2005/02/26

■風邪引きました…(近況) サンデー13号感想

  1. 清水(MAJOR)
  2. 勝ち気でドジで眼鏡なメイドのお姉さん(ハヤテのごとく)
  3. 眼鏡を外したオーディン(史上最強の弟子ケンイチ)
  4. 皮村(いでじゅう!)
  5. 「こいつとなら頂点に行けそうだ!」(D-LIVE!!)
  6. 番外:あやかし堂のホウライ

1. 清水(MAJOR)

 アニメ版も好調らしい「MAJOR」ですが、サンデーの方ではついに連載500回に到達した模様。おめでとうございます。かつてサンデーコミックス内では最長だった「GS美神」のコミックス巻数記録(39巻)を「MAJOR」が塗り替えた時、「サンデーコミックスが40巻を突破するだなんて!」と個人的に騒いでいたのが懐かしいです。
 ストーリーの方も相変わらず面白いので、この調子で「名探偵コナン」相手にどっちの方が連載を引っ張れるか対決を永遠に続けて頂きたいと思いました。銀河リーグ編開始まで、あとたったの11年ですよ!(多分無理です)

 それで今週の「MAJOR」は、貴重な巻頭カラーページを使われてまで弟から「男日照り」と言われてしまう清水があまりに可哀想だったので、思わず今週の第一位にしてしまいました(バカ)。
 出演したマンガが「MAJOR」でなければ、もちょっと普通に『スポーツマンガの典型的ヒロイン』ができてた気もするのですが、まあ基本的に「MAJOR」は男同士の(中略)を描くのが主眼のマンガなので、女性キャラの扱いが相対的に低くなってしまうのは致し方ありません。それでこそ満田先生のマンガのヒロインだ! ということで一つ。

 そして来週からの新展開は、かつての黄金バッテリー・吾郎×寿也コンビが復活するかどうかに期待。

2. 勝ち気でドジで眼鏡なメイドのお姉さん(ハヤテのごとく)

 今更「タイが曲がっていてよ?」「ごきげんよう」程度の「マリみて」パロディ如きで釣られる私ではありませんが、自分がコケたところをハヤテに見られた時の「目に涙を溜めて睨みながら本気で悔しがってる、勝ち気でドジで眼鏡のお姉さん」な姿に対しては容赦なく釣られる私です。よって第2位(バカ)。
 とりあえず、P195の5コマ目の彼女(貴嶋サキ)の表情にグッと来ない人はどうかしているね! と断言していきたい。

 それはともかく、今回は今後のストーリーにも深く絡んで来そうな「ナギの許嫁」・橘ワタルが登場しました。「許嫁」と紹介された時に彼が不機嫌そうな表情をしているのは気になりますが、明らかに性格が悪いトラブルメーカーとして描かれているところを見る限り、今後は彼とハヤテとの間に(歪んだ)対立が発生する展開に繋げていきたい意向なのかも知れません。

 恋敵を設定するのはこの手のラブコメでは古典的な話の進め方ではありますが、一つ気掛かりなのは、現在「ハヤテ」を支持している層が、その手のラブコメ的展開を「ハヤテ」に求めているかどうか? という点。
 例えば、この手のジャンルの帝王として君臨している赤松健氏は、ストーリーを作る上で心がけている点として「読者にとってつらいことがあまり起こらない世界を作ることを意識している」という趣旨の発言をしています(参照:「萌え萌えジャパン赤松健インタビューこの辺)。「性格の悪い恋敵」は読者にとってストレス発生因子と成り得るので、赤松スキームの中では基本的に存在してはいけないのです(関係ないけど、アニメ版「ラブひな」の評判がイマイチな一因は、オリキャラとして「主人公の恋敵」を出してしまった点にあるように思える)。

 「ハヤテ」のファン層は、「ハヤテ」に対して赤松スキームのようなストレスレスで快適な箱庭的空間を求めているだけなのか、それとも(おそらく畑先生が目指しているであろう)普遍的な面白さを持ったドタバタラブコメストーリーを受け入れるだけの心の余地があるのか。この違いはかなり大きいように思えます。
 これまでは、どっちかと言えば「ハヤテとナギとマリアの三人が織りなす閉じた空間」の中で上手いこと話を回して来たこのマンガにとって、「婚約者とその側近のメイド」という異物の導入はどのような効果をもたらすのか。自ら正念場に自分を追いつめた畑先生の今後の手腕に注目です。

 声優に囲まれながら接待されてウハウハな帝王・赤松健への道のりは、まだ遠い!
 がんばれ畑先生!

「ハヤテのごとく」個人的まとめページにリンクして下さったサイトの皆さま、ご紹介ありがとうございました

3. 眼鏡を外したオーディン(史上最強の弟子ケンイチ)

 眼鏡キャラにとって「眼鏡」とはある種の仮面のようなものであり、彼らにとって「眼鏡を外す」ということは、即ち本当の己をさらけ出すことを意味しているのだ――という考え方は皆様も既に基礎教養として身に付けていることと存じますが、今週の「ケンイチ」はオーディンこと朝宮龍斗君が眼鏡を外すことで、ついに本気モードに突入してしまいました。
 作者の松江名先生は、格闘マンガのボスキャラにわざわざ眼鏡君を配置する程の方なので、さすがに「眼鏡キャラが眼鏡を外すことの重要性」を正しく認識していらっしゃいます。

 「これから君の根性を叩き直す! メガネをとれ龍斗!
 「本当にメガネをとっていいのかい?

 この一連のやり取りで、彼にとって「眼鏡」が一種の封印として機能していることを読者に提示し、実際に眼鏡を取った時に発動する、「観の目」という『何だかよく判らないけどとにかく凄い』技に説得力を持たせることに成功しています。
 それより何より、この台詞のやり取りには、「眼鏡キャラが眼鏡を取る」ことがどれだけそのキャラにとって重い意味を持っているのか、ということが表現されているように思えます。「眼鏡キャラが眼鏡を取る」重大イベントに十分な意味とカタルシスを与えることができる松江名先生は、ちゃんと眼鏡のことがよく判っていらっしゃるんだなあと思いました。

 ちょっと眼鏡のことを書きすぎた気がするので次。

4. 皮村(いでじゅう!)

 メインカップルの林田君と森さんがサンデー読者の8割にとって未知の領域に旅立ってしまった「いでじゅう!」において、徐々に注目を集めて来ているのが皮村君。
 彼は、自分自身の顔が決して女性にはモテない、今で言うところのキモメンであることを自覚しているが故に、この若さにして早くもモテることを放棄してAV収集と女子へのセクハラに邁進しているという、最もラブから遠く離れた仙人みたいな存在だったのですが、でもここ最近は「サンデーで最も報われない女」こと中山朔美ちゃんのあまりの健気さにヤラれてしまい、彼女のことを随分と可愛く想っているように見えます。

 今週なんか、一番最後のページでさりげなく彼女に肩に手を回しちゃったりなんかしてますよ! あの皮村君が、相手から嫌がられることなく、こんなに自然に女の子に触れるようになるだなんて! 彼も今回の一件で随分人間的に成長したんだなあ! と思ってしまいました。
 果たして、恋を諦めたキモメンと恋に破れた美少女の間に、新たな恋愛感情は発生するのか? キモメンに生まれたばかりに人生の裏街道を歩まざるを得なかった皮村に、救いは訪れるのか? もしこの二人の関係がこれから発展するとしたら、ある意味林田君と森さんの時以上にスリリングな展開になりそうな予感がします。

5. 「こいつとなら頂点に行けそうだ!」(D-LIVE!!)

 とりあえず、台詞が狙いすぎだと思った(バカ)。

番外:あやかし堂のホウライ

 超増刊からやって来たサンデー希望の星・「あやかし堂のホウライ」も、ついに今週で最終回。掲載位置を考えると、評判的には本誌で本格連載をするには正直微妙、といったところでしょうか。
 個人的に「あやかし堂のホウライ」で一番好きなキャラはアヤカのクラスメートである四位名(しいな)さんなのですが、結局最後まで彼女が出てこなかったのが悔やまれます。妖怪に襲われる時の四位名さんの怖がる表情って、ちょっとソソられるところがあって萌え萌えなのになあ! 残念だなあ!(バカ)

 「ホウライ」が載ってないと超増刊はやっぱり締まらないので、これからもしばらくの間は超増刊の重鎮として頑張って欲しいと思いました。

2005/02/23

■お詫びとお知らせ050222

現在、まだちょっと時間に余裕が無く、掲示板とかコメントとかメールとかにお返事を書くことができない状態です。
 申し訳ありませんが、お返事とかはもうちょっとだけお待ち下さい。もうちょっとだけ(専門用語)。

昔C-WWWを置いていたリムネットのサイトは、近日中に消滅します(契約を解消したため)。
 もしまだ旧サイトにリンクを張っている方がおられましたら、リンクの変更をお願いします。

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2005/02/18

■「ハヤテのごとく」1巻発売記念・サンデー12号感想

  1. 「ジャムおじさんや!」(焼きたて!ジャぱん)
  2. 最初のページのハヤテ(ハヤテのごとく)
  3. 気を遣われるキャプテン(最強! 都立あおい坂高校野球部)
  4. ポックル星人(道士郎でござる)
  5. 今週のいでじゅう!
  6. 番外: KATSU最終回

1.「ジャムおじさんや!」(焼きたて!ジャぱん)

 最後のページで不覚にも笑ってしまったので、私の負けを認めます(負け?)。
 今週はいつにも増して、最後のページのリアクションに持って行くまでの盛り上げ方が冴えていると感じました。

2. 最初のページのハヤテ(ハヤテのごとく)

 なんだこのかわいいパジャマの柄は! 似合いすぎる!
 このマンガで一番カワイイのはやっぱりハヤテ君自身であることが、今回のエピソードで改めて証明されたと感じました。現代オタク向けラブコメマンガにおいて、男性主人公の顔を(イケメンではなく)女装が似合うカワイイ系美少年にするのはもはや基本中の基本ですが、その点コミックス1巻のキャラ紹介で作者から「ときどきヒロイン」と書かれるハヤテは、その基本に実に忠実なキャラと申せましょう。さすが畑先生は判っていらっしゃる!(全肯定)

 ハヤテ以外では、P.161の3コマ目のマリアさんがいい感じ。挑戦的な視線といい口元の微妙な笑みといい、デフォルメがキツめな絵柄なのにも関わらず、ちゃんと「マリア」というキャラに秘められた新たな一面を表現できていると思いました。
 こんな細やかな絵を描けるだなんて、もしかして畑先生って実はすごい漫画家なんじゃないかと思ってしまいました。さすが畑先生は判っていらっしゃる!(失礼な全肯定)

3. 気を遣われるキャプテン(最強! 都立あおい坂高校野球部)

 色々な意味で個性的な天才キャラ達が集う「あおい坂」世界の中で、『丸描いてチョン』レベルの単純極まりないデザインを施され、その「凡人」っぷりが嫌がうえでも強調されている今井君(役職:キャプテン)。学年が一番上という、たったそれだけの理由で天才達が集うチームにおける名目上のキャプテンとなってしまったことに引け目を感じている彼に対し、色々と気を遣って立ち直らせようとする周囲の天才達の姿が印象的でした。超人と凡人が一緒にやってく大変さが早くも浮き彫りに。
 今井君は今はこんなヘボい凡人キャラに過ぎませんが、いずれは「MAJOR」の小森君のように『超人に勝つためならどんなことも厭わない、ちょっとイヤな凡人キャラ』に成長するといいですね!(まちがい)

 後は、対戦相手の宝田君が、週を追う毎にどんどん性格が丸く(というか、カワイく)なって行くのが面白いです。主人公達の宿命のライバルである狛光爾とは違ったベクトルのライバルキャラとして、今後も活躍しそうなキャラっぽいですね。
 田中モトユキ氏独特のカワイイ絵柄と巨乳監督の存在が目立つこのマンガですが、実はこのマンガが狙っている路線は、「テニスの王子様」とかと同じ美少年わんさかコメディー路線なのかも知れません(コメディー?)。

4. ポックル星人(道士郎でござる)

 「50人程ブチポックル殺しました。」のカワイイ文面が異様に怖ろしい絵本がいきなり登場した、今週の「道士郎でござる」。マンガの中に絵本が出てくるマンガとして個人的に一番最初に連想するのは「ちょびっツ」なのですが、この『ポックル星人』の場合はむしろ『供えガイ』がいきなり出てきた「神聖モテモテ王国」を彷彿とさせます(唐突さが)。
 「道士郎」は、もはや連載末期の「モテモテ」並に何でもアリの領域に差し掛かって来た! と、改めて覚悟を決めさせて頂きました。このマンガの面白さは相変わらずハイブロウ過ぎます。

 マンガの内容は相変わらず面白かったです。社会性皆無なバカ相手に倫理を説くことを諦めない健助殿萌え。あとは、明らかに倫理を説かれるバカの範疇に入ってる早乙女君も萌え。

5. 今週のいでじゅう!

 「かってに改蔵」のリサーチによれば、サンデー読者の約8割はバレンタインデーにラーブラブとか何とかそういうモノとは一切無縁な生活を送っているそうなのですが、「いでじゅう!」は前回の予告通り、その8割の読者にとって未知の領域に突入してしまいました。もう後には戻れません。
 もしかして、これからはこんな調子で林田君と森さんのこっ恥ずかしいモジモジカップルのラーブラブでハッピーなエブリディを、我々は毎週のように鑑賞することになるのでしょうか。毎回こんな調子では、サンデー読者の8割を占める非モテな人々の心が、「いでじゅう!!」によって毎週毎週甘く切なくやるせない想いで掻き乱されてしまいます! これは大変なことですよ!

 ああ、なんかかつて「BOYS BE…」や「サラダデイズ」が全盛だった頃、マンガの異様な雰囲気にヤられないために心の中でファイティングポーズを取りながら必死になって青春ラブストーリーを読んでいた、あの頃の感覚が甦って来ましたよ! 今の「いでじゅう!」は心の格闘マンガだ!
 サンデー読者の8割の範疇に入るみんな、負けるな! 戦え!(むなしい)

番外. KATSU最終回

 今週は諸般の事情でサンデー読むのがいつもよりも遅れたのですが、サンデー読む前に何気なく「ヤマカム」さんとこを読んでいたら、「KATSU終了」の記事が載っていて本気でビックリしました。後で誌面を確認してみたら、本当に終わっててまたビックリ。
 「KATSU!」に関しては連載が終わるような兆候が私には全く感じられなかったので、このマンガが今週終わるだなんて想像もしていませんでした。あだち先生にしてやられた心境です。さすが大ベテラン作家は違う!(何が)

 というか、今は「H2」のドラマをやってる真っ最中なのに、何故このタイミングで終わっちゃうの? というのが正直なところ。毎週コンスタントに楽しめていたマンガなだけに、ここで終わってしまうのはちょっと残念です。
 あだち先生の次回作はやっぱりサンデーでしょうか? それともビッグコミック?

2005/02/16

■落ち穂拾い050214

 今更ながらですが、バレンタインデーは、安野モヨコ「監督不行届」を読んで過ごしてました(挨拶)。

 「監督不行届」は、「新世紀エヴァンゲリオン」で有名な庵野秀明監督と結婚したマンガ家・安野モヨコ氏による、オタク同士の結婚生活をおもしろおかしくネタにしたエッセイマンガです。後書きに登場して「衆目に己の姿をさらされるというのは、マンガ家を嫁にもらった者の宿命だと思うんですよ」と語る庵野監督の姿からは、成熟した大人のオタクが醸し出す余裕が感じられます。
 というか、そもそも普通のオタクは「マンガ家を嫁にもらう」ことすら不可能なんですよ監督。「マンガ家と結婚」って、独身男性オタクの頭の中じゃ「声優と結婚」の次くらいに位置するドリームですよ監督。うらやましいなあ監督。

 そんな感じで、今日はここ最近忙しかったためにフォローできてなかったネットとかの話題について、「今更ながら」をキーワードに書いていきたい。

■赤松健論三部作完結

 もう今更な話題ですが、「ピアノ・ファイア」のいずみのさんによる赤松健論三部作の最終章・「ネギま論」が公開されました。さすがに最終章だけあって、かなりの力作。

 「赤松健論」の最大の功績は、赤松健という漫画家には「語る」だけの価値がある存在であることを知らしめた点にあったんじゃないかと思います。
 赤松健と言えば、どっちかと言うと「低俗なエロコメマンガを描く人」というイメージが先行がちであり、例えば最近発売された「ネギま」のゲーム版は「生徒のエッチ度が上がると、女の子がパンツ見せながらこっちに迫って来るようになる」というおかしい(頭が)コンセプトで話題となりましたが、そんなアレでも「まあ、赤松健のマンガのゲーム化じゃ仕方がないか」という雰囲気でみんな納得してしまう程なのですが(きめつけ)、「赤松健論」はそれに対して『赤松氏は、少年漫画家としてのスキルを着実に伸ばしているのだ!』と真っ向から論理的に主張しているように思えます。読んでいて素直に感心させて頂きました。

 「赤松健論」は、真正面から漫画家・赤松健の成長の軌跡と、赤松作品(特に「ネギま」)が持つ先進的な構造について論じることにより、ネット上で赤松健を語れる雰囲気を作り上げたのではないかと思います。あとは「脳をとろ火で煮詰める日記」のみやもさんが仰っているこの論で勉強した者は、いずみの氏のように漫画を読めることを求めつつ、いずみの氏の読みそのものにおさまらぬことを目指さなければならない」の通り、これをきっかけとして更に議論が深まって行くことを期待します。

 個人的に、「ネギま」はこれまでの赤松氏の作品とは比較にならないくらい大きな可能性や発展性を秘めている、もの凄いマンガなのではないか? と認識しているので、機会があれば自分も「ネギま」には触れて行きたいですね。
 いやその、このサイトの趣旨からすれば、赤松健よりはまず椎名高志について論じなければならないのは判っていますが(ヘボ)。

 でもまあ、「赤松健のマンガのゲーム化じゃ仕方がないか」という雰囲気でみんなが納得してしまう俗っぽいイメージも、また赤松健氏の特徴というか、大きな魅力の一つであるとも思うんですよ。前述の「ネギま」のゲームも、そんな氏の作品が持つイメージをアドバンテージとして活用したからこそ、あれだけ話題になった訳ですし(おかしな方向に)。
 何となくですが、氏は世間的なそういう評価をあえて受け入れ、飄々とした態度で楽しんでいるようにも見えます。「ラブひな」の瀬田さんみたいなイメージ?
 もしオレがオレじゃなくて成瀬川なるだったら、赤松先生に惚れてるところでした。あぶない! あぶない!(←オレの頭が)

■「駒木博士の社会学講座」第3回コミックアワード結果発表(を口実にしたサンデーへの愚痴)

 もう今更な話題ですが、駒木博士の社会学講座で、昨年のジャンプ・サンデーに掲載されたマンガが対象のコミックアワードの発表会が開催されていました。主な受賞作はもうみんな知ってると思うので割愛(手抜き)。
 お忙しい中、本当にご苦労様でした>駒木さん。

 それで当サイト的には、「絶対可憐チルドレン」が特別金賞を受賞したという点と、「怪奇千万!十五郎」がラズベリーコミック賞を受賞した点が重要です。受賞理由も含め、どちらも納得の受賞と言えましょう。

 「絶チル」と「十五郎」は、どちらも昨年のサンデーの低迷を象徴する作品として記憶されるべきマンガなのではないか、と思っています。両者は『2003年にサンデー超増刊に(週刊連載候補作として)掲載された作品』という意味では立場が似ているのですが、普通なら読み切り待遇と週刊正式連載待遇にするマンガはだろう! 逆! と、少なくとも「超」を読んだ人なら誰しもが思ったはずです(決めつけ)。
 この辺の判断ロジックが当時どうなっていたのか、ホントに謎です。

 昨年のサンデーは、更に人気連載作品だった「美鳥の日々」と「かってに改蔵」を同時に終わらせるという、これも又やっぱりどんな判断ロジックで決定したのか不思議なことをやってしまい、結局これが現在に至るサンデー低迷の原因になってしまったのではないかと思われます。
 「怪奇千万!十五郎」は確かにラジー賞を受賞するに相応しい作品であると思いますが、本当にラジー賞を受け取るべきなのは、「十五郎」が長期に渡る週刊連載には耐えられない作品であると見抜けなかった、当時のサンデー編集部なのではないのだろうか? と私は思うのです。
 ああ、もうこれで去年のサンデーのことを振り返るのは止めにします!(辛いから)

 そういえば、駒木博士ご本人にも以前一度お会いしたことがありますが、博士は「眼鏡が素敵な好青年」といった趣の方でした。もし駒木博士がアニメ化されたら、子安武人が声優を担当しそうなタイプ。
 もしオレがオレじゃなくて駒木博士のいる学校に通う眼鏡大好き女子高生だったら、絶対カップリングの対象にしてましたね! あぶない! あぶない!(←オレの頭が)

■完成原稿速報更新

 これも今更ですが、椎名先生のサイトの完成原稿速報にいくつか新作が追加されてました。
 サンデーGX掲載予定マンガの女の子は、なんか吸血鬼のように見えます。ネコミミモード?

 そして「ネクサス」で紹介されているコマは、原作では前々回辺りに放送された、溝呂木が初めてダークメフィストと遭遇するシーンですね。
 この回は、個人的に大好きなキャラである副隊長の西条凪が大活躍してくれたので好印象です。彼女は基本的に「憎しみを肉しみに変えるのよ!(「がんばれ!酢めし疑獄」風表現)が信条のたいへんにおっかないキャラですが、それ故に彼女のビーストへの徹底した憎しみっぷりは一種の清々しささえ感じさせてくれます。この副隊長に萌えられるかどうかが勝負の分かれ目ですよ皆さん!

 あと、ここの「特撮の理不尽な点を強引に解釈するスレまとめサイト」で見かけた「ネクサス」へのコメントの中にある、「(椎名高志なら)副隊長に寸止めされまくるヨコシマな孤門あたりを描いていただきたい」「副隊長の声は鶴ひろみでお願いしたい」ってのが、笑いのツボに入ってちょっと面白かったです。
 事ある毎に孤門をヒールで蹴り飛ばす副隊長。何だかすごく似合いそう

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2005/02/11

■藤田和日郎先生は大丈夫ですか? 記念・サンデー11号感想

  1. 「お姉さんじゃなかったら、何なんですか?」(結界師)
  2. HAPPY START(いでじゅう!!)
  3. 池内君が語るこの社会の仕組み(道士郎でござる)
  4. 「ハヤテのごとく」の最初のコマ
  5. 「こわしや我聞」急展開

1. 「お姉さんじゃなかったら、何なんですか?」(結界師)

 今、百合奈ちゃんがいいこと言った!(挨拶)

 今週の「結界師」における百合奈のこの台詞は、時音と良守の関係の核心を鋭く突く質問です。
 おそらく時音は、「自分にとって良守とは何なのか」ということについてこれまでほとんど意識したことが無かったのではないかと思うのですが、百合奈に良守との関係性を問いただされ、また友達からも「あの子、時音のこと好きなんじゃないの?」と言われた事により、時音の頭の中に「自分と良守の関係を考える」という新しい概念が生まれたはずです。

 良守の存在を「隣に住んでる幼なじみのうるさいガキ」程度の重さにしか考えていなかった彼女にとって、彼が「ガキ」から成長し、二人の間にそれ以上の関係が発生する可能性が存在し得ると認識したことは、彼女にとってはちょっとしたパラダイムシフトが発生した、と言っても良いのではないのでしょうか。
 この二人の関係の変化は、繁守が言っていた「墨村と雪村の間に400年続いている溝」の解消にも繋がることなだけに、実は今回の話も今後の物語の中ではかなり重要な意味を持ちそう。こんな話をあえてバレンタインウィークに持ってくる辺り、作者の田辺イエロウ氏の計算高さを伺うことができます。

 まあでも、今の段階では、良守が成長して時音とアハハウフフな関係になるところなんて想像すらできませんが。所詮、良守はまだ「ミノル小林」と同じリアル中坊だしなあ。思春期結界師ヨシモリ墨村。早く成長して兄よりエロくなって下さい。

2. HAPPY START(いでじゅう)

 アハハウフフ! アハハウフフ!

 ついに「いでじゅう!!」の林田君と森さんのカップルが正式に成立。ここ最近は散々無茶な展開をやらかして読んでる者を常に不安にさせて来たこのマンガでしたが、そんな茨の道を踏み越えて、ようやくこの段階まで物語を無事積み上げることに成功しました。おめでとうございます(エラそう)。
 一番最後の「HAPPY END♥ いえいえ、HAPPY START!」というアオリからは、『これからも更にこの二人の物語を積み上げてやるぜ! 貴様ら、オレの紡ぎ出す恋路を読んでモジモジしながら悶絶しやがれ!』という、作者の気合いを感じました。「一流(われら)にはその先がある!」と言わんばかりです。モリタイシ先生は、一大高校生恋愛サーガを作り上げる気マンマンなご様子です。今後の展開にも期待させて頂きますよ!

 そして、そんな幸せそうな林田君と森さんの影で一人涙する朔美ちゃんの姿は、全世界の報われない女子萌え属性を持つ者達の心を激しく振るわせたに違いありません。こういう「陰」の部分までちゃんと描いてるからこそ、今回の話はより深く心に浸みるってものですよね。
 ほんと、どこまでも可哀想な境遇が似合う子だなあ(ヒドい)。

3. 池内君が語るこの社会の仕組み(道士郎でござる)

 「道士郎でござる」で個人的にお気に入りのキャラは、『健助伝説の語り部』こと池内君(特徴:坊主)なんですけど、今回もまた彼がやってくれました。

 『俺達は社会に出たら、エリート坊ちゃんのために働く訳じゃないですか
 『上は多分、本当の黒幕、秘密の黒幕までいると思います
 『奴らなのです。リッチパ-ティーでビルの上から見下ろしている奴らです
 『将来搾取される分を今、頂いているんです。当然の権利です

 どうですか、この説得力に溢れた頭の悪い言葉の数々は!
 無根拠な妄想を誇大に表現する! これこそ真のヤンキー的思想!
 つうか、まさにこの構造で、こいつらは級長会やそれを締めてると思しき「黒幕」の神野といった上位の人間から搾取されているんだけどな! それにすら気付けないところが、こいつらのカワイイところなんですよ!

 さすが、長年ヤンキーマンガを描いていた西森先生は違う!(全力で誉めてます)

4. 「ハヤテのごとく」の最初のコマ

 ギャルゲーの世界には「ゲームの中で一番かわいいキャラは主人公の男友達である」という法則があるそうなのですが、「ハヤテのごとく!!」においてはどう考えても一番かわいいキャラはハヤテ君自身で決定です。特に、今週の一番最初のコマなんか、どう考えても執事長のクラウス殿を誘っているようにしか見えません。
 これでパジャマの一番上のボタンを外して胸がはだけた状態だったら完璧だったのですが、さすがにまだキャリアが浅い畑先生ではそこまでの表現は許されなかったのでしょう。これが藤田和日郎先生クラスのキャリアともなれば、台詞の中で「セックス!」と連呼しても合法になることが今週のサンデーで提示されたので、ぜひ畑先生にもその領域まで到達して好き放題やらかして欲しいものだなあと、切に思いました。

 あとこの前のエピソードから登場している伊澄さんですけど、「周りの人を不幸にする特異体質」と称するには、まだちょっとパンチが足りてないと思います。何か普通に「いい娘さん」ですし。
 個人的には、伊澄を見る度に何故か「GS美神・極楽大作戦!!」の六道冥子のことを思い出してしまいます。彼女が、「周りの人を不幸にする」破滅型キャラとして如何に完璧な存在であったのかを再認識させられる今日この頃。
 がんばれ伊澄と畑先生(フォロー)。

5. 「こわしや我聞」急展開

 読者の間に驚愕萌えをまき散らした伝説の「國生さんメイド編」を終えたと思ったのもつかの間、今週からいきなり「こわしや我聞」世界におけるラスボス的な存在・真芝グループとの直接対決に挑む展開になだれ込んだこの作品。

 突然の急展開。突然のカラーページ。このパターンはアレです。「一番湯のカナタ」の打ち切りが決まった時の流れにどことなく似ています
 これまでの掲載位置を考えると(サンデーは掲載位置と人気は比例しない、という伝説があるとは言え)「我聞」はアンケート人気はそれほど高くないことが予想されますが、もし今回のカラーページ+國生さんと果歩をメインに据えた家族愛劇攻勢をもってしても人気が芳しくなかったら、そう遠くないうちにこのマンガ終わっちゃうんじゃなかろうか? と、思わず訝しんでしまいました。

 なので、まだまだ國生さんの萌え萌えな姿を見てみたい! と思っている皆様方は、とりあえず読者アンケートの「A」の欄に「我聞」の番号を書いてポストに投函するべきだと思いました。全ては國生さんのために!
 彼女、ネコミミと尻尾を着けたら意外と似合うはずですよ!(バカ)

2005/02/09

■てれびくん3月号

 イケメン俳優目当てに「仮面ライダー剣」を見ていた職場の同僚の女性が、「仮面ライダー響鬼」の主人公のあまりのオッサンっぷりを目の当たりにしてガッカリしてる様を横目で見ながら内心でほくそ笑んでるイケてない男性の皆さん、こんにちはー!(挨拶)

 個人的には、今度の「響鬼」は超オッケーです。口から炎を吹いて敵を焼き殺したり、敵の怪物に馬乗りになってドンドコ太鼓を叩くと敵がバラバラになったりする、従来のライダーの概念ではありえない戦い方に惚れました。主人公の普段の飄々とした態度も、むしろ「大人の余裕」が感じられてちょっと素敵。真のヒーローの格好良さとは、顔じゃなく態度に現れるものなのさ! みたいな清々しさがあります。

 正直、ここ最近の仮面ライダーには個人的についていけない雰囲気があったんですけど、雰囲気をガラリと変えた「響鬼」なら好きになれそうな予感。しばらくはがんばって朝起きて観てみようかと思いました。

 そんな訳で、今回は「てれびくん」3月号掲載の漫画版「ウルトラマンネクサス」の話題なのですが(いきなり)。

 今回のエピソード(原作13話~16話)は、主人公の狐門が色々とヒドい目に遭い、「誰かを守るために戦う難しさと辛さ」に直面して悶々と悩むところがメインテーマなお話。コミカライズ担当の椎名先生が『宇宙船』のインタビュー記事で「重いテーマがいつもの5割増しくらいで困りました」と言ってた程に展開がハードなのが特徴です。

 特にドラマの前半(13~14話)は、幼い兄妹がビーストに操られた両親から「食事」と称して薪を食べさせられるなどの虐待を受けたり、妹の方がビーストの体の中に取り込まれちゃってピンク色の肉壁の中で泣き叫んだり、恋人を失った憎しみに燃える狐門がそうとも知らずにそのビーストを撃破しちゃったり(女の子は当然瀕死の重傷に)、狐門が妹の兄から「どうして撃ったんだよ!」と罵られて落ち込んだりと、そりゃもうたいへんにイヤな展開の連続。
 親が怪物に殺されて操られるだけでも子供にとっては恐ろしいってのに、その上怪獣の中に閉じこめられて正義の味方に撃たれちゃうお話を本当にやってしまうところが、今回の「ネクサス」の恐ろしいところです。やはり、「ネクサス」はあくまで本気です。本気で新しい伝説を創ろうとしています。
 何はともあれ、もし「ウルトラマンネクサス」という番組の目的が『子供を怖がらせること』にあるんだったら、ンもうこの番組は大成功ですよ! と誰彼かまわず豪語したくなるくらい、本当に凄惨なエピソードでした。

 ――ただ、この辺のキツい展開は、ドラマ後半(15~16話)になって主人公の狐門が「これ以上不幸な人を増やさないため、受けた憎しみも悲しみも全て背負って戦う」決意をするために必要な試練でもあるのもまた事実。
 今回の一件は、「大切なものを守れなかった憎しみだけで戦っても何も解決しない」「未来を創るためには様々な憎しみや苦しみを受け入れた上で乗り越え、光を信じて先へ進まなければならない」――ということを彼が自覚するために必要なプロセスなのです。「ネクサス」を語る上では、この部分を欠かすことはできません。

 果たして椎名版「ネクサス」では、このキツい部分をどう表現するのか? 椎名キャラデザのロリロリな女の子がビーストの肉壁の中で恐怖のあまり泣き叫ぶ、萌え萌えなシーンは観られるのか? と、邪な気持ちでマンガ版を読んでみたのですが、

 さすがに、子供がヒドイ目に遭うシーンはカットされてました。
 まあ当然ですよね…(←最初から期待するなや)

 今回のマンガの方では、主人公が挫折から立ち上がるドラマ後半(15~16話)の方の展開をクローズアップする形で構成されています。
 主人公が凹む描写は、前回死んだ狐門の恋人・イコ(の幻影)を再びネグリジェ姿で登場させ、彼女に「いっしょに(闇の世界へ)行きましょう…」と誘惑されて狐門が悶絶する形で表現されています。このイコの姿が必要以上にエロいため、オレの脳の中の幼稚園児要素が性に目覚めちゃいそうで大変でした(バカ)。

 そんな感じで狐門を更に精神的に追い込み、闇の世界へと追いやろうとする溝呂木(ダークファウスト)と、彼を闇から救い出そうとする姫矢(ネクサス)による戦いを経て、最後は狐門とネクサスが再び目と目で通じ合って(←最重要)協力することでビーストを撃破! 狐門が「これ以上誰かを不幸にしないため、僕も戦う! もう迷わない!」と再び戦う決意をしてエンド! というドラマ後半の一連のシークエンスを端的に再現することで、今回の「ノスフェル編」のテーマ性を提示する手法を取っています。

 要するに今回のドラマの主眼は狐門の成長にあった訳なのですが、それを「恋人の死を乗り越える」という典型的で判りやすいヒーロー的展開に収斂させたところが、今回の椎名ネクサスの見所だったのではないかと思いました。この展開に行きつくまでに、相当悩んだんじゃないんでしょうか椎名先生。お疲れさまでした。
 こんなキツい脚本をあと半年近くも作り続けるなんて大変だなあ(笑)。

 あと、今月発売の「宇宙船」には、この漫画版「ネクサス」に関する椎名先生へのインタビュー記事が掲載されています。
 内容は、主に漫画版の制作過程の説明や漫画を作る上で留意している点など、(Webでも既に一部語られている)漫画の設計や作画に関する話題がメインだったのですが、今回の仕事を持ってきてくれたのがかつて「GS美神」の担当だった方であることや、その担当の方が「てれびくん」に異動してからは先生のお子さんのために時々グッズを届けてくれていたこと(羨ましい!)、などの裏話も載ってます。
 椎名先生の情報には飢えているけど流石に「てれびくん」を買う踏ん切りまではつかない、微妙な心理状態で毎日を悶々と過ごしている椎名ファンな方々にとってはかなり貴重な記事だと思われますので、見かけたらぜひご一読を。「ネクサス」マンガも1ページだけ掲載されてます。ウルトラマンスーツの皺までリアルに描き込まれている点に全員注目のこと。

 今回「宇宙船」(というか、この手の特撮情報専門雑誌)を久しぶりに読んだんですけど、TV番組の情報量そのものは、実は「てれびくん」とそんなに変わらないんじゃないか、と思いました。
 基本的な情報ソースは一緒なはずなのに、対象としている読者の違いによって表現の仕方がこんなにも変わるものなのか、とちょっとビックリ。雑誌って凄い。

2005/02/07

■更新情報050207

2004 椎名高志作品 Conventional Wisdom の集計結果発表を掲載しました。
今回は、のべ51人の方が投票して下さいました。ご協力ありがとうございました。

表紙を通常版に戻しました。

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2005/02/04

■死にそうでした(近況)サンデー10号感想

  1. 十二人会(結界師)
  2. 桜坂助教授(ワイルドライフ)
  3. 0歩。(いでじゅう)
  4. 幹人傀牙化(クロザクロ)
  5. ロコ大はしゃぎ(D-LIVE!)
  6. 番外. 阿紫花×ジョージ(からくりサーカス)

1. 十二人会(結界師)

 私の認識では、「結界師」における裏会とは「根性が歪んだおかしな連中しか入れない、おかしな組織」ということになっていますが、今週出てきた「十二人会」はまさに期待通りの根性曲がり達の巣窟だったので大満足です。

 どいつもこいつも性格が悪そうのは裏会の幹部なので当然として、「番号札をなくすと自動的に幹部から降格」という相互不信を増大させるシステムをわざわざ採用しているところ、ただ座っているだけなのに幹部達が「ゴキリ」「オオオ」「ビクッビクッ」と奇妙なオノマトペを勝手に発しているところ、どのメンバーも「コスプレイヤー」呼ばわりされても仕方がない独創的な衣装を着込んでいるはずなのに、それがまったく気にならないくらいナチュラルに着こなしているところなど、素敵ポイント(=突っ込みどころ)が満載な人達だなあと思いました。

 ここまで変態が満載な組織がサンデーに出てきたのって、「ジーザス」の悪の組織「24」以来なんじゃないのでしょうか。少なくとも、今のサンデー連載のマンガに出てくる悪の組織(「こわしや我聞」の真芝グループ、「MAR」のチェスの兵隊など)には十分以上にインパクトで対抗できるでしょう。変態組織に乾杯です。
 ……でも、こんな変態共に夜未や志々尾がいいように使われているのかと思うと、何だかせつなくなって来ます。
 変態の圧力に負けずにがんばれ正守。

2. 桜坂助教授(ワイルドライフ)

 悪の院内組織・平波学部長派から送り込まれた美しき刺客・黒木助教授を激闘の末に下し、改心させて仲間にすることに成功した、我らが正義のヒーロー・岩城鉄生。しかし平和だったのもつかの間、今度は遙かカナダの地から、新たなる刺客・桜坂助教授がやって来たのであった! という、何かな展開になってきた最近の「ワイルドライフ」。
 まあ、そっちの方がある意味少年マンガらしい判りやすさに溢れているのは確かなので、下手にお涙頂戴なヒューマニズム路線に走られるよりは良いのかも知れません。実際、ここんとこの「ワイルドライフ」は結構面白いッスからね! とっても楽しく読ませて頂いてますよ!(←誉めてるように聞こえないのは仕方ない)

 そんな訳で、今回の刺客は以前瀬能さんにフられたことで有名な桜坂助教授の模様。ただ、刺客とは言え所詮は一度鉄生に破れた男であり、専門用語で言うところの再生怪人に過ぎないので、特撮業界における「再生怪人は弱い」の法則に従ってすぐに倒されてしまうのは、もはや必至の有様でしょう。
 私が彼に期待することと言えば、勝手に同僚女子の裸を想像してしまう彼の特性を最大限に活かし、結局前回のエピソードでは出てこなかった黒木助教授の下着姿を妄想してもらうことくらいでしょうか。頼んだぜ再生怪人!

3. 0歩。(いでじゅう!!)

 なんかこのシーンが妙に笑いのツボに入ったので第3位(そんな理由か)。

 まあ、今回の「いでじゅう!!」の本当の見所は、柔道マンガらしく林田君が一本背負いで相手のボスを倒して森さんを救出したところと、助け出された森さんがその林田君から「柔道部の大切な仲間だから助けた」と言われて複雑な表情をするところにあります。それくらいは私にもちゃんと判ってますよ(自己弁護)。
 前回は「もはや柔道もラブコメも普通にできないマンガになっちゃった!」と評しましたけど、こんなおかしい展開の中でもちゃんと柔道とラブを両立させてるじゃないですか! モリタイシ先生はできる漫画家だなあ! と思いました。
 フォロー完了。次。

4. 幹人傀牙化(クロザクロ)

 今週のサンデーは「もしオレが独身男性じゃなくてカップリングが大好きな女子に生まれて来ていたら、大層楽しめたんだろうなあ!」と己の生まれた運命を呪いたくなるような展開を見せたマンガが多かった気がするのですが、「クロザクロ」はまさにそういうマンガの一つでした。

 幹人が傀牙と化すのは今回が二度目ですが、「かわいい妹を守るため」に変身する妹萌えシチュエーションだった前回とは打って変わり、今回は「九蓋を倒された怒り」によって変身するやおいシチュエーションです(やおい言うな)。傀牙の種を植え付けられながらも、あくまで「人間」として生きようと決意した幹人が傀牙と化すというのはよっぽどの事なのであり、つまり幹人にとって九蓋は、既にかわいい妹に匹敵するくらい大切な存在となっていたのであった! ということを意味するのです。
 これまで九蓋はずいぶん甲斐甲斐しく幹人に接して来ていた印象が強かったですけど、この土壇場でついに彼の愛情が幹人に通じましたよ! よかったですね九蓋さん! もう死んじゃいそうだけどな!(ドクロ)

5. ロコ大はしゃぎ(D-LIVE!)

 「今週のサンデーで一番可愛かったキャラは誰か?」と聞かれたら、おそらくサンデー読んでる人の半分は「D-LIVE!!」のロコと答えるに違いないよね! と思ってしまう程、今週の「D-LIVE!!」に出てきたロコは可愛らしかったです。
 憧れのマン島TTで憧れの斑鳩君と一緒に憧れのサイドカーに乗ることができて、ロコちゃんホントに嬉しそう。心とは裏腹に口ではブツブツ文句言ってる(というか、言わないと格好が付かない)ところなんか、今萌えキャラのアーキタイプとして最も注目が集まっているツンデレ系そのまんまですよ! いい歳してツンデレ気取りですよ! やるなこのヒゲオヤジ!

 ちなみに、「今週のサンデーで一番可愛かったキャラは誰か?」の質問に対する残りの半分の人は、きっと「アニメ版『うえきの法則』の森あい」と答えるに違いないと思いました。
 つか彼女、連載の時よりも遙かにカワイくなってるじゃないですか! なんか、ジャンプのマンガをアニメ化した時みたいな感じに! いったい彼女の身に何が!?(←微妙に福地先生に対して失礼な感想)

番外. 阿紫花×ジョージ(からくりサーカス)

 同じマッチで二人一緒にタバコに火を点けてるシーンがやたらダンディで格好良かったので、というかぶっちゃけ萌えたのでピックアップしました。この二人の組み合わせの渋さっぷりは異常。
 ああ、もしオレが独身男性じゃなくて、カップリングが大好きな女子に生まれて来ていたら(以下略)。

 これで、タバコを初めて吸う人が(漫画の世界では)必ずやらかす、「タバコを口にくわえて息を吸いながら火を点けないとタバコが燃えないことを、タバコ吸う人から注意される」シーンが入っていたら、よりソレっぽくて完璧だったんですけどね。例え初タバコでもスムーズに火を点けられるぬかりの無さは、流石しろがね-Oの貫禄といったところでしょうか。むせてたけど。