2007/08/31

■閃ちゃんおっぱい祭開催中のサンデー39号感想

金色のガッシュ

 正直なところ、今回のバトルでウマゴンもキャンチョメと同じようにリタイアするのではないかと思い込んでいたのですが、しかしガッシュとの友情のツープラトン攻撃で窮地を脱出、無事にガッシュ達と合流することに成功しました。
 キャンチョメが割とあっけなくクリアの長距離砲で倒されたのと比べると、両者の間で扱いにやや差があるような気もするのですが、この辺はやっぱりウマゴンとキャンチョメの人気の差なのでしょうか。ウマゴンは子供達に大人気だからなあ。やはり真にサンデーが低年齢路線を取るのであれば、週刊少年サンデーは週刊少年ウマゴンと改名するべきだと思います。

 あとウマゴンと言えば、サンデー36+37号でサンビーム殿が遙か上空から急降下しながらシェーに似たポーズを取りつつ「グルービー!」と叫んでいたシーンが印象的でした。明らかにやりすぎというか、生身の人間ならジェット機が飛ぶような高々度から落下しつつ斯様なポーズを取ることは不可能極まりないのですが、しかしその不可能をも成し遂げるのがサンビーム殿なのです。「ロックンロールはまだ始まったばかりだ!」というこの時の彼の台詞は、あらゆる不可能に対して反逆を試みて挑戦を続ける、原初の意味でのロックを彼が体現していることを意味しているのです。サンビーム殿はロックだ!

 今回ウマゴンが生き残ったことで、再び彼のグルービー芸が拝めるかと思うと嬉しいですね。最終決戦の場はロッキー山脈とのことなので、今度はぜひ地面に潜りながらロックを極めて欲しいです。サンビーム殿の戦いは始まったばかりだ! すぐに終わりそうだけどな!(ひどい)

DIVE!!

 予想通り、弟に彼女を寝取られた我らが主人公の知季。嘆くことはないよ! 寝取られ属性は萌え要素だよ! 弟に彼女を取られてベッドで悔しがって涙を流す姿に、全国の寝取られマニアは興奮してゾクゾク来てるに違いないよ!(←病気だよ)

 そして物語後半は、夏陽子コーチの生い立ちの告白に続き、知季に対して「あんたなら世界の頂に立つことさえ不可能ではないよ!」と激励する流れに。天性の飛び込みの才能に加え、恋人を失うことによって喪男パワーが急上昇している今の知季君なら、飛び込み界で天下を取れる程のフォース(暗黒面の)を得ることは容易でしょう。彼女にフられた勢いで世界を制覇して欲しいです。
 そして世界を制覇した暁には、その名声に釣られて再び元彼女が寄りを戻そうとして再びフラフラと近付いてくるのは必至の有様なので、それまでには「俺には女はいらねえ!」と高らかに宣言できるくらいの高レベルな喪男になって元彼女を見返して欲しいものですね! モテない男こそが人生の真の勝利者たり得るのだ! みたいな!

 ええ、絶対そんな展開になることがあり得ないのはよく判ってます!(なら書くなや)

マリンハンター

 「マリンハンター」はサンデーにおけるエロ担当だと思っていた矢先、実はグロとバイオレンス担当でもあったことが判明したエピソードでした。シャークがかつて住んでいた島は帝国海軍の大理不尽な侵略行為によって全滅、彼と恋仲にあった幼なじみの少女はともかく、そのついでにシャークの妹(幼女)まであっけなく三つ叉矛で突かれて血まみれになって殺害されるというブラッディな展開に、全国百万(ちょっとサバ読んだ数)のサンデー読者は呆気にとられたに違いありません。
 この辺の話は、帝国海軍のホエール少将の残酷さを演出すると共に、おそらくシャークがグッピーとシジミを文句を言いつつも連れ歩く動機の伏線として使われるのではないかと思うのですが、さすがに小さい女の子が血まみれになって無意味に死ぬシーンを見るのは辛いです。

 とは言うものの、こんなどぎついシーンをあえて持って来た作者と、この表現にゴーサインを出した編集部は素直に凄いなあと思います。かつて「きみのカケラ」でヒロインがクスリを飲まされて全裸で吊される描写を許容したり、「かってに改蔵」で羽美たんが毎度毎度猟奇的殺人を繰り返して大暴れするオチを許容したサンデーの懐の広さは、まだ死に絶えてはいなかった!
 まあでも、幼女殺害シーンを入れたからと言っても、それでこのマンガが面白くなるのかどうかは全く別の問題だと思うんですけどね(ドクロ)。

あいこら

 今回の話の最期の方で、手フェチの松山千鶴がクラスメートから「それって手フェチのこと?」「変態ってこと?」「うわーマジかよ」とヒソヒソ言われて引かれてるシーンがありましたが、しかしこのマンガの舞台になっている学園はハチベエを初めとして渋沢・辰巳・鹿野といった、「ケンイチ」風に表現するなら達人級(マスタークラス)の変態パーツフェチが所狭しと居並び、彼らが日常的に変態的な騒動を起こしていることを考えると、この学園においてたかが手フェチ程度でここまで不審の目で見られるとはとても思えません。
 というか千鶴の場合、手フェチという嗜好そのものよりは、ハチベエの手を自分のおっぱいで暖めるとか、ハチベエの指を舐めるとかいった、フェチに追随した行為の方が遙かに変態的ではないかと思われます。しかし、それも彼女が手を愛するが故の行動。「罪を憎んでフェチを憎まず」は、もはやこの学園の校訓であるべきです。

 「自分のフェチを肯定し、フェチ対象を持つ者と一緒に幸せになる」ことは、主人公のハチベエが乗り越えるべき大きなテーマの一つであることは間違いないところですが、ここに来てある意味ハチベエと同じ境遇にある千鶴を出すというのは、作者には彼女を通してこのテーマをより明確なものにして行く意図があるのか、それとも単にネタが詰まったので新しいフェチ持ちキャラを出しただけなのか。判断が難しいところです。多分後者の方が動機としては大きいような気がしますけど(ひどい)。

 あとなんかあやめさんが菊乃にときめいてる描写がありましたが、こういう話が出てくると何だか「サブキャラ同士が片づき始めると、そろそろこのマンガも潮時なのかなー」とか思ってしまいがちです。次回は連載100回記念でセンターカラーということなので、今後の流れについても注目していきたいところ。

RANGEMAN

 自分が生まれ変わったら腐女子になることは、もうアカシックレコードによって決定されていると信じています!

 そんなアレな妄想を抱かせた(抱くな)「RANGEMAN」も今回でついに最終回。元々は戦隊モノの要素に「変身すると恋した記憶を失ってしまう」という設定を絡めたラブコメディ路線を目指していたと思われるこのマンガでしたが、最終的には戦隊要素はほとんど消え去ってしまい、このマンガの本質的な部分のテーマであるところの風香と錬児のサドマゾカップルの奇妙な恋の行方のみを集中的に追いかけるという流れになってしまいました。
 限られた話数で物語を締めるためにはこうするしかない! という苦渋の選択だったとは思いますが、結果的にはこの選択によって恋愛物語としてはとてもキレイな形で集束することに成功しました。最終回最後のコマの「恋する乙女」と「下僕を服従させることに成功したサディスト」が入り交じった複雑な風香の表情を拝んだ時、このマンガの魅力はこのコマに集約されている! と、心の底から思いましたよ。
 あとは、記憶は失っても本当の恋を経験した錬児が人間的に成長している姿と、でもやっぱり風香の前ではマゾっぽくなってしまう変わらない姿が見られたのも、なんかこのマンガらしくて良かったです。

 「RANGEMAN」については作者のモリタイシ先生は最初から最期まで相当悩んだみたいですが、次回作ではこの経験が活かされたものになるといいなあと思いました。期待してます。

Posted at 21:13 | WriteBacks (0) in マンガ::週刊少年サンデー
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