サンデー47号絶チル感想です。
今回は、この「逃亡者」というエピソードの終着点が、「超能力で人間に危害を加える可能性がある」という理屈で桃太郎を排除しようとする皆本を薫はどう思うのか、またその皆本も「エスパー殺し」の為の銃を本当に桃太郎に向けて本当に撃つことができるのか、という点にあるのを明確にするための、繋ぎにあたる話だったかなという印象です。次回は更にその辺に踏み込んだ話になりそう。
薫達にとって、「危険なエスパーである」ことを理由に皆本が桃太郎に銃を向ける姿を見ることは、同様の理由で同じエスパーである自分たちにも銃が向けられる可能性があることを知ってしまうことになります。皆本が「この先は君たちには見せたくないんだ」と言っているのは、そういう未来が来ることを予知で知らされているからというのもあるのではないかと思いました。
でも、完成原稿に提示されてる次回の絵を見る限り、結局薫もそういう現実に気付いてしまうのではないかという気がしますが。
以下、その他留意するべき点。
この私のビッグマグナムでェェェー!!」
>「超能力で人間に危害を加える可能性がある」という理屈で桃太郎を排除しようとする皆本を薫はどう思うのか
人間の世界では人間に危害を加えた獣は、超能力があろうがなかろうが始末されます。
現実のクマの例のように。
これに対して薫が異を唱えるのならば、世の中の殺される動物も全て助け出さなければ極めて不公平です。
目の前の悲劇だけ止めようとするのはエゴや偽善といわれても仕方ありません。
ましてや超能力を持つ獣だから殺させない、と言うならばまさしく薫自身が人間とエスパーを差別している証拠。
この先の展開はまだ判りませんが皆本には全く非は発生しません。
この件がきっかけで未来がエスパーVS人間の構図になるならば恐ろしく理不尽であると言えます。
その辺が子供らは判らないから、絶対可憐”チルドレン”は厄介なんですよねぇ。
GS美神さんだったら判ると思うんですが。
GSは超能力が認めらる世界で、絶チルは反対の認められない世界。
椎名さんの作品でこの2作品が人気があるのは偶然か。
今思えば、あそこで皆本がライオンとかの一般的な動物を例えに出して薫を説得しようとしたのはまずかったですね。あの時の薫はモモンガに対して感情移入(というか自己投影)をしていたので、危険だという理由だけで実力排除しようとした皆本に対して反感を持つのは致し方ないと思います。
結局は(皆本ではなく)同じエスパーの兵部が場を治めてしまったことを考えても、薫に「エスパーと人間は相容れないものだ」という印象を与えてしまった可能性はあります。
「GS美神」だと、化猫の親子に感情移入した横島が美神と対立するエピソードが、割とノリが近いのかなと思います。
あと兵部の組織である「パンドラ」は、「Mr.ジパング」ではほとんど描かれなかった異能集団・天回宗側から見た視点の延長なのかも。
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