2005/08/03

■「MAJOR」の松尾って、「犬夜叉」の妖怪役に出てきそうな顔ですよね(サンデー36号感想)

  1. 三宮警察庁長官が格好良すぎる(絶対可憐チルドレン)
  2. 今週のあお高
  3. ヘタレてない五反田君(ブリザードアクセル)
  4. ヘタレてる富士丸(見上げてごらん)
  5. 対桃子編の裏テーマがスーパーマリオであることに今頃気付いた(こわしや我聞)

1. 三宮警察庁長官が格好良すぎる(絶対可憐チルドレン)

 「私ね、こんな能力だから、この世がおとぎ話とは違うってことはもう判ってる

 今週の「絶チル」は、主役の紫穂のキャラクターとしての完成度も、そしていわゆる「テレパシー能力」を持っている主人公が抱える問題をテーマとしたSFドラマとしての完成度もかなり高いので、不真面目な感想を書くのが趣味の私としては、突っ込むスキが全く見あたらなくて困ります。
 あえて突っ込むとするならエロく成長した紫穂のサディスト警官コスプレのシーンくらいなんですけど、でもこのシーンは作者の方が「さあ、ここに突っ込め!」と誘っているのが明らかなので、ここに対して作者の意図通りに「オレも取り調べられてえー!」とか叫んでしまうのは、歪んだサンデー感想サイトとしてのプライドが許さないのです(やっかいだ)。

 「絶チル」に対するネットの感想で、「サンデーには『少年読みたいマンガ』だけではなく、『少年読ませたいマンガ』を掲載する傾向がある」という趣旨のコメントを読んだことがあるのですが、今週の物語は前回にも増してそういう傾向があるのかな、と思わせる内容でした。
 自分のことを心から信じて守ってくれる人が身近にいるって、やっぱり素敵なことなのね! と健全な感想を読者に抱かせるのが、今回のエピソードの狙いだったのではないかと思います。そういう意味では非常によくできたお話でした。「絶チル」は健全なマンガだなあ(不満なの?)。

 という訳で今回はとてもよくできたエピソードだったんですけど、あえて突っ込みを入れるとするなら、紫穂パパとして登場した三宮警察庁長官の、度を超した見事なダンディヒゲメガネっぷりでしょうか。職務に忠実な冷徹かつ強靱な精神と、娘を愛している優しい父親の性質を合わせもつ、ある意味完璧な「大人」キャラだと思います。同じ溺愛でも、無節操に子供達にデレデレしている桐壺局長とは大きく異なりますね。ここまでイカした中年男性キャラが出てくるだなんて、椎名高志のマンガ史上ではかなり異常。「MISTERジパング」の織田信秀以来?
 ただ、これはあくまで椎名高志のマンガなので、今後紫穂パパが桐壺局長並のアレなキャラに堕ちる恐れも否定できません。ダンディな中年オヤジに萌えるなら今のうち!

2. 今週のあお高

 「ピッチャーの血で濡れたボール」から、以前サンデーで連載されていた「砂漠の野球部」を思い出した人?(挨拶)
 「砂漠の野球部」は不健全な野球マンガだったので、ピッチャーがボールを血で濡らせてボールの軌道を不規則にさせるスピットボールを投げて勝つなんてことをやっていたのですが、「あおい坂高校野球部」は健全な野球マンガなので、スピットボールにならないようにちゃんとボールを拭いてるところがエライなあと思いました。
 まあ、スピットボール以前に、怪我しているのが審判にバレるとその場でゲームオーバーになっちゃうから拭いているんでしょうけど。

 あと、今週はなにげに星南高校の癒し系ショート・山下君が大活躍していたのが良かったです。「えへ~なんか打ちやすそうになったよ~」という台詞は、本来ならは敵役らしく憎々しいイメージを読者に与えるものであるべきなのですが、彼独特のしゃべり方と笑顔のおかげで、何だかとってもフレンドリーかつほのぼのしたものに早変わり。最終局面を迎えて緊張感が高まる今回の試合における、一服の清涼剤と言えましょう。
 何故自分がここまで彼に入れ込んでいるのかよく判らないので次。

3. ヘタレてない五反田(ブリザードアクセル)

 今回の「ブリザードアクセル」のエピソードの表向きのテーマは「吹雪、スピンを覚えるの巻」なのですが、裏に隠された本当のテーマは「五反田がヘタレ状態から脱出する」であったことは明白。今回の一件ですっかり吹雪にメロメロになっちゃった五反田君は、「これからも相部屋よろしく!」と本気で嬉しそうです。相部屋!(含み)
 性根がひねくれたキャラが大好きな私としては、自分の実力が全く至っていなかったことを自覚してしょぼくれていた状態の彼の方が好きだったのですが、残念ながらこれは歪んだ少年マンガではなく健全な少年マンガなので、いつまでもヘタれたままではいてくれなかった模様。致し方ありませんね(不満なの?)。

4. ヘタレてる富士丸(見上げてごらん)

 そんな感じで「ブリアク」の五反田がヘタレから脱出したため、サンデーにおけるスポーツマンガのヘタレ筆頭キャラの座は「見上げてごらん」の富士丸君に委譲されました。
 五反田は超人揃いの白帝軍団の中に放り込まれたショックで一時的な自信喪失状態に陥っていたにしろ、元々実力はあるので一度立ち直れば何とかなりそうな感じなのですが、「見上げて」の富士丸の場合は実力はともかく「自信」というものが最初から全くないタイプなので、ある意味五反田よりも成長させるのがやっかいなキャラかも知れません。

 まだ主人公の了の試合は終わっていない状態でここまで富士丸のヘタレっぷりをドラマの中でアピールしているということは、おそらくどんな形であれ富士丸のガチな試合が行われる展開になるのではないかと思われます。果たして彼は、五反田に続いてヘタレの立場から脱出できることができるのか否か。勿論、性根がひねくれたキャラが大好きな私としては、いつまでもヘタレたままの彼でいて欲しいのですが。

 「見上げてごらん」が「ブリアク」同様に健全な少年マンガなのが悔やまれます(不満なの?)。

5. 対桃子編の裏テーマがスーパーマリオであることに今頃気付いた(こわしや我聞)

 桃子=ピーチ姫、ヒゲ兄と弟=マリオとルイージ、クーパ=クッパ、そしてキノピーはキノコ。
 すげえ! これってスーパーマリオじゃん!(遅いよ)

 今週の「こわしや我聞」に出てきた10歳当時の桃子と、現役の10歳児である「絶チル」の紫穂は、「他人から疎まれる能力を持っている」という意味においては似ているんですけど、子供に対する親の接し方、気の許せる仲間の有無、という周囲の環境が決定的に異なります。紫穂には薫や葵や皆本が必要なように、桃子にも自分のことを心から信じて守ってくれる我聞や、彼の愉快な仲間達の存在が必要であるということなのでしょう。そうでなければ、桃子はツンデレをこじらせてますます歪んだキャラになってしまうことになってしまいかねません。
 性根がひねくれたキャラが大好きな私としては桃子にはいつまでも素直になれないツンデレキャラでいて欲しいのですが、でも「こわしや我聞」もやっぱり健全な少年マンガの範疇に入るので、いずれ桃子も我聞を通じて救われる展開になりそうです。よかったですね(不満なの?)。

Posted at 00:00 | WriteBacks (3) in マンガ::週刊少年サンデー
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今週はサンデーを見る機会がなさそうです。運がよければ週明けの月曜に見られるかもしれませんが未確定なので、ここは代わりに、最終回を迎えた「いちご」についてコメントしていいですか。実は、割と楽しみにしていたマンガなのです。(赤松作品は全然受け付けないのになぜ?)

東城というキャラのマンガ上の役割は、煎じ詰めると
o 真中とくっつく
o 真中と読者にパンツを見せる
の2点に集約されるわけですが、最後の最後で前者からは降りてしまったため、もうパンツくらいしか見せ場がないキャラに成り下がってしまっていました。なので「ああ、こりゃもう、パンツマンガの意地にかけて、最後はドバっと東城のいちごパンツを見せて終わりだな。18才にもなったキャラのいちごパンツのパンモロは見る方も描くほうもキッツイけど、でもこの作者はそれくらいで怯んだりはしないはずだ!」と思っていたのですが、意外にも最後は全然パンツなしできれいにまとめてしまいました。おかげで「東城が最後に見せたパンツがいちご柄じゃなかった」という、このマンガにあるまじき結果になっちゃいましたよ!絶望した!(安い絶望だ)

……えー、これでも一番気に入っていたキャラは東城です(ファンの方すみません)。どれくらい気に入っていたかというと、たぶんおキヌちゃんの30分の1くらい(笑)。いや、私のおキヌちゃんの好きさ加減は半端じゃないですから、30分の1と言っても大したものですよ(フォロー)。

結局、西野が真中のどこがそんなにも気に入って、他の男じゃ代わりにならないと思っていたのか、具体的な描写が非常に乏しくてサッパリわからないままでした。その点東城の方ははっきりしていたので、「真中を失った場合の深刻さ」を見積もった場合、どう見ても東城の方がはるかにでっかいんですよね。
なので、途中までは西野が真中に愛想を尽かして他のもっといい男とくっつき、真中と東城のカップル誕生、という予定調和な結末で八方丸く収めるとばかり思っていたのですが、学園祭編以降すっかり当てが外れてしまって驚きました。結局終盤は「西野がほとんど嫌がらせのためだけに(笑)東城と真中の間に割り込んでいって、全然好きでも何でもない真中を奪い去っていった」ようにしか見えず(今度は西野ファンの方ごめんなさい)、不可解なまま終わってしまいました。こんな展開はイヤだーっ!やり直しを要求するーっ!(笑)
結局最後、東西南北の最後の一角が音沙汰なし、というのもどーにも。

以前にも掲示板の方にちょっと書いたとおり、「後先考えない整合性のないプロット」で思いつきに頼って行き当たりばったりにネーム切っちゃう困った作者さんなので、次回作以降がどうにも期待できない分、「たまたま」うまく行った部分の大きい本作の最後をまとめ損なったのはもったいないなあ、と思いました。ラスト数話の吹っ切れて前を向く東城がよく描けていたのは救いでしたが。

Posted by 井汲 景太 at 2005/08/04 (Thu) 19:15:48

サンデー感想35号 こわしや我門

週刊サンデー35号「こわしや我門」に関する投稿です。マリオブラザーズイラスト有り。

Posted by ふるぱ-しゃる at 2005/08/15 (Mon) 00:01:23

マリオブラザーズ

はじめまして秋月と申します。
もうサンデー37・38号が出ていますが、遅ればせながらTBさせていただきました。

>対桃子編の裏テーマがスーパーマリオであることに今頃気付いた(こわしや我聞)
私は友人に言われるまで気付きませんでした。。。

>癒し系ショート・山下君
こちらのサイトを拝読させていただいて、桃子のツンデレ分析と同じ位に感心致しました。

何かまとまりの無いコメントになってしまいましたがご容赦を。それでは。

Posted by 秋月らせん at 2005/08/15 (Mon) 00:16:29
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