2004/12/24

■いでじゅうの林田ついに告白記念サンデー4/5号感想

  1. 「俺とは違う!」(MAJOR)
  2. 猫を口説く黒巣先生(結界師)
  3. デコピンを食らう月乃(焼きたて!!ジャぱん)
  4. 「私、今馬に乗った侍に助けられてる」(道士郎でござる)
  5. 「あれが…熱き鉄道マンの姿だ」(D-LIVE)
  6. 番外:石澤の慎さん

1. 「俺とは違う!」(MAJOR)

 なんか最近の「MAJOR」って、ギブソンJr. が吾郎ちゃんをどんどん愛するようになっていく様子を克明に描いたドキュメンタリーになっているんじゃないか、と思うのですがどうか。

 でも、いくらギブソンJr.が吾郎を愛するようになったとしても、吾郎のこれまでの男性遍歴から考えると、いつかは彼は泣いてすがるギブソンJr.を振り切って己の夢の実現に向かって一人で先へと旅立って行ってしまうことは必至。彼の視線の先にあるのは憧れのおとさんの姿と、それに比類するだけの力を持つメジャーリーガー・ギブソンだけであり、それ以外の男は既に眼中にないのです。夢のためなら他の全てを犠牲にすることができるからこそ、彼は「吾郎」たり得るのです。彼に惚れたばっかりに離別の涙で枕を濡らせた男は数知れないのです。
 そんな男に惚れても辛いだけだぜギブソンJr.! それでも彼を愛するというのかギブソンJr.!

 なんか変なノリの感想になったので次。

2. 猫を口説く黒巣先生(結界師)

 猫にゃんが猛烈にかわいくて大変にはにゃーんだった今週の「結界師」ですが、その猫にゃん(霊)に懐かれる黒巣先生(メガネ)も負けず劣らず魅力的。
 普段は至ってクールだけど、小動物だけには優しい素顔を覗かせる彼の姿には、まるで我々読者を「不良だと思っていたアイツが、小雨の降る中捨て猫を拾う姿を目撃して心をときめかしてしまう少女」と同じ心理状態にさせる何かがあると思いました。
 こりゃもう猫じゃなくても惚れるよね! これぞ黒縁眼鏡の眼鏡男性の理想像だよね! みたいな!(うるさいよ)

 そんな感じで、要所要所で眼鏡を光らせたり曇らせたりすることで黒巣先生の心理状態の描写を的確にコントロールしている田辺イエロウ氏の眼鏡描写力に感心させられた次第です。サンデーのまんカレ通信は、『「結界師」からメガネキャラの描写技法を学べ!』というネタで一席打つべきだと思います。
 あと、黒猫を性急に狩ろうとした志々尾を制した良守はカッコ良かったですね(本筋もちゃんと読んでいることをアピール)。

3. デコピンを食らう月乃(焼きたて!!ジャぱん)

 かつては己の野望のために主人公達を奸計に陥れる知謀キャラとして描かれていたはずの月乃嬢ですが、何だか今じゃすっかりカマトトキャラに。一応現在のストーリーは「東達が彼女の為に戦っている」という設定になっているはずなのですが、知らない間にすっかり落ちぶれてます。

 私の落ちぶれキャラ萌え属性が疼き出しました(出すな)。

4. 「私、今馬に乗った侍に助けられてる」(道士郎でござる)

 「世の中に絶望しながら、それでも世の中の全てを諦めて受け入れることができない」という現実に悩む少女の窮地を、馬に乗った侍という非現実の権化みたいな道士郎が助け出す。ヤクザや不良なんていう現実的な脅威は、もはや現実の埒外にいる道士郎の前では何の力も意味もなさないことを、今更ながらに強調したエピソードでした。

 こういう笑いの取り方は、明らかにギャグマンガのソレです。やっぱりこのマンガ、サンデーにおける「クロマティ高校」的なポジションに収まろうとしているのではないかと思ってしまいました。

5. 「あれが…熱き鉄道マンの姿だ」(D-LIVE)

 例えボディが壊れてもジェット機の重みを支え続け、最後の瞬間まで自分の命令に対して忠実に働き続けた電車に対して涙する! この涙は、即ち鉄への愛の証の涙!
 「熱い鉄道魂」というものが、自分にも少しは判った気がします!(キレイな瞳で)

 それはともかく、今週は最初から最後まで迫力満点で面白かったです。モノレールにジェット機を胴体着陸させたら話は終わりかなー、と思っていたら、更に「急停車しないと道路標識にぶつかって爆発!」というクライシスを持って来たところが超熱い。
 東京モノレールの列車形状や羽田空港近辺の路線構造から今回の鉄道アクションのアイデアを思いついた、脚本の勝利と言えましょう。

番外:石澤の慎さん

 ボクが好きな都知事は、「NOとは言わせんぞ、NOとはー!」と装甲車に乗って叫んだ挙げ句に狙撃されて死ぬ都知事です!(挨拶)

 そんな感じで名前は現都知事っぽいですが、やってることは「遠山の金さん」でしたね。
 でも都知事を名乗るからには、せめて国粋主義的な発言で物議を醸すくらいのことはして欲しかったです(バカ)。

 サンデーで政治をネタにしたマンガと言えば、何と言っても色々とタイミングが悪くてサンデーに悪夢をもたらした「ライジングサン」が有名ですが、それから幾星霜を経た今、まがりなりにも政治的なネタを扱うだけの余裕がサンデー編集部にも出てきた――と好意的に解釈するべきなのかも知れません。

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