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サンデーの表紙に書かれている宣伝文句がコレなのですが、「四姉妹」と言いながら既に一人足りてないところに切なさを感じます。
第一部は「まさかあのあだち充先生が、妹萌えな美少女わんさかコメディーを!?」と一方的な期待を抱かせた(オレに)挙げ句、メインヒロインと思われていた次女の若葉が突然死亡するという、かつて「タッチ」でカッちゃんを交通事故に遭わせたあだち充先生でなければ到底許されないような展開を我々に食らわせ、その恐ろしさを改めて植え付けることに成功した「クロスゲーム」。
そして今週から始まった第二部ですが、今度のヒロインは三女の青葉である様子。彼女は「光のことが嫌い」と紹介されているものの、第一部では主人公の光に興味があるような素振りもたまに見せていた記憶があります。しかし当時は光と姉の若葉があまりにもラブラブであったためか、彼女がこの関係に割って入ることはありませんでした。
その若葉が亡くなってから四年という長い月日が流れた今、果たして彼女は光にいかなる感情を持つようになったのか。いずれは彼に対して好意を示すようになるのか、それとも(今の光がそうであるように)若葉の影から逃れられず、光に対して無視した態度をとり続けるのか? この辺が、「クロスゲーム」第二部の焦点の一つとなることは間違いないでしょう。
身近な存在の男子に対して素直になることができず、どうしても彼に対して突っぱねた態度を取ってしまう。これってアレですよ。ツンデレですよツンデレ。あのあだち充先生が、ついに美少女ツンデレマンガに手を出す時がやって来たと、つまりはそういうことなのですか? 美少女わんさかコメディーは成らずとも、ツンデレは成るのですか?
主要登場人物にタッちゃん(=主人公)・カッちゃん(=ライバル)・南ちゃん(=ヒロイン)という固定されたロール(役割)を割り当て、この三人が人間関係のバランスを保ちながら微妙な駆け引きを繰り広げることによって緊張感を醸し出す――という、氏独特のスキーム(構造)を盤石なものにした「タッチ」から、20年以上の時が経過しました。今のあだち充先生は、かつての己が組み立てた構造に対して挑戦を続けているのかも知れません。
ツンデレで構造改革を成し遂げようとする、あだち充先生の今後に期待します。
超能力を抑制するECMの話題になった時、葵や紫穂があくまで「超能力者対一般人」という俯瞰的な観点でその存在を論じているのに対して、薫はあくまで「自分と皆本」という個人的な問題に置き換えて「皆本もやっぱりその方が安心!?
」と問いかけるシーンが、個人的に印象に残りました。
最強レベルの超能力者であり、良くも悪くも超能力を持っていることがアイデンティティとなっている薫にとって、超能力を否定されることは自分を否定されることと同義であると思われます。それ故、皆本がECMの存在を肯定するということは、皆本が彼女自身を否定したという意味で捉えてしまっても致し方ありません。
「この力、ない方がいいと思ってる?
」と語る薫の不安そうな表情は、彼女が大好きな皆本から自分の能力や存在を否定され、一緒にいられなくなることを何よりも恐れている現れなのではないのだろうか? とか思ってしまいました。
いやもう、薫はホントに皆本のことが大好きなんですねえ。私はそんな薫がもうかわいくて、かわいくて、かわいくて、かわいくて仕方ありません。どうしよう!?(←おちつけ)
「パーツを愛する者なら、そのパーツを持つ者も愛せ!
」
「罪を憎んで、フェチを憎まず!!
」
キター!(AA略)
ついに井上先生が、その本領を発揮してしまいましたよ!
これらの台詞は、真性フェチの変態が主人公である「あいこら」という作品の本質的なテーマそのものを表現する言葉であることは、もはや明白であります。一見するとただの変態の自己弁護にしか思えないようなこれらの台詞が、ここまで読者の心に感動的に響いてしまうのは、作者の井上先生自身が彼等のようなフェティシストの美学というものを心から理解し、敬愛し、それをエンターテイメントとして描くことによって昇華させようとする、固く強く美しい意志があるからに他なりません。
これぞ井上和郎作品の真骨頂! やっぱり井上和郎先生は最高の変態漫画家です!
そして、結果的に真性フェティシストに囲まれる生活を送ることになった、弓雁ちゃんの今後が心配です。
大ベテランのあだち充先生がツンデレに挑んでいる中、同じくベテランの域に達している西森博之先生は既に妹萌えの境地に到達していた罠!(罠?)
わざわざ一話かけてまで早乙女が小学生女子・蓮沼裕美ちゃんのことで悩むエピソードを挿入するということは、今後も彼女がストーリーに絡んでくることが予想されます。次回からは、早乙女と義理の妹を巻き込んだ仁義なきギャング団との抗争劇が始まる予感。
妹萌えに目覚めたヤンキーが何処までやるのか見てみたいと思った(まちがい)。
桃子が登場してから我聞になつくまでの展開はベタ故に面白かったのですが、今回の「これまで全く意識していなかった身近な男の子のことを突然意識し始めるようになっちゃった自分自身に戸惑いを覚えて焦る」國生さんの姿も、またベタ故に面白い展開と言えます。
國生さんは我聞を男性として意識しているのではないか? という描写はこれまでもさりげなく登場して来たのですが、今回ついに國生さんが我聞を「社長と秘書」の関係ではなく「男と女」の関係として捉えるパラダイムを獲得したことで、いよいよソッチ方面で俄然面白くなって来ました。
っていうか、照れ隠しに我聞をバインダー投げしてツンと背中を向けてしまうとこなんて、いわゆるツンデレ娘が照れ隠しで意中の男子をブン殴って「バカー!」と泣きながら逃げるシチュエーションと、構造が全く一緒じゃないですか。これだ! 俺たちはコレを待っていたんだ! と、今頃全国百万人の我聞ファンが握り拳を振るわせて感激の涙を流しているはずです。
これからはきっと、「生真面目だった女の子が男子を意識しすぎてドジっ娘に転落する」という、これまたベタな展開が我々を(そして國生さんを)待ち受けているに違いありませんよ! 楽しみだなあ!
あと、九州に送られると聞いて「ブー」と駄々をこねてる桃子の姿はまるで桜井弘明監督アニメのキャラのようだったので、これはきっと作者の藤木先生が「我聞をアニメ化する時は桜井監督にお願いしたい!
」と考えている意思表示であると思った。
國生さんの声優が能登麻美子になるといいですね先生。
「サンデーを代表する報われない女」でなければいけない清水の苦労がこんなにアッサリ報われるだなんて、あんまりですよ!(感想?)
吾郎って案外押しに弱いタイプだったのね。
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