2004/04/29

■2年前の今頃「一番湯のカナタ」の連載が始まったんですよ・サンデー22/23号感想

  1. 「凄く勘違いしてたからなー。日本について」(道士郎でござる)
  2. 最後の一つ前のページのびっくり顔ゾフィス(金色のガッシュ!!)
  3. ブルマ姿で四股を踏む女子(史上最強の弟子ケンイチ)
  4. ゴキブリ(結界師)
  5. 「『美鳥の日々』原寸大フィギィア サンデーグッズショップにて好評販売中!」(美鳥の日々)
  6. 番外:グッバイノストラダムス

1. 「凄く勘違いしてたからなー。日本について」(道士郎でござる)

 椎名高志先生の復帰時期にばかり気を取られ、西森博之先生が復活する可能性を失念していた人?(挨拶)

 つう感じで、西森先生の新連載「道士郎でござる」が始まりました。
 よくわかっていない外国人がイメージしているちょっとズレた「日本」の姿を、日本人が客観的な視点で面白がるスタイルの有効性は「キル・ビル」が改めて証明しましたが、その方法論をマンガに持ち込んできたなぁという印象。

 前作「天使な小生意気」でも、更にその前作「今日から俺は!」でも、一貫して「オトコの格好良さ」をテーマとして描いて来た西森先生は、今回の「道士郎でござる」でもまたその路線を志向しているしているように思えます。
 「天使」では『オトコから最も離れた場所にいる美少女を通して、逆説的にオトコの格好良さを描く』というジェンダーギャップな視点が独特の面白さに繋がっていましたが、今度は『最もオトコらしいんだけど、現代の常識からは最も外れた場所にいる』サムライを主人公にする、カルチャーギャップな設定を持ち込んで来ました。
 これをどう作品固有の面白さに繋げていくのか、今やベテランの域に達した西森氏の手腕に注目したいところ。

 もっとも、第一話からヤンキーと主人公をケンカさせてる辺りは結局やってることがいつもの西森マンガと一緒みたいなので、例によって例の如く「サンデー随一のヤンキーエンターテイメントコミック」として気軽に読めるマンガになるんじゃないんでしょうか。
 ホント、西森先生の描く悪役ヤンキーって、とことん性根が曲がってるように見えるんですよねー(賞賛の言葉)

2. 最後の一つ前のページのびっくり顔ゾフィス(金色のガッシュ!!)

 ゾフィスって、こんなオモロい表情ができる子だったんだ! 新しい発見!
 これなら、仮にブラゴに負けてもギャグキャラとして十分やって行けますよ!(いけません)

 その一方、シェリーはココの本性はあくまで善であると信じた結果、ついに心の中で泣いているココの姿を見出し、自分の心の力を取り戻した模様。少年マンガの王道を行く「ガッシュ」らしい、実に清々しい展開となってまいりました。
 そんなひたむきなシェリーを見ていると、「ココの性根はどこまでもひねくれてなくちゃダメなんだよ!」と邪な期待を抱き続けている自分は、少年マンガを語る資格などないのだと思いました。

3. ブルマ姿で四股を踏む女子(史上最強の弟子ケンイチ)

 そんな邪な私のハートをガッチリキャッチしたのが、「ケンイチ」のトールが抱いている野望を描いたこの一コマ。
 何だかよく判らないけど、ブルマを履いたロリっぽい少女達が、公園の土俵で四股踏みをしてますよ! なんですかこの異様にマニアックな野望は!
 嗚呼、トール君! 君はそれでも本当に神聖なる土俵で戦う力士なのですかトール君! こんなブルマフェチの悪い妄想みたいな、どう考えてもおかしい非日常的光景を日常とするためだけに、君は毎日鋼鉄のリングの中で、善も悪も関係なしに戦っているというのか!

 良し! その心意気や良し!
 己の信念を貫くためなら、世界だって敵に回してこそ真の男!
 トール君! ブルマ相撲を否定するこの世界の全てと戦え!

 ダメそう(オレが)。

4. ゴキブリ(結界師)
 ゴキブリ
  家の中や付近に住む昆虫。時々飛ぶ。

 ゴキブリの特性をキャプション付きで紹介! 扱いが妖怪と一緒だ!
 このマンガの世界観だと、ゴキブリも立派な妖怪の仲間入りなのですね!(まちがい)

 今回は普段とは違ってコメディなお話でしたが、なんか話だけじゃなくて絵柄の雰囲気までコメディタッチというか、普段の線が細くて凛々しいタッチとは違った、丸みを帯びた絵柄で意図的に描いているような感じがしました。勿論、それが今回のエピソードの雰囲気作りに功を奏しています。
 作者の田辺イエロウ先生は色々と器用なことができる人だなぁと、改めて感心した次第。

 というか、こういうマンガ読むと、やっぱり少年マンガはいいよなって思えるよな! ブルマ少女の四股踏みに萌えるよりも、風呂上がりのお姉さんにときめく方が遙かに健全なのだという、人として最も大切なことを思い出させてくれるよ!
 そんな感じでダメだった自分を回復することに成功(単純)。

5. 「『美鳥の日々』原寸大フィギィア サンデーグッズショップにて好評販売中!」(美鳥の日々)

 しかし、現実には売るモノが無く、早くも開店休業状態になっている罠。

 「27日に再び販売する」とか言ってましたが、結局はどうやら初日で全部売り切れてしまい、再販する分が残らなかったということみたいです。まるでコミケの大手サークル発行の部数限定同人誌みたいな売れ方です。発売直後にも関わらず、ヤフオクに多数出展されている辺りも同人誌みたいです。
 アニメ版がオタク筋で好評の「美鳥の日々」のフィギュアを安値かつ数量限定で発売、しかもオーダーは実質的に早い者勝ちで受付となれば、こうなることはもはや必然だったと言えましょう。雑誌に載っている広告も、今ではただむなしさを感じさせるばかりであります。

 あとマンガ本編の方ですが、こちらは土壇場で綾瀬が勝負から降りてしまってまた元の木阿弥になってしまうという、週刊少年誌に掲載されるラブコメマンガの展開としては正しいけれど、でも一人の恋する女の子の行動としては激しく間違っている結末になってしまいました。
 結局このマンガはそういうマンガなのな、ということを再認識させられる結果に。

 先週から今週にかけての「カレに告白しちゃった! いやんどうしよう~」モードに突入していた綾瀬はやたら可愛らしかったので、個人的にはもうしばらくこのままでいて欲しかったです。綾瀬は相変わらず報われないキャラだなぁ。

番外:グッバイノストラダムス

 単に「占い師が嫌い」というだけで、何の罪もない辻占い師に暴行する主人公!
 怒髪天を付く奇抜なスタイルで「占い」という名の詐欺を働くメガネ男!
 自分の思い出だった土地を取り戻す、という目的のためなら手段を選ばない女子高校生!
 飛び交うヤクザ!

 すごいよ! 性格がマトモなキャラがほとんどいないよ!
 「元高校ボクシングチャンピオン」のならず者が主人公のマンガを、巨匠・あだち充先生が描く爽やか高校ボクシングマンガの「KATSU!!」の直後に配置する誌面構成も、何だか妙にアグレッシヴだ!
 2004年の今になって、あえて1999年のノストラダムスをネタに使うのも、よく考えるとちょっとすごい!
 なんてスパルタンかつストロンゲストなマンガなんだ!

 「マーベラス」「ダイキチ」で艱難辛苦を味わったであろう武村先生の戦う姿勢が漂ってくる、色々な意味で印象的な作品だと思いました。こんな攻撃的なマンガを描ける人だったとは、正直意外です。
 がんばって下さい。

Posted at 00:00 | WriteBacks (3) in マンガ::週刊少年サンデー
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あれ?

>前作「天使な小生意気」でも、更にその前作「今日から俺は!」でも……
ん?何か一つ抜けている気がするのは気のせいかな?

Posted by フェルミウム at 2004/04/30 (Fri) 21:57:02

スピンナウト

 「スピンナウト」は、私の中では春風邪三太氏の方がメインになって作ったマンガということになっているので、あんまり西森マンガという感じがしないんですよ。
 打ち切られた翌週からいきなり「天使な小生意気」が始まったからかなあ。

 やっぱり、世間的にはあれも「西森マンガ」の中にカウントされてるのでしょうか。

Posted by Fukazawa Tsuyoshi at 2004/05/01 (Sat) 08:54:14

ふむふむ

なるほど!
あれは無かったこととして、まさしく別の時空に葬られていたわけではなかったのですね!(ドクロ)

Posted by フェルミウム at 2004/05/01 (Sat) 18:43:52
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