2004/08/03
「マリみて」短編・図書館の本
先週は職場の夏休みだったということもあり、少女マンガや少女小説などの乙女チックな物件を中心に買いあさって悦に浸ってました。夏なので(関係ない)。
そんな訳で、せっかく色々買ったので簡単なレビューを。不定期に追加していきます(理由:買ったはいいけど読んでないものばっかりなので)。
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隔月刊コバルト8月号(集英社)
この号に掲載されている「マリア様がみてる」の短編『図書館の本』の評判が、ファンの間でやたら良さそうだったので(生まれて初めて)購入。
『図書館の本』の読後、何故か頭の中に「覚悟のススメ」の瞬殺無音部隊長・葉隠四郎が現れて
「何よりも強きもの! 母と子の絆!
」
さらに強きもの! 帝国(リリアン)と軍人(生徒)の絆!
と邪悪な笑みを浮かべながら呟く、コミックス10巻の光景が浮かんでしまいました。どうしよう。
やっぱり、「マリみて」と山口貴由のマンガって相性がいいのかな!(オレの頭の中でだけ)
そんな感じで、「リリアン女学園」はあらゆるものを結ぶ"絆"としてあまねく世界に遍在している――というこの作品独特の世界法則に沿った、短いながらもキレイにまとまっているお話だと思います。ファンからの評価が高いのも納得。
読んでいて感じたのが、「小説」という表現媒体の利点を活かした物語の進め方(というか、肝心の「謎」の伏せ方)の巧妙さ加減。同じ雑誌の中には正直「これって、小説じゃなくてマンガで表現するべきお話じゃ?」と思ってしまうものもあっただけに、作者の今野氏の「小説」ならではの表現手法に感心させられました。やっぱり、伊達に人気作家やってないね!(エラそう)
あと今号のコバルトには、前田珠子先生の作品も載ってました。その昔「破妖の剣」シリーズが好きだった私としては、氏がまだ現役で書いてるのが確認できてちょっと嬉しかったり。『破妖の剣』を最初に読んだのは、確か今からもう15年くらい前のことでした。
ところで、結局「破妖の剣」って、まだ完結していないのでしょうか。ここだけの話ですが、自分が死ぬまでにやっておくべきToDoリストの中には、「もし『破妖の剣』が完結したら、まとめて買って読むこと
」という項目があるので、ちょっと気になってます。
まあ、「マリみて」も今のペースではあと15年経っても絶対に完結しないと思うので、どちらも完結する時を気長に待つことにして行きたい。退職金でコバルト文庫をまとめ買いする、そんな第二の人生を夢見る今日この頃です。乙女ちっくな夢だ(ウソ)。
2004/08/02
サンデー35号感想がやっと書けた
- 帰ってきた夏目義徳先生(クロザクロ)
- 帰って来たジークフリート(史上最強の弟子ケンイチ)
- 百合奈×時音(結界師)
- 最後の4人(からくりサーカス)
- アム姉(暗号名はBF)
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1. 帰ってきた夏目義徳先生(クロザクロ)
かつてサンデーで連載していた「トガリ」が中途半端な形で終了してから早2年、何というかこうすっかり『不遇の作家』のイメージがつきまとう漫画家になってしまった感がある夏目義徳先生が、ついにサンデーに復活。本当に良かったです(真顔で)。
肝心のマンガの内容も、(絵柄も含めて)如何にも夏目氏らしいダークな雰囲気が漂うものになっており、ファンの期待を裏切りません。
今回の第一話は、分不相応な力を手に入れてしまった主人公の今後の運命、主人公が暴力に目覚めた時だけではなく幼なじみの女の子に殴られた時にも蕾を膨らませたザクロの木の正体など、読んでいて続きがたいへんに気になる内容であり、個人的には大満足でした。連載作品の第一話としては申し分ない出来なのではないのでしょうか。
今後の路線としては、主人公の幹人が自分の過ぎた力を持てあまして理性と暴力衝動の間で葛藤する、アメリカンヒーロー的な苦悩を描く方向に行くのかな、と思いましたがどうだろう。映画「スパイダーマン」で言うところの With great power comes great responsibility
(大いなる力には大きな責任が伴う)みたいな。気弱だけど善良な少年が偶然スーパーパワーを身につけてしまう、というところもソレっぽいですしね。
とにかく個人的にも夏目氏は大好きな漫画家ですので(特にその生き様が)、「クロザクロ」には大いに期待させて頂きます。
2. 帰って来たジークフリート(史上最強の弟子ケンイチ)
「ケンイチ」に初めてジークフリートが登場した号と、夏目氏の「大蛇」という読み切りマンガがサンデーに掲載された号が一緒であることはご存じですか?(挨拶)
つうか何でジーク様がこんなところに! 見てくれは美形なのにいくら殴られてもへこたれないゾンビのような打たれ強さが特徴だったり、「やや弱く!」と叫びながら強烈なパンチを繰り出したりと、外見と行動のミスマッチっぷりがすさまじ過ぎてギャグキャラと化していたジーク様が! 一度退場した時は、もう二度と出てこないと信じていたジーク様が! 実は人気あったのか彼!
なんか新島とも相性良さそうですし、もしかしたら今後思いも寄らない大活躍をするかも知れません。変態ジーク様が「ケンイチ」の今後の鍵を握る存在になるなんて、世の中は不思議でいっぱいです。
3. 百合奈×時音(結界師)
この組み合わせは正直予想していませんでしたが、妙に面白く感じました。このコンビ、結構行けるかも。
このマンガにおける時音の基本的な役割は「暴走しがちな良守の行動にツッコミを入れてコントロールするクールなお姉さん」だと思うのですが、 百合奈は明らかに時音の常識の想定外に位置するキャラなので、彼女のクールなスタイルはおそらく百合奈には通用しません。時音の想定外の角度から百合奈のボケが飛んで来た場合、時音はそれを良守の時と同様にクールに裁ききれるか? と申せば、これは絶対無理でしょう。
ツッコミキャラの時音にとって、百合奈というボケキャラとの漫才は、時音にとって新しい芸風の獲得のチャンスであるのと同時に、彼女の芸人としての才能を百合奈に吸い取られかねない可能性も内包しているのではないかと思うのです。これは理屈じゃないです。私の芸人に対するカンがそう言ってるんです。
つまり、時音はアドリブで突っ込まれると弱いタイプと見たね!(どんな結論だ)
4. 最後の4人(からくりサーカス)
で、最後の4人では誰?(挨拶)
個人的には、初登場なのに早くも「ええ、もう、おふくろの乗るロバのしっぽにかけて!
」と意味不明なことを口走っている、全身白タイツ+頭に角を生やした奴が最高に気に入りました。たかが自分が退屈なことを表明する程度で「おふくろの乗るロバのしっぽ」という変なものを掛けちゃうユーモアのセンスは、早くも隅に置けないものを感じさせてくれます。
格好はクラウン風なのに、肝心の「芸」の何たるかを理解していないオートマータが多い中、こいつは芸人としてかなりやりおりそうな予感。これは理屈じゃないです。私の芸人に対するカンがそう言ってるんです(またか)。
5. アム姉(暗号名はBF)
掲載位置的に苦戦を強いられている「暗号名はBF」ですが、前回から始まった「国王陛下のBF」編は、とにかく「アム姉」ことアムネジアが素晴らしいです。
このマンガに登場する大人の女性キャラは、「誘う目」の能力の影響があろうがなかろうがとにかく最初からやる気まんまんなムードを醸し出しているケースが多かったように思えるのですが(偏見)、今回のアムネジア姉さんは流石にひと味違います。
何が良いって、先週のエピソードで団に向かって「形はどうあれ、あんたは東京を守った。その結果が大事なのさ
」と、ちゃんと団の眼を見据えながら言ってたところが最高にグッと来ました。おそらく今の団少年に一番必要だったのは、彼女のように「君の行動は正しい」と自信を持たせる言葉を、彼の目を見据え、彼の言葉を聞きながら、優しく投げかけることだったんじゃないのでしょうか。彼女はそれを易々とやってのけ、団を立ち直らせただけでなく、団からの信頼をも得ることに成功したのです。
この台詞が出た時点で、個人的にはアムネジアこそが全てを見通す「千耳千眼」を持つ人物(=国王陛下)でもおかしくなさそうだなー、と予想しました。
そして今回のお話でも、敵の瞳のわずかな変化から必要な情報を取り出す能力(裁く目)を披露したり、後ろ蹴り一発で敵をKOしたり、団少年を押し倒したりと大活躍。アム姉大暴れです。闊達な女性を生き生きと描く作者の才能は、師匠の椎名氏譲りでしょうか?
「まもなく連載が終了するのでは」と不遜な噂がネットで流れ始めている今日この頃ですが、個人的にはこの作品はマンガとしてものすげえ面白くなって来たと思っているので、まだまだ頑張って欲しいですね。
2004/08/01
更新情報 040731
- 「煩悩の部屋」の創作文集のページに、狐の尾さんの「きつねレポート」シリーズ「火鳥風月 -3番-」~「火鳥風月 -8番 狐の歌-」までを、一挙掲載しました。
これでシリーズは完結です。狐の尾さん、これまで長い間本当にありがとうございました。 - 「煩悩の部屋」の創作文集のページに、、ジャン・バルジャンさんの「時の道化たち」シリーズ第一部第三話第五章『奏でよ孤独 ~ペルソナの叛乱~』を掲載しました。
続きは、ジャン・バルジャンさんのサイト「銀の燭台」で掲載されます。 - 以前更新情報で告知した通り、「煩悩の部屋」の投稿受付は7月末をもって締め切らせて頂きます。これまで投稿して下さった皆様に、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
今後、もし当サイト宛に新規に投稿を行う場合は、「グレート展開予想ショー」をご利用下さい。本当は7月末までに展開予想をリニューアルしたかったのですが、間に合いませんでした。よんぼり。
なお、現在当サイトにシリーズもの作品を投稿している方については、そのシリーズが完結するまでは投稿を受け付けます。
2004/07/28
いずれ「かってに改蔵」は伝説的名作になると思います
たまにはブログっぽく他のサイトの話題を引用!(挨拶)
→ かってに改蔵が終わったわけ (Line-Ocean+さん)
ここでは、2ちゃんねるで流れていたと思われる「かってに改蔵」終了の背景(というか、ぶっちゃけて言えば「現編集長が改蔵反対派だから打ち切った
」、みたいな話)に関する記事と、それに基づいた「改蔵」終了に関する考察が述べられています。
「改蔵」は円満終了ではなく編集部に打ち切られる形で終了した、という見解は(正誤はともかく)既にネット上でのコンセンサスを得ているのではないかと思われますが、このページに書かれた記事はその風潮を更に増幅する効果を果たすことになりそうな感じ(私は blogmap で知りました)。
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個人的には、正直こういったサンデー編集部の政治的な動きにはあまり興味がないというか、せいぜい「ああ、上司がダメなのはどこも一緒なんだなあ
」とサラリーマンっぽいことを思ってしまう程度なんですけど(ドクロ)、こういう話がどこからともかくネット上に出てきて、ネットを媒体にこうして広く語られてしまうところが、如何に「改蔵」という作品がネットと親和性が高かったのかを物語っているなあと思いました。そんなところまで、とても現代的なマンガだったと言えます。
私は「そのマンガがどうやって作られたのか」「作者はそのマンガをどう読んで欲しかったのか」ということよりも、「そのマンガが人々にどう読まれ、社会にどんな影響を及ぼしたのか」の方に興味がある人間なので、そういう意味で「改蔵」終了の反響はとても興味深いです。
もしかしたら、今我々は本当の意味での「後世に伝えられる伝説的名作」が生み出される瞬間に立ち会っているのかも知れません。本当の名作は出版社が作るものではなく、それを読んだ読者が作るものなのです。
この段階で連載を終了したサンデー編集部の意図は不明ですが、その意図にかかわらず、「改蔵」は読者の心に(連載終了後の騒動の記憶と共に)いつまでも残り続けることになるでしょう。
あと「改蔵」の打ち切りの理由の一つに、羽美の猟奇的な大暴れっぷりがあまりにも(社会的に)危険で、どっかから訴えられるリスク要因になるからだ、という意見を時折聞きますが、でも個人的にはあの「きみのカケラ」における最終10話の地獄のようなエピソードを意地で掲載し通した今のサンデーだったら、羽美のアレっぷり如きは問題にもならないよね! 少女がガンダムハンマーを振り回すマンガよりも、少女がクスリを飲まされて全裸で吊されてるマンガの方がよっぽどイカした社会問題だ! 「カケラ」を載せた雑誌なら、「改蔵」もきっと大丈夫! と信じていたので、ちょっと打ち切り理由としては弱いかなーという感じがしてます。
私の感覚は、やっぱりどっか歪んでいるのでしょうか。
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そして、そんな状態の編集部の下で掲載されることになった「絶対可憐チルドレン」に対しては、「現在の怪奇千万なサンデーの編集体制に一撃喰らわせてやってもらいたい」(駒木博士の社会学講座さんの6/18の記事より)という要望が出てくる程。椎名氏自身も「もはやこうするしかない
」と覚悟を完了させている模様であり、何というかこう実際に掲載された時には何かが起こりそうな予感がしてます。
今の椎名先生ならやれる! むしろヤる!(何を?)
でも、グッズの商品化はぶっちゃけありえないと思った。
2004/07/27
更新情報040727
絶チル解禁!(挨拶)
椎名先生のサイトで、ようやく「絶対可憐チルドレン」の情報が公開されましたね。
何はともあれ、個人的には「最初の読み切りからほとんど設定等の大きな変更がない
」と言ってくれたことが嬉しくてたまりません。読み切り版の「絶チル」があれだけ面白かったのは、やっぱりあの三人があの年齢で、あの能力で、かつあんな性格だったからこそな訳であり、もしそこが変わってしまったら全く違うマンガになってしまうのは必至。
例えそれが少年マンガのセオリーから外れたモノであったとしても(コメントの中に出てきた「文法」というのはそういう意味だと思う)、その点を最後まで譲らなかった先生の決断に拍手したい気分です。
サンデー39号から掲載ということは、発売日は8/25ということになりますね。楽しみ。
私も、それまで生きていられるよう頑張ります。いやマジで。
更新情報:
- 前から予告していた「ザ・グレート展開予想ショー」のblosxomベースのニューバージョンがとりあえず動く形になったので、この段階で公開します。
URLはhttp://cwww.pos.to/gty/です。
基本的な使い方は一緒ですが、記事に対する「続編」の投稿をサポートする機能がついていたり、記事をRSSで配信する機能が付いていたりするところが新しいです。あと処理速度は遅いです。CSSやUTF-8をサポートしているブラウザも必須です。
比較的時間がある今月中にある程度作り込みたい、という意志はあるので、何か要望などがありましたらこちらにお願いします。
2004/07/23
二人に幸あれ。久米田先生にも幸あれ。サンデー34号感想
- 水野鈴芽(金色のガッシュ!!)
- 保科さん(こわしや我聞)
- 青島さんのメール(モンキーターン)
- かってに改蔵最終回
- 美鳥の日々最終回
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1. 水野鈴芽(金色のガッシュ!!)
石版編の頃はあまりの出番の少なさを読者からも心配され、「ウマゴンのパートナーは彼女になるのではないか?(出番が増えるから)」とまで噂されていた鈴芽。石版編も無事終了し、物語の舞台が彼女や清麿が住む街に戻ってきたことで、ようやくこの子にも再び出番が回ってくるようになりました。
鈴芽はナオミちゃんと並ぶこのマンガにおける"日常"の象徴であるので、やっぱり戦うよりもドジっ娘のままでいてくれた方がいい味出せると思います。いつまでもダメでドジで不器用なままの君でいて!
あと、今週の恵は調子に乗りすぎだと思いました。ちょっとばかり自分の方がカワイイし清麿君とも仲がいいからと思って、鈴芽を格下扱いしていい気になってますよ彼女。ライバルに対して全く容赦がない! さすが、生き馬の目を抜く芸能界で日夜戦っている人間は違う! 女はおっかねえなあ!
2. 保科さん(こわしや我聞)
今週のサンデーには、「こわしや我聞」の保科、「うえきの法則」の植木春子、「暗号名はBF」のアムネジア、そしてかつて「ARMS」で『笑う雌豹』の異名を持っていたに違いない「D-LIVE!」の亜取アキラなど、女性キャラが初登場する話が多かったです。しかも、どのキャラもみんなおっかないのが特徴なのも共通しています。サンデーは男性読者を女性不信にするつもりに違いありません。
そんな怖い女性キャラ達の中で一番個人的にグッと来たのが、「こわしや我聞」の保科さん。見た目は中学生だけど実は二十歳、性格はヤンキーで喧嘩っ早くて空手マニアだけど実は努力家で人情に厚く、そして父の形見のユンボに対して異常な愛着を持つという、かなり特殊な萌え要素を複雑に組み合わせて構成されたキャラクターだと思いました。
おそらく、建機マニアな方には最高にツボなのではないのでしょうか。サンデーは新しい読者層の開拓を狙っているに違いありません。
なので、こんな特殊なツボを持ったキャラが出てきちゃったら、もう「ATM強盗で使われる建機は、証拠隠滅の意味でも使い捨てするのが普通じゃ?
」とか「ユンボ壊すよりも犯人壊した方が早いぜ?
」みたいな常識的なツッコミを入れるのは無粋の極みでしょう。今回の強引とも思える展開は、全てはユンボへの愛のために戦う、建機マニアで空手マニアの保科さんが活躍するために必要な前振りなのです。彼女の次回の大暴れっぷりに期待しましょう。
3. 青島さんのメール(モンキーターン)
前回・今回と青島さんが波多野に宛てて出したメールがマンガの中に出て来ましたけど、何か彼女のメールの文章は雰囲気が妙にリアルというか、「男と付き合い始めて間もない女性が、彼氏に出すメールの文面」なフレーバーを実に上手く醸し出していると思いました。
彼女のメールには「~ね
」「~の?
」というくだけた表現と「~ます
」という丁寧な表現が入り交じってますが、この文面からは、一応彼女彼氏の関係ではあるけれどもそんなに深くお互いのことが判っている訳でもなく、まだ相手とどのくらいの距離を取ったらいいのかイマイチ計りかねている、ちょっと複雑な心理状態を伺うことができます。多分青島さんは、波多野に対してどこまでフランクな表現を使えばいいのか考えながら、慎重にメールを打ってるんじゃないのでしょうか。
恋愛って、こういう微妙な関係にある時が、実は一番ドキドキできて楽しいんですよね! 青島さんは初々しくてカワイイなあ! キシャー!(独身男性の奇声)
そんな感じで幸せそうな彼女とは対照的に、波多野はどんどんダメになって行きますな。レーサーとして。
ちょっと前まで「どっちも本当に好きなんだ!
」と調子のいいこと言ってた報いって奴ですよガハハハ(独身男性の奇声)。
4. かってに改蔵最終回
「南国アイス」の時代から最終回のネタっぷりには定評がある我らが久米田先生が、期待に応えて今回もまたやってくれました!
全ては改蔵や羽美達が作り上げた共同幻想だった、という衝撃の結末! ネットでは賛美と批判が入り乱れた感想が飛び交い、ものすごい大騒ぎに! 議論好きなブロガー達も、こぞって「改蔵」をネタにしてますよ! 今、まさに「改蔵」が世界の中心にいます!
やりましたよ久米田先生!
そして、秋に発売される予定のコミックス最終巻には追加原稿が掲載されるー、みたいなことが今週のサンデーに書かれていましたが、何しろ久米田先生のやることなので、きっと感動の最終回を再び台無しにするマンガを繰り出してくるに違いありません。
ですので、今週の最終回に本気で感動し、メタフィクション的な視点で「改蔵」を解析してみよう! みたいな意欲に目覚めてしまった方は、コミックス最終巻は読まない方がいいんじゃないかと思いました。
久米田先生の次回作に期待します。
5. 美鳥の日々最終回
そして、「美鳥の日々」も今週で終了。「右手から女の子が生えてきたら面白そうだ!
」というアイデア一本だけで勝負、読者に対しては常に右手の美鳥に対して萌え続けることを要求し、その上出てくるキャラは高見沢みたいなおかしな連中ばかり、というやや特殊な要素が目に付くマンガではありましたが、でも基本的にやってることは極めて真っ当なラブコメマンガだったと思います。
「真っ当なラブコメマンガ
」を最初から最後まで描くのが如何に難しいことなのかは私もよく判っているつもりですので、ここは素直に作者の井上和郎先生の手腕を褒めるべきでしょう。
ドラマCD化やアニメ化も果たし、読者みんなから愛される作品を作り上げることに成功した井上先生は、もうすっかり人気漫画家の仲間入りを果たしたと言えます。「美鳥」の連載成功で週刊連載漫画家としての実力があることも十二分に証明できましたし、今から次回作が楽しみです。
そんな「美鳥の日々」の唯一にして最大の不幸は、一緒に終了した「かってに改蔵」があまりに凄すぎて、せっかくの最終回なのにあまり話題に上らないことでしょうか。
今週のサンデーの誌面でも、「改蔵」の方が優遇されてたしなあ。やっぱり凄いなあ「改蔵」(結局)。