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紫穂は既に悪魔だと思いました(感想)。
それはともかくとして、今回の主人公は葵。彼女には『チルドレン唯一の常識人』というアオリが付けられていますけど、立場的には『チルドレン三人娘の長女役』みたいな表現の方がピッタリ来るように思えます。
下の兄弟と一緒に騒いでいるところを親に見つかって叱られた時、今回の葵のように「だってこいつらが――
」と弟妹の狼藉が騒ぎの原因であると訴えようとしても「教えてやってくれ!
(=お前が子供達の面倒を見ろ、の意味)」とすげなく却下され、更に「今、電話中だから静かに!
」と大人の理不尽な理屈で言い負かされて弁解する機会を与えられずに納得できない思いをした経験は、兄弟の一番上として生まれてきた人なら誰でもあるんじゃないのでしょうか。
もっとも自分は弟として生まれてきたので、その辺の心境はよく判りませんが。姉ちゃんゴメン(私信)。
そういう訳で、今回のお話は「親が下の兄弟ばかり気にかけて、自分はかまってもらっていないんじゃないか?」という子供が抱きがちな不安を物語のベースにしている点が面白かったです。
椎名先生のサイトの次回の完成原稿速報には「自分に相応しい作品を作ることが大事
」みたいなコメントが書かれていますが、今回の話は自身も小さい子供を育てながらマンガを描いている「今の椎名高志」だからこそ作ることができたエピソードでしょうね。
あと今回は小泉総理のバッタモノが登場してきましたけど、例の郵政民営化問題で衆議院がちょうどいいタイミングで解散してしまったため、図らずもタイムリーネタに。こういうのも「ツキに恵まれてる」と言うのか。
「ハヤテのごとく!」のコミックス3巻が発売された日に衆議院が解散したため、次の日の朝の通勤電車の中で周りのサラリーマン達が「9.11衆院選挙!」と書かれた新聞を真面目に読んでる隣で「ハヤテ」の3巻を読むことになってしまって困った人?(挨拶)
今回は「このマンガ唯一の『一般庶民』」である西沢さんが主人公のエピソードでしたが、バックにハムスターのスタンドを出現させた上、「弱っ! 私のハムスター弱っ!」とセルフツッコミまでこなしてしまう彼女は、庶民とは言えどもやっぱりちょっと普通ではないなあと思いました。
そして彼女は立場的には一応ナギの恋のライバルの一人なのですが、どう考えても勝ち目がないところが、私の落ちぶれキャラ萌え属性を刺激して止みません。報われないサンデー女性キャラの座は、「いでじゅう!」の終了によって朔美ちゃんから「MAJOR」の清水さんに委譲されましたが、「ハヤテ」の西沢さんも十分その座を狙える立場にあります。これからも報われない努力を延々と続けて頂きたい。
あの萩が、延々とパンツ一枚状態を続ける幹人を見るに見かねて着替えを!
サンデーにおける「主人公がパンツ一丁でウロウロしている記録」の更新を阻む気ですよ! 余計なお世話だ!(まちがい)
というか、戦場に赴くというのにわざわざカバンに着替えを入れておくだなんて、随分準備がいいというか何というか。まさか、事前にこういう事態(主人公がパンツ一枚でうろつく事態)を予測していたのでしょうか。萩のカバンはバクさんのカバン並に何でも入ってるなあ(30代未満置いてきぼりネタ)。
結局、“チキンハート”富士丸に順番が回ってこないまま、団体入れ替え戦が終了。ここで修羅場を経験しなかったことが、後々に富士丸君にとってマイナス方向に響いてくる気がするんですけど、まあその辺はいずれ物語の中で取り上げられるのではないかと思います。
何たって「見上げてごらん」は、主人公の了がウィンブルドンの舞台に立つまでを描く、今後10年くらいは連載が続く予定の大河ドラマですからね!(決めつけ)
それよりも個人的にちょっと意外だったのが、入れ替え戦で了と文字通りの血みどろの戦いを演じた辻本がテニス部を退部してしまったことです。彼の攻撃的なプレイスタイルは了にとって学ぶところもあるはずですし、いわゆる「タイマン張ったらダチ」的なヤンキーマンガの理論に基づき、この二人も戦いの後はそれなりにうち解け合う形になるのかな? 辻本って、ああ見えて案外ツンデレキャラかも知れないしな? とか予想していたんですけど、結果は自主退部という形で了に「葉っぱ」の重さをその身で教える結末に。
この作品世界はヤンキーマンガの理論ではなく、極めて厳しい勝負の法則のみで構成されていることを、了にも読者にも知らしめるエピソードでした。
さすが今後10年くらいは連載が続く予定の大河ドラマ! キャラや読者に要求する覚悟の度合いが違いますね!(決めつけ)
桃子ちゃんが我聞にズギューンとキちゃった今回の「我聞」の展開は既に様々なサイトで散々ネタにされているので、一週間も出遅れた私としては今更もう何も言うことはありません。今回の桃子編はこのズギューンを描くためだけに企画・構成されたエピソードであると断言できますが、ここまで狙い通りに読者が萌え萌えになって喜んでくれたんですから、作者の藤木先生としても本望でしょう。
今頃先生はきっと、読者から寄せられた桃子萌え萌え~な感想ハガキの束を眺めつつ、片手にワイングラスを持って「ウワッハハハウワッハハハ
」と裏社会の黒幕みたいな笑い声を上げながら勝利の快感に酔いしれているに違いありません。というか、それくらいの価値がある勝利ですよこれは。
しかし本当の問題は、ここまで人気が極まった桃子というキャラを、今後この作品の中でどんな形で活かしていくか? という点にこそあります。桃子をレギュラー化して立派なサンデー随一のツンデレキャラに鍛え上げるか、それとも桃子をレギュラー化して始終我聞にデレデレしっぱなしな緩いキャラに仕上げるのか。作者の藤木先生の今後の選択に期待です。
今回の結論としては、桃子のレギュラー化を希望します。
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