こちらは、私こと深沢が管理運営を行っている、椎名高志ファンホームページ C-WWW です(挨拶)。
いきなりですが、最近ニュースサイトで話題になっている「赤松健」論を書いていらっしゃる「ピアノ・ファイア」のいずみのさんの日記で椎名高志ネタがあったので、ブログっぽく反応。
丸川トモヒロ『成恵の世界』7巻
個人的に丸川トモヒロに付けているキャッチコピーは「椎名高志の後継者」。あるいは「若々しい椎名高志」。
んで椎名高志の原点にはるーみっくワールドが広がっているので、高橋留美子の孫にあたる漫画家だと思ってるんですが。同じ説を主張してる人はみかけないなあ。丸川さんがシイナをどう思っているのかは是非知りたいのだけど。
私自身は「成恵の世界」をそういう視点から意識して読んだことはありませんが、言われてみれば「ああ、なるほど」と納得できる意見だと思いました。
「成恵の世界」には、SF要素とほのぼのコメディ要素が高い次元でミックスされた「はじめてのおつきあい」や「ポケットナイト」などを代表とする作品を手がけていた、1990年代初頭のまだ若かった頃の椎名高志氏のマンガに相通じるモノを感じます。
現在の丸川トモヒロ氏の路線は、当時の椎名氏が将来取り得る「可能性」の一つだったのかも知れませんね。
でも、椎名氏はSFが好きなのと同じくらい「モンティパイソン」も「ヘルハウス」も「悪魔のいけにえ」も大好きな人なので、「成恵の世界」のようなハートウォームな物語だけを作って気が済むタイプの作家じゃないことは確かなのですが(笑)。
私は丸川トモヒロ氏のマンガは「成恵」しか知らないので、氏の中には成恵以外にどんな「引き出し」があるのか、ちょっと興味があります。何となくですが、いずみのさんが仰るところの「若々しい椎名高志」の代名詞に相応しいマンガを作ってくれそうな予感はしますね。
一度サンデー超増刊辺りで描いてくれないでしょうか(無理)。
あと、椎名高志といえばやはりロボ娘ですが、椎名氏はおそらく「成恵」に出てくる機族みたいな、人間と同じ思考能力や倫理観を持つタイプのロボ少女は自分のマンガには出さないのではないか、と思います。
氏の代表的なロボ少女として「GS美神極楽大作戦!!」のマリアを例にしますが、マリアは「人間の命令は理解するが、人間とはまったく違ったロジックで動いているが故にコミュニケーションにギャップが生じる
」ところに、マンガのキャラとしての面白さがあります。そして、それは椎名氏が考える「ロボットの魅力」の本質でもあるのです(この辺の椎名氏のロボに対する考え方は、SFオンラインのインタビュー記事に詳しい)。
一般社会で稼働するには明らかに致命的な欠点を抱えているロボット少女がいて、「それでもかわいい! 買う!
」と叫んでしまう男の子がいる。「椎名高志」的なマンガの面白さはそんなところにあるのかな、とか思いました。
おそらく椎名氏が「機族」をネタにマンガを作るとしたら、鈴ちゃんのようなキャラではなく、7巻に出てきた武伏みたいな「狂った」キャラを主役にするんじゃないかという気がします。
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せっかくですので、「赤松健論」の簡単な感想を:
「AI止ま」というマンガが、赤松健という新人漫画家を如何に「少年漫画家」として成長させたのか――という軌跡が、判りやすくまとめられています。
週刊で連載開始→実力/人気不足でマガスペに降格→制作体制を強化して劇的に作画能力と脚本能力を向上→人気も急上昇→大円団で円満終了→「人気作家」として週刊復帰へ! とものすごい変化を経験した時期なので、漫画家としての赤松健を語る上では「AI止ま」が一番題材として面白いと思います。
ファンの間でこれほど「景太郎の瀬田化」が嫌われているだなんて知りませんでした。「景太郎の成長を(読者にとっても、成瀬川にとっても)極めて判りやすく表現したのがあのスタイルなのか」程度の認識だったので、そういう読み方もあるんだなと素直に感心。
個人的には、9巻で景太郎が成瀬川に告白した時点で、「ラブひな」の実質的な主人公は成瀬川に移ったと認識しています。9巻以降は、恋愛に対して幼稚なままのヒロインに成長を促す、成瀬川にとっての成長物語として「ラブひな」を読んでました。こういう読み方はどうだろう(と言われても)。
特にC-WWWの深沢さんから、丁寧に取り上げていただきました。うわわわ、いつも読んでます。嬉しいです。 というかぼくの周囲にはシイナファンが結構多く、「絶チル」も絶賛、ネギまの世界観の話をしていたら何故かオカルト繋がりで極楽大作戦の話に飛んでしまうくらいです。((ネギまは唯一神の存在しない和洋折衷な神話観でいいよね、という話をしていたら、そういう世界観の理想型が極楽の「キーやん」「ブッちゃん」のアレだよな、と椎名イズムをベタ誉め)) *丸川トモヒロは若々しい椎名高志説 それでこの話なのですが、両人の ...
最近ちょくちょく見るようになった blog に izumino さんが時々顔を出されていて、件の「椎名高志←→丸川トモヒロ」論もそちら経由で読んだばかりでした。話題として振ろうか、どうしようかと思っていた矢先に深沢さんが取り上げるとは、なかなかビックリする偶然でした。
で、その blog に「絶対可憐チルドレン」関連のコメントがあったのでお知らせしておきます。「絶対可憐ブロギング」には捕捉されていないようでした。
http://d.hatena.ne.jp/otokinoki/20040825#p1
ふーむ、これ、「ライトノベル完全読本」の編集の方の blog なんですね。買おうという踏ん切りがつかずに買わずに放置してましたが、これを機会に買ってみようかな。
これがblogの醍醐味って奴ですよ!(大げさ)
椎名センセのあの発言からマーケティングを論じるなんて、さすが本の編集をやってる方の視点は違いますね。
最近は本や新聞の編集の立場にいる方もブログを持つようになって来てますけど、今年はこういう風潮が強まるのではないかと期待してます。
>「絶対可憐ブロギング」には捕捉されていないようでした。
「絶対可憐ブロギング」が参照しているRSS検索サイトは、blogが更新された時に発信する WeblogUpdate Ping と言われる仕組みを使って更新内容をチェックしています。はてなダイアリーの場合は、標準設定ではPingを飛ばさないようになっているみたい。
これから「絶チル」の感想をブログで書く方は、ぜひPingを飛ばして下さいとお願いしていきたい。
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