2005/03/11

■杉本ペロ先生とワイルドアームスの組み合わせは異常だと思ったサンデー15号感想

  1. 鈴木央先生登場(ブリザードアクセル)
  2. 「私は誰も死なせぬ!」(金色のガッシュ)
  3. 白爪の七人(クロザクロ)
  4. 「オレは絶対テメーにゃ負けねえ!」(道士郎でござる)
  5. 「女にモテたこと…ねぇでしょ?」(からくりサーカス)
  6. 番外:三木のり平(焼きたて! ジャぱんですよ)

1. 鈴木央先生登場(ブリザードアクセル)

 「ブリザードアクセル」が載ってるとこだけ雰囲気がジャンプだ!(感想)

 普通の漫画家の場合だと、掲載誌が変わったら作風が多少なりともその雑誌のカラーに沿った雰囲気になったりするものだと思うのですが、鈴木央先生の場合は何かそういうのが無いような気がします。
 P.26で「もっと騒いでくんねーんだよー!」と騒ぐ主人公の描写の仕方なんか、言葉で表現するのは難しいんですけど、でも何となく「表現の仕方がジャンプっぽいなあ」とか思いません?(思い込み)

 それで内容の方ですが、読み切り版とは大きく話の中身を変えて勝負に出て来たな、という印象です。全編に渡ってコメディータッチだった読み切り版とは違い、今回は主人公のコンプレックスをフィギィアスケートを通して昇華させることで精神的に成長して行く過程を描く、正統派少年マンガな展開を期待させてくれる雰囲気の作品だと思いました。今年のサンデーの中軸を担えるマンガに成長してくれることを期待します。
 後は、主人公の友人の花音というキャラの性別が、個人的には激しく気になります。着ている学生服からすると多分男なんだろうけど、カラーページのイラストでスカートのようなものを履いて踊っているのが混乱の元凶。ぜひ脱がせて下さい

2. 「私は誰も死なせぬ!」(金色のガッシュ)

 仲間の命か、世界の滅亡か。相反する選択を突きつけられたガッシュは、悩んだ末に「私は誰も死なせぬ!」とどちらも救う道を探すことを高らかに宣言。仲間を救うためには『ファウードを復活させる』危険を冒すことも厭わない勇気を仲間達に見せることで、彼はついに「王への道」を歩み始めたのだ――というお話でした。
 王への道、即ち王道。ガッシュの選択した道は、「少年漫画として正しい選択肢はそれしかない!」という意味においても、まさに王道の展開となりました。雷句誠先生は『ヒーロー』を描くことに対して常に激しい情熱を抱いている方ですが、だからこそこんな王道的展開であっても説得力を持ったストーリーが描けるんだな、と感心させられた次第です。

 で、それはそれとして、今週の「ガッシュ」では、ガッシュの尻を頭の突起物でしきりに突くリーヤの姿が印象に残りました。だって尻ですよ尻。尻を突起物で突っつくんですよ。これは一体なんの暗示ですか? 「それはリーヤの友好のしるしだ。気に入られたものだな」ということは、リーヤ×ガッシュは既に飼い主公認のカップリングということに?(バカ)
 あと、P.83でガッシュが「この選択にはまだ時間がある!」と叫んだ時に清麿が見せた邪悪な笑みが忘れられません。いったい清麿殿に何が!(バカ)

3. 白爪の七人(クロザクロ)

 初登場時から、早くも「敵か味方か判らないけど、こんなのが味方になったら嫌だ」と思わせるに十分な負の迫力を醸し出していた「クロザクロ」のおかしな六人組ですが、どうやら彼らは御形の仲間だったらしいです。つまり、敵か味方かという分類で行けば、彼らは味方ということに。マジすか! こんなのが味方になっちゃうんですかこのマンガ!
 今週の話の中でも、彼らはどれも容姿に違わぬ一癖ありそうな性格のキャラとして描かれており、こんな連中にこれからつきまとわれることになる幹人君は大変だなあと思ってしまいました。

 この中でも特に嫌でも目を惹くのが、「(すずな)」「蘿蔔(すずしろ)」と名付けられた白黒ゴスロリ少女コンビ。本来私のような立ち位置にいる読者は、彼女達に対して「ゴスロリ幼女! 夏目先生デザインのゴスロリ幼女! モエー! モエー!」と、時節を弁えず脊髄反射的に叫び出さないといけないはずなんですけど、でもさすがの私ですら、彼女たちに対して萌えることを激しく躊躇わせる何かがあります。あまりに怖くて、うっかり萌えられません。
 さりげなく幹人の肩を馴れ馴れしく叩くパンダのぬいぐるみに恐怖しながら次。

※今週の豆知識:「白爪の七人」の名前は、春の七草に由来しています

4. 「オレは絶対テメーにゃ負けねえ!」(道士郎でござる)

 平時における腕力のなさではサンデーの中でも「クロザクロ」の幹人に比類するくらい非力な「道士郎でござる」の健助殿が、ついに今週ヤンキー相手に「オレは絶対テメーにゃ負けねえ!」と大激怒。
 彼の言う「強い」「弱い」は腕力のことではなく、人としての器とかそういったメタなレベルの概念のことを指していると思われますが、権力を傘に平気で他人の尊厳を踏みにじる様を目の当たりにした健助は、いよいよ『人として最も大事なもの』に目覚めつつあります。
 彼が本当の意味でのリーダー(道士郎的な表現で行けば「殿」)となるための戦いが、今ついに始まったのです。

 なんか純粋に「がんばれ健助殿!」と応援したくなる展開で燃え。自分も池内君と一緒に健助殿伝説の語り部になりてえ。

5.「女にモテたこと…ねぇでしょ?」(からくりサーカス)

 今、阿紫花さんがサンデー読者の8割を敵に回したー!(感想)

 おそらく阿紫花最期の戦いになるであろう今回の対戦相手が、(過去に因縁があったとは言え)何故よりによってパンタローネ様なのか? と、このマッチアップに対してちょっと疑問に思っていたのですが、今週の「からくり」を読んで納得しました。
 つまり今回の対戦は、これまで様々な女にモテて来た阿紫花と、たった一人の女主人にすらモテることができなかったパンタローネを対比させ、彼らオートマータが何故人間を「笑わせる」ことができないのか? というこの作品の命題とも言えるテーマを、この二人に象徴させる意味合いがあったのではないかと思います。こういう展開なら、確かに軟派な阿紫花と堅物のパンタローネの組み合わせがお似合いですね。

 という意図はよく判ったのですが、でもやっぱり「女にモテたこと…ねぇでしょ?」という台詞は刺さりますね。に。

番外:三木のり平(焼きたて! ジャぱんですよ)

 タイアップ!(挨拶)

 アニメ版「焼きたて! ジャぱん」はコンビニのローソンとタイアップを結んで「ジャぱん」ブランドの限定パンを販売、通常の菓子パンを遙かに超える好調な売れ行きを見せている――なんてニュースがこの前「ワールドビジネスサテライト」で流れてましたが、まさか「ジャぱん」タイアップ業界に桃屋が参入して来るとは想像もしてませんでした。いくら何でも、三木のり平飛び道具としてあまりにも強烈過ぎます。
 この前のジャムおじさんネタといい、もっと前のメーテルネタといい、「ジャぱん」は権利方面で無茶なことばっかりしてますね! いいぞいいぞもっとやれ!(無責任)

 そして、食パンに「ごはんですよ」を塗って食べるソリューションは、「ご飯にかけて食べると美味しいものは、パスタにかけても食える」理論(例:パスタ+納豆)を応用したものと解釈しました。一度試してみたくなる衝動に駆られます。きっと、今週は全国のスーパーで「ごはんですよ」の売れ行きが異常な伸びを示しているに違いないです! タイアップおそるべし!
 でも、ご飯と一緒に食べると美味いモノは、素直にご飯と一緒に食べた方が良いのでは?(だいなし)

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