2005/01/06

■今年もぼちぼち書きたいと思います。サンデー6号感想

  1. 帰ってきた田中モトユキ(都立あおい坂高校野球部)
  2. 良守を尾け回す志々尾(結界師)
  3. 「空前の妹ブームでさえ、ワシは戦前から予見していたぁ!」(ハヤテのごとく)
  4. もう戻れない「いでじゅう!!」
  5. いきなり十三歳に成長した「東遊記」

1. 帰ってきた田中モトユキ(都立あおい坂高校野球部)

 かつて「リベロ革命!」のママさんバレー編で年上の女性の魅力をあますところなく描き上げた田中モトユキ先生が、今再び年上の女性萌えをキーワードに復活!(挨拶)

 それはともかく、私はこのマンガ本気で面白いと思いました。
 かつて憧れていたお姉さんの夢を叶えるため、野球の道を志したという登場人物達のモチベーションの持たせ方は判りやすい上に素直に共感できますし、個々のキャラクターの性格付けを試合の中のワンプレーで表現する方法もバッチリ決まってますし、何より憧れのお姉さんが率いるチームの絶対的な逆境を友情(と下心)で切り抜ける今回のストーリー展開は、お約束的ではありますが、でもやっぱり熱いです。燃えます
 いやホント、連載マンガの第一話としては、かなり完璧に近い仕上がりなのではないのでしょうか。三週連続で大増ページ掲載という破格の扱いを受けるのも納得の出来映えですよね!(エラそう)

 とりあえず、今週はついに俺たちの大好きな田中モトユキ先生が復活したぜ! と、素直に喜びたい所存です。
 あと、超増刊に掲載された「ヤンチア」のキャラがちょっとだけ出たのが嬉しいです。
 以前ここで取り上げて誉めた甲斐がありました(エラそう)。

2. 良守を尾け回す志々尾(結界師)

 志々尾が何かにつけてやたら良守に突っかかるシーンの後で、志々尾が登校途中の良守をわざわざストーキングするシーンをあえて挿入。もし自分が腐女子さんだったら、このシーンで色々と妄想して楽しめたんだろうなあー、と思ってしまいました(バカ)。
 その一方で、「女の方がいい臭いするけどな」と意味深な台詞を志々尾に発言させ、我々のような男性読者の中学二年生中枢を刺激することも忘れていません。田辺イエロウ先生の読者に対する心配りは、今週も絶好調です。

 「結界師」という作品は、そんな感じで目の肥えた読者をも満足させるだけの高い品質と人気を兼ね備えた、今年のサンデーの屋台骨を支える作品に成長するに違いないね! と、今週号を読んで確信致しました。
 こういう褒め方は正直どうだろう(止めようよ)。

3. 「空前の妹ブームでさえ、ワシは戦前から予見していたぁ!」(ハヤテのごとく)

 物語を一気にシリアス方面に振る大ゴマを出した直後のタイミングで、あえてこんなネタを繰り出す畑先生の心意気に痺れました。この台詞でなにげにハヤテがビビってるところもポイント高いです。
 でも、もう時代は妹じゃなくて姉ですけどね! ! あとは百合ツンデレな!(止めようよ)

 最初はこのマンガはいわゆる「美少女わんさかコメディー」のフォーマットに乗っ取った、外界から隔絶された閉塞環境で主人公が女の子からモテ続ける系に走るのかなと思っていたのですが、どうやらそれだけが狙いではなく、実はオタク受けするネタを織り交ぜつつも本質は割と普通っぽいコメディをやりたいのかな、と思えるようになって来ました。
 今のサンデーでおそらく唯一ニュース系サイトでネタにされて面白がられる(良い意味で)マンガであると同時に、普遍的な面白さを持ったスラップスティックコメディーでもあろうとする「ハヤテのごとく」は、実はある意味今年のサンデーの目玉となれる作品なのかも知れません。やるじゃないですか畑先生!
 この調子で、今年こそは師匠の久米田先生が果たせなかった「打倒赤松健」の野望を!(敵が大き過ぎます)

4. もう戻れない「いでじゅう!!」

 去年から散々引っ張ってきた林田君と森さんのロマンス劇ですが、結果的にこの二人の関係は「劇的」なまでに変化したと解釈して良いでしょう。
 今後のこのマンガは、森さんが林田君のことを猛烈に意識することを前提として話を作ってくることが予想されます。ラブコメマンガとしての構造はこれまでの「林田→森」から「森→林田」の流れに変わることは確実であり、そういう意味において今週は「いでじゅう!」という作品における大きなターニングポイントとなったことは間違いありません。
 つまりこの作品は、ついに「変化」を選択したのです。もう、これまでのぬるいラブコメ路線には戻れないのです。

 なので、来週からの「いでじゅう!」は、かなりノリが変わるのではないのでしょうか。
 きっと、「ラブひな」における10巻までと11巻以降くらい、違ったマンガになりますよ!(判りにくい例え)

5. いきなり十三歳に成長した「東遊記」

 主人公のイチゾー君の服の袖がダボダボだったのは、これの伏線だったのか!
 すごい!(の?)

 なんか、第一話の時に言ってた「夢」がどうとかいうところからはかなり遠くに来てしまった気がする「東遊記」。今回、物語が「神殺し」という神話的スケールにインフレを起こしたことで、これから更に遠いところに行ってしまいそうな気がします。これから「東遊記」は何処へ向かうというのか。
 今週のサンデーは展開的に節目を迎えたマンガが多かった印象ですが、このマンガもまた大きな節目を迎えたのは間違いなさそうです。

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