2004/08/31

■「絶対可憐チルドレン」脆弱性に対するお願い

※作品リリース前に公表された「絶対可憐チルドレン」第二話の脆弱性に対する、当サイトのスタンスについて説明します

 ネットでの「絶対可憐チルドレン」第一話の反響を読む限りでは、「子供達の等身が変だ」という指摘がある以外は概ね良好な模様です。これだけの支持を受ければ、サンデーでの正式連載化も決して夢ではないでしょう。
 1年近くに渡る長い開発期間を経て、満を持して「絶対可憐チルドレン」をリリースした椎名先生や関係者各位の努力が、ようやく報われる形となりました。おめでとうございます。

 しかし、先日作者の椎名先生のサイトで、今週発売されるサンデー40号に脆弱性が存在することが公式に発表されたことが、早くも物議を醸し始めています。
 早期にソフトウェアの脆弱性を公開することは、悪意あるユーザーによる「ゼロ・デイ・アタック」を避けるために有効な手段ではありますが、しかし今回の脆弱性は、通常のユーザーには発売日の9/1にならないと入手することができないサンデー40号が対象。パッチを当てる対象のソフトが存在しない状態での脆弱性公開は、「このソフトウェアには脆弱性が存在する」という情報のみが一人歩きして必要以上の警戒感をユーザーに与えてしまう可能性が考えられます。
 実際、既にこの件はいくつかのニュースサイトで話題に上がっており、早くも多くのユーザーの知るところとなっています。

 また、今回公開されたパッチは、適切な箇所にパッチを当ててくれる Windows Update や UNIX の apt-get や patch コマンドなどとは異なり、ユーザー自らが適切な箇所にパッチを、文字通りハード的に導入する必要があります。この手の作業に不慣れなユーザーがこの作業を誤った場所に対して行ってしまった場合は、「絶チル」第二話に復旧不可能な深刻なダメージを与えてしまう可能性もあります。
 更に、パッチ対象が雑誌そのものなので作業前にバックアップを作成することが極めて難しい点も、この問題に対する迅速な対応を難しくしていると言えましょう。

 という事態を鑑み、椎名高志ファンサイトを自称する当サイトでは、今回の「作画上の重大な問題」に対応するパッチをどのページのどの箇所に張れば良いのか、というセキュリティ情報を募集したいと思います。パッチを当てる正確な箇所が判った方は、このエントリに対するコメント、あるいはトラックバックの形で通知をして頂けると幸いであります。
 また、今回の問題以外でも、「緊急レベルではないが作品に問題を引き起こしかねない」セキュリティ上の小さな問題点(葵のメガネを書き忘れている、「超度」の説明のコマで下方向の矢印が隠れているために「7」よりも「1」の方が凄そうな錯覚を引き起こす、など)がありましたら、同じくこのエントリに通知して下さい。

 悪意あるユーザーが鬼の首を取ったように大喜びする可能性を削減し、椎名氏の漫画家としての尊厳を守り、「絶対可憐チルドレン」という作品の品質を維持するため、ユーザー各位のご協力をお願いします。

 すみません(おわり)。

2004/08/29

■短期集中連載開始記念 バーチャル読者アンケート

(サンデー39号に掲載された読者アンケートと同じ設問です)
 今号に掲載された椎名高志先生の「絶対可憐チルドレン」についておききします。

■この作品は面白かったですか?

とても面白かった
面白かった
普通
あまり面白くなかった
面白くなかった
読んでない、分からない

■この作品を読んだ感想を、以下の中から選んでお答え下さい(いくつでも)

絵が魅力的だ
絵が魅力的でない
ストーリーが魅力的だ
ストーリーが魅力的でない
キャラクターが魅力的だ
キャラクターが魅力的でない
設定が魅力的だ
設定が魅力的でない
続きを読んでみたい
続きは読みたくない
椎名高志先生の別の作品が読みたい
読んでない、分からない
その他(具体的に) 
 [ 結果を見る ]

 というか、このサイトのアンケートはともかく、今週のサンデーの読者アンケートはみんなちゃんと出そうぜ!
 「絶チル」が本当に正式に連載化されるのかどうか、そして子供達がこれからどうなっちゃうのかを決めるのは、まさに今週のアンケートの結果次第! あの娘達の運命は、今オレ達の手に委ねられているのだ! みたいな妄想を浮かべながら臨んで頂きたい!

 勿論、このマンガがどんな層にウケているのかを正確にサンデー編集部に把握させるため、アンケートを出すときには年齢その他の情報は一切偽らず、本名プレイかつ実年齢プレイでお願いします。月のお小遣いの額も正確にね!

2004/08/27

■"ALL OF THE CHILDREN" サンデー39号感想

  1. 紫穂と手を繋ぐ皆本(絶対可憐チルドレン)
  2. 神楽退場(犬夜叉)
  3. バカな我聞(こわしや我聞)
  4. 「いでじゅう!」最後の3ページ
  5. 今週の「D-LIVE!!」
  6. 番外:今週のモンキーターン
1. 紫穂と手を繋ぐ皆本(絶対可憐チルドレン)

 さすがに今回は、このシーンが一番でしょう。皆本と子供達の特別な関係を象徴する一コマだと思います。

 私は根性が歪んだ女性キャラが大好きなので、当然「絶対可憐チルドレン」の子供達も大好きなのですが、曲がったところがあるキャラが時折素直なところを見せるってシチュエーションに、相当グッと来たりするんですよ! これって、「勝ち気な女の子は泣くとかわいい」の法則に通じる、最高の萌え要素なんですよ! 皆さんも判って頂けますよね!(←萌えとか言うなや)

 そして、こんなグッと来るシーンを見せておきながら、最後の最後で「私の夢は世界征服です!」と子供達にハキハキと言わせることで、これまで積み上げてきたあらゆる感動を自ら台無しに
 完璧だ! 俺たちの椎名高志が帰ってきた!

 そんな感じで、「絶チル」は本当に期待通りの面白さで良かったです。やっぱり椎名先生は、闊達な女性キャラ(と、それに振り回される男性キャラ)を描かせると本当に上手いなあと思いました。
 確かに少年マンガの文法的にはやや間違っている気もしますが(編集部が考える"理想的な少年マンガ"を体現していそうな「東遊記」と比較してみよう)、でも「椎名高志マンガの文法」においてはこちらの方が圧倒的に正しいので、この調子で最後まで突き進んで頂きたい。

2. 神楽退場(犬夜叉)

 時には犬夜叉達のライバルとして、また時には人の心をもてあそぶ奈落の犠牲者として、物語の中で常に重要な位置を占めていた神楽が、今回ついに文字通り「消滅」。風となって消えてしまいました。合掌。
 神楽の登場以降、彼女と同じ「奈落の生み出した妖怪」という立場のキャラは沢山登場して来ましたが、結局神楽を超える個性(と自我)を持ったキャラは出てこなかった印象があります。それは多分、彼女には「奈落から逃れて自由になる」という、判りやすい上に読者が共感できる一貫した行動理論があったからでしょう。

 結局、最後まで犬夜叉達とは解り合えなかった彼女でしたが、でも自分が自由になるために利用しようとした殺生丸に惚れてしまったり、自分と同じく奈落の手から逃れるために戦っている琥珀と出会って少年萌えに目覚めてしまったり(まちがい)と、ここ最近は随分と人間くさい行動を取るようになりましたよね。特に、神楽と琥珀のコンビは、個人的には珊瑚×琥珀とは違った意味で自分の中の姉萌え要素を刺激するとてもナイスな組み合わせだったので大好きでした(←萌えとか言うなや)。

 今回神楽が死んだことで、次回以降から物語が大きく動き出すのは確実。
 前々から流れていた「アニメが9月で終了する」という噂もどうやらホントっぽくなって来たみたいですし、そろそろマンガの方の「犬夜叉」にも終盤が見えて来るのか?

3. バカな我聞(こわしや我聞)

 色々あって落ち込んで周囲に冷たい態度を取ってる國生さんのどん底っぷりが映えてる今週の「こわしや我聞」ですが、それ以上に今週の我聞は徹底的にバカでしたね。勿論、ここで言う「バカ」は、褒め言葉の方のバカです。
 國生さんに冷たくされてもまったく意に介さない(というか一向に気が付かない)我聞の底抜けな鈍感っぷりこそが、いずれ國生さんをどん底の状態から救い出す力になりそうな気がします。

 あと國生さんと言えば、ファイルを持った手で足払いをかます攻撃をまた披露してくれたのが嬉しかったり(バカ)。

4. 「いでじゅう!」最後の3ページ

 「もうすぐ夏が終わってしまう」というどこかもの悲しい雰囲気を、綺麗に表現していると思いました。
 それまで散々どうでもいいレベルのドタバタ劇をやってても、締めるところはちゃんと締める。やっぱりモリタイシ先生は緩急の付け方が上手いなあ、と思わされます。

5. 今週の「D-LIVE!!」

 皆川マンガには欠かせない「人生経験豊富な年老いた黒人」や「白人の偏屈じいさん」が相次いで登場、「D-LIVE!!」のレギュラー陣である百舌鳥やミハイルもおいしい場面で出てきて大活躍するなど、なんかこう皆川オールスターズが勢揃い! みたいな雰囲気になって来ました。ミハイルの過去話ともリンクしてそうな感じですし、いよいよこのマンガも(中略)が近いの? みたいな?(←何が言いたい)

 まあ、キャラが沢山出てきてストーリーが盛り上がるのはいいことですよね(フォロー)。

番外:今週のモンキーターン

 夜の福岡であの後青島さんとをしたのかは知りませんが、ついに意を決して澄に浮気を告白しやがりましたよ波多野! この期に及んで「お前のことを嫌いになった訳じゃない」とか調子のいいこと言っちゃったおかげで、ぬるいラブコメ状態みたいな二人の関係は一気に崩壊の危機へ! イエッヒー!(最低)

 にしても気になるのは、青島さんの都合の良さっぷりです。あの若さで「時々こうして会えるだけでいいの」だなんて現地妻みたいなこと言ってちゃダメですよ青島さん! そんな悠長なこと言ってると、男ばかりじゃなくて自分までダメにしちゃいますよ青島さん!
 自分から不幸になるのも厭わずに彼氏の幸せを願うだなんて、青島さんは本当に不幸が似合う女の子だなあ! だから青島さんは大好きだ!(最低)

2004/08/25

■更新情報040825

 「絶対可憐チルドレン」の壁紙が、早くもWebサンデー公開されています。
 なんか気合いの入り方がだよ! 妙に優遇されてる気がするよ! どうなってるの!(←たまに優しくされると不安になるタイプ)

(情報源:NETA SUNDAYさんの 8/25 のエントリより)

更新情報
  • 右側のサイドバーの一番上に、BLOG検索サイト Feedback から「絶対可憐チルドレン」というキーワードで検索した結果を、ほぼリアルタイムで表示できるボタンを追加しました。
    結果の表示には、「大黒屋本舗」さんで公開されている jsRSS++ v1.0 を使用しています。
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2004/08/24

■今更手遅れですがようやく書けました サンデー38号感想

  1. 第一拳豪登場(史上最強の弟子ケンイチ)
  2. 眼鏡っ娘スパッツ蹴り(クロザクロ)
  3. ラミアスパッツ蹴り(ダンドーネクストジェネレーション)
  4. 泣く道士郎母(道士郎でござる)
  5. 「チャンピ●ンに移籍するぞ!」(俺様は?)

1. 第一拳豪登場(史上最強の弟子ケンイチ)

 「かってに改蔵」の地丹、「美鳥の日々」の高見沢、「暗号名はBF」の新解と、ここのところサンデーでは眼鏡キャラを擁していたマンガがことごとく終了しており、眼鏡マニアな貴女や貴兄達は寂しい思いをしているのではないのでしょうか。個人的に現在のサンデー連載陣で「眼鏡」と言って思い浮かぶのは、「名探偵コナン」のコナン君を除けば、「D-LIVE!!」のミハイルや「結界師」の良守パパくらいです(「クロザクロ」に関しては後述)。
 次号から始まる「絶対可憐チルドレン」には主役級に眼鏡が二人いるとは言うものの、4週限定の短期集中連載なので眼鏡で盛り上がれる期間は限られています。今、密かにサンデーでは眼鏡クライシスが進行しているのです。

 そんな状態のサンデーで、今ついに満を持して「ケンイチ」屈指の実力派眼鏡キャラ・第一拳豪が表舞台に姿を現しました!
 最終1ページに登場しただけなのにも関わらず、それまで繰り広げられていた「ケンイチと美羽のほのぼのした思い出話」のフレーバーをぶち壊して余りある、強烈なインパクト! 表情はにこやかですが、眼鏡の奥で輝く瞳はまったく笑みがありません! 絶対何か眼鏡の奥で企んでます! あと、ケンイチのことを「兼ちゃん」とか馴れ馴れしく呼んでるところも妙です! もしかして、ケンイチと美羽がいちゃついているのに嫉妬しての犯行なのか!(犯行?)

 果たして彼は、サンデーにおける眼鏡クライシスを救うことができるのか。
 乞うご期待(期待の仕方が間違ってます)。

2. 眼鏡っ娘スパッツ蹴り(クロザクロ)

 「ケンイチ」でメガネ君が出てきたなら、メガネっ娘要素はこっちにまかせろ! みたいな勢いで、「クロザクロ」では新キャラクターの姫葉さんが大暴れ。惜しげもなくスパッツを見せながら蹴りを不良達に容赦なく叩き込んでいくその様は圧巻です。「オレも蹴られてえ! 蹴られて狩られてえ!」とか思った人が続出したに決まってます。
 夏目義徳先生は、現代マンガにおける読者サービスというものをよく判っていらっしゃるなあと思いました。

3, ラミアスパッツ蹴り(ダンドーネクストジェネレーション)

 新連載でスパッツキャラが大暴れしているなら、こっちも負けてはいられねえ! みたいな勢いで、老舗の「ダンドー」ではラミアが大暴れ。今回は上下二段で別々の物語が進行する、という変則的なマンガを描いてましたが、その二つのストーリーが唯一交差するところがラミアのスパッツ蹴りのシーンだったので、今回のお話はラミアの蹴りを見せるために作られた話だった、と判断しましたがどうか。

 まあ、「ネクストジェネレーション」というサブタイトルが付いている以上、今回の物語における本当の主人公は、「新庄先生の最後の弟子」を名乗り、ダンドーに新庄先生の遺言を伝える役目を持った新キャラクターの竜ノ介君であるはずなのですが、なんか一向に目立って来ないのが気掛かりです。せっかく万乗先生デザインのカワイイ美少年キャラなのに残念。
 果たして、竜ノ介×ダンドーな関係が成立する時は来るか?(←期待してるの?)

4, 泣く道士郎母(道士郎でござる)

 今週のサンデーで一番可愛らしいと思ったのがこの人でした。見た目も可愛いけど、仕草も素直なところも全部可愛い。
 さすがは道士郎の母上! ちょっとちがうね!(頭が)

 あと、健助殿の父上の「大物になれよ、健助。何しろ、父さんがした事ない事したんだからな」っていう台詞が、やたら格好良かったです。オレも息子にこんなこと言える男になりたい。

5. 「チャンピ●ンに移籍してやる!」(俺様は?)

 高らかにリーグ移籍をブチ上げる巨人っぷりは見事ですが、現在のチャンピオンはコメディマンガが充実しているので、移籍してもレギュラーどころかベンチに入れるかどうかも難しいと思います。
 俺様君や国鉄君じゃ、鬼丸美輝には絶対勝てねえ! 鈴木ロボ子にもサナギさんにも勝てるかどうかわからねえ! 「柔道放物線」もハイブロウ過ぎて荷が重そう! チャンピオン強すぎ!

 次回は、渡辺オーナー辞任ネタやライブドアネタを期待してます(フォロー)。

2004/08/23

■更新情報 040822

  • 煩悩の部屋」の創作文集のページに、ヴァージニアさんの「とら!」シリーズ最終節『未来へのすごいプロローグ』を掲載しました。

     掲載が遅れてご迷惑をおかけしたことをお詫びします>ヴァージニアさん

  • 週刊連載版「絶対可憐チルドレン」専用の感想掲示板を作りました。感想などはこちらの方にお願いします。
     「絶チル」情報収集専用のブログを作るぜ! とか考えていたのですが、考えていただけで終わりました。
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2004/08/20

■近況報告040814-040820

 おひさしぶりです(;´Д`)
 ここのところ、朝6時半に出勤→深夜12時過ぎに帰宅、という修行僧並みのハードな毎日を送っている深沢です。修行内容はデスマーチ
 最近あまりに仕事の負荷が高まっているためか、一緒に仕事している同僚からも可哀想がられている気がします(挨拶)。

 そんな毎日なので、ここは一応椎名先生のファンサイトであるにも関わらず、「絶対可憐チルドレン」の原稿速報に対して突っ込む暇すらありません。それどころか、この前ついに完結した「エイケン」に対するコメントを書くタイミングまで逸してしまいました。たいへんに残念です(←書きたかったの?)。

 でも、とりあえずお盆は休みが取れたので、コミケの2日目と3日目には何とか行くことができました。

 コミケでは「マリア様がみてる」の同人誌ばっかり探し回って買い漁ったり、企業ブースで「くじびきアンバランス」のヘルメット女子のコスプレをしているコンパニオンの女性を見かけてその等身のアニメっぷりにビビったり、「文珠」のアイベックスさんがライフワークにする勢いで制作している同人誌「極楽大作戦!! 大全」の1巻目を頂いてその厚さに心底ビビったり、帰りのゆりかもめ車内で「エスパーまみれ」というソレっぽいタイトルの同人誌を読んでいる男性を見つけ、お台場で乗り込んで来た親子連れがその彼の周囲の席に座ったにも関わらず、黙々と彼が同人誌を読み続けている姿が妙にツボに入ってしまって笑いをかみ殺すのに必死になったりと、それなりに楽しい時を過ごすことができました。

 当日逢った皆さん、色々と親切にして頂いてどうもありがとうございました。
 コミケでの思い出を心の糧に、冬まで続く仕事ばかりの辛い日々を耐えて行きたいと思います(せつない)。

 で、エスパーまみれと言えば、来週からはいよいよサンデーでエスパー美少女わんさか育成コメディ「絶対可憐チルドレン」の短期集中連載が始まります。

 この作品のマンガとしての面白さについては、既に以前超増刊で掲載されたパイロット版を読んだ人であればもはや説明は不要でしょうし、またその「面白さ」の根幹となっている作品の基本的な路線も『超増刊の時と変わらない』と椎名氏が公言している以上、内容についての心配はまったくする必要がないと思ってます。
 色々な意味において、久しぶりに椎名高志氏のセンス全開のマンガが読めるんじゃないかと期待してます。

 残る心配は、このマンガが本連載になった時にどんな運命を辿るのか、ということでしょうか(椎名氏のコメントから推測するに、おそらく正式連載化はほぼ確定していると思う)
 掲載誌については(先生はああ書いているものの)現実的に考えるとおそらく週刊の方のサンデーでほぼ決まりなんじゃないか? と思うのですが、「かってに改蔵」「暗号名はBF」の連載終了に象徴されるように、我々のような読者にとって現在のサンデーは徐々に肩身が狭くなりつつあるのが気がかりです。

 なお、ここで言う「我々のような読者」とは、早い話が「エスパーまみれ」というようなタイトルの同人誌をうっかり熱中して読んでしまう系統に属する、サンデーが想定しているコアなターゲット層と比較するとよりニッチかつハイエンドな位置にいる読者を意味します。
 まあ、中高生には「エスパーまみれ」というタイトルからだけでハァハァするのは難しいッスからね! 俺たちはハイエンドだなあ!(←バカ)

 「絶対可憐チルドレン」は、そんなダメな読者にはほぼ確実に当たると思いますし、またこのタイミングで連載が始まるのは正にそういうニッチな読者を(「クロザクロ」と共に)繋ぎ止めることを期待されているからだとは思うのですが、今後もこのマンガが連載作品として末永く生き残るためには、我々のようなニッチな読者以外の層にどこまで訴求できるかが鍵になるでしょう。

 このマンガ、椎名先生自身が語っているように「ちびっこは美少女育成にあまり興味がない」というのはまあその通りだと思うんですけど、でも自分が子供だった頃を思い出してみれば、それこそ(ある意味エスパー美少女育成マンガとも言える)エスパー魔美」のコミックスをそりゃもう大喜びで読んだり、魔美に対して的確なアドバイスを送る高畑さんと自分を重ね合わせて「オレも高畑さんみたいな立場になりてえなあ! どっかに魔美みたいな娘がいねえかなあ!」とか思っていた訳ですよ。
 確かに全ての子供が「絶チル」みたいなマンガに興味を持つとは思えませんが、逆に言えばこういうマンガに対して興味を持ち、こんなマンガに惹かれる(=こんなマンガを必要としている、と言っても良い)昔のオレみたいな子供は、必ず存在します。そして、そういう子供は元々(昔のオレのように)マンガを好きになる素養がある子であるはずであり、そういう子にもきちんと「読める」マンガを雑誌が提供してあげれば、将来に渡ってマンガを読み続けてくれる人材に成長する可能性はかなり高いはずです。

 例え「ガッシュ」のカードのように直接的に雑誌の販促には結びつかなくても、マンガ好きな子供を作り、その子が将来「マンガ」というメディアに親しみを覚えて読み続けてくれるきっかけを与えてくれる作品。そういうマンガこそが、本当の意味での「少年マンガ」と呼べるのではないのでしょうか。
 かつて、私にとって「エスパー魔美」や(勿論)「GS美神・極楽大作戦!!」がそうであったように、「絶対可憐チルドレン」をかけがえのないマンガだと思ってくれる子が出てくると良いですね。

 そして、「絶チル」でそういう系統のマンガに目覚めた子が、今から20年後くらいに「絶チル」のキャラを元ネタにした「エスパーまみれ」というタイトルの同人誌を作ったり買ったりするようになれば、おそらくこの作品は末永く愛されるマンガとして大成功をおさめた、と言えるのではないのでしょうか。

 そんな素晴らしい未来が来ることを期待しつつ、来週を待ちたいと思いました。

※こんな調子であまりに時間がないので、メールや投稿の処理が遅れています。
 もはや今月はずっとこんな調子なので、もうしばらくご猶予を。

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2004/08/14

■コミックマーケット66 椎名高志作品関連サークル情報

(漏れていたらゴメンナサイ)

■8/14 土曜日
  • 西さ19a 天使のしっぽ(おそらく美神本あり、女性向け)
  • 西さ19b カカロッ闘(GS美神・横島中心、女性向け)
  • 西さ20a 風色通り(GS美神・雪之丞×ピート、女性向け)
  • 西さ20b 文珠(GS美神極楽大作戦!!評論)
  • 西さ21a 野良犬ロック(MISTERジパング・信長受け、女性向け)
  • 西さ21b カタクリ(MISTERジパング・信長受け、女性向け)
  • 西さ22a Hyper Melon(MISTERジパング・一益×信長 権六×信行、女性向け)
  • 西さ22b 店(MISTERジパング・日吉中心?、女性向け)
  • 西さ23a 櫻花壇(MISTERジパング・信長×光秀、女性向け)
  • 西さ23b 王手!(一番湯のカナタ?)
■8/15 日曜日
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2004/08/13

■サンデーは誰に「答えて」いるのか? サンデー37号感想

  1. 「キェエエエエエ!」(金色のガッシュ!!)
  2. 神の領域の描写(結界師)
  3. 下痢臭い部屋の描写(大久保嘉人物語)
  4. 「どいつもこいつも肉だ! 肉! 肉! 肉!」(クロザクロ)
  5. 亜取アキラ(D-LIVE!)
  6. 番外:「暗号名はBF」最終回

1. 「キェエエエエエ!」(金色のガッシュ!!)

 今回の「金色のガッシュ!!」のエピソードはやたらかっこいいテッドにばかり注目してしまい、対戦相手の魔物・アースとそのパートナー・エリーはその引き立て役かなあ? っていうか噛ませ犬? 程度にしか考えておらず、正直言って軽視していたんですけど、でもこのエリーの奇声で目が覚めました。

 いきなり「キェエエエエエ!」ですよ「キェエエエエエ!」。割とかわいらしい雷句美少女っぽい見た目をしているのにも関わらず、自分に対して気合いを入れるために突然「キェエエエエエエ!」と叫ぶのは凄いです。あと、一人称が「オレ」なのも密かに凄いです。
 更に彼女がアップになったカットでは、彼女の心理状態を表すかのような気合いの入った「影」がそのカワイイ顔に刻まれており、迫力十分。夏目先生のマンガに出張しても、十分に渡り合えるだけの影を背負っていると思います。雷句先生ヤリスギです。
 ここまでやってくれた以上、根性がひねくれた女性キャラに対してたまらなくグッと来る私としては、このエリーという娘に注目しない訳にはいきません。これは、ひねくれ美少女マニアへの挑戦と見たね!

 それはそれとして、どうやらアース&エリーの側も何か色々と事情を抱えており、そう簡単には負けられない覚悟を抱いている様子。「金色のガッシュ!!」における面白さの基本は、強い信念を持った魔物や人間同士のマッチアップの妙にあることを、すっかり忘れていましたよ。

 にしても、接近戦からのパンチしか能がないテッドと、長いリーチからカウンターを繰り出すアースとでは、かなりアースが有利なのではないかと思いますがどうか。今のテッドは、「スト2」でガイル相手に乱入したバイソン使いみたいな感じなのか(例えが古い)。

2. 神の領域の描写(結界師)

 「ガッシュ」TCGの限定カードを付けたり、個々の作品に細かい説明を付けたりと、新規読者の獲得に躍起になってる感があるここ最近のサンデー。そんな中で「結界師」はここ最近掲載位置が上位をキープ、先月書店で無料配布されたサンデーの小冊子「おためしサンデー」にも掲載されるなど、雑誌を代表する作品の一つとして売り込んでやろうという意志を感じさせます。

 でも、当の「結界師」そのものは、至ってマイペースな印象。基本的にこのマンガはゴーストハントなアクション伝奇マンガに分類される、如何にも少年マンガに相応しい系統の作品であるはずなのですが、現在の展開は人間を超越した存在である「ウロ様」なんて神様が出てきたり、「神の領域」だなんて形而学的な表現が出てきたり、普段は滅多に使わない修復術なんて地味な技が出てきたり、そんな中で良守が烏森の謎に迫ろうとしたりと、まあ何というか普通の「結界師」とはちょっと違う地味なエピソードの真っ最中です。

 つまりこれは、「結界師」は今後もこんな調子でじっくりお話が進んでいくマンガなので、サンデーを読むなら末永く付き合う覚悟が必要だ、ということなのだと解釈しました(勝手に)。
 『読み始めると面白いんだけど、読む始めるまでのとっつきが悪い』という意味において、「結界師」はとてもサンデーらしいマンガであると言えるのではないのでしょうか。

3. 下痢臭い部屋の描写(大久保嘉人物語)

 「大久保嘉人物語」を描いた草場道輝先生と言えば、勿論「ファンタジスタ」の作者として有名な方で、今回のマンガでも存分にその手腕を振るってましたけど、個人的に何故か一番グッと来たのがこのシーン。下痢でたいへんな状態になってる(臭いとかが)宿舎の状態を、臭そうなトーンとその中をかけずり回る医師達の姿で的確に表現していると思いました。
 そして、その惨劇の中で真に目覚める大久保選手の姿が格好良すぎます。さすが、実績のある草場道輝先生は違う!(相変わらず褒めてるように聞こえません)

4. 「どいつもこいつも肉だ! 肉! 肉! 肉!」(クロザクロ)

 だんだん「人間」じゃなくなっていく主人公の思考が象徴されている一コマ。その次のシーンで、明らかに肉っぽいクラスメートに「なんだよ、肉!」と怒鳴るところがお茶目で良い感じ。ボクは普通なんだ! と思い込もうとするのも、人間じゃない人の典型的な思考っぽくて微笑ましいです。

 そして、転校生として登場した眼鏡女子は、明らかに幹人を狩る側の人間っぽいですね。
 こんな性根がしっかりしてそうなメガネっ娘に付け狙われて狩られるだなんて、ちょっと羨ましいなあ(バカ)。

5. 亜取アキラ(D-LIVE!)

 「うわっ!! この女… 基地から脱出して来たのか!?

 大爆笑(感想)。
 お猿のベン君もヤリスギ描写が凄かったですが、今度の亜取アキラさんの迫力は、ヤリスギ感において明らかにベン君を超えました。422ページの腰の入ったパンチ連打のカットの壮絶さは特筆に値します。
 今回の本当の見所は「消防飛行艇1機で武装ヘリを撃破する」爽快なシーンなはずなんですけど、亜取アキラさんの大暴れっぷりの方がより印象的に感じてしまいました。すまん斑鳩君。組んだ相手が悪かった。というか、君はいつも相手が悪いと思った。

番外:「暗号名はBF」最終回

 本当に終わっちゃったー!(感想)

 続きは超増刊でネ! ということっぽいですが、超増刊で連載が続くのか、それとも「ロボットボーイズ」みたいに最終回として特別編が掲載されるのか、今のところちょっと状況が見えませんね。せっかく面白くなってきたとこだっただけに残念。前作「プレイヤー」もいきなり終わってしまいましたし、どうも作者の田中保左奈先生には連載運に恵まれていない感じがします。何としても再起を期待したいところ。

 最終回については、素直に「ああ面白かった」と思える内容で満足しました。最後のアムネジアの台詞「じゃ、まだ私と一緒に来るのは早いようだ。今のあんたはまだ甘い。ただの坊や(ベビーフェイス)さね」という言葉に、団に対する彼女の感情が象徴されているように思えます。
 団君がアムネジアのいる「大人の世界」に踏み込むにはまだまだ早い、ということでしょうか。

 あと、最後のページで目を光らせてる新解君が無駄に熱いです。
 「海の向こう、約束の場所」に燃えているのか彼。

2004/08/10

■本気で暇がないよ! たすけて天才戦隊キオクレンジャー! サンデー36号感想

  1. 妹に手を出そうとしてドギマギする幹人(クロザクロ)
  2. 小学生にナンパされる朔美(いでじゅう!)
  3. あおやぎ孝夫 Meets 福原愛(福原愛物語)
  4. 「道士郎でござる」今週のオチ
  5. 「暗号名はBF」、ついに巻末へ

1. 妹に手を出そうとしてドギマギする幹人(クロザクロ)

 「梢枝の首筋…
  明かりの消えた部屋の中で青白く光ってる。
  とても細い…首

 ここだけ抜き出してみると、まるで妹に欲情してハアハアしてるいけないお兄ちゃんみたいだと思いました。萌える展開です。まさか、夏目義徳氏のマンガで妹萌えが読める日が来ようとは思いませんでした。今度の夏目先生は何かが違います。

 そんな感じで兄が妹のうなじに一方的にときめいてる一方で、幹人同様に変な珠を飲み込んだ人が出てきたり、それを狩るハンター風情な人が出てきたりと、第二話にして早くも物語は急展開に。
 狼男に変身した変な男もヤバかったですけど、その男を狩ったハンターは更に雰囲気がヤバそう。夏目先生の作品の特徴としてキャラクターの内面を「影」で表現する手法を使うことが上げられますが、彼の影の付きっぷりはやや異常。幹人と比較すると、彼の影っぷりがよく判ると思います。なんか性格暗そうですよねこの人(偏見)。

 果たして幹人君は、根暗そうなハンターの手を逃れ、生意気な妹に対してクロザクロの力を存分に振るってうなじにハアハアする平和な日々を手にすることはできるのか?(平和?)

2. 小学生にナンパされる朔美(いでじゅう!)

 個人的にはこのコマに一番グッと来ました。この子カワイイなあ。
 朔美という娘がどんな子なのかを、雄弁に語っている一コマだと思います。

 でも、この回の本当の主役は皮村君で決まりでしょう。特に林田に対して言った「オメーが悪いわけじゃねーけど、少しはバチが当たっておいた方がいーぞ」という台詞は、読者の激しい共感を巻き起こしたに違いありません。
 もっとも、肝心の林田がまだあんな感じであり、森さんとの関係も永遠に進展しなさそうな雰囲気である以上、彼の気苦労はこのマンガの連載が続く限り永遠に続くことになりそう。彼の余計な苦労はいつか報われる日が来るのか。こなそう。かわいそう。

3. あおやぎ孝夫 Meets 福原愛(福原愛物語)

 『国民的美少女・福原愛を、「ふぁいとの暁」のあおやぎ孝夫氏に描かせる』というコンセプトを考えついた時点で、この企画は大成功です(断言)。カワイイ少年を描かせたらサンデー作家陣随一の実力を誇るあおやぎ先生が、その才能を『福原愛を美少女キャラに描く』ことに心血を注ぐとこうなるんだぜ! グズグズ泣く愛ちゃんはカワイイだろう! という、一人の作家のデモンストレーションとしても楽しめるマンガになっていたんじゃないかと思います。

 ストーリーの方は、才能に目覚めて頭角を現す→才能の限界を感じて壁にぶつかる→厳しい修行の果てに必殺技を修得!→勝利!、という少年マンガのセオリーに沿った展開になっててビックリ。愛ちゃんの人生はマンガみたいにドラマチックだなあ!(言い過ぎ)
 あとは、「サンデーで漫画化されたスポーツ選手は活躍できない」という嫌なジンクスを彼女が生み出してしまわないよう、アテネで活躍してくれることを祈るのみであります。サッカー代表の大久保も頑張れ。

4. 「道士郎でござる」今週のオチ

 高校を退学させられる主人公達をものすごい爽やかに描く西森博之先生は、やっぱり凄いと思いました。そこに道士郎がいると、「学校を退学になる」なんてネガティブイベントもたちまち爽やかに!(いいの?)

 しかしこのマンガ、いきなり先が読めなくなって来ました。道士郎が来たことで荒んだ学園が変わっていく! みたいなコンセプトでしばらく行くのかなと思っていた(しかもそれが相当オモロかった)だけに、ここで彼らが道理を通したことで結果的に集団退学してしまう行動に出たのはちょっと意外。先行きが気になります。

5. 「暗号名はBF」、ついに巻末へ

 しかも最終ページのハシラには「次号、超絶(クライマックス)ボリューム22P!」と嫌なことが書かれていますよ!
 まさか次回が最終回なのか! マンガの中では世界の危機が再び進行中ですが、むしろこのマンガそのものが危機だ!

 そんな中でも、腕を頭の後ろで組んでバストを強調したポーズをアム姉に取らせる作者のセンスは、只者ではないと思いました。よくわかってらっしゃいます。

2004/08/03

■「マリみて」短編・図書館の本

 先週は職場の夏休みだったということもあり、少女マンガや少女小説などの乙女チックな物件を中心に買いあさって悦に浸ってました。夏なので(関係ない)。
 そんな訳で、せっかく色々買ったので簡単なレビューを。不定期に追加していきます(理由:買ったはいいけど読んでないものばっかりなので)。

隔月刊コバルト8月号(集英社)

 この号に掲載されている「マリア様がみてる」の短編『図書館の本』の評判が、ファンの間でやたら良さそうだったので(生まれて初めて)購入。
 『図書館の本』の読後、何故か頭の中に「覚悟のススメ」の瞬殺無音部隊長・葉隠四郎が現れて

 「何よりも強きもの! 母と子の絆!
  さらに強きもの! 帝国(リリアン)と軍人(生徒)の絆!

 と邪悪な笑みを浮かべながら呟く、コミックス10巻の光景が浮かんでしまいました。どうしよう
 やっぱり、「マリみて」と山口貴由のマンガって相性がいいのかな!(オレの頭の中でだけ)

 そんな感じで、「リリアン女学園」はあらゆるものを結ぶ"絆"としてあまねく世界に遍在している――というこの作品独特の世界法則に沿った、短いながらもキレイにまとまっているお話だと思います。ファンからの評価が高いのも納得。
 読んでいて感じたのが、「小説」という表現媒体の利点を活かした物語の進め方(というか、肝心の「謎」の伏せ方)の巧妙さ加減。同じ雑誌の中には正直「これって、小説じゃなくてマンガで表現するべきお話じゃ?」と思ってしまうものもあっただけに、作者の今野氏の「小説」ならではの表現手法に感心させられました。やっぱり、伊達に人気作家やってないね!(エラそう)

 あと今号のコバルトには、前田珠子先生の作品も載ってました。その昔「破妖の剣」シリーズが好きだった私としては、氏がまだ現役で書いてるのが確認できてちょっと嬉しかったり。『破妖の剣』を最初に読んだのは、確か今からもう15年くらい前のことでした。
 ところで、結局「破妖の剣」って、まだ完結していないのでしょうか。ここだけの話ですが、自分が死ぬまでにやっておくべきToDoリストの中には、「もし『破妖の剣』が完結したら、まとめて買って読むこと」という項目があるので、ちょっと気になってます。

 まあ、「マリみて」も今のペースではあと15年経っても絶対に完結しないと思うので、どちらも完結する時を気長に待つことにして行きたい。退職金でコバルト文庫をまとめ買いする、そんな第二の人生を夢見る今日この頃です。乙女ちっくな夢だ(ウソ)。

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2004/08/02

■サンデー35号感想がやっと書けた

  1. 帰ってきた夏目義徳先生(クロザクロ)
  2. 帰って来たジークフリート(史上最強の弟子ケンイチ)
  3. 百合奈×時音(結界師)
  4. 最後の4人(からくりサーカス)
  5. アム姉(暗号名はBF)

1. 帰ってきた夏目義徳先生(クロザクロ)

 かつてサンデーで連載していた「トガリ」が中途半端な形で終了してから早2年、何というかこうすっかり『不遇の作家』のイメージがつきまとう漫画家になってしまった感がある夏目義徳先生が、ついにサンデーに復活。本当に良かったです(真顔で)。

 肝心のマンガの内容も、(絵柄も含めて)如何にも夏目氏らしいダークな雰囲気が漂うものになっており、ファンの期待を裏切りません。
 今回の第一話は、分不相応な力を手に入れてしまった主人公の今後の運命、主人公が暴力に目覚めた時だけではなく幼なじみの女の子に殴られた時にも蕾を膨らませたザクロの木の正体など、読んでいて続きがたいへんに気になる内容であり、個人的には大満足でした。連載作品の第一話としては申し分ない出来なのではないのでしょうか。

 今後の路線としては、主人公の幹人が自分の過ぎた力を持てあまして理性と暴力衝動の間で葛藤する、アメリカンヒーロー的な苦悩を描く方向に行くのかな、と思いましたがどうだろう。映画「スパイダーマン」で言うところの With great power comes great responsibility(大いなる力には大きな責任が伴う)みたいな。気弱だけど善良な少年が偶然スーパーパワーを身につけてしまう、というところもソレっぽいですしね。

 とにかく個人的にも夏目氏は大好きな漫画家ですので(特にその生き様が)、「クロザクロ」には大いに期待させて頂きます。

2. 帰って来たジークフリート(史上最強の弟子ケンイチ)

 「ケンイチ」に初めてジークフリートが登場した号と、夏目氏の「大蛇」という読み切りマンガがサンデーに掲載された号が一緒であることはご存じですか?(挨拶)

 つうか何でジーク様がこんなところに! 見てくれは美形なのにいくら殴られてもへこたれないゾンビのような打たれ強さが特徴だったり、「やや弱く!」と叫びながら強烈なパンチを繰り出したりと、外見と行動のミスマッチっぷりがすさまじ過ぎてギャグキャラと化していたジーク様が! 一度退場した時は、もう二度と出てこないと信じていたジーク様が! 実は人気あったのか彼!
 なんか新島とも相性良さそうですし、もしかしたら今後思いも寄らない大活躍をするかも知れません。変態ジーク様が「ケンイチ」の今後の鍵を握る存在になるなんて、世の中は不思議でいっぱいです。

3. 百合奈×時音(結界師)

 この組み合わせは正直予想していませんでしたが、妙に面白く感じました。このコンビ、結構行けるかも。

 このマンガにおける時音の基本的な役割は「暴走しがちな良守の行動にツッコミを入れてコントロールするクールなお姉さん」だと思うのですが、 百合奈は明らかに時音の常識の想定外に位置するキャラなので、彼女のクールなスタイルはおそらく百合奈には通用しません。時音の想定外の角度から百合奈のボケが飛んで来た場合、時音はそれを良守の時と同様にクールに裁ききれるか? と申せば、これは絶対無理でしょう。
 ツッコミキャラの時音にとって、百合奈というボケキャラとの漫才は、時音にとって新しい芸風の獲得のチャンスであるのと同時に、彼女の芸人としての才能を百合奈に吸い取られかねない可能性も内包しているのではないかと思うのです。これは理屈じゃないです。私の芸人に対するカンがそう言ってるんです。

 つまり、時音はアドリブで突っ込まれると弱いタイプと見たね!(どんな結論だ)

4. 最後の4人(からくりサーカス)

 で、最後の4人では誰?(挨拶)

 個人的には、初登場なのに早くも「ええ、もう、おふくろの乗るロバのしっぽにかけて!」と意味不明なことを口走っている、全身白タイツ+頭に角を生やした奴が最高に気に入りました。たかが自分が退屈なことを表明する程度で「おふくろの乗るロバのしっぽ」という変なものを掛けちゃうユーモアのセンスは、早くも隅に置けないものを感じさせてくれます。
 格好はクラウン風なのに、肝心の「芸」の何たるかを理解していないオートマータが多い中、こいつは芸人としてかなりやりおりそうな予感。これは理屈じゃないです。私の芸人に対するカンがそう言ってるんです(またか)。

5. アム姉(暗号名はBF)

 掲載位置的に苦戦を強いられている「暗号名はBF」ですが、前回から始まった「国王陛下のBF」編は、とにかく「アム姉」ことアムネジアが素晴らしいです。
 このマンガに登場する大人の女性キャラは、「誘う目」の能力の影響があろうがなかろうがとにかく最初からやる気まんまんなムードを醸し出しているケースが多かったように思えるのですが(偏見)、今回のアムネジア姉さんは流石にひと味違います。

 何が良いって、先週のエピソードで団に向かって「形はどうあれ、あんたは東京を守った。その結果が大事なのさ」と、ちゃんと団の眼を見据えながら言ってたところが最高にグッと来ました。おそらく今の団少年に一番必要だったのは、彼女のように「君の行動は正しい」と自信を持たせる言葉を、彼の目を見据え、彼の言葉を聞きながら、優しく投げかけることだったんじゃないのでしょうか。彼女はそれを易々とやってのけ、団を立ち直らせただけでなく、団からの信頼をも得ることに成功したのです。
 この台詞が出た時点で、個人的にはアムネジアこそが全てを見通す「千耳千眼」を持つ人物(=国王陛下)でもおかしくなさそうだなー、と予想しました。

 そして今回のお話でも、敵の瞳のわずかな変化から必要な情報を取り出す能力(裁く目)を披露したり、後ろ蹴り一発で敵をKOしたり、団少年を押し倒したりと大活躍。アム姉大暴れです。闊達な女性を生き生きと描く作者の才能は、師匠の椎名氏譲りでしょうか?
 「まもなく連載が終了するのでは」と不遜な噂がネットで流れ始めている今日この頃ですが、個人的にはこの作品はマンガとしてものすげえ面白くなって来たと思っているので、まだまだ頑張って欲しいですね。

2004/08/01

■更新情報 040731

  • 煩悩の部屋」の創作文集のページに、狐の尾さんの「きつねレポート」シリーズ「火鳥風月 -3番-」~「火鳥風月 -8番 狐の歌-」までを、一挙掲載しました。
     これでシリーズは完結です。狐の尾さん、これまで長い間本当にありがとうございました。
  • 煩悩の部屋」の創作文集のページに、、ジャン・バルジャンさんの「時の道化たち」シリーズ第一部第三話第五章『奏でよ孤独 ~ペルソナの叛乱~』を掲載しました。
    続きは、ジャン・バルジャンさんのサイト「銀の燭台」で掲載されます。
  • 以前更新情報で告知した通り、「煩悩の部屋」の投稿受付は7月末をもって締め切らせて頂きます。これまで投稿して下さった皆様に、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
     今後、もし当サイト宛に新規に投稿を行う場合は、「グレート展開予想ショー」をご利用下さい。本当は7月末までに展開予想をリニューアルしたかったのですが、間に合いませんでした。よんぼり。
     なお、現在当サイトにシリーズもの作品を投稿している方については、そのシリーズが完結するまでは投稿を受け付けます。
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