2006/05/11

■藤木先生は年上好き。(劇団SAKURAとサンデー超増刊感想)

 「サンデー超」の入手難易度の高さは異常!(挨拶)

 藤木俊先生の読み切り作品「劇団SAKURA」が掲載されたことで話題となったサンデー超増刊ですが、私の場合、ゴールデンウィーク前に本屋を三軒ハシゴしてようやく発見することができました。
 昔「絶チル」の読み切り版が掲載された頃も入手難度の高さは大概でしたが、それは今でも全然変わってませんなあ。超増刊を入荷する本屋やコンビニを普段からリサーチする努力を怠ってはいけませんね(努力?)。

 それで表題作の「劇団SAKURA」なのですが、このマンガは基本的な構造が「山吹さくら先輩萌え萌えマンガ」の一言で説明できる作りになっているのが特徴だと思いました。純情な少年の心をくすぐるのが大好きなお姉さんが大暴れする系のマンガですねコレ。実際、ネット上の感想でも彼女の萌え要素として最も印象的な「さくら先輩のブルマ姿」がしきりにクローズアップされていますし、勿論ブルマなくしてこのマンガが語れないことは間違いありません。何故なら、「ブルマ姿で後輩を誘惑する」行動を本当に行ってしまう彼女のセンスそのものが、この作品の大きな魅力になっているからです。
 しかしその一方、『演劇部が廃部になる』と知って一人で隠れて涙を流すシーンを入れ、冒頭に出てきた「目薬でウソ泣き」な彼女と対比させることで、ちゃんと「先輩も根はマジメでよい子」なことをアピールし、読者を泣かせに行くことを忘れないのもステキ。判ってる! 年上の女性に振り回されたい欲求を抱える読者の感じるツボをよく判ってますよ先生!

 そんな感じで、最初から最後まで(ブルマを着用するシーンに代表される)破天荒に行動する主人公・山吹さくら先輩、それに振り回されながらも彼女に付き合うことで徐々に変わっていく平井君という二人のキャラクターと、そしてその二人の掛け合いを軽やかに見せてくれる演出やストーリーが読んでいてとても心地良く、読み終わった後に「この作品の世界をこれからも見てみたい!」と思わせてくれること請け合いです。やっぱり藤木先生は、こういうマンガを描いてこその人だ! と思わせるに十分な面白さでした。
 「我聞」の優さんにしろ彼女にしろ、藤木先生は「ちょっと年上の破天荒なお姉さんキャラ」を描かせたら藤木先生はホント生き生きしますよね。藤木先生は年上好き!(さくら先輩の声で)

 総じて、ネームがなかなか完成せず、自身のブログやMixiの日記で散々泣き言を言って苦労しただけのことはある面白さでした。
 次回作も、ぜひこの学園モノ路線でやって欲しいです。

 あと本誌連載マンガの外伝では、西沢×ヒナギクというカップリングの意外性と、それと同時にこの二人が専門用語で言うところの「天然攻め×照れ屋な強気受け」という組み合わせであることに気付かせてくれた「ハヤテのごとく!」が良かったです。
 前回の外伝に続いて今回も久米田先生との思い出の場所を舞台にするなんて、ホント畑先生は久米田先生のことが大好きなんですね。読んでいるこちらが恥ずかしくなってしまうくらいの純愛っぷりですよ!

 そしてルーキー陣の読み切りの中では、個人的には「ソリタリードラゴン」(佐多啓文氏)が気に入りました。他の読み切りと比べるとストーリー展開にそれほど無理がなく、「これはルーキーの作品だから!」みたいな気負いをしなくても普通に話を楽しめる作品になっているな、という感じ。
 その他の作品では、「道に落ちていた靴を履く女子高生」という突飛な導入部分を乗り越えれば楽しく読める「クツモドキ」(突飛氏)、同じく「吸血鬼を父に持つアパート住まいの中学生」という少々無理がある設定を受け入れられれば楽しく読める「バロンのムスコ」(柏葉ヒロ氏)が良かったです。

Posted at 12:58 | WriteBacks (0) in マンガ::週刊少年サンデー
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