お久しぶりです。今更ですがサンデー超増刊2006年秋号の感想とかを。
というか、具体的には「葵DESTRUCTION!3」の感想です。
今やすっかり変態漫画家の名を欲しいままにしている我らが井上和郎先生の、出世作にして代表作の第三弾。
初代「葵DESTRUCTION!」は、「38歳のオヤジがショタっ子」という異常な設定が当時のサンデー読者の悩に破壊的なダメージを与えて大評判となったものだが、ショタキャラが己の武器であることに気付いた井上先生はその後、女装が似合う美少年な「美鳥の日々」の真行寺耕太、ちんこを含めて完全無欠のショタっ子「春らんまん!」(ヤングアニマルあいらんど掲載)の桜木春、容姿はともかく尻だけは超美少女クラスである「あいこら」の菊乃盃二と、読者の悩をことごとく破壊しにかかる兵器級のキャラクターを次々に投入。今ではすっかり伝統芸の域に達した感がある。
「葵3」は、そんな井上先生の伝統芸を再認識するマンガであったと思う。葵パパの安定した可愛らしさは相変わらずだが、今回は更に豊島さんという「葵」ファンの期待を裏切らない正体を持つ新キャラを登場させ、その異常な世界に更なる安定感をもたらせることに成功している。今後も末永く読み続けていきたいマンガだと思った。
あとは、「葵1」の頃は葵のショタな魅力の否定に躍起になっていた感がある葵の息子の哲夫が、徐々に「自分は葵パパにメロメロである」ことに自覚的になって来ているように読めるのも面白いところ。「葵2」の次回予告に出て来ていた禁断の親子愛を超増刊で読める日は来るのか!(来ない方がよいと思います)
他のマンガの中では、超増刊読者にはお馴染みのクリスタルな洋介先生の「照れ屋ナックル」が群を抜いて面白い。ヒロインがツンデレ的な行動を徹底的に行うことでギャグを成立させているセンスも良いし、そんなツンデレヒロインのわがままを受け入れる懐の広さを持った主人公のメガネ君との関係も、読んでいて気持ちが良い。あと、何よりヒロインがカワイイ。こんなおかしなキャラをカワイク描ける洋介先生侮り難し!(褒めてます)
あとは、少女マンガチックな繊細な絵柄なのにも関わらずストーリーがやたらと破天荒な「飛べ!! ハミングバード」(為永ゆう先生)が印象的でした。これも、何だかんだでヒロインのわがままに付き合ってる主人公役の少年との関係性がいい感じ。自分はそういう関係に弱いのか。
取り扱い店舗はもちろん、入荷冊数も少ないため、ただでさえレア雑誌の称号を冠するに相応しい『サンデー超増刊』ですが……『劇団SAKURA』が話題となった『5月増刊号』は近所のファミマで何故か発見できたにも関わらず、今回の増刊は発見すらも出来ませんでした。
やっぱり、みんな『葵』目当てなのでしょうが(断定)……この現象はかつてヤングガンガンに久米田先生の『いいがかり姉さん』が載った時のそれにあまりにも似ています。
井上先生……久米田先生の域に達したとでも言うのでしょうか?変態漫画でその領域に達するとは……なんて、恐ろしい子っ!!
サンデー超増刊そのものに強力な売りがない以上、オマケで掲載されるマンガの善し悪しで売れ行きが変わってしまうのは仕方ないんですけど、でもホントに入手難易度が号によって極端です。
個人的には、かつての「あやかし堂のホウライ」と同じ形で、一本くらいは有力な新人作家の連載枠を作るべきだと思うのですが、やっぱ難しいんでしょうか。
サンデーとしては、この現象を起こすことができれば立派な人気作家! ってことなのかなー
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