2004/07/23

■二人に幸あれ。久米田先生にも幸あれ。サンデー34号感想

  1. 水野鈴芽(金色のガッシュ!!)
  2. 保科さん(こわしや我聞)
  3. 青島さんのメール(モンキーターン)
  4. かってに改蔵最終回
  5. 美鳥の日々最終回

1. 水野鈴芽(金色のガッシュ!!)

 石版編の頃はあまりの出番の少なさを読者からも心配され、「ウマゴンのパートナーは彼女になるのではないか?(出番が増えるから)」とまで噂されていた鈴芽。石版編も無事終了し、物語の舞台が彼女や清麿が住む街に戻ってきたことで、ようやくこの子にも再び出番が回ってくるようになりました。
 鈴芽はナオミちゃんと並ぶこのマンガにおける"日常"の象徴であるので、やっぱり戦うよりもドジっ娘のままでいてくれた方がいい味出せると思います。いつまでもダメでドジで不器用なままの君でいて!

 あと、今週の恵は調子に乗りすぎだと思いました。ちょっとばかり自分の方がカワイイし清麿君とも仲がいいからと思って、鈴芽を格下扱いしていい気になってますよ彼女。ライバルに対して全く容赦がない! さすが、生き馬の目を抜く芸能界で日夜戦っている人間は違う! 女はおっかねえなあ!

2. 保科さん(こわしや我聞)

 今週のサンデーには、「こわしや我聞」の保科、「うえきの法則」の植木春子、「暗号名はBF」のアムネジア、そしてかつて「ARMS」で『笑う雌豹』の異名を持っていたに違いない「D-LIVE!」の亜取アキラなど、女性キャラが初登場する話が多かったです。しかも、どのキャラもみんなおっかないのが特徴なのも共通しています。サンデーは男性読者を女性不信にするつもりに違いありません。

 そんな怖い女性キャラ達の中で一番個人的にグッと来たのが、「こわしや我聞」の保科さん。見た目は中学生だけど実は二十歳、性格はヤンキーで喧嘩っ早くて空手マニアだけど実は努力家で人情に厚く、そして父の形見のユンボに対して異常な愛着を持つという、かなり特殊な萌え要素を複雑に組み合わせて構成されたキャラクターだと思いました。
 おそらく、建機マニアな方には最高にツボなのではないのでしょうか。サンデーは新しい読者層の開拓を狙っているに違いありません。

 なので、こんな特殊なツボを持ったキャラが出てきちゃったら、もう「ATM強盗で使われる建機は、証拠隠滅の意味でも使い捨てするのが普通じゃ?」とか「ユンボ壊すよりも犯人壊した方が早いぜ?」みたいな常識的なツッコミを入れるのは無粋の極みでしょう。今回の強引とも思える展開は、全てはユンボへの愛のために戦う、建機マニア空手マニアの保科さんが活躍するために必要な前振りなのです。彼女の次回の大暴れっぷりに期待しましょう。

3. 青島さんのメール(モンキーターン)

 前回・今回と青島さんが波多野に宛てて出したメールがマンガの中に出て来ましたけど、何か彼女のメールの文章は雰囲気が妙にリアルというか、「男と付き合い始めて間もない女性が、彼氏に出すメールの文面」なフレーバーを実に上手く醸し出していると思いました。

 彼女のメールには「~ね」「~の?」というくだけた表現と「~ます」という丁寧な表現が入り交じってますが、この文面からは、一応彼女彼氏の関係ではあるけれどもそんなに深くお互いのことが判っている訳でもなく、まだ相手とどのくらいの距離を取ったらいいのかイマイチ計りかねている、ちょっと複雑な心理状態を伺うことができます。多分青島さんは、波多野に対してどこまでフランクな表現を使えばいいのか考えながら、慎重にメールを打ってるんじゃないのでしょうか。
 恋愛って、こういう微妙な関係にある時が、実は一番ドキドキできて楽しいんですよね! 青島さんは初々しくてカワイイなあ! キシャー!(独身男性の奇声)

 そんな感じで幸せそうな彼女とは対照的に、波多野はどんどんダメになって行きますな。レーサーとして。
 ちょっと前まで「どっちも本当に好きなんだ!」と調子のいいこと言ってた報いって奴ですよガハハハ(独身男性の奇声)。

4. かってに改蔵最終回

 「南国アイス」の時代から最終回のネタっぷりには定評がある我らが久米田先生が、期待に応えて今回もまたやってくれました!
 全ては改蔵や羽美達が作り上げた共同幻想だった、という衝撃の結末! ネットでは賛美と批判が入り乱れた感想が飛び交い、ものすごい大騒ぎに! 議論好きなブロガー達も、こぞって「改蔵」をネタにしてますよ! 今、まさに「改蔵」が世界の中心にいます
 やりましたよ久米田先生!

 そして、秋に発売される予定のコミックス最終巻には追加原稿が掲載されるー、みたいなことが今週のサンデーに書かれていましたが、何しろ久米田先生のやることなので、きっと感動の最終回を再び台無しにするマンガを繰り出してくるに違いありません
 ですので、今週の最終回に本気で感動し、メタフィクション的な視点で「改蔵」を解析してみよう! みたいな意欲に目覚めてしまった方は、コミックス最終巻は読まない方がいいんじゃないかと思いました。

 久米田先生の次回作に期待します。

5. 美鳥の日々最終回

 そして、「美鳥の日々」も今週で終了。「右手から女の子が生えてきたら面白そうだ!」というアイデア一本だけで勝負、読者に対しては常に右手の美鳥に対して萌え続けることを要求し、その上出てくるキャラは高見沢みたいなおかしな連中ばかり、というやや特殊な要素が目に付くマンガではありましたが、でも基本的にやってることは極めて真っ当なラブコメマンガだったと思います。
 「真っ当なラブコメマンガ」を最初から最後まで描くのが如何に難しいことなのかは私もよく判っているつもりですので、ここは素直に作者の井上和郎先生の手腕を褒めるべきでしょう。

 ドラマCD化やアニメ化も果たし、読者みんなから愛される作品を作り上げることに成功した井上先生は、もうすっかり人気漫画家の仲間入りを果たしたと言えます。「美鳥」の連載成功で週刊連載漫画家としての実力があることも十二分に証明できましたし、今から次回作が楽しみです。

 そんな「美鳥の日々」の唯一にして最大の不幸は、一緒に終了した「かってに改蔵」があまりに凄すぎて、せっかくの最終回なのにあまり話題に上らないことでしょうか。
 今週のサンデーの誌面でも、「改蔵」の方が優遇されてたしなあ。やっぱり凄いなあ「改蔵」(結局)。

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