2005/04/12

■絶対可憐チルドレンが星雲賞コミック部門にノミネート

 いきなり本題ですが、「絶対可憐チルドレン」が2005年星雲賞・コミック部門の『参考候補作品』に選ばれています。

 ネットで感想を読んだりした範囲では、「絶チル」はSFファンの方から高い評価を得ているっぽい感触はあったんですけど、まさかSFファンによって選ばれる星雲賞にノミネートされるとまでは思っていませんでした。椎名作品は2000年にも「GS美神」が同様に参考候補作品に選ばれたことがありますけど、「絶チル」は「美神」と違ってあくまで短編作品ですからね。それだけ、SF者の心を震わせるモノが「絶チル」にはあったということなのでしょう。ファンとしても喜ばしい限りです。
 やっぱり、みんな超能力少女が大好きなんだなあ(間違い)。

 で、SFという観点では「絶チル」は他のノミネート作品と比べても十分対抗できるだけのスペックを持っていると思いますけど、この中で実際にどの作品が受賞するか? と予想するとすれば、個人的にはあえて「愛人 -AI・REN-」(田中ユタカ)を推したいところです。

 この作品、最初のうちは『余命幾ばくもない主人公の少年・イクルが、彼に安らぎを与えるためだけに遺伝子操作によって作られた「愛人」・アイちゃんと、典型的な田中ユタカマンガみたいなラブラブな毎日を送る』――というマンガのはずだったんですが、次第に物語がスケールアップし、最終的には『人類という「生物種」とはいったい何なのか? 人として生きるというのは、どういうことなのか?』と読者に問いかける、壮大なスケールの物語に成長。田中ユタカ氏が恋愛マンガ家としてのキャリアと才能を全て注ぎ込んだ、畏怖するべきレベルに到達したと言っても決して過言ではない傑作です。死ぬ前までにはみんな読んでおくべき。

 あと、道原かつみ氏の「ジョーカー・シリーズ」が完結していたことを、星雲賞のノミネートで初めて知りました。この人のマンガはちゃんとSFとして面白いので、昔はよく読んでた記憶があります。「キャウ・キャット・キャン」がもう大好きで大好きで。15年くらい昔の話ですが(古すぎ)。

 「絶チル」は、これらの作品とは違って「SF的なテーマは提示されているけど、物語として完結していない」というディスアドバンテージがあるのが辛いところかなと(「連載化を狙ったパイロット版」という構造上、話がこうなっているのは仕方ないですけど)。勿論、マンガとしては十分にオモロいんですけどね。

 まあでも、「絶対可憐チルドレン」が正式連載になり、短編版で提示された「やさぐれ超能力少女の健全な育成」「超能力を『持てる者』と『持たざる者』の間にある葛藤」「定められた未来への挑戦」といったSF的な題材を描ききることができれば、星雲賞に再びノミネートされた挙げ句にコミック部門を受賞するのは確実な勢いですので、その時はぜひ! ということで一つ。
 なんかよく判らない記事になってしまいました。

※私信:本職の方がアレな感じなので、しばらくの間は軽めの分量の記事を不定期に飛ばすことになりそうです

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