この前本棚を片づけていたら、「アニメック」の元編集長・小牧雅伸氏が岡田斗司夫・山本弘両氏と対談した記事が載っている「ヨイコ」(音楽専科社)が出て来たので、久しぶりに読み返してしまいました。
その中では、小牧氏が「当時(昭和48-49年頃)はアニメ専門誌がなく、『てれびくん』『テレビランド』を読んで勉強するしかなかった
」という趣旨の発言をしていたのが印象に残りました。当時はビデオすらなかった時代だったので、ファン達は少ない情報を競い合って入手し、ファン同士が互いに交流することでアニメに関する様々な情報を交換していたとのこと。
今でこそアニメや特撮の番組に関しては雑誌のみならず様々な情報媒体がありますが、黎明期のファン達はやっぱり色々苦労をして来たんだな、と思わされました。
そういう過去を踏まえながら、椎名高志先生がマンガ描いてるからという理由で「てれびくん」を買った皆さんこんにちは。
あの雑誌読んでると、なんか「ムシキング」がやたら面白そうに思えてたまらなくなりませんか?(と言われても)
そしてついに「てれびくん」に掲載された「ウルトラマンネクサス」のコミカライズ版ですが、自分が読んた感じでは「思っていたよりも内容は子供っぽくなく、ちゃんと『読める』マンガになっている」という印象を受けました。少ないページ数の中で大量のキャラやメカを登場させなければいけないという制約の中で、よく頑張ってるなあと思います。
今回のお話の元になっているのは原作の第1話~4話ですけど、マンガの方は基本的に「怪獣対TLT、そして謎の存在であるウルトラマンの登場
」という、作品世界の基本構造の紹介に物語の焦点を絞り込んでいます。なので、TLT内部での人間関係や主人公が抱える過去のトラウマのことや恋人との微妙な関係のこと、そして副隊長の怪獣に対する異様な執念深さ、などといった大人な部分にはほとんど触れず、『怪獣出現!→TLT出動!→主人公ピンチ!→ウルトラマン登場!』という、もの凄く判りやすい話の流れにストーリーを(原作のシリアスな雰囲気を壊すことなく)集約しているのが印象的です。
椎名先生言うところの「ほとんど俳句を作るのにも似た極限のネームづくり」の苦労が忍ばれます。
そして肝心の絵の方も、ウルトラマンのスーツの皺がちゃんと描いてあったり、妙にエログロな格好した怪獣の細部がちゃんと描き込まれていたりと、こちらもかなり頑張ってる感じがします。特に、ラストシーンのネクサスの後ろ姿の格好良さっぷりは特筆に値します。
今回は「一番湯のカナタ」に出てきたようなウルトラ宇宙人のパロディ版じゃなくて、円谷オフィシャルなホンモノを描くということで、作画にはかなり力が入ってますね。こんな絵を描く椎名高志には滅多にお目にかかれませんよ皆さん!(煽り)
あと、4話の最後に出てきた記憶抹消装置がちゃんとマンガにも出てきたので、やっぱり「ネクサス」にとって記憶抹消装置は欠かせないアイテムなんだなあと思いました。
やっぱりあのオモチャ出たら欲しいです。
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あと「てれびくん」の記事で個人的に面白かったのが「金色のガッシュベル!」。
今月号ではデモルトに対してザグルゼムを放つガッシュの絵が掲載されていますが、そのガッシュをパティ(とピョンコ)が横から目を輝かせて見つめる構図になっているところが面白いです。あの絵を見ただけだと、まるでパティが「ガッシュ」のヒロイン役みたいに見えてくるのが不思議。
いやまあ、根性曲がりの女性キャラが大好きな私とって、石版魔物編における彼女は間違いなくヒロイン格なんですけどね!
ここでパティの絵が載ったということは、今月のアニメ版「ガッシュ」では、いよいよパティがショートカットにモデルチェンジしてブリブリ言わせる、彼女のラストバトルが観られるということに。根性がひねくれていた女性キャラが素直になるシチュエーションも大好きな私としては、HDDレコーダーの録画レートを最大にしてパティの雄志を永遠に保存して行きたいと思いました。
あと「ムシキング」にも興味が出てきたのでオフィシャルサイトを覗いてみたのですが、このゲームのストーリーが『原住民と移植民が森の支配を巡って争う、民族間紛争を題材にしたゲーム
』(と拡大解釈することが可能なもの)であることを知って驚愕。なんてシビアかつシリアスなゲームなんだ!
最近の子供達は、随分と社会派なゲームで遊んでいるんだなと感心させられました(大まちがい)。
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