断ゆることなき未来への不安が
触れるもの全てを疑い! 憎み! 引き裂く!
瞳子にふさわしい姉など居ないのだ!
「気に入った!
この祐巳と共にリリアンを駆ける妹は、それくらい気性の激しい方が良い!
何としても おまえをいただく!」
(つづく)
ちなみに元ネタは、「覚悟のススメ」10巻の散と霞の着装シーンです。
3月にマリみての新刊が発売されるとの情報を掴んだので、今更ながらマリア様がみてるの(現在の)新刊「未来の白地図」の感想を簡単に書きます。
この巻で印象に残ったのは、やはり瞳子のツンツンっぷりです。彼女は現在、我々読者には与り知らない理由で窮地に立っているようなのですが、そんな彼女の心境を察してついに自ら手を差し伸べた祐巳に対しても「聖夜の施しをなさりたいなら、余所でなさってください
」と冷たい言葉を返して一撃で葬り去る、道理を超えた大理不尽なまでのツンっぷりがお見事。むしろお美事。
瞳子が内心では祐巳の存在を求めて止まない状態であることは既に「特別でないただの一日」以降の彼女の動向を見れば明らかな上、何らかの理由で彼女は自身の将来に対して何らかの不安を感じており、今まさに誰かの助けを必要としている状態であることは自分でもよく判っているであろうにも関わらず、それでも差し伸べられた手を「哀れみからの施し
」と解釈して拒否せざるを得ない彼女の心理たるや、もはや尋常なものではありません。
「賭けとか同情とか、そんなものはなしよ。これは神聖な儀式なんだから
」
祥子が祐巳を妹にした時の言葉こそ今の瞳子には必要なはずであり、また祐巳も祥子がこの言葉を発するに至った境地に達することが必要なのだと思うのですが、まだ当の祐巳は自分が瞳子を「妹」にしようと思った心理が何であるかを明確に自覚できていない以上(祐巳が瞳子を妹にしようとした理由を「何となく
」と表現していることが、それを象徴しているような気がします)、今の状態ではさすがの祐巳も、極限までひねくれて爆発寸前な瞳子に差し伸べた手を受け取ってもらうのは無理なのも仕方ありません。
不完全な状態でうかつに手を出したりしたら、瞳子に再びしかるべき因果を極められてしまうのは必至であります。
おそらく次巻以降で、何故瞳子が現在の心理状態になるに至ったのか? という説明描写が入ることで二人の状況は変化すると思われますし、何より一度瞳子に因果を極められた祐巳が懲りずに「何としても おまえをいただく!
」みたいなことを言っている以上、最終的にはこの二人は姉妹の形で落ち着くのではないかと予想はできるのですが、でも実際にこの二人が姉妹となって「鋼我一体! 心はひとつ!
」とか叫びながら血盟を果たすまでには、まだまだ相当の艱難辛苦が予想されます。
OVAで発売されるアニメ版が全てリリースされるのが先か! それとも、小説版の中で祐巳と瞳子が姉妹になるのが先か!
「マリア様がみてるプロジェクト2006」は、まだ始まったばかりなのだ!(←年末までこのネタを引っ張りかねない予感)
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