2004/11/27

■変われるかサンデー52号感想

  1. 「クズがー!」三連発(道士郎でござる)
  2. 本当にかわいそうな朔美ちゃん(いでじゅう!)
  3. 早くも勝負に出たハヤテのごとく
  4. 男だらけのクロザクロ
  5. コスプレミンシアさん(からくりサーカス)
  6. 番外. あるふぁ!

1.「クズがー!」三連発(道士郎でござる)

 編集長が交代して一発目の巻頭を飾ったのがよりによって「道士郎でござる」な辺りに、新編集部のやる気っぷりを感じます(挨拶)。

 基本的にこの作品は「一本筋が通った行動を取る現代のサムライ・道士郎が、爽やかに周囲の人間達を変えていく!」という路線のマンガだったはずなのですが、なんか今回の道士郎の暴れっぷりから推理すると、今度の新展開は「一本筋は通ってるんだけどやっぱりおかしな現代のサムライ・道士郎の行動に、周囲の人達はもう大あわて!」みたいな路線で行くっぽいです。
 ストーリーよりもキャラの勢いを重視してマンガを読ませる手法は、むしろギャグマンガの作り方に近いものを感じます。今の「道士郎でござる」における道士郎のポジションは、「俺様は?」における俺様君と似たようなものであると考えて良いでしょう。

 今週号を読んだ結果、自分の頭の中で「『道士郎』はギャグマンガである」というフラグがセットされました。
 この認識は間違っていませんよね?(と言われても)

2. 本当にかわいそうな朔美ちゃん(いでじゅう!)

 いやもう、「いでじゅう!」に朔美ちゃんが出てくるだけでせつなくなってしまう自分がいます。

 朔美ちゃんは、もはや「片思いが報われないでかわいそう」なこと自体が彼女自身のアイデンティティとなってしまっているので、彼女はこのマンガに登場し続ける限り永遠に報われないまま亀太郎相手にもじもじやっていなければならない、という宿命を背負ってしまっているように思えます。それが更に彼女の報われなさ度をアップさせ、彼女をより魅力的に見せる結果に繋がっているのです。

 朔美ちゃんにおけるかわいそうスパイラルは、もはや日本のデフレスパイラル並に深刻な問題であると申せましょう。
 何言ってますかオレ。

 あと今週のオチの「占いサイト」ですが、自分にも似たような経験があります。
 ホムペを始めたばかりの頃、プログラムの勉強ついでにランダムでそれっぽい占いメッセージが表示されるページを作って公開したのですが、ある時その占いサイトを利用した20代前半の女性から突然恋の悩みを打ち明けるメールが届き、たいそうビックリしたことがあります。
 「占い」という媒体には、例えそれが適当に出力された機械的なメッセージであろうとも、受け取る側がその文章を自分の身に置き換えようとする過程でメッセージを拡大解釈してしまい、最終的にそれを自分にとって何らかの望ましい「意味」を持つものに補完してしまう傾向があるように思えます。例えそれが真実ではなくても、人はそれを自分が真実として望んでいるものとして解釈し、それを「真実」として認識してしまうものなのだ――というこの世の真理を実感した出来事でした。

 ちなみにその女性に対しては、「そんなにモジモジしてないで、彼に思い切って打ち明けてみたらどうだい? ハッハー」とか、そんな適当なメッセージを返した記憶があります。彼女から返事のメールが来なかったのでその後どんな運命を歩んだのかは知りませんが、少なくとも今の朔美ちゃんよりは幸せになってることを願うばかりであります。

3. 早くも勝負に出たハヤテのごとく

 ネコミミモード!(挨拶)

 編集長が代わった途端に、いきなりネコミミ+女装のコンボ攻撃を繰り出してきやがりましたよこのマンガ! ってことは、もしかしてこれまでの「ハヤテ」のイマイチな煮え切らなさっぷりは、前編集長によってソッチ方面に走るのを抑制されていたからだ、ということなんですか! サイドブレーキを引かれた状態だったんですか畑先生!
 サイドブレーキを引く必要がなくなった畑先生は、ついに今回からアクセルベタ踏みで急加速を開始しました! もう誰にも畑先生を止められない! いや、誰も止めるな! 止めちゃいけない! ネコミミとか女装とかやっちゃった時点で、先生は自分自身に爆弾を仕掛けたようなものなんですよ! スピードが落ちて止まったりしたら、先生は自分の仕掛けた爆弾で死んでしまいますよ!(漫画家として) 映画で言うところの「スピード」ですよ! 「GS美神」で言うところの「呪い好きサンダーロード」編ですよ!(←ファンサイト要素)

 そんな感じで、いよいよ本領を発揮し始めたこのマンガの今後の活躍に期待です。
 女装した主人公が女性陣にいたぶられるだなんて、まるで「エイケン」みたいだなあと思いました。そういや、「エイケン」も人気に火が点いたのは主人公が女装をするようになってからだったしなあ。畑先生はよく判ってるなあ。

4. 男だらけのクロザクロ

 掲載位置から推測するに、序盤は割とアンケート人気が好調に推移していたように思える「クロザクロ」ですが、いよいよ今週から新展開に突入です。
 今度の新展開の特徴は、一言でいうなら男ばかりだということ。序盤は薊・梢枝・咲と三人の女子キャラがいて、しかも微妙に幹人が彼女たちからモテていたりしてたんですけど、今回は幹人に同行しているのも男なら旅先で出会うのも男、傀牙の種子をバラ撒こうと暗躍しているのも男、そして殺されるのも男と、もう男だらけです。ドキッ! 男だらけの傀牙狩り大会! ポロリもあるよ!(命の) みたいな感じです。

 そういや、夏目先生の前作「トガリ」ではオセ×トーベエが微妙に盛り上がっていた気がしますが、果たして「クロザクロ」ではそういうムーブメントが起こるのか否か。
 そういう方向でも楽しめるマンガであって欲しいです(勝手に)。

5. コスプレミンシアさん(からくりサーカス)

 「ギャンブルに勝ったら服を1枚づつ着替えさせる」ってアンタ! それってつまり、脱衣麻雀ゲームのルールそのものじゃないですか! さすが生粋のギャンブラーはやることが違う!
 藤田和日郎デザインのキャラで脱衣麻雀! やりてえ!(バカ)

 あと藤田先生と言えば、今週号の目次の読者からの質問(「現在注目している人物は誰ですか?」)に対して「奴が次の連載で何を描くかだ! ウーイエイ楽しみだな!」と答えているのが興味深いです。私も最初は愛弟子の井上"変態"和郎氏のことを指していると思っていたのですが、ヤマカムさんとこで指摘されていた「久米田先生の事ではないか?」という意見にも、ある種の説得力を感じます。

 椎名先生の復帰も今回の編集長交代と(おそらく)無関係ではないでしょうし、来年はサンデーにも色々と新しい動きがあるのではないのでしょうか。楽しみですね。

番外. あるふぁ!

 かつてサンデー超増刊で鉄道模型バトルマンガ「バトルゲージ」を連載、その内容の微妙っぷりが私の心を掻き乱した桜河貞宗氏が、ついにサンデー本誌に登場。色々な意味での微妙さや、何とも表現しようがない不思議な読後感といった桜河氏独特のテイストはこのマンガにおいても随所に発揮されており、個人的にはたいへんに楽しむことができました。
 特に、「ヒロインの女の子が一人で巨大な岩を支えているために動けなくなって困ってる」という明らかに異常なシチュエーションをあえてクライマックスに持ってくる氏のセンスは、もはやただ事じゃないと思います。

 この方はおそらく工学方面にマニアックなネタを題材にしたマンガを描く方が似合っていると思うので、次回はもっと趣味に走った、マニアが大喜びする作品を描いて欲しいなあと思いました。

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