2006/11/25

■流星ママみたいな女性と結婚したいサンデー51号感想

ダレン・シャン

 「ダレンに会えて良かった」というサムの最期の言葉を聞きながらダレンが血を啜って泣き叫ぶシーンが印象的でした。しかもその時のダレンの眼が完全に吸血鬼のソレになっているところが、このシーンの持つ凄みが強調されていて更に良いです。このシーンを絵にできただけでも、「ダレン」を漫画化した甲斐があったのではないのでしょうか。
 「ダレン・シャン」の原作者のダレン・シャンさん(ややこしい)は日本のマンガとかが大好きな人というか、要するにオタクな人だと聞いたことがあるんですけど、きっとこのシーンを読んだらオタクっぽく大満足して頂けるんじゃないかと思いました。オタク冥利に尽きるとは、まさにこのことですよ! 良かったですねダレンさん!(エラそう)

GOLDEN AGE

 自身のパートナーの条件として「獣のような激しさ」と「自分のプレーを読み取る繊細な心」を持ち合わせている人を上げた唯君ですが、これは即ち近江君のことを指していることは明白。「GOLDEN AGE」という作品は唯君が近江君を自分好みのパートナーに育成(唯君が求めているのは「獣」なので、むしろ調教)していく様を描いていく大河サッカードラマであることが、改めて提示されたエピソードだったと言えるのではないのでしょうか。
 にしても、近江君の「ここであきらめたらオレのプライドが許さねえ!」は面白すぎます。こんなカッコイイ台詞をこんなマヌケなシチュエーションで平気で使える彼のキャラクターの天然っぷりは素晴らしいです。調教しがいがありますね。

結界師

 ストーリー的には、あの強大な黒兜をも簡単に壊してしまえる程に強力な上、良守に黒兜を倒す力を与えようとするなどといった「意志」らしきものをも持ち合わせている烏森の力の不気味さの一端が提示されたという意味において有意義な回でしたが、肝心の時音側のエピソードは「時音にビビった箱使い弟が勝手に撤退、時音があっけなく脱出して終わり」というヨンボリしたもので終わってしまいました。ここんとこ地味な時音さんが久しぶりに大暴れする展開を期待していた向き(オレとか)にとっては、何だか大変残念な結果に。
 良守が(連載初期のように)しきりに時音の身体を心配していたのは、現在連載初期のエピソードを放映中のアニメ版に対するフォローなのでしょうか。ここだけ時音がヒロインっぽかったです。良かったですね時音さん(良いように聞こえない)。

 なお、箱使い弟が潜んでいた部屋はかつてあの兄弟が生活していた部屋のようなのですが、座布団は二つあるけど布団や枕が一つしかないのが、ちょっと気になります。あの兄弟は同じ布団と枕で一緒に寝ていたのでしょうか。であれば、弟が兄を失って怒るのも仕方ないと思います。広がる妄想。

助けて! フラワーマン

 「北斗の拳」の掟に従って本来なら不細工なザコキャラでなければならない不良のモヒカンが美形って、こりゃまた一体どういうことですか!
 世紀末救世主伝説を超えて生き残ったモヒカンキャラのニューウェーブを見た!

あいこら

 友達相手に「あいつのことなんか別に好きじゃない」と虚勢を張ってドツボに嵌るというストーリーは、少年マンガの世界では基本的には男性キャラがやることだと思うんですけど、あえて性別を逆転させることでツンデレ桜子がそのツンっぷり故にハチベエを窮地に追い込んでしまうことになるエピソードに仕立てたのが面白かったです。こういう話も作れるマンガなんだなと感心。
 確かに単純なハチベエなら、いくらヒドいことされても簡単に回復できますからね! 使いやすいキャラだなあハチベエ!(ひどい)

 後はラストシーンの弓雁ちゃんですが、これはヤバいです。弓雁のあの目は、間違いなく人を殺す覚悟を持った者の目です。井上和郎先生のマンガでこんな瞳を持ったキャラが出てきたのは、「美鳥の日々」のサンディの夜這いシーン以来なのではないのでしょうか。
 井上先生は普段は変態マンガを描いているにも関わらず、時折キャラにこういう目をさせることがあるので侮れません。

焼きたて! ジャぱん

 今週の話を描き始めた時、もしかしたら橋口先生はまだ黒マントの中身を何も考えていないのでは? と思いました(感想)。

ブリザードアクセル

 吹雪と六花のラブラブエピソードもついに終結。ここまでゲロ甘なラブロマンスをサンデーで読める機会はもうそうそうないのではないかという気もしますし、何より結果はともかく決勝戦までやって欲しかったと思うとこの展開はちょっと残念ですが、これ以上やるとフィギィアスケートマンガとしての限界を更に突き抜けてしまいかねないことを考えると、この辺がちょうど良い潮時だったのかもしれません。

聖結晶アルバトロス

 サンデーの巻末間際、いわゆる名誉席の常連だったみんな大好き「聖結晶アルバトロス」も、ついにここで最終回。紛う事なき立派な打ち切り最終回でした。ここまで堂々と「俺達の戦いは始まったばかりだ!」的な話をされると、むしろ清々しさが漂って来ます。言うなればアルバトロス大往生。

 思い出してみれば、読み切り版(アルバトロスが宝石泥棒だった奴)は正直なところ「いくら何でもこれはヤバい!」と思わざるを得ない内容だったり、連載版の初期は中身よりもアルバトロスの裸マントが話題になったりと、色々と前途多難を予想させるマンガだったにも関わらず、連載が進むに連れてどんどん「正統派ファンタジー格闘マンガ」のスタイルを確立、作者が経験を積んで成長して行くのが読んでいても実感できる作品だったと思います。
 もし、まだサンデー超増刊が月刊誌として健在だったら、おそらくそちらに移行しても連載を継続させる価値はあるマンガだと思うのですが、歴史に「もし」は許されない以上、ここでの連載終了もやむなしでしょう。

 何にしろ、若木先生おつかれさまでした。次回作を期待します。

参考

 →HoneyDipped

 Webサンデーで触れていた、若木民喜先生のブログ。
 今頃はきっと、何だかんだ言いながらもDOAX2をやり込んでいるに違いありません。

Posted at 13:27 | WriteBacks (2) in マンガ::週刊少年サンデー
WriteBacks

アルバトロスは惜しかったですね

 敵にやっと魅力的な存在が出だしたところだったのですが、途中経過をすっとばしてでも真の最終回を見たかったような気がします。日常パートがおもしろかったので、最後あまりページ数が割かれなかったのが残念でした。
 フラワーマンは短期集中連載って何回なのでしょうか?少年誌よりも青年誌の方が違和感がない気がしますが、構成がものすごく安定していてひそかに単行本化楽しみにしています。
 

Posted by ラシード at 2006/11/26 (Sun) 22:20:53

「アルバトロス」の真の最終回はみんなの心の中に

というか、今更ですがコメントありがとうございます。

「アルバ」のあの最終回は(おそらく)作者も納得の上でのものだったと思うので、あれはあれでアリというか、ああなるのも仕方がなかったのかなという気はします。若木民喜先生の作風自体は今のサンデーに合っていると思うので、ぜひもう一度何らかの形でサンデーに登場して欲しいところ。
「フラワーマン」は、もし好評だったら半年後くらいに正式連載で帰って来そうな感じ。私は心が汚れているので素直には楽しめないマンガでしたが(笑)、評価自体はそんなに悪くなかったのではないかと想像しています。

Posted by Fukazawa at 2007/01/01 (Mon) 22:11:18
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