2004/09/25

■てれびくんレビュー

 「絶チル」の三人組を「怒首領蜂大往生」のエレメントドールに例える訓練!(挨拶)

 パワー強化型超能力者の薫はやっぱりショーティアでしょうか(と言われても)。
 深沢です。

 先日椎名先生のサイトの完成原稿速報が更新されていましたが、今回は我々のようないい歳した独身男性の読者にとってはかなり重要なことが書かれてました。

 まあ、とりあえず「絶対可憐チルドレン」はあまりに出来が良かったので今後のことは個人的にはそれほど心配してませんし、次号(10/5発売)のアッパーズに掲載される「蜘蛛巣姫」も、主人公が椎名先生得意の人外女性キャラなので大丈夫でしょう。
 最大の問題は、「てれびくん」で連載されるネクサスのコミカライズです。というか、「てれびくん」という媒体そのものが問題です。

 ネクサスに関しては、まず設定からして相当これまでのウルトラマンとは異質(何となく「クウガ」以降の仮面ライダーを連想させます)であり、またスタッフには「板野サーカス」で有名な「超時空要塞マクロス」の板野一郎氏が参加するという情報もあるなど、かなりの意欲作な雰囲気が漂っています。特撮ファンの間でも前評判高そうな感じ。
 いわゆる「平成ウルトラマン」のノリに全くついて行けず、当時は裏番組の「YAT安心!宇宙旅行2」を観て丹下桜ヴォイスに萌えていたウルトラ負け組な私ですら、ちょっと気になる番組ではあります。

 そして、そんな「ネクサス」のコミカライズをあの椎名高志氏が担当するというのは、ファンならずともマンガ好きな人間の観点からして興味深いところ。
 幼年向けテレビ雑誌というのは、とにかく「子供がその番組を見て面白がれるように、徹底的に盛り上げてやるぜ!」みたいな編集方針で作られているので、これまでの椎名作品には見られなかったハイテンションなマンガになるんじゃないかと期待できます。

 ただ、我々のようないい歳した独身男性の椎名ファンにとって、問題になるのは掲載誌。
 基本的に「てれびくん」を買うのは子供がいるご家庭か、あるいは相当の特撮マニアというイメージがあるので、どちらにも該当しない人にとって「てれびくん」はちょっと敷居が高い、というのが普通ではないのでしょうか。

 という訳で、近所のスーパーに今月号が残っていたので、どんなものか試しに買ってみました

てれびくん表紙
むしろ「買ってしまいました」が正しい

 眠田直氏がかつてフィギィア王に掲載したコラムには「これらの幼年テレビ雑誌の魅力は、(世間一般とは全く違う価値観で物事を報じる)『バーチャル・ジャーナリズム』にあると思う」とありますが、誌面を読んでみるとまさにそんな感じがします。

 実際、この本の記事は「新世代ライダーがブレイドたちにちょう戦!」「デカ戦士特捜パワーランキング! 得意の技でアリエナイザーをたおすぞ!」「地球の平和はジャスティライザーにまかせたぞ!」とか、そういう幼年誌独特のノリで全てが支配されており、読んでいるうちに頭の中が『この世の中は全てスーパーヒーロータイム的な世界観でできているんじゃないのだろうか?』と錯覚してくること請け合い。
 「てれびくん」を読んだ後に録画していたデカレンジャーを見直すと、何だか妙に面白く思えて来てしまうから不思議です。現実への認識を一変させてしまうこの威力! これがジャーナリズムの真の力なのか! と感心した次第。
 「てれびくん」を読んでジャーナリズムを知る私。その名は私。

 また、入手した「てれびくん」10月号が発売されたのは9月1日ですが、この雑誌では既に「ネクサス」の詳細な情報が掲載されています(「ネクサス3大ひみつ大公開!」という大げさなタイトルで)。
 ホームページはまだ簡単な概要が掲載されているだけの状態ですが、一方「てれびくん」ではデュナミスト(ウルトラマンに変身できる能力を持つ者のこと)が持つアイテムの紹介、ネクサスの二種類の形態の全身写真、そしてウルトラマンが光線技を出すときのポーズの詳細な説明と、番組を観るにあたってファンが知っておくべき情報がコンパクトにまとめられており、たいへん参考になりました。

 「人類をおびやかす恐ろしい敵スペースビーストと戦うウルトラマンネクサス! 新しいウルトラ戦士ネクサスの、変身のひみつや体のひみつ、光線技のひみつを『てれびくん』がいち早く、しらべたぞ!」という売り言葉に、嘘偽りはまったくありません。
 詳細な情報をどこよりも早く! これがジャーナリズムの真の力か!(またか)

 あとは、子供向けアニメの情報も当然載ってます。「金色のガッシュベル!」とか。
 アニメについては、基本的な記事の構成は普通のアニメ雑誌とそれほど変わらない印象です。「ガッシュ」の場合、先々週に放映された「キッドがベルギムE・Oを倒して魔界に帰る」回のエピソードが特集されていました。

 このエピソードは、ナゾナゾ博士の下で成長したことを態度で証明するキッドの雄志や、過去に孫を失った心の傷を持つ博士がキッドによって癒される様子、そしてキッドと博士の感動的な別れのシーンなど見所が多く、それ故にファンにとっては評論しがいがある名エピソードと言えるでしょう。
 ですが、そんなエピソードも、真のジャーナリズムを体現する「てれびくん」の手にかかれば

 「ベルギムE・Oをやっつけた!

 というたった一つのアオリ文句に集約されてしまいます。
 いくら感傷的なエピソードであろうが、子供にとって一番大事なことは、キッドが凄い大技でベルギムE・Oをやっつけた、という圧倒的な事実を突きつけ、納得させることなのだ! 事実の前には机上の評論など無意味! それが真のジャーナリズムなのだ! ということを訴えているように思えるのは、私の気のせいでしょうか(気のせいです)。
 なお、ちゃんとキッドと博士の別れのこともフォローされているのでご安心を。

 他にもグッズ関連情報がやたらと充実していたり(雑誌の趣旨からすれば当然ですが)、「てれびくん」購読者しか手に入らない限定グッズが買えたり、週刊少年サンデーにも出てくるゲーム記事担当のナカムー氏が「てれびくん」ではやたらいい男になってたりと色々見所があり、思っていた以上に楽しめた気がします。
 というか、努力次第でいくらでも突っ込んで面白がれる雑誌だと思いました。

 購入する覚悟ができました。(←マジで?)

 あと、アッパーズのイラストは、ブルマ女子の絡みも良かったですが、それ以上に「運動会ってホント嫌いでした。どうでもええやん」という椎名氏の投げたコメントが一番ステキでした。
 例えマンガの中ではマッチョなキャラばっかり出そうとも、相変わらず体育会系大嫌いなスタンスに変わりはないようで一安心。これからもがんばって下さい(体育会系嫌いを)。

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