちょっとでブログのネタになりそうだったのに! と地団駄を踏んだサンデー感想系ブロガーが、国内にだいたい5人くらいはいると見ました。
大事に至らなくて良かったと思います(フォロー)。
2005/12/13
■再起動準備中
お久しぶりです。深沢です。
生きてます。
自己都合によりしばらく更新をお休みしていますが、近いうちにぼちぼち復帰したいと思っています。できれば、年末を目標に再起動する予定。
もうしばらくお待ち下さい。
2005/12/09
■2005/12/09のメモ
http://www1.odn.ne.jp/cjt24200/yamada/log/27/index.html#01
『サンデーによる、眼鏡補完計画は着々と進行し、ついにメガネっ娘(メガネくん)の占める割合が漫画誌NO1となりました。
』
ヤマカムさんが、新年1号におけるサンデーのメガネキャラ率の高さを検証。
我々の勝利だ!
2005/11/15
■2005/11/15のメモ
http://www1.odn.ne.jp/cjt24200/yamada/log/25/index.html#07
『ちょっと待って下さい。常にスパッツ装備で、この可愛さで弟ですか。いや、何かおかしくないですか。
』
「ヤングアニマルあいらんど」に掲載された井上和郎先生の『春らんまん!
』が、*変態漫画家*の称号に恥じないスゴイ内容である件について
2005/11/13
■2005/11/13のメモ
http://t3303.ifdef.jp/negiasosp.html#1111
『同人誌による、前代未聞!?の赤松健先生直撃ロングインタビュー!
』
ファンにとっても、赤松健先生にとっても快挙なのではあるまいかと思いました。いずみのさんの熱意と「ネギま!で遊ぶ」の方々の行動力に感動 [関連URL]
2005/11/12
■2005/11/12のメモ
http://blog.livedoor.jp/fujikishun/archives/50162379.html
『みていてくださる皆さんはわかっているとおもいますがまもなく「こわしや我聞」最終回です。
』
作者の藤木先生のブログで、「我聞」の連載終了が正式にアナウンスされました。おつかれさまでした
2005/11/11
■ザ・ハウンド。狩りの目標は皆本。(サンデー50号感想)
絶対可憐チルドレン
「いいなー、アレ♥ 欲しい!!
」
結局はお前もそんなんかー!(感想)
皆本は本当に色々なキャラからおモテになっちゃって大変だなあと思いました(躰が)。彼のモテっぷりというか、受けの素質っぷりは異常の域。「モノノケに好かれやすい」体質だった「GS美神」の横島君同様、この作品世界には超能力者に好かれやすい体質とかが存在するのかも知れません。ますます彼の貞操と純潔が心配です。
あとは、明が乗り移った薫のやたら凛々しい姿と、逆に明の体に乗り移らされた薫が可愛らしく涙ぐんでいる姿にグッと来ました。やおいとかロリとかだけでなく、やろうと思えばトランスセクシャルものまでできるこの作品の奥深さに感銘。色々と妄想のし甲斐があるマンガだなあと思った。
そして来週は、凛々しくなった薫の姿に思わずときめいてしまう葵を堪能していきたい。
薫にヘビを投げつけられて悲鳴を上げる姿といい、葵はなんか皆本とは違う意味でいじめがいがあるキャラになりつつある気がします。
結界師
今週の「結界師」は、式神時子さん(製品名・HM-12時子)の性能の高さにビックリですよ。家事手伝いを楽々こなし、常に礼儀正しく、しかも萌え要素の基本であるアホ毛まで標準装備しているとは恐れ入ります。
勿論、HM-12の原型であるところの雪村時子さん(製品名・HMX-12時子)も素敵でした。特に、屋根をヒョイヒョイと飛び移る姿は、ちょっと化け物じみてて素晴らしいです。繁守じいさんといい時子ばあさんといい、ホント年寄りが輝いている少年マンガですよねコレ。80代の読者がいるというのも納得です。
あいこら
「ラーイ!
」で吹いた(バカ)。
『腰のくびれフェチ』という概念が存在することを、恥ずかしながら私は今週の「あいこら」で初めて知りました。フェチの世界はどこまでも奥深いです。
人体の部位に対するフェチって、あとはどんなのが残っているんでしょうか。私が思いつくのは、せいぜい鎖骨フェチくらいです。あとはうなじフェチとか。「あいこら」には、これからもこの調子でもっとフェチの世界を私たちに教えて頂きたいものだと思います。我々もパーツフェチの素晴らしい世界に旅立ちたい! と思わせて欲しいです。新世紀人体フェティシスト開発マンガ「あいこら」の今後に期待です。
ハヤテのごとく
心から嬉しそうにヒナギクをいぢめるハヤテが印象に残りました。
このマンガの中でハヤテが他のキャラに対して絶対的な優位に立ったのって、実はこれが初めてなのではないのでしょうか。これまでは散々苦労させられましたが、やっと苦労が報われましたね! よかったねハヤテ!(まちがい)
道士郎でござる
健介殿は本当に格好いい男に成長したと感じました。
こわしや我聞
「本当のヒーローは遅れて登場する
」の法則に従って遅れて登場した桃子は、今週ついにホンモノのヒーローの仲間入りを果たしました。
しかも、あんな絶妙のタイミングで仲間のピンチを救うだなんて! オレが優さんなら、確実にキノピーに惚れるね!(キノピー?)
D-LIVE!!
斑鳩に惚れ込むあまり、ロコ(ツンデレ)がついにストーキング行為を!
ロコをいいように操る百舌鳥さんの暗躍っぷりが恐ろしいです。
あと委員長の春日さんが、お約束通りドジッ娘化しててグッと来ました。
私の報われないキャラ萌え属性が疼いて仕方ありません。
■2005/11/11のメモ
http://blog.goo.ne.jp/take_14/e/ab0354433a85d457a569c25a08bcff02
『平成16年度に少年凶悪犯罪が減ったのが気に入らなかったのでしょうか。
』
全てのマガジンのネタは、「絶望先生」で突っ込まれて昇華されるために存在しているのです(ウソ)。
しかし、捏造紛いのことをしてまで読者を「啓蒙」する必要はあるのだろうか? とは思います
2005/11/09
■2005/11/09のメモ
http://golgo31.blog35.fc2.com/blog-entry-2.html
ゴルゴ31さんのブログより。
このネタで盛り上がっているとは知ってましたが、現在ネットに繋がらない環境下のため読めずに困ってました。まとめてくれた方に感謝。
平均年齢は思ったよりも若いなという印象
2005/11/05
■生存証明(サンデー49号感想)
ハヤテのごとく
ハヤテ×ナギ、ヒナギク×美希、ヒムロ×ハヤテ(あるいはタイガ)、そしてマリア×サキ。
ノーマル・百合・やおい・ショタ・イロモノ。このマンガ、カップリングを取り揃えすぎです。「ハヤテのごとく」が、「犬夜叉」や「コナン」に代わって同人誌即売会のサンデースペースを席巻する日も近いのではないかと思われます。
見上げてごらん
地獄の特訓を生き抜いてパワーアップしても、相変わらずの軟弱フェイスを維持している富士丸君は萌え対象だと思いました。
結界師
先週の「結界師」は、一話をまるごと限の葬儀の描写に費やすことで、人が一人死ぬことが如何にその人を取り巻く社会にとって大きな影響を与えるのものなのかという、「人の死」が持つ意味の重さをキッチリ描いていて感心しましたが、今週は良守が限の死を自分の中で受け入れ、一回り成長した様子をきちんと描いていて好感が持てます。また、そんな彼を見つめる時音の表情も素晴らしいです。
少年マンガの枠の中でこのような表現を実現することが可能な、田辺先生の漫画家としての力量はハンパな領域じゃないと思いました。マジで。
次に良守達と黒芒楼が激突する時は、相当に熾烈な争いになりそうな予感。想像するだけで震えが来ますよ(怖くて)。
「結界師」は、今一番少年マンガとして正統派の「熱さ」を持ってるマンガだと思いました。
あいこら
「こんな作られたモノで満足できるのかよ!
」
今井上先生が、虚構の世界で萌える者達に対してケンカを売ったー!
今回は、いわゆる「ツンデレ萌え」が如何にアレであるかを客観的に提示していて面白いなと思いました。
パーツフェチもツンデレ萌えも、どいつもこいつもみんな揃って社会不適合者だなあハハハ。ハハハ。
絶対可憐チルドレン
犬神初音は、シロとタマモの融合キャラみたいな感じがしますね。基本的な性格はタマモで、変身能力はシロ。
見てくれはクールで取っつきにくそうな彼女ですが、皆本に対して素直に挨拶してみたり、仲間の宿木君には正直に自分の能力の限界を告白してみたりと、根は割と素直な子であるようです。個人的に、彼女にはぜひ現在「ツンデレ」の対極として注目を集めつつあるアーキタイプである「素直クール」なキャラに成長して欲しいところ。
なお、「素直クール」とは、全く表情を変えずに「好きだ。結婚してくれ」とか凄いことを言い放つことができるタイプです(聞いてません)。
あと宿木明の能力からは、「妖女サイベルの呼び声」に出てきた概念である『マインド』を連想しました。相手の心(マインド)に入り込み、その心を掌握して操ることができる力。今週の完成原稿速報を見る限りでは、人間に対しても効果があるみたいなので尚更です。例えが古い?
兄ふんじゃった
「メガネを取るとカワイイ」ってのは、古典的なツンデレ表現なのではないかと思いました。メガネを掛けている間はツンツン、取るとデレデレ。
なので、今週の「あいこら」の登場人物達は、所詮は作られたキャラに過ぎないメイド喫茶のツンデレメイドではなく、本物のツンデレキャラである「兄ふん」の委員長にこそ萌えるべきだと思います。
2005/10/29
■更新一時休止のおしらせ
紫穂と葵が抱いた妙な妄想は、悪意が無い分余計にやっかいだなあと思いました(サンデー48号感想)。
という訳で、自分が子供だった頃は、「パタリロ」を読んでもバンコランとマライヒの関係がさっぱり理解できなかったり、竹宮恵子の「風と木の詩」の何処が面白いのか全然判らなかったくらい、ウブなネンネだった私です。こんにちは。
今週のサンデーの「絶チル」を読んだことで、男同士の同性愛という概念に目覚めちゃった女の子が確実にいると見たね!(見るな)
それで個人的な事情でたいへんに恐縮なのですが、今日から当分(約1ヶ月くらい)の間、このページの定期的な更新をお休みさせて頂きます。理由は多忙。どのくらい忙しいかというと、間違いなく人生最忙クラスの忙しさになるのは確実なくらいです。あまりに忙しくて人生変わるくらいです。いやマジで。
その「個人的な事情」を知っている方は、色々と想像してニヤニヤして下さい(内輪ネタ)。
掲示板やコメント、メールの方は時々チェックしますので、何かありましたら連絡して下さい。
それでは
2005/10/28
■2005/10/28のメモ
http://d.hatena.ne.jp/takakari/20051027#p1
『「絶対可憐チルドレン(1)(2)」重版決定〜。11月9日出来だそうですよ。
』
「書店員のたわごと」のたかさんの日記より。
「GSホームズ」も併せて重版との情報も。
2005/10/21
■素直に「腐女子にウケそうな展開キター!」とは書けない大人の事情について考察します(別名:週刊少年サンデー47号感想速記版)
キッチンでご飯食べてるハヤテとマリア(ハヤテのごとく)
ハヤテとマリアの二人が、キッチンで鮭の塩焼きとご飯とみそ汁という庶民的なメニューの食事を淡々と済ませている様子が、妙に私の心のツボに刺さりました。なんて様になるんだこの二人。
ナギの素行の悪さを憂う二人の姿は、まるで娘のことで悩む若夫婦みたいですよ(変な例え)。
あと、今時ブルマを出しても「マニア人気を狙ってます」という記号的な意味合い以上の効果は期待できないので、トレーニングのシーンでナギにブルマではなく短パンを履かせた畑先生の選択は正しいと思います。
限、烏森に死す(結界師)
私は1980年代における週刊少年ジャンプの洗礼を受けて育った世代なので、例えマンガの中で主役級のキャラが刀で派手に斬られて血まみれで倒れた挙げ句に「死亡確認!
」と王大人に宣告されたとしても、「どうせ後で生き返るんだろ?」と斜に構えて読んでしまうタイプなのですが、そんな私でもさすがに今週の「結界師」における限の死にっぷりは本気でヤバいと思いました。
特にヤバさを醸しているのが「烏森の地では、『死』を受け入れるとそれが急速に加速する」という描写の部分。限に「死」が迫っていることを悟った良守が悪寒を感じてゾクッとなるシーンがありましたが、ここを初めて読んだ時には私も寒気を感じてしまいました。これはヤバいです。本当に死の香りがします。
死んだ人間って、生きていた頃と姿形は一緒でも、明らかに「何か」が違うんですよ。その「何か」が、今週の「結界師」の限から感じられる気がしてなりません。少年マンガでここまで現実の「死」が持つ薄ら寒いイメージを感じたのは初めてかも。
田辺イエロウ先生の描画力もついにここまで来たのかー、と違う意味で感心してしまいました。
しかし、ここで限が死んでしまうと、このマンガには「良守と公式カップリング状態になるとそのキャラは死ぬ」という新しいジンクスが生まれてしまいかねません。果たして限の運命や如何に。
姫葉薊、南の島から復帰(クロザクロ)
「クロザクロ」のコミックスのオマケマンガ『ウラザクロ』において、他の出番が無くなった女性キャラ達(幹人の幼なじみと妹)と一緒に南の島に行ってスクール水着姿でバカンスを楽しんでいた姫葉薊ですが、意外な局面で本編に復帰することに。夏目先生は「『ウラザクロ』は5巻で最後にする」みたいなことをマンガの中でおっしゃってましたけど、それって本当に「彼女たちをもう一度本編に復帰させる」という意味だったんですね。
その本編の方は、敵も味方もそれそれが己のテーマらしきものを語り始めながら戦い続けるという、なんというかこう終局臭い雰囲気が漂うアレな展開になりつつあり、そういう意味でも盛り上がりを見せて来た感があります。
そんなヤバい状況で、如何にもヤバそうな武器を持って登場した薊。なんかこう、雰囲気的に対上位種用使い捨て決戦兵器! あるいは最終兵器薊! みたいな扱いをされること必至な彼女に、果たして明るい明日は訪れるのでしょうか。というか、むしろこのマンガ自身の明日が(以下略)。
「僕はねっ! マトモで正常な人間です!」(絶対可憐チルドレン)
椎名高志のマンガに出てきてしまった時点で、自分をマトモな人間であると主張するのは諦めた方が良いと思いました(感想)。
そういう訳で今回は、兵部の差し金で子供達にいいように遊ばれてしまう皆本がたいへんに面白い回でした。この前発売されたばかりのコミックス1巻では子供達を「君たちはただのガキだ!
」と大人らしく叱り飛ばしていたあの皆本が、今ではすっかり少女達に振り回されるヘタレキャラに早変わりですよ。女に振り回される男を描かせると、椎名高志センセは相変わらず天下無双の実力を発揮しますよね。すごいすごい。
また、先週の段階ではその胸の小ささから皆本を誘惑すること極めて至難ではないか? と心配されていた(オレに)葵でしたが、「メガネの優等生が意中の男子にうっかりパンツを見られてしまい、慌てて隠しながら頬を赤らめる」という彼女にしかできない高等技術を披露し、一躍評価が鰻登りに(オレに)。そういう手で来るとは意外でしたよ! 葵はやればできる子なんだ(萌えを)! と思いました。
そして最後のページでは「あと一押しで、その坊やは永久に僕のものだ…!
」と兵部が問題発言を行い、彼の目的が「薫を皆本の手から奪取」から早くも「薫をいいように使って皆本を奪取」に転換されたことを読者に対して強烈にアピール。これまではあくまで読者の妄想の中の関係だった兵部×皆本が、ついに公式のものとなってしまいました。
ハシラでも『ちょっとマニアックな女性読者にウケそうな展開キター!』と煽ってましたが、2ちゃんねるの801板の関連スレッドを読む限りでは、みんなそのアオリに自ら乗って大喜びで釣られながら楽しくハマってるみたいですよ。
原稿速報によれば次週は深海の潜水艦が舞台になるみたいですけど、こんな状況下で潜水艦という名の密閉空間にあの三人娘と一緒に閉じこめられることになる皆本の理性と純潔が心配です。皆本の悲鳴はもう誰にも届かない!
「世界中の人間達、みんな死んじゃえよ」(からくりサーカス)
サンデーきってのダメ人間であるフェイスレス。「自分以外の男が全員死ねば、きっと自分は彼女からモテるはずだ!」「彼女と宇宙船の中で二人きりになれば、彼女は自分を愛するしかなくなるはずだ!」と、ダメ人間ならではのダメ思考でエレオノールとわしとの密溢れる神聖モテモテ王国建国に挑んでは失敗してきた彼でしたが、ついに万策尽きた模様。ダメ人間にありがちな「みんな死んじゃえ!」モードに入ってしまいました。
「この世を燃やしたって、一番ダメな自分は残るぜ!
」と、高らかにダメ人間の悲哀を歌った筋肉少女帯の「踊るダメ人間」さながらの生き様を爆走し続けるフェイスレス。自分は誰からもモテないダメ人間であり、ダメならダメなりに生きて行かざるを得ないという純然たる事実を今もなお受け入れることができない彼は、「生きる」ことの本当の価値を知っている非ダメ人間・勝に永遠に勝てないまま、きっといつまでもこの調子で永遠にダメなままダメな戯れを繰り返し続けるのでしょう。
そんな訳で、私にとって「からくりサーカス」は、ダメ人間のフェイスレスのダメな生き様を楽しむマンガとなりつつあります。
今度はどんなダメなことしてくれるのかなー?(ダメ)
近藤さん退場(ネコなび)
「ネコなび」作者の杉本ペロ先生は担当編集者の近藤さんに萌えに萌えまくっており、「ネコなび」とは即ちペロ先生による近藤さん萌えマンガであることはサンデーを読んでいる人なら誰でも知っている明白な事実なのですが、それだけに今回の「ネコなび」の担当編集者の変更はかなり影響が大きいのではないのではないか? と思われます。
愛する近藤さんに代わって新しく担当編集者となった國友さんに対するペロ先生の今の感情が如何なるものであるのかは、彼を真っ黒のシルエットで描いているところから伺い知ることができます。ちょっとヤバくね?(曲解)
漫画家と担当編集者の関係はその作品のクオリティに大きな影響を及ぼしますが、「ネコなび」の場合は尚更それが心配です。果たしてペロ先生は、かつて近藤さんにそうしたように、國友さんに萌えることができるのか否か。この連載の今後の成功は、そこにかかっていると申し上げても過言ではないでしょう。
つうかペロ先生は、担当編集者よりもむしろ猫ちゃんにもっと萌え萌えになるべきだと思うんですけどね!
しかし、週刊ポストから週刊少年サンデーって畑違いもいいとこな気がするのですが、小学館的にはそういう人事異動もアリということなのでしょうか。「サルでも描けるまんが教室」には担当編集者が「週刊少年スピリッツ」から「盆栽日本」に異動したネタが出てきましたけど、あれって小学館では本当に起こりえることなんだなあと思いました。
2005/10/15
■移転完了のお知らせ
負荷増大でサーバ管理会社から警告を受けたことを踏まえ、ここの更新日記の置き場所をロリポップ (http://fukaz55.main.jp/whatsnew/) に変更しました。
自動的にこちらにリダイレクトされるようになっているはずなので、特にブックマークやリンクを変更しなくても問題はありません(多分)。こちらにリンクされている方は、暇があったら修正して下さい。
また、更新日記以外のC-WWWのコンテンツはそのままです。
ここはあくまで暫定的に置いてあるだけなので、来年の4月をメドに C-WWW そのものを別のサーバに移転させる予定です。
■「少年サンデーの目指す低年齢路線? 知るかよ、そんなこと。」サンデー46号感想速記版
クラウス×ハヤテ(ハヤテのごとく)
眼鏡キャラが眼鏡を外す時!
それは即ち、大切な人のために本当の自分をさらけ出す覚悟を決めた時!
という訳で、今回はクラウス殿がハヤテを助けるために眼鏡を外したら、ものすげえダンディヒゲオヤジが出てきたよ! うわー超とーきーめーくー!(ハヤテが) という感じのエピソードに。クラウス格好良すぎますよ! こりゃハヤテでなくても惚れるよ! クラウス×ハヤテのカップリングは、この冬の「ハヤテ」同人界隈を席巻すること間違いなしですよ! とか見境なく叫んでしまいたくなるくらいの格好良さです。これが一流の執事の実力!
作者のコメントによれば、本来ならば普段あまり出番がない伊澄や咲夜に登場の場を与えるためのエピソードであったようなのですが、もはやそんな女子キャラはナギを含めてどうでもいい領域に突入してしまいましたよこのマンガ。「ハヤテのごとく!」は、そういう意味でどんどんオトナの女性向けのマンガになってますよね。よね。
『がんばって…』(結界師)
今週の「結界師」は、二人の愛の結晶である卵から生まれた雛を壊して良守の元へと走った限に対する怒りのあまり、火黒がついカッとなって刺してしまった! という展開でした(まちがい)。
今週グッと来たのは、時音姉さんが『がんばって…
』と良守を心の中で応援するシーンでした。良守に対して突き放すような態度を取りながらも、内心では彼女なりに良守×限のカップリングを応援しているという解釈が成り立つということに?(まちがい)
今週の「あいこら」
今週の「あいこら」は、「少年サンデーの目指す低年齢路線? 知るかよ、そんなこと。」という、井上先生の決意に溢れたエピソードだと思いました。性に目覚めた童貞ボーイズのハートを狙い撃ち! これぞ真の少年マンガというモノなんだよ! という井上先生の魂の叫びが、誌面から聞こえて来るようです!
「自分の担当するエスパーに手を出すね」(絶対可憐チルドレン)
皆本は残念ながら子供に対しては全く興味が沸かない、至ってノーマルな感性の持ち主みたいなのですが、でも「体はオトナだけど心はコドモ」というアブノーマルなシチュエーションでは思わずグッと来てしまうことが今回のエピソードで判明。実は「ななか6/17」とか好きなタイプ?(決めつけ)
とりあえず、今回のお話は椎名先生が兵部になりきって皆本をオモチャにしてもて遊ぶことが目的なので、我々読者としても兵部視点で「皆本はからかうと面白いなあ」とか思いながらニヤニヤしながら読むのが正しい鑑賞方法でしょう。それに、お堅い性格のエリート眼鏡男子を持ち前のお色気で悩殺する今回のシチュエーションは全人類女子の夢と憧れに違いないはずなので、そういう視点でも楽しめるのではないかと思います。
それと今週は、ホラー映画を見て子供っぽく怖がったのを皆本に見透かされ、思わずサイコメトリーで仕返ししてしまう紫穂が可愛かったですね。
そんな紫穂がもし皆本を本気で悩殺しにかかったらさぞや凄いことになるんじゃないかと思いますので、その辺にも期待しておきます。果たして紫穂は、薫よりも先に皆本を攻略できるのか否か。がんばれ紫穂。負けるな薫。そして、成長すると三人の中で最も胸が小さくなることが判明してしまった葵に挽回のチャンスはあるのか。待て次号。
ガリガリ右京(あお高)
今週の「あお高」では次回の対戦相手のチームがホームランバーを食べてましたが、これが「ガリガリ君」だったら右京の体格に対する皮肉になっててもっと良かったのにな! と思いました(まちがい)。
まだまだ続くからくりサーカス
先週のコロンビーヌの最期のシーンには素直に感動してしまったので、基本的にひねくれたことしか書けないこのページには感想を書くことができませんでしたよ。申し訳なく!(こんな自分が)
それはそうと、フェイスレスとの戦闘が思って今度こそ勝とナルミが合流することになるのかな? と思っていたんですけど、どうやらしろがねが運ばれたキャンプには、勝はまだ到着していない模様。そう考えると、まだ大団円までにはもう一悶着あるのではないかと思われます。専門用語で言うところの「もうちょっとだけ続くんじゃよ状態」にあると考えて問題なさそうです。ミンシアこわい。
あと、エリ王女が登場した時、彼女が過去にこのマンガに出てきたのを記憶していた自分に感動した。オレの記憶力も捨てたモノじゃないなと思った(バカ)。
終わりそうな我聞
國生さんと我聞のラブラブカップル成立における重大な伏線になるはずだった「國生さんの反仙術能力」が、こんなにアッサリ使われてしまうだなんて! なんてもったいない! と思ってしまいました。
やっぱり、もうすぐこのマンガ終わっちゃうんでしょうか?
2005/10/12
■サイト緊急移転のお知らせ
昨日、このサイトのサーバを管理している会社から「CGIがサーバに過剰な負荷をかけている」との連絡がありました。
月曜日の早朝~夜にこのページが表示できなかったのは、サーバ側が負荷対策でこのブログのCGI(blosxom)をアクセス不能状態に設定していたのが原因でした。
現在の状況では、これ以上アクセスが増えると再び過負荷状態になってサーバ側に迷惑をかけてしまうことが確実なので、近日中にこのブログを別のサーバに移転させます(とりあえず、「絶ブ」や「絶チル感想掲示板」などを置いてあるロリポップの方に暫定的に移転する予定)。作業が終わったら、改めて告知します。
ご迷惑をおかけしますが、ご了承をお願いします。
2005/10/10
■絶チル12話がすごすぎる件について
今週のサンデー45号に掲載された「絶対可憐チルドレン」ですが、ZETTAI KAREN BLOGGING(愛称:絶ブ)で引っかかる件数が普段よりも多いような気がします。今回のエピソードを「読み切り版以来の傑作」と評するコメントもあったりして、評判は上々な様子。いやもう今回はホントに面白かったもんなあ。
また、今回のエピソードは、普段よりも多めにパロディが盛り込まれていることも話題の一つになっています。ですので、現段階で個人的に把握できたパロディとその元ネタを、簡単にまとめてみました。
「他にこういうのもあるよ」といったご指摘は大歓迎。
□
- サブタイトル:プリンセス・メイカー
-
→プリンセス・メーカー。ガイナックスが1991年に発売。プレイヤーが戦災孤児の少女を養女として引き取り18歳になるまで育成する、というコンセプトが当時のゲーマー層に大ヒット、ガイナックスを代表するゲームソフトとなる。
エンディングの一つに「娘がプレイヤーと結婚する」というものがあり、今回のサブタイトルは谷崎の野望からの連想で付けたものと思われる。 - 谷崎一郎
-
→谷崎潤一郎。明治後期から戦後にかけて活動した小説家。代表作は『痴人の愛』など。
『源氏物語』の現代語訳に取り込んだことでも有名。谷崎潤一郎の名前を持ってきたのは、そこからの連想であると思われる。 - 梅枝ナオミ
-
→「梅枝」:源氏物語の中の一節のサブタイトルに「梅枝」というものがある。源氏物語の各帖の名前は、女性の源氏名として好んで使われたという。
→「ナオミ」:谷崎潤一郎の作品『痴人の愛』の登場人物。『痴人の愛』は、カフェの女給であったナオミを見出した主人公が彼女を自分好みの妻に仕立てようとするも、逆に彼女の妖婦っぷりに翻弄されて破滅していくまでを描いた物語。痴人の愛 (新潮文庫)
谷崎 潤一郎
新潮社
- キティ・キャット
-
→子猫ちゃん。「キティ」「キャット」も共に猫を表す言葉であるため、「ネコ被ってる」という意味合いも持つ(らしい)。
「ワイルド・キャット」は野良猫。転じて、奔放で手が付けられない女性という意味合いも持つ(らしい)。 - 天井から落ちてくる金ダライ
-
→ドリフターズのコントに出てくる定番のギャグ。アニメ版「月詠」の最終話に出てくる程有名。
タライを頭に乗せながら「すみませんごめんなさい」と謝るナオミは萌え。 - 超力招来
- →東映の特撮作品『イナズマン』の主人公が、サナギマンからイナズマンに変転するときの掛声。
- 「オヤジスイッチ入ります。」
-
→安野モヨコの「働きマン」に出てくる「男スイッチ」のパロディ。
雑誌編集部で編集者として働く主人公・松方弘子は、締め切り前の緊急時になると『男スイッチ入ります。』のかけ声と共に「働きマン」に変身、血中の男性ホルモンが増加して通常の三倍の勢いで仕事をこなすようになるのだ! というマンガ(間違ってはいない解説)。 - 「次はおいちゃんの番だよ~~?」
-
→「史上最強の弟子ケンイチ」のエロオヤジ・馬剣星がモデル。
でもおそらく薫の方がエロい。
□
あと、大変にどうでもいいことなのですが、葵のスカートが薫のサイキックで破られたコマの後、葵の下半身がマンガの中で描画されていないことが気になります。これはきっと、読者のあらぬ妄想を刺激させようという作者の陰謀に違いありません。椎名高志おそるべしです。
2005/10/08
■2005/10/08のメモ
http://blog.livedoor.jp/fujikishun/
サンデーで「こわしや我聞」を連載中の、藤木俊先生のブログ。
プロフィールのイラストにグッと来ました。さすがだ [関連URL]
2005/10/07
■「絶チル」の梅枝ナオミよりも「兄ふん」のヤン子の方がナイスバディなのではないかと思われる件について(別名:サンデー45号感想速記版)
「10月は改編期だから、納得行かない最終回でもあったんじゃないですか?」(ハヤテのごとく!)
納得行かない最終回!
種死か! 種死のことか!(超反応)
今週号の原稿を書く段階で、既に「ガンダムSEED DESTINY」の最終回が多くの視聴者にとって納得行かないモノになることを予見していた畑先生は流石だと思いました。伊達にサンデーで一年間も連載を続けてないね!(失礼な褒め方)
そして「DESTINY」と言えばルナマリアの絶対領域ですが、今週の「ハヤテ」で個人的に一番グッと来たシーンも、P.24でハヤテに靴紐を結んでもらっている時のナギの絶対領域でした。こんな格好で男子に靴紐を結んでもらうってのは、いくら何でもシチュエーションがエロ過ぎます。自分から彼にパンツを見せていると解釈されても仕方がない格好ですよコレ。キタコレ(流行語)。
もしこれを意図的にやってるんだったら、ナギは立派な小悪魔キャラとして純で初心なハヤテをタジタジにできるところなのですが、逆に自分がハヤテを意識してしまってタジタジになってしまうところがナギクオリティ(流行語)。
願わくば、「ハヤテのごとく」にはこのレベルのぬるいラブコメを1年と言わず永遠に続けて欲しいところなのですけど、今週のWebサンデーの畑先生のコメントを読む限りでは、やっぱり最後はこの状態を脱してキッチリとラブコメを終演に導く意志に溢れている模様。畑先生がこれからどこまで頑張れるのか、果たして先生が目指すような最終回を無事に迎えることができるのか、我々としても暖かく見守っていきたいと思います。
まかり間違っても、大量破壊兵器が宇宙を飛び交った挙げ句、最終回間際でナギが「ありがとうヒナギク。そしてさようならだ
」と池田秀一ヴォイスで言い出すような展開にはならないようにお願いします。
「ガンダムSEED DESTINY」の最終回は、ルナマリアが死ななかった点は良かったなと思いました。
「シルヴァのセリフはベネズエラの総意ってことか…!!」(MAJOR)
吾郎が「総意
」なんて難しい言葉を使っていたのでビックリしました。
あと、ドジッ娘化した清水は萌え対象だと思った。
地尚拳連環掌拳脚法(史上最強の弟子ケンイチ)
「我が絶招をもって打ち砕かん!
」
かつてサンデーに連載された中国拳法マンガのバイブル「拳児」に出てきた『絶招』と呼ばれる技は、八極拳における猛虎硬爬山にしろ、心意六合拳における虎朴把にしろ、どれもただ一度打つだけで対戦相手を倒す、文字通りの一撃必殺の攻撃方法として描かれていました。
が、我らが李師父が繰り出した絶招は、地面を転がりながらパンチやキックを延々と出し続けるだけという、これまでの私の認識の中には全く存在していないものだったため、今週の「ケンイチ」を初めて読んだ時には軽いショックを受けてしまいました。これまでの常識を覆す、全く新しい必殺技の形を見た気がします。中国拳法もついにここまで来たか! と考えさせられた気分に。これがパラダイムシフトというものなのでしょうか?(ちがうよ)
薄皮療法(最強!都立あおい坂高校野球部)
今週の「あおい坂」は、右京とイチャイチャしているマサハルにキタローが嫉妬して二人の関係が壊れそうになるものの、マサハルが「オレの本命はオマエなんだ!
」とキタローを諭して再びラブラブになる話、と要約するしかないストーリーで、久しぶりに自分が腐女子に生まれてこなかったことがたいへんに悔やまれる内容でした。
「オレの復活まで右京で我慢しといてよ
」という台詞は、あらぬ妄想を色々とかき立てますよね! ね!
そして、「あお高」のキャラ達はみんな「発掘!あるある大事典」に釣られすぎだと思った(本当の感想)。
式神時子(結界師)
今週の「結界師」は、時子の姿が見えないことに気付いた繁守が、「時子! 時子!
」と叫びながら雪村家の中を必死の形相で駆け回る姿に心を打たれました。オレは本当の「純愛」って奴を、今週のじじいの中に見たね! じじい最高!
そして繁守が邂逅した時子の式神ですが、「式神」というだけあってどっか非人間的なところを感じさせます。何というかこう、これはこれでという感じ(何?)。本物の人間時子さんをHMX-12に例えれば、式神時子さんはHM-12といった趣。例え家に強盗が侵入しても、ご主人様をしっかりガードしつつ最寄りの結界師に通報する機能を標準装備しているところが、HM-12時子のメイドロボとしてのセールスポイントだと思います。
あとその時子さんの孫娘の時音さんですが、すっかり良守と限のラブラブっぷりにアテられたのか、今回ばかりは良守を「あんたは強い!
」と元気付けるのが精一杯な模様。いつか彼女には、「Mr.ジパング」のヒカゲのように、いちゃつく男二人を遠目で眺めながら「まー、モテちゃって♥
」とか言いつつニヤニヤするくらいの懐の深さを持ってもらいたいところですね(無理)。
踏まれフェチ(あいこら)
「あいこら」が始まってからというもの、「井上先生には、また『美鳥の日々』のようなほのぼのラブコメを描いて欲しい」といった感想を時折見かけることがありますけど、でも今週のエピソードを読んで頂ければ、そんなものを望むのは今の井上先生に対しては野暮の極みである、というのが納得頂けると思います。
また、「あいこら」が始まった時には「これってラブひなのパクリじゃん!
」みたいな意見をよく見かけましたけど、今となってはそんな無粋なことを言う人はもう誰もいないでしょう。常道を逸したポジティブな変態キャラが立て続けに登場し、作品世界そのものがその変態行為を是として賛美する構造になっているこの作品は、その他の凡庸な量産型美少女わんさかラブコメディーとは、もはや一線を画した存在となっているのです。いや、一線を画すというよりも、むしろもう周囲に誰も存在し得ない領域に到達しているとさえ言えるでしょうか。
この作品に対しては、もう「オンリーワン」というありきたりな表現すら生ぬるく感じます。孤島! 極北! 唯我独尊!
井上先生には、己が選んだこの路線をどこまでも歩み続けて頂きたい。
私はもはや、そう願うのみであります。
「結局キスしちゃったね♥」(ブリザードアクセル)
「あいこら」を極北とするならば、「ブリザードアクセル」はまさに王道。
女性に顔面を踏んづけられて喜ぶ展開が許されるのは「あいこら」だけですが、背中を押されて倒れるついでに偶然チューしちゃった! だなんてベッタベタな展開が許されるのは「ブリアク」だけです。歩む道は違えども、その道を極めることでその作品独特の個性を表現しようとしている――という意味において、両者は同じレベルで極まっていると言えるのではないのでしょうか。
でまかせですが(だいなし)。
「うっわ最低だコイツ!」(絶対可憐チルドレン)
今、皆本がこのマンガの基本コンセプトを否定したー!(まちがった感想)
椎名先生のサイトで公表されたバグ情報ページには「せっかくの新キャラ、登場するなり源氏物語から持ってきた風雅な雰囲気が台無し」と書かれていましたけど、今回のエピソードのコンセプトそのものが「清楚で上品な雰囲気の女性を台無しにする
」話なので、正直どっちもどっちだと思いました。
あと、原稿速報ではエロなマンガにツッコミを入れる無粋な読者に対する予防線を一生懸命張ってましたが、こういう内容なら誤解を招かないためにこういうアナウンスをするのも致し方ないかなあという気に。実際、「もうテコ入れかよ!
」みたいなコメントもネットで見かけましたしね。
ファンサイトとして一応フォローしておきますが、あれは決してテコ入れではなく、基本的に椎名高志という漫画家はこういうマンガを描きたくて仕方がない人なのです。「絶チル」は一見すると「決して解り合えない超人と人間の関係の悲劇」を基底としたハードSF直系の深遠なテーマを抱えた物語のように見えますが、本当に椎名氏がやりたいマンガは今回のようなノリですので、その辺を知った上で「絶チル」を鑑賞して頂けると、より楽しめるのではないかと思われます。
本心ではエロとパロディに彩られたマンガを作りたいにも関わらず、ひねくれた生真面目な性格が災いして素直にそんなマンガを作ることができない、ツンデレ的アンビバレンツな心境と戦いながら毎週毎週マンガを描いている椎名先生に萌えて頂きたい。
椎名高志ファンサイト C-WWW へようこそ(挨拶)。
「私はバカですから、若様にお仕えすること以外考えられません!」(こわしや我聞)
かつてサンデーには、本当のメガネッ娘が存在した!
その名は千紘!
と、ついレジェンドを伝承してしまいたくなる程、今週の千紘は完璧なまでに「ご主人様に仕える、ドジでメガネなメイド」を演じていたと思います。
十曲は超増刊連載版時代からの我聞のライバルキャラだった訳ですが、さすがに今週で「我聞のライバル」としての十曲才蔵の命運は尽きたと思うので、才蔵は千紘を嫁にして故郷に帰って家業を再興するが良いと思いました。「我聞」もそろそろ終演が近いんでしょうかねえー
2005/10/01
■2005/10/01のメモ
http://www.ne.jp/asahi/cna100/store/info/info.htm
『「絶対可憐チルドレン」少年サンデー45号において、誤植が発見されました。この脆弱性により、椎名高志の教養が疑われる可能性があります。
』
担当編集者(東大卒)のミスであることを必死でアピールする椎名先生がカワイイ [関連URL]
2005/09/30
■サンデー44号における「ワイルドライフ」の動物描写の抽象ぶりはもはや芸術の域
「これならば、清麿も回復しながらついていける!」(金色のガッシュ)
熱血しているところ大変に申し訳ないんだけど、いくら何でもそれはちょっと回復できないような気がします! それじゃまるで、棺に入った状態で連れ回されるドラクエのキャラみたいですよ! 一度死んでも休めない清麿はたいへんだなあ!
あと、大怪我してるんだから、介抱する意味でもせめて服ぐらいは脱がせた方がいいんじゃないかと思った。エロくない意味で。
李天門大はしゃぎ(史上最強の弟子ケンイチ)
「ぬっはあああ!
」
たしかに拳法を極めた達人はどんな相手をも一撃で倒すと言われてはいますが、いくら達人と言えどもコンクリートの壁を頭突き一発で粉砕してしまうってのは、ちょっとヤリスギなような気がします! しかも「ぬっはあああ!
」ってアンタ! この奇声は達人と言うよりは変態の域ですよ! 警察呼ばれますよ!
とは言うものの、いい年した大人が子供相手に地面を転がったり弾道ミサイルごっこをしたりコント以外には成立し得ない方法で壁を壊したりと大暴れする今週の「ケンイチ」は、個人的にはとても楽しく読むことができました。特に、最後のシーンで一人で勝手にキョロキョロした挙げ句にいきなり背中から凄い勢いで倒れ込み、目からビームを出しながら「馬 剣星!
」と叫ぶシーンの彼は、最高に輝いていたと思います。こういう大人になってもいいんだ! と思います。
爽やかな感動をありがとう李天門師父。そしてさようなら(決めつけ)。
暴走すると萌えキャラになる薫(絶対可憐チルドレン)
限界を超えて能力が薫を中心に爆発したシーンで、「危険がウォーキング」を思い出した人?(挨拶)
もはや「絶チル」におけるオチの定番と化してきた感がある薫の暴走ネタですが、今回は『頭を使って超能力をコントロールし過ぎると萌えキャラに変身する』という新機軸で攻めてきました。最後のシーンで「バッカ、ちげーよ!」と皆本に元気に飛びかかる本来の彼女もカワイイですが、まんまる白目の状態でフラフラしてる暴走状態の彼女もゾンビみたいであなどれない可愛らしさを発揮。
「にゃ
」とか「にょ
」とかいうテクニカルタームを交えつつ皆本に甘える薫に至っては、もはや萌え対象です。
しかし今週の最大のポイントは、前回のエントリでも書きましたが、皆本が兵部に対して顔を背けながらも「コイツ(薫)を守ってくれて感謝する
」と礼を言ったところにあります。
彼の兵部に対する態度と台詞からは、「相手に感謝したいんだけど、これまでの手前を考えると素直に自分の気持ちを伝える訳にもいかない」という、アンビバレンツな心境を読み取ることができます。つまり、この時の彼の心理は、ツンデレキャラが異性への恋に目覚めた時のそれと等価なのです。
即ち、このシーンでの彼の台詞を判りやすくツンデレ語に翻訳すると、「あたしはアンタに助けてもらったから、それのお礼を言ってるだけだからね! あ、アンタのことなんか別に何とも思ってないんだから! か、勘違いしないでよ!
」ということになる訳であり、これは即ち専門用語で言うところの『フラグが立った』状態であることは明白であります。
チルドレン達になつかれてる時は「内心は嬉しいんだけど表面上はそれを隠している」むっつりスケベな状態を押し通している皆本ですが、兵部の前ではツンデレとなってしまう。薫を兵部の魔の手から守るはずの立場の彼が、そんなことで本当に大丈夫なのか。薫を媒体とした兵部と皆本のこれからの展開や如何に?
そんな感じで、ますます作品構造に奥深さが出てきたこのマンガの今後に期待です。期待の仕方が間違ってる気もしますが気にしない。
「すみません頭領。俺、言いつけ守れませんでした」(結界師)
限に対する良守の表情の変化が面白かった今週の「結界師」。腕を吹き飛ばされた時には心から限のことを心配し、「お前は化け物じゃない」と諭す時には親友の顔になり、そして完全変化を遂げた限を見て「かっこいいじゃねーか」と戦友のように不敵に笑う。どれも、良守が如何に限のことを大切に思っているのかが伺える描写です。
そしてその限は、自分のことを「化け物じゃない」と言ってくれた良守を救う為に、「変化をしない」という正守との約束を破る決断を下します。先週までは、戦いの最中でも正守の笑顔を脳裏に浮かべてしまうくらい正守を崇拝していた限でしたが、自分の心の中では正守の期待よりも良守の信頼の方が大きくなっていることに、ついに気付いてしまったのです。
「すみません頭領。俺、言いつけ守れませんでした
」という限の言葉は、自分の中の正守の虚像との決別の言葉でもあるのです。
という訳で、今週は良守×限が公式カップリングと認められるエピソードだったと認識致しました。
認識の仕方が間違ってる気もしますが気にしない。
「キス…してみようか?」(ブリザードアクセル)
「あいこら」なんていう極まったラブコメマンガが載っている雑誌の中で、あくまで王道の青春ドラマを描こうとする鈴木央先生の姿勢はストイックで格好良いです。
次週は、如何に格好良く吹雪が六花を説得し、彼女に自尊心を持たせてやるかがポイントでしょう。
というか、一度キスしたくらいで異性と心が通い合えるようになれるんだったら、誰もこんなに苦労はしないと思いますYO!(←何かあったんか)
取材のため休載が長引くうえきの法則
もう何週間も連続して「うえきの法則プラス」が取材のためお休みとなっていますが、さすがにこれだけ「取材」が続くとちょっとヤバいんじゃないかという気に。大丈夫か福地先生。
2005/09/29
■絶チルに関係する様々な思考テストの続き
4. 紫穂だけが表現できる色気を考えるテスト
第10話で紫穂が浴槽の中でエビアンを飲んでいたシーンがあったが、個人的にはエビアンよりも硬度がやたらと高くて慣れないうちは飲み込むことすら一苦労することで有名なセレブ御用達ミネラルウォーター・コントレックスを、時々喉に詰まらせて咳き込みながらも頑張って飲んでるシーンが見たい。勿論紫穂のことなので、飲み干した後は何事もなかったかのようにニッコリ微笑むに違いない。
原稿速報では椎名先生がマンガの中のエロいシーンにツッコミを入れてくる読者に対する怒りを表明していたが、本当のエロってのはパンチラとか乳濡れとかではなく、そういうことを言うんだと思う。
ただのフェチとも言う(フェチです)。
5. 兵部×皆本カップリングテスト
原稿速報では椎名先生がマンガの中のエロいシーンにツッコミを入れてくる読者に対する怒りを表明していたが、それはそれとして、これまで絶チルで一番エロスを感じさせるシーンは、第2話で紫穂が脱いだ自分の靴下の臭いに顔をしかめているところだと思うがどうか。
次点は、第8話でパイプ椅子に縛られて座らされて拷問を受けてた皆本。この二人の潜在的なエロさは底知れない。
新キャラの兵部京介には残念ながらまだそういう意味でのエロさが足りてないのだが、今週の「絶チル」で皆本から目を反らせながらも感謝の言葉を引き出せたのは、兵部×皆本の関係性の構築を妄想する上では収穫だろう。このシーンでの皆本はちょっと照れていたはずなので、きっとツンデレっぽく頬を赤らめていたはずだ。兵部には、薫の潜在的な戦闘能力をより高めたのと同じように、皆本の潜在的な魅力を引き出す能力があるのかも知れない。
兵部×皆本の関係性が成立するかどうかは「絶チル」の作品評価にも関わる重大観察事項であるので、引き続きそういう観点からも注目していきたい。
6. 隣のお姉さんみたいに優しい心境になるテスト
原稿速報では椎名先生がマンガの中のエロいシーンにツッコミを入れてくる読者に対する怒りを表明していたが、私が推測するに、少年マンガ雑誌に載っている「ちょっとエッチな要素」が作品世界の根幹を成しているタイプのマンガに対して「このマンガには人気取りのためのエロなんか必要ない! エロがない方が絶対面白いのに!
」と文句を言う読者は、
- エロが低俗なモノであると認識しており、
- 自分が好きな作品は低俗ではなく高尚なモノなのだと位置付けたいと願っており、
- その作品を造っている作者も高潔な人間であって欲しいと願っており、
- かつそんな自分の気持ちを世間にも認めてもらいたいという、
ポップカルチャー好きな若者が一度はかかる病気にかかっているのではないかと思う。いわゆる「中二病」の一つ(多分)。赤松健先生のマンガに対して「エロがない方が!
」とか苦言を呈していたりするのが、予想される典型的な症状。
でも、このサイトは基本的に作者は擁護しないで読者を擁護するというスタンスなので、もしそんな書き込みをネットや何かで見かけたら、「それは、男の子なら誰もがみんな一度は経験することなのよ。キミが大人になるために必要な、大事なステップなの。ちっとも恥ずかしいことじゃないわ
」と、隣に住む年上の優しいお姉さんのようなおおらかな態度で接していきたい。
決して、「かつて『GS美神』が小学館漫画賞を受賞した時は、『このマンガはエッチだけど、エッチだけじゃない』ところが審査員に評価されたんだよ! この評価の真意が判るようになってから出直して来いよ!」とか、そういう狭量なことは言ってはいけない。言ってるけど(手遅れ)。
あと、「今の椎名高志マンガに必要なのは色気よりも萌えではないか」という意見は私もごもっともだと思うのだが、かつておキヌちゃんに萌え萌えなファンに手を焼き、彼等を「病んでるファン」と呼称した経験がある椎名氏にとって、「萌え」で獲得できるタイプの人気には容易に与することができない、という感情はあるのかも知れない。
とりあえず今週の薫には萌えた(だいなし)。
2005/09/23
■サンデー43号は「週刊少年亜取アキラ」と改名するべきだと思った
「だって俺がここにいるのは…」(結界師)
自分が生きるか死ぬかの瀬戸際の戦いをしている最中に正守の姿を脳裏に浮かべちゃうから、世間では正守×限が公式カップリングみたいな扱いを受けちゃうんですよ!(公式?)
カップリングはともかく、今回の牙銀と結界師チームとの戦いを読んでると、アクションゲームをやってて初めて出会ったボスキャラ相手に「こいつにはどんな攻撃が有効なのか?」と探りを入れなから慎重にプレイする、あの感覚を彷彿とさせる緊張感が醸し出されていて素敵だなと思いました。既に「通常の結界技は効かないが、結界を使って物理的なダメージを与えることは可能」「牙銀の火の玉は跳ね返せる、跳ね返す方向のコントロールも可能」「限は牙銀のスピードに正面から対抗できる」等の描写は出てきているので、これらをヒントに攻略法を想像しながら読み進める楽しさがあります。
ウォンレイ退場(金色のガッシュ!)
これは、「グラップラー刃牙」で言うところの「侠客立ち」(おとこだち)!
とうに命は枯れ果てて されど倒れぬ「侠客立ち」! 男一代「侠客立ち」!
以来、リィエンはウォンレイを侠客(おとこ)の鑑として崇め、「侠客立ち」と称して彫物とし、後の代まで彫り継ぐことになったと聞きます。
聞きません。
妖霊大聖様(犬夜叉)
「犬夜叉」って実はステキなジジイキャラが多いことに、今になって気付いた。
高橋留美子デザインのジジイに萌えることができれば、「犬夜叉」はもっと読んでて面白くなるんじゃないかと思いました。がんばろう。
薫に接近する兵部京介(絶対可憐チルドレン)
自分が演出したピンチの場面に颯爽と乗り込んで意中の女子を助けるという、古典的ながらも手堅い手法で薫に接近する兵部京介。さすが中身は人生経験豊富なお年寄りだけあって、やることに全く無駄がありません。その上で、今の薫に最も必要な「超能力を有効に使う戦術」を指南して、彼女からの信頼を得ることにも成功。
そんな兵部にかわいい薫を取られてしまった皆本が「そいつから離れろ!
」と叫んだ時の表情は間違いなく嫉妬のソレであり、今ここに薫の将来の婿の座を賭けた激しい戦いが切って落とされたと見るべきでしょう。薫を育成するに相応しい男は、果たしてどっちだ!
ホント、みんな10歳の女の子が大好きな!(語弊)
あとは、風呂場で濡れ乳(フェチ用語)を薫にマジマジと鑑賞された朧が悪寒を感じていたところが個人的なポイント。これって、薫の視線には、大人の女性をも感じさせる潜在能力を秘めているということになりませんか。その辺どうですか。
今はまだ子供なのでちょっと横島忠夫的直情エロセンスが先行してしまっている彼女ですが、これが「ぞわっ
」という擬音で表現される悪寒ではなく「ぞくっ
」という擬音で表現される快感を呼び覚ますくらいの技術を身に付けることができれば、彼女は男性女性をあらゆる手段でメロメロにした上で身も心も支配する、名実共に「女王」として君臨することが可能なのではないかと思われます。
以上の可能性を考えれば、確かに薫は兵部京介が言うように大変に危険な存在であると言わざるを得ません。
薫…なんて恐ろしい子…!
今もレオタードにこだわるあだち先生(クロスゲーム)
「高校行ったら何か運動やれよ。レオタードに手を出す前に
」
あだち充先生と言えば「タッチ」、「タッチ」と言えば南ちゃん、南ちゃんと言えば新体操、新体操と言えばレオタード。今現在サンデー読んでる子供達がどこまでご存じなのかは判りませんが、「タッチ」がサンデーに連載されていた時代からマンガを読んで来た人間にとって、あだち充先生とレオタードは不可分な関係にあるのです。
「あだち充 レオタード」でググると何故か2番目にヒットしてしまう当サイトの責任において、これだけは明言しておかなければなりません。
今を去ること80年代、まだ「萌え」という概念が発明されていなかった頃、あだち先生が描く南ちゃんのレオタード姿は当時の男性読者のエロ願望を痛烈に刺激。その艶めかしさたるや、「南ちゃんが脱いだ直後のレオタードからは、体温が残ってて温もりを感じるような気がする
」と称えられる程でした。また、当時のサンデーのもう一人の雄・高橋留美子先生も「うる星やつら」「らんま1/2」でレオタード姿の女性キャラをバンバン登場させて人気を博し、ここに『エロコメにはレオタード』という黄金律を確立させるに至ります。
折しも時は大量にアニメが制作されていたアニメバブル期であり、いわゆる美少女アニメと呼ばれるジャンルには、レオタードを基調としたエロい格好をしたキャラクターがそこかしこに見受けられました。「美少女戦士セーラームーン」の登場で、80年代から続いたレオタードムーヴメントは頂点に達します。
しかし90年代の初頭において、その「セーラームーン」の火野レイや「GS美神」のおキヌちゃんを代表とする巫女キャラに対する人気が上昇。レオタードのような直接的なエロではない、よりソフトかつフェティッシュなエロを好む路線が台頭し始めたのがこの頃でしょう。「GS美神」の中で、椎名高志先生が巫女装束に対して「レオタードにないエロチシズム!
」と叫んだ時期を境にレオタード全盛の時代は終息へと向かい始め、より複雑化・フェチ化した「萌え」の時代が始まったのではないか? と私は思うのです。
そして時は現在、フェチがパーツレベルにまで細分化した「あいこら」なんて変なマンガがサンデーにも掲載されるようになりましたが、その時代においてもあだち充先生はレオタードに拘りを見せている様子。ツンデレキャラに挑戦する気概を見せる一方で、己の基礎を忘れない一徹さも持ち合わせているあだち充先生は、やっぱり凄い漫画家なんだなあと改めて感心させられました。
がんばって下さい(何だこれ)。
畑先生は本当に林原めぐみの歌が好きなんですね(ハヤテのごとく)
畑先生の林原めぐみ大好きっぷりな話題に触れるのは、サンデー感想サイトとしての義務です!
紳士ですから!
あと、カラオケボックスであのタイプのコンパネが用意されていた場合、つい過去の客の歌った曲の履歴をチェックしてしまい、そこでアニソンを見つけたりしちゃったら「前に歌ってた奴らは俺たちの仲間だ!」と思って嬉しくなってしまったりしませんか?(挨拶)
健介殿格好良すぎ(道士郎でござる)
早乙女から実力以上の力を引き出させ、ハッタリが信条の池内にはその威力を存分に発揮させ、そして場の雰囲気を自分の支配下においたところで満を持して道士郎を登場させる、健介殿の戦略的なセンスの良さに惚れてしまいそうです。
今の健助殿の強さは、間違いなく「本当の強さ」とは何かを知っているが故の強さですね。正攻法で強さを表現している「史上最強の弟子ケンイチ」とはまったく違ったアプローチなのが興味深いというか、「道士郎」という作品の懐の深いところだと思います。
虎穴に入らずんばフェチを得ず(あいこら)
「攻めのフェチ」ってアンタそれ犯罪!
とはいえ、今週もまた大変に面白かったです。ここんとこ井上先生絶好調ですな。「ランド・オブ・ザ・デッド」公開の影響でしょうか。井上先生のゾンビ大好きっぷりは、畑先生の林原めぐみ大好きっぷりに比類する程ですからね!
濡れ乳ネタが「絶チル」と被る辺りはご愛敬。濡れ乳は男子永遠の憧れ。
今週のこわしや我聞
我聞と國生さんがお互いを家族のように信頼し合う姿が美しかった今週の「こわしや我聞」ですが、何というかこうあまりにも美し過ぎるというか、エロスが足りないというか、君たち高校生なんだからもっとこう「家族」とか「信頼」とかいう美しい言葉の裏に隠した、もっとギラギラした何かがあるだろうというか! 言葉では表現しづらいんだけど、みんなには判ってもらえるよね! みたいな!
というか、ちょっと前に桃子にフカされて真っ赤になってた國生さんの延長上にあるものが見たかったんですが、さすがにそれはちょっと望みすぎたかなと反省。「我聞」は元々そういうマンガじゃありませんしね。きっと純情な好青年に違いない藤木先生には、そのピュアなハートをいつまでも大事にして頂きたい(とても失礼な激励)。
2005/09/19
■絶チルに関係する様々な思考テスト
※注意:大変にくだらないことしか書いてありません。
1. サンデー42号「絶対可憐チルドレン」の扉絵イラストの能力マークを無理矢理別解釈してみるテスト
- サイコキネシス
- 「クレーン作業中は上昇するコンテナに注意」
- サイコメトリー
- 「ボールを使ったストレッチ運動で頭をリフレッシュ」
- テレポーテーション
- 「ヨガテレポート→ドリルキック」(ダルシム)
□
2. もし「絶対可憐チルドレン」が大人気になってカードゲーム化された時、「マジック・ザ・ギャザリング」とその亜流しか知らないデザイナーによってゲームがデザインされ、結局ギャザの劣化コピーみたいなゲームになっちゃってガッカリするのを防ぐため、「絶チル」らしいゲームシステムを事前に考えるテスト
そういや、昔出てた「名探偵コナン」のトレーディングカードゲームって、事件からマナが出てくるシステムになってた気がしますが、実際どうなんだろう(挨拶)。
仮に「絶チル」をゲーム化する場合、普通の対戦型カードゲームのようにデッキを組んでデュエルだ! 薫をタップして対象の皆本に4点ダメージ! みたいな形式よりも、
- プレイヤーはチルドレンチームを指揮する立場となり、自分のチームを人類にとっての天使に育てることが目的。ライバルチームには「普通の人々」を差し向けて邪魔する。育成に失敗すると悪魔に育っちゃって人類が滅亡
- プレイヤーはチルドレンの一人となり、自分の心と体と能力を成長させつつ皆本をモノにすることが目的。皆本をモノにした上で人類を滅亡させた子が勝ち
結局亜流。
□
3. もし「絶対可憐チルドレン」が大人気になってアニメ化された時の声優を考えるテスト
- 桐壺帝三:若本規夫
- その他:誰でもいい
■2005/09/19のメモ
http://www1.odn.ne.jp/cjt24200/yamada/log/23/index.html#01
ヤマカムさんによる、「さよなら絶望先生」のコミックス1巻とマガジン掲載時との比較。
『ところで久米田先生の描くパンツはちょっと古い気がします。
』
ガ━━(゚Д゚;)━━━ン!!
2005/09/16
■2005/09/16のメモ
http://park.zero.ad.jp/~zaw18031/kuro05.htm
『モエモエだよ。お友達にもおすすめしよう。
』
夏目先生自らのプロデュースによる、クロザクロ5巻モエモエキャンペーンページ。
でも、表紙のテイストが何もかも台無しにしている気がします先生 [関連URL]
2005/09/15
■サンデー42号感想速記版
ご挨拶:
普段はインチキランキング形式でサンデー感想書いてますが、諸般の事情により今後しばらくはマンガの感想を推敲してゆっくり書く暇が取れなさそうなため、自分にとってものすごい楽な形式でやらせて頂きます。
要は適当に書き殴り。
□
ウォンレイ退場(金色のガッシュ!!)
リィエンを守るために最後の力を振り絞って立ち上がるウォンレイがやたら格好いい今週の「ガッシュ」ですが、でもどんなに去り際を美しく演出しようとも、彼が最期に戦った相手の名前が「ウンコティンティン」であることだけは変わらない現実がここに。
ウンコの自爆から恋人を守るために死亡。武道家の最期は常に切ない。
ツンツン吾郎(MAJOR)
待ち望んでいた夢が思いもかけない形で現実となったのに、素直になれない吾郎ちゃん。ツンデレの持ち味を遺憾なく発揮しているように見えます。
「あいこら」の天幕桜子には負けてられねえ! サンデー最高のツンデレキャラはこのオレだ! と言わんばかりの彼の態度に萌えられる人間に私はなりたい。
兵部京介(絶対可憐チルドレン)
兵部京介! その正体は齢80歳の老軍人!
「新世紀エヴァンゲリオン」のカオル君かと思っていたら、実は「覚悟のススメ」の葉隠四郎だったというオチ!(まちがってる上に判ってもらえない気味の感想)
とりあえず今回のエピソードのオチは、「チルドレンを将来僕の花嫁にしたい
」とか得意そうに言ってた京介が、薫に「バーカバーカ!
」と完膚無きまでにバカにされてフられて終わるに違いないと予想。というか期待。現代におけるモテ顔はカオル君風のイケメンではなく、既に皆本みたいな知性派メガネ君系に移行していることを知った上で出直して頂きたい。
あと、わざわざ彼が学生服着ているのは、「バビル2世」の浩一君リスペクツ故でしょうか。エスパー少年は学生服を着ていなければならないという、昭和ジュヴナイルSFの大原則を守っているところは感心。さすがお年寄りだけあって、その辺のケジメはキッチリしてますよね(関係ない)。
「あ、バカって2回言った」(結界師)
白の台詞にいちいちツッコミを入れる紫遠がカワイイと思った。
あと本編の方は、繁守大活躍で嬉しいです(良守は?)。
「オレが気に入ってんだ!」(あいこら)
正確には、「オレが気に入ってんだ!(目を)
」ですね。己のフェチを貫く行動が、そのままフェチの対象となるパーツを持つ者を守ることに繋がってしまうという、このマンガのシステマチックな部分の面白さを象徴するエピソードだと思いました。
あと、転校前の男子がみんな桜子に惹かれていたってことは、その学校の男子はみんな青い瞳が萌え要素の眼球フェチばっかりだったということなのか。あまねく男子は皆フェティシストであるということなのか。オタクの時代だなあ。
がんばったキャプテン今井(あおい坂)
丸書いてチョン顔のキャプテン今井が「打てる」オーラを出したことが、相手のバッテリーにワンバウンドのスライダーを投げさせることを選択させ、結果的にそれが勝利に結びついた今回のエピソード。
しかし、いくらそんな活躍をしようとも、きっと彼はこれからも今週のチアリーディング女子達から言われていたように、「今井じゃ期待できない
」と周囲から言われ続けるんだろうなあと思いました。何故なら、彼がそういう顔をしているからです。彼はそんな人生を送るのが似合っている顔をしていると思います。それが、丸書いてチョン顔のキャラとして生まれついた、彼の宿命なのです。そんな今井君が、私は大好きです。
少しは素直に感動しろオレ。
「人殺しだったお前が、殺しをしないと誓いを立てた眼鏡」(こわしや我聞)
マンガに出てくるあらゆる眼鏡キャラは、その「眼鏡」に意味が込められていなければならないのですが、辻原の眼鏡にはそんな秘密が隠されていたのか! と、改めて彼の眼鏡っぷりに感動。
彼の眼鏡は「本当の自分」を隠すためのペルソナとしての眼鏡ではなく、過去の過ちを悔い改めて「新しい自分」となるための、言わば象徴としての眼鏡だったのです。そして、彼にその眼鏡を掛けさせる決意を促したのが、他でもない我聞。辻原の眼鏡は、自分を生まれ変わらせてくれた我聞への感謝と誓いを込めた眼鏡なのです。
彼が工具楽屋を辞職しようと決意した時に辞表と共に眼鏡を一緒に置いたのは、もう眼鏡がなくても自分は間違えることがないという、彼の決意の表れであったのです! 例え物理的に眼鏡を掛けていなくても、彼の心の中には常に我聞との誓いの眼鏡が掛けられていたのです! 心にはいつもダンディ眼鏡! だったのです!
しかしストーリー上の都合とはいえ、とても惜しい眼鏡キャラを我々は亡くしてしまいました。
彼には、「結界師」の修史さんや「絶対可憐チルドレン」の皆本たちと、サンデー最萌メガネ男子キャラの座をいつまでも争って欲しかったのになあ(まちがい)。
□
そして来週のサンデーは、永遠に一人で宇宙に取り残されることになったフェイスレスの恨み節が楽しみです。
サンデー随一の喪男である彼の言葉は、きっとサンデー読者の8割を占めるモテない者達のハートを暗黒色に震わせる呪詛の言葉を吐いてくれるはず!
2005/09/09
■「MAJOR」を読んで『君たちは小学生カップルか』と説教したくなったサンデー41号感想
- ちょっとだけ「GS美神」っぽかった今週のハヤテのごとく
- 鬱展開に入った今週のあいこら
- 墨村利守(結界師)
- イヤボーン薫(絶対可憐チルドレン)
- フェイスレスがいっぱい(からくりサーカス)
□
1. ちょっとだけ「GS美神」っぽかった今週のハヤテのごとく
ここは「GS美神極楽大作戦!!」で有名な椎名高志先生のファンサイトという名目ですので、ちょっとだけ往年の「GS美神」っぽい演出がなされていた今週の「ハヤテのごとく!」には触れない訳には参りません。
いやまあ、どの辺が「GS美神」っぽかったかと言えば、鉄パイプを指先で回してから殴りかかるヒナギクの一連のアクションが、神通棍を持った美神令子のソレに似てたなあ、というとこだけだったんですが。他はあまり似てません。
もしこれが「ハヤテ」ではなく「美神」だったら、悪霊を退散させるシチュエーションは「ハヤテがヒナギクの胸を掴んでしまい、それでヒナギクの『気』が増大した
」とかそういう横島忠夫的エロコメシチュエーションに持って行かなければならないのですが、しかし現代少年向けラブコメマンガにおいては男子はスマートかつストイックな存在でなければならないので、結局そういう描写は一切なく、理詰めでヒナギクを『悪霊を退散させた』と説得するという結末に。
というか、エロという観点では、むしろオモシロ半分な感覚でハヤテを誘惑していたヒナギクの方が、遙かににエロかった気がします。現代少年向けラブコメマンガでは、エロいのは男子ではなく女子の方なのです。時代は男子総受けなのです。
現代ラブコメマンガの世界では、もう横島忠夫は存在できないんだなと思いました(変な感想)。
あと今回のエピソードでは伊澄お嬢様が正真正銘のゴーストスィーパーであることが証明されましたが、それと相反してどんどん作品内で影が薄くなって行くのが気掛かりです。作者自身も「報われない」とか書いてますし。いいのかそれで。
「ハヤテ」世界における報われない女性キャラナンバーワンの座は西沢さんのものなのではないかと思っていたのですが、ここに来て俄然伊澄が追い上げてきました(影の薄さで)。このままでは、彼女は「ハヤテがコミックス3巻で打ち切られていたら最強のヒロインだったのに
」と後世に記憶されてしまう、まるで「北斗の拳」が10週打ち切りだったらケンシロウの最強のライバルでいられたシンみたいな存在になってしまいかねません。あやうし!(変な感想)
2. 鬱展開に入った今週のあいこら
先週のフェチ万歳っぷりが井上先生の本領であるならば、今週の鬱展開も、先生のもう一つの本領。フェチ賛美という光を描くためには、フェチという概念を悟ることができない「普通の人々」が、他とはちょっと違った要素を持つ者に対して向ける非寛容な冷たい視線がもたらす影も、また描かなければならないのだ! という感じで、魅惑の瞳を持って生まれて来たばかりに辛い目に遭ってしまった桜子の過去をキッチリと描いたエピソードだったと言えましょう。
変態主人公が惚れ込んでる「パーツ」は、やはり当の本人達にとってはコンプレックスになっていた模様。この障害を乗り越えて桜子の心を主人公が癒していく過程を描くことが「あいこら」というマンガの正真正銘の目的であると思われる以上、いよいよこの作品も本題に差し掛かってきたと見るべきでしょう。試運転段階を終え、いよいよ本領を発揮し始めた井上先生の紡ぎ出す、これからの展開に期待です。
正義の変態の熱い魂は、冷たく閉ざされたツンデレの心を攻略できるのか!
つまりはそういうことだよね!(なのか?)
3. 墨村利守(結界師)
「お父さんを守れるな?
」「ハイ!
」
「何言ってんですか! 僕も戦いますよ!
」「でもお父さん、見えないんでしょ? あれ
」
ナチュラルに修史パパの威厳を破壊している利守少年に萌え。その素直さが君の罪だ!
この子は将来大物になると思った。
あと「壁ハウス」さんの先週のサンデーの感想を読んで気付いたのですが、今回の戦いは繁守じいさんが大活躍する可能性が高そうですね。もし、雪村さんちにいる時子ばあさん(中身は式神なので無力)が人質に取られてしまったりした場合、繁守じいさんは怒りのあまり大戦鬼に変身して大暴れしてしまうに違いありません。そこで我々は、かつて愛した女の為なら己の命をも顧みずに戦う、一人の男の姿を目撃することになるのです。
そして更に、自分の分身を救うために戦う繁守じいさんの姿を、異変を察して駆けつけた時子ばあさんが偶然目撃することに! 二人の間に蘇る、若き日の想い出! 墨村・雪村両家の数百年の確執は愛によってのみ乗り越えられることを、繁守じいさんと時子ばあさんが図らずも証明する展開になるに違いありません!
ヤバイ! あまりに燃える展開過ぎて、想像しただけで泣けて来たよ!(バカ)
4. イヤボーン薫(絶対可憐チルドレン)
かの「サルでも描けるマンガ教室」でも述べられていたように、エスパーマンガにはお約束としてイヤボーン効果が欠かせませんが、今週ついに薫がイヤボーン的な覚醒を遂げてしまいました。ただ、発動のきっかけが「自分の身の危険」ではなくあくまで「皆本の身の危険」であるところが、皆本のことが大好きな薫らしいところです。
愛する者を守るためだったら、少女は天使にも悪魔にもなれる! みたいな、ベタと言えばベタなんだけどドラマ的な観点からすれば極めて正しい展開を見せて頂いた気分です。軍用ECMですら止めることができない、本気を出した薫の破壊力の描写は迫力十分であり、だからこそその力を目の当たりにした皆本が「止められるさ…!
」と誓うように心の中で呟くシーンが栄えてくるというもの。
そして、皆本のその言葉と同じくらい重要であると思われるのが、紫穂の「子供だってされたことは忘れない… 私たち、超能力はすぐに取り戻すし、いずれ大人にもなるわ
」という台詞。このマンガは最終的に「チルドレン達が大人になった時、人類にとっての悪魔となるか否か」がテーマとなることが既に提示されているのですが、今回の一件は彼女たちの記憶に大人になっても留まり続け、それが後の彼女たちの運命の選択に影響を与えることになるでしょう。
彼女たちが大人になるまでの時間は、彼女たちが復讐を育むために必要な時間でもあることを忘れてはなりません。葵が言うように、復讐という料理は冷めてからがオイシイのです。
ところで、鉄パイプに縛られてグッタリしてる皆本の姿に、ちょっとだけグッと来ちゃった人はいますか?(←聞いてどうする)
5. フェイスレスがいっぱい(からくりサーカス)
今回はもううんざりする程フェイスレスの顔が大量に出てきましたが、それぞれの顔の表情がどれも少しずつ違うところが凄いと思いました。だって、これ全部、コピーじゃなくて一個一個手で描いてるに違いないんですよ! フェイスレスの顔を大量に描くだなんて悪夢のような作業を延々と! やっぱり藤田先生はすごい! そしておかしい!
あと、何げに液状化したマサルがかわいいと思った。
2005/09/02
■十周年記念挨拶(挨拶だけ)
1995年9月2日に「椎名高志ファンホームページ C-WWW」を開設してから、今日でちょうど10年となりました。
こんなに長い間サイトを続けてこられたのは、これまでこのサイトをご覧になって下さったり、掲示板やブログにコメントを書き込んで下さったり、創作作品を投稿して下さったり、様々な形で運営に協力して下さったりした、椎名高志先生のマンガが大好きな皆様のおかげだと思っています。
今後もしばらくはこんな形でサイトを続けて行くつもりですので、今後ともどうぞよろしくお願いします。
せっかくの機会なので、本当はこのサイトを開設しようと思った動機とか、10年前のパソコン通信時代のこととか、自分が影響を受けたWebサイトのことだとか、運営にまつわる思い出話とかといった、いわゆる自分語りを披露しようかと思っていたんですけど、思っているだけで時間がなくなってしまったので止めにしました。
その辺はまた機会があったらネ! ということでひとつ。多分。
2005/09/01
■少年誌とレイザーラモンHGの相性の良さに感心したサンデー40号感想
- 「大切なものを失って少し大人になった、光と四姉妹の物語。」(クロスゲーム)
- 「皆本もやっぱりその方が安心!?」(絶対可憐チルドレン)
- 「罪を憎んで、フェチを憎まず!!」(あいこら)
- 「ああっ、俺に妹ができた。小学生の妹。」(道士郎でござる)
- 真っ赤になった國生さん(こわしや我聞)
- 番外:今週のMAJOR
□
1. 「大切なものを失って少し大人になった、光と四姉妹の物語。」(クロスゲーム)
サンデーの表紙に書かれている宣伝文句がコレなのですが、「四姉妹」と言いながら既に一人足りてないところに切なさを感じます。
第一部は「まさかあのあだち充先生が、妹萌えな美少女わんさかコメディーを!?」と一方的な期待を抱かせた(オレに)挙げ句、メインヒロインと思われていた次女の若葉が突然死亡するという、かつて「タッチ」でカッちゃんを交通事故に遭わせたあだち充先生でなければ到底許されないような展開を我々に食らわせ、その恐ろしさを改めて植え付けることに成功した「クロスゲーム」。
そして今週から始まった第二部ですが、今度のヒロインは三女の青葉である様子。彼女は「光のことが嫌い」と紹介されているものの、第一部では主人公の光に興味があるような素振りもたまに見せていた記憶があります。しかし当時は光と姉の若葉があまりにもラブラブであったためか、彼女がこの関係に割って入ることはありませんでした。
その若葉が亡くなってから四年という長い月日が流れた今、果たして彼女は光にいかなる感情を持つようになったのか。いずれは彼に対して好意を示すようになるのか、それとも(今の光がそうであるように)若葉の影から逃れられず、光に対して無視した態度をとり続けるのか? この辺が、「クロスゲーム」第二部の焦点の一つとなることは間違いないでしょう。
身近な存在の男子に対して素直になることができず、どうしても彼に対して突っぱねた態度を取ってしまう。これってアレですよ。ツンデレですよツンデレ。あのあだち充先生が、ついに美少女ツンデレマンガに手を出す時がやって来たと、つまりはそういうことなのですか? 美少女わんさかコメディーは成らずとも、ツンデレは成るのですか?
主要登場人物にタッちゃん(=主人公)・カッちゃん(=ライバル)・南ちゃん(=ヒロイン)という固定されたロール(役割)を割り当て、この三人が人間関係のバランスを保ちながら微妙な駆け引きを繰り広げることによって緊張感を醸し出す――という、氏独特のスキーム(構造)を盤石なものにした「タッチ」から、20年以上の時が経過しました。今のあだち充先生は、かつての己が組み立てた構造に対して挑戦を続けているのかも知れません。
ツンデレで構造改革を成し遂げようとする、あだち充先生の今後に期待します。
2. 「皆本もやっぱりその方が安心!?」(絶対可憐チルドレン)
超能力を抑制するECMの話題になった時、葵や紫穂があくまで「超能力者対一般人」という俯瞰的な観点でその存在を論じているのに対して、薫はあくまで「自分と皆本」という個人的な問題に置き換えて「皆本もやっぱりその方が安心!?
」と問いかけるシーンが、個人的に印象に残りました。
最強レベルの超能力者であり、良くも悪くも超能力を持っていることがアイデンティティとなっている薫にとって、超能力を否定されることは自分を否定されることと同義であると思われます。それ故、皆本がECMの存在を肯定するということは、皆本が彼女自身を否定したという意味で捉えてしまっても致し方ありません。
「この力、ない方がいいと思ってる?
」と語る薫の不安そうな表情は、彼女が大好きな皆本から自分の能力や存在を否定され、一緒にいられなくなることを何よりも恐れている現れなのではないのだろうか? とか思ってしまいました。
いやもう、薫はホントに皆本のことが大好きなんですねえ。私はそんな薫がもうかわいくて、かわいくて、かわいくて、かわいくて仕方ありません。どうしよう!?(←おちつけ)
3. 「罪を憎んで、フェチを憎まず!!」(あいこら)
「パーツを愛する者なら、そのパーツを持つ者も愛せ!
」
「罪を憎んで、フェチを憎まず!!
」
キター!(AA略)
ついに井上先生が、その本領を発揮してしまいましたよ!
これらの台詞は、真性フェチの変態が主人公である「あいこら」という作品の本質的なテーマそのものを表現する言葉であることは、もはや明白であります。一見するとただの変態の自己弁護にしか思えないようなこれらの台詞が、ここまで読者の心に感動的に響いてしまうのは、作者の井上先生自身が彼等のようなフェティシストの美学というものを心から理解し、敬愛し、それをエンターテイメントとして描くことによって昇華させようとする、固く強く美しい意志があるからに他なりません。
これぞ井上和郎作品の真骨頂! やっぱり井上和郎先生は最高の変態漫画家です!
そして、結果的に真性フェティシストに囲まれる生活を送ることになった、弓雁ちゃんの今後が心配です。
4. 「ああっ、俺に妹ができた。小学生の妹。」(道士郎でござる)
大ベテランのあだち充先生がツンデレに挑んでいる中、同じくベテランの域に達している西森博之先生は既に妹萌えの境地に到達していた罠!(罠?)
わざわざ一話かけてまで早乙女が小学生女子・蓮沼裕美ちゃんのことで悩むエピソードを挿入するということは、今後も彼女がストーリーに絡んでくることが予想されます。次回からは、早乙女と義理の妹を巻き込んだ仁義なきギャング団との抗争劇が始まる予感。
妹萌えに目覚めたヤンキーが何処までやるのか見てみたいと思った(まちがい)。
5. 真っ赤になった國生さん(こわしや我聞)
桃子が登場してから我聞になつくまでの展開はベタ故に面白かったのですが、今回の「これまで全く意識していなかった身近な男の子のことを突然意識し始めるようになっちゃった自分自身に戸惑いを覚えて焦る」國生さんの姿も、またベタ故に面白い展開と言えます。
國生さんは我聞を男性として意識しているのではないか? という描写はこれまでもさりげなく登場して来たのですが、今回ついに國生さんが我聞を「社長と秘書」の関係ではなく「男と女」の関係として捉えるパラダイムを獲得したことで、いよいよソッチ方面で俄然面白くなって来ました。
っていうか、照れ隠しに我聞をバインダー投げしてツンと背中を向けてしまうとこなんて、いわゆるツンデレ娘が照れ隠しで意中の男子をブン殴って「バカー!」と泣きながら逃げるシチュエーションと、構造が全く一緒じゃないですか。これだ! 俺たちはコレを待っていたんだ! と、今頃全国百万人の我聞ファンが握り拳を振るわせて感激の涙を流しているはずです。
これからはきっと、「生真面目だった女の子が男子を意識しすぎてドジっ娘に転落する」という、これまたベタな展開が我々を(そして國生さんを)待ち受けているに違いありませんよ! 楽しみだなあ!
あと、九州に送られると聞いて「ブー」と駄々をこねてる桃子の姿はまるで桜井弘明監督アニメのキャラのようだったので、これはきっと作者の藤木先生が「我聞をアニメ化する時は桜井監督にお願いしたい!
」と考えている意思表示であると思った。
國生さんの声優が能登麻美子になるといいですね先生。
番外:今週のMAJOR
「サンデーを代表する報われない女」でなければいけない清水の苦労がこんなにアッサリ報われるだなんて、あんまりですよ!(感想?)
吾郎って案外押しに弱いタイプだったのね。
■「MAJOR」の表紙で媚びを売る清水に哀れみを覚えたサンデー39号感想
- 「ウンコー!」(金色のガッシュ!)
- 「あの二人に誘惑されたら前屈みにくらいなるわよ」(絶対可憐チルドレン)
- 「だって小学生とつきあうなんて許されないだろ」(道士郎でござる)
- 最後のページで我聞に飛びつく桃子(こわしや我聞)
- 妙に格好いい幹人(クロザクロ)
- 番外:コミケで入場待ちをしていた畑先生
□
1. 「ウンコー!」(金色のガッシュ!)
今週の「ガッシュ」におけるウンコティンティン様の品のないギャグの数々は、明らかに子供向けにチューンされたものなのですが、でも仕事や何かで疲れ切っている今の自分の頭には、この程度のギャグがとても心地よく響きました。「ウンコー!
」と叫びながら武器を投げるウンコティンテイン様の勇姿には感動さえ覚えます。私も一緒に叫びたいです。
ですので、今回のエピソードがアニメ化された暁には、バンダイは股間に装着してウィンチを引っ張るとはねをのばして「フェニックス!
」と叫ぶアヒルを商品化して販売するべきです。うんこやちんこが大好きな、フロイトが言うところの肛門期真っ盛りのお子様は間違いなく大喜びしますし、何より全国のオレみたいな疲れたサラリーマンのお父さん達にも大好評なはずですよ! 是非!
2. 「あの二人に誘惑されたら前屈みにくらいなるわよ」(絶対可憐チルドレン)
紫穂の毒舌を集めたコンテンツを作ったら面白いんじゃないかと思った(感想)。
それはともかく、今回は薫のお話。彼女が「横島の妹」とまで称されるくらい性教育的観点から見てアレな感じに育ってしまったのは、身内の家族にも大きな原因があるのではないか? と推測させてくれる回でした。自分が心から信頼している数少ない男性に対して、姉や母が前屈み必死な態度でアプローチしている現場を何度も見せられたら、そりゃまあソッチの方にもグレるのも仕方ないかなあという感じ。
ただまあ、家族の関係そのものは極めて良好な様なので、それほど深刻に捉える必要はないみたいですが。
とりあえず今回でチルドレン達の家庭環境に関しては一通り説明された訳なんですけど、どこも多少の問題はあるものの、基本的にはみんな家族を愛しているいい子ばかりであり、今のところは彼女たちが将来「人類にとっての悪魔」に成長する程の要因を抱えているようには見えません。
ということはアレですか。このマンガは、これから彼女たちが成長するに従って冷たい世間の風に吹かれてどんどん荒んでいき、やがては「人間の性、悪なり!」と悟ってデビル覚醒をして世界を滅ぼしてしまうまでの過程を描く、ピカレスクかつノワールなディストピア少年マンガになるということですか? コミックス10巻が出る頃には、我々は今サンデーに連載されているストーリーを読み返しては、「この頃は、この子達も素直でかわいかったんだけどなあ…
」と遠い目をすることに? 楽しみだなあ!(最悪)
次回から始まるであろう新展開に期待します(フォロー)。
3. 「だって小学生とつきあうなんて許されないだろ」(道士郎でござる)
「道士郎でござる」の出版社が、小学館じゃなくて茜新社だったら許されると思うんですけどね!(まちがったソリューション)
個人的には、今回の町内会見回り編で池内君(特徴:鈴カステラ頭)が正式にレギュラー化したのが嬉しいですね。どんな出来事でもヤンキーが好きそうな頭の悪い伝承と化してしまうしてしまう彼の言動は、毎回自分の笑いのツボを刺激してくれるので大好きです。オレも学生時代にこういうダメなセンスを身に付けたかったよ! と思うことしきり。
オレも今後は彼のことをガイコツ君呼ばわりしようかなあ(身内意識)。
4. 最後のページで我聞に飛びつく桃子(こわしや我聞)
マンガには描かれていませんが、このコマの桃子からは間違いなく耳と尻尾が生えてます! 私にはハッキリと見えます! つうか普通見えるだろう! 見えないとおかしいだろう!
ついに私も、桃子を通じて何かに覚醒してしまったみたいですよ! 目覚めさせてくれてありがとう藤木先生!
とか言いながら、一番グッと来たシーンは、國生さんのバインダーを使った変な体術投げで凪原を浮かせて我聞の打突で吹き飛ばす、夢のGHKコンボだったりするんですけどね。例え変なモノに覚醒してもその辺はわきまえているのでご安心を!
5. 妙に格好いい幹人(クロザクロ)
「傀牙の種を捲いている張本人が意図すればね
」
「また僕を怪物扱い?
」
何だか、幹人が妙に格好良くなってるよ! 君は誰だ!
こんなの、先週までパンツ1枚の姿でウロウロしてた幹人じゃないよ!(うるさいよ)
これはつまり、「上位種」との戦いを何度も経験し、「みんなを守りたい」という意識が芽生えたことで幹人そのものの内面が成長を遂げた結果である、と好意的に解釈するべきなのでしょうか。あの萩の服を着たから性格まで変わっちゃった、とかそういうアレじゃないよね?
ストーリー的には、傀牙の軍団を結成して操る謎の結社っぽいのが出てきたりして、いよいよ物語が佳境に差し掛かってきたというか、「トガリ」の終盤みたいな臭いのする雰囲気になって来た感じ。これからもがんばってください(フォロー)。
番外:コミケで入場待ちをしていた畑先生
「まぁ、僕も有明で熱射病になりかけましたが。」(Webサンデー・まんが家BACKSTAGEの畑先生のコメント)
先生…
畑先生くらいの大物ともなれば、自分でサークルを作って前日に急遽作ったコピー誌を持ち込んで参加するなり、知り合いの同人作家のサークルのスタッフとしてチケットを入手して悠々と入場するくらいのことは可能なはずなのに、あえて一般参加者として5時間も炎天下の中で並んで待ち続けてしまう奥ゆかしさに、我々はもう萌え萌えであります! なんていい人なんだ畑先生!
お母さんを大切にしてあげて下さい(フォロー)。
2005/08/28
■2005/08/28のメモ
http://zettai.nomaki.jp/
「絶対可憐チルドレン」の各種情報をデータベース化しているサイト。参考にさせて頂きたいと思います。 [関連URL]
2005/08/18
■報われないサンデー女性キャラの座は「MAJOR」の清水に委譲されました(サンデー37・38号感想)
- 「もういいわ。答えだけ教えて?」((絶対可憐チルドレン)
- 「弱っ! 私のハムスター弱っ!」(ハヤテのごとく)
- 服を置いた萩(クロザクロ)
- 辻本退場(見上げてごらん)
- 今週のこわしや我聞
□
1. 「もういいわ。答えだけ教えて?」(絶対可憐チルドレン)
紫穂は既に悪魔だと思いました(感想)。
それはともかくとして、今回の主人公は葵。彼女には『チルドレン唯一の常識人』というアオリが付けられていますけど、立場的には『チルドレン三人娘の長女役』みたいな表現の方がピッタリ来るように思えます。
下の兄弟と一緒に騒いでいるところを親に見つかって叱られた時、今回の葵のように「だってこいつらが――
」と弟妹の狼藉が騒ぎの原因であると訴えようとしても「教えてやってくれ!
(=お前が子供達の面倒を見ろ、の意味)」とすげなく却下され、更に「今、電話中だから静かに!
」と大人の理不尽な理屈で言い負かされて弁解する機会を与えられずに納得できない思いをした経験は、兄弟の一番上として生まれてきた人なら誰でもあるんじゃないのでしょうか。
もっとも自分は弟として生まれてきたので、その辺の心境はよく判りませんが。姉ちゃんゴメン(私信)。
そういう訳で、今回のお話は「親が下の兄弟ばかり気にかけて、自分はかまってもらっていないんじゃないか?」という子供が抱きがちな不安を物語のベースにしている点が面白かったです。
椎名先生のサイトの次回の完成原稿速報には「自分に相応しい作品を作ることが大事
」みたいなコメントが書かれていますが、今回の話は自身も小さい子供を育てながらマンガを描いている「今の椎名高志」だからこそ作ることができたエピソードでしょうね。
あと今回は小泉総理のバッタモノが登場してきましたけど、例の郵政民営化問題で衆議院がちょうどいいタイミングで解散してしまったため、図らずもタイムリーネタに。こういうのも「ツキに恵まれてる」と言うのか。
2. 「弱っ! 私のハムスター弱っ!」(ハヤテのごとく)
「ハヤテのごとく!」のコミックス3巻が発売された日に衆議院が解散したため、次の日の朝の通勤電車の中で周りのサラリーマン達が「9.11衆院選挙!」と書かれた新聞を真面目に読んでる隣で「ハヤテ」の3巻を読むことになってしまって困った人?(挨拶)
今回は「このマンガ唯一の『一般庶民』」である西沢さんが主人公のエピソードでしたが、バックにハムスターのスタンドを出現させた上、「弱っ! 私のハムスター弱っ!」とセルフツッコミまでこなしてしまう彼女は、庶民とは言えどもやっぱりちょっと普通ではないなあと思いました。
そして彼女は立場的には一応ナギの恋のライバルの一人なのですが、どう考えても勝ち目がないところが、私の落ちぶれキャラ萌え属性を刺激して止みません。報われないサンデー女性キャラの座は、「いでじゅう!」の終了によって朔美ちゃんから「MAJOR」の清水さんに委譲されましたが、「ハヤテ」の西沢さんも十分その座を狙える立場にあります。これからも報われない努力を延々と続けて頂きたい。
3. 服を置いた萩(クロザクロ)
あの萩が、延々とパンツ一枚状態を続ける幹人を見るに見かねて着替えを!
サンデーにおける「主人公がパンツ一丁でウロウロしている記録」の更新を阻む気ですよ! 余計なお世話だ!(まちがい)
というか、戦場に赴くというのにわざわざカバンに着替えを入れておくだなんて、随分準備がいいというか何というか。まさか、事前にこういう事態(主人公がパンツ一枚でうろつく事態)を予測していたのでしょうか。萩のカバンはバクさんのカバン並に何でも入ってるなあ(30代未満置いてきぼりネタ)。
4. 辻本退場(見上げてごらん)
結局、“チキンハート”富士丸に順番が回ってこないまま、団体入れ替え戦が終了。ここで修羅場を経験しなかったことが、後々に富士丸君にとってマイナス方向に響いてくる気がするんですけど、まあその辺はいずれ物語の中で取り上げられるのではないかと思います。
何たって「見上げてごらん」は、主人公の了がウィンブルドンの舞台に立つまでを描く、今後10年くらいは連載が続く予定の大河ドラマですからね!(決めつけ)
それよりも個人的にちょっと意外だったのが、入れ替え戦で了と文字通りの血みどろの戦いを演じた辻本がテニス部を退部してしまったことです。彼の攻撃的なプレイスタイルは了にとって学ぶところもあるはずですし、いわゆる「タイマン張ったらダチ」的なヤンキーマンガの理論に基づき、この二人も戦いの後はそれなりにうち解け合う形になるのかな? 辻本って、ああ見えて案外ツンデレキャラかも知れないしな? とか予想していたんですけど、結果は自主退部という形で了に「葉っぱ」の重さをその身で教える結末に。
この作品世界はヤンキーマンガの理論ではなく、極めて厳しい勝負の法則のみで構成されていることを、了にも読者にも知らしめるエピソードでした。
さすが今後10年くらいは連載が続く予定の大河ドラマ! キャラや読者に要求する覚悟の度合いが違いますね!(決めつけ)
5. 今週のこわしや我聞
桃子ちゃんが我聞にズギューンとキちゃった今回の「我聞」の展開は既に様々なサイトで散々ネタにされているので、一週間も出遅れた私としては今更もう何も言うことはありません。今回の桃子編はこのズギューンを描くためだけに企画・構成されたエピソードであると断言できますが、ここまで狙い通りに読者が萌え萌えになって喜んでくれたんですから、作者の藤木先生としても本望でしょう。
今頃先生はきっと、読者から寄せられた桃子萌え萌え~な感想ハガキの束を眺めつつ、片手にワイングラスを持って「ウワッハハハウワッハハハ
」と裏社会の黒幕みたいな笑い声を上げながら勝利の快感に酔いしれているに違いありません。というか、それくらいの価値がある勝利ですよこれは。
しかし本当の問題は、ここまで人気が極まった桃子というキャラを、今後この作品の中でどんな形で活かしていくか? という点にこそあります。桃子をレギュラー化して立派なサンデー随一のツンデレキャラに鍛え上げるか、それとも桃子をレギュラー化して始終我聞にデレデレしっぱなしな緩いキャラに仕上げるのか。作者の藤木先生の今後の選択に期待です。
今回の結論としては、桃子のレギュラー化を希望します。
2005/08/12
■コミックマーケット68 椎名高志作品関連サークル情報
(いつものことですが、情報遅れてすみません)
■8/12 金曜日
- 東-W10b カカロッ闘(GS美神、女性向け)
- 東-W11a 風色通り(GS美神・雪之丞×ピート、女性向け)
- 東-W11b 野良犬ロック(MISTERジパング 光秀×信長、日吉×信長、女性向け)
2005/08/09
■最近読んだコミックスの突発感想
成恵の世界8巻
SFとラブコメとパンツに満ちあふれた、みんな大好き「成恵の世界」の最新刊。
SFマインドはこの巻でも相変わらず健在。この巻の表題作「時台屋の女房」で周囲の世界が徐々に過去に退行していくシーンがジャック・フィニィの「ゲイルズバーグの春を愛す」を彷彿とさせ、個人的にちょっとグッと来た。あと「SHOOTING STAR」は物言わぬ機械と人間が心を通わせる話、というだけで超グッと来る。何を考えているのか判らない機械は常に萌え対象だ。
またラブコメ的な部分も、「時台屋の女房」の超時空レベルの恋愛劇の他、香奈花の微妙な乙女心の変化を描いた「お熱いのはお好き?」、中学生レベルのほのぼのしたエロティシズムに溢れた「トラぱら」と、どれも心に来る良作。
そして勿論「成恵」と言えばパンツだが、この巻では特にバチスカーフのパンツと野球部マネージャーのパンツが印象的だ。SFとラブコメとパンツが高いレベルで融合した面白さがここに。
ここ最近の「成恵」の中でも、かなり完成度が高い巻なのではないかと思った。中学生以上のオタク男子なら必読レベルのクオリティを絶賛キープ中。
サナギさん1巻
四コママンガが衰退傾向にある週刊少年誌界において、「グルームパーティー」「O-HA-YO」「がんばれ酢めし疑獄!」と四コママンガの良作をリリースし続けている週刊少年チャンピオンで現在連載中の四コママンガがコレ。
作者は「酢めし疑獄」の施川ユウキ氏。
表紙や帯はサザエさん系の「ほのぼの四コママンガ」を連想させるように作ってあるが、実際の中身は作者独特の黒みがかったユニークなユーモアセンスに満ちあふれているのが特徴。主人公のサナギさんの笑い声の擬音で一番多いのがよりによって「ゲラゲラ
」であるところが、このマンガのギャグの傾向を端的に表していると思われる。
サナギさんと友達のマフユちゃんの間のどこか歪んだ会話を中心に、常にネガティブな妄想を抱いているサダハル君と彼に強烈な突っ込みを入れる短気なタカシ君、常に物事に対してケチを付けなければ気が済まないリサさん、事ある毎に何かを踏まなければ気が済まないマナミさんといったおかしなキャラクターが、何とも言えない変な味わいを醸し出すマンガが満載。何度読んでも飽きが来ない、優れた「世界」を持つ作品と言える。
ネタ的に何でもありだった「酢めし疑獄」から、「中学一年生の日常会話」に焦点を絞った「サナギさん」に連載が移行したことで、作者のユーモアセンスがより一層際だって来たような印象を受ける。
最近では朝日新聞で紹介されたことで一気にブレイクしたらしく、現在ではかなりの品薄状態になっている模様。まだ入手できる環境に居る方は、今のうちにぜひ。施川氏の出世作「がんばれ酢めし疑獄!!」も面白いのでぜひ。
ヨコハマ買い出し紀行13巻
この巻を読んでいると、なんかこう無性にバイクで走り出したくなって困るよ!(感想?)
あと、この巻は「時間の流れ」を印象付けるようなイメージが強かった印象。一番最後に掲載されている「月の輪」に出てくる『もうふたまわりもでかくなったら また一人が好きになんかもしんねえし
』というおじさんの台詞には、アルファがこれまで経験してきた時間と、彼女が更にこれから経験するであろう長い長い時間を連想させる、深いものを感じさせる。
この巻に掲載されているそれまでの話が、登場人物が時間を経て変化したり成長したりする様子を(地味ながら)描いている話が多かったので、「月の輪」は尚更アルファというキャラクターが置かれている立場のせつなさを象徴するエピソードであったと思う。
このマンガも、長い間に色々と変化しているんだなと感じた。
2005/08/04
■月刊少年シリウスとテレパシー少女蘭
ゲツカンシリウス!(挨拶)
カタカナで書くと西尾維新の小説のタイトルっぽく見えるテスト終了。こんにちは。
講談社から5月に創刊された「月刊少年シリウス」。「コミックと小説の新世代ハイブリッドマガジン
」を標榜、ラノベ大好きな少年少女を狙い撃った雑誌という触れ込みの割には、現段階ではどうも「読めば面白いがひたすら地味」という評価を頂いてしまうレベルの知名度に甘んじてしまっている模様です。
そんなシリウスに現在連載されている、『テレパシー少女「蘭」 ~ねらわれた街~
』(原作:あさの あつこ/漫画:いーだ俊嗣)というマンガが個人的に相当ツボに入ってしまい、居ても立ってもいられなくなってしまったのでご紹介します。
□
このマンガは、『主人公の中学一年生・蘭(らん)のクラスに翠(みどり)という名の美少女が転校して来たのだが、実は彼女はテレパシーやサイコキネシスを操る超能力者であり、蘭に対して「あんたも私と同じ能力を持っている」と告げる』――という導入から始まり、蘭と翠が超能力で街で起こっている不思議な出来事に立ち向かっていくという筋書きの、SF仕立てのミステリーです。
「テレパシー少女」「転校生」「謎の美少女」「ねらわれた街」といったテクニカルタームから推測できるように、いわゆるジュヴナイル小説のテイストがかなり強いです。これを初めて読んだ時は、何だか子供の頃に読んだ「なぞの転校生」や「ねらわれた学園」と雰囲気がどことなく似ているなあ、と思ったんですけど、このマンガの原作となっている小説「ねらわれた街」を調べてみたところ、児童向け文庫の講談社青い鳥文庫に収録されていると知って納得。
「青い鳥文庫」の方では童画家の塚越文雄氏によるイラストが如何にも「児童向け」な雰囲気を醸し出しているのですが、月刊少年シリウスは基本的に西尾維新や田中芳樹の小説が大好きな中高生以上の年齢がターゲットとあって、キャラクターデザインはかなりソレっぽいものにチューンナップされています。詳しくはシリウス公式サイトの作品紹介ページを参照。このイラストだけでやられる人も多いんじゃないんでしょうか。マンガ版の作者のいーだ俊嗣氏のセンスの良さを感じます。
そして何より素晴らしいのが、「なぞの転校生」として登場した翠のツンデレっぷりです。ツンデレ。
彼女は、自分が超能力を持っていることで両親から疎まれるようになって現在は家族と別居しており、それ故に自分と同じ能力を持つ人間を探し求めていた――というバックグラウンドがあり、彼女にとって蘭はようやく見つけた「仲間」だった訳なのですが、でもそういう生い立ちに起因する弱みを見せまいとする意地っ張りな性格が災いしてか、最初のうちは蘭に対して素直な態度が取れません。
本当は仲良くなりたいのに、プライドが邪魔して悪口を言ってしまう。ツンデレで言うところのツン状態です。
しかしそんな彼女も、翠の心情を察した蘭の「ひとりじゃないよ…翠
」という言葉で陥落。人と違う能力を持って生まれ、常にさみしさや絶望に苛まれてきた翠は、その時初めて自分を自分として真正面から受け止めてくれる人に出会えたことを知り、蘭に心を許すようになります。
更に二人の周りで次々と奇妙な事件が起こり、この街が謎の「敵」に狙われていると知った二人は、超能力を駆使して共に戦う盟友状態の関係にまで一気に進展。ツンデレで言うところのデレ状態への移行です。
つまりこの作品は、タイトルこそ「テレパシー少女蘭」となっていますが、「テレパシーツンデレ少女翠」として読んでも十分に楽しめるものになっているのです。ツンデレエスパーですよツンデレエスパー。しかもツンデレ対象は同い年の少女。百合っぽいです。同じエスパー少女マンガの「絶対可憐チルドレン」にすらない要素が満載ですよ!(うるさいよ)
他にも翠は、普段はツンと澄まして綺麗な標準語を話すんだけど興奮すると急に関西弁になって一気に感情を爆発させたり、強力なサイコキネシス能力を持っていながらそれをクラスメートの首筋をサイコキネシスでつねっていじめるという極めて陰湿な使い方をしたりと、歪んだ性格の女性キャラが大好きな自分にとっては、もうやることなすこと全部ツボです。辛抱たまりません。
斯様に萌え萌えなキャラクターが児童文学の世界に存在していただなんてちょっと凄いよ! と思いましたが、でも本当に凄いのは、自社の児童文学の中から少年マンガの原作として立派に通用する作品を見つけ出し、その作品を適切な画風を持った漫画家に託して「少年マンガ」としてのフレーバーを与えることで作品の潜在的な魅力を引き出すことに成功した、雑誌編集者のセンスの良さにあるのではないのでしょうか。
ちょっと大げさな表現になりますが、「テレパシー少女『蘭』」は、「コミックと小説の新世代ハイブリッドマガジン」というこの雑誌の路線を象徴している作品なのではないか、と思いました。
シリウスには、他にも「ぼくと未来屋の夏」(原作:はやみねかおる/漫画:武本糸会)、「夏の魔術」(原作:田中芳樹/漫画:ふくやまけいこ)の小説原作シリーズがありますが、どの作品もかなり良質かつ面白いマンガになっています。漫画界には原作を書ける作家が不足している、だなんてことが言われているそうですが、原作のノベルと漫画を結びつける手法を雑誌の大きな「売り」として掲げた月刊少年シリウスの作戦は、現状の原作不足に対する一つのソリューションとして興味深い事例になるかも知れません。
――というか、ここまで萌えるツンデレがいるのにネット上であまり話題にならないこと自体が、月刊少年シリウスが地味な雑誌の地位に甘んじていることの証明になっている気がしてならないのですが。「テレパシー少女 シリウス」でググっても54件しかヒットしないだなんて何事ですか! こんなに萌えるのに! こんなに萌えるのに!(連呼) もっとがんばって売り込め講談社!
今本屋で売ってるシリウス9月号には、翠が蘭に対して「ツン」から「デレ」に状態遷移する決定的なイベントが収録されているので、そういうのが大好きな方はチェックを! せめてこのマンガがコミックス化されるくらいまでは雑誌が存続してくれないと困りますからね!(ドクロ)
あと、来月号からは「暗号名はBF」の田中保左奈先生の新連載「乱飛乱外」も始まるので、とりあえずここのサイトを覗いているようなタイプの人はチェックしてみる価値はある雑誌なんじゃないか、と思いました。終了。
ライトノベル発祥以前の、往年の児童向けSF小説の雰囲気が好きだった方なら楽しく読めると思います
2005/08/03
■「MAJOR」の松尾って、「犬夜叉」の妖怪役に出てきそうな顔ですよね(サンデー36号感想)
- 三宮警察庁長官が格好良すぎる(絶対可憐チルドレン)
- 今週のあお高
- ヘタレてない五反田君(ブリザードアクセル)
- ヘタレてる富士丸(見上げてごらん)
- 対桃子編の裏テーマがスーパーマリオであることに今頃気付いた(こわしや我聞)
□
1. 三宮警察庁長官が格好良すぎる(絶対可憐チルドレン)
「私ね、こんな能力だから、この世がおとぎ話とは違うってことはもう判ってる
」
今週の「絶チル」は、主役の紫穂のキャラクターとしての完成度も、そしていわゆる「テレパシー能力」を持っている主人公が抱える問題をテーマとしたSFドラマとしての完成度もかなり高いので、不真面目な感想を書くのが趣味の私としては、突っ込むスキが全く見あたらなくて困ります。
あえて突っ込むとするならエロく成長した紫穂のサディスト警官コスプレのシーンくらいなんですけど、でもこのシーンは作者の方が「さあ、ここに突っ込め!」と誘っているのが明らかなので、ここに対して作者の意図通りに「オレも取り調べられてえー!
」とか叫んでしまうのは、歪んだサンデー感想サイトとしてのプライドが許さないのです(やっかいだ)。
「絶チル」に対するネットの感想で、「サンデーには『少年が読みたいマンガ』だけではなく、『少年に読ませたいマンガ』を掲載する傾向がある
」という趣旨のコメントを読んだことがあるのですが、今週の物語は前回にも増してそういう傾向があるのかな、と思わせる内容でした。
自分のことを心から信じて守ってくれる人が身近にいるって、やっぱり素敵なことなのね! と健全な感想を読者に抱かせるのが、今回のエピソードの狙いだったのではないかと思います。そういう意味では非常によくできたお話でした。「絶チル」は健全なマンガだなあ(不満なの?)。
という訳で今回はとてもよくできたエピソードだったんですけど、あえて突っ込みを入れるとするなら、紫穂パパとして登場した三宮警察庁長官の、度を超した見事なダンディヒゲメガネっぷりでしょうか。職務に忠実な冷徹かつ強靱な精神と、娘を愛している優しい父親の性質を合わせもつ、ある意味完璧な「大人」キャラだと思います。同じ溺愛でも、無節操に子供達にデレデレしている桐壺局長とは大きく異なりますね。ここまでイカした中年男性キャラが出てくるだなんて、椎名高志のマンガ史上ではかなり異常。「MISTERジパング」の織田信秀以来?
ただ、これはあくまで椎名高志のマンガなので、今後紫穂パパが桐壺局長並のアレなキャラに堕ちる恐れも否定できません。ダンディな中年オヤジに萌えるなら今のうち!
2. 今週のあお高
「ピッチャーの血で濡れたボール」から、以前サンデーで連載されていた「砂漠の野球部」を思い出した人?(挨拶)
「砂漠の野球部」は不健全な野球マンガだったので、ピッチャーがボールを血で濡らせてボールの軌道を不規則にさせるスピットボールを投げて勝つなんてことをやっていたのですが、「あおい坂高校野球部」は健全な野球マンガなので、スピットボールにならないようにちゃんとボールを拭いてるところがエライなあと思いました。
まあ、スピットボール以前に、怪我しているのが審判にバレるとその場でゲームオーバーになっちゃうから拭いているんでしょうけど。
あと、今週はなにげに星南高校の癒し系ショート・山下君が大活躍していたのが良かったです。「えへ~なんか打ちやすそうになったよ~
」という台詞は、本来ならは敵役らしく憎々しいイメージを読者に与えるものであるべきなのですが、彼独特のしゃべり方と笑顔のおかげで、何だかとってもフレンドリーかつほのぼのしたものに早変わり。最終局面を迎えて緊張感が高まる今回の試合における、一服の清涼剤と言えましょう。
何故自分がここまで彼に入れ込んでいるのかよく判らないので次。
3. ヘタレてない五反田(ブリザードアクセル)
今回の「ブリザードアクセル」のエピソードの表向きのテーマは「吹雪、スピンを覚えるの巻」なのですが、裏に隠された本当のテーマは「五反田がヘタレ状態から脱出する」であったことは明白。今回の一件ですっかり吹雪にメロメロになっちゃった五反田君は、「これからも相部屋よろしく!
」と本気で嬉しそうです。相部屋!(含み)
性根がひねくれたキャラが大好きな私としては、自分の実力が全く至っていなかったことを自覚してしょぼくれていた状態の彼の方が好きだったのですが、残念ながらこれは歪んだ少年マンガではなく健全な少年マンガなので、いつまでもヘタれたままではいてくれなかった模様。致し方ありませんね(不満なの?)。
4. ヘタレてる富士丸(見上げてごらん)
そんな感じで「ブリアク」の五反田がヘタレから脱出したため、サンデーにおけるスポーツマンガのヘタレ筆頭キャラの座は「見上げてごらん」の富士丸君に委譲されました。
五反田は超人揃いの白帝軍団の中に放り込まれたショックで一時的な自信喪失状態に陥っていたにしろ、元々実力はあるので一度立ち直れば何とかなりそうな感じなのですが、「見上げて」の富士丸の場合は実力はともかく「自信」というものが最初から全くないタイプなので、ある意味五反田よりも成長させるのがやっかいなキャラかも知れません。
まだ主人公の了の試合は終わっていない状態でここまで富士丸のヘタレっぷりをドラマの中でアピールしているということは、おそらくどんな形であれ富士丸のガチな試合が行われる展開になるのではないかと思われます。果たして彼は、五反田に続いてヘタレの立場から脱出できることができるのか否か。勿論、性根がひねくれたキャラが大好きな私としては、いつまでもヘタレたままの彼でいて欲しいのですが。
「見上げてごらん」が「ブリアク」同様に健全な少年マンガなのが悔やまれます(不満なの?)。
5. 対桃子編の裏テーマがスーパーマリオであることに今頃気付いた(こわしや我聞)
桃子=ピーチ姫、ヒゲ兄と弟=マリオとルイージ、クーパ=クッパ、そしてキノピーはキノコ。
すげえ! これってスーパーマリオじゃん!(遅いよ)
今週の「こわしや我聞」に出てきた10歳当時の桃子と、現役の10歳児である「絶チル」の紫穂は、「他人から疎まれる能力を持っている」という意味においては似ているんですけど、子供に対する親の接し方、気の許せる仲間の有無、という周囲の環境が決定的に異なります。紫穂には薫や葵や皆本が必要なように、桃子にも自分のことを心から信じて守ってくれる我聞や、彼の愉快な仲間達の存在が必要であるということなのでしょう。そうでなければ、桃子はツンデレをこじらせてますます歪んだキャラになってしまうことになってしまいかねません。
性根がひねくれたキャラが大好きな私としては桃子にはいつまでも素直になれないツンデレキャラでいて欲しいのですが、でも「こわしや我聞」もやっぱり健全な少年マンガの範疇に入るので、いずれ桃子も我聞を通じて救われる展開になりそうです。よかったですね(不満なの?)。
2005/08/02
■2005/08/02のメモ
http://d.hatena.ne.jp/mashco/20050613/1118630659
『マンガ編集のキモは絵コンテに対し批評ができること
』
ジャンプ黄金時代の編集長として有名なコアミックス代表取締役・堀江信彦氏が「漫画×映画 コンテンツビジネス最前線」で述べた話のまとめ。堀江氏の主張が簡潔にまとめられています
2005/07/31
■趣味のプログラミング:Amazon Web Service Plugin テスト
書影の使用+アフィリエイト用に自作したbk1プラグインが使用しているAPIが既に使用できなくなっているため、その代わりとして同等の機能を持ったAmazon参照用blosxomプラグインを現在自作中です。
これはそのテスト用エントリです。とりあえず、過去にここで紹介した物件の一覧をいくつか表示してみる。
特に問題なさそうなら、過去の記事をこちらを使ったものに置き換えます。
bk1でこの手のツールが組めるWebサービスを提供しなくなってしまったのは、個人的には残念です。
ユーザーに対してサービス(API)を公開し、ユーザーがそのサービスを使って自由にツールを作れる環境を提供することがいわゆる「Web2.0」時代に向けてこれからますます重要になって行くと思うのですが、bk1が再びそういうサービスに興味を持つことはあるのでしょうか?
7/31追記:
自分のブログにこのプラグイン用のエントリを作りました。何かありましたらこちらまでお願いします。
→ fukaz55: Amazon Web Services から情報を取得する blosxom 向けプラグイン
2005/07/29
■健介殿はサンデーで一番カッコイイ男だと思ったサンデー35号感想
- 名犬ジョン
- 桐壺帝三53歳(絶対可憐チルドレン)
- 今週のあいこら
- 「自由って何だ」「孤独を恐れないこと」(結界師)
- カミロボ
□
1. 名犬ジョン
「名犬ジョン」は「うえきの法則プラス」が急遽休載のために掲載された代理原稿作品ですが、思いの外楽しく読むことができました。
本来ならカワイイものに「ゴルゴ13」系の濃いルックスの顔をあてがってギャップで読者を笑わせるパターンのマンガは、おそらくギャグ漫画家を志そうとする人なら必ず一度は作るのではないかと思われますが、「名犬ジョン」は図らずもその黄金パターンの有効性を改めて証明する形になりました。
また、他にも「母さん、とりあえずお豆腐とおっぱい買ってくるから!
」なんて台詞回しにも、作者のセンスを感じます。少なくとも、ここ最近サンデーに出てきた読み切りのギャグマンガの中では、割と「面白い」部類に入るのではないのでしょうか。
とりあえず、作者の橋本時計店氏の名前は覚えておく価値はありそう(エラそう)。
あとついでに最近の「うえきの法則プラス」ですが、新キャラクターのソラが常に食べているハンバーガーが、コマ毎に食べかけ度合いが微妙に異なっている点が気になります。前のコマよりも残っているハンバーガーの量が増えているように見える時もあったりするので、ゆめゆめ油断できません。
もしかして彼女は、ハンバーガーを1個/コマのペースで消費していたりするのでしょうか? それとも、一度食べたハンバーガーを復元させる能力を持っていたりするのか? カワイイ外見に似合わず、なかなか彼女は謎が深そうです。
2. 桐壺帝三53歳(絶対可憐チルドレン)
「しかたなかったんじゃああああああああッ!
」
仕方ないオッサンだなあ(感想)。
それはさておき、今回のお話は、第一話に出てきた朧の台詞「仕事から何かをもらうことも大切ですよ
」を実証するような話になりました。
つまり、大人の仕事は子供に様々なことを教えることであると同時に、「教えたことは守ってくれる」と子供を信頼してあげることであり、子供を信頼するが故に大人は無闇に子供に干渉してはいけない――と子供達から教えてもらうことが、今回のエピソードにおける作者の主張の一つだったのではないかと思います。なんて教育的なマンガなのでしょうか。同じ『教育的』でも、「Dr.椎名の教育的指導!!」における『教育的』とは、教育の意味合いがまったく異なりますね!
昔は「怪人耳かき男」とか「怪人爪切り男」とか超度7クラスの変態ばっかり出てくるマンガを描いてた人が、今ではこんなマトモなマンガを描けるようになるだなんて!(失礼)
また今回は、東野が「お前じゃないっていうならそれを証明しろ! それができたら、もう一度だけお前らのことを信じてやる!
」と言い、薫が拳でそれに応えたように、人間と超能力者が相互を信頼できる関係を築くことこそがこの作品世界においては最も大切であるということが、明示的に提示された回でもあったと思います。
超能力者とは言え所詮中身は普通の人間と一緒に過ぎないので、自分が他人からどう思われているのか不安にもなるし、能力を持っていたらそれを使ってしまいたくなる弱さも持っています。ちさとが東野に対してやったことは、結局は彼女が「普通の人間」であることの証でもあります。
東野のような一般人が、超能力者もそういう意味においては並の人間と全く変わらない存在であることを理解し、そして超能力者がそういった力を無闇にふるわないと信頼することができるようになれば、究極的にはチルドレンが人間にとっての悪魔になる未来の到来を防ぐことに繋がることになるはずです。
大人と子供の間の信頼、そして超能力者と普通の人間との間の信頼。形は異なりますが、相互理解に大切なものはどちらも変わりません。今回のエピソードの中にも出てきた皆本と紫穂のように、お互いがごく自然に手を繋ぎあえることができる関係こそが、この作品世界における「理想の姿」なのでしょう。そんなことを考えさせられたお話でした。
改めてこんなこと書くと、やっぱりこのマンガはすげえ教育的だなあと思わされます。第3話にして、早くも全力で本領を発揮してますね椎名先生。
いやホント、ほんの十数年前までは、超度7クラスの女装癖を持った熱血男性教師が主人公のおかしな四コママンガを描いてた人だったのになあ!(重ねて失礼)
3. 今週のあいこら
いやもう、もうどこから突っ込んでいいのか困ってしまう程、今週の「あいこら」はおかしなお話でした。
基本的には「胸が大きくて悩んでいる女の子の心を主人公が救う」というハートウォームなエピソードのはずなのですが、その主人公が重度のおっぱいフェチで、弓雁ちゃんの心を守るためではなくただ自分の歪んだフェティシズムを満足させるおっぱいを守るためだけに行動しているというだけで、ここまでバカなお話になってしまうのが凄いなと思いました。勿論、バカは常に褒め言葉です。
とはいえ、彼がアクティブに己の変態趣味に基づいた行動を取ったからこそ、胸にコンプレックスを持ってる弓雁ちゃんの尊厳を守ることに結果的には繋がったのも事実。変態趣味の持ち主でも人を救うことができるんだ! という、変態賛歌なエピソードとして解釈することも可能なこのマンガの懐の深さは、決してあなどれません。
あまりにあからさまなツンデレヒロインの存在の印象が強すぎるためか『「ラブひな」の二番煎じ』みたいな評価をネットでよく見かけるこのマンガですが、でもこのマンガが狙っている本当のポイントは、そんな安易なところではないのではないか。先週や今週の「あいこら」を読んで、私は本気でそう考えるようになって来ました。
4. 「自由って何だ」「孤独を恐れないこと」(結界師)
本当に自由な存在である者は、孤独であることを誇ったりはしないものです。
実際問題として、限に対して「自由」を語る火黒は、力は持っていても本当の意味において「自由」な存在ではないんですよね。彼が限を仲間に引き入れようとしているのは、黒芒楼側が『裏会』戦力の切り崩しを画策しているからという理由以外にも、火黒が自由を得るためには限の力が必要になるからではないか? と、深読みしたくなるようなエピソードでした。
その後に出てきた黒芒楼の連中も、諸般の事情で不自由な境遇に甘んじている様子が描写されています。「結界師」の世界で化け物やっていくのも、色々と大変なんですねえ。
5. カミロボ
「彼は子供の頃より、27年間もの間、ただ自らの楽しみのためにカミロボを生み出し続けてきた!
」
そして、それを自らの世界の中で、たった一人で戦わせてきた!
カミロボとは!
一人の人間が生み出した、一人遊びの世界である!
たった一人で生み出した、究極の一人遊びの世界!
冒頭のアオリ文句を読んだだけで、私は猛烈に感動した!(弱い)
子供の頃は誰しもが自分だけの一人遊びの世界を持っていたはずであり、それ故にその世界を大人になるまで失うことなく育て続けるために必要なパワーというか妄想力の大きさと、それを維持し続けるための苦労も、また誰しもが理解できることでしょう。
「カミロボ」制作者の安居氏は、自分の中に生まれた妄想の世界を「大人になっても自分の好きなものを捨てる必要はない
」と信じて育て続け、また彼の周囲の人たちも彼の妄想をバカにすることなく、逆に「面白い!」と価値を発見できるだけの感性があったからこそ、「カミロボ」は現在のような形にまで成長したのでしょう。
今回掲載された「カミロボ誕生物語」は、自分だけの妄想を育てることの大切さと、他人の妄想を面白がれるセンスを持つことの大切さを描いた、妄想感動巨編なのです。少なくとも私はそう理解しました。この理解は間違っていませんよね? ね?
また、今回の作画は萌える少年キャラを描かせたらサンザー随一の力を発揮するあおやぎ孝夫先生が担当していますが、なんかこうまさに適材適所ですな。無邪気でやんちゃな少年時代、夢を捨てて現実を見据えようとするクールな中学時代、カミロボを仲間から認められて照れまくってる大学時代、そして顎髭メガネキャラな現在と、どの時代の主人公もかなりの萌えっぷり。まだその腕は衰えていないようで何よりです。次の登場にも期待してます。
2005/07/26
■てれびくん7月号感想
「みんなも、さいごまでネクサスを応えんしてね!
」
と書かれた「てれびくん」のネクサス記事に哀愁を感じる今日この頃です。こんにちは(挨拶)。
まだ仕事の方が収束していないのでこの日記も完全復調という訳には行かないのですが、椎名センセのサイトでてれびくん版「ネクサス」最終話の話題が出ていたので、今更ながらですが7月号(と、最近のネクサス)の感想を少し。
□
で、勿論てれびくんに言われるまでもなく、ここ最近の「ネクサス」は毎週楽しく観てます。特に、先週~今週にかけてのネクサスとビーストとの戦闘シーンなんかは、「ウルトラマンと怪獣が市街地でミニチュアのセットを破壊しながら戦う
」という、これまでのネクサスには(ウルトラマンでありながら)滅多に出てこなかったシチュエーションだった上、ネクサスがナイトレイダーと共闘しながらプロレス技を駆使してビーストを退治するという燃え燃えな展開を見せてくれたので、個人的にはもう大満足。
アメフラシ型ビースト(メガフラシ)が怪光線でビルを破壊した時なんか、思わず「やった! ついにセットを壊した!
」と奇声を上げて大喜びしてました(バカ)。
そんな感じで戦闘が盛り上がる一方、ストーリーの方も毎回が怒濤の急展開の連続。これまで散々焦らしてきた伏線の数々が、次々とそれこそものすごい勢いで明らかになっていく様は、ある意味壮観です。
ここ最近の「ネクサス」をこのサイト的に表現するとすれば、リョウが子供になってからの「一番湯のカナタ」や、連載に片を付けるためだけに10週限定で連載を再開、読者が思わず引いてしまうくらいの鬱展開を続けまくった「きみのカケラ」と類似したノリを感じます。例え作品の評価がどうなろうとも表現したかったことを時間が許す限り描き続け、それが伝わる者に全てを託そうとする作者の強い意志が、そこにあるように思えるのです。
「死ぬ気で戦うのと、死んでもいいと思って戦うのは違う!
」
明日がなくとも、生きるために戦いなさい!
11日に放送されたエピソードに出てきた凪副隊長のこの台詞、そしてそれに対して「俺は俺の光を走りきる!
」と応えて最期の戦いに挑む憐の姿からは、例えあと放送回数が2回しかなくても最後まで前に歩むことを諦めない、この番組の今の姿を連想させます――と言ったら、さすがに誉めすぎでしょうか(過ぎてる気がする)。
□
原作がそんな感じで急展開を見せているため、ページ数がより少ない「てれびくん」掲載の椎名コミックス版も凄いことになってました。
今回の話は、原作では30~35話で明かされる憐や吉良沢の出生の秘密、そして上記の「俺は俺の光を走りきる!」という台詞に象徴される憐(ジュネッスブルー)の心理の変遷にスポットを当てているのですが、何しろページが少ないため、原作ドラマ後半で憐と深く関わって彼の変化に対して大きな役割を果たすことになる瑞生が全く登場しません。彼女が憐に対して果たしたドラマ上の役割、およびナイトレイダーのメンバーとウルトラマンとの間に築かれた信頼関係の表現などは、コミック版では全て孤門一人で担当しています。
その結果、「孤門×憐」的な雰囲気が何だか濃厚に。憐の体の心配をするあまり胸ぐらを掴んで激高しながら「どんなことがあっても必ず生きて戻れ!」と言ったり、街の人々を守るためにウルトラマンに変身した憐を助けるために真顔でCICに援護を要請したり、憐について調べたことについて一人で悶々と思い返したり、絶妙の連携で憐と一緒にビースト倒したりと、今回は孤門が原作以上に大活躍しています。
ただ、原作が30~35話で表現したかったであろうテーマは基本的にコミック版の中で一通り触れられているので、これはこれで問題ないでしょう。むしろ、「よくここまであの話を要約したものだ」と、逆に感心させられました。
既に孤門は物語のキー要素を背負って表現できるだけのキャラになっていることを、今回のコミック版ネクサスは端的に表現していたような気がします。
□
あと今月の「てれびくん」には、「ウルトラマンマックス・最強!バトルカードゲーム
」という名前の限定ジャンケンゲームがオマケについてましたが、タロウとかエースとかセブンとかバルタン星人とかエレキングとかキングジョーとかいった往年のウルトラキャラの写真がわんさか印刷されてて、なんか妙に懐かしくなってしまいました。自分が小学生だった頃、「小学X年生」(X=1~4のどれか)か何かで彼らのグラビアを見た記憶があります。数十年ぶりの再会!
「ネクサス」で新しいことをやろうとしたウルトラマンですが、結局行き着いた先は昔と変わらないこの場所だったということなのか?(←深く考えすぎです)
あと、このカードゲームに出てくるダークザギって誰?(←ググれ)
2005/07/22
■葵が急速に一般人化しつつある状況に警笛を鳴らしたいサンデー34号感想
- 「王族に生まれし雷…雷帝ゼオン!」(金色のガッシュ!!)
- 「死んでしまえこの変態共ォ!」(あいこら)
- 変な執事参上(ハヤテのごとく)
- 「登場! これが白帝の最強軍団…」(ブリザードアクセル)
- 今週のこわしや我聞
- 定点観測:今週の絶対可憐チルドレン
□
1. 「王族に生まれし雷…雷帝ゼオン!」(金色のガッシュ)
最近あまりに登場していなかったので、すっかりゼオンの存在を忘れていました(挨拶)。
真のヒーローは遅れて登場するのがこの手のマンガのセオリーですが、そのパターンに当てはめると今回のファウード編の本当の主人公はこのゼオンということになります。しかもリオウから「雷帝」とか呼ばれちゃってますよ彼。「王族に生まれし雷
」という二つ名を持っているってことは、ゼオンは現魔界の王のご子息様か何かなのでしょう。
ということは、ゼオンと同じ電撃技を使うガッシュも、必然的に王族の血を引く者であるということに。ああ見えて実はお坊っちゃまだったんですかガッシュ。アニメや映画の方では既出の設定?
あと今週は、早くも清麿の心臓が蘇ってしまいました。数多くの魔物を倒してきたガッシュのパンチの前では、さすがに瀕死の清麿の心臓も動かずにはいられなかった、ということでしょうか。
同時に「ファウードの回復液に漬かればダメージは回復できる」というソリューションも提示されたので、そう遠からず清麿は戦列に復帰することができるでしょう。このネタでもうちょっと引っ張ると思っていたので残念です(残念?)。
2.「死んでしまえこの変態共ォ!」(あいこら)
気の強い女の子が泣きながら癇癪を起こす姿が大変に萌え萌えなので第二位(バカ)。
今週登場した新たな変態メガネの渋沢龍之介君ですけど、如何にも井上先生のマンガに出てきそうな、見ていて安心感がある心温まる変態君だなあと思いました。
「美鳥の日々」に登場した変態メガネの高見沢君は、最終的に立派な造形師として真っ当な人生を歩むことに成功しましたが、「あいこら」の変態メガネ君の方はどう考えても既に引き返せそうにありません(人道に)。勿論、主人公のハチベエ君も、決して悪い人間ではないのですが、でもやっぱり引き返せそうにありません(人道に)。
ちょっと道を外れた人達が幸せになるストーリーを描くことを得意とする井上先生ですが、今回は己の作品に課すハードルを更に高く設定してしまった模様。果たして先生は、パーフェクトパーツフェティシストな彼等に幸せを与えることはできるのか?
3. 変な執事参上(ハヤテのごとく)
執事でありながら、「ご主人様」であるはずの少年を雑用にこき使う主従逆転な関係性が大変に萌え萌えなので第三位(バカ)。
この二人の異常な関係といい、涼しい顔していきなりハヤテを脱がしにかかったりする性格といい、畑先生はソッチの方もちゃんと判っていらっしゃると思いました。「美形の男性キャラを描くのは苦手」と言いながらも、こうしてちゃんとマンガにして表現できるんだから大したものです。
今週の「ハヤテ」を読んで、畑先生の漫画家としての力量はやはり侮れないものがあるなあ、という思いを強くした次第です。
そして、マリアさんの究極超人っぷりが証明されたのも、今週の目玉の一つでした。学院の歴史を塗り替える程の実績を修めたのであれば、フィクサーとして暗躍できる程の影響力を持てるのも納得です。
あと、若くして飛び級を繰り返していたということは、それだけ精神面でも成熟するのが早かったのではないかと思われるので、今の彼女が年の割に老けて見えるのも納得できます。コミックス2巻のおまけマンガで「17歳です♥ ピチピチです♥
」と微笑む彼女に激しく無理を感じたのも仕方ありません。やっぱり貴女は、年の割に苦労してやつれている姿こそがよく似合うタイプの女性なんですよ。
そんなマリアさんが、私は大好きです(フォロー)。
4.「登場! これが白帝の最強軍団…」(ブリザードアクセル)
さすが最強軍団!
梧桐君以外は、誰一人として中学生には見えません!(まちがい)
あと今週の話では、初登場の時は自信満々だった五反田君が、白帝の超人達に囲まれた今ではすっかりヘタレキャラになってるところにグッと来ました。「白帝の最強軍団」な扉絵の中に五反田がいないということは、彼は早々にリタイアすることが確定なんでしょうか?
今の情けない彼を見ていると、なんというかこう私の中の落ちぶれキャラ萌え属性が疼いて来ます。この調子でもっと落ちぶれて下さい。
5. 今週のこわしや我聞
今週の「こわしや我聞」の密度の濃さは異常。1コマたりとも無駄なコマがなく、かつどのページにも必ず、ニヤリとさせられたり、ゲラゲラ笑えるギャグが入っていたり、桃子ちゃんの古典的な生意気お嬢様っぷりに萌え萌えになったりといった仕掛けが満載。更に、連載マンガとしての次週への引きも十分。完璧です。完璧すぎます今週の我聞。
ここ最近は巻末付近をウロウロしていることが多い「こわしや我聞」なのに、こんなに面白くていいのでしょうか(失礼)。
やっぱり、桃子とこのマンガのレギュラーキャラクター達との相性が極めて良い点が、今週のノリの良さに繋がっているのでしょう。今回の話のようなドタバタ学園コメディーができるマンガは、「いでじゅう!」亡き後の今のサンデーでは極めて貴重かつ不可欠な存在なので、「我聞」にはぜひこの調子で今後も頑張って頂きたいと思いました。
定点観測:今週の絶対可憐チルドレン
「同い年の子って『チルドレン』しか知らないもんね。
」
フツーの子って何、考えてるのか透視るのが楽しみ
この年頃の子供は基本的にテレビとかマンガとかゲームとかうんことかの事しか考えていない(参照:サナギさん1巻)ので、あまり透視はしない方が賢明なのではないかと思われます。
それより紫穂の場合、カラーページに出てきた未来予想図で、短期連載版では薫よりも大きかったはずのおっぱいが、現在は薫よりも小さくなっていることを懸念するべきだと思います。先週のアレで薫の方が先に大人への階段を昇ってしまった影響が、早くもこんなところに現れているということなのでしょうか?
たったあれだけの接触でここまで未来(のおっぱい)が変わってしまうことを示した今週のカラーページは、この作品世界におけるバタフライ効果の影響力の強さと、それに伴う未来予知の難しさを、端的に表していると言えましょう。
ウソですが(だいなし)。
そして今週は早くも小学校編に突入。エスパーの置かれた社会的な立場を端的に表現するエピソードになるのかな? とも思ったのですが、クラスメート女子の発言からするとエスパー少女の花井さんをいじめているのはどうやら東野君だけみたいなので、今回は単に「好きな女の子をいじめちゃう不器用な男の子
」的な平和な展開で落ち着きそうな感じ。
「一番湯のカナタ」の連載末期にやった小学校のエピソードがかなり評判が良かったことを考えると、今後出てくるであろう小学校を舞台にした物語も、質的な面で期待して良さそうです(今回の騒動で退学にならなければ)。今度はちゃんとクラスメートの小学生に溶け込んで少年探偵団を結成できるといいですね! と思いました。
あと、冒頭で薫がスポーツブラを丸出しにして涼んでいるシーンが作者が意図した今回のサービスカットだったと思われますが、個人的にはそれよりもむしろ「怪訝そうな顔をして自分の脱いだ臭う靴下を摘んでいる紫穂
」の方にグッと来ました。
というか、おそらくスポーツブラマニアよりは靴下マニアの方が遙かに数が多いはずなので、私と同じ感想を持った方もきっと多いのではないか? と思われますがどうだろう。どうだろう(連呼)。
豆知識:
今回登場したクラスメートの「花井ちさと」「東野将」のキャラクター名の元ネタは、どちらも薫達と同じく源氏物語から。
- 花井ちさと→花散里
- 東野将→頭中将
参考:源氏物語の登場人物一覧(Wikipedia)、「絶対可憐チルドレン感想掲示板」の夕さんの書き込み
2005/07/19
■絶対可憐ブロギング更新報告
近況:
サンデーの読者アンケートを出してきました。
いい年した大人が少年誌の読者アンケートを出す時によく言われるテクニックとしては「年齢が高すぎるとアンケートの集計対象から外れる恐れがあるので、年齢を中学生と偽って出す」行為が有名ですが、しかし「年齢を中学生と偽るなんてことをして許されるのは、中学生までだ!
」という己の固い信念に基づき、あえて実年齢プレイで投函して来ました。あくまで社会人として戦う姿勢を示した所存。
アンケートの集計対象にはならなくても仕方ないですが、せめて懸賞の賞品の抽選対象にはして欲しいです。
私は今、猛烈にNintendoDSが欲しいです。タダで(←社会人か?)。
以下、最近の絶対可憐ブロギングの更新報告です。
□
Related Book、Related Book Ranking を追加
"Related Book" は、検索で取得した「絶チル」キーワードが含まれているブログの記事の中から見つけ出した、Amazon の商品コード (ASIN) のリストです。
また "Related Book Ranking" は、Related Book で取得した Amazon の商品コードを登場数順でランキング化したものです。どちらも、画面の右下に表示するようにしてあります。
「絶チル」で検索して見つかったブログで扱われているマンガを調べることで、結果的に『「絶チル」に興味がある人は、こんなマンガにも興味を持っている
』という傾向を掴むことができるのではないか? と思い、Amazon Web Service のお勉強を兼ねて作ってみました。
勿論、アフィリエイトの稼ぎがレンタルサーバ代の足しになればいいな! という下心もマンマンです(アサマシエイト的発想)。
現在のところ、「ハヤテのごとく」が頭一つリードしています。やっぱりみんな好きなのね。
椎名高志 Comic Ranking 追加
こちらは、「椎名高志」をキーワードに Amazon で検索し、売れ行き順にソートしたものと同じ結果を表示したものです。
検索対象拡大断念
最初のうちは「まとめ検索」や「livedoor 未来検索」や「Blogwatcher」や「はてなダイアリー」も検索対象に含める野望を抱いていたのですが、結果的にことごとく野望を断念する結果となりました。以下理由。
- まとめ検索
-
RSSを吐かないため自前で出力結果を解析する必要があるが、様々な例外ケースに対処する余裕がなくて断念。
検索結果をRSSで出力するようになれば、私みたいなことしてる人がみんな喜ぶと思います。 - livedoor 未来検索
-
検索結果をRSS出力する機能はあるが、検索処理に時間がかかり過ぎることが多いので断念。惜しい。
- Blogwatcher
-
検索結果がいわゆる「パーマリンク」ではないので、このようなシステムで使用するには不向き。断念。
- はてなダイアリー
-
キーワード検索結果が出力するRSSに日記本文のdescriptionが含まれないので使い辛い点、および「Update Pingを送信」オプションを選択している日記の記事(Bulkfeedsで普通に検索できるので、あえてはてな検索してまで取得する必要がない)を別途除外する処理を入れないといけないのが面倒くさいので断念。
キーワード検索のRSSにdescriptionが含まれない点に関しては、はてなのやることなのできっとそのうち対応してくれると信じています。あと、RSSのアイテムの単位は「日付」単位ではなく、「記事」単位になっているとありがたいです(個人的に)。
後は、なんだかんだ言っても bulkfeeds と Gooブログ検索の併用でネット上の評判を判断するには十分な結果が現在でも取得できているので、あえてこれ以上検索する必要がないというのが大きいです。特に bulkfeeds はホントに便利。まだこれを超えるRSS検索サービスは国内に存在していないんじゃないかと思えるくらいです。
なお、「絶ブ」の検索対象になりたいとお考えのブログのオーナーの方は、お使いのブログツールの「Update Pingを送信」機能を使い、
- ping.bloggers.jp
- MyBlog Japan
2005/07/17
■フラン☆Skinさんから誉められた
フラン☆Skin さんの 2005/07/12の日記より
とまぁ、何故こんなことを唐突に言い出したかというと、 「なんでC-WWWの深沢さんの感想はこんなに面白いのだろう」 ということを考えたところ「考察が上手い」というのがあるのでは、という結論に達しまして。
「ここの感想を読んでいると、サンデーが面白い雑誌に思えて来るので困る
」という、誉められてるんだか苦情なんだかよく判らないことを言われたことはありましたが、「考察が上手い」と言われたのは初めてです。ありがとうございます。
せっかく誉められたので、自分がマンガの感想を書く時に考えていることについて少し書きたいと思います。「考察」に関係あるかどうかは判りませんが。
□
自分がマンガなり小説なりを読む場合、何かしらどこか一つはこだわれる部分を見つけるようにしています。ストーリーやキャラクターの動きを追いながら、「これにこだわりながら読むと、この物語は自分にとってもっと面白いものになるのではないか?
」と思える箇所を見つけ、見つけたら「これ」を軸にしてその作品について考え、面白がってみる。そんなことを(無意識のうちに)考えながら、自分はマンガを読んでいるような気がします。
「これ」はキャラクター単体に限らず、小道具(メガネとか)の場合もあれば、特定のシチュエーションの場合も、更にはキャラのライフスタイルや、作者本人の場合もあります。
もうちょっと分かり易く表現すると、対象の作品そのものから、自分にとってグッと来るような「萌え要素」を探し、萌え萌えになりながら楽しむ感じ(分かり易いの?)。Excite Bookで米光一成さんが提唱している「萌え発想術」における、「この件萌え」に近いのかも知れません。
どれが一つこだわれる部分を持てれば、それを基点に作品について色々と考察を巡らせること(=萌え要素を更に見つけ出すこと)ができるようになるので、よりその作品を楽しめるようになるのではないのでしょうか。
例えば「絶対可憐チルドレン」の場合、基本的にはインテリ熱血メガネである皆本の子供達に対する心意気に萌えることができれば十分面白いと思いますけど、ここはむしろ「カナタ」が終わってからこれを連載するために2年半の時間を費やし、特にここ1年間は「ネクサス」「GSホームズ」以外はひたすら「絶チル」のネーム切りばかりを延々と繰り返して色々苦労した挙げ句、今やこんな似顔絵を描くようになっちゃった椎名先生自身に萌え萌えになれれば、より面白くなるんじゃないかと思われます。
みんなも40歳の中年漫画家に萌えてみよう!(←イヤな書き方だ)
あと他の人が書いた感想や批評なんかを読む時は、その人の立ち位置というか、それを書いた人はどんな作品が好きなのか? という傾向が判っていると、より面白く読めます。「萌え」の観点からすると、この人はこれに萌えているからこういう読み方をするんだ! みたいなものが見えて来た方が、読んでて楽しいですね。
例えばこのサイトは「椎名高志ファンページ」を標榜していますが、とりあえず「自分は椎名高志のマンガが好きだ」と表明することにより、自分が好きな傾向の作品がだいたい判って頂けているのではないかと(勝手に)思っています。
また、いわゆる「やおい」系の同人誌を作っている方が書いている少年マンガの感想は面白いものが多いと個人的に思っているんですけど、これは書き手の趣向やマンガに対する観点が明確になっており、かつそういう観点を自分は持っていないからなのではないか、と推測してます。他にも、感想の書き手が自分でもマンガを描いてる人の場合は「マンガを描く側からの視点」で見た感想が読めるので、これも興味深いです。
「MISTERジパング」の時は、「このシーンの着物に使われているトーンは作者が自作したものだろう
」とか「殿の腿チラっぷりがすごい
」とか、自分が読んでいて気が付かなかったところを指摘している方がいて、大変に勉強になった記憶があります。
何にしろ、著者の立ち位置を明確にしておくのは、感想を書くタイプのサイトにとっては結構大事なのではないかと思いました。
□
最後に、「MISTERジパング」と「絶対可憐チルドレン」で作者が訴えたいメッセージが共通しているのではないか? と考えたのは、正直に言えば「考察」というよりはむしろ「直感」に近いです。最後の締めとしてもっともらしいことを書いておくと格好良いんじゃないかと思ってつい(笑)。
でも考えてみれば、「GS美神」のアシュタロス編は元々「アシュタロスに作られた魔族メフィストを前世に持つ美神令子の、アシュとの宿命の戦い」を描く(はずだった)話でしたし、更に言えば『時間移動』や『予知』が物語の主軸になっている作品は大抵「定められた運命との戦い」をテーマとして扱っている訳で(「絶チル」第一話から映画「マイノリティー・レポート」を連想した人も多かったみたい)、SF的なものを作品内で扱うのが大好きな椎名先生にとってこのテーマを描くことはごく自然なことでしょう。なので、『椎名氏が訴えたいのは「己に定められた運命と戦う」ことだ』ってのもそんなに間違っていないんじゃないかな、とか思ってます。
イマイチまとまってませんが、とりあえず今後もこんな調子で萌え萌え言いながらやって行きますので、今後ともよろしくお願いします。
2005/07/16
■2005/07/16のメモ
http://www.excite.co.jp/book/news/00021121493705.html
現在行われている第44回日本SF大会で、第36回星雲賞が決定。
コミック部門は『ブレーメンII
』(川原泉)が受賞とのこと
2005/07/15
■やっぱり紫穂が一番性格悪いと思ったサンデー33号感想
- 「人類の未来を賭けた皆本の育成は、まだ始まったばかりだ!」(絶対可憐チルドレン)
- 清麿死亡(金色のガッシュ!!)
- 「伊賀忍者の末裔で、秋水流忍法の使い手や」(あいこら)
- 「私の推薦状を足しておいたので…その分が加算され…合格ということにさせてもらいました」(ハヤテのごとく!)
- 「では行こうか。最後の旅へ」(結界師)
- 番外:桃子・A・ラインフォードの萌えっぷりを語る(こわしや我聞)
□
1.「人類の未来を賭けた皆本の育成は、まだ始まったばかりだ!」(絶対可憐チルドレン)
最後のページのハシラに書かれていた言葉がコレなのですが、これではまるで育成されるのが子供達じゃなくて皆本みたいに読めます。子供達に皆本が調教されるマンガになる伏線?
あるいは、今週で打ち切られるマンガみたいですね。ご愛読ありがとうございました(ドクロ)。
そんな感じでようやく始まった「絶対可憐チルドレン」ですけど、上記のアオリ文句から推測できるように、このマンガの実質的な主人公(=読者にとっての視点キャラ)はやはり皆本です。貴重なカラーページのうち、見開きのタイトル2ページ以外はほとんど皆本が占めていることからも、このマンガにおける彼の重要性を推し量ることができます。
生意気な子供達の面倒をみるハメになって毎回苦労する、暗い過去を背負ったメガネ兄さんキャラが主人公。確かに、これは少年マンガとしてはちょっと例を見ないパターンですね。もし自分が独身男性ではなく子持ちの主婦だったら、今頃はもう皆本にメロメロになってるに違いありません。自分が子持ちの主婦に生まれてこなかったことが悔やまれます。
あと、短期連載版と比較して今回顕著に変わったところとしては、予知能力の扱いを大きくして、「子供達は将来、人類にとっての天使にも悪魔にもなり得る
」ことをグラフの形でビジュアル化した点が上げられるでしょう。
「予知」を物語の前面に持って来たことにより、以前の版のような「事件が起こってからチルドレンが出動する」事後対処型だけではなく、「あらかじめ事件が起こりそうなところにチルドレンが出動する」事前対応型のエピソードが作れるようになった点は、連載マンガとしては結構大きなプラスなのではないかと思います。作れるシナリオのバリエーションが増えることは、そのまま作品の幅を広げる意味がありますからね。
その一方、(短期連載版に出てきた超度7の伊-九号中尉とは違って)予知能力そのものは極めて不安定であり、その能力者達がかなり厳しい扱いを受けているのが提示されているのも、地味な点ではありますが見逃せないところ。今後、予知絡みで何らかの事件が起こることが予想されます。
他には、年齢不詳の秘書官・柏木朧の髪型が変わったのが気になります。いつの間にか、「ガラスの仮面」の月影先生のように片眼を隠した、ちょっと不自然というかおかしい髪型に変更されていますよこの人。この1年の間に、いったい彼女に何があったのでしょうか。何故彼女は、片眼を隠さなければならなくなったのか? 目からビームを出す能力でも身に付けてしまったのか? 謎が謎を呼びます。
というか、ここまで書いておいて肝心の子供達について全く触れていないことに今になって気付きましたが、まあその辺に関しては後日ゆっくり書くということで一つ。
これからの彼女たちの活躍が楽しみですネ!(ごまかす)
2. 清麿死亡(金色のガッシュ!!)
先々週は「クロスゲーム」のヒロインが死亡、先週は「結界師」の松戸平介氏が死亡と、最近やたらと死人づいてる週刊少年サンデーではありますが、今週はついにサンデーを代表する正当派少年マンガ・「金色のガッシュ!!」の主人公である清麿君まで死んでしまいました。まだ死亡が決定した訳ではなさそうですが、既に心臓が停止している以上、このままでは確実に死んでしまいます。
魔本も魔物も健在で、かつパートナーが「死亡」してしまった場合の例外処理がどうなるのか? というところが不明瞭なのが今のところは逆に一縷の望みになっていますが、でも仮に彼の命が助かったとしても、さすがにこのまま素直に清麿が戦列に復活できるとは思えません。
「魔本。それは受け継がれる絆
」とかウルトラマンネクサスの最終回みたいなことを言い出して、ガッシュのパートナーが清麿から他のキャラ(鈴芽とか)に変わってしまったりしたら、それはそれで凄いです。もし本当にやったら雷句先生は神。本を受け継ぐのが鈴芽じゃなくてナオミちゃんだったら更に神。
現人神雷句の登場なるか! 待て次号!(何そのアオリ)
3. 「伊賀忍者の末裔で、秋水流忍法の使い手や」(あいこら)
雨柳先生が、魅惑のハスキーボイス担当・鳳桐乃を紹介した時の台詞がコレなのですが、「伊賀忍者の末裔で、秋水流忍法の使い手
」と常識的に考えたら到底ありえない上に理解してもらえない文面でいきなり紹介してしまう先生も、されてしまう桐乃も、それを全く気にかけないハチベエも、冷静になって考えるとみんなどっかおかしいです。具体的に言えば頭がおかしいです。
このマンガを読む時は、これくらいの非常識な展開でも深いことを考えずに軽くスルーできるメディアリテラシーが必要なんだなあと思いました。
あとおかしいと言えば、ハチベエに散々パワー&セクシャルハラスメントを仕掛けた挙げ句に「そんな破廉恥な」とフラレたにも関わらず、全く懲りない上に生徒達にいきなりツイスターゲームを強要して再びハラスメントを仕掛ける雨柳先生も、やっぱりどこかどっかおかしいです。具体的に言えば頭がおかしいです。
この調子で、どんどん読者のメディアリテラシーの限界に挑戦するストーリーを繰り出して欲しいですね。メディアリテラシーという単語の使い方を間違えている気もしますが。
4. 「私の推薦状を足しておいたので…その分が加算され…合格ということにさせてもらいました」(ハヤテのごとく!)
「私の推薦状を足しておいたので
」ってことは、それだけマリアは白皇学院に対して顔が利くということを意味しているという解釈でいいんですよね。畑先生もサンデーのBACKSTAGEで「マリアの力の一端が垣間見える月夜の誓い
」と彼女の『力』を仄めかすようなこと言ってますし、どうやら彼女にはまだ我々があずかり知らない闇の部分があるようです。
最初に今回の話を読んだ時は「コミックス2巻の巻末で読者の女の子から『マリアさんは意地悪そう』と言われて泣きそうだったマリアの優しいところをアピールするつもりなのかな」と好意的に解釈したのですが、でも名門学院の入学試験の結果を改竄して身内の人間を学園にねじ込める程に権謀術数に長けている彼女は、やっぱりどう考えても意地が悪い性格であるとしか思えません。
やっぱり貴女は、そういうキャラである方が魅力的なんですよ。子供に好かれるのはもう諦めて下さいマリアさん。
5. 「では行こうか。最後の旅へ」(結界師)
私の人生の真の目標たる人物・松戸平介氏が生きていました! しかものうのうと女連れで!
キャーうらやましい!(間違った喜び方)
結果的に黒芒楼も繁守も(あとは読者も)騙して逃げおおせることに成功したんですから、今回は彼の大勝利と言って良いでしょう。「人の皮」をこんな風に使ってくるとは予想外の展開でしたし、また今回は彼が文字通り「悪魔に魂を売り払っていた」ことも明らかになりましたが、どちらも「松戸平介ならそれくらいやりかねない!」と素直に納得できる展開であることもまた事実。キャラの作り方や活かし方が相変わらず上手いマンガだなあ、とつくづく感心させられます。
あらゆる束縛から解き放たれた松戸氏は、これから何をやらかそうとしているのか。今後の展開に期待。
番外:桃子・A・ラインフォードの萌えっぷりを語る(こわしや我聞)
「絶対可憐チルドレン」は主人公達が10歳の女の子とは言えどもいわゆる「萌え」路線に沿ったものではありませんし、「あいこら」は見た目は典型的な美少女わんさかラブコメディーであるにも関わらず楽しむためには独特のリテラシーを要求され、「ハヤテ」もなんだかんだで「萌え」というよりは普通に面白いコメディー路線を目指しているっぽいしと、今のサンデーには秋葉系マンガが大好きな読者が素直に「萌えー! 萌えー!
」と叫べるタイプのマンガがありそうでない状況なのですが、そんな中で正当派の「萌え」を追求しているのが、実は「こわしや我聞」なのです。
ヒロイン役の國生さん、我聞の妹の果歩ちゃん、高瀬「さすがです若様!」千紘ちゃん、果ては森永優や辻原蛍司に至るまで、直球ど真ん中の正当派萌えキャラをずらりと並べたラインナップが定評あるこのマンガに、今回新たにベッタベタなワガママお嬢さまキャラである桃子・A・ラインフォード嬢が仲間入りを果たしました。わがままで生意気で我が強く人の言うことを聞かず周りの人間を小馬鹿にして友達がおらず、その上ドジっ娘。完璧なお嬢さまです。
そして、そんな完璧なお嬢さまがピンチなところで、夕日を背に受けながら颯爽と登場する我聞。これもまたシチュエーションとして完璧です。これで桃子が我聞に惚れないはずがありません。何故なら、桃子はベッタベタなお嬢さまキャラであるからです。他に理由は要りません。判って頂けるでしょうか。
個人的にはベッタベタな展開やキャラは大好きなので、今週の「我聞」はもう大喜びで読ませて頂きました。わがままで生意気で我が強く人の言うことを聞かず周りの人間を小馬鹿にして友達がおらずドジっ娘なお嬢さまさいこう!
っていうか、マンガの世界における本当の「子供らしい子供」ってのは、こういうことを言うんですよ! 今週のサンデーにおける、真の意味での「絶対可憐チルドレン」は桃子で決定! フツーの少女に憧れてる「絶チル」の薫は、ぜひ桃子ちゃんのアレっぷりを見習って欲しいですネ!(おわり)
2005/07/13
■「絶対可憐チルドレン」新連載開始記念 バーチャル読者アンケート
□
そして今週のサンデーの読者アンケートにも、「A: 週刊少年サンデー第33号の中で一番面白かった記事、漫画を一つ選んで、番号で記入して下さい
」の回答に「1」と記入した上でちゃんと投函してあげてください。
薫達が天使になるのか悪魔になるのかを決めるのは、皆本主任の教育的指導ではなく、全ては今週のアンケートの結果次第! 結果次第なのです!(煽り)
2005/07/12
■掲示板開設のおしらせ
今から12~13年前は、椎名高志先生の画風が萌えの最前線だったんだよなと思うと感慨深いですよね(挨拶)。
Webサンデーで公開されている「絶対可憐チルドレン」の壁紙を眺めながら、そんな感慨に耽る男です。こんにちは。
長く生き過ぎました。(←疲れてるみたい)
お知らせ
予告していた、「絶チル」感想用の掲示板を作成しました。
サンデー読後の感想や、「椎名先生とこの完成原稿速報が更新された!
」「このサイトの感想がオモロい!
」などといった情報については、今後はこちらの方に書き込んで下さるようお願いします。
→ http://fukaz55.main.jp/zettaibbs/
ぱっと見ただけだと、マンガの感想掲示板には見えないおしゃまかつ使いにくい雰囲気になってしまった気がしますが、使い方については基本的に常設の掲示板と一緒です。また、blosxomというブログツールを基礎部分で使用しているため、RSS で書き込み情報が取得できたり、個々の書き込みに対してTrackbackを送ったりといった、よりブログっぽいことも可能です。
どうぞご利用下さい(はてな風)。
あと「絶対可憐ブロギング」ですが、現在Blogroll(収集したサイトの一覧)を更新する部分を改修しているため、Blogrollが更新されていません。もし気にしている方がおられましたら、もうしばらくお待ち下さい。
追伸:
今回は特に「連載記念開始チャット会」みたいなイベントを明示的に開催する予定はありませんが(明日は何時に家に帰れるか判らないため)、帰ったらIRCの「#C-WWW」チャンネルには接続するので、そこで「絶チル」をサカナに適当に盛り上がりましょう>チャット仲間のみなさん
2005/07/11
■絶チルへの歩みをまとめてみました
来週のサンデーから待望の「絶対可憐チルドレン」が始まりますが(いきなり)、ネットでざっと反応を読んだ限りでは、やっぱり「椎名高志といえばGS美神の人」みたいな印象が強いみたいで、それ以外のマンガ、特に週刊少年サンデーに掲載された以外のマンガに関しては、さすがに「美神」程には知られていないみたいです。
確かに椎名高志先生は「GS美神極楽大作戦!!」が不動の代表作であり、もし先生が何か事件に巻き込まれた時には新聞記事に『「GS美神極楽大作戦!!」の作者として知られる椎名高志さん(40)が、バールのようなものを持った…
』とか書かれちゃうのは間違いないんですけど、でも椎名高志は「GS美神」だけの漫画家ではない! 「美神」から「絶チル」に至るまでには、途中で色々なことがあったんですよ! という認識を広めることを目的に、「美神」終了から「絶チル」に至るまでの歩みを簡単にまとめてみることにしました。
ファンサイトとして。(←ファンはそんな例えしません)
□
GS美神極楽大作戦!! アシュタロス編終了 (1998年49号)
「GS美神」史上最長のエピソード、別名ルシオラ編が終了。「とりあえず…これでハッピーエンドってことにしない?
」という美神の台詞に象徴されるオチの付け方に対して、ルシオラに入れ込んだコアなファン達が大騒ぎに(→当時のログの総集編)。
その影響か、これ以後「極楽大作戦」の中ではラブコメめいたストーリーをほとんど扱わなくなる。相対的に、作品のパワーも低下傾向になったことは否めない。
GS美神極楽大作戦!!終了 (1999年41号)
コミックス39巻で終了。当時のサンデー最長連載記録を樹立。
MISTERジパング (2000年14号~2001年46号)
1550年代の戦国時代を舞台に、若き日の織田信長と、後の豊臣秀吉となる(はずだった)日吉との間で繰り広げられるドラマを描いた、歴史モノ作品。物語後半では「時間移動」や「並列世界」の概念が出てくるなど、SF要素が強くなって来るところが椎名高志のマンガらしいところではあるが、前半の「椎名流解釈に基づいた純粋な歴史マンガ」的なノリを支持する読者も数多い。
また、作者はそういう人気を全く狙っていなかったにも関わらず、女性ファンが付いたことでも有名。最終的には「男性陣が風呂に入っているところに女刺客が一人で忍び込む」という、少年マンガ的に間違ってるシーンも登場。読者をビビらせた。
ただ、「GS美神」的なノリを望んでいた古来のファンからは、今ひとつ支持を得られなかった印象がある。比較的短期で連載が終わったのも、その辺の人気の伸び悩みが一因だったのかも知れない。
GSホームズ極楽大作戦!!(サンデーGX 2002年1月号)
19世紀のロンドンで、シャーロック・ホームズと「GS美神」のドクターカオスとマリアが接触していた! という設定の、「極楽大作戦」の外伝的作品。ホームズの二次創作としても、「美神」におけるカオス初登場に繋がるエピソードとしても完成度が高い。
歴史的な人物を自己流にアレンジしてパロディ化する手法は「MISTERジパング」と同様であり、「パロディに強い椎名高志」を改めて印象づけた。ホームズは歴史上の人物じゃないけど。
一番湯のカナタ (2002年21・22号~2003年2号)
都内で銭湯を営む親子のところに、クーデターを起こされて自分の星から亡命してきた王子が空から降ってきた! というところから始まるご町内SFコメディー。
「SFコメディーの椎名高志」を全面にアピールする作戦で勝負に出たが、結果的に惨敗。コミックス3巻で打ち切りという厳しい結果に。「GS美神」終了以降の方向性の限界というか、行き詰まりを象徴する作品だったと言える。
作者が「絶チル」に対して今もって自信が持てないのは、得意のフィールドであったはずのSFコメディーで勝負して勝てなかった「カナタ」の時のトラウマがあるためではないか、と勝手に推測している。
江戸浪狼伝 (サンデー超増刊 2003年3月号)
江戸時代末期、仲間を求めて江戸にやって来た人狼族の藪月と、彼に関わることになった岡っ引きの清次を主人公とした物語。「一番湯のカナタ」打ち切りの興奮も冷めやらぬ時期に掲載されたものの、逆に椎名高志氏の地力の強さを証明することになった、クオリティの高い作品。
今でも2ちゃんねるの801板サンデースレッドでたまに話題に出てくる程の根強い人気を持つ(←そういう評価の仕方はどうか)。
パンドラ (サンデーGX 2003年4月号~6月号)
大学受験に失敗し、彼女にもフられ、絶望の底にいた主人公の海老名君の元に、「パンドラ」と名乗る明らかに人間じゃない女性が突然空から降ってやって来た! という導入で始まるラブコメディー。
特筆すべきはやはり最終回の第3話で、主人公達が「空から降ってきた人間じゃない女のコ、最高ッ!!
」と叫び出すシーンが特に印象に残る(→当時の自分の感想)。人間じゃない女の子を出したばっかりに大変なことになったアシュ編のルシオラ騒動以降引きずっていた作者の中の「何か」が、完全に吹っ切れたことを象徴するエピソードだった。
現在の「絶チル」に続く椎名高志の復活劇はここから始まった! と言っても決して過言ではない、ある意味ターニングポイントとして記録されるべき作品(かも知れない)。ちなみにコミックス未収録。
絶対可憐チルドレン (サンデー超増刊2003年7月号)
零式といっしょ。 (サンデー超増刊2003年8月号)
破壊僧ジョドー (サンデー超増刊2003年9月号)
サンデー超増刊に三ヶ月連続して掲載された読み切りシリーズ。「この中で一番評判が良かったお話を、次期連載の候補作品として編集部に持ち込む」みたいな決意が作者にあったようで、どのマンガもこのまま連載化されてもおかしくないくらいの深みを持っていた。「パンドラ」で何か大切なものを吹っ切っちゃった椎名氏の当時の勢いを感じる。
結果的に「絶対可憐チルドレン」が後の連載化作品として生き残ったのはご存じの通り。
Time Slipping Beauty(ヤングマガジンアッパーズ2003年21~22号)
タイムスリップ能力を持った少女・コヨミが、能力を駆使して人命を救うために戦う様子を描いた、極めてシリアスな雰囲気のアクションドラマ。
長年に渡って小学館の雑誌でキャリアを積んできた椎名高志氏が、講談社の青年コミック誌でマンガを描いた、という意味で重要な意味を持つ作品。コミックス未収録。いずれは小学館から出るコミックスに収録される(らしい)。
絶対可憐チルドレン(2004年39号~42号)
超増刊での高評価を受け、改めて週刊連載用にリメイクしたバージョン。少女達の指揮を執る水元の名前が皆本になったこと、超増刊版には存在していた彼の「アンチアンチエスパー」能力がなくなって普通の人間になったこと、そしてこの物語の最終的な目的が「三人娘の健全な育成」にあり、育て方を間違えたら世界が彼女たちの手によって破滅する未来が待っている点が明示されたこと、などの変更点がある。
特にSFが大好きな人たちの感じるツボを刺激したのか、2005年星雲賞コミック部門にノミネートされる程の高い評価を得た。
蜘蛛巣姫(ヤングマガジンアッパーズ2004年20号)
戦国時代、クモの物の怪・蜘蛛巣姫が、落ち武者となった八郎太に恋をした、という感じのライトなコメディー。
「男運に恵まれない独身女の悲哀」を描ける程までに漫画家としても人間としても成熟した、作者の大人の余裕を感じる一品だ(おおげさ)。コミックス未収録。
ウルトラマンネクサス (てれびくん2004年12月号~2005年8月号)
CBC/TBS系列で放送された「ウルトラマンネクサス」のコミカライズ版。椎名高志が原作付きの作品を幼年誌である「てれびくん」で描いた意外性や、「ウチのネクサスはしゃべらない」という作者の言葉に象徴される従来のウルトラマンコミックとは路線が異なる制作ポリシーなどが、「てれびくん」を読んでいる特撮ファンなど一部の人達の間では評判に。
『ネクサス対ビースト』という子供にも判りやすい構図を中心にしながら、原作の持つシリアスなテイストも失うことなくマンガ化することに成功。この経験は、椎名氏にとって子供向けマンガを作ることに対する自信に繋がったのではないのだろうか。
GSホームズ極楽大作戦・血を吸う探偵 (サンデーGX 2005年6月号)
大さっぱなあらすじはサンデーGX公式ページを参照。いわゆる「大空白期」を題材にした作品。こちらは前作とは趣が異なり、(「GS美神」の外伝というより)「椎名流ホームズ」的な雰囲気が色濃いのが特徴。
また、「絶チル」の習作(描かれたのは短期連載版「絶チル」よりも前)という位置付けということもあってか、吸血鬼少女のエリスがやたらかわいい。ちゃんと正当派のツンデレが描けるんだと思った。
□
あと、これを書くために久しぶりに「MISTERジパング」を読み直してみたのですが、今改めて読んでみるとこのマンガすげえ面白いんですけど。どうしよう。
このマンガ、「武田は滅びる」と予言して信玄の元から逃げたヒカゲが日吉と遭遇するところから物語が始まることに象徴されるように、「己に定められた運命と戦う」ことが物語の大きなテーマになっていたんですね。ヒカゲを取り戻して滅亡の歴史を書き換えようとした信玄、ヒカゲ(やヒナタ)や仲間達と共に新しい歴史を作ろうとした日吉、そしてそんなことはお構いなしで自分の天下を作ろうとした信長と、「定められた運命」に対するアプローチの仕方がそれぞれ異なるところがこの物語の肝だったように思えます。
「己に定められた運命と戦う」というテーマは、そのまま「絶対可憐チルドレン」にも通じるものがあります。このテーマこそが、椎名先生がマンガを通じて訴えたいことなのかも知れませんね。
とか、ファンサイトっぽいことを書きながら今回はおわり。
来週から始まる「絶対可憐チルドレン」も、「GS美神」と一緒に椎名先生が事件に巻き込まれた時に、新聞記事に名前と一緒に併記されるくらいの代表作になって欲しいと願っています。ファンとしては(←ファンはそんな例えしません)。
2005/07/08
■来週は破滅の女王がやって来るサンデー32号感想
- ポジティブな変態前田ハチベエ(あいこら)
- 松戸平介(結界師)
- 「この俺が正義のアイテムを!」(道士郎でござる)
- 星南高校のショート(最強! 都立あおい坂高校野球部)
- 今週のからくりサーカス
□
1. ポジティブな変態前田ハチベエ(あいこら)
38歳のショタ親父が萌えフェロモンを息子にまき散らして大変なことになる「葵DESTRUCTION!」、モテない男の右腕に美少女が宿っちゃって大変なことになる「美鳥の日々」、三十路で童貞のまま死んだ侍の魂が宿った刀を持って戦う女剣士が大変なことになる「音禰のないしょ」と次々とおかしな(頭が)マンガを繰り出し、今や変態漫画家の名を欲しいままにしている井上和郎先生が、ついに週刊少年サンデー誌上に復活。
今回の新連載「あいこら」ですが、主人公がひょんなことから高校の女子寮に転がり込むことになったり、そこに住む女性達がお姉さん・ロリ・メガネ・ツンデレと基本を押さえたラインナップであったりするところは、特に奇をてらっていない、安心して読める極めてスタンダードな少年向けラブコメディーだなと思いました。主人公が開始わずか4ページ目で「女はパーツだろ!
」と高らかに宣言し、女の子ではなく女の子のパーツに惚れ込んでしまうところ以外は、至って普通のラブコメしてると思います。
主人公以外は全て正しいラブコメマンガ。そんな感想です。
とはいえ、お姉さん担当の雨柳つばめのあのサリーちゃん脚だけは、正しいというよりはおかしいですけどね。あの脚で日常生活が送れるのかどうか、二次元キャラのことながら心配になってきます。
足の関節が自然にあの形になることはちょっと考えられないので、あれはきっとサニーちゃんマニアな整形外科医か何かに改造されたに違いないと思いますがどうか(と言われても)。
あと、ツンデレ担当の天幕桜子が表では目を隠すように深く帽子を被っていたところから推測するに、変態主人公が惚れ込んでる「パーツ」は、当の本人達にとっては逆にコンプレックスになっているのではないのでしょうか。その辺の女性キャラ達の心理状態の変化が、恋愛マンガとしてのこのマンガの見所になるのかも知れません。
変態が考えたとしか思えない異常な設定に目が眩みがちですが、井上先生は基本がしっかりしたハートフルなストーリーが描ける方であるということも、このマンガを語る上では忘れてはならないのです。
と、一応フォローしてみた。多分手遅れですが。
2. 松戸平介(結界師)
最後のコマの曰くありげな倒れ方と、床に広がった黒っぽい染みと、傍らに転がったピストルはいったい何!
もしかして松戸さん死んじゃったんですか! 結界師で一番好きなキャラだったのに! 彼の変人っぷりは時音姉さんよりも萌えだったのに!(本気です)
繁守に対する感謝の証を表現するのに「君も立派な変人だ
」という言い回しを使うセンス、使い魔をかつて恋していた女性の姿に変化させてはべらせる俗っぽさ、そしてあらゆる物事を面白がり自分のオモチャのようにいじくり回さないと気が済まない、マッドサイエンチィスト的な価値観。何から何までグッと来るステキキャラでした。オレも歳を取ったら、こういうイヤな人間になりたいです。
もしここで本当に倒れたとしても、彼のことなのでタダでは死なないのではないかと思われます。繁守や黒芒楼の連中に対して、彼独特の歪んだユーモアセンスに溢れた「置きみやげ」を用意してあったりして欲しいですね。勿論、本当は彼が生き残っていて欲しいのですが。
あと今回は、過去にその平介と何かあったらしい婿養子の修史さんの凛々しい(でもやっぱり頼りない)結界師姿が拝めたのもポイント高いです。「こわしや我聞」の辻原がメガネを捨ててしまった今、サンデー最強のメガネ兄さんの座はやはり彼で確定でしょうか。
そして、来週から始まる「絶対可憐チルドレン」の皆本は、果たして彼にどこまで(メガネ兄さんキャラとして)迫れるのか? がんばれ修史。負けるな皆本。何の話しているのか判らなくなったので次。
3. 「この俺が正義のアイテムを!」(道士郎でござる)
たかだか町内会の夜の見回り当番程度の腕章を「正義のアイテム」と大げさに呼称する池内クン(特徴:ボール状のカステラ菓子みたいな頭)が、相変わらず面白すぎます。彼こそ、無根拠な妄想を誇大に表現する、真のヤンキー的精神が宿ったナイスガイです。悪だけど。頭悪いけど。
というか、まさか今回のエピソードで池内クンまで顔を出してくれるとは思いませんでした。ひょっとして人気あるんでしょうか彼。
4. 星南高校のショート(最強! 都立あおい坂高校野球部)
超人同士が極限の中で競い合い、さながら「アストロ球団」みたいな雰囲気になって来た「あお高」ですが(誇張)、そんな中で今週は星南高校のショートの選手がいい味出してました。
緊張感溢れるシーンに似つかわしくない「あい~
」「ああ~
」という気の抜けた台詞を発し、フライをキャッチしようとジャンプすると「びよーん
」という間の抜けた効果音を出し、着地に失敗して「すてーん
」と転ぶ。良い味です。妙に細長い四肢や、緊張感とは無縁そうな面構えも、また良い味出してます。癒し系です。癒し系選手の登場です。
星南でレギュラーのショートということは彼も相当の超人戦士であるはずなのですが、にも関わらずこのほのぼのっぷり。きっと只者ではありません(決めつけ)。
スポーツ記者の真木さんも、右京に萌え萌えになってる場合じゃなくて新しいスターを積極的に探すべきだと思った。
いや、このショート君はスターかと言うと、絶対そうじゃない気がしますが(だいなし)。
5. 今週のからくりサーカス
「コワイよ、死ぬのはコワイ
」
「老いるのも傷つくのもコワイ…
」
「命ひとつだけはコワイよオォ!!
」
「老いた本当の自分」と対面させられ、「自分は永遠に生きられる」という虚構を打ち砕かれたしろがね-O達の錯乱っぷりが、心底恐ろしい回でした。書き文字で書かれたコロンビーヌの「知ってたコトじゃない
」という台詞が、なにげに重く感じられます。
やっぱり、どうせ老いるなら「結界師」の松戸平介みたいな優雅な歳の取り方をしたいものですよね!(今回の結論)
2005/06/30
■「二次元にしか興味ないんだ」に突っ込んだら負けかなと思っているサンデー31号感想
- 『愛する者の危機が、この男をも動かした!』(ワイルドライフ)
- 若葉死亡(クロスゲーム)
- 杉本ペロ先生新連載(ネコなび)
- バント瀬川(最強! 都立あおい坂高校野球部)
- 退職届の隣に置かれた眼鏡(こわしや我聞)
- 番外:ミノル小林最終回
□
1.『愛する者の危機が、この男をも動かした!』(ワイルドライフ)
これまでは役立たずで見栄っ張りなヘタレの小悪党みたいな描かれ方しかされて来なかった平波学部長だけど、なんかこのアオリが入ってるコマだけは妙に格好良くなってるよ!
なんか、死ぬ前にいい奴になる悪の組織の幹部みたいだ!(ひどい感想)
仮にこの人が鉄生の仲間になった場合、「学部長」という肩書きはかなり政治的にプラスになるはずなのですが、でもこの人はどう好意的に解釈しても権力闘争に強くなさそうというか、上層部からいいようにコキ使われたあげくに失敗の責任を取らされて捨て駒にされるタイプにしか見えないので、すぐ安座間学長辺りに首切られるか、あるいは死領に「シシシシ」とか笑われながら物理的に首を切られそうな気がしてなりません。
次週、生き残ることができるか!(犬ではなく学部長が)
2. 若葉死亡(クロスゲーム)
あだち充先生の連載マンガというと、個人的にはどっかしらで一度「これまでの物語をひっくり返す事件が起こって、ストーリーをドラマチックに盛り上げる」展開を入れるものというイメージがあるのですが(前作「KATSU!」におけるライバルの突然の怪我とか)、今度の「クロスゲーム」では連載9話目にして早くもヒロインと見られていた美少女キャラ・若葉ちゃん11歳がいきなり死亡するという驚愕の展開に突入。
こんなデッドリーな鬱展開は誰も予想していなかったというか、そもそもここまでハードかつスパルタンな展開を今のあだちマンガに対して誰も求めていないような気がしてならないのですが、それでもあえてこんな死臭漂うストーリーを描かずにはいられないあだち先生の本気っぷりには身が震えるばかりであります。
さすがですあだち先生!(「こわしや我聞」の千紘ちゃんっぽく)
しかし、ヒロインが死んでも(表面上は)ドライな雰囲気で淡々とストーリーが進むのも、また『さすがですあだち先生!』的なところではあります。このマンガが今後どう転ぶのか読めなくなってきました。相変わらずあだちマンガは油断できません。
3. 杉本ペロ先生新連載(ネコなび)
サンデーで4コママンガを描くということは、15年前の椎名高志に挑むのと同義であることを忘れるな!(挨拶)
実際、サンデーにおける4コママンガ連載は「Dr.椎名の教育的指導!」が最後の成功例なんじゃないかと思うのですが、その辺どうだろう。「漢魂!!!(メンソウル)」は世間的に見て成功例に入るんでしょうか。個人的には入れたいんだけど。
で、現代四コママンガ界においては、「あずまんが大王」や「トリコロ」などの成功に起因すると思しき萌え系な絵柄の四コママンガがまだ主流っぽい雰囲気なんですけど、そんな中で萌えから遠く離れた絵柄と芸風が特徴の杉本ペロ先生をあえて持って来るサンデーのセンスはすごいなあと思いました。
あと、なんか今回はネコ以上に担当編集の近藤さんが目立っていたんですけど、そういえば以前ペロ先生が「ワイルドアームズ」のゲームレビューを描いていた時も、ゲームに出てくる美少女キャラはまったく描かずに担当編集の近藤さんばっかり延々と描き続けていた記憶がします。もしかして、ペロ先生は近藤さんに萌えているのか。
4. バント瀬川(最強! 都立あおい坂高校野球部)
送りバント一つで、ここまで緊張感のあるストーリーを描けるものなのか! と感心してしまうくらい、今週の「あお高」の瀬川のバントシーンには興奮させて頂きました。超人達が超人バトルを繰り広げる中、凡人が生き残るために必死で奮闘する姿には燃えるものがあります。
こういうエピソードと、右京×比呂彦のハイレベルな超人同士の凌ぎ合いのエピソードを同じ回に見せ場として突っ込めるところが、このマンガの設定面での強みなのかなと思います。
5. 退職届の隣に置かれた眼鏡(こわしや我聞)
私はかねがね「こわしや我聞」における辻原の眼鏡の重要性について語ってきましたが、ついにその眼鏡が重要なパーツとして使われる時がやって来ましたよ! 眼鏡好きの血が騒ぎますよ! ワフー!(興奮)
かつて自分が伝授したパンチの奥義を会得し、更に強くなった我聞を見て「ヒナ鳥は巣立った。親鳥は必要ない
」と呟き、我聞の机の上に辞職届と一緒に眼鏡を置いて静かに立ち去る辻原。「辞表と一緒に眼鏡を置く」ところがこのシーンのポイントです。
自分の眼鏡を会社に残すことで、彼にとって眼鏡が「工具楽屋の一員として、我聞の成長を見守る」人格の象徴であったことを明らかにしたと同時に、『今の自分には、「もう一つの人格」のペルソナとしての眼鏡は必要ない! これからは、己の真の目的のために一人で戦うのだ!』という彼の新たな決意を、間接的に表現することに成功しています。眼鏡一つが、彼の心の有り様を全て物語っているのです。
今回の「辻原眼鏡外して辞職」エピソードは、「眼鏡」を極めて効果的に使ったという意味において眼鏡ファンも納得な回だったと言えるのではないのでしょうか。
そして、いつか辻原が我聞と再会した時、我聞が「工具楽屋の仲間として、もう一度一緒にやって欲しい
」と言いながら辻原にこの時の眼鏡を自ら手渡すシチュエーションなんかが出てきたら、ンもう超シビレますよね! 妄想が止まりません!
――でも工具楽屋って、そもそも営業の辻原さん抜きで会社として運営できるの?(だいなし)
番外:ミノル小林最終回
なんて豪快な最終回なんだ!
さすがです水口先生!(千紘ちゃんっぽく)
「アクの強いオッサンとヤンキーを描く人」という印象が強い水口尚樹先生にとって、アクの強い子供を主人公にした「思春期刑事ミノル小林」は、先生にとっても一種のチャレンジだったんじゃないかと思います。
次回作ではどんなアクの強いイヤなキャラが出てくるのか期待してます。ホントです。
2005/06/28
■2005/06/28のメモ
http://www2.odn.ne.jp/anime18kin/daial01.htm
サンデー32号より、井上和郎先生の新連載が始まるそうです。
ツリ目! ツインテール! ツンデレ!
2005/06/26
■キャッチコピーを考えたよ
椎名百貨店 the Web: 完成原稿速報050621より
「ソリッドな秋葉系でない、背骨の通った美少女SFコメディー」
ソリッドな秋葉系マンガが大好きな人たちが「絶チル」をそういうマンガだと誤解しないための、新しいキャッチコピーを思いつきました!
「このマンガにツンデレはいません」
工エエェェ(´д`)ェェエエ工(←お前もか)
私が思うに、薫をちゃんと教育できさえすれば、立派なツンデレになれる素質はあると思います。
短期連載版に出てきた未来の薫は、わざわざ世界規模で争乱を起こし、皆本に銃撃されて死ぬ直前にならなければ愛を告白できない程にツンツン要素をこじらせてしまったのが誤りでした。これは薫のツンデレ教育が失敗したことを意味しています。
かと言って、あんまり惚れっぽく成長させて四六時中皆本相手にデレデレするようになってしまうと、そもそも彼女本来の仕事である「特務エスパー」として役立たずになってしまうのが困りもの。薫を育てるには、ツンとデレの間のバランスを考える必要があるんですよ。
果たして皆本は、彼女を立派なエスパーとして育成すると同時に、立派なツンデレとして彼女を育てることができるのか!
「絶対可憐チルドレン」とはそういうマンガであると解釈すれば、秋葉系が大好きな貴男も楽しめるのではないのでしょうか。
ウソですが。(おわり)
■嗚呼、絶チルが行く…
ピアノ・ファイアのいずみのさんが、「絶対可憐チルドレン」連載開始に対するコメントを述べられていました。
せっかくの機会なので、いずみのさんのコメントをダシに、もうちょっと今の自分の「絶チル」に対する現在の何とも言えない思いを文書化してみることにします。
□
子供にウケるか問題
ピアノ・ファイア: 絶チルはラブひなだ より
そこをあえて週刊少年サンデーで連載するということは、「子供などの一般読者に読んでもらいたい」あるいは、「サンデーにSFコメディを復活させたい」という願望が込められている筈です。
そこには「自分が描いているものは大衆(=子供から大人まで)が好む要素がどこか必ず含まれている筈だ」という希望が込められている筈です。
椎名先生は「てれびくん」で「ウルトラマンネクサス」のコミカライズを担当していましたが、そこでの経験から「自分のマンガは子供相手でもヤレる!」という自信を深めたのではないか、という気がしています。
椎名ネクサスを読んだことがある人なら判っていただけると思いますが、あのマンガは子供読者に対して全く容赦せず、ストーリーや作品のテーマも基本的に原作の(残酷な部分も含めた)テイストをできるだけ活かすような形で表現しています。あえてそうした理由は、いったい何処にあったのでしょうか。
その理由と思われる発言を、以前「宇宙船」3月号に掲載されたインタビューから抜粋します:
――(「ウルトラマンはしゃべらない」と感情表現を排除する宣言をしているが? という質問に対して)
「(前略)喋った方がわかりやすいしハナシ早いですもんね。
でも今はそのままやっても読者は普通についてきてくれますから」
「そのままやっても読者は普通についてきてくれますから」!
幼児向けマンガにしてこの強気の発言。この部分に、椎名氏の読者に対する信念が垣間見えます。椎名氏は「子供向け」だからと表現を判りやすくするのではなく、「読者は判ってくれる」と判断した上で、自分の考えた「ウルトラマン」の魅力を画として子供達に表現することを注視したのです。
自分から子供におもねるのではなく、子供を自分のマンガの位置まで引き上げようとする意志を感じます。
「絶対可憐チルドレン」も、椎名氏自ら「週刊少年誌作品としてはいくつか文法違反がある
」と自覚しているにも関わらず、読み切りの頃から現在に至るまでまったく妥協することなくハードなSF路線を貫き通していますが、その根拠にはネクサスの時と同様の「例え週刊少年誌作品の文法から外れた部分があっても、読者はついてきてくれるから大丈夫」という考えがあるからなのではないか、と思います。
つまり椎名氏は、(子供も含めた)我々読者の知性を信頼してくれているんですよ。我々にとって、こんなに嬉しいことはありません。
□
「武装錬金」になるか「愛人」になるか問題
これは『武装錬金』の和月伸宏とは根本的に異なる点で
「絶チル」の辿る運命が「武装錬金」と同様になるのではないか? という私の懸念ですが、これは連載の経過や作者の掲載誌に対する姿勢などはともかくとして、『結果的にそうなりかねないなあ』と思っているところから来ています。
駒木氏は、「武装錬金」に対する懸念として「週刊少年マンガ誌の限界」(クオリティの高い話を、週刊ペースで、かつ制約が多い少年マンガの枠内に収めることは、作品のテーマを考えると難しい)、「ジャンプシステムによる弊害」(いくら物語の質が高くても掲載誌のシステムには逆らえない)の二つをあげていますが、今のサンデーで「絶チル」を連載する上でも、やはり似たような問題があると考えます。
「絶チル」が内包しているテーマは、「人種差別」「力を持つ者の義務と責任」「自分とは違う『他者』に非寛容な社会への警鐘」「希望が見えない未来を変える可能性の模索」など、どれもこれも『銀の弾丸』が存在しない、真面目に考えれば考えるほどやっかいなものばかりです。これを単なるフレーバーとして使うのではなく少年マンガとしての「テーマ」に据えるからには、マンガの中でこれらの問題に対するそれなりのソリューションを提示し、読者に『希望』を与える必要があります。よりによって週刊少年サンデーで。
もし自分が担当編集者だったら、絶対頭抱えてますね。椎名氏の担当に生まれなくて本当に良かったです。
まあ、この辺については、それこそエンターテナーでありストーリーテラーである椎名高志氏の手腕を信頼するしかありません。
期待してます先生!(←前にあんなこと書いておいてコレか)
前に例えに出した「愛人 -AI・REN-」も割と上記に近いテーマを掲げた作品だったのですが、田中ユタカ氏がエロマンガで培ったヒューマニズムを最大限に発揮した結果、キチンとこれらのテーマに対する希望を提示することに(エンターテイメントの枠内に収まる形で)成功しています。
同様のテーマを描いたマンガで他に「これはすごい」と感心したのは、サンデーGXで連載されていた「ネコの王」(小野敏洋)でしょうか。何故か「禁断のブルマ魔法」以外で語られることが少ないマンガなのですが、実は色々と考えさせられる奥深さを持っていると思います。
□
光は絆だ問題
絶チルがサンデーでヒットするということは、ラブひながマガジンでヒットすることと同じような意味がある、と言えなくもないでしょう。少年誌に風穴を開ける、という。
「ラブひな」が当時のマガジン(ひいては、ティーンエイジを対象にした少年漫画全体)に大きなパラダイムシフトを起こしたことは事実です。しかし、当時の「ラブひな」と今の「絶チル」とでは、置かれている状況がかなり異なるのではないかと思っています。
「ラブひな」の場合、当時はギャルゲー的なノリが通じるマイナー雑誌でしか通用しないムーブメントとして見られていた「美少女わんさかコメディー」の概念を、あえて週刊少年誌に大々的に持って来て勝負したというところが凄かったと思うのですが、少なくとも当時の赤松氏には「時代は確実にこっち側に来ている。だから勝てる
」という読みがあったはずです。
しかし「絶チル」の椎名氏の場合、「時代はむこう側に行ってしまった
」と考えている様子。現状の自分(の作品)が置かれた状況に対し、かなり厳しい見方を示しています。
完成原稿速報040726 より
さて、この作品、かつてないほど入れ込んで描いてます。しかしそれがウケるかどうかというと、実は全然自信がありません。もともと「チルドレン」には週刊少年誌作品としてはいくつか文法違反があり、そこんところでこの数ヶ月すったもんだしてたんですが、結局その問題はほとんど改善されてないままなんですね。
完成原稿速報040813 より
改造の件といい、スピンちゃんの件といい(笑)、我々大きいお友達にとって少年誌はもうあまり居心地のいい場所ではないのかも。
おそらく椎名氏は、自分が描くタイプのマンガが、今の少年誌が求めているマンガとはちょっと離れた場所にいることを自覚しているものと思われます。
特にサンデーの場合、前編集長時代は「子供のための子供向けマンガ」に必要以上に拘っていたフシがあったようなので尚更でしょう。例え作者が「通じる」と信じていても、雑誌編集部が「通じない」と思ってしまえばそれまで。厳しいですね。
更にサンデーに限って言えば、前作「一番湯のカナタ」が結果的に惨敗となってしまったことも、編集部として厳しく椎名氏に当たらざるを得ない状態に繋がっているでしょう。再び少年サンデーという舞台に戻ってくるためには、3年の歳月と、その間の数多くの短編作品での実績が必要だったのです。
サイトでは「俺が打ち切られたら、誰かがあとをついでくれ。光は絆だ。
」と冗談めかして書いてはいますが、たぶんこれは椎名氏の偽らざる本心です。本心。
「絶チル」は、氏が光と信じる「背骨の通った美少女SFコメディー」を具現化したものであり、そしてこの系統の作品を心から必要としている読者は必ず存在しています。もし「絶チル」がいずみのさんが言うところの『少年誌に風穴を開ける
』結果に繋がらなくても、それを必要としている読者がいる限り、SFコメディーの意志は「絶チル」に影響を受けた他の漫画家に受け継がれて行って欲しい。
そんな願いをかけてしまうほど、今の椎名氏は今の状況を自分にとって相当不利だと考えているように思えてなりません。
新連載に挑む今の椎名氏の心理は、「斑鳩」(D-LIVEじゃなくてシューティングゲームの方)の1面に出てくるメッセージに近いものがあるのかも知れません。というか、私は勝手にそう解釈しています。
嗚呼、斑鳩が行く・・・・・・
望まれることなく、浮き世から
捨てられし彼等を動かすもの。
それは、生きる意志を持つ者の
意地に他ならない。
浮き世=少年マンガのメジャージャンルから捨てられた彼等=椎名高志が、生きる意志を持つ者の意地=自身は面白いと信じているけど今ではすっかりマイナージャンルになっちゃったSF路線のマンガを描き続ける執念を抱きながら動き始める。嗚呼、絶チルが行く…
ここは本当に椎名ファンサイトなのでしょうか?(永遠の自問)
2005/06/25
■サンデー30号感想リハビリ中
- 小枝にスカートが引っかかって困ってる時音(結界師)
- 鼻魔神の瞳(ブリザードアクセル)
- 桂ヒナギク(ハヤテのごとく!)
- ひき逃げアタック(こやしや我聞)
- たいへんに男らしいリーゼさん(からくりサーカス)
- 番外.「いでじゅう!」最終回
□
1. 小枝にスカートが引っかかって困ってる時音(結界師)
「クロザクロ」の幹人がずっとパンツ一丁姿なのには、何か深遠な理由が!?(挨拶)
そんな感じで、久しぶりにサンデーの感想です。こんにちは。
仕事が鬼のように忙しかった間も一応サンデーは買っていたんですけど、ちゃんと中身を読む時間がほとんど取れなかったため、連載マンガの内容が記憶からほとんど欠落していたことに気付きました。
たとえば「結界師」の場合、一度登場したはずの黒芒楼のメンバーの顔や特徴を、私はまったく把握できていません。彼らは「裏会」幹部メンバー同様、今後このマンガに深く関わって来るのは確実でしょうから、「結界師」をちゃんと楽しむならとりあえずキャラを知っておく必要はあるかな? とは思っているのですが。
今週号の話を読んだ結果、とりあえず「牙銀」というキャラは、アニメ化されたら山口勝平が声を担当しそうなタイプであることは把握できました。この調子でリハビリに努めたいと思います。
そして今週のサンデーですが、小枝に制服のスカートが引っかかって困ってる時音の姿にグッと来たので「結界師」が一位ということで(バカ)。控えめなエロスをわきまえてる時音さんがステキ。
というか、サンデーをちゃんと読めなかった間でも、足を捕まれて壮大にコケたり、顔に妖怪が張り付いて困ってたりした彼女の姿だけは、何故か鮮明に覚えているんですよ。普段は冷静なお姉さんがドジを踏んで慌てる姿には、人間の無意識下に強く訴える何かがあるのかも知れません。
学術的なことを言って年上キャラ好きを誤魔化したので次。
2. 鼻魔神の瞳(ブリザードアクセル)
出会い頭で、いきなり吹雪に愛の告白をした鼻魔神の瞳が美しすぎます。
なんてキレイな眼をしてやがる…(感想?)
3. 桂ヒナギク(ハヤテのごとく!)
「結界師」の黒芒楼メンバーにも困りましたが、しばらく見ない間に「ハヤテのごとく!」に新キャラっぽい人がわんさか出てきていたのにも困りました(困るのか)。
というか、本当に学園編をやっちゃってますよこのマンガ。ナギとハヤテのドキドキお屋敷引きこもり型マンガから、ついに本格的に脱却ですか? 1萌えキャラ/週のペースで女性キャラをどんどん増やしていき、いずれはハヤテが何処へ行ってもモテモテになるハーレムマンガ体制を盤石になさるおつもりですか? さすがです畑先生!(「こわしや我聞」に出て来る眼鏡秘書の千紘ちゃんっぽく)
そんな畑先生の野望の一翼を担うものと思われる桂ヒナギクさんですが、ハヤテに「私のことはヒナギクって呼びなさい
」とお願いする時のポーズが実に絶妙(むしろ巧妙)で、その筋の方々の感じるツボを刺激したことはおそらく必至。このままサブレギュラーになれれば、普通に人気が出そうなキャラだなあと思います。
彼女を活かすためにも、ハヤテはこの学園の生徒になるべきですね。もちろん女装して(もちろん?)。
あと毎回思うのですが、このマンガのサブタイトルとトビラの煽り文句を考えている人は神。今週の「現在が大事だ! 現在を守ろう! 世界を革命しない力! とりあえず現状維持からだ!
」は、これからの人生の座右の銘の一つにしたいくらいのスマッシュヒットでした。この後ろ向きなところが、今の私にピッタリです。
ここまでトビラが必要以上に面白いマンガは、週刊連載ではチャンピオンの「がんばれ酢めし疑獄!」以来かも知れない。
4. ひき逃げアタック(こわしや我聞)
このネーミングセンス! そしてこの負けっぷり!
さすがです若様!(眼鏡秘書の千紘ちゃんっぽく)
才蔵が負けることは読者の誰しもが判っていたことではありますが、ここまで噛ませ犬に徹してくれると、むしろ清々しいです。サンデー超増刊連載時代は彼が我聞にとって最大最後最強のライバルキャラだったことなんて、今じゃもうきっと誰も信じてくれないに違いありません。
さらば才蔵(勝手に)。
5. たいへんに男らしいリーゼさん(からくりサーカス)
「私は〈猛獣使い〉! 獣に喰われ、路傍に屍をサラすが本望!
」
「マサルサンを、助けるタメにワタシは来タンダ!
」
今週の「からくりサーカス」におけるリーゼの台詞回しには、「覚悟のススメ」の零に宿った英霊達の名台詞「私は軍人! 安らぎは受け取らぬ! 覚悟の居るあの荒れ果てた世界に、安らぎをもたらすのだ!
」にも似た迫力を感じます。天国で割腹しかねない勢いです。
こんなノリで迫られたら、そりゃ猛獣たちも「その心意気や見事なり! 戦士と認める!」とリーゼを主と認めざるを得ないでしょう。
特に、最後のコマのユニコーンに乗ったリーゼの格好良さは異常。こんなに格好良くユニコーンを乗りこなす女性を見るのは初めてですよ。ユニコーンなんて乙女チックな動物をも漢の乗り物に変えてしまう、リーゼロッテの心意気や恐るべし!(そういうマンガだったっけか)
番外.「いでじゅう!」最終回
サンデーをちゃんと読む暇がなくて何が一番残念だったかと言えば、クライマックスに差し掛かった「いでじゅう!」をちゃんと楽しめなかったことに尽きます。
後で一ヶ月分のサンデーをゆっくり読み直して復習しよう…
今週の最終回では、藤原が黄金水をバラまいてたところにグッと来ました。これって、彼が第一話で空中を浮遊しながら黄金水をバラまいてたオチへのオマージュですよね。オマージュ。「Webサンデー」のいでじゅう紹介ページですら読めない第一話への。
初めて第一話を読んだ時は「たいへんなマンガが始まっちゃったー!
」と思ってましたが、結果的にサンデーを代表するラブコメマンガにまで成長したんですから大したものです。すっかりサンデーの次世代を担う逸材へと成長した、モリタイシ先生の次回作に期待します(フォロー)。
2005/06/23
■絶チル反応と雑感
- 「絶対可憐チルドレン」新連載正式発表に対するネット上の反応集
- 今現在の「絶チル」に対する自分の雑感
- もし短期連載版の最終話で掲げたテーマを描ききることができたら、椎名高志先生における「絶対可憐チルドレン」の存在は、田中ユタカ先生における「愛人」みたいな、『この作品にその作家の持てる才能を全て注ぎ込んだ代表作』級の作品になり得る
- というか、それくらいの覚悟がないと、このマンガのテーマは描けないんじゃないか
- しかし一歩間違えれば、和月伸宏先生における「武装錬金」みたいな結果になりそう
- なりそう
- かつて駒木博士が「武装錬金」に対して感じていたという、『非常に大きな可能性を秘めていながらも、最終的には可能性だけで終わらせてしまいそう』って感覚がコレなのか
- 先生、「光は絆だ!」とか姫矢(ウルトラマンネクサスに変身。現段階で行方不明)みたいなこと言ってるし
- 死ぬ気だ
- ただ「絶チル」には、読み切り版でプロトタイピングを行い、それを一度破棄した上で短期連載版を新たに再構築、更にそれに基づいて連載版を構築したという、通常ではあまり見られない工程を経ている特徴がある
- 最初にプロトタイプを作ってインターフェース(=主要な登場人物)を確認し、そこで生まれた成果物に対する要求を踏まえた上でフレームワーク(=世界設定やストーリーなど)を新たに構築するやり方は、ソフトウェア業界で「反復型開発」と呼ばれてる開発手法に少し似ているのではないか
- 実際に動くソフトを顧客に見せ、そこから得た反応を即座にフィードバックしてリリースするサイクルを繰り返し、システムをブラッシュアップさせていく――という反復型開発の利点を、「絶チル」も享受していることが期待される
- 実際、短期連載版からどこがどう変わったのか。楽しみだ
- でも、やっぱり「第一話」を3回も描くことになっちゃったのは大変だよなあと思った(おわり)
■マリみて感想・妹オーディション
マリア様がみてる・妹オーディション前半のあらすじ:
『黄薔薇のつぼみ』の中目録を持つ島津由乃は、秋になってもまだ妹を見つけられないでいた。
「山百合会の看板に泥を塗られ申した!」
「一刻も早く妹を見つけねば! まごまごしていると江利子さまが嘲笑いはじめ申す!」
「物笑いになってからでは遅い! 一度潰れた面目は二度とは戻りませぬゆえ!」
「一応の妹を立てる」
私の頭の中では何故か「シグルイ」と「マリみて」が不可分の関係になっているため(理由)、シグルイ4巻を購入した直後、不覚にもまだこのサイトで「妹オーディション」の感想を書いてないことを思い出しました。なので今更ながら書きます。
もうすぐ次の新刊「薔薇のミルフィーユ」が発売されるので、次刊への期待も込めて。
(一応注意:以下は「妹オーディション」のネタバレをバリバリ含みます)
□
「妹オーディション」の表面的な主人公は島津由乃なのですが、真の主人公はやはり福沢祐巳。
そんな巻でした(感想)。
福沢祐巳というキャラは、物語の焦点が「祐巳の妹は誰になるのか」という点に移った時期(「涼風さつさつ」以降)から、「仲間のことになると気が利くけど、自分のことになるとまるっきり鈍感」というキャラクター性を持つようになります。
この巻は、彼女のそんなキャラクター性が、余すところなく発揮されていました。
まず前者の「仲間のことになると気が利く」ポジティブな側面に関しては、茶話会に参加して来た内藤笙子に対して「彼女が求めているものは、山百合会ではなく武嶋蔦子だ」ということを直感的に見抜き、この二人を掛け合わせるために様々な策を講じて暗躍した、物語後半の活躍が強く印象に残ります。
また、ミスをした下級生にミスを指摘しつつ的確なリカバリー方法を指示したり、結局落選した妹候補達にフォローを入れ、彼女たちの今後の山百合会に対するわだかまりを軽減する努力をするなど、下級生に対して細やかな気配りができるようになったことを読者にさりげなくアピールしている点も、小さい部分ではありますが見逃せません。
これらは、彼女が『紅薔薇さま』として生徒達をまとめる能力を既に有しつつあることを、端的に示していると考えられます。
由乃の妹となるべき運命を授けられた少女・有馬菜々が中学三年生であったことから推測できるように、「マリア様がみてる」という物語は彼女たちが「薔薇さま」と呼ばれる立場になった以降も継続することがほぼ確実な情勢なのですが、そういう意味でも「福沢祐巳は下級生に人気がある」という(これまでは単に文章で説明されている程度だった)設定を補強し、彼女がいずれ最強の薔薇さまと呼ばれるだけの才覚を持つことを印象付け、将来の更なる成長を読者に期待させる意味合いもあったのかも知れません。
かつて水野蓉子が夢見た「一般生徒で賑わう薔薇の館
」を実現できるのはおそらく祐巳だけですし、彼女ならおそらくそれを成し遂げてしまうでしょう。「マリア様がみてる」には山百合会というソロリティを舞台にした学園物語という側面を持ち合わせていますが、その物語に『ゴール』があるとすれば、そのうちの一つは間違いなくこれになるのではないかと思われます。
その一方、「自分のことになるとまるっきり鈍感」というネガティブな側面については、祐巳にすっかり恋い焦がれるようになってしまった松平瞳子の苦悩という形で、より明確に現れて来ています。
祐巳が「自分の妹候補」を探すために茶話会を開いたという事実は、瞳子の目には「祐巳は自分を妹候補として特別視していない」サインとして映ったはずです。彼女はこのサインに対し、茶話会への参加をかたくなに拒否するという形で応えました。
見かねた乃梨子が遠回しな表現で「茶話会を開くことが瞳子にとって何を意味しているのか」を祐巳に伝えたのですが、鈍感な祐巳には全く届かず、逆に瞳子の無念を想った乃梨子が涙を流す羽目に。
祐巳は、これまで瞳子に対して『優しく』接して来た結果、彼女が自分に対してどんな感情を持つようになったのか、まったく気付いていません。というか、今の彼女ではそのことを想像すらできないでしょう。誰にも分け隔てなく優しさを振りまけられるところが祐巳の長所ではあるのですが、それ故に祐巳との「二人だけの特別の関係」、すなわち姉妹関係を望む者にとっては、その優しさが自分だけに向けられたものではないことを妬ましく感じるはずです。
自分にとってその人は特別で、その人も自分を特別な人として見て欲しいのに、その人から見れば自分は特別でも何でもない。その人の優しさはその人自身の中から来ているものに過ぎず、決して優しさを向ける相手が自分だからではない。それが判っているが故に、優しくされるのが辛い。それが今の瞳子の状態なんだと思います。
あの瞳子をここまで悩ませるだなんて、祐巳ちゃんもすっかり罪作りな女になっちゃいましたよねえ。
□
まもなく刊行される「薔薇のミルフィーユ」は、本の構成が各薔薇ファミリーを主人公にした短編が一話づつ、合わせて三話の構成になることが既に告知されていますが、これはあの「レイニーブルー」と構成が全く一緒であり、ファンの間からは「次の巻は、瞳子にとっての『レイニーブルー』みたいな位置付けの話になるのではないか
」と噂されているとかいないとか(どっちだよ)。
「妹オーディション」でストーリーが大きく進展した後だけに、どんな話になるのか楽しみです。
とりあえず今の段階で確実に言えることは、今度の夏のコミケで「脱ぎかけ制服な格好で『撮って撮って』と蔦子に迫る笙子の姿を描いた同人誌
」が必ず出てくることですね。見つけたら買います。勿論、乃梨子×瞳子本も見つけたら買います。
集英社 (2005/04/01)
2005/06/22
■2005/06/22のメモ
http://www.ne.jp/asahi/cna100/store/news/050622/050622.htm
『念願の企画「絶対可憐チルドレン」いよいよ解禁です。週刊少年サンデー33号から連載スタートします。
』
ついに正式発表。楽しみです
2005/06/19
■連載開始までのタスクリスト
「絶チル」の読み方って、「ぜつちる
」じゃなくて「ぜっちる
」だったのかYO!(挨拶)
国内ネット世界における知の集約機構たる『はてなキーワード』に、自分の常識を否定された深沢です。
気分はマイノリティー。
椎名先生のサイトで「絶対可憐チルドレン」の制作が進行していることが告知され、また週刊少年サンデーの方でも連載が入れ替わる兆候が出てきたことで、いよいよ「絶チル」の連載開始が現実のものとなりつつあります。
いやまあ、もう2年間も待たされているので、仮に夏に連載が始まらなくても一向に構いませんが(ドクロ)。
一応ここはファンサイトなので、連載が始まったら「絶チル」に関する特設ページみたいなものを作ってみようと思っています。以下、連載までにやりたいことリスト。
□
■感想掲示板の設置
ファンサイトの義務なので(義務?)。読み切り版や短期連載版で使った掲示板ではなく、現在ここの掲示板で運用している自作のblosxom掲示板化プラグインを使ったものを(運用テストを兼ねて)設置する予定です。
■Wikiの設置
データベース作成用。各話のあらすじやキャラクター紹介なんかをオンラインで作るためには、ブログや掲示板ではなくWikiでやるのが一番てっとり早いのではないかと思ったので、設置を検討しています(YukiWikiを評価中)。
問題は、私がWikiを使ったことがほとんどないことなのですが。何とかなるモノなのか?
■「絶対可憐ブロギング」機能拡張
絶チルに関するブログのエントリを自動的にかき集める、「絶対可憐ブロギング」(略称:絶ブ)。個人的に重宝してます。
以下、現在考えている変更点:
- 配色やレイアウトの見直し
今の配色はBlosxom Starter Kitのデフォルト設定のままなので、せめて配色は「絶チル」っぽくしたいところ。
読み切り版のロゴなどから推測するとこのマンガは「青・赤・黄」の三色をイメージカラーとしているみたいなので、それをマネする方向で(安直)。 - データ収集源となる検索サービスの追加
- 未来検索 (livedoor)
- Blogwatcher (東京工業大学奥村研究室)
- まとめ検索
- はてなダイアリー
はてなダイアリーは、『「(キーワード)」を含む日記』の最新状況をRSSで受信できるようになると便利だと思います。
- 椎名百貨店の原稿速報や「絶ブ」で拾ったURLが、ソーシャルブックマークサービスでブックマークされているかどうかチェックする機能
はてなブックマークやdel.icio.usやMM/Memoなど、最近話題になってるソーシャルブックマーク系のサービスは「今、どんな事がネットの注目を集めているのか」を簡単に把握するツールとして極めて有用ですので、もしここで「絶対可憐チルドレン」関連の話題が拾われるようになれば、「絶ブ」の情報収集対象にしようと考えています。
自分もMM/Memoとか使っているので、積極的に拾うようにして行きたい。
あと、「嘆願書」は連載が正式発表された時点で投稿を締め切ります。ご了承下さい。
□
仕事の方はようやく落ち着いてきたので、マンガの感想とかも、できれば今週からぼちぼち復活したいと思ってます。
最近では、「さよなら絶望先生」の面白さが異常。赤松イズムに支配されたマガジンに単身乗り込み、「敵」の得意分野である美少女わんさかコメディーを己の作風を活かしつつ正々堂々とやらかし続ける久米田先生は、やっぱり大物だと思いました。
2005/06/15
■2005/06/15のメモ
http://d.hatena.ne.jp/takakari/20050615#p1
「書店員のたわごと」のたかさんによる、「ハヤテのごとく!」2巻発売記念ポスターの紹介。でかそう。
わずか2巻目にしてこの優遇のされっぷりは凄いと思った
2005/06/14
■2005/06/14のメモ
http://www.ne.jp/asahi/cna100/store/news/050614/050614.htm
椎名高志氏による、てれびくん連載コミック版「ウルトラマンネクサス」連載終了報告。
とても「てれびくん」に載ってるとは思えない濃い内容のマンガで、色々な意味で楽しく読めました。
とりあえずおつかれさまです
2005/06/09
■接続障害のお詫び
世間では今「いでじゅう!」が大変なことになってるそうですが、まだ私は先週のサンデーすら読んでないのでよく判りません!(近況報告)
このサイト (http://cwww.pos.to/) が、7日から接続できない状態になっていました。原因は .htaccess の記述ミスでした。
ご迷惑をかけたことをお詫びします。
■琥珀やばい(サンデー25号感想)
お久しぶりです。
ようやくマンガの感想を書く心の余裕ができ始めたので、これまで溜まっていたサンデーの感想とかをぼちぼち書いていきたいと思います。
今回はサンデー25号の感想。「ハヤテのごとく!」で眼鏡っ娘のサキさんがツインテールにされて涙目になってた号です。
□
この号で個人的に最萌えだったキャラは、「ハヤテ」のツインテサキでも、「我門」の袴國生さんでも、「MAJOR」の松尾でもなく、「犬夜叉」の琥珀でした。
琥珀ヤバい。マジヤバい。
私はかねてから、「犬夜叉」における最萌えカップルは桔梗×琥珀である! と主張して来たのですが、その私から見ても、この号の「犬夜叉」のこのカップルのラブラブっぷりは異常。より具体的に言えば、桔梗の琥珀に対する入れ込みっぷりは異常。
作品内のヒエラルキー的には奈落と並んで最も上位にいる存在であるはずの桔梗ですら、珊瑚や神楽を籠絡し、年上キラーの名を欲しいままにしている(私の頭の中で)琥珀の魅力の前には、やっぱり太刀打ちできなかったみたいです。
桔梗は、「おまえの瞳には迷いも恐れもない
」という表現で琥珀の純粋で美しい瞳の魅力を讃え、その上で "相思相愛なのに結ばれない己の運命を嘆く恋人同士" の常套句である「もし違う形で出会っていたら…
」という慣用句を使い、本来あるべきだった(というか、桔梗が一方的にこうあって欲しいと望んでいる)二人の姿を思わず妄想してしまう始末です。もう完全に琥珀にメロメロです彼女。
まあ、かつて犬夜叉に目を付けたことからも判るように、元々桔梗は「年下のかわいい男の子」が大好きな傾向があるっぽいのですけど、にしても桔梗の琥珀に対するこの入れ込みっぷりは大したものだと思います。一度死してなおも年下に萌える桔梗の姿からは、最近の美少女わんさかコメディーに登場するような量産型美少女には決して醸し出すことができない、女の業みたいなものを感じてなりません。
さすがは永遠の名作「めぞん一刻」を描いた高橋留美子先生、執念深い女性キャラを描かせたら天下無双の実力を発揮しますよね!
勿論、本当に凄いのは、桔梗にそこまでさせてしまう(というか、読者に「桔梗が琥珀に同情して入れ込んでしまうのも仕方がない」と納得させるだけの魅力を持つ)琥珀の存在そのものにあるんですけどね。琥珀にはきっと、年上の女性が思わず彼を連れ回したくなる何かが潜んでいるに違いありません。
「けなげ」・「はかなげ」・「いたいけ」という、守ってあげたくなる美少年三要素を兼ね備えている琥珀には、相方の女性キャラの母性的な性質を引き出す力があるのでしょう。
実際、彼の側にいてどうにかならない女性キャラは、「犬夜叉」界ではおそらくりんだけなんじゃないかと思われますがどうか。いやまあ、りんはりんで、年上の男性が思わず彼女を連れ回したくなる何かが(以下略)。
久しぶりに書いたマンガ感想がこんなのでいいのでしょうか。
2005/06/07
■2005/06/07のメモ
http://www.ne.jp/asahi/cna100/store/
『最近こんな漫画描いてます
』
「絶対可憐チルドレン」の連載が近いことを伺わせるコメント。キャラクターデザインが、短期連載版から多少変わったような気がします
2005/06/02
■2005/06/02のメモ
http://watcher.moe-nifty.com/memo/2005/06/post_074c.html
マジですか!
職場抜け出して女性セブン買わなきゃ!(←おちつけ) [関連URL]
2005/05/28
■Blosxom で掲示板 新バージョン作成報告
お久しぶりです。
今回はマンガではなく blosxom のお話。
諸般の都合でなかなかメンテナンスに手が回らなかった blosxom 掲示板化プラグイン(newentry)ですが、自分で作ったにも関わらずあまりにも内容が複雑すぎてメンテするのが大変になっちゃったので、とりあえず不必要と思われる機能をバッサリ削ってシンプルにしたバージョンを作成しました。
現在、ここのサイトの掲示板でこのバージョンを運用中です。
→newentry プラグイン(05/05/28版)
今後は、このプラグインのサポートは自分の個人サイトの方で行います。
2005/05/26
■2005/05/26のメモ
http://d.hatena.ne.jp/moonphase/20050525
サンデーGXで連載されている、広江礼威先生の「ブラック・ラグーン」が秋にアニメ化されるそうです
http://www.kanshin.jp/comic-beam/?mode=keyword&id=472817
すがわらくにゆき先生の「快速!FREE NOTE BOOK!!2」に、『魔術っ子!海堂くん!!
』のコミックス未収録話が掲載!
ギニャー(うれしい悲鳴) [関連URL]
http://www.sirius.kodansha.co.jp/index.html
ヤンマガアッパーズが休刊する時に話が出ていた「代わりに新しく漫画誌を創刊する」ってのがコレでしょう(多分)。
看板作品も気になりますが、個人的には能田達規先生の新作が載ってるのがツボ。買ってみようかな [関連URL]
http://artifact-jp.com/mt/archives/200505/bunsyunmasterkeaton.html
ARTIFACTの加野瀬さんによる、最近話題になってる「MASTERキートン」絶版関連のまとめ+考察記事。
『小学館は雁屋哲氏に頭が上がらない
』以上の深い事情がありそうです
2005/05/25
■生存報告050525
吸血鬼の魅力って、突き詰めると行き着くところは結局「八重歯萌え」なんですよね(挨拶)。
ご無沙汰しております。
ホームズの八重歯に萌え萌えな深沢です。
現在、本業のお仕事の方が大変に忙しい状況で、マンガの感想を書いたりするような余裕がまったくありません。せっかく「GSホームズ極楽大作戦」がサンデーGXに掲載された時期にアレなのですが、しばらくの間このブログの更新をお休みさせて頂きます。
「絶チル」の連載が始まるまでには再開したいと!(いつだよ)
そして、ホームズ感想掲示板の方に感想をお寄せ下さった皆さまに感謝。
私自身はホームスの二次創作ネタで一番最初に思いつくのが後藤寿庵先生の「シャーリィ・ホームズ」なタイプの人間なので、本物のホームズファンな方々が書かれた原作からの引用(というかパロディ)箇所の指摘はとても参考になります。ありがとうございました。
※ご存じでない方のために、「シャーリィ・ホームズ」がどんなマンガなのか端的に表現している台詞を引用:
「奴は美少年が絡まなければ無能だからな
」
「絡んだ以上有能ー! シャーリィ・ホームズ参上!
」
2005/05/18
■更新情報050518
『後ろなど見ずにパワーを絞り出したい所存です』という言葉を座右の銘にしていきたい!(挨拶)
2005/05/14
■表紙を飾ったにも関わらず本編で凹まされる吾郎ちゃんが目印!(宣伝文句) サンデー24号感想
- 「従ってんじゃねえぞー!」(金色のガッシュ!)
- 逆鬼萌え編(史上最強の弟子ケンイチ)
- 扇一郎(結界師)
- ブリザードアクセルの本当の主人公は花音なのではないかと思った(ブリザードアクセル)
- 「マズイな…早すぎる…」(クロザクロ)
- 番外:ザスパ草津物語
□
1. 「従ってんじゃねえぞー!」(金色のガッシュ!)
自分の意見を通そうと相手を説得する際に相手を煽る手法は、ネットでやると間違いなく炎上の原因になるので気を付けよう!(挨拶)
お話としては、誰も犠牲にしないことを目指して戦うガッシュと、自己を犠牲にして他の者を助けようと戦うエリーの対立がメインでした。自らの信念に基づいて考えた結果、同じ問題に対して全く正反対の結論を出した両者の対比が面白かったです。ガッシュから見れば、エリーとアースは自分が散々悩んだ上で切り捨てた『自己犠牲』という解決法を選んだ者であり、彼の性格や信念を考えれば絶対に許せるものではなかったのでしょう。
「金色のガッシュ!」の面白さは、熱い魂を持った者同士が信念を貫き通すために戦うところにあると思うのですが、今回は久しぶりにそういう熱い側面を魅せてくれたいいエピソードでした。ウンコティンティン様もいいけど、たまにはこういう話もないとね!
そして、時間と空間を支配するモモンの能力は、今回もまた相変わらず有用でした。モモンは、潜在的に「サイキックフォース」のウォンと同レベルの強さを持っているものと思われます(変な例え)。
これで「戒めの洗礼」級の攻撃技さえ持つことができれば、いずれモモン最強説が提唱されるのも時間の問題なのではないのでしょうか。そんな気がしませんか(しません)。
2. 逆鬼萌え編(史上最強の弟子ケンイチ)
とりあえずケンイチ自身の物語に一区切りが着いたため、現在はケンイチを通して梁山泊の師匠達の魅力を掘り下げて行くという、「ラブひな」で言うところの住人編みたいなエピソードに突入している「史上最強の弟子ケンイチ」。
住人編なので、エピソードの目的は勿論個々の住人キャラの魅力をアピールして読者を萌えさせるところ、そしてその住人キャラが主人公であるケンイチとのラブ度をアップさせる点にあることは、もはや言うまでもありません。
その住人編の最初のターゲットは、「ケンカ100段」の異名を持つ逆鬼至緒。一見すると豪快で闊達で大ざっぱな性格に見えるけど、小さい子供に対する気配りを忘れない優しいところを見せたり、英会話に堪能な一面を見せて単なるケンカ馬鹿ではないところをアピールしたりと、読者に逆鬼の萌え要素を存分に見せつける構成になっているなあと思いました。
勿論これは住人編なので、苦戦するケンイチに的確なアドバイスをして信頼度を上げたり、クリストファーにさらわれたケンイチを激しく心配したりと、ケンイチに対するラブっぷりをアピールすることも忘れません。見た目は乱暴だけど中身は繊細な逆鬼師匠を「ラブひな」に例えると、やっぱり青山素子でしょうか?(例えるなや)
そんな感じで今回のお話の目的はあくまで読者を逆鬼に萌えさせるところにあるので、相対的に他のキャラクターの扱いが薄くなってしまうのは致し方ないところ。
ストッキング+ミニスカ+眼鏡+靴の先に仕込み刀、という萌え要素の4連コンボを持っているにも関わらずイマイチ萌える描き方がなされていない刺客の女性の扱われ方が、今回のエピソード(というか「ケンイチ」というマンガそのもの)の志向性を暗に物語っているような気がします。
3. 扇一郎(結界師)
主人公二人とその家族以外はどっかおかしい人ばかりがウヨウヨ出てくる「結界師」界において、その中でもおかしさ筆頭クラスに属しているのが「裏会」の最高幹部達でしょう。正守以外のメンバーは、もはや「力」と引き替えに人であることを止めているとしか思えない逸材ばかりです。
もしかしたら、裏会の最高幹部達は「ベルセルク」における使徒みたいな存在なのかも。
それで今回出てきた扇一郎さんですが、とりあえず人の形はしているものの、どう考えても頭がデカ過ぎですね。扇を一振りしただけで強烈な風を起こす能力は大きな脅威ですが、それ以上に彼のビジュアルイメージの強烈さの方が攻撃力高いと思います。
あの頭巾の中に何が隠されているのか興味はありますが、もし彼らが本当に「ベルセルク」の使徒っぽい存在であるならば、多分中身は見ない方が幸せなのではないかと思いました。
あえて予想すると、あの中にはモリゾーみたいなのが入ってるね。あるいはゴン太くん。
4. ブリザードアクセルの本当の主人公は花音なのではないかと思った(ブリザードアクセル)
真打ちは一番最後に現れると申しますが、散々場を盛り上げた吹雪の活躍を受けて、ついに花音が登場。
「だからボクは、キミの全力の滑りに全力をもって応えよう!
」という台詞、そして彼の決意に満ちた表情からは、花音の本気っぷりが伝わってきます。前回までの吹雪のラデツキー将軍劇場をも前座にしてしまいかねない勢いです。
というか、もし本当にそうなったとしたら、このマンガの真の主人公は花音ということになっちゃいますよ! ヤベエ!(ヤバいの?)
果たして、花音が見せる「ラデツキー将軍劇場」は如何なるものになるのか。ネットの話題的には性別がバレて男装女子疑惑が晴れた時点でイマイチ勢いを失っているように思える彼ですが、そんなアレな読者をも新しい萌えに目覚めさせるような展開を期待したいところであります。
5. 「マズイな…早すぎる…」(クロザクロ)
蘿蔔の本性キター!(AA略)
やっぱりこういうマンガに出てくる少女は根性がひねくれてないとダメだよな! と思いました。
萩の攻撃時のアレな表情っぷりといい蘿蔔といい、「クロザクロ」ってホント私の感じるツボを刺激してくれるマンガだなあ。
番外:ザスパ草津物語
小島選手は初代「サカつく」で自分のチームの正GKとして活躍してくれた人なので、個人的にも思い入れがありますよ!(微妙に思い入れ方が間違ってる気がする)
このマンガの作画担当の向後和幸氏は、この前出たサンデー超増刊で卓球マンガ「RUSH!」を描いてた人ですね。往年の北崎拓氏の作品を彷彿とさせる、爽やかな絵柄が印象的でした。主な登場人物が少女と子供達だった「RUSH!」は内容がその絵柄とマッチしていたので、とても面白く読むことができましたよ。
ただ、「ザスパ草津物語」のようなオッサン主体の話だと、小島選手や植木監督のような渋いおじさま達まで爽やかキャラになってしまうため、なんかこう微妙に違和感が。サッカーマンガを描く為には、何よりもオッサンキャラを描けることが重要なのかも知れない! と思いました。
2005/05/13
■2005/05/13のメモ
http://anime.blogzine.jp/animeanime/2005/05/post_2499_2.html
http://ma-ru.sakura.ne.jp/
オタクで根暗でメガネな男子が幼なじみのツンデレ女子からモテモテになるマンガが、今月の『Cheese!
』に掲載ですって! たいへんだ!
今すぐ『Cheese!
』買って帰らなきゃ!(←おちつけ)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0505/12/news112.html
ファンサイトによくある「取込画像の無断使用」に対する、コンテンツ提供側からの興味深い(かつ、ベストに近い)解答だと思います。
残る問題は、私が「アクエリオン」を観てないことなのですが
2005/05/12
■2005/05/12のメモ
http://media.excite.co.jp/book/daily/wednesday/001/?amzid=fukaz55-22
「こどものもうそう」の米光一成さんによる、「萌え」発想術講座第一回。「萌え」を自身の美意識を表現する言葉の一つと定義し、これからの社会を豊かに生きようと言う趣旨(多分)。
興味深いテーマなのでクリップ [関連URL]
http://toki.parfe.jp/
好きな少女漫画家の名前を3人入れると、『この3人の漫画家が好きなあなたには、次の漫画家がおすすめです
』という形で他の漫画家を紹介してくれる「少女漫画家占い」が面白いです。
私は川原泉を紹介されました [関連URL]
2005/05/10
■GW中に読んだマンガの感想特集(いきなり)
さよなら絶望先生
「久米田康治」というネームバリューから期待される社会風刺ネタの冴えは相変わらずだが、その辺を抜きにしても、マンガとして普通に面白い作りになっているのは流石だと思った。「進路絶望」がそのまま「進路希望」として他の教員に通用してしまう第2話のオチには激しく感動。パロディの元ネタ探しも楽しいけれど、読者の「知性」を刺激してニヤリとさせる話をさらりと作って読ませるところこそが、久米田先生の真骨頂なのではないか。
問題は、こういうセンスがどこまで「一歩」で「クニミツ」で「ネギま」なマガジン読者に判ってもらえるかどうかという点か。案外、半年くらいであっけなく終わっちゃう可能性もあるような気がする。
あと、天敵の赤松先生が、久米田氏がマガジンっぽくない個性丸出しな作品をぶつけて来た件に対して「こういう戦法が通じたのはCLAMP先生だけ
」みたいなコメントでその先行きを危惧していたが(4/26の日記)、でも個人的にはCLAMP先生もマガジンでは相当ダメージ食らっているのではないかと思う。ただ、CLAMP先生はゴッグ並に頑丈なので、「さすがゴッグだ何ともないぜ」理論でダメージを食らっていない様に見えているだけなのではないか。どうでもいいか。
失踪日記
吾妻ひでお氏が失踪中に経験した社会の底辺における様々な出来事を、自らライトかつドライに綴った問題作。早くも今年度のマンガ賞を総ナメするのは必至と思われる傑作(というか怪作)。
内容だけど、野宿生活編がやっぱり凄い。人間ってこんな極限状態に置かれても生きられるものなのか、と思うと同時に、案外こんな生活でも「生き続ける」だけなら何とかなるものなのか、とも思った。でも多分後者の感想は、吾妻先生の絵柄に騙されてるに違いない。あとアル中はやっぱダメなので気を付けよう。
個人的には「先生ほどの方が何故!
」と驚いている、ロリコン警官に激しく共感した。そりゃこんなところで憧れの大先生に会ったらビックリするよなあ。「夢」と色紙に書かせたりするのも仕方ないよなあ。
のだめカンタービレ
前々から「面白い」と聞いていたマンガではあったんだけど、「講談社漫画賞受賞!
」のアオリ文句に根負けして購入(弱い)。とりあえず3巻まで読んだけど、評判以上に面白い。音大という場所じゃないと存在が許されなさそうな奇人変人ばかり出てくるところがステキ。さすが「平成よっぱらい研究所」を描いた二ノ宮知子先生は違う。何かが。
基本的には社会不適合者以外の何者でもないヒロイン役ののだめがやたら可愛く思えてしまうのは、主人公との掛け合いの面白さによるものなのか。それとも、やっぱり「これくらいの歳の娘はこれくらいおかしい方がカワイイんだよね!」と思ってしまいがちな、自分の歳のせいなのか。
あと関係ないけど、「カンタービレ」という単語はなじみが薄いせいか、最初のうちは「のだめカンタビーレ」とか「のだめカンビターレ」とかとタイトルを誤解していた。
恥ずかしいので内緒にしておこうかとも思ったが、試しに「カンタビーレ」や「カンビターレ」でググッてみたら結構似たような間違いをしている人がいたので、安心して恥を晒すことにした。
働きマン
「監督不行届」のおかげで男性オタクの間でもすっかり名が知れ渡った、安野モヨコ先生のコミック。恋よりも女であることよりも仕事を優先して「働きマン」と化してしまう、大変に男らしい主人公の女性が大変に魅力的(人間として)。こういう女性と結婚したい! とか公言しちゃうから、自分は「椎名先生のマンガのファンって、やっぱり美神令子みたいな強い女性の尻に敷かれたいものなんですか?
」とか他の女性から言われてしまうんだなあと思った(マンガの感想とは関係ないコメント)。
それはともかく、このマンガはあくまで主人公を中心とした働く女性の視点で描かれているが、登場する男性陣もそれぞれ「仕事」に対して独特のポリシーとスタンスを持っており、誰もかれもがやたらと格好いい。読んでると仕事に頑張りたくなる効能があるので、仕事で気合いを入れたい人は男女問わず読むが良いです。
あと、このマンガの中に出てくる「男スイッチ」というフレーズにおける「男」は、セックスやジェンダーとしての男ではなく、もっと抽象的かつ概念的な意味での「男」であることに違いない。こういう表現をする場合に最も適した漢字はやっぱ「漢」なんだろうと思うが、でも安野モヨコのマンガで「漢」はどうか。案外格好いいのか。
電波男
みんな大好き「しろはた」の本田透氏が書き下ろした、現代社会におけるオタクが求める愛とは何か? を世間に訴えた話題作。
マンガじゃないですが、読んだのでせっかくだからちょっと触れます。
この本、本来なら不変であったはずの「愛」さえもが「金」と交換可能な資本となってしまった「恋愛資本主義」と著者が称する現代社会における哲学書としても読めるし、またそんな社会で「二次元」を愛するしかない境遇に立たされたオタク達に救済の道を指し示す宗教書としても読むことができるとても奥深い本なのだけど、基本的な位置付けとしてはやっぱり「負け犬の遠吠え」に代表される現代未婚女性特有の一方的な男性観に対する回答(というよりは強烈なカウンター)、と捉える社会学的なアプローチで読み解くのが妥当なのかなと思った。
本の主張からは相当先鋭化している印象を受けるが、Exciteブックスのインタビューを読めば、著者の主張は「異性にモテなくて妄想に逃げても別に悪いことじゃない、と思えば気楽になれるよ
」という点にあることが判る。そういう意味では、「いざとなったら死んじゃえば良い、と思えば気楽になれるよ
」と主張した「完全自殺マニュアル」みたいな位置付けにある本とも言える。多分。
そういう内容の本なので、どうしても語り出すととマジメになってしまいがちなんだけど、そんな中で「電波男と負け犬女の恋愛
」という視点から書かれた、「Beltorchicca」(demiさん運営)の4/1の日記にある『電波男』評がもの凄く面白かった。
ここまで電波男と負け犬女の恋愛に対するスタンスが開いてしまった今、果たして両者が歩み寄って愛し合えるだけの余地は残っているのか? 「電波男と負け犬女の恋愛」というテーゼは、今後の日本を支える世代でありながら将来に夢も希望も持つことができない、20~30代の男女が共有している心の問題をも象徴しているのではないか?
そんな気がしてきたぞ?(気のせいかも)
※私信:
今週は仕事が超忙しくなるので、しばらくの間は更新やコメントへの返信などの活動ができなくなります。スンマソ。
あと、Amazonアソシエイトやbk1ブリーダー経由でお買い物をして下さった方々に感謝。
2005/05/04
■てれびくん6月号「ウルトラマンネクサス」感想
ウルトラマンー!
マックスー!(←「ふたりはプリキュア MAX HEART」におけるプリキュアマーブルスクリューマックスの「マックスー!
」みたいなイメージで)
ウルトラマンネクサスの後番組「ウルトラマンマックス」が7/2から開始されることが、正式に発表されました。「てれびくん」誌上でも早速「マックス」関連の記事が掲載されており、相変わらずの真のジャーナリズムっぷりを発揮しているのは流石です。
でも、「マックス」が7/2から始まると言うことは、「ネクサス」は必然的に6月末に終了するということに。本来は4クール放送が予定されていた番組が3クールで終了するんですから、これって早い話が打ち切りですよね。とほー
それでこの「マックス」ですが、宣伝文句が
- 今回のテーマは原点回帰!!
- 子供に分かりやすく、単純なストーリー!
- 圧倒的に強い!
- 毎週怪獣を退治!
- 明るい画像で展開!
となっているところからも判るように、「ネクサス」のこれまでとは全く違うウルトラマン像を目指していた(結果、大人向けを意識した複雑なストーリー、主人公達は常に苦戦し、毎週怪獣退治どころかウルトラマンがほとんど出てこない回もあり、なおかつ色々と暗い話になった)路線の特徴を否定するようなものばかりです。
ここまで否定っぷりが徹底してると逆に爽快というか、あまりに分かり易すぎて何だか面白おかしいです。
まあ、我々のような立場の視聴者はこんな感じで笑っていればいいんですけど、円谷プロダクションとしては昨年の「ULTRA N PROJECT」や「ULTRAMAN THE MOVIE」以降の新しいウルトラマン路線から後退することを意味する訳で、これはこれで相当しんどい選択だったのではないかと思われます。
今の「ネクサス」の境遇を例えるなら、「ふたりはプリキュア」の前番組の「明日のナージャ」みたいなものなのかも知れません(どんな例えだ)。
この前の土曜日に放送された「ネクサス」には、これまでの記憶を失ってすっかりみずぼらしい姿に変わり果てた溝呂木が出てきてましたが、その姿に「ネクサス」が表現しようとしていた志が破れてしまった様を重ね合わせてしまい、一人で勝手に「何てかわいそうなんだ」と感動してました(バカ)。
とにかく、再登場した溝呂木の落ちぶれっぷりは異常で、自分の落ちぶれキャラ萌え属性がウズウズしてたまりません。「てれびくん」に掲載されていたネクサスの記事では、再びダークメフィストが登場して今度はネクサスの為に戦ってくれる展開になるそうなので、今後は溝呂木萌えの方向で視聴していきたいと思いました。
それでこのサイト的には、やはり「てれびくん」に連載されている椎名版「ネクサス」の今後が気になるところ。当初の予定では全10回(04年12月号~05年9月号まで)ということになってましたが、放送が6月末まで終わってしまうことが明らかになったので、7月末に発売される9月号まで掲載されるかどうか微妙な感じになってしまいました。実際どうなんでしょうか?
6月号に掲載された椎名版「ネクサス」は、28話のジュネッスブルーとグランテラの戦いと、27話で孤門と憐が遭遇して心を通わせる場面を組み合わせた構成になっています。
椎名デザインの美男子同士が絡み合う孤門×憐のシーンも良いですが(語弊)、それ以上に本編のドラマで躍動的に描かれていたジュネッスブルーの無茶な戦いっぷりがちゃんと描かれていたので満足です。ジュネッスブルーの真っ二つ弓矢光線って、ビジュアルがやたらカッコイイいいので大好きなんですよ(アローレイシュトロームと呼べ)。
本編の方が早めに終わってしまうということでマンガの方も今後あと何回載るのか判りませんが、せめて椎名版ネクサスはコミックス化されて欲しいです。誰にお願いすればいいんでしょうか。
□
今月の「てれびくん」には、「仮面ライダー響鬼」の新ライダー・轟鬼の写真が掲載されてました。
太鼓・ラッパと来て、今度はギターですよ。ギター。控えめに言っても格好良すぎます。ギターに刃をくっつけて敵をぶん殴ったり、魔化魎の体にギターをブッ刺してかき鳴らしたり、ディスクアニマルがカエルだったりと、いちいちツボに刺さるラインナップで大興奮。
「響鬼」に出てくるライダーは、どれもデザインが秀逸だと思います。職場の同僚のお子様がグッズ欲しがる訳ですよ。オレも欲しいです(またか)。
あと、オマケに付いてきた「ムシキング」のジャンケンバトルゲームのゲームシステムが、「賭博黙示録カイジ」の限定ジャンケンみたいなものになっているところが熱いと思いました。グー・チョキ・パーのカードを4枚づつ持って相手とカードでジャンケンし、12枚しかないムシカードを奪い合うというルールなので、本気で勝とうと思ったら、相手のこれまで使ったカードから次の対戦相手が出すカードを推測する必要が生じます。まさに限定ジャンケン。「てれびくん」のオマケなのに限定ジャンケン。
本物の「ムシキング」も相手の出すジャンケンの手を読む必要があるゲームですが、このオマケのカードゲームもそういう意味でかなりの「読み」を要求されるナイスゲーです。相変わらず「てれびくん」はあなどれませんネ!
2005/05/03
■サンデー超増刊ゴールデンウィーク号感想
「男の子が買うにはかなり勇気がいる絵に仕上がってしまいました」と作者自ら豪語する、「ハヤテのごとく!」の絵が表紙を飾っているサンデー超増刊ゴールデンウィーク号を、ようやく購入して読むことができました。
まあ、「ハヤテ」目当てで超増刊を買うような男の子は最初からその辺の羞恥心はクリアーしているはずなので、この程度の表紙だったら全然オッケーだと思いますよ。畑先生は、自分のマンガのファンが持っている勇気と度胸に対して、もっと自信を持った方が良いと思います。
大丈夫! 彼らはみんな、もはやただ者じゃないんですよ! 畑先生のマンガが大好きな人たちは、きっと社会的な羞恥を乗り越えるために必要なスレッショルドの低さがハンパじゃない(=恥ずかしい表紙の本を買うことにためらいを感じない)連中ばっかりだと思うので、例えピンクなオーラを発しているような表紙の雑誌を買うことだって全然何ともないはずなんですよ!
オレだってそうさ!(だからオタクは迷惑がられるんだと思います)
それでマンガの中身の方ですが、これは「RADICAL DREAMERS」というサブタイトルからして、畑先生は要するに白い帽子の少女が「責任取ってね!
」と言うタイプのマンガを描きたかったんだろうなあと思いました。
あと、ハヤテとナギとマリア以外のキャラクターがほとんど出てこない(ナギを狙うマフィア以外の人間は通行人一人だけ)のが、ページ数的な制約はあるとは言うものの、ちょっと凄いかなと思ったり(違う意味で)。物語そのものはミコノス島が舞台になってますが、実質的には完全にこの三人の中で閉じた別の世界が舞台である、と言っても良いのかも知れません。
マンガの中ではハヤテが引きこもり傾向にあるナギを表に連れ出そうと頑張ってましたけど、むしろこのマンガの作品世界そのものが引きこもり傾向にあるというか、このマンガは結局この三人を中心とした閉塞空間を描くことを志向しているということを、「モブキャラがほとんど出てこない」という事実が端的に示しているのではないか? とも思いました。
このマンガ、ハヤテの目標である「借金の返済」にしろ、ナギの目標である「ハヤテとの恋愛」にしろ、あくまで内省的な世界の中で完結している『閉じた』目標であり、例えば「ラブひな」における「『考古学者になる』という自分の夢を叶えるため、ひなた荘を出て海外に留学する」みたいな、主人公が目標を達成することが作品内の閉じた世界からの脱出を意味する『開いた』目標ではないところが、「ハヤテ」という作品独特の空気のようなものを作っている一因なのかも知れません。
ちょっと漠然とし過ぎた感覚なので、他の人に判ってもらえるかどうか判らないのですが、一応気になったのでメモっておきます。
□
そして今回の超増刊で特にピックアップしたいマンガとして、「己棲虫」(岡田きじ)の名前を挙げておきます。
時は大正時代、寄生虫を研究している書生風の主人公が、人の念が生み出した「己棲虫」と呼ばれる寄生虫に関わる事件を解決していく――という趣向の作品です。寄生虫が物語のキーとなるので、当然マンガの中にはそういう系統の虫が沢山出て来るのが特徴。例えば、
- 謎の高熱に倒れた女性の耳から、芋虫のような形をした寄生虫がズルリと這い出て来る
- 給仕の仕事をしている別の女性が、職場でバカにされた恨みが転じて寄生虫を生じさせてしまい、体から一斉に虫がブワッと湧き出してくる
- 彼女に巣くった虫を退治するため、主人公は自分の体内に飼っている虫を口からズルルルと引き出して彼女の脳髄に打ち込む
など、想像するだけでもちょっとアレなシーンの数々が、ゴシックホラー調の絵柄で綿密に描き込まれているんですから、そりゃもうインパクトは抜群。これはちょっと凄いです。読んでて体が痒くなること請け合いですよ!(誉めてます)
物語のロジックそのものは「寄生虫」を「悪霊」などに差し替えれば割とよくあるタイプのものなのですが、「己棲虫」のビジュアルのグロさを活かすことで、このマンガを他のマンガとは違う独特な味わいを持たせることに成功していると思います。
特に、己棲虫を単なるアイテム扱いするのではなく、(絵柄や時代設定、己棲虫が生じるメカニズムなどを含めて)作品世界が醸し出す雰囲気そのものが、寄生虫なる存在が持つ生理的に不気味なイメージを最大限に増幅するように計算されているところに感心させられました。作者のセンスは相当なモノなんじゃないのでしょうか。
個人的にはこういう雰囲気のマンガは大好きなので、ぜひこの作品世界のマンガをもう一本読んでみたいとは思うんですけど、どう考えても寄生虫は少年マンガ向けの題材ではないので、少なくともサンデー本誌ではこのマンガの人気が出なさそうなのが残念でなりません。
このマンガが広く受け入れられる為には、『子供に大人気な「ムシキング」に寄生虫が登場!
』みたいな、社会的なパラダイムシフトが発生する必要があると思いました(無理)。
□
あと、もう一つ挙げるとすれば、「BABEL」(原作/浜中明、作画/杉信洋平)でしょうか。
このマンガは、「己棲虫」とは違った意味で普通じゃないので気になりました。
『部活動中に突然現れた怪物に襲われて倒された剣道部員の主人公が、何故かバベルの塔の最深部で復活。カーミラと名乗る吸血鬼から「私の部屋までたどり着ければ、何が起こったのか教えてあげる」と言われた主人公は、彼女の声に導かれるままにバベルの塔の探索を開始する
』――というのがこのマンガのあらすじなのですが、これだけでもこのマンガのただ事じゃなさ加減は判って頂けると思います。
作品世界の設定があまりに過剰で説明過多なのもあってか、読んでいてもの凄い不思議な(というか、不条理な)感覚に囚われること請け合い。
その他、気になった作品
- 「賭け卓球」ができる場所ってそんなにあるんですか? とは思ったけど、内容そのものは爽やかなスポーツマンガだった「RUSH!!」(向後和幸)
- 萌え人気を狙った話も描けると思われるが、あえて「ギャグ」に徹しているように思える「ハッピー☆ハッピー セラピスト」(池田結香)
2005/04/30
■更新情報050429
- 「煩悩の部屋」の創作文集のページに、ジャン・バルジャンさんの「時の道化たち」シリーズ第四話第一章『断ぜよ神々~冒頭陳述~』へのリンクを追加しました。
掲載が遅れて申し訳ありませんでした>ジャン・バルジャンさん
2005/04/29
■「夜行」の中にボボボーボ・ボーボボの絶望くんがいるのが気になります(サンデー22・23号感想)
- あだち充作品新連載(クロスゲーム)
- ラデツキー将軍劇場(ブリザートアクセル)
- P.236の萩がヤバい(クロザクロ)
- 「次の部長はあいつだな…」(いでじゅう!)
- 辻原過去話おわり(こわしや我聞)
- 番外. 東遊記最終回
□
1. あだち充作品新連載(クロスゲーム)
ちょっと前にいきなり「KATSU!」が終わったと思ったら、早くもあだち充先生による次の新連載がスタートしましたね。
「KATSU!」が終わった時は「もうそろそろビッグコミックの方に主力を移した方が良いのでは?
」みたいな感想をネットで結構見かけましたけど、でもご本人はまだまだマンガ雑誌の主戦場である週刊少年マンガ誌で(「週刊誌連載は健康を害する」ことが判っていながら)やる気満々なご様子であり、あだち充という作家が相変わらず化け物であることを改めて証明した形となりました。
それで今回の話ですけど、「今度のヒロインは四姉妹だ!」と聞いた時は「いよいよあだち充まで美少女わんさかコメディー戦線に参戦するのですか! あだちデザインの妹キャラにハァハァする時代がやって来たのですか!」とか思ってしまって身構えてしまったんですけど、蓋を開けてみたら相変わらずのあだち充のマンガだったので安心しました。
ただ、四姉妹よりもヘルメット被った主人公の方がカワイイって辺りは、「ハヤテのごとく」にも見られる『少年キャラも萌え対象に入る現代的なムーヴメント』が垣間見えて興味深いと思いました。ウソですが。
あと、次女の若葉ちゃんは「自分がちょっとカワイイ」ことを最大限に活かし、女の武器を駆使して男子からチヤホヤされてるタイプなので、同じクラスの女子からは嫌われているという脳内設定を立ててみたがどうか(ダメそう)。
2. ラデツキー将軍劇場(ブリザートアクセル)
先週はマンガならではの演出で、吹雪ダンスの「何だかよく判らないけどとにかく凄い」感を表現していた「ブリザードアクセル」ですが、今週は更に「とにかく凄い」感がパワーアップ。スケートリンク全体が彼の創り出した異空間に取り込まれ、そこにいたキャラクター達をも巻き込んだ「ラデツキー将軍劇場」がいきなり始まってしまう始末です。
まさかこんな形でネタにされてしまうなんて、ラデツキー将軍どころか作曲者のヨハン・シュトラウス一世まであの世でビックリしてるに違いありません。うっかり歴史に名を残すと怖ろしいにゃー(ファー様の声で)
これって、早い話が「焼きたて! ジャぱん」のオーバーリアクションギャグの手法を更に拡張した表現方法ですね。まさかこういう手で来るとは。
このやり方だったら、アニメ化されても「ジャぱん」同様に面白く見られそうだと思いました(だから気が早い)。
3. P.236の萩がヤバい(クロザクロ)
ヤバイ。萩ヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。
萩ヤバイ。
日本刀がいきなり鞭みたいにしなるという攻撃方法もかなりヤバいですが、何よりヤバいのはこの技を放っている時の彼の表情です。どう考えても、あれは「襲いかかってくる目前の敵を倒す」時の人間の表情ではありません。あれは「忘我
」というか「虚無
」というか、あるいは「溜まっていた小便を放出した時
」というか、そういう系統の悟りの境地に達していなければできない表情です。
何にしろ、既に彼は尋常ならざる境地に立っていることだけは確かなのです。
放尿の境地で剣を振るう達人なんて、ちょっと見たことありません。
とにかく貴様ら、萩のやばさをもっと知るべきだと思います。
仲間がそんなヤバい萩の相手をしている時に、一人で呑気に岩を積み上げてる幹人とか超偉い。もっとがんばれ。超がんばれ。
4. 「次の部長はあいつだな…」(いでじゅう!)
林田と森もくっついたし、(中身はどうあれ)新しい部員も増えたし、さあこれから面白くなるぜ! みたいな雰囲気になって来たと思ったら、部長がいきなり「次の部長はあいつだな…
」といきなり幕引きが近いことを匂わせる発言を!
まあ、実際の部活ならそろそろ3年生が引退する時期なので、あくまで部活動マンガであることがアイデンティティである「いでじゅう!」としては至極当然な展開ではあるのですが。これからどこまで連載を続けるつもりなのか、いまだに読めません。
そして、『サンデーで最も報われない女性キャラ』の座を今も欲しいままにしている我らが中山朔美ちゃんですが、失恋をバネに色々とがんばった結果、知らない間に憧れの先輩からも一目置かれるリーダーシップを発揮する存在になっていた模様。真面目で健気で下級生への気配りができ仲間からの信頼も厚く、その上ちっちゃくてカワイイだなんて、リーダーとしてはかなり理想的じゃないでしょうか。そんな彼女から「お願いします!
」と言われたりしたら、誰だって奮起するというもの。
これからの日本の理想の女性の上司は、黒木瞳じゃなくて中山朔美で決定ですネ!(何がなにやら)
5. 辻原過去話おわり(こわしや我聞)
色々と謎が多かった「こわしや我聞」の辻原ですが、実は我聞のおかげで闇の世界から抜け出して再び日の当たるところに戻ることができたのであった! という秘められた過去があったことが発覚。我聞は我聞で、辻原を「格闘技の師匠」と幼少の頃から崇めていたことが判り、ますますこの二人の関係の奥深さを垣間見ることができたエピソードだったと思います。
これまではどっちかと言えば辻原×我聞的だった両者の関係ですが、今後は我聞×辻原的な妄想が行いやすくなる環境が整った、と言えるのではないのでしょうか?(と言われても)
個人的には、そんな辻原が眼鏡を掛けるきっかけが結局何だったのかを知りたいところなのですが、それは彼の性格の豹変ぶりの秘密と同様、永遠に明かされない謎であるような気がしてなりません。この前の「いちご100%」のベッドシーン同様、本編で語られざる部分は妄想でカバーするのが正しい読者の在り方ということなのでしょうか?(と言われても)
番外. 東遊記最終回
今週は合併号ということもあってか、この他にも「ケンイチ」「見上げてごらん」「ハヤテ」「道士郎」「あお高」「D-LIVE!!」など色々と盛り上がるマンガが多かった今週のサンデーですけど、そんな中で「東遊記」がついに今週をもって最終回ということに。
序盤の頃は、デフォルメが効き過ぎた絵柄と如何にも「マンガ的」な世界観に馴染むことができず、正直かなり読むのが辛かったんですけど、イチゾーが急成長して物語のスケールが急激にアップし、ロゼとゴサンが互いを「チンカスヤロー!
」「このアバズレ!
」と罵倒するようになったところから、まるで堰を切ったかのようにやたらとこのマンガが面白く感じられる様になりました。
いやその、そういう面白がり方がおかしいことは承知の上なのですが(ダメ)。
個人的にはやはり幼女神モーズが相当ツボに入ったので、彼女が序盤からイチゾーのライバルとして登場していればもっと面白がれたのになあ、というのが残念なところ。超増刊での再起に期待します。
2005/04/27
■2005/04/27のメモ
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/maishou/kotoba/news/20050420kei00s00s012000c.html
『日本(にっぽん)のアニメが人気(にんき)を集(あつ)めていることもあり「萌(も)え」も世界(せかい)に広(ひろ)がる可能性(かのうせい)があります。
』
「萌え」を子供向けに解説する、毎日小学生新聞の記事。なんか読んでてモゾモゾします(尻が)。
http://anime.blogzine.jp/animeanime/2005/04/post_90b6.html
国内では滅多にサインをしないことで知られる高橋留美子先生の生サインがランダムに封入された「犬夜叉」TCGがアメリカで発売される、という話題。
アメリカ人は相変わらず留美子先生が好きだなあと思った
■近況報告050426
今週の「いちご100%」の展開を読んでもあまりトキメかなかった自分自身に気付き、「もうオレは若くないんだ…」としみじみ実感致しました(挨拶)。こんにちは。
今の私には、年齢的な若さ以上に、精神的な若さが足りません。「厨房的精神」というか、「頭の中の中学二年生要素」というか、みうらじゅん氏が提唱するところの「D.T.力」というか、そういうものが圧倒的に足りてません。
もし私がリアルな中学二年生だったら、今週の「いちご100%」を読んで興奮しないといけないんですよ。「部屋の明かりが消えてから真中が帰るまでの間に起こったこと」を想像して、悶々としないといけないんですよ。勝手に脳内ストーリーを組み立ててハァハァしないといけないんですよ。
読者に健全な邪さを抱かせる、「いちご100%」とは本来そういうマンガなんですよ。
でも自分が最初に思ったことは「高校生でしかも初めて同士のカップルだから、絶対に失敗したはずだよな!
」とか、「このマンガがこのままハッピーエンドで終わると思うのか! まだ、もう一波乱くらいは起こすつもりじゃないのか!
」とか、「真中のやることだから信頼できねえ!
」とか、違う意味で邪なことばかり。素直にエロ妄想に耽る楽しみを、みすみす自分で失ってしまいました。
「BOYS BE...」とか「サラダデイズ」とか、あるいは最近の「いでじゅう!」とか、そういう手合いのラブコメマンガに対して心の中でファイティングポーズを取りながら読んでいた成果が、こんなところで発揮されてしまったみたいです。
そんな感じで、今回ばかりは自分のひねくれた感性に反省しましたよ。
帰りの電車の中で拾ったジャンプを読みながら(買えよ)。
□
武装錬金最終回
そして、みんな大好き「武装錬金」が、ついに今週のジャンプで最終回を迎えてしまいました。展開を考えると「打ち切り」と言わざるを得ないでしょう。本誌で物語を完結させることができず、「完結編を赤マルジャンプに掲載予定です!」って告知を打たれる辺りが、同様にコアなファンの間から惜しまれつつ終了した「ごっちゃんです!」みたいで泣かせます。
でもまあ、一番最期のシーンでカズキと斗貴子さんがラブラブになれたので、個人的には大満足です。ひねくれた自分でも、こっちの方は素直に祝福することができました。斗貴子さんと一緒なら、カズキはきっとどんな困難でも乗り越える意志を持つことができるでしょう。
結局、掲載誌の中ではイマイチ「人気」に恵まれなかった感が強いこのマンガですけど、作品を通じて訴えたい作者のメッセージを伝えるための媒体として、また「読者に勇気を与えるマンガ」として、この『武装錬金』という作品は抜群に優れており、そういう意味においては私個人としては『傑作』と評価して良い作品であることに揺るぎはありません。
「すまない…蝶野攻爵
」「まだだ! 諦めるな先輩!
」「俺達みんなが "お前達の味方" だぜ!
」等々、今思い返すだけで思わずグッと来て涙が出てしまいそうになる名シーンの数々は、これからも永遠に自分の心に残ることでしょう。
まあ、読み直してみると途中で色々と細かい(連載マンガとしての)戦術ミスや欠点があったりするのも確かなのですが、でもコミックス掲載のライナーノートを読んだりなんかしているうちに「作者がこうなんだから、このマンガは結局こうなるべくしてこうなっちゃったマンガなんだよなあ。仕方ないか」と納得してしまうだけの作者の勢いを、このマンガからは感じることができるような気がします。
「武装錬金」に関しては、和月先生の作家としての今の個性が、特に色濃く出ているような気がしてなりません。
というか、ぶっちゃけ何が悪かったんですかねこのマンガ。やっぱり、少年誌に掲載されているにも関わらず、主に少年以外の年齢層にばっかりヒットしちゃったのが悪かったんでしょうか。そういう人達が大好きな変態が沢山出て来たしなあ。
「スピンちゃん」が打ち切られた時に椎名高志先生がコメントした、「我々大きいお友達にとって少年誌はもうあまり居心地のいい場所ではないのかも
」という言葉が、ますます我々のような読者の心に重くのし掛かる時代になってしまったのは確かなようです。
□
『GSホームズ極楽大作戦!! ~血を吸う探偵~』
以前メモで触れましたが、改めて。
来月発売のサンデーGX6月号において、椎名高志先生の新作読み切り『GSホームズ極楽大作戦!! ~血を吸う探偵~』が掲載されることが発表されました。 以前サンデーGXに掲載された、『椎名百貨店超GSホームズ極楽大作戦!!』の続編の位置付けの作品であると思われます。
元々今年の1月に作者のサイトでその存在が公開されていたマンガではあったのですが、この時期まで掲載が伸びた理由は割と謎。多分、実質的な主人公が吸血鬼の少女だということで、まだ1月にはアニメが放送されていた「月詠」とネタが被ることを避けたのか、あるいは4月からアニメが始まった「エマ」のおかげで、ますます(「ホームズ」の舞台でもある)ヴィクトリア朝時代のイギリスのブームが加熱するのを見越した戦略的な決断があったのか、どっちかだと思います。思います(決めつけ)。
それとも、来月辺りにサンデー本誌で「絶対可憐チルドレン」の連載を始めて、同時に盛り上げる計画でもあるのかな!(なさそう)
今回はネタが吸血鬼なだけに、往年の「GS美神」キャラであるピートやブラドーの登場が期待できそう。
とりあえず、原稿速報のイラストの少女は当時のピートが女装した姿ではないか? という妄想を提唱しようかと思いましたが、でもたったの200年前程度では、ピートがここまで可愛く化けられる程幼いとは思えないので断念します。それに、どうせピートに女装させるなら、ヴィクトリア朝時代のメイドさんの格好させたいですしね。ですしね(決めつけ)。
よくこんな発想しかできないのにファンサイトを名乗れたものだなと思いました。
2005/04/26
■2005/04/26のメモ
http://www.sankei.co.jp/news/050425/boo010.htm
単行本は売れるが雑誌が売れない、という話。
今の読者は、「そのマンガが面白いから」という理由よりも、「今話題のマンガを情報として取得し、語る資格を得る」ために単行本を買う傾向がある、みたいな話が「マンガ産業論」に載っていたのを思い出しました [関連URL]
2005/04/25
■2005/04/25のメモ
http://mangaen.blog2.fc2.com/blog-entry-112.html
『というわけで今週はまさにジャンプ史上の歴史に残る回だったと思います。
』
激しく同意します
http://www1.odn.ne.jp/cjt24200/yamada/log/14/index.html#09
ヤマカムさんによる、「武装錬金」が如何なるマンガだったのかがよく判るダイジェスト記事
2005/04/23
■ワイド版GS美神20巻
お久しぶりです。深沢です。
世間的には「かってに改蔵」のやっちまった最終回で大騒ぎになっているんじゃないかと思うのですが、今回は先週発売されたワイド版「GS美神」の最終巻の話です。
ここは一応そういうサイトなので。
□
それで「GS美神」の最終巻ですが、やっぱり「GS美神 '78!!」が何度読んでも秀逸。こんな勢いのあるラブコメ、今のサンデーじゃ滅多に読めません。
前にも書きましたけど、とにかく唐巣神父が男として格好良過ぎます。「失恋した美智恵に負けない力を身に付けるために修行の旅に出る」という最終話における彼の行動が、もう男らしすぎて辛抱たまりません。この時の彼は、理由は自分でも何だか判らないけど、とにかく「美智恵と吾妻がくっついた」現実に対して反逆したかったんでしょう。その気持ちよく判るぜ神父!
という訳で「GS美神'78」はたいへんに面白いのですが、それ以降の話になると、さすがに「連載末期」という言葉の響きがよく似合うグデグデした雰囲気が、どことなく漂って来るようになります。
特に「呪い好きサンダーロード!!」や「もし星が神ならば!!」を初めて読んだ時なんかは、「この程度のボリュームなら1話でコンパクトにまとめた方が面白そうなのに、どうしてわざわざ2話構成にするのか? 作者や編集部に何かあったのか?」とか好き勝手に思っていました。やっかいですね(オレが)。
またこの時期は、絵柄の面でもちょっと荒れ気味というか、キャラクターが不自然なまでにオーバーな表情をする記号的な表現(笑い目+涙+鼻水のアレです)の多用っぷりが目に付くような気がします。実際、「GS美神'78」までと「呪い好きサンダーロード」以降では、作風そのものが微妙に変わっているように見えてしまう時もありました。やっぱり、この時期に作者に何かがあったのか? とか勘ぐってしまうのがファン心理のやっかいなところですよね(自己肯定)。
更に、当時は「もし星が神ならば!!」に対して「織姫が化けるのは、美神じゃなくてルシオラであるべきだ!
」なんてツッコミがあったり、「マジカル・ミステリー・ツアー!!」に対しては「せっかくおキヌちゃんと横島のツーショットなのに、ラブ度が足りねえ!
」なんて意見が結構このサイトに寄せられたのも記憶に残っています。やっぱり、みんな色々と引きずっているものがあったんでしょう。
作者が提供するものとそういう読者が望むものの間の溝は、この時期になっても埋まることはなかったのです。
その後、サンデーで「ここより永遠に!!」が掲載された頃にGS美神の連載終了が正式に作者からアナウンスされ(サンデーファン感謝イベントのトークショーで椎名氏自ら「今最終回の原稿を描いている」と暴露して観客をビビらせたそうな)、この作品は終局に向かいます。
最終回「ネバーセイ・ネバーアゲイン!!」は、今読み返せば「GS美神」という作品の本来のテーマを端的に表現しているよくできたお話になっていると思うのですが、でもやっぱり当時は多くの読者の中にまだ色々と引きずっているものがあったためか、人間関係にケリをつけないままうやむやのうちに終わってしまったことに対しては、(それが作者の狙いであるのが判っていても)やっぱり釈然としないものを覚えた方も多かったのではないのでしょうか。
連載終了後に読んだ、とある「GS美神」の同人誌の中にあった「『GS美神』は最高のマンガだったが、最終回は最高ではなかった
」という言葉が、その釈然としない感覚を上手く表現しているなあと思いました。
アシュ編終了後の「GS美神」は、既にそういうコアなファンの期待に沿えるマンガではなくなっていたのかも知れません。
※ワイド版感想の締めとして、この機会に「GS美神」に対する個人的な想いを書いてみるつもりでしたが、ちょっと時間がなくてまとまらなくなっちゃったので、その辺はまた後日。
■今更マリみて新刊感想
「マリア様がみてる」における『姉妹の契り』は時折『婚姻』にも例えられますが、『涼風さつさつ』において祐巳が可南子相手に「いい子だとは思うんだけど、いざ妹にするとなるとちょっとなあー
」とか色々妄想していた姿に、周囲から縁談を薦められて「悪い人じゃなさそうだけど、でもこの人とお付き合いをするとなるとちょっとねえー
」と悩む自分の姿を重ね合わせてしまった経験がある、適齢期逸脱間際の善男善女の皆様こんにちはー!(挨拶)
その件についてはノーコメント。深沢です。
今更ではありますが、以下はみんな大好き超お嬢様わんさかコメディー「マリア様がみてる」最新刊・「特別でないただの一日」の感想です。いやその、急に書きたい気分になったのでつい。「マリみて」は時々熱がぶり返すのでヤバいです。
もう発売から1ヶ月以上経過しているので、ネタバレ前提でお願いします。
□
この巻が発売された当時、「マリみて」読者の最大の興味は、何と言っても「主人公の祐巳が誰を『妹』に選ぶのか?」ということであったのは間違いないでしょう。折しもこの巻が扱っている『学園祭』という舞台設定は「マリみて」第一巻で祐巳が祥子と姉妹の契りを結んだきっかけとなる事件が起こったという史実があるので、当然この巻では「祐巳が妹を誰にするかを決める、決定的な事件か何かが起こるのでは?」と期待する読者が多かったのではないかと思われます。
…でも、その結果は皆さんも読んでご存じの通り。この巻の存在意義は、一番最後のシーンで祥子さまが祐巳に「妹を作りなさい
」と言う状況を作るための壮大なネタ振りに過ぎなかったのではないか、と申しても過言ではないお話でした。
「学園祭の一日は、祐巳にとって特別なものになるのではないか」という読者の期待感を、「特別でないただの一日」というサブタイトル、そして一番最後のシーンで祥子が祐巳に語った「今日は特別でも何でもない、昨日と変わらないただの一日よ
」という台詞で完全にひっくり返してしまった作者のセンスと(良い意味での)底意地の悪さには、心底惚れ惚れさせられます。
さすがはダブル受賞作家! センスが違いますね!(←私が言うと褒めてるように聞こえなくなるのは何故ですか)
とは言うものの、話の中では最初から最後まで祐巳の「妹」候補である松平瞳子と細川可南子の動向がクローズアップされており、読者のそういう興味を更に掻き立てる効果を果たしたのもまた事実。
瞳子が所属している演劇部で派手に問題を起こしたり、前々から張られていた可南子の「極度の男嫌い」(というか人間不信)の伏線の回収劇が多くの人を巻き込みながら壮大なスケールで繰り広げられたりと、どちらも負けず劣らずの暴れっぷりを披露してくれました。
主人公の祐巳はどちらの騒動にも深く関与する(そして、結果的にそれが二人が抱えているそれぞれの問題の解決に繋がる)ことになるのですが、騒動の渦中にいる瞳子と可南子が祐巳と接する時の態度が、何だかラブコメみたいで微笑ましく思えて来るのが面白いところ。わざわざ祐巳と二人きりの時に学園祭の演劇の不満を愚痴り始める可南子といい、祐巳の視線を感じた途端にわざとらしく顔を背ける瞳子といい、どちらも過剰なまでに祐巳の存在を意識しているのは明らかです。
二人とも口では「祐巳さまの妹にはなりたくない」と言ってはいるものの、実際にはどちらも祐巳にかまって欲しくて仕方がないのが歴然な描写がなされているので、彼女たちが祐巳と絡むシーンが出てくるたびに、私はもう始終ニヤニヤしっぱなしでした(悪趣味)。
そして、今回の物語をより(色々な意味で)面白くしているのが、主人公の祐巳の天然ボケっぷりです。彼女は祥子お姉さまや友人のことになると勘が冴えるのですが、こと自分自身に関してはてんてニブいままであり、自分がどれだけ周囲からモテモテな状態になっているのか、この段階になってもまだ彼女は自覚していません。
祐巳はこの巻においても、可南子や瞳子の「妹にはならない」発言を真に受けたまま、罪のない天使のような好意を彼女たちに向け続けています。可南子や瞳子は、上で述べたように彼女の存在を強く意識してはいるものの、自分から「妹にはならない」と言った面子もあるし、それに祐巳が自分の世話を焼こうとする感情にはまったく他意がないこともよく判っているため、祐巳の好意を知らないフリしてやり過ごすしかありません(物語後半の瞳子がまさにこの状態)。祐巳が接するたびに、彼女たちの緊張感は高まっていく一方なのです。
そんな緊張状態の真っ直中に居ることを知らず、無邪気に振る舞い続ける祐巳の天然っぷりには、もはや微笑ましいを通り越して何だか怖ろしくなって来てしまいます。彼女のこの態度は、そう遠くないうちに何かとんでもない事態を引き起こすんじゃないか、と思えてなりません。
今の祐巳をこのサイトらしく例えるなら、「MISTERジパング」に出てきた蜂須賀小六のこの台詞が適当かも知れません:
「火薬庫で火遊びする奴は二種類しかいねぇ。
」
何も分かってないバカか、よっぽど火の扱いに自信のあるバカだ!!
「ミスジパ」の信長はどちらかと言えば後者に当てはまるタイプでしたが、祐巳ちゃんは自分が火薬庫にいることも、また自分が火遊びをしていることにも気付いていないという意味で、信長をはるかに超越していると思いました。
さすがは、近い将来リリアン女学園を支配する女王となるであろう運命の持ち主! 器の大きさが違いますね!(←私が言うと褒めてるように聞こえなくなるのは何故ですか)
この巻では「特別でないただの一日」という表題通り、姉妹関係については表面上の変化はありませんでしたが、でも可南子や瞳子と祐巳との関係は更に深まり、また緊張も高まりました。もはや、ちょっと祐巳が二人に対する態度を間違えたり、どちらかが本気で「妹にして下さい」とか言い出したりしたら、今の人間関係は一気に崩れてしまいかねません。この巻の最後の祥子さまの台詞「妹を作りなさい
」は、そのことにあまりにも無自覚な妹に対して認識を改めさせる狙いがあったのではないか、とも思えてきます。
そんな感じで、次回以降一気にヒートアップするであろう「祐巳の妹選び」のストーリーを楽しみに待ちたいと思いました。
□
あと、こちらも諸般の事情で嫁選びを迫られている由乃の方ですが、こっちは祐巳と違ってどのキャラに対しても全くフラグが立たず、祐巳と漫才やっただけで終わってしまいました。祐巳はモテすぎちゃってヤバいんですけど、由乃は逆にモテなさ過ぎてヤバいことになっています。
これはおそらく、このまま(劇中で)11月になっても妹が見つからず、困った挙げ句にそこら辺の知り合いの1年生を捕まえて「これから来るOGの前でしばらくアタシの妹のフリをしてくれない?」と頼み込み、山百合会の面々を巻き込んで周囲に散々迷惑をまき散らした挙げ句に江利子に一発で見抜かれてギャフン! みたいな、吉本新喜劇的なコテコテの展開をするための伏線と見ましたがどうか。
そういや彼女の姉の令さまもすっかり「ヘタレ」のキャッチフレーズが似合う芸風になってしまいましたし、黄薔薇一族はどんどんヨゴレ役化して行く一方です。微笑ましい限りですね。
□
※一応補足しておきますが、本来「マリみて」は姉妹制度をキーワードに少女同士の心の交流と成長の様を描いた少女小説であり、今回の「特別でないただの一日」でも可南子と瞳子がそれぞれ事件を通じて「相互理解」の必要性を自覚する様子が描写されています。一応、その辺はちゃんと判ってるつもりですので!(言い訳)
おそらく次回以降では、今回とは逆に祐巳がこの二人を理解しようとする様子が描かれるのではないのでしょうか。
なお、マリみてを「相互理解」というキーワードで判りやすく論じているサイトとしては、「ランゲージダイアリー」(あいばゆうじさん制作)がお勧めです。「mot×mot」の時代から楽しく読んでました(カミングアウト)。
「ガンダムSEED DESTINY」や「武装錬金」の感想も熱いので、そちらが好きな方もぜひ。
■bk1プラグイン修正
このサイトでは、本の情報の表示にbk1の河野さんが作ったMT用bk1プラグイン(mt-bk1.pl)をblosxom用に移植したものを使っているのですが、商品によっては「bk1ストラップ」が表示されるという現象が起こっていました。
ちょっと調べてみたところ、プラグイン(正確には、bk1の商品情報をXMLで返すAPI)にISBNコードを渡した場合に限り、必ず「bk1ストラップ」(=商品なしエラー)が返ってくるようになっていました。ISBNではなく、bk1の商品コードに相当するbibidを使えば問題ないみたいです。
ただ、APIから返ってくる商品情報へのURLの記法がリニューアル前のままなのがちょっと気になったので、それを現在の形に変更するバージョンを作成しました。念のため公開しておきます。
→blosxom bk1プラグイン (05/04/23版) ※文字コードはUTF-8で保存して下さい
あと、プラグインの中にある「買い物カゴへ」リンクを作成する機能がリニューアル前のURLのままなのですが、テストしてみたところ昔のURLを叩いても使えたので、とりあえずそのままにしてあります。でもこれは使わない方が無難な気がする。
bk1は現在、リニューアル後の混乱が続いていてえらい大変そうですが、めげないで頑張って欲しいところ。
リニューアル後は売り上げランキングでよくボーイズラブ系が上位に来るようになった気がするんですけど、「より実売に近い形でランキングを公表してみました」ということは、つまりbk1ってそういうのが大好きな人から好んで利用されているということでしょうか。興味深いです(深いの?)。
■生存証明を兼ねた最近買ったもの紹介:武装錬金4巻
皆さんご存じだろうと思いますが、みんな大好きLOGIC&MATRIXの遊星さんは、相変わらず「武装錬金」普及のために頑張ってますね! 私の頭の中では、もう遊星さんのビジュアルイメージはパピヨン蝶野そのものです!(失礼)
幾多の打ち切りの危機を乗り越えてきただけあって、「武装錬金」のファンはみんな熱いなあ!
□
そんな感じ(?)の「武装錬金」ですが、コミックスの方も相変わらず熱いです。今回のメインは勿論早坂姉弟との対決シーンとなる訳ですが、とにかくカズキの言動が熱い。特に、P.142の
「まだだ! あきらめるな先輩!
」
という台詞は、おそらくこの中にこの作品のテーマのもっとも大事なものが詰まっているであろう、名言中の名言だと思います。かつて自分の目の前で蝶野が人間であることを諦めてホムンクルスになってしまうのを止められなかった経験を持つカズキだからこそ、彼が放つ「あきらめるな!」という言葉には強い説得力があるのでしょう。何度読んでも、このシーンで目頭が熱くなりますよ。
対早坂姉弟編は、早坂姉弟が相互依存の閉塞状態から脱却して生きる目的を取り戻したのと同時に、カズキもまた一度は守れなかった大切なものを今度は守ることができた――という意味において、とても重要なエピソードであったと言えるでしょう。
あと、ちょうどこの対早坂姉弟編が掲載されていた頃はジャンプでの「武装錬金」の掲載位置が後退していた時期で、「もうすぐこのマンガ終わっちゃうんじゃ?」とまで噂されていたこともあっただけに、「まだだ! あきらめるな!
」という台詞が妙なシンクロ感を生んでいたのも、今となっては良い思い出です。
4巻のライナーノーツを読むと作者が人気獲得のために色々と苦心している様子が伺え、やっぱりこの頃は作品のマネージメントが大変だったんだなあと想像。
あの頃はあんなに貧弱だった「武装錬金」が、今ではキャラクター人気投票ができるくらいまでの人気者に……(しみじみ)
やっぱり、何事も簡単に諦めちゃダメだよね!
現在ジャンプに掲載されている連載では、今度はカズキが「人間」であることをあきらめない為にあらゆるモノと戦わなければならない境遇に叩き落とされており、4巻で提示されたテーマがますます重みを増して来ています。
生物的な意味での「人間」でいられる残りわずかな時間の中で、カズキはいったい何を成し遂げることができるのか。作者の和月氏の今後の手腕に注目したいところです。
「武装錬金」は、個人的には今ジャンプの中で最も今後に期待しているマンガです。
さすがに私はコミックスを30冊も買うことはできませんが(笑)、これからも何とか応援していきたいなあ。
■生存証明を兼ねた最近買ったもの紹介:無敵鉄姫スピンちゃん
連載中は主に大きなお友達層からコアな人気を獲得したにも関わらず、掲載時期のタイミングの悪さなどの諸般の事情が重なってしまって惜しまれながらもわずか11週で打ち切りとなり、椎名先生からも同情された(笑)悲劇のコメディマンガ「無敵鉄姫スピンちゃん」。ついにコミックスが発売されました。めでたい。
私が普段コミックを書店では、ジャンプのコミックスの場合は例え不人気作品でもあっても結構な数が入荷されるものなんですけど、なんか「スピンちゃん」の場合は、自分が発売日に買った時には既に残り一冊の状態でした。
変な人気があるせいなのか、単に入荷数が少ないせいなのかは不明ですが、ジャンプコミックスでこういうのは珍しい気がします。
それでこのマンガ、今改めて読んでみると、「いもうとミサイル
」「真性ゲイの女子高校長
」などはともかく、「女性を口汚く罵る引きこもりのデブ男
」やら「性格はともかく見てくれがマッチョかつマッスルなデブ女子
」やらのスパルタンなキャラが大暴れする話とかになってしまうと、なんかこう「まあ、さすがに少年誌じゃ打ち切られるのも仕方ないかな…」という気になって来る良識的な自分を発見してしまい、ちょっと悔しい気分に(悔しいの?)。
作者の大亜門氏は「テーマはダメ人間賛歌です
」と取って付けたようなこと言ってますが、天下の週刊少年ジャンプがこういうダメなマンガを受け入れるには、まだ時代がちょっと早過ぎたのかも知れませんね。
「スピンちゃん」の連載が始まってスピンのぷに顔がジャンプの表紙を飾った時は、「これは新しい時代の幕開けに違いない!」と確信したものでしたが、残念ながら時代のあだ花に終わってしまったようです。と時代のせいにしてみる(万能の言い訳)。
何にしろギャグセンスには光るモノを感じるのは確かですので(読み切り版に出てきた台詞「どんなに社交性のないダメ人間でも、ロボットと小さな女の子は大好きですからね
」は、今も私の座右の銘です)、ダメ人間に対する愛情を更に極めた上での再起を期待します。
■こわしや我聞5巻のおまけマンガが面白い件について
そんな感じで、「こわしや我聞」の5巻が発売されました。
この巻は色々な意味で見所が多くて面白いと思ったので、あえてご紹介する次第。
まず本編の方ですが、この巻には、静馬番司が登場して我聞と張り合うエピソードと、「卓球部は文化祭でメイド喫茶をやる」という理由で國生さんがメイドのコスプレをして大活躍するエピソードが掲載されています。
我聞に対するライバル心全開で乗り込んできた番司を自然と仲間に引き入れてしまう懐の深さを持つ「工具楽屋」の面々、宿敵・真芝に対する怒りを優先しようとする番司をたしなめることで己の「強さ」を見せた我聞、そして文化祭を舞台にドタバタ学園コメディーを無理なく繰り広げられるだけのポテンシャルを持つことを証明した、サイドストーリーに欠かせない卓球部や生徒会の個性的なメンバー達。番司編と文化祭編は、どちらも「我聞」がこれまでの連載の中で築き上げてきたキャラクター、そして彼らが織りなす作品世界の魅力を見せることに成功している、優れたエピソードだと思います。
何より、メイド服姿の國生さんは猛烈にカワイイですしね(結局コレ)。
そして更に「我聞」5巻をパッケージとして魅力的にしているのが、2つのおまけマンガの存在です。
まず一つは、4巻にも掲載されていた、デコでメガネで三つ編みでかつアホ毛を装備し、性格は勝ち気で強情っぱりだけど実は押しに弱くてドジな一面もあるという、そういう嗜好を持った読者(オレとか)にとっては最強生物兵器級の破壊力を有する生徒会長・鬼怒間リンが主人公の4コママンガ『征け! 会長さん』。
普段はツンツンしてる彼女が、最初から最後まで卓球部の食えない面々(特に國生さん)にいいようにあしらわれてどんどんダメになって行く様は萌えです。ヘタレな委員長女子が好きなら是非。
そしてもう一つが、作者の藤木俊先生が「いでじゅう!」作者のモリタイシ先生に対して一方的に宣戦布告をした挙げ句、一方的に敗れ去る様を克明に描いたドキュメンタリー『モリタイシをやっつけろ!』。
モリタイシ先生は女性ファンからしきりにサインをせがまれたりしてモテモテなのに、自分のとこに寄ってくるファンは「國生さんの声優は能登さんでお願いします!
」とか言ってくる男ばっかりであるという現実に直面した藤木氏は、モテるモリ先生に対して一方的に激しい嫉妬の念を抱くのであった! という、逆恨みとしか思えない出来事をキーに、「いでじゅう!」コミックスのイラストコーナーに自分のイラストを送りつけて勝手にコラボレーションを成立させようとする藤木先生の悪あがきっぷりを描いた衝撃的な実話レポート巨編(4ページ)です。これが妙に面白いのなんの。
今後のサンデーを共に背負って立つであろうモリタイシ先生と藤木俊先生が、我々読者の知らない領域で激しく火花を(一方的に)散らすライバル関係になっていたとは意外でした。なんか、一昔前の北崎拓先生に対する久米田康治先生の一方的な確執みたいで萌えです。
どうやってもモテ具合ではライバルに勝てないところなんか特に(失礼)。
□
そんな感じでたいへんに面白い「こわしや我聞」5巻なんですけど、唯一残念な点を上げるとすれば、やはり表紙のデザインでしょうか。
この巻の最大の売りは文化祭編(=國生さんメイド喫茶編)であることは明白なのにも関わらず、何故か表紙で主役を飾っているのは拳で語り合う我聞と番司、そして中央でライフルを担いでダンディな笑顔を見せる中之井千住(じじい)という暑苦しい構成で、しかも國生さんはメイド服じゃなくて高校の制服姿のまま。正直、これは機会損失も甚だしいんじゃないかと思うのですがどうか。
そんなに男性ファンから声優トークをふっかけられたのがショックだったのでしょうか。
その気持ちも判らないではないのですが、でもここはやはりプロに徹して欲しかった所存。ここまでおまけマンガを充実させるサービス精神があるんだったら、「表紙のカバーを外したら、そこにはメイド服姿の國生さんが頬を染めながら(以下略)!
」とか、そういうサービスもあったっていいんじゃないのかと言いたい!
だって、「我聞」の最大の魅力は、どう考えたってやっぱり國生さんじゃないですか! アニメ化されたら國生さんの声優は浅川悠で決まりなんですよ! いやその、能登麻美子でも私は一向に構いませんが!
もし第2版がそうなってたら、喜んで「我聞」5巻を買い増します(おわり)。
■シグルイ・イン・ライブラリー
『狂おしく 血のごとき 月はのぼれり
』
秘めおきし 魔剣 いずこぞや
伊良子清玄と藤木源之助が怪物となった夜。
月と、マリア様だけが二人を見ていた。
□
そんな感じで、「シグルイ」3巻が出てからというもの、再び「シグルイ」と「マリみて」をコラボレートする遊びが自分の脳内で再流行中の私ですが!(挨拶)
「シグルイ」2巻の時は、『物語の根底に「完成された封建制度の狂気」という共通したテーマがある』という視点から「シグルイ」「マリみて」双方の物語の類似性を指摘しましたが、先日発売された「シグルイ」3巻、およびマリみて新刊「イン・ライブラリー」の幕間劇『イン・ライブラリー』においても、やはり同様の傾向が見られると思います。
「シグルイ」3巻の内容は、虎眼の妾のいくに手を出したことで虎眼の怒りを買った伊良子清玄が仕置きされて廃人となる様を、それこそ最初から最後までみっちりねっとりと描写している訳なのですが、何故伊良子がここまでメタメタにやられちゃったかと言えば、妄想に囚われて後先が考えられない状態になっている道場主・岩本虎眼に対して常識的なツッコミを入れられる状態の者が誰も存在せず、虎眼の意のままに動いて伊良子をシメることしか考えられない「傀儡」と化していたからに他なりません。
むしろ突っ込むどころか、伊良子を除く全ての虎眼流剣士達が積極的に岩本虎眼の狂気の世界を受け入れて伊良子の仕置きに荷担しているところに、この作品が描いている狂気の本質があります。
3巻の「犠牲者」となった伊良子は元々狂気の道場の埒外に存在していた人物ですし、いくと三重の二人の女性は、自分を取り巻く絶望的な状況を変える力が彼にはあると思ったからこそ伊良子を愛するようになったと思うのですが、でも「シグルイ」を取り巻く世界は「少数のサディストと多数のマゾヒスト」を前提として成り立つ狂気の封建制度によって支配されています。制度を受け入れられない者は、制度によって葬り去られる運命にあるのです。それが封建社会というものなのです。
客観的に見れば、伊良子を何とかするよりも、あきらかにおかしい(頭が)虎眼を何とかした方がみんなハッピーになれるんじゃ? と突っ込みたくても、この作品世界のシステムは斯様な突っ込みを全く受け付けません。虎眼の狂気が全てを統べる閉塞環境の中であらゆる者がおかしくなっていく様を、我々はただ「うへぇー」と呻きながら見守るしかないのです。
つまり「シグルイ」とは、「封建制度」という作品世界の有り様がその作品の面白さを規定する、システマチックな面白さに溢れた作品と表現することができます。
□
「彼女。変わりました
」
松平瞳子は、はじめて細川可南子の笑みを見た。
□
そして「マリア様がみてる」も、また「作品世界の有り様がその作品の面白さを規定する、システマチックな面白さ」に溢れた作品です。カトリックの女子校という舞台設定もさることながら、「姉妹制度」という文字通りのシステム、そしてそのシステムがあるが故に生み出される人間関係の数々が、この作品世界の根底を形成しています。
特に「イン・ライブラリ-」に掲載されている、"名作"の誉れ高い『チョコレートコート』はまさにこれに当てはまるエピソードです。この話は、作品世界に「姉妹制度」が存在しなければ、そもそも物語として成立しません。姉妹制度が「契約」として婚姻にも似た強い力を持っているからこそ、「チョコレートコート」における三角関係は成り立つのです。
長期連載として安定した面白さを発揮している作品は、大抵はこの「システムが規定する面白さ」を持ち合わせているのではないか、と思われます。
□
「よく寝てよく食べてストレスはため込まない。
」
愚痴を言いたくなったら、私のところに来る、いい?
顎先をかすめただけの祐巳の言葉は、
それ故に瞳子の脳を十分に震盪せしめた。
□
更に「マリみて」の場合、「作品世界のシステムが、読者の常識的な突っ込みを全く受け付けない」という「シグルイ」同様の狂気的な要素も、同時に持ち合わせています。
それが顕著に表れているのが幕間劇「イン・ライブラリー」で、この話は要約すると「祐巳が寝てる間に居なくなった祥子さまをみんなが探す
」というただそれだけのお話であり、「別に生徒会総出で探さなくても、館で待ってりゃいいだけじゃん? そんなに一大事なのか?」と客観的に突っ込んでしまえばそれまでです。多分、これを読んだ人の半分以上は、心の中でそう思ったに違いありません(断言)。
しかし、前述したように「マリみて」世界には「姉妹制度」というシステムが存在しており、また主人公の福沢祐巳自身がその「姉妹制度」が原因で「誰を妹にすればいいのか」と悩んでいるという背景があるので、こんなお話でも
- 「大好きなお姉さまを捜す」という理由で、祐巳が校内を徘徊する理由ができる
- その祐巳の最有力妹候補である瞳子を登場させて祐巳と絡ませ、読者に興味を惹かせる
ことが、物語的に可能となります。もはや祐巳に対しては、こと姉妹問題のことが絡むと常識的な突っ込みは通用しないのです。
この辺、物語序盤で祐巳が山百合会の「埒外」な立場の視点から他のメンバーに常識的な突っ込みを入れていた頃と比べると、なかなか興味深いものがあります。これを「成長」と呼ぶのか「順応」と呼ぶのかは難しいところですが、祐巳もまた「マリみて」世界における狂気を体現する存在になったことだけは間違いないでしょう。狂気を維持する体制側の人間になるというのは、つまりはそういうことなのです。
虎眼流を踏み台にして己の野心を成就させようとした伊良子は「仕置き」によって剣士としての命脈を絶たれた一方、虎眼流のシステムの中で己を磨き続け、伊良子を叩き潰した藤木は「怪物」と化して行きました。
そして福沢祐巳もまた、リリアンにおける姉妹制度システムの中で徐々に「怪物」となりつつあります。もはや、彼女の誘いや説得に逆らえる者は、この作品世界の中では誰もいないのです。
□
文化祭劇の練習の日。ただ一人山百合会の命に背き、瞳子の誇りを守った者。
「あの方は傀儡(スール)どもとは違う。血の通うた誠の薔薇さま
」
寒い筈がない。乙女の胸の内に、福沢祐巳が燃えていた。
□
祐巳が藤木よりもタチが悪いところは、己がどれだけ強い存在なのか、当人がまったく自覚していないところにあります。
「祐巳さまが自分を訪ねてきた」と知らされた瞳子はすっかりその気になっちゃってるみたいですが、一方の祐巳は相変わらずそれに気付いていません。この二人の関係は非常にマンガチックで魅力的ではありますが、また非常に恐ろしくもあります。もし、この期に及んで祐巳が瞳子を妹にしなかったら、瞳子の今の気持ちはどうなってしまうのでしょうか? 同じく祐巳を慕っている可南子は?
祐巳が「妹」を決める段になった時、瞳子や可南子が「怪物」と化さないことを祈るのみであります。
□
■いきなり最近読んだ本紹介:役割語の謎
「そうじゃ、わしが博士じゃ」としゃべる博士や、「ごめん遊ばせ、よろしくってよ」としゃべるお嬢様に、実際に会ったことがあるだろうか。現実に存在する・しないに関わらず、いかにもそれらしく感じてしまう言葉遣い、それを役割語と名付けよう。誰がいつ作ったのか、なぜみんなが知っているのか。そもそも一体何のために、こんな言葉があるのだろう。
(ヴァーチャル日本語 役割語の謎より)
この解説文に思わずグッと来てしまい、「ヴァーチャル日本語 役割語の謎」(金水敏/岩波書店)を購入。
期待に違わず、知的興奮を感じさせてくれる興味深い一冊でした。
□
この本は、「博士言葉」や「お嬢様言葉」に代表される、その言葉を喋るだけでその人物がどのようなカテゴリーに属しているかを表現することが可能な「役割語」が何時どのようにして発生したのか、また我々が(実際にそんな喋り方をする人はほとんど実在しないにも関わらず)それらの言葉を聞いただけで「この人物は博士だ!」「お嬢様だ!」とステレオタイプを認識できるのは何故なのか、を探ることを目的としています。
役割語の元になった言語の起源から、その言葉が「役割語」に変わっていく過程までを、数多くの資料を引用しながら判りやすく解説するスタイルで書かれています。個人的に興味がある分野だったこともあって、最初から最後まで楽しく読むことができました。
また、このような喋り方をする人物が登場するのは主に小説やマンガといった大衆向けの娯楽文学であることが多いので、結果的にこの本は近代~現代にかけての文学史やコミック史を辿るような形になっているのが、我々のような本好きな人にとっては興味深いところ。
実際、この本の中では「怪談牡丹灯籠」「東海道中膝栗毛」「吾輩は猫である」「ハリーポッター」「鉄腕アトム」「名探偵コナン」「エースをねらえ!」、果ては「ファイナルファンタジーIX」に出てきた語尾に「クポ?
」とかつけて喋る変なキャラに至るまで、「役割語の謎を探る」という括りの中で一緒くたになって参考資料として扱われています。何というかこう、たいへんに愉快です。
例えば『博士語』を解説している第一章では、今サンデーで連載されている「名探偵コナン」の阿笠博士が喋っている言葉の源泉を辿っていくと、「鉄腕アトム」のお茶の水博士→昭和初期のSF作家・海野十三の作品に登場する博士たち→明治時代の講談師が語った時代劇に登場する忍術の師匠、といった具合にどんどん時代を遡っていき、最終的には江戸時代中期に書かれた戯曲や歌舞伎に登場する老人が喋っていた上方言葉にたどり着くそうです。
「名探偵コナン」が江戸時代にまで繋がっているだなんて、ちょっと興奮してきませんか博士。子供相手に変なガジェットを発明して喜んでる場合じゃないですよ博士。
あと、役割語の最大の特徴は「この言葉を喋らせれば、キャラとして細かい描写をしなくても『こいつはこんなキャラだ』と認識してくれること」であるので、趣味でマンガや小説書いてる人にとっても、この本に書かれている役割語の使われ方は参考になるかも知れません。役割語の歴史は近代文学の歴史でもあるのです。
ただ、フィクションの世界の役割語はあくまで「『役割語』から連想される程度の人物描写があれば十分な脇役キャラ」に対して使うのが本筋であって、逆に『主人公』は標準語を喋らないと読者が感情移入し辛い、とも解説しています。役割語には、視聴者や読者が感情移入するべき主人公とその他大勢を切り分ける仕掛けとしての役割もあり、実際数多くの物語がそれに基づいて作られていることを、この本は説明しています。
とりあえずここは椎名高志ファンサイトなので、宇宙人であることを強調するために主人公の台詞の語尾に「カナ?
」という役割語をつけたからと言っても、それだけでキャラクターが面白くなる訳ではなかったのであった! というオチで良いでしょうか。
なつかしいなあ「一番湯のカナタ」(おわり)。
■ワイド版「GS美神」19巻
ブルァアア!(若本ヴォイスで挨拶)
お久しぶりです。深沢です。
まず近況ですが、懸案だった「暗号名はBF」1巻は、めでたく発売日に行きつけの本屋で買うことができました。
ただ、自分が買った時には、既に残り1冊の状態でした。やっぱ売れてるんだな(あるいは、入荷数が少なかったんだな)と実感。今回は買い逃さなくて良かったです。もし買い逃していたら、また新たな伝説を作るところでした。
そして、1冊しかない「BF」の隣で、10冊近く積み上がっていた「怪奇千万! 十五郎」2巻の姿が、妙に哀愁を誘ってました。
ああ、「十五郎」が載っていた頃のサンデーは、今ではもう遠い日の出来事のようだよ…
□
そして、ワイド版「GS美神・極楽大作戦!!」19巻も入手(注意:ここからが本題です)。
この巻最大のトピックスは勿論表紙を飾っているタマモの登場である訳ですが、個人的にはやっぱり「GS美神'78」が一番面白く、かつ思い出深いです。何と言っても、若き日の唐巣神父がやたら格好良いのが印象的。
この話の中では、唐巣神父は結果的に美神母と吾妻の間を取り持つ引き立て役という三枚目なポジションになってしまった感がありましたが、でもそれだからこそ格好いいよ神父! 男の中の男だよ! オレもこういう男になりたいよ! と思わせる魅力に溢れたキャラクターになっています。実際、このサイトで当時行ったキャラクターアンケートでも、唐巣神父は見事トップの評価を受けていました。彼の格好良さと生き方に共感を覚えた読者が、それだけ多かったんじゃないかと思います。
でも考えてみれば、唐巣神父は最初から最後まで三枚目的というか、いつも苦労するけどイマイチ報われないポジションなキャラだったんですどね。
ああ、美神一族に関わったばっかりにあんな目に(笑)。
次にタマモについてですが、初登場時とシロとコンビを組んで除霊事務所に居候するようになってからとは、同じタマモでもキャラクターが微妙に(かなり?)異なっている、という印象を持っています。私は便宜的に、初登場時を前期型タマモ、それ以降を後期型タマモと呼んで区別しています(正確には、ワイド版20巻で出てくるであろうロリ型タマモもいますが)。
個人的には、どっちかと言えば前期型の方が好きです。特に、彼女がおキヌちゃんに化けて「人間なんて身勝手に悪いことして気まぐれで~
」と邪悪な表情で毒づいているカットが一番好きです。脳内で往年の國府田マリ子にアフレコさせて喜んでました(バカ)。
こういうキャラは、やっぱり「跳ねっ返りだった子が、徐々になついて行く
」過程を楽しむのが醍醐味なんですよね。
いつまでもひねくれ者で跳ねっ返りのままの君でいて欲しかったよ!(病気)
あと「ドリアングレイの肖像」の暮井緑先生も好きです。いつか椎名先生が女性向け雑誌でマンガを描くことになったら、彼女とドッペルゲンガーの同棲生活をネタにして短編を作って欲しいと思っているくらいです。
芸術まっしぐらで社会性皆無な真性ダメ人間の緑と、甲斐甲斐しく彼女の面倒をみる(けど中身のデキが緑と一緒なので結局は何やってもダメな)彼女のドッケルベンガーの生活は、立派にコントとして成立するくらい面白いに違いないと思いますがどうだろう。
もし、今後別冊少女コミックのギャグマンガ枠でマンガを描くような機会があったらぜひ(ぜひ?)。
■ジャぱんのハシラにおける「キター!」の使い方は間違えているのではないかと思われる件について(サンデー21号感想)
- 今週のブリザードアクセル
- 墨村正守17歳(結界師)
- 星南高校の本間くん(最強! 都立あおい坂高校野球部)
- 「そーだよ、オレは早乙女なんだよ!」(道士郎でござる)
- キムラ先輩(ミノル小林)
- 番外:黒棘の藤袴(クロザクロ)
□
1. 今週のブリザードアクセル
基本的に今週の「ブリザードアクセル」における吹雪のアイスダンスの内容は、「たまにジャンプを織り交ぜつつ、ジグザグに動きながら剣を振り回しているフリをしているだけ」だけなんですけど、それを何だか凄いことをやっている風に見せてしまうのがこのマンガの凄いところ。鈴木央先生の演出力の高さが光る内容だったと思います。
マンガだとこんな感じで上手いこと演出で魅せることができるんですけど、もしアニメになったらこのシーンをどうやって演出するのか興味が出てきました(気が早すぎ)。
2. 墨村正守17歳(結界師)
今回のエピソードは4年前の話なので、登場するキャラも全て4年前の若々しい姿なのですが、その中にあって唯一正守だけは何故か現在と同様の貫禄っぷりを見せつけているのが凄いなあと思いました。現在でもとても21歳とは思えない彼ですが、4年前の世界においてもやはり到底17歳には見えないところが凄いです。彼の迫力は髭の有無だけじゃなかった模様。彼の早成っぷり(あるいは老けっぷり)は、やはり尋常なレベルではありません。
しかも、この頃から「頭領」と呼ばれているところから推測すると、既にこの時代で「裏会」実働部隊の最高実力者の地位に位置していた模様。つくづく底が知れない男です。あの根性曲がりの夜未ですら頭を下げざるを得ないのも納得。裏会最高幹部会の皆さんも、ゆめゆめ用心なされた方が良いのではないかと思われます。
あと限の姉ちゃんは、まるで藤田和日郎先生のマンガに出てくるヒロインみたいな、真っ直ぐな性格をした素敵なお嬢さんですね。
「結界師」は藤田和日郎先生のマンガじゃないので、報われずに死んでしまったのが残念(死んでません)。
3. 星南高校の本間くん(最強! 都立あおい坂高校野球部)
チームを勝たせるためにスコアラーの道を歩くことを決意したけど、でもまだプレイヤーへの情熱をあきらめた訳じゃないんだぜ! と一人静かに燃えている、星南高校の本間君がやたら格好いい回でした。地味に人気が出そうなキャラです。
あと、一度握手しただけで彼の内に秘められた闘志を見抜いた、あお高キャプテンの今井君も格好いいと思います。さすがキャプテン。コミックス1巻のおまけマンガで、グローブの感触フェチ、即ち革フェチであることをカミングアウトしただけのことはあります。
なので、そろそろ「あお高」の登場人物紹介のところに、彼の名前も載せてあげてみてはどうか。
4. 「そーだよ、オレは早乙女なんだよ!」(道士郎でござる)
ポックル星人の絵本すらマトモに読めない真性のバカ(誉め言葉)・前島こと早乙女愛が、満を持してついに参戦。実力では絶対に勝てないと判っている相手でも、「早乙女」というマインドネームで呼んでくれた級友のため、あえて戦わなければならない時もある! 真性のバカでしか為し得ない、この雄志を見よ! みたいな感じで、やたらと早乙女君のバカさ加減が輝いていた回だと思いました。
というか、最近のこのマンガって、健助殿とエリたんと学園の支配者・神野以外は基本的にバカしか出て来ていない気がします。バカでしか表現し得ない感動もある、ということなのですね(まちがい)。
5. キムラ先輩(ミノル小林)
「ブリザードアクセル」のアクセルスピンのパロティカットの完璧な美しさといい、キムラ先輩の完璧なバカっぷりといい、今回の「ミノル小林」は作者の水口先生の技術とセンスが良い方向に大爆発してます。
やっぱ水口先生は、バカなヤンキーを描く方が遙かに似合ってますよ!(誉めてます)
番外:黒棘の藤袴(クロザクロ)
「童顔+眼鏡+黒スーツ+日本刀
」という萌え要素の塊みたいな萩を出したと思ったら、返す刀で今週は「少年+大鎌+黒マント
」という、これまた相当に萌え度が高いキャラ・藤袴が登場。「クロザクロ」の快進撃は、もはや止まるところを知りません。
コミックス3巻のおまけマンガで出番を失った女性キャラ達が「この漫画は女キャラに対して冷たい
」とぶーぶー言ってましたけど、本編がこんな調子だったら当分は彼女たちの出番はなさそうです。
■絶対可憐ブロギング
何コレ! なんか想像以上にもの凄い展開になってるよ!
このマンガ、5話目以降って作ることがホントに可能なの!?
と、「絶対可憐チルドレン」の第3話を読んだ直後に思った深沢です。こんにちは。
ちなみに、好きな「からくりサーカス」のオートマータはフラッシュジミーです(聞いてない)。
□
bulkfeed や feedback から「絶チル」の話題を随時検索して表示する機能が思った以上に面白かったので、これの応用として「検索した RSS をエントリ毎に集積して blosxom で管理する
」ページをテスト的に作りました。名付けて絶対可憐ブロギング。安直ですね。
今のところは単に1日に2回くらいのペ-スで定期的にネット(bulkfeed と feedback)を検索して得られた内容を1件単位にバラし、blosxom のエントリとして表示しています。ページのレイアウトその他は、Kyo Nagashima さんが制作・公開している blosxom Starter Kit をほぼそのまんま使用しています。
いずれは google の検索結果なども収集対象にしたり、収集したサイトをBlogrollみたいな形でまとめて公開したりしたいなあとか妄想しているところ。妄想で終わりそうですが。
このページには個々の記事へのコメントやトラックバックを受け付けるといったメタ的な機能はありませんが、「検索対象じゃないサイトで『絶対可憐チルドレン』の話題を見つけたので記録しておきたい!」と思った時のために、トラックバックのプロトコルを利用して記事を投稿する機能を作成しました。説明はこちら。
勿論、あなたのサイトの「絶チル」感想や評論や二次創作の宣伝に利用して下さっても結構です。
こういうことを始めちゃうと、やっぱりRSSで情報を共有し合うBlogは便利だよなー、とつくづく思います。時代は確実にこっちの方に向かってますな。
□
※このページの制作にあたっては、Blog Hacks が大いに役立ちました。著者の方々に感謝。
いやもうホント、プログラミングの腕に覚えがある人なら「オレもMTとかBlosxomとかで何か作りてえ!
」と血湧き肉躍っちゃうこと必至な、超トキメくテクニックが満載なステキブックだと思いました。情報系男子にとっては、百万乙女の恋のバイブル級のバイブルですよ! オススメ!
※追伸:
ご報告頂いているリンクの整理やメールの返事は、今週末に行います。対応遅れてすみません
■読んだマンガ報告041118
あかほりさとる対赤松健のあざといマンガバトル!
先週は赤松健の勝ち!(挨拶)
ついにあかほり原作マンガを投入ですよ。すごいなあ週刊少年マガジン。
マガジンは、いよいよ本格的にソッチ路線で行く決意を固めたのでしょうか。果たしてマガジンは、「しゅーまっは」とか「ななか6/17」とか「スクライド」が載っていた、覚悟を決めてた頃の週刊少年チャンピオンの姿を彷彿とさせる領域にまで到達することができるのでしょうか。
がんばって下さい(平坦な声で)。
□
そして、マガジンにおけるソッチ系路線の最右翼を担う「魔法先生ネギま!」8巻をこの前読んだのですが、
- 偉大な魔法使いであった父親に少しでも近付こうと健気に努力する、主人公の少年!
- その少年に隠された暗い過去が、ついに明らかに!
- 過去に主人公と因縁を持つ、強大な敵との再会! 怒りのあまり暴走する主人公!
- 戦いの中で育まれる、かつてのライバルとの友情! 友に励まされ、主人公は冷静ないつもの自分を取り戻す!
- 努力・友情・勝利! 主人公は過去を乗り越え、自分の進むべき道を見つけ出した!
- そして、成長した主人公の姿を遠くから見守るヒロインが静かに微笑んでエンド!
という、まるで普通の格闘マンガみたいなよくできたストーリーが展開されててビックリ。
お約束ながらも燃えるシチュエーションの連続っぷりに、自分の頭の中に住んでいる中学二年生要素はもう大喜びです。
お約束的な展開をキッチリこなして対象読者(この場合は男子中学生)を満足させるマンガを作ることができる氏の能力は、もうちょっと誉められても良いんじゃないかもと思うのですが、でも氏は絶対に自分のマンガを誉められないように美少女キャラの裸とかおっぱいムニュとかをそこかしこに配置させてカムフラージュを施し、「赤松健のマンガは相変わらずダメだなあ!
」という世論を形成する方向にあえて自らを誘導しているところに、先生のそこはかとない奥ゆかしさを感じます。
ええ、ええ、そりゃもう判ってますとも!(←誰ともなしに)
□
あと、同じく先週発売された「結界師」5巻も読みました。
この巻は、ウロ様の登場を契機に良守が「烏森の地」の秘密の奥深くにさらに踏み込み、またそれと同時に烏森を狙う新たなる敵も登場して来たという意味において、ストーリー的にはかなり重要な部分に位置するエピソードが掲載されているのですが、しかしそれ以上に大切だったと思ったのが
時音の祖母の時子さんは、若かった頃は相当のボインだった
という設定なのではないかと、私は思うのであります。
図らずも、この前のサンデーでは良守の祖父の繁守はボイン好きだったという事実が明らかにされましたが、これは間違いなく昔惚れていた時子さんのボインが原因ですよね。繁守も今後烏森を巡る争いに何らかの形で関わってくる可能性が高いことを考えると、これもまた今後何らかの伏線になって来たりしないのでしょうか。しないのでしょうね(自己完結)。
せいぜい、隔世遺伝の理論に基づいて時音がボインに成長するエピソードが増えるくらいでしょうか。
あと、百合奈が相変わらず激しくカワイイです。今後も、彼女が良守絡みで時音姉さんにつっかかる展開を激しく希望。この冬の「結界師」の同人シーンは、百合奈×時音がキますよ!(来ません)
以上、週末に読んだマンガ報告でした。
■「ハヤテのごとく」個人的まとめページ
「ハヤテのごとく!」が売れている!(挨拶)
我々は今、新しい伝説が生まれる瞬間に立ち会っているのかも知れない!
と戯言を呟いてしまいたくなる程、なんか今「ハヤテのごとく」のコミックス1巻が売れてるらしいじゃないですか。あのハヤテにゃんが! コナミから怒られたハヤテにゃんが! 連載が始まった時、「これ描いてるのって久米田センセ?
」とあちこちで散々誤解された、あの畑先生のハヤテにゃんが! 読み切り版「絶対可憐チルドレン」が掲載された少年サンデー超増刊2003年7月号で「海の勇者ライフセイバーズ」を描いていた(けど、当時はほとんど話題にならなかった)畑先生のハヤテにゃんが! 今、ものすごい勢いで売れ、ネットで話題になっています!
ハヤテにゃんではにゃーん! ハヤテにゃんではにゃーん!
いやホント、blogmapの「書籍・マンガ」の欄で「ハヤテのごとく」1巻と「魔法先生ネギま!」9巻がポイントで並んで同時にトップに立った瞬間を見てしまった以上、素直に「ハヤテ」の力を認めざるを得ません。
「ハヤテ」がネットでネタにされやすい、ネットと親和性が高いマンガだというのは判っていたことではありますが、コミックのおまけマンガで自らネット(というか2ちゃんねる)をネタにしてしまう辺り、作者の「こちら側」の資質はホンモノだと申し上げてよろしいのではないのでしょうか。
畑先生はやっぱり「こちら側」の人間だったんだ! という近親感が、「ハヤテ」の今の人気の原動力の一つになっているのではないか、と私は思います。
以下、私がネットや書店で経験した「ハヤテ」1巻伝説の履歴をまとめてみました:
□
2/17
店長にっきさんで、『
「ハヤテのごとく」はやっぱり全然足りなかった。それでも「ネギま」の半数以上は入れたのですが。ちなみに「ネギま」は3桁です。
』というコメントが登場。
「ネギま」が比較対象になる程、「ハヤテ」が売れているらしいと知る。
2/18
「ハヤテのごとく」1巻公式発売日。職場近くのコミックに強い小さな書店に残っていた、最後の一冊をかろうじて購入することに成功。本屋を探して歩いたけど結局発売日に買えなかった「美鳥の日々」1巻の思い出がフラッシュバックする。買えて良かったYO!
ただ、買えたは良いけど表紙とかがちょっと恥ずかしいので、電車の中で読むのは断念。仕方がないので、一緒に買った「魔法先生ネギま!」9巻を読んで帰宅(矛盾)。
2/19
ヤマカムさんやフラン☆Skinさんなど、「ハヤテ」1巻がニュースサイトやブログなどで次々とネタにされ始める。
本編のアレっぷりもさることながら、カバー裏に仕込まれたネタ、カバー折り返しの4コママンガ、おまけページのタイトル文字に実の母親を起用など、かつての「かってに改蔵」を彷彿とさせる過剰なまでのファンサービスっぷり、そして誌面からにじみ出る作者の人柄の良さに好感が集まっている感じ。
『書店員のたわごと』のたかさんの日記でも、「ハヤテ」の売れ行きの好調さが取り上げられる。この時点で、このマンガの人気は本物だと個人的に確信するに至る。
「売り切れ」の報告が相次ぐ中、早くも重版のお知らせがS-bookに掲載される。動きが速い!
2/20
作者が「
1人2冊買ってね
」とお願いした「ハヤテ」を15冊も買っちゃった猛者(贋作工房さん。2/20の日記参照)が出現。事態はもはや「祭」の様相に。
「
サンデーの新人漫画は出荷数少ない気がします。
」というヤマカムさんの指摘を受け、店長にっきさんが自サイト「あにめ18きん」で「何故新人のコミックの流通量が少ないのか」について解説した文章を公開。書店業界もこの話題で持ちきり!(大げさ)
□
ここまでコミックスが売れれば、もう当分は打ち切りの心配をする必要はないでしょう。仮にアンケート人気が落ちても、「コミックスが売れてるから連載は続けるよ」枠、サンデー専門用語で言うところの拳児枠(現在は「D-LIVE!」が在籍)で保護される対象になるのは確実ではないかと思います。良かったですね畑先生!
この調子で行けば、アニメ化も夢じゃないですよ! アニメ化! 畑先生の作品のアニメ化なので、当然主題歌は林原めぐみが歌うことに! そして、林原めぐみが歌う自作のアニメの主題歌を、畑先生自らがカラオケで歌うのですよ! オタクとして完璧な夢の実現ですよ! 良かったですね畑先生!
更に、これで以前クレームを付けられたコナミから「ハヤテのごとく」のゲームが発売されたりなんかしちゃったりしたら、もう!(先走り過ぎ)
何にしろ、「美鳥の日々」「かってに改蔵」を失い、男性向け萌えマンガ不毛の地と化したサンデーに、ようやく『話題作』と呼べる作品が戻ってきました。「ハヤテ」が持つ今の勢いを生かすも殺すも新生サンデー編集部の腕次第なので、ぜひともこのチャンスを活かして頂きたい! と、サンデーウォッチャーとして思う次第です。
2005/04/22
■2005/04/22のメモ
http://d.hatena.ne.jp/izumino/20050421#p1
「ピアノ・ファイア」のいずみのさんによる、マガジン連載「神to戦国生徒会」絶賛記事。如何にこのマンガが「アホ漫画」として完璧なのかを全力で解説してます。
ここまで大絶賛されると、ウッカリ読みたくなっちゃいますYO!(バカ)
http://hicbc.com/tv/max/
『7/2 土曜日 7:30スタート!
』ってことは、今やってるネクサスは6月末で打ち切りということに。あちゃー
「てれびくん」の次号予告に出ていた「新ウルトラマン」の正体はコイツだったのですね [関連URL]
2005/04/20
■ブックレビュー:お嬢さまことば速修講座
「覚悟」とは苦痛を回避しようとする生物の本能すらも凌駕する魂の事であるが、
「お嬢さま」とは己の気品と尊厳を以て世界と戦う意志を秘めた、気高き魂の有り様の事である!
そんな感じで、週末に出かけた先の本屋にあった「お嬢さまことば速修講座」(ディスカヴァー・トゥエンティワン、監修:加藤ゑみ子)を買ってしまいました。本の存在は知っていて前からちょっと気にはなってはいたのですが、書店で本物を見た途端に私の中の乙女要素が疼いてしまってつい。
ごきげんよう(挨拶)。
それでこの本、タイトルに「速修講座」と銘打ってあるだけあって、いわゆる「お嬢さまことば」を使って会話をするためのコツが、要点を押さえた形で簡潔にまとめられているのが特徴です。文体が「ベテランの礼儀作法の先生がお嬢さまに心得を説く
」ような形になっているので、読んでいるうちに自然と自分が「お嬢さま修行中」みたいなマインドセットになること請け合い。
内容も、実際に「お嬢さまことば」を使う人の喋り方をリサーチして作成されたと言うだけあって、極めて実用的で判りやすく作られています。
曰く、
- お嬢さまなので、「どうも」の代わりに「
恐れ入ります
」を使う。
「どうも」と言ってしまうとお里が知れる。 - お嬢さまなので、語尾に「こと」「の」「て」を付ける、いわゆる「
ことのて結び
」を使って雰囲気を醸し出す。「ですね」→「ですこと
」、「そうですか」→「そうですの
」、「いいの?」→「よろしくって?
」等々。
これらをマスターしないうちにお嬢さまを気取ろうとしても、お里が知れるだけである。 - お嬢さまなので、何か質問されたら必ず「
さようでございますか
」と相槌を打つ。否定的な回答をする場合も、返答の言葉は同様。肯定・否定を曖昧に表現するのがお嬢さまである。
相槌に「ええ」「はい」を使う時は、決して二回以上重ねて「ええ、ええ」とは言ってはならない。使うとお里が知れる。 - お嬢さまなので、困った事態になったら沈黙を守る。あなたが本当のお嬢さまであるならば、慌てずにっこり微笑んでいるだけで、周囲の人々があなたのために事態を収拾してくれるはずである。
慌てて取り繕うようではお里が知れる。 - お嬢さまことばを使う時は、恥ずかしがらずに最後まで、ゆっくりした口調ながらも明瞭に喋ること。「
ごきげんよう
」の挨拶も元気よく。
語尾を省略したりすると、普段使い慣れない言葉を使っているのがバレてお里が知れる。
万事がこんな調子で、お嬢さまを演じきるために必要な心得や技術が一通り書かれてます。
この本を読む必要があるのはお嬢さまでも何でもない普通の人々ばかりなので、お里が知れて俗物扱いされてしまっては元も子もないのであります。
でもまあもっとも、実践編の最後の方にはちゃんと「どうせ相手も『お嬢さま』ではない可能性が高いので、とにかく照れずに自信を持ってお嬢さまことばを使え
」みたいなことが書かれているんですけどね。現実社会にはもはやリアルなお嬢さまはほとんど存在していないということは、本を作る側もちゃんと認識しているのです。
以前ここで紹介した「ヴァーチャル日本語 役割語の謎」にも書かれていたことですが、現代社会における「お嬢さまことば」とは、『この言葉を使う人はステレオタイプなお嬢さまである』ことを表現するために存在している、限りなくフィクションに近いものに過ぎないのです。実際にお嬢さま言葉を使っているのを耳にしたことがあるのは、アニメ版「マリア様がみてる」の小笠原祥子さまの台詞だけ! なんて方も多いのではないのでしょうか。
では、何故今あえて「お嬢さまことば」を使うのか。この本では、それを「気品」という言葉で説明しています。
お嬢さまことばを使う効能として、この言語体系で喋ろうとすると、自然と語り口が謙虚で慎み深く丁寧な、いわゆる「お嬢さま」っぽいものになることが挙げられます。お嬢さまことばを操るためには知性が必要なので、喋りながらも「短縮せず、ゆっくり、最後まで」を心がけながら常に頭を働かせることで、自然と慎み深く丁寧な、気品を帯びた口調になるのです。
即ち、お嬢さまことばには独特の「気品」が宿っており、それ故に使う者の言動や考え方を律する効能があると考えられます。言葉が自分に馴染んで行くに連れ、「お嬢さまことばを使う自分」を自己肯定的に捉えるようになり、やがてその人は自然とその言葉を発するに相応しい気品と人格を宿すことになるでしょう。
そして会話の相手に対しても、「丁寧に喋るお嬢さまと会話をすることで、自分の社会的な立場を高められた感覚」を与えることができ、その相手もまた自分をそれ相応の人物として尊重して接するようになる――と、この本は説きます。相手と自分が相互に高め合う関係になることができれば、自分の「お嬢さま」としての立場は相手が作ってくれるのです。これこそが、お嬢さまことばの本当の力であると言えます。言葉には魂が宿ると申しますが、お嬢さまことばには文字通り「世界を変える力」があるのです。
「マリみて」にも、祥子さまにお嬢さま口調で話しかけられた書店員が、彼女の気品っぷりに圧されて突然丁寧な口調になって返答するなんてシーンがありましたけど、これは現代でもお嬢さまことばの力が十分通用することを端的に象徴したエピソードであると言えましょう。
現代社会でお嬢さまことばを使うということは、相当にしんどいことです。ヘマすれば簡単にお里が知られてしまい、高貴なお嬢さまから「は、はわわわ~
」なドジッ娘に地位が逆戻りしてしまいかねませんし、更にはせっかく習得したお嬢さまことばを他人の悪口を言うことに費やす、お嬢さまの暗黒面に目覚めてしまう可能性があるのもまた事実。
しかし、お嬢さまことばが世界を変える力を持つ言葉である以上、使う者にもそれ相応の心構えが必要になるのです。例えば、「マリみて」の小笠原祥子さまはほとんどの局面においてお嬢さまことばを使いますが、これは単に「彼女は生粋のお嬢さまである」という作品内の記号的な意味合い以上に、「彼女はお嬢さまことばを常に使うことで、己の気品を保とうとしているのだ」と知ることが重要なのです。彼女は親しい人相手にもあえてお嬢さまことばを使うことで、彼女の世界を彼女自身が「お嬢さま」として気高く振る舞うに相応しい場所にするため、あえて日々世界と戦って学園の品位を上げようとしているのです。
祥子さまはただの根性曲がりじゃないんですよ! クィーンオブ根性曲がりなんですよ!(うるさいよ)
なお、「お嬢さまことばで罵声を浴びせられたい!
」と懇願したいどうしようもないマゾヒストな貴方には、この本の巻末にちゃんと「お嬢さまらしいけなしことばリスト」が掲載されているので、「ふくよかでいらっしゃる!
」(デブに対する言い回し)「お派手な趣味でいらして!
」(悪趣味な人に対する言い回し)などの、なまじ政治的に正しいためにかえって怖い言葉の数々を祥子さまヴォイスで脳内再生し、存分に悦に浸って頂きたい。
またbk1にトラックバックできないような書評を書いてしまいました(書評?)。
2005/04/19
■2005/04/19のメモ
http://websunday.net/gx/number/jigou.html
サンデーGXのサイトにおいて、5/19発売のサンデーGX6月号に『GSホームズ極楽大作戦!! 〜血を吸う探偵〜
』が掲載されると告知されました。とりあえず速報 [関連URL]
2005/04/18
■2005/04/18のメモ
http://blogs.dion.ne.jp/forth_place/archives/939342.html
改装工事中の古いビルの天井から、昭和39年に描かれたマンガ太郎さんのセクシー女性のイラストが出てきた! という話。こんなこともあるんですね
http://d.hatena.ne.jp/oroshi/20050418/p1
仕方ないと言ってしまえばそれまでですが、残念です。
反省会やりたい気分
2005/04/17
■2005/04/17のメモ
http://d.hatena.ne.jp/oroshi/20050417/p1
4/27発売の22+23合併号から新連載「クロス×ゲーム」が開始。サンデー春の10週攻勢の締めを飾るのは、「絶対可憐チルドレン」ではなくあだち充先生の新連載だったみたいです。
主人公には幼なじみの四姉妹がいる模様。あだち版美少女わんさかコメディーの予感! [関連URL]
■サイト改装中
ヤングガンガンが売ってねえ!(挨拶)
ヤングガンガンに載ってる久米田先生の新作「いいがかり姉さん」がまだ読めてなくて悔しい深沢です。こんにちは。
以下、近況報告。
- 好きなWebページのメモをサーバ上にクリッピングできる「MM/Memo」というサービスで作った自分のメモを、このブログに取り込む仕掛けを追加しました。4/16にある「2005/04/16のメモ」がそれです。仕組みとしては、自作のMMTodayプラグイン(の修正版)を使用しています。
少年漫画関連のニュースや「絶対可憐チルドレン」の感想や情報などを発見したら逐次メモしてここで紹介、みたいな形でしばらく使ってみようと思ってます。 - あと、せっかくなので、現在このサイトの内部的な構造(blosxomのプラグインの構成とか、ページ生成の方法とか)を見直しています。現在も多少変わってます(ページ下にあるページ移動リンクの部分とか)。
もしかしたら一時的にこのページが見られなっちゃう可能性もありますので、その辺はご了承下さい。 - ここで使ってるbk1プラグインですが、bk1のリニューアルに伴い、現在は使えない状態になっているようです(商品によっては「bk1ストラップ」が表示される。しかも売り切れ)。
bk1の河野さんが公開されているMT版ブラグインの修正版がまもなく公開されると思うので、その時に対応します。 -
「絶対可憐ブロギング」や感想掲示板も、本当はもうちょっと手を加えたいところ。あと、連載時の情報をストックする、Wikiっぽいものも今のうちに作ろうかと思ってます。
連載開始が延びてて助かります(笑)。
2005/04/16
■2005/04/16のメモ
http://www1.odn.ne.jp/cjt24200/yamada/log/13/index.html#09
「かってに改蔵」終了で物議を醸した久米田康治先生がついにヤングガンガンで復活、さっそく大暴れな模様。
さすがです先生
2005/04/15
■山本のりこさんは柔道部じゃなく漫研に行けばモテるのにと思ったサンデー20号感想
- 「私に本気で襲いかかられてもちゃんと対処できまして?」(史上最強の弟子ケンイチ)
- 笑う桂鉱次郎(見上げてごらん)
- 裸の佐藤寿也(MAJOR)
- ゴーストスィーパー鷺ノ宮伊澄(ハヤテのごとく!)
- 「それが武士というものだ」と道士郎に言われた時のエリカの表情(道士郎でござる)
- 番外:絶体絶命デンジャラスじーさん
□
1. 「私に本気で襲いかかられてもちゃんと対処できまして?」(史上最強の弟子ケンイチ)
もし私が美羽に本気で襲いかかられたら、両手両膝を着いて「ふつつか者ですけど、よろしくお願いします!
」と懇願すると思います(挨拶)。
わざわざレオタード姿でケンイチに武道家の心構えを説こうと勝負を仕掛ける美羽は、少年マンガにおける正真正銘のヒロインの鑑ですよ。こうした正統派ヒロインとしてのこまめな努力が、読者が「風林寺美羽 18禁」という文字列を検索サイトに入力する行動に駆り立てる訳ですよ。みんなホント好きなのな!(ドクロ)
あと、話の中に出てきた宮本武蔵が風呂に入らない理由ですが、「敵に隙を見せるのを嫌った
」というよりも、むしろ「修行に熱中するあまり風呂に入るのを忘れていた
」からであると思ってました。どっち?(と言われても)
2. 笑う桂鉱次郎(見上げてごらん)
普段はクールで根が暗そうに見える「見上げてごらん」の鉱次郎ですが、了のことで笑う時はこんなやんちゃないたずらっ子みたいな表情をするんだ! も、萌えー! と、もし自分が女子だったら叫んでいたに違いないです。
自分は、来世ではカップリング大好きな同人女子に生まれ変わる予定なので、来世になった時に読みたいマンガだなあと思いました。
あと今週のサンデーでは、「クロザクロ」に出てきた「童顔+眼鏡+黒スーツ+日本刀」という最強レベルの萌え要素を組み合わせた黒棘の萩を一目見た時も、「もしオレがメガネが大好きな女子だったら…!
」と思わずにはいられませんでした。「クロザクロ」も、また来世になったら(以下略)。
3. 裸の佐藤寿也(MAJOR)
「童顔+眼鏡+黒スーツ+日本刀」は相当な萌え要素であることは先程説明した通りなのですが、今週の「MAJOR」における佐藤寿也の「童顔+筋骨隆々な逞しい体+海パン」のコンボは、その点どうでしょうか。
個人的には、パチンコの「海物語」シリーズに出てくる童顔マッチョなビキニパンツ男にちょっとだけ雰囲気が似てるかな、と思います(湾曲表現)。
あと、吾郎と恋人同士になったにも関わらずほとんど吾郎から気にされていない清水の報われなさレベルは、もはや「いでじゅう!」の朔美ちゃんに匹敵する領域に近付いているのではないかと危惧します。
果たして来週以降、彼女の出番はあるのでしょうか?
4. ゴーストスィーパー鷺ノ宮伊澄(ハヤテのごとく!)
ここで一つお詫びと訂正を。
以前「ハヤテのごとく」に伊澄が登場した際、彼女が破魔札を使って物の怪を撃破する活躍を見せたエピソードがありましたが、当サイトは仮にも「GS美神」のイラストをトップページに頂く椎名高志ファンサイトを標榜しているにも関わらず、彼女のゴーストスィーパーな行動に対して突っ込みを入れるのを忘れていました。
謹んでお詫びし、再発防止に努めていきたい所存です。
そして今週の伊澄は、キッス一つで呪われたアイテムを解呪してしまうという、もしこれが美神令子だったら(というか、椎名高志のマンガだったら)死んでも真似できないような、清楚かつお上品な除霊方法を披露。ゴーストスィーパー鷺ノ宮伊澄の評価は、業界で急上昇したに違いありません(業界?)。
あと、彼女のキャラ紹介には「その言動で周りの者を不幸にするという得意体質
」と書かれてますけど、今週になってついにその才能が発揮された感があります。「GS美神」のお嬢様キャラ・六道冥子の場合は悪意のないまま無邪気にあらゆるものを物理的に破壊する能力を備えていましたが、伊澄が壊すのは物体ではなく人間関係です。人間関係。自分がハヤテに対して「好き」と言うことが何を意味しているのか、おそらく人間関係に無頓着であろう彼女には全く理解できていないはずです。
つまり彼女は、無邪気に周囲に好意を振りまき、狭い範囲の男女間の人間関係をメチャクチャにしてしまうタイプと見ました。サークルとかにいるとありがた迷惑なタイプ。これは確かに、冥子よりも遙かに怖ろしい才能です。この破壊力には業界も震撼するに違いありません(業界?)。
参考:マンガの中に出てきたスレが本当に2ちゃんに立った挙げ句、スレストを喰らって名スレに昇華してしまった
『【中二病】青春の思ヒデwwゲキワロスww』スレッド
5. 「それが武士というものだ」と道士郎に言われた時のエリカの表情(道士郎でござる)
具体的には、P.366 2コマ目のエリたん。「道士郎に対しては何を言っても無駄だ」ということを理解した彼女の、悟ったんだか諦めたんだかよく判らない、何とも言えない深い表情が印象的です。
あと、健助のクラスメート達の「ここはオレに任せて殿は先に!」的展開への憧れっぷりは異常。こいつらホントにバカばっかだなあ(誉めてます)。
番外:絶体絶命デンジャラスじーさん
前回載った時は正直言って何処が面白いのか全く判りませんでしたが、今回は面白さが理解できたような気がする!
また一歩、コロコロコミックに近付いた!(頭の中が)
2005/04/13
■てれびくん5月号ネクサス感想(か?)
「ウルトラマンネクサス」の作品世界って、要するに「実は既に宇宙人が地球にやって来ており、UFOの存在を世間から隠匿するため、FBIやCIAが暗躍しているのだ!
」っていう、いわゆる陰謀マニアでオカルトマニアな人達が大好きな世界観そのまんまであることに、最近になってようやく気付きました(挨拶)。
人々の記憶から怪獣(スペースビースト)のことを抹消して回っているメモリーポリスだとか、そのメモリーポリスの目をかいくぐって組織の陰謀を暴こうとする研究家達とか、「人を襲う謎の怪物」の存在を仄めかす都市伝説だとかがドラマの中に出てくる度に、何だか得も知れない懐かしさを感じていたんですけど、それらは全て「自分が小学生だった頃に学校の図書館で読んだ、子供向けのオカルト本の中に描かれていた世界に存在していた」ものだったんだ! と、勝手に自己完結して納得。
つまりこれは、現在30~40歳くらいのお父さん世代が慣れ親しんだ陰謀史観をドラマで再現することで、よい子のパパ達の心をグッと掴もうとする、巧妙な手口なのです。千樹憐編に入った途端にメモリーポリスのレギュラーに新しい女性キャラ(野々宮瑞生)が追加されたのも、きっとこの世代の視聴者のハートを掴む新たな手段に違いありません。
私は掴まれました。
勿論、こういった要素は子供向けである椎名コミック版「ネクサス」ではほとんど省かれている訳ですが(メモリーポリスの人が出てきたのは全部で3コマ程度)、新名先生は陰謀マニアでオカルトマニアな人に違いないので、また機会があったら、ぜひ「実は既に宇宙人は地球にやって来ているのです!
」みたいなX-FILEっぽい話をやって欲しいと思います。
「一番湯のカナタ」も、本当はそういうことをやりたかったんだろうなあ(妄想)。
□
そんな感じで今更ながら「てれびくん」5月号に掲載されたコミック版「ウルトラマンネクサス」の話題なんですけど、今回は姫矢編のクライマックスとも言える24話がメイン。姫矢がボロボロになりながらも変身して戦う悲壮な姿、結局やられちゃってウルトラ状態で磔にされちゃう姿、臨死状態の中で脳裏に浮かんだ美少女の妄想に励まされて復活する姿、メフィスト溝呂木と光線技を打ち合った挙げ句、コミック版ではあまり面識がないはずの孤門に対して「孤門! 光は絆だ!
」と爽やかに語りながら壮絶に爆死する姿と、もう姫矢さん大活躍。
これで、更にドラマの方に出てきた「TLTに人体実験をされて一度死んじゃう姿」と、「クロムチェスターから光線を食らってもう一度死んじゃう姿」のダブル死に様の描写があったらより完璧だったと思うのですが、さすがに子供向けマンガにそこまで望むのは贅沢というモノでしょうか(そういう問題ではない)。
そして最後のページでは、姫矢から「光の絆」を受け継いだ新たな適合者・千樹憐が登場しました。
如何にも今時の若者っぽいイケメンな彼が最期にどんな死に様を見せてくれるのか、今から期待したいと思います(間違い)。
そして「てれびくん」5月号のグラビアページの方にも「ネクサス」の記事が載ってましたが、そこで映画「ULTRAMAN THE MOVIE」にしか基本的には登場していない初代デュナミストな人(真木舜一)がいきなり紹介されていてビビりました。これはつまり、「ネクサス」を本当の意味で理解したかったら映画版を見ろよ! ということなのでしょうか。
「宇宙船」に載っていた小中和哉監督へのインタビューにも「映画とテレビはリンクしている」なんてことが書いてありましたし、映画を見ておいた方が謎解きをより楽しめる(というか、見てないとよく判らない?)構造になっているのは確かみたいです。
でも映画版ウルトラマンって、映画としての評価がかなり微妙な様子なので、もしDVD化されても個人的には二の足踏みそう。私はどうするべきなのか。
□
あと、椎名センセのサイトの完成原稿速報が更新されてましたね。
セラ役の田中舞ちゃんのカワイイ仕草を細かく描写し、ツラ文字を使ってまで己の萌える心を吐露している椎名先生が微笑ましいです。舞ちゃんに萌えてる椎名先生は萌え対象だと思います。
「絶対可憐チルドレン」の進捗状況が気掛かりです(おわり)。
2005/04/12
■絶対可憐チルドレンが星雲賞コミック部門にノミネート
いきなり本題ですが、「絶対可憐チルドレン」が2005年星雲賞・コミック部門の『参考候補作品』に選ばれています。
ネットで感想を読んだりした範囲では、「絶チル」はSFファンの方から高い評価を得ているっぽい感触はあったんですけど、まさかSFファンによって選ばれる星雲賞にノミネートされるとまでは思っていませんでした。椎名作品は2000年にも「GS美神」が同様に参考候補作品に選ばれたことがありますけど、「絶チル」は「美神」と違ってあくまで短編作品ですからね。それだけ、SF者の心を震わせるモノが「絶チル」にはあったということなのでしょう。ファンとしても喜ばしい限りです。
やっぱり、みんな超能力少女が大好きなんだなあ(間違い)。
□
で、SFという観点では「絶チル」は他のノミネート作品と比べても十分対抗できるだけのスペックを持っていると思いますけど、この中で実際にどの作品が受賞するか? と予想するとすれば、個人的にはあえて「愛人 -AI・REN-」(田中ユタカ)を推したいところです。
この作品、最初のうちは『余命幾ばくもない主人公の少年・イクルが、彼に安らぎを与えるためだけに遺伝子操作によって作られた「愛人」・アイちゃんと、典型的な田中ユタカマンガみたいなラブラブな毎日を送る』――というマンガのはずだったんですが、次第に物語がスケールアップし、最終的には『人類という「生物種」とはいったい何なのか? 人として生きるというのは、どういうことなのか?
』と読者に問いかける、壮大なスケールの物語に成長。田中ユタカ氏が恋愛マンガ家としてのキャリアと才能を全て注ぎ込んだ、畏怖するべきレベルに到達したと言っても決して過言ではない傑作です。死ぬ前までにはみんな読んでおくべき。
あと、道原かつみ氏の「ジョーカー・シリーズ」が完結していたことを、星雲賞のノミネートで初めて知りました。この人のマンガはちゃんとSFとして面白いので、昔はよく読んでた記憶があります。「キャウ・キャット・キャン」がもう大好きで大好きで。15年くらい昔の話ですが(古すぎ)。
「絶チル」は、これらの作品とは違って「SF的なテーマは提示されているけど、物語として完結していない」というディスアドバンテージがあるのが辛いところかなと(「連載化を狙ったパイロット版」という構造上、話がこうなっているのは仕方ないですけど)。勿論、マンガとしては十分にオモロいんですけどね。
まあでも、「絶対可憐チルドレン」が正式連載になり、短編版で提示された「やさぐれ超能力少女の健全な育成」「超能力を『持てる者』と『持たざる者』の間にある葛藤」「定められた未来への挑戦」といったSF的な題材を描ききることができれば、星雲賞に再びノミネートされた挙げ句にコミック部門を受賞するのは確実な勢いですので、その時はぜひ! ということで一つ。
なんかよく判らない記事になってしまいました。
※私信:本職の方がアレな感じなので、しばらくの間は軽めの分量の記事を不定期に飛ばすことになりそうです
2005/04/09
■サンデーコミックス逆ランキング
ちょっと前のことですが、Amazonのアソシエイトプログラムに参加しました(いきなり)。
Amazonにある(自作のbk1プラグインではフォローできない、単行本以外の)商品の画像を合法的に使うのが主な目的です。例えばこんなの。
それでAmazonのアソシエイトを取って一度やってみたかったのが、逆ランキングです。Amazonで商品の一覧を表示させる時には様々な条件で並べ替えができますが、「売れている順」で並べた後、一番最後のページから逆に検索結果を辿ることによって「Amazon売れてないランキング」を作成することが可能なのです(陰険)。
以前、「魔法使いマールの冒険」のマールさんが『amazonで売れていない順のコミックランキング』というネタ(1/17)を公開されていたのですが、その時のランキングトップがワイド版「GS美神」の11巻だったという、このサイト的にはちょっと面白い見過ごせない結果が出ており、いつか自分でもやって結果を検証してやろうと思ってました。
ので、今やります。
□
方法:
Amazonの少年サンデーコミックスの一覧からAmazonランキングを頭から順に辿って逆ランキングを出力するプログラムを、(わざわざ)作成して実行。
Amazonに実際に在庫があるもの(発送期間が「通常~以内に発送」になっているもの)のみをランキング対象とする。
結果:
Amazonサンデーコミックス逆ランキング (05/04/09現在)
考察:
「MAJOR」「犬夜叉」といった、如何にも売れてそうなタイトルが出て来るのが面白いところです。実際、これらの商品の「Amazon.co.jp 売上ランキング」を調べてみると、やっぱりそれなりに売れているのが判ります。
Amazonの「売れている順」は、その商品の売り上げ総数ではなく、最近になって売れた商品の数量に基づいて決められているのではないか? と思われます。旬な商品が上に来る仕掛けですね。まあ当たり前と言えば当たり前ですが。
なんにしろ、ここに美神がいなくて良かったです。
ちなみに上位ランキングはこうなってました。
Amazonサンデーコミックス上位ランキング (05/04/09現在)
あの「ハヤテ」が、あだち・高橋・雷句といった並みいるメジャー作家の作品の更に上を行くAmazonはやっぱり凄いなあと思いました。
2005/04/07
■サンデー19号のまちがった感想
- 「うえきの法則プラス」新連載開始
- 桂鉱次郎(見上げてごらん)
- 「男とトラの入浴シーンで人気が取れると思うな!」(ハヤテのごとく)
- 「掘れ!」(最強! 都立あおい坂高校野球部)
- アクアダ(D-LIVE!!)
- 番外:こわしや我聞
□
1. うえきの法則プラス新連載開始
「大切な人の記憶がなくなる
」という設定から、「カードキャプターさくら」を連想した人?(挨拶)
そんな感じで、アニメと連動する形で急遽黄泉の世界から甦った「うえきの法則」。「記憶がなくなる」という設定は「うえき」本編で築かれた人間関係が実質的にリセットされたことを意味しますし、また今回は能力の法則のルールも「~を~に変える
」から「~に~を加える
」に変更されたので、同じ能力でも使われ方がかなり異なったモノになるのではないのでしょうか。
つまり「うえきプラス」は、『出てくるキャラは一緒だけど、展開が全く異なるマンガ』になる可能性が高いと思われます。唯一これまでの人間関係を記憶している植木が、かつての仲間達とのバトルを通じて再び仲間との絆を取り戻すとか、そういう展開になることが期待されます。
っていうか、これって早い話が一からやり直しってことですか? 「プラス」というよりはむしろ「オルタナティブ」? みたいな?
そんなことはともかく、アニメ版のデザインに触発されたのか、森さんが猛烈にカワイクなっててビビりました。
アニメ化ってすごい!(まちがい)
2. 桂鉱次郎(見上げてごらん)
第一話に登場した時から「ファンタジスタの沖田に似てる!
」と評判だった沖田のそっくりさんの本名が、今回ようやく明らかになりました。テッペイのライバル(でも負ける)的なポジションだった前世とは打って変わり、今回は最初からやたらエラそうなポジションにいる尊大なキャラに生まれ変わったみたいです。出世したなあ沖田(まちがい)。
あと、「ちんこ?
」には激しく笑わせて頂きました(フォロー)。
3. 「男とトラの入浴シーンで人気が取れると思うな!」(ハヤテのごとく)
ハヤテの裸なら人気が取れます!
というか、ハヤテの裸の描き方は、明らかに女性キャラのソレですね。胸におっぱいがない以外は、体のラインにしろ表情にしろ入浴時のポージングにしろ、わざと女性キャラっぽく描いているに違いありません。畑先生狙いすぎです。この分だと、もはやハヤテにちんこがあるかどうかすら怪しいと思われます。
果たして、マリアがハヤテのソコに見たのは、本当にちんこだったのか。それとも、女性のマリアですら思わず見ただけで頬を染めてしまうような、もっと素晴らしく美しい他の何かなのか?(まちがい)
次週から始まる新展開に期待します(フォロー)。
4. 「掘れ!」(あおい坂)
どうやら今回の対戦相手の星南高校は、グランドに穴を掘ってそこからバッティングピッチャーに投球させることで、ボールのリリースポイントが低いアンダースローの投球に慣れる特訓をするのではないか? と予測。
そういえば、昔コロコロコミックか何かで読んだ「凄い球を投げる小学生がプロ野球のピッチャーやっちゃうマンガ」にも、主人公のライバル(大人)がマウンドに穴を堀り、そこからピッチャーに球を投げさせて背の低い小学生投手の攻略方法を編み出そうとする――なんて展開があったことを思い出しました。
突飛な魔球を持つ主人公と、それを突飛な方法で打ち破ろうとするライバル。
いよいよ「あおい坂」にも、本格少年向けファンタジー野球マンガの風格が出てきたなあと思いました(まちがい)。
5. アクアダ(D-LIVE!!)
アクアダ!(挨拶)
何だか、ついに出るモノが出てしまった感があります。こんな変な車が世の中に本当にあることを知らない人も多いんじゃないんでしょうか。
基本的に金持ちのボンボン向けに作ったっぽいこの車(偏見)を、真面目な用途で活躍させることができるマンガはどう考えても「D-LIVE!!」だけなので、今回のエピソードには期待したいところ。というか、こんな車を保有して実際にスパイ大作戦に投入してしまうということは、ASEという組織はやっぱり金持ちのボンボンが道楽で運営していたりするのでしょうか?(まちがってないかも)
あと、オウルは子供相手に手を焼いてる方が似合っていると思った。
番外:こわしや我聞
もし今回の展開で我聞パパが捕まっちゃったりしたら、そこでこのマンガの連載が終わってしまう事は確実だったので、パパが逃げ切ってくれて安心しました。
これからもがんばって逃げ回って下さい(まちがい)。
2005/04/04
■サンデー18号感想というか妄想
- 桔梗×琥珀(犬夜叉)
- 「なんかドリーミンなシナリオがみえるねえ」(最強! 都立あおい坂高校野球部)
- 申し訳なさそうに結界の中で座る時音(結界師)
- クロザクロ新展開
- 眼鏡コンビ(こわしや我聞)
- 番外:今週のMAJOR
□
1. 桔梗×琥珀(犬夜叉)
琥珀といえば、実の姉である珊瑚を心底メロメロにし、イケメン男にしか興味がなかった神楽を少年萌えの世界に目覚めさせた実績を持つ、「犬夜叉」界における年上キラーとして名を馳せているキャラなのですが(自分の頭の中で)、いよいよその手を桔梗にまで伸ばして来ました。
彼から漂う、そこはかとない「つい守ってあげたくなるか弱さ感」「常に姉のことを思っている健気感」「見た目は純朴そうだけど実は相当なワル感」の魅力の前では、さすがの桔梗といえどもあがなえなかったのでしょうか。
犬夜叉に対して一途な想いを貫いている桔梗には、元々「やんちゃな少年萌え」要素があるものと推測されますが、果たして彼女までもが琥珀を通して新しい少年萌え要素に目覚めてしまうのか。年上の女性を常に虜にし続けてきた琥珀の魔性の美少年っぷりが、あの桔梗にも通用するのか? それとも、あの桔梗のことだから、逆に琥珀を自分にメロメロにした上で何かに利用することを企んでいるのか?
盛り上がってきましたね!(視点が相当間違っていることは承知しています)
2. 「なんかドリーミンなシナリオがみえるねえ」(あおい坂)
その「ドリーミンなシナリオ」を実際にやらかしちゃった野球マンガが、同じ雑誌に掲載されているんですけどね! と思いました。
3. 申し訳なさそうに結界の中で座る時音(結界師)
時音が良守の前でこんな表情をしたのは、もしかしたらゴキブリに驚いて良守にカレーをぶちまけた回以来なのではないのでしょうか。しっかり者のお姉さんがたまに失敗をやらかして「とほー」な表情をする様子は萌え要素だと思いました。
あと、「自分を守れなかった」と心底凹んでいる良守に対し、どう接していいのか判らずに焦って目が点になって困惑してる時音もステキです。良守は急いで成長しようと頑張るよりも、むしろもっと時音をそういう年下の男の子特有のセンチメンタリズムを丸出しにして困らせる方向で頑張って頂きたい(視点が相当間違っていることは承知しています)。
そして、裏会から追放されて正守と離ればなれになる事を恐れるあまり、半裸な格好で地面に這いつくばりながら、プライドをかなぐり捨てて「頭領にだけは…
」と懇願する限の姿は、きっとこのマンガにおける新しい形のエロスを表現しているに違いないと思いました(まちがい)。
4. クロザクロ新展開
幼女と一緒に山ごもり! なんですかこの驚愕展開は!
「主人公が力を得るために修行する」今回の展開そのものは少年マンガ的によくあるパターンなのですが、存在自体が色々な意味で少年マンガ的に間違っている幼女キャラがそれに同行することで、何か随分と斬新なイメージを受けてしまう気がするのですが、この辺どうでしょうか。子供に罵られながら成長するヒーロー。っていうか前代未聞?
幹人は「人知れず孤独死」することを恐れていましたが、でもこんな性格の悪い子供と一ヶ月も一緒にいたら、間違いなく発狂して死んでしまうに違いないと思います。大丈夫か幹人(の頭)。
5. 眼鏡コンビ(こわしや我聞)
「こわしや我聞」の辻原・優コンビは、個人的に「人を殺したことがある目を持つ眼鏡キャラコンビ」と命名しています。勝手に。
いやその、どう考えてもこの二人ヤバいじゃないですか! こいつら絶対、人には言えないようなヤバい過去持ってるに決まってるんですよ!(決めつけ)
今週の展開では、辻原は敵(グラサン眼鏡)から「メガネなどかけているから気付かなかった
」と言われてましたが、この台詞はつまり「辻原は過去は眼鏡をかけていなかったが、何らかの理由で自ら眼鏡をかけることを選択した」ことを意味します。彼の眼鏡は、過去の自分に対する封印なのです。それ故に、辻原が眼鏡を取った時には、何かが起こるはずです。
彼が眼鏡という仮面をかなぐり捨てて本気を出す局面が訪れるとしたら、それはこのマンガが重大な局面を迎えた時に他ならないと思われます。
一方、優さんの眼鏡は、いわゆるドジッ娘メガネですね。彼女の眼鏡は、知性的であり、常にユーモアを忘れず、かつワイルドな彼女の性格を端的に象徴する役割を果たしていますが、その一方でメガネっ娘が持つ「肝心なところでドジる」というズッコケ属性も忘れていません。彼女の眼鏡は良い眼鏡です。
とは言え、彼女も人には言えないようなヤバい過去を持っているに違いないので、もし眼鏡を外して普段は隠している真実の姿を表したとしたら、相当ヤバいことが起こりそうな気がしてなりません。辻原はおそらくいつか眼鏡を外す時が来るでしょうが、優さんの眼鏡は決して外させてはいけません。何だかそんな気がします。
私の妄想でしょうか?(妄想です)
番外:今週のMAJOR
今回、めでたく吾郎と清水が恋人同士になった訳ですが、吾郎は(というか、このマンガそのものが)後先考えずに思いつきで勝手にやらかしちゃうところが多々あるので、これから清水さんは大変だなあと思いました。
しかも、これだけヒロインらしい大立ち回りを演じたにも関わらず、ファンからは「このマンガのヒロインって寿也だよね?」とか言われてるに違いないんですよ(決めつけ)。がんばれ清水さん。
2005/03/25
■ウンコティンティン様、その発言はセクハラですよ? サンデー17号感想
- バンソコ女(最強! 都立あおい坂高校野球部)
- 「生理的にダメ!」(いでじゅう!)
- 串刺し志々尾限(結界師)
- 國生ビンタ(こわしや我聞)
- 混乱の神モーズ(東遊記)
- 番外:ムシキング(ハヤテのごとく!)
□
1. バンソコ女(最強! 都立あおい坂高校野球部)
明るい性格の女の子が、学校内から嫌われている非主流派グループに属する男子に向けて気さくに話しかけているシーンを見るだけで、どうしてこんなにグッと来てしまうんだろう?(感想)
いやもう、ホントこの「バンソコ女」こと千葉千秋さんはいい娘さんですね! こんな娘と高校時代に付き合うことができていさえすれば、今頃はきっとオレも今とは違う人生を歩んでいたに違いないのになあ!(むなしい妄想)
そして、「あおい坂」のコミックス1巻が4月に発売されることが明らかになりましたが、千秋が所属しているチアリーディング部が舞台の伝説の読み切りマンガ「ヤンチア」を、ぜひコミックスに掲載して頂きたい所存。コミックス掲載が無理なら、せめて次のサンデーRに掲載でも構いません。「あおい坂」をより面白く読ませる意味でも、「ヤンチア」は何かの媒体でもう一度「あおい坂」のファンが目に触れるような形で公開するべきなんじゃないかと思っています。
それに個人的にも、昨年末の大掃除で「ヤンチア」が掲載されていたサンデー超増刊をうっかり処分してしまったので、「ヤンチア」読めなくて困ってるんですよ(ドジ)。
本編の方は、如何にあおい坂野球部が基礎練習を積んでいるのか、および次の対戦相手の白木田学園がもはや今のあお高にとって歯牙にもかからない程度の存在であるかを、端的に紹介しているエピソードだなあと思いました。実質的な次の関門は、先週で思惑ありげにクールそうなエースピッチャーが登場していた星綾高校戦(第3回戦)になりそう。
あと、鈴緒さんはああ見えて相当な鬼なんだなと思いました。にっこり笑いながら厳しく躾ける彼女のスタイルに、純粋な恐怖感を感じます。あんなことされたら、そりゃもう純朴な野球少年達が身も心もメロメロになる訳ですよ。
2. 「生理的にダメ!」(いでじゅう)
「ヤベエ電車男超えちゃうかも!
」
→「ムリなの! 生理的にダメ!
」
今回は「電車男」かと思わせておいて、実は「電波男」だったというオチ! ド━(゚Д゚)━ ン !!!
女はおっかねえ!(しろはた風に)
『女は男の顔しか見ていない
』という残酷な事実を真正面から描いた今週の「いでじゅう!」は、サンデーの8割の読者どころか、全世界のキモメン男性の心を激しく震わせたに違いありません。
キモメンが人を愛すると、愛された方は傷ついてしまい、キモメンの心もまた傷ついてしまう! 故に、キモメンは人を愛することができないのです! 生きていくためには人一倍の愛が必要なはずのキモメンに対して本当の愛を与えられる者は、もはやこの世には存在しないのです! だから、キモメンは愛を求めることを諦めるしかない! そんなことはもう頭では判っているはずなのに、それでも心の底では愛を求めて止まないサンデー随一のキモメン男・皮村君の「もうこの手の期待はしねえもんって決めてたのにな…
」という呟きに、全世界が泣いた!
また、今回の「いでじゅう!」では、『斯様にキモメンに厳しく世知辛い今の日本に必要なのは、キモメンの苦悩を分かち合うことができる心を持った中山朔美の存在である』ことも、同時に指し示しています。朔美ちゃんは、この世から失われつつある「本当の愛」を救う、かけがえのない希望の一つなのです。
現代社会から「愛」が失われつつある中、日本政府は早急に朔美ちゃん型少女の量産に取りかかるべきだと思いました(量産?)。
3. 串刺し志々尾限(結界師)
結界師を葬り去るために仕組まれた罠に対し、良守と時音は唯一の武器である「結界」の特性をフルに活用して対抗、絶妙のコンビネーションを発揮して窮地を脱出し、逆襲に転じる――ここ最近の「結界師」は、まさにこのマンガでしか表現できない独自の面白さに満ちあふれた、手に汗握る展開を見せてくれています。
特に、先週の「敵の攻撃を避けるために結界を多重に張った空間の中で結界に乗りながら上昇→上空の敵をロックオンして撃破
」のシークエンスなんて、あまりに格好良すぎて思わず震えが来ましたよ!(通勤電車の中で←迷惑)
そんな感じで大活躍している良守時音コンビを後目に、一人寂しく「orz」の体勢でノックアウトされてた志々尾限。
個人的に、今回のエピソードは「一人で先走った志々尾がKO→コンビ技を駆使して戦う良守時音が奮戦、しかし窮地に→チームワークで戦うことの意義に目覚めた志々尾が復活、協力して敵を撃破→トリオ誕生、三人の結束が強まった!」というシークエンスで話が進むと予想していたので、今週ついに志々尾が屈辱に耐えて復活か? 志々尾が良守達と共に戦う、燃える展開が見られるのか? と期待していたのですが、でも結局は散々気を持たせた挙げ句、志々尾が変身して盛り上がったところでいきなり後ろから裏会仲間に串刺しされて再KOという、想定の斜め上を行く事態が発生して終了(志々尾の活躍が)。
今週の展開により、私の頭の中では「志々尾限=肝心な時に活躍できないヘタレキャラ」と認定されました。
皆さんも、多分この認定に異存はないと思います。
4. 國生ビンタ(こわしや我聞)
コミックス5巻においてメイド姿で大活躍した國生さんが、今週の「こわしや我聞」でも更に大活躍。
わずかビンタ一発で、暴走して荒ぶる我聞を鎮めてしまった國生さんの思い切りの良さは萌え対象です。
で、普通のマンガならここで「愛だ! これは、國生さんの我聞に対する愛の成せる技だ!
」とロマンスを予感させる展開に大喜びするところなんですけど、でも國生が我聞を止めようと思った第一の理由は、「我聞を必ず無事に連れ戻す」という果歩との約束があったからであり、彼女が我聞に対して抱いている気持ちはあくまで「家族愛」のソレに近いんですよね。
まあ、父を取り戻す為に戦っている我聞にしろ、自分が失った『家族』を求めて工具楽一家に惹かれている國生にしろ、『家族の絆』がこの作品のテーマの根底に存在しているのは確かなので、これはこれで正しく美しい展開ではあるのですが、ここから更に「國生が我聞を男性として好きになる」少年誌ラブコメ的な展開に持って行くにはまだ道のりが遠そう。
がんばれ藤木先生。
5. 混乱の神モーズ(東遊記)
幼女神!(挨拶)
ここのところ急展開を見せている「東遊記」ですが、いよいよ神々との戦いも大詰めに近付いたところで、満を持して幼女神を投入。物語の中でイチゾーが錫杖の封印を全て解いて本気モードに突入したが如く、作者の酒井先生も己に課していた封印を全て解いて本気モードに入ったことを、読者に強く印象付ける回となりました。幼女神で。
感情の起伏が激しいキャラを極端なデフォルメで描くことを武器にしている(と思われる)酒井先生にとって、ほとんど表情を変えず、何を考えているのか判らない「不思議少女」系キャラを描くのは大きなチャレンジなのではないかと思われますが、個人的に感じるツボに入るのはやっぱり不思議少女の方なので、今週の展開には素直に大喜びです。
また、彼女が「魔力を秘めた宝石」がどうとか言っている以上、宝石に対して異様な執着を見せるロゼと何らかの因縁が発生する可能性は高いでしょう。
邪悪な幼女と性悪女が熾烈なバトルを繰り広げる血湧き肉躍る展開を、今から楽しみにしたいと思います。おっかねえ女さいこう!(バカ)
番外:ムシキング(ハヤテのごとく!)
読み切り版で発生したコナミとの悶着を記憶している方なら、Webサンデーに掲載された今週の畑先生の「ただ、ボカすにしてもゲーム関係は、ほら……ね……
」というコメントがどれほど重いものなのか理解できるでしょう。お疲れさまです畑先生。
にしても、パロディネタを使うためにわざわざパロディ元に許可を求めなければいけないだなんて、ちょっと息苦しいというか、世知辛いものを感じてしまいますな。畑先生のようなタイプのクリエイターは、その辺をグレーにしたまま好き勝手やらせた方が面白いモノを作ってくれそうな感じがするので尚更です。
セガが、漫画家のそういう特性を理解した上で、あえてマンガの中でゲームをネタにすることを許可してくれたのであればありがたいのですが。
やっぱり「ハヤテのごとく」のゲームは、コナミからではなくセガから出すべきですかね?(ゲーム化前提の発言)
2005/03/18
■「結界師」で結界の中をリフトアップする良守時音コンビの姿にグッと来たサンデー16号感想
- 草場道輝先生新連載(見上げてごらん)
- 「NO!! ウンコティンティン!!」(金色のガッシュ!!)
- 今週のブリザードアクセル
- 「ロスト○ニバース第4話TV放映バージョンだ」(ハヤテのごとく!)
- 今週の史上最強の弟子ケンイチ
- 番外:「美味いぜペプシコーラ!」(焼きたて!ジャぱん)
□
1. 草場道輝先生新連載(見上げてごらん)
もしサンデーに久米田先生が残っていたら、草場先生の描く地味なパンチラを「草場っちパンツ」と命名してネタにしたに違いないのに!(感想)
そんな感じで始まった草場道輝先生期待の新連載「見上げてごらん」。冒頭でいきなりグランドスラムに挑む主人公の成長した姿が出てきたり、タイトルで今後主人公の仲間(あるいはライバル)となりそうな少年達がいきなり勢揃いしていたり、そのくせ主人公はテニスの経験がまったくないズブの素人だったりと、どうやら今回の草場先生は壮大な構想に基づいた大河テニスドラマをやる気満々なご様子。「見上げてごらん」というタイトルそのものも、かなり大河っぽいですしね。
『大ヒットしたサッカーマンガの後に壮大なスケールのテニスマンガを始めたけど、志半ばであえなく(以下略)!
』、というのはかつて「キャプテン翼」の高橋陽一先生が通った道ですが、くれぐれもその道を辿ることだけは避けて頂きたい! と切に願う次第です。「ファンタジスタ」における『パスに込める意志』のような、全編に渡るテーマとなり得る概念を打ち出してくれるかどうか期待したいところ。
そして、今後の草場先生のパンツの描写力が万乗先生並の勢いで進化することも、併せて期待したいと思います。
ですので、「ハヤテのごとく」の畑先生におかれましては、草場先生のパンチラ描写力の向上のためにも、そして今は亡き師匠の遺志を継ぐ意味でも、ぜひ草場先生のパンチラの地味っぷりをマンガの中でネタにしてプレッシャーをかけて頂きたい所存。無理なのは判ってますが(なら言うな)。
2. 「NO!! ウンコティンティン!!」(金色のガッシュ!!)
雷句先生大丈夫ですか!(頭が)
今回のファウード編もTVアニメ化されることが予想されますが、いずれこの台詞を言わされるであろうウンコティンティン役の声優さんに、心から同情したい気分になりました。
もしこのキャラがアニメに出たら、やっぱりキャラクターソングが作られるんでしょうか。ウンコティンティンのテーマ。きっと、「私の名前はウンコティンティン! NO! ウンコティンティン!
」とか連呼する、汚物とちんこが大好きなお子様に照準を合わせた明るく楽しい曲になるんでしょうね。
プロの声優は偉大だなあ(結論)。次。
3. 今週のブリザードアクセル
P.156の5コマ目の吹雪君のポーズと表情って、伝説のカルトゲーム「トリオ・ザ・パンチ」のタフガイの必殺技を使った時の姿に、ちょっとだけ似てませんか?(すみません)
タフガイはともかく、話の方は素直に面白かったです。「観客が沢山いればいる程ノリが良くなる
」という主人公の性格を、第1話以上に活かしている印象を受けました。主人公がああいう性格なのは、きっと今回のような話をやりたかったからなんだろうなと思います。絵柄の方も、心なしかサンデーに馴染んできたような(慣れ?)。
そして次回は空前絶後の性別不明っぷりが話題騒然な花音にスポットが当たるそうなので、そっちも期待。とりあえず脱いで下さい。
サンデー読者は嗜好の許容範囲が寛大なので、仮にどっちの性別が出て来たとしても、みんな大喜びすると思います。
4. 「ロスト○ニバース第4話TV放映バージョンだ」(ハヤテのごとく!)
放送禁止番組ネタやクズアニメネタは昔からオタクでの間の定番ジョークですけど、今の世代のオタクだと「ロスユニ」第4話はそういう話題には欠かせない存在になっているんだな、と思いました。
個人的には、ここであえてTV放送版「魔法先生ネギま!」の名前を出して宣戦布告をして欲しかったです。DVD版では修正されるってホントですか?(←誰に聞いているのか)
マンガの中身としては、ワタル君のいい子っぷりが印象的でした。
伊澄から認められるために成長しようとがんばるワタルを見守りながら「だからほうっておけないんですよ
」と大人びたこと言ってるサキさんですが、でも介護が必要なのはむしろ彼女の方なのではないかと言っておきたい。
5. 今週の史上最強の弟子ケンイチ
今週の「ケンイチ」は、窮地に陥ったケンイチが師匠の技を次々に繰り出して大逆転! という、爽快感溢れるイカした展開を見せてくれました。師匠わんさかコメディーの面目躍如と言えましょう。
弟子に自分の技をマネされた時の師匠達の照れる姿の可愛らしさが萌えです(特に逆鬼)。師匠×弟子の関係で妄想する女子の皆さんの気持ちがちょっとだけ判った気分。
にしてもここ最近のこのマンガは、まるでこの戦いが終わったら最終回を迎えてしまいそうなくらいの勢いで盛り上がっているような気がしてならないのですが、龍斗との戦いが終わったらこのマンガは一体何処へ向かうつもりなのでしょうか。そろそろそっちの方が気になってきました。
番外:「美味いぜペプシコーラ!」(焼きたて!ジャぱん)
タイアップ!(挨拶)
ここまで来ると、マンガの中身がどうだと言うより、桃屋だろうがペプシだろうが取り込んでギャグとして成立させてしまう、橋口先生の漫画家としてのプロフェッショナビリティっぷりに感動してしまいます。
「MAJOR」がミズノと独占的な用具提供契約を行ったなんてニュースも流れてましたが、サンデーは今後もこういう方向性を追求して行くのでしょうか。なんか「コロコロコミック」みたいだなあ。
2005/03/15
■てれびくん4月号
「ウルトラマンネクサス」を観ていなくて、「てれびくん」版ネクサスも読んだことがない方への解説:
3/14更新分の椎名百貨店Webの原稿速報に掲載された褐色の肌の美少女・セラちゃんですが、この娘は既に死んでます(ドクロ)。
というか、ドラマの中で如何にも東南アジア系な雰囲気を醸し出しているセラ役の女の子を演じているのが日本人(田中舞)だと知ってビックリ。子役と言えども、やっぱり役者ってすごいなあと思いました。
そんな感じで、今回はてれびくん掲載のコミック版「ネクサス」と、あと本編のことを少し。
□
で、今「ネクサス」と言えば、Google Suggestで「ウルトラマンネクサス」と検索すると、検索候補の筆頭に「ウルトラマンネクサス 打ち切り
」が出てきてしまうくらいホットな状況(湾曲表現)になってますが(*)、それはそれとして、ここ最近の「ネクサス」はホント面白くなっていると思いますよ。いやマジで。
これまで(~16話)の「ネクサス」は、内容が面白いかどうかという以前に「色々な意味で凄すぎる
」(陰鬱な展開とかが)という文脈で語られても致し方がない内容だったと思うのですが、主人公の狐門君が恋人の死を乗り越えて戦う決意を固めた話以後(17話~)からは、ドラマの雰囲気がかなり変わりつつあります。
個人的にちょっと感動したのが、第20話でビーストの写真の撮影に成功したけどビーストに襲われて死んでしまったカメラマン(保呂草)の助手(潤平)が、MPに記憶を消されてしまったにも関わらず、保呂草の遺志を継いで自分もカメラマンを目指すと言い出すシーンでした。
ビーストに殺されてしまった保呂草は、元々(現在ウルトラマンに変身してビーストと戦っている)姫矢がカメラマン時代に戦場で最後に撮影した写真に感銘を受けてカメラマンになることを志した、「姫矢の志を継ぐ存在」とも言える人だったのですが、そんな彼が亡くなっても、彼の志は更に次の人間へと受け継がれていく――これはつまり、姫矢の意志が「絆」によって結ばれ、新しい世代に伝えられていくことの象徴であると言えます。このドラマのタイトルにもなっている「ネクサス(絆)」という概念が、いよいよ具体的な形となってドラマの中に登場するようになったんだなあ、と感心させられるエピソードでしたね。
もっとも椎名コミック版では、この辺のエピソードは諸般の都合で端折られていますが。
今回コミック版が注目したのは、溝呂木がダークメフィストと化したきっかけを描いた過去話(17~18話)と、立て続けにビーストと戦ったおかげですっかり消耗してしまった姫矢のフラフラっぷり(19~21話)の方でした。
結果的にウルトラマンとTLTが怪獣と戦うエピソードが連続する構成になっているので、今回は格闘マンガとして普通に楽しめる内容になっています。その上、姫矢がTLTに捕獲されてしまうところ(21話)で話が終わっているので、次回への「引き」の要素も十分。
果たして姫矢の運命や如何に!? という、原作ドラマを見た時のスリルを再び味わえる内容になっているのは流石です。
まあでも、「てれびくん」4月号のネクサスの記事には、「今までネクサスに変身していた姫矢准が、ダークメフィストとの戦いで行方不明に!
」「誕生! ネクサスジュネッスブルー! 姫矢に代わってネクサスに変身する適能者に選ばれたのは千樹燐だ!
」と、早くも姫矢がリタイアしてネクサスが代替わりすることがハッキリと明記されているので、ある意味台無しではあるんですけどね。さすがはよい子達に真のジャーナリズムを伝える情報専門誌、例え同じ雑誌に掲載されているコミックに対しても、まったく容赦がありません。
コミック版では、「ネクサス(絆)」の継承がどのような形で表現されるのか。そこが次回以降の見どころでしょうか。
で、原稿速報で椎名先生が言っている「シリーズ前半のクライマックス」ですが、次回の3/19に放送される予定の第24話『英雄 ―ヒーロー―』が、まさにそのクライマックスにあたる回となります。
「岩に縛られて磔にされたウルトラマン」というショッキング極まりないシーンから開始されるであろうこのエピソード、まだ「ネクサス」を観たことがない方が試しに観てみるには丁度良い機会なんじゃないかと思われるので、興味がある方はご覧になってみて下さい。ネクサスが「凄い
」理由が判るかも知れませんよ?(煽り)
□
あと「てれびくん」に載ってた記事では、「仮面ライダー響鬼」に登場する新ライダー・威吹鬼(いぶき)が格好良いと思いました。武器がラッパなところが特に萌えです。「烈風を力強く吹き鳴らすぞ!」ってアオリ文句も熱いです。更に、ラッパなくせに変形してマシンガンになるところはもっと熱いです。
これのオモチャが欲しいです(真顔で)。
□
※「ネクサス打ち切りはデマ」という情報も既にありますね
http://www.c-player.com/ac27486/thread/1100009791506
2005/03/11
■杉本ペロ先生とワイルドアームスの組み合わせは異常だと思ったサンデー15号感想
- 鈴木央先生登場(ブリザードアクセル)
- 「私は誰も死なせぬ!」(金色のガッシュ)
- 白爪の七人(クロザクロ)
- 「オレは絶対テメーにゃ負けねえ!」(道士郎でござる)
- 「女にモテたこと…ねぇでしょ?」(からくりサーカス)
- 番外:三木のり平(焼きたて! ジャぱんですよ)
□
1. 鈴木央先生登場(ブリザードアクセル)
「ブリザードアクセル」が載ってるとこだけ雰囲気がジャンプだ!(感想)
普通の漫画家の場合だと、掲載誌が変わったら作風が多少なりともその雑誌のカラーに沿った雰囲気になったりするものだと思うのですが、鈴木央先生の場合は何かそういうのが無いような気がします。
P.26で「もっと騒いでくんねーんだよー!
」と騒ぐ主人公の描写の仕方なんか、言葉で表現するのは難しいんですけど、でも何となく「表現の仕方がジャンプっぽいなあ」とか思いません?(思い込み)
それで内容の方ですが、読み切り版とは大きく話の中身を変えて勝負に出て来たな、という印象です。全編に渡ってコメディータッチだった読み切り版とは違い、今回は主人公のコンプレックスをフィギィアスケートを通して昇華させることで精神的に成長して行く過程を描く、正統派少年マンガな展開を期待させてくれる雰囲気の作品だと思いました。今年のサンデーの中軸を担えるマンガに成長してくれることを期待します。
後は、主人公の友人の花音というキャラの性別が、個人的には激しく気になります。着ている学生服からすると多分男なんだろうけど、カラーページのイラストでスカートのようなものを履いて踊っているのが混乱の元凶。ぜひ脱がせて下さい。
2. 「私は誰も死なせぬ!」(金色のガッシュ)
仲間の命か、世界の滅亡か。相反する選択を突きつけられたガッシュは、悩んだ末に「私は誰も死なせぬ!
」とどちらも救う道を探すことを高らかに宣言。仲間を救うためには『ファウードを復活させる』危険を冒すことも厭わない勇気を仲間達に見せることで、彼はついに「王への道」を歩み始めたのだ――というお話でした。
王への道、即ち王道。ガッシュの選択した道は、「少年漫画として正しい選択肢はそれしかない!」という意味においても、まさに王道の展開となりました。雷句誠先生は『ヒーロー』を描くことに対して常に激しい情熱を抱いている方ですが、だからこそこんな王道的展開であっても説得力を持ったストーリーが描けるんだな、と感心させられた次第です。
で、それはそれとして、今週の「ガッシュ」では、ガッシュの尻を頭の突起物でしきりに突くリーヤの姿が印象に残りました。だって尻ですよ尻。尻を突起物で突っつくんですよ。これは一体なんの暗示ですか? 「それはリーヤの友好のしるしだ。気に入られたものだな
」ということは、リーヤ×ガッシュは既に飼い主公認のカップリングということに?(バカ)
あと、P.83でガッシュが「この選択にはまだ時間がある!
」と叫んだ時に清麿が見せた邪悪な笑みが忘れられません。いったい清麿殿に何が!(バカ)
3. 白爪の七人(クロザクロ)
初登場時から、早くも「敵か味方か判らないけど、こんなのが味方になったら嫌だ
」と思わせるに十分な負の迫力を醸し出していた「クロザクロ」のおかしな六人組ですが、どうやら彼らは御形の仲間だったらしいです。つまり、敵か味方かという分類で行けば、彼らは味方ということに。マジすか! こんなのが味方になっちゃうんですかこのマンガ!
今週の話の中でも、彼らはどれも容姿に違わぬ一癖ありそうな性格のキャラとして描かれており、こんな連中にこれからつきまとわれることになる幹人君は大変だなあと思ってしまいました。
この中でも特に嫌でも目を惹くのが、「菘(すずな)」「蘿蔔(すずしろ)」と名付けられた白黒ゴスロリ少女コンビ。本来私のような立ち位置にいる読者は、彼女達に対して「ゴスロリ幼女! 夏目先生デザインのゴスロリ幼女! モエー! モエー!
」と、時節を弁えず脊髄反射的に叫び出さないといけないはずなんですけど、でもさすがの私ですら、彼女たちに対して萌えることを激しく躊躇わせる何かがあります。あまりに怖くて、うっかり萌えられません。
さりげなく幹人の肩を馴れ馴れしく叩くパンダのぬいぐるみに恐怖しながら次。
※今週の豆知識:「白爪の七人」の名前は、春の七草に由来しています
4. 「オレは絶対テメーにゃ負けねえ!」(道士郎でござる)
平時における腕力のなさではサンデーの中でも「クロザクロ」の幹人に比類するくらい非力な「道士郎でござる」の健助殿が、ついに今週ヤンキー相手に「オレは絶対テメーにゃ負けねえ!
」と大激怒。
彼の言う「強い」「弱い」は腕力のことではなく、人としての器とかそういったメタなレベルの概念のことを指していると思われますが、権力を傘に平気で他人の尊厳を踏みにじる様を目の当たりにした健助は、いよいよ『人として最も大事なもの』に目覚めつつあります。
彼が本当の意味でのリーダー(道士郎的な表現で行けば「殿」)となるための戦いが、今ついに始まったのです。
なんか純粋に「がんばれ健助殿!」と応援したくなる展開で燃え。自分も池内君と一緒に健助殿伝説の語り部になりてえ。
5.「女にモテたこと…ねぇでしょ?」(からくりサーカス)
今、阿紫花さんがサンデー読者の8割を敵に回したー!(感想)
おそらく阿紫花最期の戦いになるであろう今回の対戦相手が、(過去に因縁があったとは言え)何故よりによってパンタローネ様なのか? と、このマッチアップに対してちょっと疑問に思っていたのですが、今週の「からくり」を読んで納得しました。
つまり今回の対戦は、これまで様々な女にモテて来た阿紫花と、たった一人の女主人にすらモテることができなかったパンタローネを対比させ、彼らオートマータが何故人間を「笑わせる」ことができないのか? というこの作品の命題とも言えるテーマを、この二人に象徴させる意味合いがあったのではないかと思います。こういう展開なら、確かに軟派な阿紫花と堅物のパンタローネの組み合わせがお似合いですね。
という意図はよく判ったのですが、でもやっぱり「女にモテたこと…ねぇでしょ?
」という台詞は刺さりますね。心に。
番外:三木のり平(焼きたて! ジャぱんですよ)
タイアップ!(挨拶)
アニメ版「焼きたて! ジャぱん
」はコンビニのローソンとタイアップを結んで「ジャぱん」ブランドの限定パンを販売、通常の菓子パンを遙かに超える好調な売れ行きを見せている――なんてニュースがこの前「ワールドビジネスサテライト」で流れてましたが、まさか「ジャぱん」タイアップ業界に桃屋が参入して来るとは想像もしてませんでした。いくら何でも、三木のり平は飛び道具としてあまりにも強烈過ぎます。
この前のジャムおじさんネタといい、もっと前のメーテルネタといい、「ジャぱん」は権利方面で無茶なことばっかりしてますね! いいぞいいぞもっとやれ!(無責任)
そして、食パンに「ごはんですよ」を塗って食べるソリューションは、「ご飯にかけて食べると美味しいものは、パスタにかけても食える
」理論(例:パスタ+納豆)を応用したものと解釈しました。一度試してみたくなる衝動に駆られます。きっと、今週は全国のスーパーで「ごはんですよ」の売れ行きが異常な伸びを示しているに違いないです! タイアップおそるべし!
でも、ご飯と一緒に食べると美味いモノは、素直にご飯と一緒に食べた方が良いのでは?(だいなし)
2005/03/09
■おたく:人格=空間=都市
今日はマンガとかあまり関係なく、普通の日記っぽいこと書きます(挨拶)。
週末に都内に出る用事があったので、せっかくだからということで恵比寿の東京都写真美術館でやってた「グローバルメディア2005 おたく:人格=空間=都市」展(以下、おたく展)を観てきました。ヴェネチアの国際建築展で公開されて好評を博した(らしい)展示を再現しました! という触れ込みのアレです。
会場には午後1時過ぎに着いたのですが、既にかなりの入場待ち行列が発生しており、実際に入場できるまでに1時間近くかかってしまいました。こんな行列作ってまで「おたく」的なモノをわざわざ見たいだなんて、みんなモノ好きなのだなあと思いました(人のこと言えませんが)。
展示内容は、ラジオ会館とかに置いてあるレンタルショーケースの再現、床に貼られたり天井から吊されたりしている色々なアニメの販促ポスター、様々なジャンルの同人誌の実物展示、コミケのサークルカットを実際の配置通りに展開してみた図、模型で表現した秋葉原の町並み。そんな感じ。
全体的に、いわゆる「おたく」的な、更に言えば「秋葉原」的なエッセンスを展覧会の会場に濃縮して見せてやろうという意図が感じられ、「海外の展覧会向けとはいえ、よくもここまでそれっぽいモノを集められたものだ
」と感心させられましたが、何しろ観客の数が多かったので、個々の展示物や会場全体の雰囲気をじっくり味わって鑑賞できる雰囲気ではなかったですね。
まあ、常に人で混雑しているのが秋葉原の特徴でもあるので、会場内で秋葉原同様の混雑を生み出す我々の存在も、また「おたく展」の展示物の中の一つなのだ! みたいなメタ的な意図があったのかも知れませんが(多分考えすぎ)。
そして今回の展示物のメインは、「趣都の誕生・萌える都市アキハバラ」で主張されている『秋葉原という街の今の形は、秋葉原に集う「おたく」の個室を巨大化させたものである』という「おたく:人格=空間=都市」論を具体化した「おたくの個室」と銘打った部屋なのですが、でも「この部屋に入るだけで更に1時間程待つことになりますが、よろしいですか?
」とか案内の人に言われたので、さすがに断念してしまいました。コミケでだってそんなに並んだこと滅多にないのに!(ダメ)
ヴェネチアならともかく、ここ東京では「おたくの部屋」なんてそれこそ普遍的に存在しているものだと思うのですが、それでもあえておたくの部屋を見たいだなんて、みんなモノ好きだなあと思いました(人のこと言えませんが)。
それでこの展示を我々が見る価値があるかどうかなのですが、基本的にこの展示で提示されているおたく的なフレーバーは、基本的には恵比寿から電車で30分くらいで行ける秋葉原の駅前にある秋葉原ラジオ会館に行けば得られるものばかりなので、少なくとも日本在住の現役おたくな皆様方なら、あえて行く必要性はないでしょう。秋葉原さいこう。
強いて言えば、「趣都の誕生」で述べられている理論が具体化した姿を見てみたい評論家気質の方、および身近におたくがいないけど「おたくの空間」というものがどんなものかを見てみたい物好きな方向けでしょうか。ただ、前述したように会場内は混雑が予想されるので、「おたくの個室」を実際に見たい方は長蛇の列を覚悟した方が良いです。
□
あと、(既に終わってしまいましたが)同じ東京都写真美術館で開催されていた文化庁メディア芸術祭も見てきました。
「マインドゲーム」が想像以上に変なアニメでビビったこと、「まかせてイルか!」が普通に面白そうだったので全部見てみたいなあと思ったこと、ニンテンドーDSの「ピクトチャット」が異様に面白いのでDS欲しいと発作的に思ったこと、「YKK AP EVOLUTION」の『海岸や線路の上を浮遊する空想物体』の格好良さにグッと来たこと、あと「夢」における夢オチの引っ繰り返しっぷりが印象に残りました。
以上、普通の日記でした。
2005/03/05
■佐藤×高木カップル成立記念 サンデー14号感想
- 「甘ったれめ! お前が決めるんだ!」(金色のガッシュ!!)
- 「D-LIVE!!」100回記念
- お互いの事を考えてる九蓋と幹人(クロザクロ)
- 今週の「ハヤテのごとく!!」
- 狛光爾を見て目覚める北大路輝太郎(最強!! 都立あおい坂高校野球部)
- 番外:ギャグフェスタ2005
□
1.「甘ったれめ! お前が決めるんだ!」(金色のガッシュ)
「君も決めなければならない。リィエンという友の死か、全世界の人々の死か、どちらかを
」
大切な人の命と世界の運命を天秤にかけられる、という展開はヒーローもの作品のクライマックスとしてよくあるパターンではありますが、それだけに読んでて盛り上がるのも確かです。
魔界の王の力とは絶対的なものであり、それだけに王となる者には、自分が行使すると決めた力が及ぼす全ての物事に対する責任を背負う"義務"と"覚悟"が必要となります。清麿が言う『決して逃げられない究極の選択を背負う覚悟
』とは、即ち王たるものが持たなければならない資格そのものでもあるのです。
「ファウード」という巨大な力を復活させる鍵となることで、図らずも世界の命運を背負うこととなったガッシュ。いよいよ物語は、ガッシュが「王」となるための英雄譚的色彩を帯びて来たと感じました。
そんな感じで今週の「ガッシュ」はこれからに向けて盛り上がれるいいお話だったんですけど、ただ一つ間違っているところがあるとするならば、究極の選択に迷うガッシュに「甘ったれめ! お前が決めるんだ!
」と決断を促す魔物・リーヤのデザインが、やたら可愛すぎるので迫力に欠ける点でしょうか。
リーヤちゃんモコモコの着ぐるみを着てあったかそうでちゅねー(バカ)
2.「D-LIVE!!」100回記念
微妙な掲載位置を常にキープしながらも、着実に連載回数を積み重ねて来た「D-LIVE!!」。
今のサンデーで2年間連載を続けるのはかなり難しいことを考えれば、何だかんだで「D-LIVE!!」は連載作品として成功しているですよねー。大したものです。
それで今週はついにマン島TT編完結。
口では「俺の背中が見えなくなった時点で俺とお前は敵対関係だぜ!
」とかツンツンした台詞を言っておきながら、心の中では「今度はお前と差しで戦ってみたいぜ!
」とデレデレしたことを妄想している、最後の最後までツンデレ系キャラとしての誇りを貫き通したロコが徹底的に可愛かったエピソードとして、永遠に記憶していきたいと思いました。
3.お互いの事を考えてる九蓋と幹人(クロザクロ)
今回の「クロザクロ」は、ニワトリをぼんやり見つめながら、何気なくお互いのことを考えてる幹人と九蓋の相思相愛っぷりに萌える回と認識しました。
ああ、自分が独身男性じゃなくて、カップリング大好きな女子に生まれていたら(以下略)。
あと今週は、敵だか味方だかよく判らない不審人物が6人まとめて見開きページを使って登場しましたが、この中で人間的にまだしもマトモそうに見えるのがたった一人だけ(右から2番目)しかいないのが気掛かりです。ギリギリで乙種合格レベルなのが一人(一番右)。左側にいる残りの4人は、明らかに容姿で人生アウトです。このまま平松伸二氏のマンガ「ブラックエンジェルス」の世界に行っても敵役として立派に通用しそうなフリークスっぷりがたまりません。
こんな連中と比べれば、「傀牙の上位種」と謳われるザクロやスグリ達の方が、まだしも『人間』に近いのではないか? と思いました。最近の「クロザクロ」に出てくる連中って、何だかこんなのばっかりですね。勿論、個人的には大喜びです。
4. 今週の「ハヤテのごとく!!」
先週いきなり「性格の悪いヒロインの許嫁」なんてネガティブな存在が出てきたので、作者はどんなつもりでこのキャラを出したんだ? と訝しんでいましたが、今週の物語を読んで納得。彼(橘ワタル)はハヤテの直接のライバル的な存在ではなく、あくまで「ホレてる伊澄とハヤテとの関係を誤解して突っかかってくるトラブルメーカー」に徹する方向で攻めるキャラな訳ですね。
彼が出れば必然的に伊澄の出番も増えてくるので、必然的に伊澄とハヤテとの絡みも増えることになり、物語は更に『勘違いドタバタラブコメ』みたいな雰囲気に。上手いこと仕掛けを作ってるなあ、と感心しました。
あとちょっと面白いのが、ハヤテにしろワタルにしろ、どちらも「年上の女性に惚れている」という点。年上の女性に永遠の憧れを持つ男性心理を突くことを狙っているのでしょうか。それとも、単に作者の趣味なのでしょうか。
とりあえず畑先生は、年上萌えに並ぶ先生のもう一つの趣味である「女装癖」を満たすため、とっととワタル君を女装させるべきです(決めつけ)。
5. 狛光爾を見て目覚める北大路輝太郎(最強!! 都立あおい坂高校野球部)
宝田と同レベルのバカ勝負に熱中していた北大路の前に颯爽と登場し、遙かな高見から北大路を尊大な態度で見つめる光爾。彼の存在に気付き、己がなすべき本当の使命を思い出した北大路は、ついに本当の実力を発揮し始めるのであった!
まだ第一回戦なのに、まるで最終決戦間近クラスの格好いいシチュエーションだなあと思いました(縁起でもない)。
おそらく、これで第一回戦はあお高の勝ちで決定でしょう。北大路と宝田はバカさ加減においても野球の実力においてもおそらく同レベルですが、本当の意味での"ライバル"を持っている北大路と持っていない宝田の差が、勝負の結果となって現れたのだ! みたいな展開になるんじゃないかと予想。
番外:ギャグフェスタ2005
個人的には、河北タケシ氏の「やってくる!!」の勝ちと判定しました。
「犬ちゃん」の頃からこの人の作品が醸し出す微妙な雰囲気が好きなので、河北氏にはこの調子でこれからも頑張って頂きたいと思います。
2005/03/03
■逆襲の久米田
久米田の野郎、やりやがったな!(赤松健の声で挨拶)
『久米田康治先生が4月から週刊少年マガジンで連載を始める』という事件が発覚し、マンガ系サイトの話題はこれでもちきり! 「エイケン」の松山せいじ先生まで大喜び! だったりした今日この頃、皆さま如何お過ごしでしたでしょうか。
「かってに改蔵」連載時には前サンデー編集長との様々な確執が伝えられ、連載そのものは成功したにも関わらず心理的には結局一敗地にまみれる事となってしまった久米田氏ではありますが、まさか次の作品をサンデーではなくマガジンで連載する行動に出るとは。流石です。
例え精神的には絶望の淵に追い込まれていても、久米田先生はどこまでも芸人魂を忘れない人なんだなあと思いました。
ネットでは、既に久米田氏の永遠のライバル(というか、一方的に久米田氏がケンカ売ってただけのような気もしますが)である赤松健氏との絡みに対する期待感が高まっており、この件をネタに赤松氏が公式にコメントを発表する(2/26)程の盛り上がりを見せています。このコメントからは赤松氏も今回の事態を随分と楽しんでいる様子が伺え、微笑ましい限りです。
そんな感じで、両氏の関係を知っている少年マンガのファンにとっては今後のマガジン誌上での展開か今から楽しみなところなのですが、でもこの事態をサンデー編集部の側から観測してみると、そりゃもう「心中穏やかではない」どころの騒ぎじゃ済まないレベルなのは間違いないものと思われます。
サンデーも今月から新連載攻勢が開始されることが明らかになっていますが、いかな「ライジングインパクト」の鈴木央先生の威光を持ってしても、「久米田康治がマガジンで連載
」ネタの話題性には色々な意味で勝ててません。
仮に久米田氏の次回作がサンデーで描かれることになっていたとしたら、今のような大騒ぎにはならなかったろうとは言え「弟子の畑先生とのコラボレーション
」的な盛り上がりが期待できたであろうことを考えると、やっぱり久米田先生を失ったことはサンデーにとって大変に勿体ないと言わざるを得ません。
というか、当の畑先生からすると、今回の事態は『非業の死を遂げたはずの師匠・久米田先生が、サンデーに復讐するために地獄から甦り、「永遠の天敵」であるはずの赤松健氏と手を組んだ!
』 ということになる訳ですよ。かつての師匠が自分の敵に! まるでジャンプの格闘マンガみたいな熱い展開じゃないですか先生!
本当の敵を倒すためには、まず己の師匠を倒して乗り越えなければならないんですよ先生! 「武装連金」のカズキとブラボーみたいな関係でかっこいいですよ先生! 「善でも悪でも、最後まで貫き通せた信念に偽りなどは何一つない!」「さよならは言ったはずだ! 別れたはずだ!」 ですよ先生! 畑先生のマンガが読めるのはジャンプだけ!(サンデーだけです)
いやまあ、我々のようなファンは、サンデーの被った機会損失や、畑先生が背負うことになった「武装連金」のカズキ並に重い新たな十字架のことなんかは全く気にしないで、無責任に「わーすげえー久米田先生やるなあー」と騒いでいればいいんですけどね(ドクロ)。
あの久米田先生がサンデーとはまったくノリが違う上に「外様作家に厳しい」と伝えられる週刊少年マガジンとノリが合うのかどうかはまだまだ未知数ですが、4月からマガジンで始まる予定の「さよなら絶望先生」が今年の春の話題作になることは、もはや間違いないでしょう。赤松先生や畑先生の今後の動向も含め、期待して行きたい所存です。
□
あと、一応このサイトの本旨的な話題にも触れておきますが、サンデー3月新連載のラインナップの中に椎名高志先生の新連載「絶対可憐チルドレン」の名前がなかったことを考えると、多分連載が始まるのは4月になるんじゃないかと思われます。ゴールデンウィークが始まる時期辺りでしょうか。「一番湯のカナタ」が始まったのと同じ時期ですね。
でもそうなると、久米田先生の「さよなら絶望先生」と連載開始週がぶつかることになりそう。もしそうなったら、なんかもの凄く分が悪そうな気がします(椎名氏側に)。
2005/02/26
■風邪引きました…(近況) サンデー13号感想
- 清水(MAJOR)
- 勝ち気でドジで眼鏡なメイドのお姉さん(ハヤテのごとく)
- 眼鏡を外したオーディン(史上最強の弟子ケンイチ)
- 皮村(いでじゅう!)
- 「こいつとなら頂点に行けそうだ!」(D-LIVE!!)
- 番外:あやかし堂のホウライ
□
1. 清水(MAJOR)
アニメ版も好調らしい「MAJOR」ですが、サンデーの方ではついに連載500回に到達した模様。おめでとうございます。かつてサンデーコミックス内では最長だった「GS美神」のコミックス巻数記録(39巻)を「MAJOR」が塗り替えた時、「サンデーコミックスが40巻を突破するだなんて!」と個人的に騒いでいたのが懐かしいです。
ストーリーの方も相変わらず面白いので、この調子で「名探偵コナン」相手にどっちの方が連載を引っ張れるか対決を永遠に続けて頂きたいと思いました。銀河リーグ編開始まで、あとたったの11年ですよ!(多分無理です)
それで今週の「MAJOR」は、貴重な巻頭カラーページを使われてまで弟から「男日照り
」と言われてしまう清水があまりに可哀想だったので、思わず今週の第一位にしてしまいました(バカ)。
出演したマンガが「MAJOR」でなければ、もちょっと普通に『スポーツマンガの典型的ヒロイン』ができてた気もするのですが、まあ基本的に「MAJOR」は男同士の(中略)を描くのが主眼のマンガなので、女性キャラの扱いが相対的に低くなってしまうのは致し方ありません。それでこそ満田先生のマンガのヒロインだ! ということで一つ。
そして来週からの新展開は、かつての黄金バッテリー・吾郎×寿也コンビが復活するかどうかに期待。
2. 勝ち気でドジで眼鏡なメイドのお姉さん(ハヤテのごとく)
今更「タイが曲がっていてよ?
」「ごきげんよう
」程度の「マリみて」パロディ如きで釣られる私ではありませんが、自分がコケたところをハヤテに見られた時の「目に涙を溜めて睨みながら本気で悔しがってる、勝ち気でドジで眼鏡のお姉さん
」な姿に対しては容赦なく釣られる私です。よって第2位(バカ)。
とりあえず、P195の5コマ目の彼女(貴嶋サキ)の表情にグッと来ない人はどうかしているね! と断言していきたい。
それはともかく、今回は今後のストーリーにも深く絡んで来そうな「ナギの許嫁
」・橘ワタルが登場しました。「許嫁」と紹介された時に彼が不機嫌そうな表情をしているのは気になりますが、明らかに性格が悪いトラブルメーカーとして描かれているところを見る限り、今後は彼とハヤテとの間に(歪んだ)対立が発生する展開に繋げていきたい意向なのかも知れません。
恋敵を設定するのはこの手のラブコメでは古典的な話の進め方ではありますが、一つ気掛かりなのは、現在「ハヤテ」を支持している層が、その手のラブコメ的展開を「ハヤテ」に求めているかどうか? という点。
例えば、この手のジャンルの帝王として君臨している赤松健氏は、ストーリーを作る上で心がけている点として「読者にとってつらいことがあまり起こらない世界を作ることを意識している
」という趣旨の発言をしています(参照:「萌え萌えジャパン」赤松健インタビューのこの辺)。「性格の悪い恋敵」は読者にとってストレス発生因子と成り得るので、赤松スキームの中では基本的に存在してはいけないのです(関係ないけど、アニメ版「ラブひな」の評判がイマイチな一因は、オリキャラとして「主人公の恋敵」を出してしまった点にあるように思える)。
「ハヤテ」のファン層は、「ハヤテ」に対して赤松スキームのようなストレスレスで快適な箱庭的空間
を求めているだけなのか、それとも(おそらく畑先生が目指しているであろう)普遍的な面白さを持ったドタバタラブコメストーリーを受け入れるだけの心の余地があるのか。この違いはかなり大きいように思えます。
これまでは、どっちかと言えば「ハヤテとナギとマリアの三人が織りなす閉じた空間」の中で上手いこと話を回して来たこのマンガにとって、「婚約者とその側近のメイド」という異物の導入はどのような効果をもたらすのか。自ら正念場に自分を追いつめた畑先生の今後の手腕に注目です。
声優に囲まれながら接待されてウハウハな帝王・赤松健への道のりは、まだ遠い!
がんばれ畑先生!
※「ハヤテのごとく」個人的まとめページにリンクして下さったサイトの皆さま、ご紹介ありがとうございました
3. 眼鏡を外したオーディン(史上最強の弟子ケンイチ)
眼鏡キャラにとって「眼鏡」とはある種の仮面のようなものであり、彼らにとって「眼鏡を外す」ということは、即ち本当の己をさらけ出すことを意味しているのだ――という考え方は皆様も既に基礎教養として身に付けていることと存じますが、今週の「ケンイチ」はオーディンこと朝宮龍斗君が眼鏡を外すことで、ついに本気モードに突入してしまいました。
作者の松江名先生は、格闘マンガのボスキャラにわざわざ眼鏡君を配置する程の方なので、さすがに「眼鏡キャラが眼鏡を外すことの重要性」を正しく認識していらっしゃいます。
「これから君の根性を叩き直す! メガネをとれ龍斗!
」
「本当にメガネをとっていいのかい?
」
この一連のやり取りで、彼にとって「眼鏡」が一種の封印として機能していることを読者に提示し、実際に眼鏡を取った時に発動する、「観の目」という『何だかよく判らないけどとにかく凄い』技に説得力を持たせることに成功しています。
それより何より、この台詞のやり取りには、「眼鏡キャラが眼鏡を取る」ことがどれだけそのキャラにとって重い意味を持っているのか、ということが表現されているように思えます。「眼鏡キャラが眼鏡を取る」重大イベントに十分な意味とカタルシスを与えることができる松江名先生は、ちゃんと眼鏡のことがよく判っていらっしゃるんだなあと思いました。
ちょっと眼鏡のことを書きすぎた気がするので次。
4. 皮村(いでじゅう!)
メインカップルの林田君と森さんがサンデー読者の8割にとって未知の領域に旅立ってしまった「いでじゅう!」において、徐々に注目を集めて来ているのが皮村君。
彼は、自分自身の顔が決して女性にはモテない、今で言うところのキモメンであることを自覚しているが故に、この若さにして早くもモテることを放棄してAV収集と女子へのセクハラに邁進しているという、最もラブから遠く離れた仙人みたいな存在だったのですが、でもここ最近は「サンデーで最も報われない女
」こと中山朔美ちゃんのあまりの健気さにヤラれてしまい、彼女のことを随分と可愛く想っているように見えます。
今週なんか、一番最後のページでさりげなく彼女に肩に手を回しちゃったりなんかしてますよ! あの皮村君が、相手から嫌がられることなく、こんなに自然に女の子に触れるようになるだなんて! 彼も今回の一件で随分人間的に成長したんだなあ! と思ってしまいました。
果たして、恋を諦めたキモメンと恋に破れた美少女の間に、新たな恋愛感情は発生するのか? キモメンに生まれたばかりに人生の裏街道を歩まざるを得なかった皮村に、救いは訪れるのか? もしこの二人の関係がこれから発展するとしたら、ある意味林田君と森さんの時以上にスリリングな展開になりそうな予感がします。
5. 「こいつとなら頂点に行けそうだ!」(D-LIVE!!)
とりあえず、台詞が狙いすぎだと思った(バカ)。
番外:あやかし堂のホウライ
超増刊からやって来たサンデー希望の星・「あやかし堂のホウライ」も、ついに今週で最終回。掲載位置を考えると、評判的には本誌で本格連載をするには正直微妙、といったところでしょうか。
個人的に「あやかし堂のホウライ」で一番好きなキャラはアヤカのクラスメートである四位名(しいな)さんなのですが、結局最後まで彼女が出てこなかったのが悔やまれます。妖怪に襲われる時の四位名さんの怖がる表情って、ちょっとソソられるところがあって萌え萌えなのになあ! 残念だなあ!(バカ)
「ホウライ」が載ってないと超増刊はやっぱり締まらないので、これからもしばらくの間は超増刊の重鎮として頑張って欲しいと思いました。
2005/02/23
■お詫びとお知らせ050222
現在、まだちょっと時間に余裕が無く、掲示板とかコメントとかメールとかにお返事を書くことができない状態です。
申し訳ありませんが、お返事とかはもうちょっとだけお待ち下さい。もうちょっとだけ(専門用語)。
昔C-WWWを置いていたリムネットのサイトは、近日中に消滅します(契約を解消したため)。
もしまだ旧サイトにリンクを張っている方がおられましたら、リンクの変更をお願いします。
2005/02/18
■「ハヤテのごとく」1巻発売記念・サンデー12号感想
- 「ジャムおじさんや!」(焼きたて!ジャぱん)
- 最初のページのハヤテ(ハヤテのごとく)
- 気を遣われるキャプテン(最強! 都立あおい坂高校野球部)
- ポックル星人(道士郎でござる)
- 今週のいでじゅう!
- 番外: KATSU最終回
□
1.「ジャムおじさんや!」(焼きたて!ジャぱん)
最後のページで不覚にも笑ってしまったので、私の負けを認めます(負け?)。
今週はいつにも増して、最後のページのリアクションに持って行くまでの盛り上げ方が冴えていると感じました。
2. 最初のページのハヤテ(ハヤテのごとく)
なんだこのかわいいパジャマの柄は! 似合いすぎる!
このマンガで一番カワイイのはやっぱりハヤテ君自身であることが、今回のエピソードで改めて証明されたと感じました。現代オタク向けラブコメマンガにおいて、男性主人公の顔を(イケメンではなく)女装が似合うカワイイ系美少年にするのはもはや基本中の基本ですが、その点コミックス1巻のキャラ紹介で作者から「ときどきヒロイン
」と書かれるハヤテは、その基本に実に忠実なキャラと申せましょう。さすが畑先生は判っていらっしゃる!(全肯定)
ハヤテ以外では、P.161の3コマ目のマリアさんがいい感じ。挑戦的な視線といい口元の微妙な笑みといい、デフォルメがキツめな絵柄なのにも関わらず、ちゃんと「マリア」というキャラに秘められた新たな一面を表現できていると思いました。
こんな細やかな絵を描けるだなんて、もしかして畑先生って実はすごい漫画家なんじゃないかと思ってしまいました。さすが畑先生は判っていらっしゃる!(失礼な全肯定)
3. 気を遣われるキャプテン(最強! 都立あおい坂高校野球部)
色々な意味で個性的な天才キャラ達が集う「あおい坂」世界の中で、『丸描いてチョン』レベルの単純極まりないデザインを施され、その「凡人」っぷりが嫌がうえでも強調されている今井君(役職:キャプテン)。学年が一番上という、たったそれだけの理由で天才達が集うチームにおける名目上のキャプテンとなってしまったことに引け目を感じている彼に対し、色々と気を遣って立ち直らせようとする周囲の天才達の姿が印象的でした。超人と凡人が一緒にやってく大変さが早くも浮き彫りに。
今井君は今はこんなヘボい凡人キャラに過ぎませんが、いずれは「MAJOR」の小森君のように『超人に勝つためならどんなことも厭わない、ちょっとイヤな凡人キャラ
』に成長するといいですね!(まちがい)
後は、対戦相手の宝田君が、週を追う毎にどんどん性格が丸く(というか、カワイく)なって行くのが面白いです。主人公達の宿命のライバルである狛光爾とは違ったベクトルのライバルキャラとして、今後も活躍しそうなキャラっぽいですね。
田中モトユキ氏独特のカワイイ絵柄と巨乳監督の存在が目立つこのマンガですが、実はこのマンガが狙っている路線は、「テニスの王子様」とかと同じ美少年わんさかコメディー路線なのかも知れません(コメディー?)。
4. ポックル星人(道士郎でござる)
「50人程ブチポックル殺しました。
」のカワイイ文面が異様に怖ろしい絵本がいきなり登場した、今週の「道士郎でござる」。マンガの中に絵本が出てくるマンガとして個人的に一番最初に連想するのは「ちょびっツ」なのですが、この『ポックル星人』の場合はむしろ『供えガイ』がいきなり出てきた「神聖モテモテ王国」を彷彿とさせます(唐突さが)。
「道士郎」は、もはや連載末期の「モテモテ」並に何でもアリの領域に差し掛かって来た! と、改めて覚悟を決めさせて頂きました。このマンガの面白さは相変わらずハイブロウ過ぎます。
マンガの内容は相変わらず面白かったです。社会性皆無なバカ相手に倫理を説くことを諦めない健助殿萌え。あとは、明らかに倫理を説かれるバカの範疇に入ってる早乙女君も萌え。
5. 今週のいでじゅう!
「かってに改蔵」のリサーチによれば、サンデー読者の約8割はバレンタインデーにラーブラブとか何とかそういうモノとは一切無縁な生活を送っているそうなのですが、「いでじゅう!」は前回の予告通り、その8割の読者にとって未知の領域に突入してしまいました。もう後には戻れません。
もしかして、これからはこんな調子で林田君と森さんのこっ恥ずかしいモジモジカップルのラーブラブでハッピーなエブリディを、我々は毎週のように鑑賞することになるのでしょうか。毎回こんな調子では、サンデー読者の8割を占める非モテな人々の心が、「いでじゅう!!」によって毎週毎週甘く切なくやるせない想いで掻き乱されてしまいます! これは大変なことですよ!
ああ、なんかかつて「BOYS BE…」や「サラダデイズ」が全盛だった頃、マンガの異様な雰囲気にヤられないために心の中でファイティングポーズを取りながら必死になって青春ラブストーリーを読んでいた、あの頃の感覚が甦って来ましたよ! 今の「いでじゅう!」は心の格闘マンガだ!
サンデー読者の8割の範疇に入るみんな、負けるな! 戦え!(むなしい)
番外. KATSU最終回
今週は諸般の事情でサンデー読むのがいつもよりも遅れたのですが、サンデー読む前に何気なく「ヤマカム」さんとこを読んでいたら、「KATSU終了」の記事が載っていて本気でビックリしました。後で誌面を確認してみたら、本当に終わっててまたビックリ。
「KATSU!」に関しては連載が終わるような兆候が私には全く感じられなかったので、このマンガが今週終わるだなんて想像もしていませんでした。あだち先生にしてやられた心境です。さすが大ベテラン作家は違う!(何が)
というか、今は「H2」のドラマをやってる真っ最中なのに、何故このタイミングで終わっちゃうの? というのが正直なところ。毎週コンスタントに楽しめていたマンガなだけに、ここで終わってしまうのはちょっと残念です。
あだち先生の次回作はやっぱりサンデーでしょうか? それともビッグコミック?
2005/02/16
■落ち穂拾い050214
今更ながらですが、バレンタインデーは、安野モヨコ「監督不行届」を読んで過ごしてました(挨拶)。
「監督不行届」は、「新世紀エヴァンゲリオン」で有名な庵野秀明監督と結婚したマンガ家・安野モヨコ氏による、オタク同士の結婚生活をおもしろおかしくネタにしたエッセイマンガです。後書きに登場して「衆目に己の姿をさらされるというのは、マンガ家を嫁にもらった者の宿命だと思うんですよ
」と語る庵野監督の姿からは、成熟した大人のオタクが醸し出す余裕が感じられます。
というか、そもそも普通のオタクは「マンガ家を嫁にもらう
」ことすら不可能なんですよ監督。「マンガ家と結婚
」って、独身男性オタクの頭の中じゃ「声優と結婚
」の次くらいに位置するドリームですよ監督。うらやましいなあ監督。
そんな感じで、今日はここ最近忙しかったためにフォローできてなかったネットとかの話題について、「今更ながら」をキーワードに書いていきたい。
□
■赤松健論三部作完結
もう今更な話題ですが、「ピアノ・ファイア」のいずみのさんによる赤松健論三部作の最終章・「ネギま論」が公開されました。さすがに最終章だけあって、かなりの力作。
「赤松健論」の最大の功績は、赤松健という漫画家には「語る」だけの価値がある存在であることを知らしめた点にあったんじゃないかと思います。
赤松健と言えば、どっちかと言うと「低俗なエロコメマンガを描く人」というイメージが先行がちであり、例えば最近発売された「ネギま」のゲーム版は「生徒のエッチ度が上がると、女の子がパンツ見せながらこっちに迫って来るようになる」というおかしい(頭が)コンセプトで話題となりましたが、そんなアレでも「まあ、赤松健のマンガのゲーム化じゃ仕方がないか
」という雰囲気でみんな納得してしまう程なのですが(きめつけ)、「赤松健論」はそれに対して『赤松氏は、少年漫画家としてのスキルを着実に伸ばしているのだ!』と真っ向から論理的に主張しているように思えます。読んでいて素直に感心させて頂きました。
「赤松健論」は、真正面から漫画家・赤松健の成長の軌跡と、赤松作品(特に「ネギま」)が持つ先進的な構造について論じることにより、ネット上で赤松健を語れる雰囲気を作り上げたのではないかと思います。あとは「脳をとろ火で煮詰める日記」のみやもさんが仰っている「この論で勉強した者は、いずみの氏のように漫画を読めることを求めつつ、いずみの氏の読みそのものにおさまらぬことを目指さなければならない
」の通り、これをきっかけとして更に議論が深まって行くことを期待します。
個人的に、「ネギま」はこれまでの赤松氏の作品とは比較にならないくらい大きな可能性や発展性を秘めている、もの凄いマンガなのではないか? と認識しているので、機会があれば自分も「ネギま」には触れて行きたいですね。
いやその、このサイトの趣旨からすれば、赤松健よりはまず椎名高志について論じなければならないのは判っていますが(ヘボ)。
でもまあ、「赤松健のマンガのゲーム化じゃ仕方がないか
」という雰囲気でみんなが納得してしまう俗っぽいイメージも、また赤松健氏の特徴というか、大きな魅力の一つであるとも思うんですよ。前述の「ネギま」のゲームも、そんな氏の作品が持つイメージをアドバンテージとして活用したからこそ、あれだけ話題になった訳ですし(おかしな方向に)。
何となくですが、氏は世間的なそういう評価をあえて受け入れ、飄々とした態度で楽しんでいるようにも見えます。「ラブひな」の瀬田さんみたいなイメージ?
もしオレがオレじゃなくて成瀬川なるだったら、赤松先生に惚れてるところでした。あぶない! あぶない!(←オレの頭が)
□
■「駒木博士の社会学講座」第3回コミックアワード結果発表(を口実にしたサンデーへの愚痴)
もう今更な話題ですが、駒木博士の社会学講座で、昨年のジャンプ・サンデーに掲載されたマンガが対象のコミックアワードの発表会が開催されていました。主な受賞作はもうみんな知ってると思うので割愛(手抜き)。
お忙しい中、本当にご苦労様でした>駒木さん。
それで当サイト的には、「絶対可憐チルドレン」が特別金賞を受賞したという点と、「怪奇千万!十五郎」がラズベリーコミック賞を受賞した点が重要です。受賞理由も含め、どちらも納得の受賞と言えましょう。
「絶チル」と「十五郎」は、どちらも昨年のサンデーの低迷を象徴する作品として記憶されるべきマンガなのではないか、と思っています。両者は『2003年にサンデー超増刊に(週刊連載候補作として)掲載された作品』という意味では立場が似ているのですが、普通なら読み切り待遇と週刊正式連載待遇にするマンガは逆だろう! 逆! と、少なくとも「超」を読んだ人なら誰しもが思ったはずです(決めつけ)。
この辺の判断ロジックが当時どうなっていたのか、ホントに謎です。
昨年のサンデーは、更に人気連載作品だった「美鳥の日々」と「かってに改蔵」を同時に終わらせるという、これも又やっぱりどんな判断ロジックで決定したのか不思議なことをやってしまい、結局これが現在に至るサンデー低迷の原因になってしまったのではないかと思われます。
「怪奇千万!十五郎」は確かにラジー賞を受賞するに相応しい作品であると思いますが、本当にラジー賞を受け取るべきなのは、「十五郎」が長期に渡る週刊連載には耐えられない作品であると見抜けなかった、当時のサンデー編集部なのではないのだろうか? と私は思うのです。
ああ、もうこれで去年のサンデーのことを振り返るのは止めにします!(辛いから)
そういえば、駒木博士ご本人にも以前一度お会いしたことがありますが、博士は「眼鏡が素敵な好青年」といった趣の方でした。もし駒木博士がアニメ化されたら、子安武人が声優を担当しそうなタイプ。
もしオレがオレじゃなくて駒木博士のいる学校に通う眼鏡大好き女子高生だったら、絶対カップリングの対象にしてましたね! あぶない! あぶない!(←オレの頭が)
□
■完成原稿速報更新
これも今更ですが、椎名先生のサイトの完成原稿速報にいくつか新作が追加されてました。
サンデーGX掲載予定マンガの女の子は、なんか吸血鬼のように見えます。ネコミミモード?
そして「ネクサス」で紹介されているコマは、原作では前々回辺りに放送された、溝呂木が初めてダークメフィストと遭遇するシーンですね。
この回は、個人的に大好きなキャラである副隊長の西条凪が大活躍してくれたので好印象です。彼女は基本的に「憎しみを肉しみに変えるのよ!
」(「がんばれ!酢めし疑獄」風表現)が信条のたいへんにおっかないキャラですが、それ故に彼女のビーストへの徹底した憎しみっぷりは一種の清々しささえ感じさせてくれます。この副隊長に萌えられるかどうかが勝負の分かれ目ですよ皆さん!
あと、ここの「特撮の理不尽な点を強引に解釈するスレまとめサイト」で見かけた「ネクサス」へのコメントの中にある、「(椎名高志なら)副隊長に寸止めされまくるヨコシマな孤門あたりを描いていただきたい
」「副隊長の声は鶴ひろみでお願いしたい
」ってのが、笑いのツボに入ってちょっと面白かったです。
事ある毎に孤門をヒールで蹴り飛ばす副隊長。何だかすごく似合いそう。
2005/02/11
■藤田和日郎先生は大丈夫ですか? 記念・サンデー11号感想
- 「お姉さんじゃなかったら、何なんですか?」(結界師)
- HAPPY START(いでじゅう!!)
- 池内君が語るこの社会の仕組み(道士郎でござる)
- 「ハヤテのごとく」の最初のコマ
- 「こわしや我聞」急展開
□
1. 「お姉さんじゃなかったら、何なんですか?」(結界師)
今、百合奈ちゃんがいいこと言った!(挨拶)
今週の「結界師」における百合奈のこの台詞は、時音と良守の関係の核心を鋭く突く質問です。
おそらく時音は、「自分にとって良守とは何なのか」ということについてこれまでほとんど意識したことが無かったのではないかと思うのですが、百合奈に良守との関係性を問いただされ、また友達からも「あの子、時音のこと好きなんじゃないの?
」と言われた事により、時音の頭の中に「自分と良守の関係を考える」という新しい概念が生まれたはずです。
良守の存在を「隣に住んでる幼なじみのうるさいガキ」程度の重さにしか考えていなかった彼女にとって、彼が「ガキ」から成長し、二人の間にそれ以上の関係が発生する可能性が存在し得ると認識したことは、彼女にとってはちょっとしたパラダイムシフトが発生した、と言っても良いのではないのでしょうか。
この二人の関係の変化は、繁守が言っていた「墨村と雪村の間に400年続いている溝
」の解消にも繋がることなだけに、実は今回の話も今後の物語の中ではかなり重要な意味を持ちそう。こんな話をあえてバレンタインウィークに持ってくる辺り、作者の田辺イエロウ氏の計算高さを伺うことができます。
まあでも、今の段階では、良守が成長して時音とアハハウフフな関係になるところなんて想像すらできませんが。所詮、良守はまだ「ミノル小林」と同じリアル中坊だしなあ。思春期結界師ヨシモリ墨村。早く成長して兄よりエロくなって下さい。
2. HAPPY START(いでじゅう)
アハハウフフ! アハハウフフ!
ついに「いでじゅう!!」の林田君と森さんのカップルが正式に成立。ここ最近は散々無茶な展開をやらかして読んでる者を常に不安にさせて来たこのマンガでしたが、そんな茨の道を踏み越えて、ようやくこの段階まで物語を無事積み上げることに成功しました。おめでとうございます(エラそう)。
一番最後の「HAPPY END♥ いえいえ、HAPPY START!
」というアオリからは、『これからも更にこの二人の物語を積み上げてやるぜ! 貴様ら、オレの紡ぎ出す恋路を読んでモジモジしながら悶絶しやがれ!』という、作者の気合いを感じました。「一流(われら)にはその先がある!
」と言わんばかりです。モリタイシ先生は、一大高校生恋愛サーガを作り上げる気マンマンなご様子です。今後の展開にも期待させて頂きますよ!
そして、そんな幸せそうな林田君と森さんの影で一人涙する朔美ちゃんの姿は、全世界の報われない女子萌え属性を持つ者達の心を激しく振るわせたに違いありません。こういう「陰」の部分までちゃんと描いてるからこそ、今回の話はより深く心に浸みるってものですよね。
ほんと、どこまでも可哀想な境遇が似合う子だなあ(ヒドい)。
3. 池内君が語るこの社会の仕組み(道士郎でござる)
「道士郎でござる」で個人的にお気に入りのキャラは、『健助伝説の語り部』こと池内君(特徴:坊主)なんですけど、今回もまた彼がやってくれました。
『俺達は社会に出たら、エリート坊ちゃんのために働く訳じゃないですか
』
『上は多分、本当の黒幕、秘密の黒幕までいると思います
』
『奴らなのです。リッチパ-ティーでビルの上から見下ろしている奴らです
』
『将来搾取される分を今、頂いているんです。当然の権利です
』
どうですか、この説得力に溢れた頭の悪い言葉の数々は!
無根拠な妄想を誇大に表現する! これこそ真のヤンキー的思想!
つうか、まさにこの構造で、こいつらは級長会やそれを締めてると思しき「黒幕」の神野といった上位の人間から搾取されているんだけどな! それにすら気付けないところが、こいつらのカワイイところなんですよ!
さすが、長年ヤンキーマンガを描いていた西森先生は違う!(全力で誉めてます)
4. 「ハヤテのごとく」の最初のコマ
ギャルゲーの世界には「ゲームの中で一番かわいいキャラは主人公の男友達である
」という法則があるそうなのですが、「ハヤテのごとく!!」においてはどう考えても一番かわいいキャラはハヤテ君自身で決定です。特に、今週の一番最初のコマなんか、どう考えても執事長のクラウス殿を誘っているようにしか見えません。
これでパジャマの一番上のボタンを外して胸がはだけた状態だったら完璧だったのですが、さすがにまだキャリアが浅い畑先生ではそこまでの表現は許されなかったのでしょう。これが藤田和日郎先生クラスのキャリアともなれば、台詞の中で「セックス!
」と連呼しても合法になることが今週のサンデーで提示されたので、ぜひ畑先生にもその領域まで到達して好き放題やらかして欲しいものだなあと、切に思いました。
あとこの前のエピソードから登場している伊澄さんですけど、「周りの人を不幸にする特異体質
」と称するには、まだちょっとパンチが足りてないと思います。何か普通に「いい娘さん」ですし。
個人的には、伊澄を見る度に何故か「GS美神・極楽大作戦!!」の六道冥子のことを思い出してしまいます。彼女が、「周りの人を不幸にする」破滅型キャラとして如何に完璧な存在であったのかを再認識させられる今日この頃。
がんばれ伊澄と畑先生(フォロー)。
5. 「こわしや我聞」急展開
読者の間に驚愕と萌えをまき散らした伝説の「國生さんメイド編」を終えたと思ったのもつかの間、今週からいきなり「こわしや我聞」世界におけるラスボス的な存在・真芝グループとの直接対決に挑む展開になだれ込んだこの作品。
突然の急展開。突然のカラーページ。このパターンはアレです。「一番湯のカナタ」の打ち切りが決まった時の流れにどことなく似ています。
これまでの掲載位置を考えると(サンデーは掲載位置と人気は比例しない、という伝説があるとは言え)「我聞」はアンケート人気はそれほど高くないことが予想されますが、もし今回のカラーページ+國生さんと果歩をメインに据えた家族愛劇攻勢をもってしても人気が芳しくなかったら、そう遠くないうちにこのマンガ終わっちゃうんじゃなかろうか? と、思わず訝しんでしまいました。
なので、まだまだ國生さんの萌え萌えな姿を見てみたい! と思っている皆様方は、とりあえず読者アンケートの「A」の欄に「我聞」の番号を書いてポストに投函するべきだと思いました。全ては國生さんのために!
彼女、ネコミミと尻尾を着けたら意外と似合うはずですよ!(バカ)
2005/02/09
■てれびくん3月号
イケメン俳優目当てに「仮面ライダー剣」を見ていた職場の同僚の女性が、「仮面ライダー響鬼」の主人公のあまりのオッサンっぷりを目の当たりにしてガッカリしてる様を横目で見ながら内心でほくそ笑んでるイケてない男性の皆さん、こんにちはー!(挨拶)
個人的には、今度の「響鬼」は超オッケーです。口から炎を吹いて敵を焼き殺したり、敵の怪物に馬乗りになってドンドコ太鼓を叩くと敵がバラバラになったりする、従来のライダーの概念ではありえない戦い方に惚れました。主人公の普段の飄々とした態度も、むしろ「大人の余裕」が感じられてちょっと素敵。真のヒーローの格好良さとは、顔じゃなく態度に現れるものなのさ! みたいな清々しさがあります。
正直、ここ最近の仮面ライダーには個人的についていけない雰囲気があったんですけど、雰囲気をガラリと変えた「響鬼」なら好きになれそうな予感。しばらくはがんばって朝起きて観てみようかと思いました。
□
そんな訳で、今回は「てれびくん」3月号掲載の漫画版「ウルトラマンネクサス」の話題なのですが(いきなり)。
今回のエピソード(原作13話~16話)は、主人公の狐門が色々とヒドい目に遭い、「誰かを守るために戦う難しさと辛さ」に直面して悶々と悩むところがメインテーマなお話。コミカライズ担当の椎名先生が『宇宙船』のインタビュー記事で「重いテーマがいつもの5割増しくらいで困りました
」と言ってた程に展開がハードなのが特徴です。
特にドラマの前半(13~14話)は、幼い兄妹がビーストに操られた両親から「食事」と称して薪を食べさせられるなどの虐待を受けたり、妹の方がビーストの体の中に取り込まれちゃってピンク色の肉壁の中で泣き叫んだり、恋人を失った憎しみに燃える狐門がそうとも知らずにそのビーストを撃破しちゃったり(女の子は当然瀕死の重傷に)、狐門が妹の兄から「どうして撃ったんだよ!」と罵られて落ち込んだりと、そりゃもうたいへんにイヤな展開の連続。
親が怪物に殺されて操られるだけでも子供にとっては恐ろしいってのに、その上怪獣の中に閉じこめられて正義の味方に撃たれちゃうお話を本当にやってしまうところが、今回の「ネクサス」の恐ろしいところです。やはり、「ネクサス」はあくまで本気です。本気で新しい伝説を創ろうとしています。
何はともあれ、もし「ウルトラマンネクサス」という番組の目的が『子供を怖がらせること』にあるんだったら、ンもうこの番組は大成功ですよ! と誰彼かまわず豪語したくなるくらい、本当に凄惨なエピソードでした。
――ただ、この辺のキツい展開は、ドラマ後半(15~16話)になって主人公の狐門が「これ以上不幸な人を増やさないため、受けた憎しみも悲しみも全て背負って戦う
」決意をするために必要な試練でもあるのもまた事実。
今回の一件は、「大切なものを守れなかった憎しみだけで戦っても何も解決しない」「未来を創るためには様々な憎しみや苦しみを受け入れた上で乗り越え、光を信じて先へ進まなければならない」――ということを彼が自覚するために必要なプロセスなのです。「ネクサス」を語る上では、この部分を欠かすことはできません。
果たして椎名版「ネクサス」では、このキツい部分をどう表現するのか? 椎名キャラデザのロリロリな女の子がビーストの肉壁の中で恐怖のあまり泣き叫ぶ、萌え萌えなシーンは観られるのか? と、邪な気持ちでマンガ版を読んでみたのですが、
さすがに、子供がヒドイ目に遭うシーンはカットされてました。
まあ当然ですよね…(←最初から期待するなや)
今回のマンガの方では、主人公が挫折から立ち上がるドラマ後半(15~16話)の方の展開をクローズアップする形で構成されています。
主人公が凹む描写は、前回死んだ狐門の恋人・イコ(の幻影)を再びネグリジェ姿で登場させ、彼女に「いっしょに(闇の世界へ)行きましょう…
」と誘惑されて狐門が悶絶する形で表現されています。このイコの姿が必要以上にエロいため、オレの脳の中の幼稚園児要素が性に目覚めちゃいそうで大変でした(バカ)。
そんな感じで狐門を更に精神的に追い込み、闇の世界へと追いやろうとする溝呂木(ダークファウスト)と、彼を闇から救い出そうとする姫矢(ネクサス)による戦いを経て、最後は狐門とネクサスが再び目と目で通じ合って(←最重要)協力することでビーストを撃破! 狐門が「これ以上誰かを不幸にしないため、僕も戦う! もう迷わない!」と再び戦う決意をしてエンド! というドラマ後半の一連のシークエンスを端的に再現することで、今回の「ノスフェル編」のテーマ性を提示する手法を取っています。
要するに今回のドラマの主眼は狐門の成長にあった訳なのですが、それを「恋人の死を乗り越える」という典型的で判りやすいヒーロー的展開に収斂させたところが、今回の椎名ネクサスの見所だったのではないかと思いました。この展開に行きつくまでに、相当悩んだんじゃないんでしょうか椎名先生。お疲れさまでした。
こんなキツい脚本をあと半年近くも作り続けるなんて大変だなあ(笑)。
□
あと、今月発売の「宇宙船」には、この漫画版「ネクサス」に関する椎名先生へのインタビュー記事が掲載されています。
内容は、主に漫画版の制作過程の説明や漫画を作る上で留意している点など、(Webでも既に一部語られている)漫画の設計や作画に関する話題がメインだったのですが、今回の仕事を持ってきてくれたのがかつて「GS美神」の担当だった方であることや、その担当の方が「てれびくん」に異動してからは先生のお子さんのために時々グッズを届けてくれていたこと(羨ましい!)、などの裏話も載ってます。
椎名先生の情報には飢えているけど流石に「てれびくん」を買う踏ん切りまではつかない、微妙な心理状態で毎日を悶々と過ごしている椎名ファンな方々にとってはかなり貴重な記事だと思われますので、見かけたらぜひご一読を。「ネクサス」マンガも1ページだけ掲載されてます。ウルトラマンスーツの皺までリアルに描き込まれている点に全員注目のこと。
今回「宇宙船」(というか、この手の特撮情報専門雑誌)を久しぶりに読んだんですけど、TV番組の情報量そのものは、実は「てれびくん」とそんなに変わらないんじゃないか、と思いました。
基本的な情報ソースは一緒なはずなのに、対象としている読者の違いによって表現の仕方がこんなにも変わるものなのか、とちょっとビックリ。雑誌って凄い。
2005/02/07
■更新情報050207
2004 椎名高志作品 Conventional Wisdom の集計結果発表を掲載しました。
今回は、のべ51人の方が投票して下さいました。ご協力ありがとうございました。
表紙を通常版に戻しました。
2005/02/04
■死にそうでした(近況)サンデー10号感想
- 十二人会(結界師)
- 桜坂助教授(ワイルドライフ)
- 0歩。(いでじゅう)
- 幹人傀牙化(クロザクロ)
- ロコ大はしゃぎ(D-LIVE!)
- 番外. 阿紫花×ジョージ(からくりサーカス)
□
1. 十二人会(結界師)
私の認識では、「結界師」における裏会とは「根性が歪んだおかしな連中しか入れない、おかしな組織
」ということになっていますが、今週出てきた「十二人会」はまさに期待通りの根性曲がり達の巣窟だったので大満足です。
どいつもこいつも性格が悪そうのは裏会の幹部なので当然として、「番号札をなくすと自動的に幹部から降格」という相互不信を増大させるシステムをわざわざ採用しているところ、ただ座っているだけなのに幹部達が「ゴキリ
」「オオオ
」「ビクッビクッ
」と奇妙なオノマトペを勝手に発しているところ、どのメンバーも「コスプレイヤー」呼ばわりされても仕方がない独創的な衣装を着込んでいるはずなのに、それがまったく気にならないくらいナチュラルに着こなしているところなど、素敵ポイント(=突っ込みどころ)が満載な人達だなあと思いました。
ここまで変態が満載な組織がサンデーに出てきたのって、「ジーザス」の悪の組織「24」以来なんじゃないのでしょうか。少なくとも、今のサンデー連載のマンガに出てくる悪の組織(「こわしや我聞」の真芝グループ、「MAR」のチェスの兵隊など)には十分以上にインパクトで対抗できるでしょう。変態組織に乾杯です。
……でも、こんな変態共に夜未や志々尾がいいように使われているのかと思うと、何だかせつなくなって来ます。
変態の圧力に負けずにがんばれ正守。
2. 桜坂助教授(ワイルドライフ)
悪の院内組織・平波学部長派から送り込まれた美しき刺客・黒木助教授を激闘の末に下し、改心させて仲間にすることに成功した、我らが正義のヒーロー・岩城鉄生。しかし平和だったのもつかの間、今度は遙かカナダの地から、新たなる刺客・桜坂助教授がやって来たのであった! という、何か変な展開になってきた最近の「ワイルドライフ」。
まあ、そっちの方がある意味少年マンガらしい判りやすさに溢れているのは確かなので、下手にお涙頂戴なヒューマニズム路線に走られるよりは良いのかも知れません。実際、ここんとこの「ワイルドライフ」は結構面白いッスからね! とっても楽しく読ませて頂いてますよ!(←誉めてるように聞こえないのは仕方ない)
そんな訳で、今回の刺客は以前瀬能さんにフられたことで有名な桜坂助教授の模様。ただ、刺客とは言え所詮は一度鉄生に破れた男であり、専門用語で言うところの再生怪人に過ぎないので、特撮業界における「再生怪人は弱い」の法則に従ってすぐに倒されてしまうのは、もはや必至の有様でしょう。
私が彼に期待することと言えば、勝手に同僚女子の裸を想像してしまう彼の特性を最大限に活かし、結局前回のエピソードでは出てこなかった黒木助教授の下着姿を妄想してもらうことくらいでしょうか。頼んだぜ再生怪人!
3. 0歩。(いでじゅう!!)
なんかこのシーンが妙に笑いのツボに入ったので第3位(そんな理由か)。
まあ、今回の「いでじゅう!!」の本当の見所は、柔道マンガらしく林田君が一本背負いで相手のボスを倒して森さんを救出したところと、助け出された森さんがその林田君から「柔道部の大切な仲間だから助けた
」と言われて複雑な表情をするところにあります。それくらいは私にもちゃんと判ってますよ(自己弁護)。
前回は「もはや柔道もラブコメも普通にできないマンガになっちゃった!」と評しましたけど、こんなおかしい展開の中でもちゃんと柔道とラブを両立させてるじゃないですか! モリタイシ先生はできる漫画家だなあ! と思いました。
フォロー完了。次。
4. 幹人傀牙化(クロザクロ)
今週のサンデーは「もしオレが独身男性じゃなくてカップリングが大好きな女子に生まれて来ていたら、大層楽しめたんだろうなあ!
」と己の生まれた運命を呪いたくなるような展開を見せたマンガが多かった気がするのですが、「クロザクロ」はまさにそういうマンガの一つでした。
幹人が傀牙と化すのは今回が二度目ですが、「かわいい妹を守るため
」に変身する妹萌えシチュエーションだった前回とは打って変わり、今回は「九蓋を倒された怒り
」によって変身するやおいシチュエーションです(やおい言うな)。傀牙の種を植え付けられながらも、あくまで「人間」として生きようと決意した幹人が傀牙と化すというのはよっぽどの事なのであり、つまり幹人にとって九蓋は、既にかわいい妹に匹敵するくらい大切な存在となっていたのであった! ということを意味するのです。
これまで九蓋はずいぶん甲斐甲斐しく幹人に接して来ていた印象が強かったですけど、この土壇場でついに彼の愛情が幹人に通じましたよ! よかったですね九蓋さん! もう死んじゃいそうだけどな!(ドクロ)
5. ロコ大はしゃぎ(D-LIVE!)
「今週のサンデーで一番可愛かったキャラは誰か?」と聞かれたら、おそらくサンデー読んでる人の半分は「D-LIVE!!」のロコと答えるに違いないよね! と思ってしまう程、今週の「D-LIVE!!」に出てきたロコは可愛らしかったです。
憧れのマン島TTで憧れの斑鳩君と一緒に憧れのサイドカーに乗ることができて、ロコちゃんホントに嬉しそう。心とは裏腹に口ではブツブツ文句言ってる(というか、言わないと格好が付かない)ところなんか、今萌えキャラのアーキタイプとして最も注目が集まっているツンデレ系そのまんまですよ! いい歳してツンデレ気取りですよ! やるなこのヒゲオヤジ!
ちなみに、「今週のサンデーで一番可愛かったキャラは誰か?」の質問に対する残りの半分の人は、きっと「アニメ版『うえきの法則』の森あい」と答えるに違いないと思いました。
つか彼女、連載の時よりも遙かにカワイくなってるじゃないですか! なんか、ジャンプのマンガをアニメ化した時みたいな感じに! いったい彼女の身に何が!?(←微妙に福地先生に対して失礼な感想)
番外. 阿紫花×ジョージ(からくりサーカス)
同じマッチで二人一緒にタバコに火を点けてるシーンがやたらダンディで格好良かったので、というかぶっちゃけ萌えたのでピックアップしました。この二人の組み合わせの渋さっぷりは異常。
ああ、もしオレが独身男性じゃなくて、カップリングが大好きな女子に生まれて来ていたら(以下略)。
これで、タバコを初めて吸う人が(漫画の世界では)必ずやらかす、「タバコを口にくわえて息を吸いながら火を点けないとタバコが燃えないことを、タバコ吸う人から注意される」シーンが入っていたら、よりソレっぽくて完璧だったんですけどね。例え初タバコでもスムーズに火を点けられるぬかりの無さは、流石しろがね-Oの貫禄といったところでしょうか。むせてたけど。
2005/01/31
■お知らせ050131
サンデーGXで連載が始まったCLAMP先生の「こばと(仮)」の主人公の名前が『花戸小鳩』であることに突っ込むヒマもないまま1ヶ月以上が経過してしまう程、余裕がない日々を送っています(挨拶)。
というか、サンデー感想ネタ以外ではお久しぶりです。
サイトからのお知らせです。
□
アニメ版「GS美神」のDVD-BOXに関する話題は、このサイトでは現在「ワイド版GS美神専用掲示板」で受け付けています。特典マンガを読んだ感想をどうしても人前で語りたい方や、大枚はたいてBOX買ったことを公の場で自慢したい人の書き込みをお待ちしております。
るかるかさんが立ててくれたスレッドがあるので、まずはそちらを参照して下さい。
キャラクター活躍度投票企画「2004 Conventional Wisdom」の締め切りは昨日までとなっていますが、しばらく集計するヒマがなさそうなので、締め切りを2/5まで延長します。2/6に暇ができれば集計する予定です(こんなアバウトな予定でいいのか)。
現在、既に50通ほどの投票を頂いてます。感謝。
「絶対可憐チルドレン」関連の話題やイラストが中心のブログ「nakkaの製作部屋inブログ」のnakkaさんから、「絶チル」の葵(成長後)の振り袖姿のイラストを頂きました(三週間前に)。せっかくなので、こちらで公開させて頂きます。
当方の都合で紹介が遅れたことをお詫びします>nakkaさん。
□
なおGX連載の「こばと(仮)」は、主人公の名前以外の点でも、主人公が極端に貧乏なところ、および主人公のオプションとして性格が悪い魅惑の小動物がくっついているところも傾向が似ているので、「GS美神」ファンの皆さんはそういう観点から楽しんで頂ければ幸いだと思いました。
ただし、他の部分は「美神」の小鳩と全く似てないので注意。
「美神」の小鳩は例えどんな辛い状況に陥っても清く生きていけるだけのポリアンナ的逞しさがありましたが、「こばと」の小鳩の方はあまりに頭の中がイノセンス(=無知で世間知らずで社会性が皆無)なため、もし何かの間違いで現実世界に降り立ってしまったりしたら、おそらく3日と持たずに死んでしまうに違いないと思いました。
例え名前が一緒でもキャラの作り方が全く違うところに、作家の個性というものが端的に表現されているなあと感じます。
最近は歳のせいか、こういうタイプが主人公のマンガを読むのが辛いです。もう純真無垢でピュアハートな萌え系マンガはダメなのか自分。性根が曲がった女子が主人公でないと感じない身体になっちゃったのか自分。
性根が曲がった女子しか出てこないであろう、「絶対可憐チルドレン」の連載開始が楽しみです(オチ)。
2005/01/29
■まだ生きてます(近況報告)サンデー9号感想
- 黒木助教授陥落(ワイルドライフ)
- 墨村繁守(結界師)
- 今週の「いでじゅう!」はおかしい
- 今週の「道士郎でござる」もおかしい
- コオロギの足(こわしや我聞)
□
1. 黒木助教授陥落(ワイルドライフ)
初登場時に「あたしは論文の役に立たない患畜は診ないのよ!」と高らかに宣言、その高飛車な態度から自分の中で週刊少年サンデーにおける普段から黒い下着を付けて生活してそうな黒縁眼鏡女性キャラナンバーワンの座に輝いていた「ワイルドライフ」の黒木助教授でしたが、大方の予想通り、今週であっけなく鉄生側に陥落してしまいました。
今回のエピソードは、「普段は鉄壁の守りを固めて素顔を見せない女が、その鋼鉄の仮面をかなぐり捨てて本当の愛に目覚める!
」という系統の燃え展開を狙っていたと思われますが、でも彼女の場合は肝心の「鉄壁の守り」の描写がそれほど出てこなかったためか、どっちかと言えば「普段は強がっているけど、実は押しに弱くてすぐにボロを出しちゃう
」という、いわゆるドジっ娘委員長系にカテゴライズされるお話になっちゃったような気がします。
まあ、それはそれでいいんですけどね(いいのか)。
そして、カワイイ顔して大の男達を好き勝手に振り回しす娘の理緒ちゃんは、黒い下着系女子として将来有望な人材だと思われるので、大事に育てて頂きたいと思いました。
2. 墨村繁守(結界師)
今週の「結界師
」には、自分の中で週刊少年サンデーにおける「普段は強がっているけど、実は押しに弱くてすぐにボロを出しちゃう」女性キャラナンバーワンの座に輝いている春日夜未が久しぶりに出ていたのでオレ大喜びでしたけど、でもそれ以上に私はオヤジキャラが大好きなので、今週の第2位は墨村繁守68歳で決定。
年甲斐もなく大はしゃぎしながら妖怪を狩るシーン、ふと素に戻って斑尾とシリアスな会話をするシーン、やっぱり年甲斐もなく良守と口論しちゃうシーン、どれも萌えです。萌え。これから彼のことは、私も白尾に倣って「シゲ坊」呼ばわりして行きたいと思います。
あと、相変わらず愛想がなくて突っ張ってるけどやっぱり正守の命令には逆らえない、微妙な立場の夜未も良かったです。
彼女は、地味ながらも今後のこのマンガの行方を左右しそうな位置にいるキャラだと思うので、そろそろWebサンデーのキャラクター紹介のところに彼女も載せてあげて下さい。
3. 今週の「いでじゅう!」はおかしい
普段から「普通に柔道やってるとおかしい」と言われている「いでじゅう!」ですが(偏見)、今週の展開はいつにも増して変です。「普通に柔道」どころか、もはや柔道をやろうとするとどこからか邪魔が入って柔道すら普通にやらせてもらえないという、「県立伊手高柔道部物語」なるタイトルにそぐわないアンビバレンツな領域に入りつつあるように思えます。
また、せっかく森さんが林田君のことを意識し出したことで、ついにこのマンガも普通のラブコメっぽいモジモジカップル話が楽しめる体制になったのかなー、とも思ってもいたのですが、こちらも柔道と同様に、もはや普通にラブにコメることすら不可能な状態。
フィクション世界の恋にはドラマチックな展開が不可欠と申しますが、ちょっとドラマチックに過ぎるのではないかと思いました。
そんな中で、今週たいへんに格好良かったのが、自分の中では週刊少年サンデーにおける報われないキャラナンバーワンの座に輝いている朔美ちゃん。林田に対して毅然と「森先輩を助けに行ってあげて下さい!
」と言い放つ彼女はとても格好良く、とても素敵で、とても報われていません。
これでこそ朔美ちゃんだ!(ひどい)
4. 今週の「道士郎でござる」もおかしい
先週は「あーそーぼー!
」と叫ぶだけだった道士郎ですが、今週は久しぶりに本領を発揮。中学生女子相手に「武士」とは何かをテーマに延々と禅問答を繰り返すという、とても武士らしい活躍を見せてくれました(活躍?)。
このマンガにおける「武士」とは人種や職業や性別のように明確に定義できるものではなく、むしろ心の有り様を表す、極めてスピリチュアルなものであると考えられます。「武士道」という言葉が表す通り「武士」とは本来求道的なものであり、その「道」が指し示すものを知るためには「悟り」を得る必要があるのです。
既に悟りを得て「道」を体現している道士郎にとっては、「武士」とは説明する必要もない程に自然な概念に過ぎないのですが、社会常識に囚われて「悟り」への道を見いだすことが未だできていない梢ちゃんは「武士」の概念を理解することができず、結果的に高潔な武士であるはずの道士郎がただのバカにしか見えないということになってしまうのです。
まあ、確かに武士はある意味バカな存在ですけどね! 週刊少年サンデーにおける馬鹿なキャラのナンバーワンは、道士郎で決まりですけどね! 勿論、馬鹿は誉め言葉ですけどね! 正気にては大業ならず! 武士道はシグルイなり! なのですけどね!
何を言っているのか判らなくなってきたので次。
5. コオロギの足(こわしや我聞)
普通こういうシチュエーションだと入れるのはゴキブリなんじゃないかと思うのですが、何故今あえてコオロギなのか。メイド國生さんのエプロンの形状が他の女子部員と違うこと以上に気になります。世の中は不思議でいっぱいです。
あと、サンデーの感想サイトや掲示板なんかを読んでいると、「メイド喫茶なんてネタで読者に媚びを売らないといけないくらい、今の『我聞』は人気がないのか?
」なんて憶測を、時々見かけます。
がんばれ藤木先生(フォロー)。
2005/01/21
■生きてます(近況報告)サンデー8号感想
- 「最強! 都立あおい坂高校野球部」第3話まで終了
- 押しに弱い黒木助教授(ワイルドライフ)
- 時音残酷ショー(結界師)
- 「俺の許可なく死なせはせん!」(クロザクロ)
- 「エーリーターン、あーそーぼー!」(道士郎でござる)
- 番外:生徒会長(こわしや我聞)
□
1. 「最強! 都立あおい坂高校野球部」第3話まで終了
今週の「あおい坂」ですが、
- かつての友との完全なる決別!
- 甲子園を目指す主人公達の熱意に全く無関心な先生や学生達!
- 外野練習もマトモにできない程の不十分な練習設備!
- これだ! これが逆境だ!
とでも言いたくなって来るくらい、主人公達の現在の状況が絶望的であることを認識させられる内容でした。もしこのマンガが正式連載ではなく「絶チル」みたいな短期集中連載だったら、「続き読みたいから読者アンケート出さなくちゃ!
」と思ってしまうくらい、続きが気になる展開です。
そんな感じで掴みはバッチリだったので、あとは今後の展開次第で更に盛り上がれることでしょう。個人的にはこれから激しく期待していきたいマンガの一つです。サンデー読む楽しみが増えましたよ。
2. 押しに弱い黒木助教授(ワイルドライフ)
お嬢さんがいるってことは、実は人妻だったんですか助教授…orz(何を期待していたんですか?)
人妻要素はさておき、今週はハシラの説明文に書かれていた「役に立たない患畜は診ないことで有名
」という設定を登場2週目にして自ら台無しにしてしまう大活躍を見せた黒木さん。しかも最期のシーンで「家で娘が飼ってる犬が倒れた」という泣かせ必至な展開に巻き込まれてしまい、早くもアイデンティティクライシスな状況に立たされてしまいました。
果たして彼女は、この状況下でも「役に立たない患畜は診ないことで有名
」という自分の信条に操を立て続けることができるのか、それともこのまま雰囲気に流されてずるずるとヤッてしまい(治療を)、鉄生のペースに巻き込まれてしまうのか? ここが、彼女の運命の分かれ道であると言えるでしょう。
学部での名誉か! それとも動物への愛か!
相手が人妻だと判ったので、ちょっとアダルトな表現にしてみたがどうか(アダルト?)。
3. 時音残酷ショー(結界師)
前回の感想では「時音残酷ショーの幕開けです
」とか適当なこと書いたんですが、今回は本当に最初から最後まで時音残酷ショーネタを披露してくれたので、個人的には大満足でした。
散々痛めつけて可能な限りの情報を脳男から引き出した挙げ句、「あそこじゃ一番優しくないのよ
」とか言いながら、慈悲の感情を欠片も見せずに相手をデリート完了。相手を散々痛めつけた上で落とし前をキッチリ付ける時音の姿は、もはや「怖い」を通り過ぎて「清々しい」の領域にまで達していると思います。
田辺イエロウ先生は、今どきの少年誌読者が「ヒロイン」に対して何を求めているのか、ホントによく判ってますね!(誉めてます)
あと、そんな恐ろしい時音を目の当たりにしても一向にめげてない良守に萌え。
4. 「俺の許可なく死なせはせん!」(クロザクロ)
今週はなんか妙に幹人君がカワイく描かれていたような気がするのですが、その辺どうでしょうか皆さん。
手を縛られて自由が効かない状態に置かれた彼は、九蓋の庇護を得るために無意識に母性本能に訴えかけるプリティーな外見に変形したとか、そういう裏設定があるのでしょうか。これも傀牙の能力の一つ?(妄想が過ぎます)
そんな感じでたいへんに可愛くなってしまった幹人にグッと来てしまったのか、「お前の命は、あの時俺が預かった!
」「俺の許可なく死なせはせん!
」と、どう考えてもプロポーズにしか聞こえない台詞を連発し、その上幹人を小脇に抱えてお持ち帰りモードに入ってしまった九蓋さん。
そんなラブモード全開な九蓋にアテられたのか、ついに御形までが冷徹なメガネの仮面をかなぐり捨て、「オレはそれ(人であること)を捨てた!
」とか言いながら九蓋を守るために戦うのであった! という、萌えるシチュエーションの数々を堪能させて頂きました。
こういう読み解き方は、「クロザクロ」的には正当ですよね?(いいえ)
5. 「エーリーターン、あーそーぼー!」(道士郎でござる)
今週のサンデーで一番グッと来たのが、実はこのマンガでした。
特に、道士郎が「戦いじゃ。助太刀いたそう
」とか格好いいことを言いながら、健助殿と一緒に「エーリーターン、あーそーぼー!
」と叫び始めたところなんか、もう最高にキました。これが健助とエリカにとっての「戦い」であると認識し、愚直ながらも真っ正面から健助を援護するために戦場に赴く道士郎は、「戦う場所」をわきまえている本当の意味での武士なんじゃないかと思えてきましたよ。
通勤電車の中で読んでて泣くかと思った(弱い)。
番外:生徒会長(こわしや我聞)
そんな感じで今週のサンデーは燃えと萌えが満載でしたが、サンデーを萌えの観点から論ずるなら、やはり「こわしや我聞」における國生さんのメイド姿は抑えておかないといけません。
今週のエピソードでは、風紀にうるさい生徒会長をも一撃で黙らせて籠絡してしまう攻撃力を発揮。國生さんの萌えっぷりは、いよいよ人型兵器の領域にまで突入しつつある様です。
でも個人的には、むしろデコ・三つ編み・メガネと三拍子揃った生徒会長もなかなかのものだと思います(兵器として)。秘書・格闘・メイドとあらゆる局面で活躍できる万能型の國生さんと比べると対象範囲が狭いですが、「デコ・三つ編み・メガネ・生徒会長」の4連コンボが通用する敵が相手だったら、その破壊力は抜群。運用さえ間違わなければ、彼女も「我聞」キャラ萌えマンガ化における強力な武器となることは間違いありません。
コミックス4巻掲載のおまけマンガではなんか主役張ってましたし、実は彼女は「我聞」スタッフの間でも密かに愛されてるキャラなのかも知れません。彼女の今後の活躍を期待しています(兵器として)。
2005/01/14
■「MAR」アニメ化!マジっスか!記念・サンデー7号感想
- 黒木助教授(ワイルドライフ)
- 雪村時音(結界師)
- 菅原鈴緒(都立あおい坂高校野球部)
- 天野恵(こわしや我聞)
- 白瀬エリカ(道士郎でござる)
- 番外. 今週の東遊記
□
1. 黒木助教授(ワイルドライフ)
性格が悪そうで、根性も歪んでいそうで、その上普段から黒い下着を着けて生活してそうな眼鏡女子が出て来たので、私としては今週の「ワイルドライフ」に注目せざるを得ません。
最近の「ワイルドライフ」の傾向からして、彼女も多分来週辺りで下着姿になってる姿を鉄生に偶然目撃される展開に巻き込まれるのは必至な様相だと思われますが、でもなんか彼女の場合は、仮に黒い下着姿を見られても全く動じずに相手を鼻でせせら笑いながら軽くあしらう態度に出そうで、逆に怖いです。彼女は、これまでこのマンガにはあまり出てこなかったタイプの女性キャラなのではないかと思われます。
また、陰謀好きな平波学部長から重用されているところから推測するに、彼女は局内の政治力にも長けていることが予想されます。きっと彼女は内心では平波学部長を心底馬鹿にしており、いつか部長を追い越してこの病院を乗っ取ってやろうという野望に燃えているに違いない! と見ました(勝手に)。
自分の野望のためなら何でも利用しようとする典型的な堅物眼鏡女子の彼女を、一途な鉄生がどうやって籠絡するのか。あの黒木女史が鉄生に裸を見られて頬を染めてしまうコテコテな展開に至ることは、果たして可能なのか否か? 眼鏡キャラファンとしては、そういう観点から注目していきたいと思いました。
勿論、「ワイルドライフ」というマンガは本来そういうマンガじゃないことは、重々承知しております。
2. 雪村時音(結界師)
「なめんじゃないわよ
」と言った直後に、男の側頭部に結界をぶつける時音さんがステキな今週の「結界師」。
側頭部にいきなりあんな固いモノをぶつけたりしたら、普通の人間は間違いなく死にます。結界師としての己のプライドを傷つけられた今回の彼女は、まったく容赦がありません。これで彼女に惚れなきゃ男じゃないね! というくらい、今週の時音は輝いていると思いました。
また、志々尾は今回「傍観者」の立場を貫いているのでこの戦いには介入しなそうな雰囲気ですし、肝心の良守に至っては普段じゃ見られない時音のアダルトな一面を目の当たりにした結果完全に中学二年生モードに入っているので、介入どころではありません。
つまり、怒りに燃えた時音を止める者はもはや誰もいないのであり、次週は時音が妖怪・脳男(および、操られた隣の高校のイケメン男子)を思う存分虐殺する凄惨な展開が繰り広げられることは、もはや不可避の有様。時音残酷ショーの幕開けです。
来週のサンデーが楽しみです。
3. 菅原鈴緒(都立あおい坂高校野球部)
「感動! 劇的! ああっ! 最っっ高!
」
かつての教え子が憧れの甲子園で大活躍するのを目の当たりにして全身で嬉しさを表現する鈴緒姉さんが、ンもう可愛くて可愛くてたまりません!
も、萌えー!(頭悪い感想)
「この人を勝たせるために野球をやるんだ!
」と意気込む主人公達と、「自分が勝利を得るために野球をやるんだ!
」と決意を新たにする強力なライバル。極めて判りやすく、かつ燃える対立構造です。「リベロ革命!!」も「鳳ボンバー」もそうでしたが、こういった判りやすくて燃える物語を描かせると、田中モトユキ先生はホントに上手いなあと思います。
後は、この構造をどこまで突き詰めることができるかが勝負でしょう。バカ・ハデ・オトコの三拍子揃った、男臭い展開を期待しております。あと、姉萌え要素も期待。
4. 天野恵(こわしや我聞)
そんな感じで、最っっ高に萌え萌えな姉萌えキャラ・鈴ねえを擁してサンデーの萌えマンガ戦線に「あおい坂」が乗り込んで来た訳ですが、この緊急事態に対して「そう簡単にはサンデー随一のキャラ萌えマンガの座は渡さねえ! 本気になったオレの力を見せてやる!」と、「こわしや我聞」の藤木俊先生が大発憤。「メイド喫茶」という最強最期最大のなりふり構わぬネタを繰り出し、本格的な勝負モードに突入してしまいました。
「こわしや我聞」とは、「仙術」という特殊な格闘術を武器に人知れず悪と戦う、「こわしや」と呼ばれる者達の活躍を描いたアクションコミックなのである!
なんて建前なんか、もうどうでもいい! 國生さんのメイド姿で、サンデー読んでる萌え野郎共を一撃で萌え狂わせてやるぜガハハハハ! ガハハハハ! ガーハハハハ! なんておかしなノリでテンションを上げまくっている、作者や編集者達の様子が目に浮かぶようです(妄想)。
にしても、今週は特に卓球部女子筆頭・天野恵が良いですね。「卓球部がいきなり文化祭でメイド喫茶を!」なんて無茶な展開をも説得力を持たせることが可能な統率力を持った、ステキなキャラだと思います。
彼女を中心に卓球部のメンバーを大暴れさせるような学園コメディマンガを作ることができれば、「スクールランブル」みたいな形にすることだって可能だと思いますよ! ますます「こわしや」とは関係ない世界に突入してしまいますが!
あと、今週出てきた「ジークピンポン!
」というフレーズは、今頃全国の中学校や高校の卓球部の間で大流行しているに違いないと思った。
5. 白瀬エリカ(道士郎でござる)
道士郎団(仮称)の中で一番謎が多そうな、白瀬エリカの正体がいよいよ明らかに! みたいな雰囲気になって来た今週の「道士郎でござる」。不良女子相手に繰り出したボディブロー+足払いのコンボ攻撃もグルービーですが、何よりもナイフを手の平に突き刺しながら押し戻すシーンの迫力は圧巻モノでした。彼女が修羅の道を歩んでいる者であるということを、説得力ある描写で表現できていると思います。
あと、今週は「バカ子」呼ばわりされてる美世里に人気が出そうだなとか思いました。
バカ子×エリタンとかどうか(と言われても)。
番外. 今週の東遊記
「このチンカスヤロー!
」
「来い! アバズレ!
」
今週の「東遊記」は、身も蓋もないくらいヤバい罵倒の応酬が熱かったです。
ていうかアバズレて。いいのか。
イチゾーが急成長し、神を殺すことを決意してからの「東遊記」は、何かちょっと妙な面白さが出てきていると思います。
例えるなら、「一番湯のカナタ」でリョウが子供になってからの面白さに通じるものが(不吉)。
□
※私信:私宛にメール出して下さってる皆さん、返事出せなくてすみません。
読んではいますので、お返事はもうしばらくお待ち下さい
2005/01/10
■2004年のサンデーを振り返る
2004年のマン・オブ・ザ・イヤーは能登麻美子に決定!(挨拶)
昨年は、自分が見るアニメ番組に必ずと言って良い程能登麻美子ヴォイスのキャラクターが登場し、常に私の前に立ちはだかったことが、強く印象に残った1年でした。
他は特にありません。
□
それはともかく、毎年恒例なので、今更ではありますが去年のサンデーで始まった/終わったマンガをまとめてみました。
※参考:週刊少年サンデー超名鑑!!(HEAD PLAN雑貨店)
2004年に始まったマンガ | 2004年に終わったマンガ | ||
暗号名はBF | 04年7号 | ||
売ったれ ダイキチ! | 04年8号 | ||
ロボットボーイズ | 04年10号 | ||
こわしや我聞 | 04年11号 | ||
思春期刑事ミノル小林 | 04年13号 | ||
きみのカケラ | 04年14号 | ||
ファンタジスタ | 04年14号 | ||
DAN DOH !! ~ネクストジェネレーション~ |
04年17号 | ||
怪奇千万!十五郎 | 04年20号 | ||
道士郎でござる | 04年22・23号 | ||
かってに改蔵 | 04年34号 | ||
美鳥の日々 | 04年34号 | ||
クロザクロ | 04年35号 | ||
暗号名はBF | 04年37号 | ||
東遊記 | 04年38号 | ||
ハヤテのごとく! | 04年45号 | ||
うえきの法則 | 04年46号 | ||
DAN DOH !! ~ネクストジェネレーション~ |
05年1号 | ||
モンキーターン | 05年3号 |
去年のサンデーは、長期に渡って誌面を支えた「ファンタジスタ」「モンキーターン」の円満終了、「美鳥の日々」「焼きたて!! ジャぱん」などに代表される積極的なアニメ化攻勢、根強い人気を持つ夏目義徳先生が新連載「クロザクロ」で復帰、そして「絶対可憐チルドレン」掲載+正式連載化決定など、ポジティブな話題がいくつもあったはずのですが、でも我々のような読者にとっての2004年のサンデーは、
- かってに改蔵の連載終了
- 編集長交代
- 怪奇千万!十五郎
の三本だけが強く記憶に残る年となってしまった感があります。
特に「かってに改蔵」の連載終了のネット上での余波はあまりにも大きく、私も「改蔵が終わったからもうサンデー読まない
」と書かれた日記サイトやブログを何度見たか知れない程。連載終了に関しては、作者の久米田先生がコミックスの巻末コラムにおいて独特の鬱文章で終了の理由を臭わせたり、その後になってそれを裏付けるような噂がネットで流れたりと、これまでのサンデー連載にはなかった動きがあったのも印象的でした。
「改蔵」がどのような理由によって連載が終了したのかは(私も、改蔵コミックス最終巻の作者の独白と、ネットで聞いた噂でしか知らないので)実際のところはよく判らないので何とも言えませんが、「改蔵」のように一見少年マンガ向けではない不健全そうな作品であろうとも、あのようなシニカルなユーモアに彩られた「毒」を持った作品を必要としている読者は年齢を問わず必ず存在していることを見抜けず、ファンに不信感を抱かせるような形で連載を終わらせてしまったのは、さすがに編集部のミスといわれても仕方がないんじゃないかな、と思います。
というか、私も、「改蔵」と「美鳥」の連載が終わり、「絶対可憐チルドレン」の短期連載も終了した後のサンデーが雑誌としてあまりにもつまらなく思えるようになってしまい、この雑誌を購読するのを止めようかと本気で検討していた時期があったことを、ここで告白しておきます(43~44号の頃。このサイトやってなかったら、多分サンデー買わなくなってたと思う)。
そして昨年は、その「改蔵」の連載終了を決断したことで有名になってしまった「M編集長」こと三上氏から、林正人氏に編集長が交代したことも話題になりました。
このサイトに編集長交代の記事を載せた時には「ヤマカム」さんを初めとした色々なサイトからリンクされてビックリしましたけど、それだけこの異動に関しては注目度が高かったということなのでしょう。
新編集部のカラーが本格的に出て来るのは今年の春頃からになるのではないかと推測していますが(根拠:編集長が交代した直後に決まった「絶対可憐チルドレン」の連載が始まる時期だから)、今年はどのような方向性の作品を掲載していくつもりなのか、期待をもって見守りたいと思います。色々な意味でウォッチし甲斐のある雑誌になって欲しいですね!(イヤな読者だ)
あと「怪奇千万!十五郎」については、せめてこの作品の存在がルーキーを起用する際の大きな教訓となったことを祈るばかりであります。新人作家が週刊連載でモノになるかどうかは事前に予測できないこととは言え、さすがに「十五郎」は「事故」じゃ済ませられない何かがあると思いますので。
□
昨年はサンデーに限らず、色々と厳しい年だった印象が強かったです(能登麻美子ヴォイスを除く)。
今年はもっと楽しいマンガが読める年でありますように。あと、「絶対可憐チルドレン」がヒットしますように。
「絶チル」の紫穂の台詞を、能登ヴォイスに脳内変換するのは合法ですか?(おわり)
■GS美神 DVD-BOX情報
2005年1月26日に発売される「GS美神 DVD-BOX」の情報をまとめるエントリです。
□
■GS美神 DVD-BOX(スターチャイルド)
DVDの販売元・スターチャイルドの宣伝ページ。
掲載されている情報は以下の通り:
- 05/ 1/26発売、全8枚組、価格は¥47,250
- ボックスやジャケットのイラストは全て椎名高志先生書き下ろし
- 別冊付録「ゴーストスィーパーGS美神」が付属
- 鶴ひろみ(美神令子役)、堀川りょう(横島忠夫役)、國府田マリ子(おキヌ役)による「GS美神事務所 1日限りの復活座談会」が映像特典として付属
- その他ノンクレジットのOP・EDなども収録
また、DVDと同時発売される「GS美神 Gorgeous Songs」に収録されている、 国府田マリ子が歌う「おキヌの子守唄」の視聴ができる。
■GS美神 DVD-BOX(Amazon)
Amazonの商品情報ページ。
現在の販売価格は¥37,800。
■GS美神・特別編 TVアニメDVD-BOX特典(椎名百貨店 the Web 完成原稿速報)
原作者・椎名高志氏による、DVD-BOX の付録コミック版「GS美神」の解説。
□
■GS美神 Gorgeous Songs(スターチャイルド)
スターチャイルドのサイトに掲載されている、1/26に再販されるヴォーカルアルバムのエントリ。
参加アーティストや収録曲目の詳細情報が掲載されている。
■GS美神 Gorgeous Songs(HMV)
HMVでの商品情報ページ。収録曲のタイトルが掲載されている。
当時は幻と言われていた「おキヌの子守唄」が、ボーナストラックとして収録されていることが確認できる。
あと関係ないけど、「GS女神のヴァーカルアルバムが完全盤になって復活。
」というレビューの誤字っぷりがちょっと面白い。
「GS女神極楽大作戦」と表記する間違いはまれに見かけるので気をつけよう。
■GS美神 Gorgeous Songs(Amazon)
95年に発売された、旧版のGorgeous Songs。
現在は中古販売のみ。
□
※掲示板でアルバムの情報を教えてくれたN・SOAHCさんとNomiyamaさん、スターチャイルドのDVD-BOX情報ページを紹介してくれたNOZAさんに感謝します
2005/01/06
■今年もぼちぼち書きたいと思います。サンデー6号感想
- 帰ってきた田中モトユキ(都立あおい坂高校野球部)
- 良守を尾け回す志々尾(結界師)
- 「空前の妹ブームでさえ、ワシは戦前から予見していたぁ!」(ハヤテのごとく)
- もう戻れない「いでじゅう!!」
- いきなり十三歳に成長した「東遊記」
□
1. 帰ってきた田中モトユキ(都立あおい坂高校野球部)
かつて「リベロ革命!」のママさんバレー編で年上の女性の魅力をあますところなく描き上げた田中モトユキ先生が、今再び年上の女性萌えをキーワードに復活!(挨拶)
それはともかく、私はこのマンガ本気で面白いと思いました。
かつて憧れていたお姉さんの夢を叶えるため、野球の道を志したという登場人物達のモチベーションの持たせ方は判りやすい上に素直に共感できますし、個々のキャラクターの性格付けを試合の中のワンプレーで表現する方法もバッチリ決まってますし、何より憧れのお姉さんが率いるチームの絶対的な逆境を友情(と下心)で切り抜ける今回のストーリー展開は、お約束的ではありますが、でもやっぱり熱いです。燃えます。
いやホント、連載マンガの第一話としては、かなり完璧に近い仕上がりなのではないのでしょうか。三週連続で大増ページ掲載という破格の扱いを受けるのも納得の出来映えですよね!(エラそう)
とりあえず、今週はついに俺たちの大好きな田中モトユキ先生が復活したぜ! と、素直に喜びたい所存です。
あと、超増刊に掲載された「ヤンチア」のキャラがちょっとだけ出たのが嬉しいです。
以前ここで取り上げて誉めた甲斐がありました(エラそう)。
2. 良守を尾け回す志々尾(結界師)
志々尾が何かにつけてやたら良守に突っかかるシーンの後で、志々尾が登校途中の良守をわざわざストーキングするシーンをあえて挿入。もし自分が腐女子さんだったら、このシーンで色々と妄想して楽しめたんだろうなあー、と思ってしまいました(バカ)。
その一方で、「女の方がいい臭いするけどな
」と意味深な台詞を志々尾に発言させ、我々のような男性読者の中学二年生中枢を刺激することも忘れていません。田辺イエロウ先生の読者に対する心配りは、今週も絶好調です。
「結界師」という作品は、そんな感じで目の肥えた読者をも満足させるだけの高い品質と人気を兼ね備えた、今年のサンデーの屋台骨を支える作品に成長するに違いないね! と、今週号を読んで確信致しました。
こういう褒め方は正直どうだろう(止めようよ)。
3. 「空前の妹ブームでさえ、ワシは戦前から予見していたぁ!」(ハヤテのごとく)
物語を一気にシリアス方面に振る大ゴマを出した直後のタイミングで、あえてこんなネタを繰り出す畑先生の心意気に痺れました。この台詞でなにげにハヤテがビビってるところもポイント高いです。
でも、もう時代は妹じゃなくて姉ですけどね! 姉! あとは百合とツンデレな!(止めようよ)
最初はこのマンガはいわゆる「美少女わんさかコメディー」のフォーマットに乗っ取った、外界から隔絶された閉塞環境で主人公が女の子からモテ続ける系に走るのかなと思っていたのですが、どうやらそれだけが狙いではなく、実はオタク受けするネタを織り交ぜつつも本質は割と普通っぽいコメディをやりたいのかな、と思えるようになって来ました。
今のサンデーでおそらく唯一ニュース系サイトでネタにされて面白がられる(良い意味で)マンガであると同時に、普遍的な面白さを持ったスラップスティックコメディーでもあろうとする「ハヤテのごとく」は、実はある意味今年のサンデーの目玉となれる作品なのかも知れません。やるじゃないですか畑先生!
この調子で、今年こそは師匠の久米田先生が果たせなかった「打倒赤松健」の野望を!(敵が大き過ぎます)
4. もう戻れない「いでじゅう!!」
去年から散々引っ張ってきた林田君と森さんのロマンス劇ですが、結果的にこの二人の関係は「劇的」なまでに変化したと解釈して良いでしょう。
今後のこのマンガは、森さんが林田君のことを猛烈に意識することを前提として話を作ってくることが予想されます。ラブコメマンガとしての構造はこれまでの「林田→森」から「森→林田」の流れに変わることは確実であり、そういう意味において今週は「いでじゅう!」という作品における大きなターニングポイントとなったことは間違いありません。
つまりこの作品は、ついに「変化」を選択したのです。もう、これまでのぬるいラブコメ路線には戻れないのです。
なので、来週からの「いでじゅう!」は、かなりノリが変わるのではないのでしょうか。
きっと、「ラブひな」における10巻までと11巻以降くらい、違ったマンガになりますよ!(判りにくい例え)
5. いきなり十三歳に成長した「東遊記」
主人公のイチゾー君の服の袖がダボダボだったのは、これの伏線だったのか!
すごい!(の?)
なんか、第一話の時に言ってた「夢」がどうとかいうところからはかなり遠くに来てしまった気がする「東遊記」。今回、物語が「神殺し」という神話的スケールにインフレを起こしたことで、これから更に遠いところに行ってしまいそうな気がします。これから「東遊記」は何処へ向かうというのか。
今週のサンデーは展開的に節目を迎えたマンガが多かった印象ですが、このマンガもまた大きな節目を迎えたのは間違いなさそうです。
2005/01/01
■新年のご挨拶
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
※表紙をおキヌちゃん版に差し替えておきました
■てれびくん2005年2月号
マージ・マジ・マジーロ!(マジレンジャー風挨拶)
この時期の幼年誌は、特撮やアニメの新番組情報が満載で面白いですな。
「特捜戦隊デカレンジャー」の後番組が「魔法戦隊マジレンジャー」ってのは噂には聞いてましたが、これって本気だったんだ! 「本気」と書いて「マジ」と読ます勢いだなあ! と、「てれびくん」を読んで認識させられました(バカ)。
□
そんな訳で、また椎名ネクサスを読むために「てれびくん」買いました。
今回掲載されているのは、以前椎名先生のサイトで紹介されていた「闇に吸収して殺す!」のアレです。
※今回は多少のネタバレが含まれますので、まだ「ウルトラマンネクサス」の8~12話を観てない方は注意
先月は色々と忙しくて「ネクサス」をゆっくり観ている暇がなく、先に「てれびくん」の方を読んだのですが、なんか話があまりに大変なことになっていてビックリ。
「闇に吸収して殺す!
」とか言いながらウルトラマンに突っかかってたダークファウストの中に、何で主人公の狐門の恋人のリコがネグリジェ姿で入ってんの!? それで何でいきなり主人公の胸の中で死んじゃうの!? 椎名先生やりすぎですよ!? とかそんな感じになってしまい、これは本編を観てみないといかんと思って、大晦日の夜に慌てて録画していた「ネクサス」の8~12話を鑑賞。
結論:やりすぎていたのは、椎名先生ではなく「ネクサス」本編の脚本でした。
マンガの方ではウルトラマンとクロムチェスターに倒されたダークファウストの中からいきなり恋人のリコが出て来ていますが、本編の方では、リコが実は既に過去にビーストに襲われて死んでいた人間であり、最期にTLTに裏切られて死んだ怨念からダークファウストの媒体となってしまった(って解釈でいいんですよね?)、という伏線が明らかにされます。
4話をかけて徐々に主人公の恋人(の頭)がだんだんおかしくなって行く様をみっちりと描いているので、観ていて不安になることうけあい。この番組、ホント容赦ありません。
こんなキツい話を再編集し、原作で重要なシーン(ウルトラマンが墜落寸前だったクロムチェスターを受け止めて助けるところとか、TLTのメンバーがウルトラマンを味方と認識するところとか、狐門とウルトラマンが目と目で通じ合うところとか)を織り込んだ上でちゃんと10ページにまとめる椎名氏のセンスには、毎度のことながら感心させられます。
確かにこんなやっかいな話は、幼年誌向け漫画だからとかいう理由で手加減できるものでは全然ないので、「もー椎名ネクサスはこの路線で最後まで行っちゃいましょう!
」と編集担当者が言うのも納得というか、致し方ないというか。
そんな感じで本編は大変なことになってる「ネクサス」ですが、今回は事前に椎名ネクサスを読んでストーリーの概要を掴んでいたためか、本編を理解するのがいくらか容易になったのは確かです。いっそのこと、椎名版ネクサスをDVD版の初回特典のオマケに副読本として付けてもいいんじゃないか? とか思いました。
幼年マンガは大人が読んでも勉強になるなあ(まちがい)。
□
あと最初の方に書きましたが、今月(2005年2月号)の「てれびくん」は、さすがに新番組情報が沢山載ってましたよ。
仮面ライダー響鬼
「清めの音をたたきこむぞ!!」という清々しい誌面のアオリ文句が印象的な新ライダー。1/30から放送開始。
今度のライダーは、太鼓のバチを振り回し、「オレのドラムを聞けー!
」とか叫びながらサウンドバトルを仕掛ける展開が予想されます(注:多分叫びません)。
先月号と今月号に「なりきりセット」(要するにお面)が付録に付くなど、「てれびくん」的にはかなり推してる作品っぽいです。
魔法戦隊マジレンジャー
既にネットでは話題になってる、勇気と魔法で悪と戦う新戦隊モノ。2/13から放送開始。
詳細は次号に掲載だそうです。なりきりセットも付いてくるぜ!(やるの?)
甲虫王者ムシキング
私の職場の同僚の息子さんもハマってる(関係ない)、みんな大好き「ムシキング」がついにアニメ化。テレビ東京系で春頃開始予定。
アニメ化で注目するべき点は、やはり主人公のポポがゲーム版と比べてやたらと凛々しく、かつ可愛らしくなったことでしょうか。ポポの可愛らしさに注目したアニメ版ムシキングの同人誌を作る人が絶対出るね! と思いました。カブトムシのツノがポポに!(´д`;)
トランスフォーマー ギャラクシーウォーズ
1/8開始。すっかり長寿シリーズになりましたね。
私は初代しか観たことないので今のTFは全然別物に見えますが、でも相変わらずコンボイ指令は健在なようで何よりであります。声優は今も玄田哲章氏なのでしょうか。
あと、付録にピカチュウのミニフィギィアとか「ネクサス」の総集編DVDとかが付いて、ちょっとお得な気分になれました。
もうすっかり「てれびくん」の虜です(弱い)。