2004/10/29

■「あやや」という単語から竹本泉のマンガを連想する人?(サンデー48号感想)

  1. 「ここが…あの人の、生まれた家――」(結界師)
  2. 借金取り退場(ハヤテのごとく)
  3. 中山朔美15歳(いでじゅう!)
  4. 「自分で何とかシロ!」と言うザクロ(クロザクロ)
  5. 今週のこわしや我聞
  6. 定点観測:今週のモンキーターン

1. 「ここが…あの人の、生まれた家――」(結界師)

 前回は良守と激しい絡みを見せて戦慄デビューを果たした志々尾君ですが、今回は良守の兄であり「裏会」の大幹部でもある正守を『あの人』と呼んで慕う様子を随所に挿入して、「見た目は乱暴だけど、実は一途で可愛らしいところがある」という性格的なギャップをアピールする作戦に出ました。良守を「あの人」と呼んで一方的に憧れるその様は、まるで「カードキャプターさくら」で雪兎に憧れる小狼君のようでカワイイですよね(変な例え)。
 またその一方、子供っぽく啀み合ったことを良守と一緒に時音に咎められることで、結局頭の成長度合いは良守と同レベルであることも暴露。ますます可愛らしくなって来ました。

 後は、後半に出てきた変態博士もかなりの萌え対象。いい歳して生意気そうな顔してるのと、何だかいちいちムカつく喋り方が萌えポイントです(屈折)。繁守と過去に何らかの繋がりがあることが仄めかされている以上、いずれはこのキャラにも何らかの見せ場が回ってくるんじゃないかと思います。
 最近の「結界師」は萌えるキャラがモリモリ増えてどんどん面白くなってるなあ。良い傾向です。

2. 借金取り退場(ハヤテのごとく)

 今週でようやく「主人公がお嬢様の屋敷に居候する合法的理由を作る」という、連載を続けるために最低限必要な理由付けを読者に説明する段階はクリアできたので、これでついに晴れて堂々と美少女わんさかコメディーを延々と繰り広げることができるようになりましたね。おめでとうございます。
 畑先生のオタク向け漫画家としての実力は如何なるモノなのか、師匠である久米田康治氏の永遠のライバルだった赤松健先生を倒すことができる程の実力を秘めているのか否か、いよいよその実力が試される時が近付いています。
 頑張れ畑先生! でっかいオタクの星となれ!(いやだなあ)

3. 中山朔美15歳(いでじゅう!)

 なんてかわいそうな女の子なんだ!(感想)

 というか、彼女の報われなさは異常。恋心をなかなか表に出せない引っ込み思案な性格、彼女を幸せにしようとするおせっかいな友人達、鈍感だけど優しい憧れの先輩。彼女を巡るあらゆる要素が、結果的に彼女の「恋」を「悲恋」にさせる方に向かわせているように思えます。彼女の周りにいるのはいい人達ばかりで、誰も何も悪くはないのに、それでも彼女の恋は決して報われることはないのです。
 ああ、なんてかわいそうなんだ朔美ちゃん。このかわいそっぷりは「モンキーターン」の青島さんを遙かに超越してると思いました。

4. 「自分で何とかシロ!」と言うザクロ(クロザクロ)

 「クロザクロ」のザクロって、「リロ&スティッチ」のスティッチにちょっと似てると思いませんか?(挨拶)

 今週は「普段は頼りない兄が、ここ一番で妹を庇って格好いい姿を見せる」というフラグ立てイベントの王道を行く美しい展開でたいへんにグッと来たのですが、個人的にはそれよりも「自分で何とかシロ!」と言うザクロの可愛らしさに更にグッと来たので、あえてこちらを推薦させて頂きます。
 ザクロって、付き合ってみると案外いい子だったりしてな。つきあったら傀牙になって死んじゃうけど。

 そしてなんか幹人がついに傀牙に変身しちゃいそうな勢いですが、傀牙になって戦う兄の姿を見て妹の梢枝が「兄貴が変な姿に! キモい!」と兄を拒絶するか、それとも「キモい姿になっても中身は兄貴だ! ラブ!」と兄を受け入れるかによって、今後のこのマンガの路線が決定的に異なってくるのは必至でしょう。

 果たして今回のイベントで、妹にフラグが立ったか否か。
 幹人の運命はそこに賭けられている、と言えるのではないのでしょうか。

5. 今週のこわしや我聞

 「こわしや我聞」とは!
 「仙術」と呼ばれる特殊な格闘術を武器に正義のために戦う、「こわしや」こと工具楽我聞とその仲間達の活躍を描いた、痛快娯楽アクションコミックなのである!

 ――という建前を、今回は完全に放棄。もはや完璧なまでに普通の学園ラブコメディー路線を突き進む道を選んだようです。部活の仲間同士で夜の神社で肝試しだなんて、もうラブコメにおける王道中の王道ですよ! きっと来週は、我聞と陽菜が、キャーこわーい! おっぱいムニュ! 木の枝にズボンが引っかかっちゃったー! こここ國生さんのパンツ! みたいな、そりゃもうコッテコテなエロコメ的シチュエーションの数々を披露してくれるに違いありません
 つうか、少年マンガで「肝試し」なんてイベントを持ってくるからには、そういうシチュエーションにならなきゃウソだ! ウソなんですよ皆さん! いやもう、藤木先生は絶対やる気ですよやる気! このオレが建前をかなぐり捨て、萌え路線にチューンしたマンガを描いたらどうなるか見せてやるぜ! とか絶対思ってますよ先生! いいぞいいぞ藤木先生もっとやれ!

 いやまあ、今週のような話はあくまで脇道であるのはよく判っているんですけど、でも人気が出るのは得てしてこういうほのぼのした日常エピソードの方だったりするものなんですよねー(訳知り顔で)。

定点観測:今週のモンキーターン

 先週までとは打って変わって、妙に爽やかなトーンで会話をしている波多野と青島さんが印象的でした。ちゃんと二人の関係にケリを着けたことで、一山越えてお互いに成長した感じ。この辺の男女関係の後腐れのなさは、やっぱり少年マンガだなあと思います。
 更に波多野は澄に対して「オレはオマエのために走る。だから、賞金王、見ててくれ」と完璧に口説きモードに入りました。まだ突っぱねてる澄ですが、もはや籠絡は時間の問題でしょう。波多野に残された障害は、賞金王決定戦でライバルの洞口を倒して決着を付けることのみです。

 一方の洞口ですが、競艇の腕はともかく、同じ「付き合ってた青島さんと別れた」という行動を一つ取っても、別れた後で青島さんとの爽やかな友情が芽生えた波多野と比べると、洞口はいつまでたっても(以下略)。このままでは、洞口はいいところ無く波多野に破れてしまうことは必至です。
 「いま、波多野健二、最期の戦いが始まる!」とかハシラでラストバトルっぷりを煽っていることから推測するにそろそろこの作品の連載も幕が近いのかと思われる以上、洞口に残されたチャンスはもはや次の賞金王しかなさそうな予感。果たして彼の運命や如何に!(←もはや論点がおかしくなりっぱなしです)

2004/10/28

■JAPANESE HENTAI MANGA IS HERE(超増刊04年冬号感想)

 先っちょだけでも!(挨拶)

 そんな訳で、25日発売のサンデー超増刊を読みました。より具体的に言えば、原作:中山文十郎+漫画:井上和郎両氏による時代劇コメディ「音禰(おとね)のないしょ」を読みました。

 いやその、実は今本当ならこんなエントリ作ってる余裕がないくらいもの凄く眠いんですけど、でも今とりあえずこれだけは言っておかなければならない! と思ったので言います。

 井上和郎先生は最高の変態漫画家です!

 ええもう、勿論この場合の「変態」は褒め言葉ですよ!
 決まってるじゃないですか!

 このマンガ、「まほろまてぃっく」の中山文十郎氏と「美鳥の日々」の井上和郎氏のコラボレーションというだけでも実は結構凄いことですし、以前Webサンデーに掲載された藤田和日郎先生のコメントからしても「今度のマンガはよっぽど凄い内容になるんだろうな」と予想してはいたのですが、まさかこれほどまでとは思いませんでした。

  • 三十路で童貞のまま死んだ侍の霊が宿った刀を、全裸の女剣士が振り回す
  • 女剣士が刀を握ると、刀が感じちゃって刀身が固くなったり大きくなったりする

 なんていう、どう考えても気が狂っているとしか思えない筋書きのマンガを、破綻無くコメディとして読める作品として作り上げる、なんてことができるのは、間違いなく天才的な頭脳を持った変態だけだと思います。井上和郎先生は最高の変態漫画家です。

 更に、そんな話であるにも関わらず、ちゃんと最後は刀にも見せ場を作って音禰とのハートウォーミングな展開に持ち込む辺りは、もう見事としか言いようがありません。
 特にクライマックスの戦闘シーンに出てきた「女ってのは斬るモンじゃねえ! 抱いてやるモンなんだよ!」という侍の台詞は、「女」という存在を神聖化してしまいがちな未経験の男性特有の童貞ドリームが込められた、心温まる名言であると思います。私はこのシーンで本気で感動してしまいました。
 いつまでも童貞の心を忘れない井上和郎先生は、やっぱり最高の変態漫画家です。

 「音禰のないしょ」は、今年少年誌に掲載された読み切りマンガの中でも最高傑作クラスの名作、と評価されてもおかしくないくらいに面白く、かつ最高にバカバカしい作品なので、「美鳥」とか「」とかの変態マンガが大好きな野郎共はみんな読みやがれ! 読んでアンケートハガキの「少年サンデーで連載して欲しいマンガ」の設問に「音禰のないしょ」と書いて出しやがれ! と思いました。

 掲載誌であるサンデー超増刊がもの凄いマイナーな雑誌であるため、さすがに今から入手するのはかなり困難なんじゃないかとは思うのですが、でもこれは我々のような変態マンガ好きにとっては、その存在をアピールできる数少ない好機であると思うべきです!
 サンデー読者の実態はオレ達のような奴ばっかりで構成されているという現実を、今こそサンデー編集部に認めさせてやろうぜ!(←中山+井上両先生には迷惑この上ない煽り)

参考:今回の超増刊で面白かったものリスト(敬語略):
  • 今や立派な看板マンガに成長、主人公アヤカの友達の四位名さん(眼鏡っ娘)の怖がる顔が相変わらずいい感じな「あやかし堂のホウライ」(金田達也)
  • 中山文十郎=HENTAI原作者、井上和郎=HENTAI漫画家というイメージをあまねく天下に知らしめる傑作「音禰のないしょ」(井上和郎)
  • このマンガは今回の話みたいに「基本は子供、ピンチの時だけ大人に変身」という構成の方が良かったのかも、と思った「暗号名はBF MISSION BEGIN」(田中保左奈)
  • シンプルなストーリーながらも主人公・ヒロイン・敵役がよく描けていて好印象「虎神」(ネモト摂)
  • ジュヴナイル+サスペンスホラーって大好き「桐園アンダーグラウンド」(渡辺智美)

2004/10/26

■マンガ雑誌としてのてれびくん

 この前「ウルトラマンネクサス」を初めて観ました。聞きしに勝る暗くハードな雰囲気のドラマだなあという印象。確かにこれは、これまでのものとは違いますね。
今度のウルトラマンの売りは「ネクサスジェネックスはメタフィールドで戦うぞ! 敵をメタフィールドにとじこめて、いっきうちの戦いをいどむのだ!」(てれびくんより)ということなのですが、ドラマの雰囲気が全体的にシリアスな為か、味方もなくたった一人の力だけで異世界で敵と戦うウルトラマンの姿を、より「孤独の巨人」っぽく感じさせることに成功していると思います。

 あと個人的には、ウルトラマンや怪獣を見てしまった警官に対して、地球防衛隊な組織所属(TLT)の女性が「あなた達は何も見なかった! これが現実よ!」とか高飛車なこと言いながら携帯電話みたいな記憶抹消装置(メモレイサー)を光らせるシーンに、かなりグッと来てしまいました。
 やはり宇宙人モノには記憶抹消装置がお約束っていうか、やっぱりああいう「MIB」みたいなのをみんなやりたくてやりたくて仕方がないんだなと思いました。

 アレのおもちゃが欲しいです(真顔で)。

 そんな感じで、また今月も「てれびくん」を買ってしまいました。
 前回は「てれびくん」が如何に真のジャーナリズムを体現している優れた情報雑誌であるかについて書きましたが、今回はマンガ雑誌として「てれびくん」を読むことについて、ちょっと考えてみました。

 「てれびくん」11月号に載っている記事にはマンガ系のものが5~6本ありますが、我々のような年齢の人が普通に「マンガ」として読める部類に属するのは、このうちの2本(「仮面ライダーブレイド」と「マシンロボ」)だけです。
 残りは幼児向けにチューンされた内容のポケモン4コママンガや、マンガの中にパズルや迷路などが描かれて遊べるようになってるライダーとデカレンジャーのコラボレーションマンガ(ちょっと前のジャンプに載ってた「ボボボーボ・ボーボボ」みたいなノリを想像して下さい)とか、来月号の付録を紹介している妙にテンションが高い次号予告マンガとかそういう系統なので、これらはちょっと「マンガ」とは違うかなという感じ。

 また、載ってる「マンガ」の中身も、基本的にページ数が少なく(8~10P程度)、対象年齢も低い(この雑誌の読者のほとんどは6歳以下です)こともあってか、「マンガを読ませる」というよりは「キャラクターを格好良く見せる」方に徹底的にチューンされている印象を受けます。

 基本的に「てれびくん」は、それ単体で読んで楽しむタイプの雑誌ではなく、子供向けの特撮番組やアニメ番組の副読本としての位置付けにあると定義できます。つまり、「コレを読んでおけばもっとヒーロー番組が面白くなるよ! あとオモチャも買って遊んでね!」と番組を盛り上げるスタンスで雑誌全体が作られていると思われます。
 徹底的に贔屓の球団を応援しまくるスポーツ新聞と基本的な編集方針は一緒である、と書けば判りやすいでしょうか。

 「てれびくん」は基本的にそういう雑誌なので、そこに掲載されるマンガもまた存在意義は同様だと思われます。少ないページ数、極端に偏った読者層、原作付き作品である故の制約といった限定された状況の中で、子供達にその作品をより好きになって番組を楽しんでもらうために、原作の持つテクストを表現する必要があるのです。椎名氏は「ほとんど俳句を作るのにも似た極限のネームづくり」と表現してましたけど、おそらくこういう雑誌向けにマンガを作るというのは、少年向けや青年向けとは全く違う特有のセンスを要求されるんじゃないと思います。
 逆に言えば、そういう制約の中で、原作の持つテクストのどんな部分を抽出してマンガにするのか? という部分こそが、幼児向けマンガにおいて作家性を感じることができるポイントになるのかも知れません。

 例えば、椎名氏は「ネクサスの持つ神秘性」を表現するために「汗とか怒りマークとかの漫符を使わない」と述べてますが、「ネクサス」と入れ替わる形で連載が終了した「仮面ライダーブレイド」(坂井孝行氏作)では、ライダー達の感情を表現するために結構な頻度で漫符を使用していたりします。
 これはどっちが良いとかいうものではなく、読者である子供にその題材を楽しんでもらうためにはどうしたら良いのか、という表現方法の選択の問題であると言えましょう。

 そういう意味でも、椎名ネクサス目当てにこれから「てれびくん」を読もうとするホンモノな方々は、椎名氏が原作をどんな形で(パロディではない、本物のウルトラマンとして)マンガにするのかを楽しむ視点を得るためにも、まずは原作の「ウルトラマンネクサス」を見て内容を理解しておくことをお勧めしておきます。

 しかしこう、幼児向け雑誌を何度もマジメに読むと、独特のトリップ感が味わえてヤバいですな。
 帰って来られるでしょうか自分

2004/10/24

■アッパーズはヤンマガを併合したということにしよう

今更な話になりますけど、「アッパーズ」最終号を入手しました。
 椎名氏による「RED」のパロディも読みましたが、確かに妙にオモロいです。ちゃんと中身が「RED」になってるのが凄い。
 さすが月刊OUT出身だけあって、この手のアニパロをやらせたら上手だなあと思いました(←30代未満には古過ぎて判ってもらえない褒め方)。

 あと「アッパーズ」休刊に関しては、「本誌のヤングマガジンが不調なので合併させると言うのが本当の理由だそうです。」(あにめ18禁・てんちょう日記10/18)という何だか説得力のある話を見つけ、ちょっと微妙な気分に。形としてはヤンマガにアッパーズの作品を持って行く、ということになってますが、ここまでヤンマガに移籍する作品が多い(最後通牒10/19)と、むしろヤンマガがアッパーズに併合されたと言っても誇張にならないんじゃないかという気がしてきました。
 というか、ここまでしないといけない程、今のヤンマガはヤバい状況だというのにも驚きです。兄弟誌とはいえ上手く行ってるアッパーズを潰さなければならない英断を下すっていうのは、本誌の方はよっぽど(以下略)。週刊青年誌は全体的に厳しいみたいな話は聞きますけど、天下の講談社のヤンマガも例外ではなかったということなのでしょうか。

 にしても、結果的に村枝賢一氏の連載マンガがヤンマガに載ることになろうとは、サンデーで「俺フィー」描いてた時代には想像すらできませんでした。
 椎名氏とアッパーズ編集部の間には「戦友」と呼べる程の絆ができていることを考えると、事と場合によっては椎名高志氏のマンガがヤンマガに載る可能性すら出てきたということになるんでしょうか。これも「GS美神」とか描いてた時代からは想像することすらできない事態です。世の中何が起こるかわかりませんね。マンガ雑誌読みながら時代の変遷を感じる今日この頃。

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2004/10/22

■サンデー47号に載った「ジンの怪」が半年以内に連載化されると思う人の数→

  1. P22の6コマ目の時音(結界師)
  2. マリアに執着するナギ(ハヤテのごとく!)
  3. 鋼牙(犬夜叉)
  4. 今週の林田君(いでじゅう!)
  5. フラレナオン青島さん(モンキーターン)
  6. 番外:今週のワイルドライフ

1. P22の6コマ目の時音(結界師)

 夜未とか良守兄とかを代表とする「結界師」界屈指のダメ人間達が集う謎の組織・裏会から、志々尾限と名乗るやんちゃな新キャラが参上。
 いきなり良守の式神を捻り潰したり、良守を左回し蹴り一発でKOしたり、良守の結界を『ARMS』のジャバヴォックっぽい爪で引き裂いたりと、初回から激しいコンタクトを良守に対して展開。その上で「こんな奴のお守りしなくちゃならないとはよ…」と良守の保護者っぷりを強調と、何かこう最初から徹底的に「良守とこの子でカップリング妄想して下さい」と読者にアピールしてるなあと思いました(まちがい)。

 それはともかく、今週はP22の6コマ目の、顔のパーツが線1本と点2つと丸1つだけで構成されてる超シンプルな時音姉さんにグッと来ました。「シュレック」に出てきたクッキーマン並に単純な描写なのに、ちゃんとこれが時音姉さんだと読者が認識できるのが素晴らしいです。
 私が思うに、1本の線で表現されてる眉毛がポイントですね。これのおかげで、このキャラはクッキーマンじゃなくて時音姉さんとして認識できるようになっていると思います。前々から「彼女は眉毛が細いなあ」とは思ってましたが、彼女の細い眉毛はこのようなデフォルメ表記の時に記号として機能するんですね! このテクは、ぜひまんカレ通信で紹介するべきです! 結界師の時音姉さんから細い眉毛の魅力を学べ!

2. マリアに執着するナギ(ハヤテのごとく!)

 「マリアに手を出したら…殺す程度ではすまさんぞ…

 このマンガ、てっきり「メイドが館からわんさか出てきてハヤテがモテまくる」系に話を振るんじゃないかと思っていたのですが、どうやらそうではなかった模様。このナギの台詞から推測するに、このマンガでモテまくるのは、ハヤテではなくてマリアです。マリア。きっとナギは、マリアに対して侍従のメイドに対する敬意の感情以上の何かを持っていると見ました(勝手に)。
 まあ、そういう関係性が一つくらいはないと、「マリみて」台頭以降の現代美少女わんさかコメディー界は渡っていけませんからね。作者の畑先生は、その辺をちゃんとわきまえていてくれているようで安心しました(勝手に)。

 ストーリーの方はなんかまたハヤテがヤクザ殿にとっ捕まってますが、例の超人的な身体技能を駆使して脱出し、早いところ執事の立場に復帰してナギと一緒にマリアを巡るドタバタコメディを演じて欲しいものです。
 あと最近のサンデーは最低でも17週は連載を続けるので、10週で終わる心配はしなくても大丈夫ですよお嬢様。

3. 鋼牙(犬夜叉)

 四魂の玉を巡る奈落と桔梗の争いが佳境に入って来たこのマンガの中で、いまいち目立てない不遇なポジションにいるのが鋼牙。「四魂のかけらを埋め込んでいるので脚が早い」というだけではさすがにキャラが立たなくなって来たのか、ここでようやくパワーアップを遂げることとなりました。
 とは言え、「四魂のかけらの意志からお前を守れるのは一度きり」という伏線をわざわざ張られてしまう(=そのうち四魂の玉に宿った翠子とかからヒドイことされるのは確実)ところからしても、相変わらず不遇な立場にあるのは変わらないようです。そこが彼の萌えポイントなのか。

4. 今週の林田君(いでじゅう!)

 何というか、彼の自分自身に対する自信の無さは「高校生だから」で済まされるレベルなのかどうか微妙なレベルに差し掛かっているんじゃないかと思いました。ていうか境界症例?
 思い返してみれば、自分が高校生だった頃は自分が好きなことに打ち込むのに夢中で、自分の容姿とか髪型とかは全然気にしてませんでした。だからモテなかった訳ですが。

5. フラレナオン青島さん(モンキーターン)

 「波多野くんを追いかけて、もっと強い私になる

 これでこそ青島さんです! フラれた方がカワイイよ青島さん!
 「いでじゅう!」の皮村と並ぶ二大フラレキャラに成長した青島さんを、これからも応援していきたい。そんな心境です。

 これで残るは澄が斯様な結論を下した波多野を許すかどうかにかかって来ましたが、「波痛同盟」(略称)所属の私としてはもう一波乱欲しいところ。彼女に興味を示す素振りを見せている洞口の行動に注目か?

番外:今週のワイルドライフ

 「この漫画の担当編集の親が死亡した際も、某国立病院の医師は謝礼金をちゃんと受け取った。

 そういう不正行為をマジメに訴えたいなら、マンガの中じゃなくて別のメディアで大っぴらにやってくれよ! と思いました。
 以前マンガの中でいきなり食肉の安全講座を実施しちゃった時にも感じたんですけど、本来なら起承転結を持った一本のストーリーに加工して「マンガ」として表現するべき題材を、いきなりこんな形でストレートに表現してしまうのは、「ワイルドライフ」というマンガの悪い癖だと思います。

 サンデーCM劇場で流れている「ワイルドライフ」は、あんなに面白そうなのになあ。

2004/10/20

■短縮版サンデー46号感想

  1. メイドのマリア(ハヤテのごとく)
  2. 百合奈(結界師)
  3. 姫葉さん(クロザクロ)
  4. 青島さん(モンキーターン)
  5. 法安さん(からくりサーカス)
  6. 番外:うえきの法則最終回

 まず現在のサンデーにおける問題作「ハヤテのごとく」ですが、今回のようなレベルのお話をコンスタントに提供することができるのであれば全然問題ありません。やればできるじゃん!(エラそう)
 というか、本来ならこの話を先週の段階で持ってくるべきだったんじゃないの? と思いました。

 それはともかく、どうやらこのマンガ、人間関係的にハヤテとナギの間に位置するメイドのマリアさんを活かせるかどうかが生命線になりそう。そして我々読者としても、このマンガを楽しく読むためにはマリアさんで萌えられるかどうかが勝利への鍵になることは必至の有様。
 これはきっと、我々のようなダメな読者に対するサンデーからの挑戦状ですよ! やってやろうぜみんな!

 「結界師」は、良守の成長を実感しつつ静かに見守る時音姉さんも勿論良かったですが、それ以上にユリこと百合奈が良いです。良守のことがちょっと気になっちゃってるところも、友人女子から良守のことでからかわれて慌てるところも、転校生のただならない殺気を関知してビビるところも全部萌え。
 更に、こんな感じでマンガの中では結構重要な位置にいるキャラにも関わらず、欄外の登場人物紹介に顔が出てこないという不遇な扱いを受けてるところも萌え。時音だけじゃなく、ユリのような地味目なキャラに萌えてこそ一流なのです。なのです(暗示)。

 「クロザクロ」は何といっても姫葉に萌え。客観的に見れば彼女の行動は「ヒドイよ姫葉さん!」と非難されて当然なのですが、でも彼女は基本的に「傀牙はブッ殺す」「九蓋さんラブ」という二つのことしか考えてない素直な娘(曲解表現)なので、彼女にとっては「傀牙の幹人を九蓋さんがブッ殺す」ことこそが正しい行動なのです。この偏狭っぷりも、また彼女の萌えポイントの一つなのです。
 「クールな眼鏡女子」と「極端に偏った思想」が合体すると彼女のような立派な萌えキャラになってしまうのが現代キャラクター学の奥深いところなのだと、私は思うのです。思うのです(暗示)。

 そして「モンキーターン」は、勿論青島さんの薄幸っぷりが萌え。波多野と会って努めて明るく振る舞う彼女からは、何というかこう「これが彼との最後のデート!」と覚悟を完了させ、これから己に降りかかる運命を待つフラレナオン特有のオーラが漂っているように思えてなりません。なんてかわいそうな娘なんだ青島さん。
 庭に咲くひまわりにも笑われそうなくらいネガティブな青島さんは最高の萌え対象です。

 そしてその一方、「じいちゃんも『よし』じゃ!」とやたらポジティブシンキングな「からくりサーカス」の法安さんにも萌えました。この歳なのにも関わらず、「あんたらサーカス団が世界を救っちゃうじゃないかと思ってる」と言われて思わず武者震いしちゃうところが萌え要素。例え体は老いても、自分が何らかの力になれると知って戦う意志を固めた法安さんは輝いてます。
 そう言えば藤田和日郎先生は、かつて「見た目はじょぼくれじいさんだけど、実はもの凄い実力を秘めた達人なのであった!」という設定の老人が主人公の格闘マンガ「瞬撃の虚空」を描いた実績を持つ、じじい描写のエキスパートであることを思い出しました。先生の描写力なら、必ずや萌える老人を描いてくれるに違いありません。

 あと萌えとは関係ないですが、「うえきの法則」は本当に終わってしまいましたね。もの凄い勢いでキャラクター達のその後の様子を紹介する様からは、作者の福地先生のキャラクターに対する愛情と、「本当はこの辺もちゃんと描きたかったんだろうなあ」という無念さを感じ取りました(勝手に)。
 そんな感じでしたが、話的には割とキレイにまとまった最終回だったと思います。次回作にも期待ということで。

2004/10/16

■近況報告:bk1ブリーダーコンテスト

 この前、bk1から「全寮体験 みんなでたべて』の発送が遅れて申し訳ない」という内容のメールが届きました。
 オレの出来心でうっかり発注しちゃった女子校寄宿舎エロ小説のためにご足労をかけてしまい、こちらこそ大変に申し訳ありませんでした(挨拶)。

 自分はbk1のブリーダー登録をしているのですが、現在bk1では「トップブリーダーコンテスト」というイベントが開催されています。
 これは要するに、10月中に沢山bk1で買い物をするようにし向けてくれたブリーダーの人に沢山ブリーダーポイントを出すよ! というもので、トップブリーダーと推奨されれば1万円分の本が買えるくらいのポイントがもらえます。

 これはチャンスだ! 上手くすれば、絶対可憐ブロギングを動かすために契約した「ロリポップ!」の使用料くらいのポイントは取り戻せるかも知れないぜ! 「深沢さんの本の紹介読んでると、つい読みたくなってしまいますよ!」と褒められた(おだてられた?)こともあったしな! オレの紹介芸っぷりを見せてやるぜ!
 と意気込みだけはあったのですが、今の自分に本をじっくり読んで感想を書くような優雅な時を過ごせる暇があるはずもなく、早くも10月も中盤。もう挽回は無理っぽいです。ハッハー(バカ)

 まあ、最近は買ったまま積読状態になってる本やマンガが再び多くなって来ているのも事実なので、それを解消する意味でも、しばらくの間は読書を強化していきたい。そんな心境です。
 まずはこの前スーパーで買ったまま未開封だった「てれびくん」11月号を(←また買ったんか)

※今週末は私用で旅行に出かけるため、次回更新は月曜日以降になります

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2004/10/12

■更新情報041012

 皆さんこんにちは。
 自宅が台風22号の影響で家が停電してしまい、「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」第一話を見られなかった深沢です(挨拶)。

 「関東に上陸した台風としては過去50年で最大級」という、まるで『全米ナンバーワンヒット!』並に派手な宣伝文句を引っさげて日本にやって来た台風22号が接近した9日は、予定を全てキャンセルして自宅に引きこもってHDDレコーダーに録画した番組の整理(主にアニメ)をしていたのですが、台風が自宅方面に向かって一直線に近付くに連れ、「この台風はきっとオレの家でアニメを見に来るためにここに向かっているに違いない!」と勝手な設定を構築。
 台風通過にあわせて自宅のHDDレコーダーで話題作「月詠」の第一話を再生してアニメファンの台風を出迎えたところ、いきなりこれまで経験したことがないような凄まじい突風が吹き荒れ、その直後に付近一帯が停電してしまいました。
 結局停電は夜になっても復旧せず、楽しみにしていた「ガンダムSEED DESTINY」第一話を見逃す羽目に。まあ、台風の強さを考えれば、家に被害がなかったことを素直に喜ぶべきなのですが。

 どうやら台風22号さんは、ネコミミモードが気に入らなかったご様子。
 彼は見かけによらず、硬派なアニメファンだったんだなあと思いました(まちがい)。

更新情報

  • 予告通り、「元ネタ大作戦!!」「椎名作品Q&A」の書き込みを終了しました。現在はログ閲覧のみが可能です。
    それに伴い、この2つのページへのリンクをトップメニューから「ある日どこかで」の方に移動しました。
    今回の件で色々心配して下さった皆さまに感謝。
  • 今更になってしまいましたが、「絶対可憐ブロギング」のソースをこちら自分の個人サイト)で公開しました。
     今後はblosxomを始めとしたWeb関連の自作ツールに関しては、個人サイトの方でサポートしようかなと思ってます。

 参考までに、「絶対可憐ブロギング」が動いているのは、「ロリポップ!」というレンタルサーバサービス。価格が安めなのと、Movable Type が動く環境(Perl5.8, MySQL)が使えるのが魅力なところです。
 本当はここと「さくらインターネット」の両方を試用してどっちで動かすか決めようと思っていたのですが、「絶対可憐ブロギング」をテスト的に設置した途端に仕事が忙しくなってしまい、「さくら」を試す間もなく「ロリポ」の試用期間が終了してしまった(→そして本契約へ)、というオチ。ハッハー

 いずれは個人でドメイン取って自宅サーバを! とか野望を抱いているのですが、いつになる事やらー

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2004/10/09

■蜘蛛巣姫感想

遅くなりましたが、ヤンマガアッパーズに掲載された「蜘蛛巣姫」の感想:
 ちょっと前まではワガママなイケイケクソ女が主人公のマンガを描いてた椎名高志氏が、「男運に恵まれない独身女の悲哀」を描ける程までに漫画家としても人間としても成熟したんだなあ、と何だか妙に嬉しくなってしまいました(←感想か?)。

 何というかこう、とにかくヤツメがやたら可愛く思えてしまって仕方ありません。これくらいの年頃の女性の「男からカワイク見られたい」(けど、本性はやっぱり隠せない)心理がほどよく出ているところが特に良いです。2004年椎名高志マンガにおける嫁にしたい女性キャラナンバーワンの座に輝く勢いなステキっぷりです。

 もちろん、そのヤツメをメロメロにする魅力を持った八郎太も良いですし、テンポ良く進むストーリーや、「生まれ変わる」というキーワードに統一されたテーマ、あちこちに散りばめられた椎名マンガらしい小ネタの数々も良かったのですが、やはりこのマンガの最大の魅力はヤツメに尽きますね。
 愛しい八郎太の腕をかいがいしく縫ってるところも、彼に女がいると知って怪気炎を吐いてるところも、スパイダーマンっぽく城に乗り込むところも、密姫に一方的に嫉妬してるところも、八郎太に泣いてる姿を見られないように捨て台詞を吐いて立ち去るところも、もう全部カワイイ。
 こういう女性をカワイイと感じてしまうということは、やっぱりオレも相応に歳をとったということなのでしょうか。

 ああ、でも「喫茶・蜘蛛之巣」という煩悩丸出しなネーミングはどうかと思った。さすが蜘蛛女。

 「パンドラ」の第3話を描いてからの椎名氏は、それ以前とは描くマンガの性質が変わってきている――というのが自分の今の椎名高志評なのですけど(いつかこの辺はちゃんと書いてみたいと思ってはいます)、「蜘蛛巣姫」もまたそれに連なるマンガの一つ。「絶チル」は、作者が結婚とか子育てとか連載切られたりとかいった公私に渡って様々な経験をして来たからこそ作れたマンガだと思いますが、「蜘蛛巣姫」もまた作者が様々なキャリアを経たから作れたタイプの作品のように思えます。
 あと、なんか(「Time Slipping Beauty」の頃とは違って)作品全体に作者の余裕のようなものが感じられるような気がするのですがどうか。

 それにしても、今回の「アッパーズ」はほとんど全ての作品が「終局」に向かって一斉に突っ走ってる感じがして、これはこれで妙に面白いですな(不謹慎)。袋とじ「G-taste」最終回なんか、最終ページのマスカレード男爵が格好良すぎてもう大変。こんなに「ご機嫌よう」の挨拶が似合う男だったとは!
 ページの最後に「次回最終回」と書かれているマンガとそうじゃないマンガがあったんですけど、そういうマンガは後継雑誌かどこかに移転して続く可能性があると考えてよいのでしょうか。「RED」や「シュガー」の今後が気になります。「やまとの羽根」は終わっちゃうみたいで超残念。

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2004/10/08

■「かってに改蔵」が載ってた頃は面白かったサンデー45号感想ダイジェスト

  1. 帰ってきたハヤテのごとく
  2. 石版魔物編終了後の金色のガッシュ!!
  3. うえきの法則次回最終回
  4. 辻原登場(こわしや我聞)
  5. 勝(からくりサーカス)
  6. 定点観測:今週のモンキーターン

1. 帰ってきたハヤテのごとく

 「ハヤテの如く」というタイトルや畑健二郎という作者の名前よりも、「コナミに怒られたアレ」の通り名の方が圧倒的に有名な伝説の問題作が、ついに連載としてサンデーに帰って来てしまいました。
 コナミに謝って仁義も通したことだし、というかむしろ怒られたことで名を上げたことだし、これで連載化には何の問題もなくなったぜ! という判断が編集部内で働いたのではないかと、勝手に推測しています。やっぱり世の中やった者勝ちだよね!(ドクロ)

 読み切り版で社会問題を引き起こした半端なオタク系のネタは、さすがに今回は自粛したようであまり使われてはいませんが、「貧乏少年が大金持ちでロリなお嬢様とお付きの美人メイドに雇われて一緒に暮らす」というプロットは相変わらずオタク向けマンガっぽいので、やっぱりコレはそういう系統を狙った作品だと判断して良いでしょう。サンデーの表紙もソレっぽかったですしね。
 ただ、マンガ本編の方が、その「サンデーの表紙」とはかけ離れた内容に終始してしまった点は頂けません。本来この手のマンガに求められているのは、あくまで今週のサンデーの表紙を飾ったイラストみたいな「美少女達と一緒に過ごす主人公の日常描写」であるはずなのですが、今回の「ハヤテ」では、主人公の不幸な身の上話とか、小悪党とのバトルとか、そこで垣間見せた主人公の驚異的な身体能力だとかいった比較的どうでもいい事の描写で2話も使ってしまっています。ちょっと勿体ないという感じ。

 つうか、どうせこのマンガはオタ向けなんだから、細かいことは放っておいていきなり主人公が執事の立場でお嬢様から一方的に迫られてるシーンからスタート! ストーリーやキャラが判らない奴は、読み切り版をどっかその辺から探し出して読め! くらいの正々堂々さが欲しかったところ(堂々?)。

 とりあえず、今週でこのマンガをストーリーマンガとして成立させる儀礼的な描写は終わったはずなので、次回以降は「まんがタイムきらら」に掲載されていても遜色がないレベルのコッテコテなキャラ萌えマンガ的展開に専念して下さい。話はそれからです。

2. 石版魔物編終了後の金色のガッシュ!!

 石版魔物編が終了して日常に戻ってきた我らが「ガッシュ」ですが、何だか最近の話は石版編とは随分とノリが変わってしまった気がします。

 石版魔物編では「共通の敵であるゾフィスを倒す」「ソフィーが親友のココを取り戻す」という判りやすい物語の核があったために読んでて素直に盛り上がることができたのですが、現在の展開は今後の大局的な流れがまだ不明瞭ですし(最終的にゼオンとガッシュが戦う流れになるのかな? と思ったらそうでもないみたい)、キーとなる「謎の建築物」は登場人物のみならず自分にとってもあまりに謎過ぎるのでとっかかりが悪いしと、どうも今の展開に乗り切ることができない私がいます。

 このマンガは現在、後の大きな展開に繋がる伏線をじっくり張っている状態なのか。それとも、「謎の建築物」はしばらく謎のままにしておいて、今回のような「魔物がいる日常生活」的な路線のエピソードを続けるつもりなのか。
 サンデー随一の看板マンガにまで成長した「ガッシュ」の今後はもはやサンデーという雑誌そのものの浮沈に関わる重大問題なので、サンデーウォッチャーとしては今後の展開が気になるところ。

3. うえきの法則次回最終回

 「うえきの法則」の連載終了は事前に噂には聞いていましたが、なんかホントに次回で最終回となってしまうようです。
 個人的には、森の「相手をメガネ好きに変える能力」が出てきた辺りからこのマンガは絶好調を維持、人気もそこそこのレベルをキープ、トーナメント編の運営も特に大きな問題は見られず、このまま引き延ばせようと思えばいくらでも引き延ばせる態勢を確立したのでしばらく連載は安泰なんじゃないかなー、と余裕の構えで読んでただけに、ここで終わってしまうと知った時はビックリ。どうしたんですか福地先生! 「メガネ好きに変える能力」のアレっぷりにビビった読者達の姿を遠目で眺めながら、ワインを片手に勝利の笑みを浮かべていたんじゃなかったんですか福地先生!(それはオレの妄想です)

 その一方、植木のことを想って泣いてる森さんの姿を見て、ホント先生は(外見的にも内面的にも)カワイイ女の子を描くのが上手くなったよなあと感心。漫画家として成長しましたね福地先生!(フォロー)
 まあ、何にしろ次回に期待ということで。

4. 辻原登場(こわしや我聞)

 「工具楽屋営業部長の辻原です。
  んじゃー商談といきますか真芝の方!

 このマンガの中の最強生物であり、いつかは我聞が超えなければならない最強のライバル(きめつけ)である辻原が、今回ついに動いてしまいました。何かに目覚めちゃって暴走状態の我聞を肘撃ち一発でKOしてしまうだなんて、彼の強さはやはりホンモノです。
 所詮はただの変態に過ぎない才蔵では辻原に太刀打ちできないことは明白であり、おそらく来週は才蔵を材料とした辻原残酷ショーが開催されることは必至の状況に。どうする千紘ちゃん!(ミスリード)

 あと、先週から今週にかけての「やられても何度もしぶとく立ち上がって奥義に目覚める」我聞の戦い方は、「聖闘士星矢」を代表とする往年のジャンプバトルマンガみたいで随分懐かしいです。

5. 勝(からくりサーカス)

 「大人より子供の方が弱いなんて、誰が決めたんだろう?

 小さい頃から色々と余計な苦労を経験した勝だからこそ説得力を持つ台詞。
 こんないい子を相手に本気になって女の奪い合いをしているフェイスレスは、本当にダメ人間なんだなあと改めて思いました(ミスリード)。

 そして次週からはついに鳴海が登場。しかしアメリカとはまた遠いところに!
 勝が人生の目標としている彼と再会できるのは、まだまだ先のことになりそう。

定点観測:今週のモンキーターン

 波多野は洞口の挑発に乗ってスタート前にやらかしたミスを挽回できずに負け、洞口は洞口で波多野に気を取られすぎたばっかりに周囲の状況を把握できずに負け。順位的には波多野の方が上でしたけど、どっちもライバルのおかげで勝ちを落としたという意味では一緒ですので、今回のデュエル(決闘)は痛み分けといったところでしょう。
 波多野は「負けたのはオレが未熟だったせいだ」と自分の心がけを反省してましたが、一方の洞口は今回のレースをどう総括するのか気になります。ここで「負けたのは自分のせいじゃない! 波多野のせいだ!」と更に復讐の鬼と化してくれると面白いのですが(オレが)。

 レースが終わったことで、次の焦点は再び波多野の女問題に移るでしょう。個人的には波多野にはもうちょっと痛い目にあって反省してもらわないと、澄を嫁に出す訳にはいきません(嫁?)。
 でもなんか彼女は、仏心で健ちゃんのこと許しちゃいそうな気がするなあ。モテる奴は何をやってもモテるんだなあ。やっぱり世の中やった者勝ちなんだなあ(トホホ)。

2004/10/04

■肉! うまそうな肉!(ラミアを見ながら) サンデー44号ダイジェスト感想

  1. 今後に期待のクロザクロ
  2. 今週の道士郎でござる
  3. 相変わらずなフェイスレス(からくりサーカス)
  4. 今週のラミア(ダンドーネクストジェネレーション)
  5. 定点観測:今週のモンキーターン

1. 今後に期待のクロザクロ

 気が付けば、自分の中では「結界師」と並んで今のサンデーで今後が気になるマンガの筆頭格にまで上がって来た「クロザクロ」。
 ザクロの意志に反してあくまで人間として自分の中の傀牙と戦う意志を固めてようやく主人公らしくなってきた幹人と、理由はどうあれ自分のプライドを確立するために確固たる意志を持って鬼牙を狩ろうとする姫葉という、敵対してるとも言えるし共闘しているとも言える二人の微妙な関係が今後どうなって行くのか、かなり興味が沸いてきました。
 そのうち、幹人君が姫葉のちちとかしりとかふとももとかを「肉! うまそうな肉!」とお年頃の男の子っぽく意識するようになると、思春期ラブコメディみたいで微笑ましいんですけどね。喰うか狩られるか。まさに命がけの恋。

 このマンガの残る欠点は、出てくる傀牙達にどれもまだいまいち個性がない点でしょうか。単なるやられ役でもちゃんと個性を持たせてキャラを立ててる「武装連金」なんかを読んでしまうと、「クロザクロ」の傀牙達もただ狩られるだけじゃなくてもっと頑張って欲しい! いずれは「パピ★ヨン!」クラスの変態台詞を平気で言えるキャラが見てみたいな! とか思ってしまうんですけど、これは私のわがままなのでしょうか(わがままです)。

 あと夏目先生は、やっぱりカラーページが苦手なんだなと思った。

2. 今週の「道士郎でござる」

 「ちょれー事いってんじゃねーよ! テメーがやってる事だろーが!

 不良描かせたら少年誌随一の実力を誇る西森先生の偉大さを、改めて認識させてくれるエピソードでした。
 毒をもって毒を制す。ヤンキーをこういう形で世のために活かすストーリーを描けるポテンシャルを持ってる「道士郎」ってマンガは、やっぱり凄いわ。

 個人的にはこのマンガすげえ面白いと思うのですが、掲載位置がこの場所だということは、やっぱり世の健全な少年達にはこの面白さが判ってもらえてないのでしょうか。不安です。

3. 相変わらずなフェイスレス(からくりサーカス)

 「僕はエレオノールと二人、人類が死滅するのを待つことにするよ

 ヤバい! この思想はヤバいです! 「自分以外の男が全て死滅すれば自分がモテるはずだ」という考え方は、「神聖モテモテ王国」のファーザーと同レベルです!
 つまりフェイスレスは、自らがナオンにモテモテになる神聖モテモテ王国を建国するためにモテる男を皆殺しにすることを決意し、オートマータ軍団を結成したということに! これって早い話が、「モテモテ王国」で言うところのMG部隊と一緒じゃないですか!
 ファー様ですら成し遂げられなかったモテモテ王国建国の野望に挑むフェイスレス! かっこいいなあ!

 ああ、でも、そのアプローチはダメなのです! 「自分以外の男が全て死滅すれば自分がモテる」なんてこと考えるのはダメ人間だけなのでフェイスレスはダメ人間決定なのですが、ダメ人間はそんな考えをしているが故に、女からモテることは未来永劫ありえません!
 ダメだからモテない! モテないからダメ! この循環構造こそが、フェイスレスを支配している「地獄の大きな機械」の正体なのです!

 誰かフェイスレス様に、筋肉少女帯の「踊るダメ人間」を聞かせてあげて下さい!
 この世を燃やしたって、一番ダメな自分は残るぜ!

 そんな感じで、モテないダメ男の悲哀と執念の化身となったフェイスレスに、婦女子からモテモテな勝が挑むという構図に収斂されつつある「からくりサーカス」。
 心情的にフェイスレスの辛さがよく判る独身男性な私としては、いつか彼が「モテない奴は何をやってもモテない」という世界の真理に到達し、モテない苦しみから解脱して過ちを悔い改める旅に出る日が来ることを願って止みません。

今週のラミア(ダンドーネクストジェネレーション)

 掲載位置の関係で紹介順序はこの位置ですが、サンデー44号はまさにラミアのためにあったと言えます。言うなれば週刊少年ラミア
 大股開いて麻酔銃撃ったり、腰を前に突き出した状態でレザースーツのジッパーを降ろしたり、尻を露出したり、淑女のコスプレして「私が色々教えて差し上げますわ」と意味深なことを言ったりと、過剰な程のラミアっぷりばかりが印象に残りました。
 余りのラミアの強烈さに、ウブでいたいけな少年に過ぎない竜之介君は震えが止まらない様子(まちがい)。

 万乗先生の次回作には、スポーツマンガじゃなくてラミアマンガをお願いします。

5. 定点観測:今週のモンキーターン

 前回の感想で「洞口から負けオーラが出ている」と書きましたが、やっぱり洞口負けましたね(確定口調で)。

 まあ、今回の洞口のレースの目的はダービー制覇じゃなくてあくまで波多野への制裁ですので、せめて波多野が勝たないように散々足を引っ張って邪魔して頂きたい。そして、自分がダービーで勝てないのも、青島さんが幸せになれないのも、みんな波多野が悪い! 自分と青島さんの運命は、波多野が回す地獄の大きな機械に操られているんだ! と思い込むようになり、フェイスレスのようなモテない男の悲哀と執念の塊と化した狂気の化身となって欲しい。

 やっぱり洞口は、フォースの暗黒面に引き込まれてこそ光るキャラですよ(←波多野痛い目同盟の立場は?)。

2004/10/03

■更新情報041003

  • 10/5発売のアッパーズに掲載される予定の「蜘蛛巣姫」の感想掲示板を設置しました。読まれましたら、感想をお願いします。
    ところで、「ネクサス」の感想掲示板は必要でしょうか?
  • 前々から計画していたことではありますが、「元ネタ大作戦!!」と「椎名作品Q&A」の両掲示板を10/10を目処に閉鎖する予定です。主な理由は、どちらも参加者が減少したため、および発言の監視や管理が必要な掲示板を複数運営していく余裕が現在の私にはないためです。
    書き込んで下さった皆さん、今までありがとうございました。
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2004/10/02

■更新情報041002

  • 煩悩の部屋」の創作文集のページに、ジャン・バルジャンさんの「時の道化たち」シリーズ第一部第三話第六章『奏でよ孤独 ~別離~ 』、および『コーヒーブレイク3』を掲載しました。
     ジャン・バルジャンさんのサイトで掲載されているものの転載です。
  • 同じく創作文集のページに、人狼さんの「GS美神 NEW事件ファイルシリーズ」シリーズ最新作・FILE-14「過去との決別」を掲載しました。

    今回は横島の事務所のマスコット(?)ユウコ嬢の過去についての話です。書くうちにどんどん暗くなっていき、空しくなってきましたが、最後は何とかいい方向で締められました。読んでやってください。」(人狼さんによる解説)

  • 絶対可憐ブロギング」の検索対象キーワードに「蜘蛛巣姫」を追加しました。だんだん当初の思惑を外れて来ましたこのブログ。
     あと、検索して追加したエントリを表示する「最近追加した記事」項目を追加しました。
     ソースの方はもうちょっと待って下さい。まだ絶賛いじり中なので。
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