サンデーに突如として登場した謎の新コラム「シランくん」。今回は石油枯渇の話。
「およそ50年で地球上の石油が全て汲み尽くされる可能性がある」みたいな話はおそらく誰もが聞いたことがあると思いますが、自分が子供だった頃は確か「あと20~30年で枯渇」とかそんなこと言ってた気がします。50年ってことは、何か延びてるじゃん! やったね!(単純)
それで現在推定されている石油の埋蔵量についてですが、「石油 枯渇」のキーワードで検索するとトップに出てくるThe Economist誌の記事「底なしのビールジョッキ」の翻訳(山形浩生氏のサイト)によると、原油の掘削・抽出技術の進歩などによって石油の埋蔵量は減るどころかどんどん増加しており、すぐに石油が枯渇するようなことはないとの見通しが示されています。むしろ「あと50年で枯渇」どころか、「今後 20 年から 50 年にわたり市場に供給されている原油の量は、どう見積もっても無限に等しい
」と断言するコメントまである始末。
少なくとも今回の「シランくん」で出てきたような、「近未来に石油が枯渇→服の材料である合成繊維が作れなくなる→みんな裸になる
」という楽しい未来がやってくるようなことにはならないっぽいですよ。よかったねシランくん。
石油に代表される化石燃料に関しては、上記の検索で出てくるサイトを調べて頂ければ判るように(埋蔵量の推測も含めて)色々と政治的な思惑なんかが絡んでグデグデな話になってしまっているのがアレなのですが、だからと言って今回のシランくんの結論のような「(石油が枯渇するのは)石油を大量消費している先進国の人間全員が犯人
」なんて文明社会の否定に走るよりは、これらのグデグデな問題を技術開発への支援や政治的解決方法の模索などの手段で改善を試みる努力をしてみるのが、文明人としての前向きな態度のではないのかなあ、とか思いました。何より石油がなければサンデーも読めなくなりますしね。
シランくんもサンデーの登場人物なら、絶望的な未来が提示されても決して立ち向かうことを諦めない「絶チル」の皆本を見習え! とかエラそうなこと言っておわり。
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