2005/09/09

■「MAJOR」を読んで『君たちは小学生カップルか』と説教したくなったサンデー41号感想

  1. ちょっとだけ「GS美神」っぽかった今週のハヤテのごとく
  2. 鬱展開に入った今週のあいこら
  3. 墨村利守(結界師)
  4. イヤボーン薫(絶対可憐チルドレン)
  5. フェイスレスがいっぱい(からくりサーカス)

1. ちょっとだけ「GS美神」っぽかった今週のハヤテのごとく

 ここは「GS美神極楽大作戦!!」で有名な椎名高志先生のファンサイトという名目ですので、ちょっとだけ往年の「GS美神」っぽい演出がなされていた今週の「ハヤテのごとく!」には触れない訳には参りません。

 いやまあ、どの辺が「GS美神」っぽかったかと言えば、鉄パイプを指先で回してから殴りかかるヒナギクの一連のアクションが、神通棍を持った美神令子のソレに似てたなあ、というとこだけだったんですが。他はあまり似てません。
 もしこれが「ハヤテ」ではなく「美神」だったら、悪霊を退散させるシチュエーションは「ハヤテがヒナギクの胸を掴んでしまい、それでヒナギクの『気』が増大した」とかそういう横島忠夫的エロコメシチュエーションに持って行かなければならないのですが、しかし現代少年向けラブコメマンガにおいては男子はスマートかつストイックな存在でなければならないので、結局そういう描写は一切なく、理詰めでヒナギクを『悪霊を退散させた』と説得するという結末に。
 というか、エロという観点では、むしろオモシロ半分な感覚でハヤテを誘惑していたヒナギクの方が、遙かににエロかった気がします。現代少年向けラブコメマンガでは、エロいのは男子ではなく女子の方なのです。時代は男子総受けなのです。
 現代ラブコメマンガの世界では、もう横島忠夫は存在できないんだなと思いました(変な感想)。

 あと今回のエピソードでは伊澄お嬢様が正真正銘のゴーストスィーパーであることが証明されましたが、それと相反してどんどん作品内で影が薄くなって行くのが気掛かりです。作者自身も「報われない」とか書いてますし。いいのかそれで。
 「ハヤテ」世界における報われない女性キャラナンバーワンの座は西沢さんのものなのではないかと思っていたのですが、ここに来て俄然伊澄が追い上げてきました(影の薄さで)。このままでは、彼女は「ハヤテがコミックス3巻で打ち切られていたら最強のヒロインだったのに」と後世に記憶されてしまう、まるで「北斗の拳」が10週打ち切りだったらケンシロウの最強のライバルでいられたシンみたいな存在になってしまいかねません。あやうし!(変な感想)

2. 鬱展開に入った今週のあいこら

 先週のフェチ万歳っぷりが井上先生の本領であるならば、今週の鬱展開も、先生のもう一つの本領。フェチ賛美という光を描くためには、フェチという概念を悟ることができない「普通の人々」が、他とはちょっと違った要素を持つ者に対して向ける非寛容な冷たい視線がもたらす影も、また描かなければならないのだ! という感じで、魅惑の瞳を持って生まれて来たばかりに辛い目に遭ってしまった桜子の過去をキッチリと描いたエピソードだったと言えましょう。
 変態主人公が惚れ込んでる「パーツ」は、やはり当の本人達にとってはコンプレックスになっていた模様。この障害を乗り越えて桜子の心を主人公が癒していく過程を描くことが「あいこら」というマンガの正真正銘の目的であると思われる以上、いよいよこの作品も本題に差し掛かってきたと見るべきでしょう。試運転段階を終え、いよいよ本領を発揮し始めた井上先生の紡ぎ出す、これからの展開に期待です。

 正義の変態の熱い魂は、冷たく閉ざされたツンデレの心を攻略できるのか!
 つまりはそういうことだよね!(なのか?)

3. 墨村利守(結界師)

 「お父さんを守れるな?」「ハイ!
 「何言ってんですか! 僕も戦いますよ!」「でもお父さん、見えないんでしょ? あれ

 ナチュラルに修史パパの威厳を破壊している利守少年に萌え。その素直さが君の罪だ!
 この子は将来大物になると思った。

 あと「壁ハウス」さんの先週のサンデーの感想を読んで気付いたのですが、今回の戦いは繁守じいさんが大活躍する可能性が高そうですね。もし、雪村さんちにいる時子ばあさん(中身は式神なので無力)が人質に取られてしまったりした場合、繁守じいさんは怒りのあまり大戦鬼に変身して大暴れしてしまうに違いありません。そこで我々は、かつて愛した女の為なら己の命をも顧みずに戦う、一人の男の姿を目撃することになるのです。
 そして更に、自分の分身を救うために戦う繁守じいさんの姿を、異変を察して駆けつけた時子ばあさんが偶然目撃することに! 二人の間に蘇る、若き日の想い出! 墨村・雪村両家の数百年の確執は愛によってのみ乗り越えられることを、繁守じいさんと時子ばあさんが図らずも証明する展開になるに違いありません!
 ヤバイ! あまりに燃える展開過ぎて、想像しただけで泣けて来たよ!(バカ)

4. イヤボーン薫(絶対可憐チルドレン)

 かの「サルでも描けるマンガ教室」でも述べられていたように、エスパーマンガにはお約束としてイヤボーン効果が欠かせませんが、今週ついに薫がイヤボーン的な覚醒を遂げてしまいました。ただ、発動のきっかけが「自分の身の危険」ではなくあくまで「皆本の身の危険」であるところが、皆本のことが大好きな薫らしいところです。
 愛する者を守るためだったら、少女は天使にも悪魔にもなれる! みたいな、ベタと言えばベタなんだけどドラマ的な観点からすれば極めて正しい展開を見せて頂いた気分です。軍用ECMですら止めることができない、本気を出した薫の破壊力の描写は迫力十分であり、だからこそその力を目の当たりにした皆本が「止められるさ…!」と誓うように心の中で呟くシーンが栄えてくるというもの。

 そして、皆本のその言葉と同じくらい重要であると思われるのが、紫穂の「子供だってされたことは忘れない… 私たち、超能力はすぐに取り戻すし、いずれ大人にもなるわ」という台詞。このマンガは最終的に「チルドレン達が大人になった時、人類にとっての悪魔となるか否か」がテーマとなることが既に提示されているのですが、今回の一件は彼女たちの記憶に大人になっても留まり続け、それが後の彼女たちの運命の選択に影響を与えることになるでしょう。
 彼女たちが大人になるまでの時間は、彼女たちが復讐を育むために必要な時間でもあることを忘れてはなりません。葵が言うように、復讐という料理は冷めてからがオイシイのです。

 ところで、鉄パイプに縛られてグッタリしてる皆本の姿に、ちょっとだけグッと来ちゃった人はいますか?(←聞いてどうする)

5. フェイスレスがいっぱい(からくりサーカス)

 今回はもううんざりする程フェイスレスの顔が大量に出てきましたが、それぞれの顔の表情がどれも少しずつ違うところが凄いと思いました。だって、これ全部、コピーじゃなくて一個一個手で描いてるに違いないんですよ! フェイスレスの顔を大量に描くだなんて悪夢のような作業を延々と! やっぱり藤田先生はすごい! そしておかしい!

 あと、何げに液状化したマサルがかわいいと思った。

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