2005/02/16

■落ち穂拾い050214

 今更ながらですが、バレンタインデーは、安野モヨコ「監督不行届」を読んで過ごしてました(挨拶)。

 「監督不行届」は、「新世紀エヴァンゲリオン」で有名な庵野秀明監督と結婚したマンガ家・安野モヨコ氏による、オタク同士の結婚生活をおもしろおかしくネタにしたエッセイマンガです。後書きに登場して「衆目に己の姿をさらされるというのは、マンガ家を嫁にもらった者の宿命だと思うんですよ」と語る庵野監督の姿からは、成熟した大人のオタクが醸し出す余裕が感じられます。
 というか、そもそも普通のオタクは「マンガ家を嫁にもらう」ことすら不可能なんですよ監督。「マンガ家と結婚」って、独身男性オタクの頭の中じゃ「声優と結婚」の次くらいに位置するドリームですよ監督。うらやましいなあ監督。

 そんな感じで、今日はここ最近忙しかったためにフォローできてなかったネットとかの話題について、「今更ながら」をキーワードに書いていきたい。

■赤松健論三部作完結

 もう今更な話題ですが、「ピアノ・ファイア」のいずみのさんによる赤松健論三部作の最終章・「ネギま論」が公開されました。さすがに最終章だけあって、かなりの力作。

 「赤松健論」の最大の功績は、赤松健という漫画家には「語る」だけの価値がある存在であることを知らしめた点にあったんじゃないかと思います。
 赤松健と言えば、どっちかと言うと「低俗なエロコメマンガを描く人」というイメージが先行がちであり、例えば最近発売された「ネギま」のゲーム版は「生徒のエッチ度が上がると、女の子がパンツ見せながらこっちに迫って来るようになる」というおかしい(頭が)コンセプトで話題となりましたが、そんなアレでも「まあ、赤松健のマンガのゲーム化じゃ仕方がないか」という雰囲気でみんな納得してしまう程なのですが(きめつけ)、「赤松健論」はそれに対して『赤松氏は、少年漫画家としてのスキルを着実に伸ばしているのだ!』と真っ向から論理的に主張しているように思えます。読んでいて素直に感心させて頂きました。

 「赤松健論」は、真正面から漫画家・赤松健の成長の軌跡と、赤松作品(特に「ネギま」)が持つ先進的な構造について論じることにより、ネット上で赤松健を語れる雰囲気を作り上げたのではないかと思います。あとは「脳をとろ火で煮詰める日記」のみやもさんが仰っているこの論で勉強した者は、いずみの氏のように漫画を読めることを求めつつ、いずみの氏の読みそのものにおさまらぬことを目指さなければならない」の通り、これをきっかけとして更に議論が深まって行くことを期待します。

 個人的に、「ネギま」はこれまでの赤松氏の作品とは比較にならないくらい大きな可能性や発展性を秘めている、もの凄いマンガなのではないか? と認識しているので、機会があれば自分も「ネギま」には触れて行きたいですね。
 いやその、このサイトの趣旨からすれば、赤松健よりはまず椎名高志について論じなければならないのは判っていますが(ヘボ)。

 でもまあ、「赤松健のマンガのゲーム化じゃ仕方がないか」という雰囲気でみんなが納得してしまう俗っぽいイメージも、また赤松健氏の特徴というか、大きな魅力の一つであるとも思うんですよ。前述の「ネギま」のゲームも、そんな氏の作品が持つイメージをアドバンテージとして活用したからこそ、あれだけ話題になった訳ですし(おかしな方向に)。
 何となくですが、氏は世間的なそういう評価をあえて受け入れ、飄々とした態度で楽しんでいるようにも見えます。「ラブひな」の瀬田さんみたいなイメージ?
 もしオレがオレじゃなくて成瀬川なるだったら、赤松先生に惚れてるところでした。あぶない! あぶない!(←オレの頭が)

■「駒木博士の社会学講座」第3回コミックアワード結果発表(を口実にしたサンデーへの愚痴)

 もう今更な話題ですが、駒木博士の社会学講座で、昨年のジャンプ・サンデーに掲載されたマンガが対象のコミックアワードの発表会が開催されていました。主な受賞作はもうみんな知ってると思うので割愛(手抜き)。
 お忙しい中、本当にご苦労様でした>駒木さん。

 それで当サイト的には、「絶対可憐チルドレン」が特別金賞を受賞したという点と、「怪奇千万!十五郎」がラズベリーコミック賞を受賞した点が重要です。受賞理由も含め、どちらも納得の受賞と言えましょう。

 「絶チル」と「十五郎」は、どちらも昨年のサンデーの低迷を象徴する作品として記憶されるべきマンガなのではないか、と思っています。両者は『2003年にサンデー超増刊に(週刊連載候補作として)掲載された作品』という意味では立場が似ているのですが、普通なら読み切り待遇と週刊正式連載待遇にするマンガはだろう! 逆! と、少なくとも「超」を読んだ人なら誰しもが思ったはずです(決めつけ)。
 この辺の判断ロジックが当時どうなっていたのか、ホントに謎です。

 昨年のサンデーは、更に人気連載作品だった「美鳥の日々」と「かってに改蔵」を同時に終わらせるという、これも又やっぱりどんな判断ロジックで決定したのか不思議なことをやってしまい、結局これが現在に至るサンデー低迷の原因になってしまったのではないかと思われます。
 「怪奇千万!十五郎」は確かにラジー賞を受賞するに相応しい作品であると思いますが、本当にラジー賞を受け取るべきなのは、「十五郎」が長期に渡る週刊連載には耐えられない作品であると見抜けなかった、当時のサンデー編集部なのではないのだろうか? と私は思うのです。
 ああ、もうこれで去年のサンデーのことを振り返るのは止めにします!(辛いから)

 そういえば、駒木博士ご本人にも以前一度お会いしたことがありますが、博士は「眼鏡が素敵な好青年」といった趣の方でした。もし駒木博士がアニメ化されたら、子安武人が声優を担当しそうなタイプ。
 もしオレがオレじゃなくて駒木博士のいる学校に通う眼鏡大好き女子高生だったら、絶対カップリングの対象にしてましたね! あぶない! あぶない!(←オレの頭が)

■完成原稿速報更新

 これも今更ですが、椎名先生のサイトの完成原稿速報にいくつか新作が追加されてました。
 サンデーGX掲載予定マンガの女の子は、なんか吸血鬼のように見えます。ネコミミモード?

 そして「ネクサス」で紹介されているコマは、原作では前々回辺りに放送された、溝呂木が初めてダークメフィストと遭遇するシーンですね。
 この回は、個人的に大好きなキャラである副隊長の西条凪が大活躍してくれたので好印象です。彼女は基本的に「憎しみを肉しみに変えるのよ!(「がんばれ!酢めし疑獄」風表現)が信条のたいへんにおっかないキャラですが、それ故に彼女のビーストへの徹底した憎しみっぷりは一種の清々しささえ感じさせてくれます。この副隊長に萌えられるかどうかが勝負の分かれ目ですよ皆さん!

 あと、ここの「特撮の理不尽な点を強引に解釈するスレまとめサイト」で見かけた「ネクサス」へのコメントの中にある、「(椎名高志なら)副隊長に寸止めされまくるヨコシマな孤門あたりを描いていただきたい」「副隊長の声は鶴ひろみでお願いしたい」ってのが、笑いのツボに入ってちょっと面白かったです。
 事ある毎に孤門をヒールで蹴り飛ばす副隊長。何だかすごく似合いそう

Posted at 00:00 | WriteBacks (1) in 更新情報
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[akamatsu]捕捉追加

 蒲田-川崎ブラブラ日記さん、U型改さん、ムササビ横町さん、C-WWWさん、赤松健論の紹介と感想、どうも有り難うございました。  特にC-WWWの深沢さんには再び解説をしていただいて感謝感激です。  しかしサンデー系の感想サイトかと思われるC-WWWをして、マガジン漫画である赤松作品があえて触れられるというのも奇縁なものですね。かつて赤松さんがサンデーの新人賞に送って落ちたと言われる幻の投稿作品もこれで浮かばれたのではないかと思わなくもありません。((赤松さんは最初ブランド志向でサンデーに投稿したそう ...

Posted by ピアノ・ファイア at 2005/02/18 (Fri) 08:06:26
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