2007/08/31

■閃ちゃんおっぱい祭開催中のサンデー39号感想

金色のガッシュ

 正直なところ、今回のバトルでウマゴンもキャンチョメと同じようにリタイアするのではないかと思い込んでいたのですが、しかしガッシュとの友情のツープラトン攻撃で窮地を脱出、無事にガッシュ達と合流することに成功しました。
 キャンチョメが割とあっけなくクリアの長距離砲で倒されたのと比べると、両者の間で扱いにやや差があるような気もするのですが、この辺はやっぱりウマゴンとキャンチョメの人気の差なのでしょうか。ウマゴンは子供達に大人気だからなあ。やはり真にサンデーが低年齢路線を取るのであれば、週刊少年サンデーは週刊少年ウマゴンと改名するべきだと思います。

 あとウマゴンと言えば、サンデー36+37号でサンビーム殿が遙か上空から急降下しながらシェーに似たポーズを取りつつ「グルービー!」と叫んでいたシーンが印象的でした。明らかにやりすぎというか、生身の人間ならジェット機が飛ぶような高々度から落下しつつ斯様なポーズを取ることは不可能極まりないのですが、しかしその不可能をも成し遂げるのがサンビーム殿なのです。「ロックンロールはまだ始まったばかりだ!」というこの時の彼の台詞は、あらゆる不可能に対して反逆を試みて挑戦を続ける、原初の意味でのロックを彼が体現していることを意味しているのです。サンビーム殿はロックだ!

 今回ウマゴンが生き残ったことで、再び彼のグルービー芸が拝めるかと思うと嬉しいですね。最終決戦の場はロッキー山脈とのことなので、今度はぜひ地面に潜りながらロックを極めて欲しいです。サンビーム殿の戦いは始まったばかりだ! すぐに終わりそうだけどな!(ひどい)

DIVE!!

 予想通り、弟に彼女を寝取られた我らが主人公の知季。嘆くことはないよ! 寝取られ属性は萌え要素だよ! 弟に彼女を取られてベッドで悔しがって涙を流す姿に、全国の寝取られマニアは興奮してゾクゾク来てるに違いないよ!(←病気だよ)

 そして物語後半は、夏陽子コーチの生い立ちの告白に続き、知季に対して「あんたなら世界の頂に立つことさえ不可能ではないよ!」と激励する流れに。天性の飛び込みの才能に加え、恋人を失うことによって喪男パワーが急上昇している今の知季君なら、飛び込み界で天下を取れる程のフォース(暗黒面の)を得ることは容易でしょう。彼女にフられた勢いで世界を制覇して欲しいです。
 そして世界を制覇した暁には、その名声に釣られて再び元彼女が寄りを戻そうとして再びフラフラと近付いてくるのは必至の有様なので、それまでには「俺には女はいらねえ!」と高らかに宣言できるくらいの高レベルな喪男になって元彼女を見返して欲しいものですね! モテない男こそが人生の真の勝利者たり得るのだ! みたいな!

 ええ、絶対そんな展開になることがあり得ないのはよく判ってます!(なら書くなや)

マリンハンター

 「マリンハンター」はサンデーにおけるエロ担当だと思っていた矢先、実はグロとバイオレンス担当でもあったことが判明したエピソードでした。シャークがかつて住んでいた島は帝国海軍の大理不尽な侵略行為によって全滅、彼と恋仲にあった幼なじみの少女はともかく、そのついでにシャークの妹(幼女)まであっけなく三つ叉矛で突かれて血まみれになって殺害されるというブラッディな展開に、全国百万(ちょっとサバ読んだ数)のサンデー読者は呆気にとられたに違いありません。
 この辺の話は、帝国海軍のホエール少将の残酷さを演出すると共に、おそらくシャークがグッピーとシジミを文句を言いつつも連れ歩く動機の伏線として使われるのではないかと思うのですが、さすがに小さい女の子が血まみれになって無意味に死ぬシーンを見るのは辛いです。

 とは言うものの、こんなどぎついシーンをあえて持って来た作者と、この表現にゴーサインを出した編集部は素直に凄いなあと思います。かつて「きみのカケラ」でヒロインがクスリを飲まされて全裸で吊される描写を許容したり、「かってに改蔵」で羽美たんが毎度毎度猟奇的殺人を繰り返して大暴れするオチを許容したサンデーの懐の広さは、まだ死に絶えてはいなかった!
 まあでも、幼女殺害シーンを入れたからと言っても、それでこのマンガが面白くなるのかどうかは全く別の問題だと思うんですけどね(ドクロ)。

あいこら

 今回の話の最期の方で、手フェチの松山千鶴がクラスメートから「それって手フェチのこと?」「変態ってこと?」「うわーマジかよ」とヒソヒソ言われて引かれてるシーンがありましたが、しかしこのマンガの舞台になっている学園はハチベエを初めとして渋沢・辰巳・鹿野といった、「ケンイチ」風に表現するなら達人級(マスタークラス)の変態パーツフェチが所狭しと居並び、彼らが日常的に変態的な騒動を起こしていることを考えると、この学園においてたかが手フェチ程度でここまで不審の目で見られるとはとても思えません。
 というか千鶴の場合、手フェチという嗜好そのものよりは、ハチベエの手を自分のおっぱいで暖めるとか、ハチベエの指を舐めるとかいった、フェチに追随した行為の方が遙かに変態的ではないかと思われます。しかし、それも彼女が手を愛するが故の行動。「罪を憎んでフェチを憎まず」は、もはやこの学園の校訓であるべきです。

 「自分のフェチを肯定し、フェチ対象を持つ者と一緒に幸せになる」ことは、主人公のハチベエが乗り越えるべき大きなテーマの一つであることは間違いないところですが、ここに来てある意味ハチベエと同じ境遇にある千鶴を出すというのは、作者には彼女を通してこのテーマをより明確なものにして行く意図があるのか、それとも単にネタが詰まったので新しいフェチ持ちキャラを出しただけなのか。判断が難しいところです。多分後者の方が動機としては大きいような気がしますけど(ひどい)。

 あとなんかあやめさんが菊乃にときめいてる描写がありましたが、こういう話が出てくると何だか「サブキャラ同士が片づき始めると、そろそろこのマンガも潮時なのかなー」とか思ってしまいがちです。次回は連載100回記念でセンターカラーということなので、今後の流れについても注目していきたいところ。

RANGEMAN

 自分が生まれ変わったら腐女子になることは、もうアカシックレコードによって決定されていると信じています!

 そんなアレな妄想を抱かせた(抱くな)「RANGEMAN」も今回でついに最終回。元々は戦隊モノの要素に「変身すると恋した記憶を失ってしまう」という設定を絡めたラブコメディ路線を目指していたと思われるこのマンガでしたが、最終的には戦隊要素はほとんど消え去ってしまい、このマンガの本質的な部分のテーマであるところの風香と錬児のサドマゾカップルの奇妙な恋の行方のみを集中的に追いかけるという流れになってしまいました。
 限られた話数で物語を締めるためにはこうするしかない! という苦渋の選択だったとは思いますが、結果的にはこの選択によって恋愛物語としてはとてもキレイな形で集束することに成功しました。最終回最後のコマの「恋する乙女」と「下僕を服従させることに成功したサディスト」が入り交じった複雑な風香の表情を拝んだ時、このマンガの魅力はこのコマに集約されている! と、心の底から思いましたよ。
 あとは、記憶は失っても本当の恋を経験した錬児が人間的に成長している姿と、でもやっぱり風香の前ではマゾっぽくなってしまう変わらない姿が見られたのも、なんかこのマンガらしくて良かったです。

 「RANGEMAN」については作者のモリタイシ先生は最初から最期まで相当悩んだみたいですが、次回作ではこの経験が活かされたものになるといいなあと思いました。期待してます。

2007/08/26

■真木シローがブレイクの予感!(腐女子的に) サンデー36/37+38号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 「鉛は超能力を通しにくい」という設定の元ネタは、鉛の管の中に紙を入れてそこに書いてあることを透視能力者に読ませようとした、古の実験に由来しているのでしょうか?(挨拶)
 その辺はともかく、ここ2週間の「絶チル」の大雑把な感想です。

サンデー36/37号

 真木シロー、チルドレンに破れるの巻。ピンチになっても兵部の言いつけを守って紫穂のスタンガン攻撃を素直に食らう真木が妙にカワイイです。あと、紫穂がスタンガンを持ってくすくす笑っている陰険極まりない表情と、トドメを刺す時の幸せそうな表情が印象的。紫穂の性格の歪みっぷりはもはや芸術の域です。将来世界を支配する運命にある女はやはり違う。

 ストーリー的には、チルドレン達が「黒い幽霊」の存在と兵部の目的を知り、その上で「黒い幽霊」を自らの手で捕まえようと決意を固めるエピソードでした。
 薫の「何かできるかもしれないじゃんか!」という純粋な気持ちを皆本が汲み、危険な任務に自らゴーサインを出すという展開は、薫の期待に皆本が応えることができなかったコミックス8巻「逃亡者」のエピソードの対比として読むことができますね。

サンデー38号

 薫が「黒い幽霊」と相対するの巻。兵部と互角にやり合う力を持つ「黒い幽霊」相手に1対1ではさすがの薫も分が悪いのですが、チルドレン三人組と皆本が束になってかかれば勝機はあるぜ! という、次回の解決編に希望を持たせる展開でした。
 個人的には、兵部に「あたしが何とかするから!」と語りかける薫がやたら可愛く描かれているのが、ちょっと気になりました。これは薫の内面の成長を意味しているのか、それとも薫にとって兵部はやはり「特別」な存在であることを暗示しているのか。

 あと今回は、葵がレンチを銃の中に直接テレポートさせて銃を封じるという能力の使い方をしていたのも印象に残りました。描写はさりげないのですが、「能力の対象にされると物理的に防ぎようがない」という意味において、これはかなり凶悪な攻撃方法です。「結界師」で時音姉さんが鋭利な結界で妖怪を串刺しにしていたのと同じくらいエグいです。
 でも、マンガの中でのこのシーンの扱われ方は極めて地味。「実は強いんだけど扱われ方は地味」というところが実に葵らしいなあと思いました。葵かわいいよ葵(フォロー)。

 次回は100回記念ということで、巻中カラーだそうです。巻頭カラーでないところがこのマンガの今の限界です(エラそう)。
 「薫がいない時に葵が宙に浮いているのは、小刻みにテレポートを繰り返しているから」という説明が本当かどうかはアニメ化されれば明らかになると思うので、アニメ化されるまで何とか連載を継続して頂けるよう、次回はアンケートを出してみたいと思います。

■サンデー38号感想書きリハビリ中

マリと子犬の物語

 美しい犬! 愛らしい犬! りこうでかしこく忠実な人間の友!(挨拶)

 いわゆる災害パニック映画には、倒壊した家屋の中から犬が助けるシーンが必ずといって良い程挿入されていることからも判るように、災害をテーマにした物語における「犬」の重要性の高さは申すまでもありません。それが所謂「お涙頂戴物」であれば尚更。
 今回始まった「マリと子犬の物語」は、物語の舞台が中越地震の被害を受けた平和な農村であるとか、主人公の兄妹が既に母親を失っていたりとかいうのもありますけど、何より犬が四匹も出てくるところに、作り手側の「これで貴様らを泣かせてやるぜ!」という気合いを感じることができました。頑張って泣かせて欲しいですね。

 あとこのマンガの作画を担当している為永ゆう先生は、「ネイキッドモンキー柚希」や「飛べ!!ハミングバード」を読んだ限りにおいては、持ち前のカワイイ絵柄であえて美少女が脱衣して格闘するお馬鹿なマンガばっかり喜んで描いてる人という印象が強いのですが、今回はその絵柄のアドバンテージを最も素直に得ることができる原作を与えられたな、という印象です。逆にお馬鹿な要素は封印せざるを得ないみたいですが。
 まあ、この試練を乗り越えれば再び大好きな脱衣格闘マンガ(決めつけ)を描くチャンスも巡ってくるさ! と信じて、こちらも頑張って欲しい所存です。

DIVE!!

 そういやまだここでこのマンガの感想書いてなかった気がします。

 最初のうちは「何か主人公(知季)の才能の覚醒がやたらと早いなあ」というか、『主人公が努力するシーンを描写しない』タイプのスポーツマンガだと思っていたんですけど、新しいライバルキャラとして沖津飛沫が登場、主人公自身がダイバーとして更なる成長の必要性に自覚するようになってからは、物語に緊張感が出て来たように思えます。
 また、主人公のコーチ役の夏陽子は「アンタは才能あるんだからやればできるよ!」と激励はするんだけど、彼女の目的があくまで「クラブからオリンピック選手を輩出してクラブを存続させる」である以上、彼女は主人公に全てを賭けたりせずに逆に斬り捨てる可能性もある、という微妙なスタンスに徹している(ように見える)キャラであるところが、物語に緊張感を持たせることに成功しているように思えます。

 そして今週は、新技を会得できずに焦る知季の彼女が、実は弟と付き合っている事が発覚。いきなり修羅場編に突入です。こんなカワイイ絵柄の少年マンガなのに、「弟に彼女を寝取られる」というハードコアな話をこのタイミングで持ってくるとは侮れません。
 個人的には、このまま彼女を弟に取られてしまうものの、「何かを得るためには同等の代価が必要になる」という錬金術の掟によって、彼女と新技を等価交換した知季が更なる覚醒を遂げる! 飛び込み選手としてのレベルが上がると同時に、喪男としてのレベルも上がった! みたいな展開になって欲しいのですが、果たしてどうかな!(ダメだと思います)

 あと沖津飛沫が初登場した時から思っていたのですが、彼は海パンではなくフンドシを着用するべきだと思います。こんなにフンドシが似合いそうな男がサンデーに出てくるのは、サンデーでは「ケンイチ」のトール殿以来です。

マリンハンター

 短期連載から甦って正式連載へという、「絶対可憐チルドレン」と同じルートを辿った「マリンハンター」。世間的にはとりあえずヒロインのグッピーがシャワーシーンで乳首券を使用するマンガという認識が一般的な様ですが、個人的にこのマンガにおける真のヒロインはその生い立ちや性格、言動の重さ、滅多に肌を見せないもったいぶりさにおいて全てシジミの方が勝っているであると思っているので、とりあえずシジミに萌えながら読みたい所存。
 って言うか、もしシジミたんがグッピーのように脱ぐようなことがあったら、きっと雪崩を打ってみんなシジミ萌えになると思いますよ! みんな幼女が大好きだからね!(決めつけ)

 逆にグッピーの場合、脱いで下さるのは大変にありがたいんですけど、それ以外の要素というか性格的な部分に大変に難があるので、このままだとヒロインとしての座が本気で危うくなるのではないかと危惧しています。
 彼女も設定上は一応「生まれ故郷の島を侵略で失い、放浪していたところをシャークに救われた」という泣かせるバックボーンを持っているはずなのですが、彼女のボケた行動からはそういう背景を全く感じさせてくれません。どうやら作者は、彼女をおっぱい要員+天然のトラブルメーカーとして位置付けたい模様。
 今回は「貴重な飲み水を体を洗うためだけに大量に消費する」という彼女の行動がトラブルの原因となっていますけど、船上生活における真水の確保の重要性を全く認識していないという命懸けのボケをかますところを見ていると、彼女もこの路線に活路を見出すために必死なんだなあと思えて来ます。その努力が報われるといいですね(投げやり)。

魔王

 蝉が「ガメラが空飛ぶ時の回転数、凄すぎー!」って言ってるシーンに萌えた!
 このマンガは意外なところに萌えポイントが設定されているので油断できません!(そもそも萌えるシーンじゃないだろう)

 あと今回戦ってる相手の蝉って「大同人物語」に出てきた雑賀京一郎に似てなくない? とか思ったのですが、確認してみたら全然似てなかったので、自分の記憶力に絶望しました。

お坊サンバ

 「GS美神」に出てきた横島君の特殊能力・文珠は、あんなシリアスなストーリーの中でではなく、本来ならばこのマンガみたいな形で馬鹿馬鹿しく使われるべきだったんだよなあと、「お坊サンバ」を読みながらつくづく考えてしまう私がいたということです(ファンサイト要素)。

 それでめでたく正式連載となった「お坊サンバ」ですが、大坊主様がチワ丸のボケを総受けできる非常に面白いキャラになったためか、短期連載時代と比べると面白くなっているように思えます。それだけに、チワ丸達が冒険の旅に出て大坊主様の出番が減ってしまう展開に入ったのがちょっと残念。トイレに入ったまま空飛ぶ能力が欲しいところです。

2007/08/25

■シグルイ9巻

人か魔か牛股権左右衛門
 獣かそれ以下か 鬼かそれ以上か

 ここで「シグルイ」の感想書くのも久しぶりなような気がします。

 で、前巻のシグルイ8巻は、「剣術」という戦闘技術の究極に行き着いた藤木源之助・伊良子清玄両名の技の応酬を理論整然と描いた、非常に繊細な話だったという印象だったのですが、この9巻では源之助の片腕が落ちたと同時にそんな繊細さはもはや微塵もなくなり、魔神モードに入った牛股権左右衛門が内蔵をまき散らしながら大暴れする姿を読んで呆気にとられるしかない、という話に早変わり。
 8巻の頃から牛股がずっと我慢してきた「ここにいる全ての輩を片端から斬り殺してしまいたいという衝動」が、ここに来て大爆発してしまったのでしょうか。

 また自分の記憶だと、原作における牛股が虎眼流を継げない理由は「既に結婚して奥さんがいるから」だったと認識していたのですが、この「シグルイ」だとなんか許嫁を殺害した上に自分の睾丸を(以下略)、みたいな話になっていてちょっとビックリしました。でもこれは「シグルイ」であり、「シグルイ」である以上はこれくらいのことは当たり前なのです。

 この巻を読んで、シグルイ4巻で虎眼先生が鯉を生でボリボリ囓っているのを目撃した牛股師範が「ごゆるりと…」と呟いて静かに退散した時の心境が理解できた気がしました。今の山口貴之先生は、緩慢な時の虎眼先生くらいに絶好調だと思います。よく判らない表現ですが誉めてます。

シグルイ 9 (チャンピオンREDコミックス) シグルイ 9 (チャンピオンREDコミックス)
南條 範夫
秋田書店 / ¥ 580 (2007-08-21)
 
発送可能時間:在庫あり。

Posted at 18:28 in マンガ::いろいろ | WriteBacks (0) |

2007/08/18

■マンガ版ノアの方舟計画

いわばマンガの「ノアの方舟」ですね。
各自残す条件は様々あるかと思いますが、フジモリの条件としては以下のとおり。

マンガ版ノアの方舟計画

 「三軒茶屋 別館」のフジモリさんが書かれた記事。前に私が書いた引っ越し時のマンガ選別ネタを元に、更に踏み込んだ考察をされています。
 「このマンガの存在は今の自分の人格を構成する要素になっているか?」という自分が書いた漠然とした判断基準を、より明確な形で条文化してくれた、という印象です。こうして書かれてみると、自分の場合は「神格性」「常習性」「根本性」をより重視して本を選択しているように思えます。自分の好みが可視化された感じがして面白いですね。
 話題として取り上げて下さり、ありがとうございました。

 なお本の選別については、本屋で売ってるコミック以上に、これまで即売会で買った同人誌の選別作業の方が、遙かに心理的に厳しかったことを申し加えておきます(笑)。同人誌は希少性が高いので、こういう時はホント処分に困ります。

Posted at 23:25 in | WriteBacks (0) |

■コミケ2日目行ってきました日記

 コミケ2日目行って来ました。

 今回は「絶チル」メインで参加しているサークルの数が前回よりも更に増えた印象で、今回は1つの(専門用語)の半分が全て絶チル本を置いてあるスペースでした。言うなれば絶チル通り。椎名マンガで参加しているサークルが全部で3つだけだった頃と比べると、なんかもう嬉しくて嬉しくて仕方ないです(回顧厨)。

 それで今回買った「絶チル」本の中で個人的にいいなと思ったのが、「雲の王国」さんが出していた、絶チルとGS美神のコラボ本でした。
 成長して10歳くらいになった「GS美神」の美神ひのめが、如何なる理由かは不明だけど「絶チル」の世界に飛ばされてしまい、そこで薫達と出会う――という筋書きの話なのですが、「美神」と「絶チル」のコラボをテーマにした話において、ひのめを「特殊な能力を持つが故に悩みを抱えている人間」(=「絶チル」におけるエスパーと似たような境遇)として位置付け、主役に持ってくるセンスに感心させられました。面白かったので続きも期待してます(プレッシャー?)。

 そして、せっかくなので企業スペースの小学館サンデーGXブースへ行き、「絶チル」のテレカを入手。今度は在庫も豊富のようでした。

 また、今回は久しぶりにGX編集部謹製同人誌「うらじぇね」の最新版・「ほしじぇね」が出ていたので、これも入手しました。今回のテーマは島本和彦先生デビュー25周年+星紅編集長就任記念号とのことで、このやたらキャラが立ってる二人が様々な漫画家に好き勝手にいじられているという内容。個人的にはかなり楽しめました。もしかしたら、これまでの「うらじぇね」シリーズの中でこれが一番面白いかも知れない。
 あと、畑先生は遠慮しないで「らき☆すた」の同人誌を作るべきだと思います。

Posted at 19:13 in 更新情報 | WriteBacks (0) |

2007/08/16

■コミックマーケット72 椎名高志作品関連サークル情報

■8/17 (1日目)
■8/18 (2日目)
  • 東-シ64b 横濱レモネード (絶対可憐チルドレン本あり?)
  • 東-ム52a DARKNESS (GS美神 美神×横島あり?)
  • 西-む10a BLUE SIGNALS (絶対可憐チルドレン チルドレン+皆本中心)
  • 西-む10b 風桜花 (絶対可憐チルドレン 皆本×薫の小説)
  • 西-む11a おこちゃま倶楽部 (絶対可憐チルドレン)
  • 西-む11b フレイクス (絶対可憐チルドレン)
  • 西-む12a カンディートミルト (絶対可憐チルドレン 薫×皆本中心 コピー本)
  • 西-む12b ふりーすたいる (絶対可憐チルドレン)
  • 西-む13a DUEL SISTERS (絶対可憐チルドレン オールキャラ、女性向けあり?)
  • 西-む13b 雲の王国 (絶対可憐チルドレン GS美神とのコラボ本あり)
  • 西-む14a チョーばぁっとー (絶対可憐チルドレン)
  • 西-む14b 白竜堂白亜店 (絶対可憐チルドレン チルドレン中心 ギャグ)
  • 西-む15a 野望の箱庭 (絶対可憐チルドレン ギャグ)
  • 西-む15b アップルクランブル (絶対可憐チルドレン ギャグ)
  • 西-む16a Eulenspieagel (絶対可憐チルドレン 皆本受 女性向け)
  • 西-む16b B.A.B.E.L./M.L.S. (絶対可憐チルドレン 女性向け)
  • 西-む17a 紫マヨネーズ (絶対可憐チルドレン 兵部×皆本 ギャグ)
  • 西-む17b 天使のしっぽ (絶対可憐チルドレン 皆本受 女性向け)
  • 西-む18a 風色通り (GS美神 雪之丞×ピート、絶対可憐チルドレン オールキャラ)
■8/19 (3日目)

 あとは私事になりますが、「ゴルゴ31」のゴルゴさんと「ヤマカム」の山田さんの合同サークル「ゴルカム」(8/19 東-ポ16b) の新刊・ゴルカム萌王に寄稿しました。1~2ページくらいの短い記事です。
 「絶チル」の葵は、如何にして現在の萌えキャラとしての地位に上り詰めることができたのか? について考察するという趣旨の記事なのですが、要は「葵のパンチラは素晴らしい」という内容です。もしよろしければご覧になって下さい。

Posted at 00:03 in 更新情報 | WriteBacks (0) |

2007/08/12

■漫画ナツ100に参加します

 本棚リストを元に、「酔拳の王 だんげの方」さんが開催している漫画ナツ100用の漫画推薦リストを作りました。
 下記のリンク先が、漫画一覧を書いたテキストファイルになっています。5つ目のフィールドに入っている文字列は、対象の漫画のコミックス1巻のISBN(ISBNがないものはAmazonのASIN)です。
 よろしくお願いします>だんげさん。

 → 2007年漫画ナツ100用リスト

 この中で微妙なのが掲載されている作品の大半が週刊少年ジャンプに掲載された「七つの海」、および週刊少年サンデーに掲載された「暁の歌」なのですが、これは全て読み切りの短編であり、定期的に「連載」されていた訳ではないので、一応ここに入れておきました。もし問題があるなら除外して下さい。

 今回のレギュレーションだと、トップに来るのは「よつばと!」か「シグルイ」になりそうな予感。

Posted at 15:31 in | WriteBacks (0) |

■引っ越し後の本棚リストを公開したくなった(1980年代以前版)

 本棚晒しエントリ最終回。1980年代以前の古い本です。
 高橋留美子と藤子不二雄がホント好きだったんだなあ自分。

1980年代
ラプラスの魔 (MEIMU, 1989年)
 同名のゲームのコミカライズ版。ただしゲームとは趣が異なり、主人公のミーナ達が館を探検するうちに様々な物語の世界に入り込んでしまう、という形で物語が進んで行く。「ラプラスの魔」というネームバリューのある原作に対して大胆にアレンジを施したことが印象に残っているマンガ。この頃のMEIMU先生の個性的な絵柄も魅力。
ロマンシア―浪漫境伝説 (寺田 憲史/円 英智, 1988年)
 これも同名のゲームのコミカライズ版。この頃はパソコンでゲームばっかりやってました(自分語り)。
 ただ、ゲームの方はさらわれたお姫さまを助ける王子が主人公なのだが、マンガの方は主人公の女の子が王子を助けるために旅に出るという形になっている。内容も激しくアレンジされていて原作の跡形は微塵もないんだけど、これも原作の制約を外したことで逆に面白くなったタイプのマンガだと思う。あとマジシンがかわいい。褐色少年萌え。
バオー来訪者 (荒木 飛呂彦, 1985年)
 「そいつに触れることは死を意味するッ!」という特徴的なアオリが今も語り継がれる、荒木飛呂彦先生の初期の傑作。これが打ち切りを食らったマンガだとは思えない程の高い完成度を持つ。当時リアルタイムで読んで衝撃を受けた作品。
るーみっくわーるど (高橋 留美子, 1984年)
 高橋留美子先生の短編集。この時代までの高橋先生作品のエッセンスを結集したような本。中学生時代に愛読していた記念として保存してあります。
めぞん一刻 (高橋 留美子, 1982年)
 近代恋愛マンガの礎。これも中~高校生時代にリアルタイムで読んでいたので保存。
 一つの連載を最初から最後まで追いかけ、リアルタイムで友達と盛り上がることの面白さを知ったマンガでした。
つくろう!同人誌 (まんがカレッジ, 1983年)
 まんカレ謹製の同人誌作成マニュアル。同人誌と言っても二次創作同人とか面妖本とかそういうのではなく、純粋にオリジナルのマンガを書いて同人誌を作ろう! でもって小学館の同人誌グランプリに応募しよう! という趣向。そんなのあったんだ昔。
 マンガ好きな男子が仲間を集めて同人誌を作る、という筋書きの本なのだが、その男子自身はマンガを描かないで編集に専念するというのが、この手の本としては珍しいような気がする。マンガや本を制作するにあたっての基本的な知識を教えてもらった本として個人的には思い出深い。
ダストスパート! (高橋 留美子, 1980年)
 「るーみっくわーるど」には掲載されていない「儲かり末世」が掲載されている貴重なコミックなので保存。残し方が微妙だ。
 昔ブックオフで100円で買った記憶があります。ブックオフはたまにこういう本が流れているので油断できない。
1970年代
オリンポスのポロン (吾妻 ひでお, 1979年)
 子供の頃は、よく姉の部屋に忍び込んで姉が買ってた「月刊プリンセス」をこっそり読んでいたものですが、その中で一番好きだったのが「オリンポスのポロン」でした。小学生時代の思い出の作品として保存。姉ちゃんごめん。
T・Pぼん (藤子 不二雄, 1979年)
 潮出版社版を所有。藤子不二雄先生のSFマンガにハマっていた頃にこのマンガの存在を知り、「主人公がタイムパトロールになって歴史に埋もれて非業の死を遂げた人を救う」というロマン溢れる内容にすっかりメロメロに。あと、主人公の先輩格のリーム・ストリームにもメロメロに。
 「のび太の恐竜リメイク版にリーム姉さんが出て来ないのは許せねえ!」とか言ってる困った人は、みんな子供の頃にこれを読んでリーム姉さんに萌え萌えになってたオッサンです。人のこと言えませんが。
エスパー魔美 (藤子 不二雄, 1978年)
 てんとう虫コミックス版を何巻か所有していたが、痛みが激しいため小学館コロコロ文庫版のみを保存。これなしではオレの厨時代は語れないぜ! みたいな位置付けにあるマンガ。
 このマンガの最大の価値は、主人公の超能力者に適切な助言を与える「高畑さん」という概念を発明したことにあると思う。あと、そういうポジションにいるキャラをあえておっさん体型にしたのも凄いと思う。オレはあの頃、高畑さんになりたかったんだ…(厨っぽく)
異色短編集 (藤子 不二雄, 1977年)
宇宙人 (藤子 不二雄, 1979年)
 「異色短編集」は小学館から出ていた藤子不二雄先生のSF短編集。「ミノタウロスの皿」「劇画・オバQ」「ウルトラスーパーデラックスマン」「ノスタル爺」などが収録されている全6巻のコミックス。「宇宙人」は朝日ソノラマから出ていたSF短編集で、「宇宙人」「ぼくは神様」「みどりの守り神」などが収録。
 この辺はもう自分の一部になっているので手放せません。大事に持っていたいと思います。
Posted at 11:15 in | WriteBacks (0) |

2007/08/10

■引っ越し後の本棚リストを公開したくなった(1990-1994年版)

 お久しぶりです。前回俺様本棚語りの続きです。
 今回は1990年~1994年のコミックを羅列。そろそろこの辺から10代の方は置いてきぼり気味になります。

1994年
Aquarium (須藤 真澄)
 新声社版を所有。須藤真澄先生のマンガをちゃんと読んだのは多分これが初めてだったと思う。輪廻の概念と水族館を組み合わせたユニークな世界観と、ほのぼのな雰囲気ながらも「生命」について考えさせられる懐の深さも持った作品。
 あと、これ読むと水族館に行きたくなること請け合い。当時はこのマンガに触発されて池袋のサンシャイン水族館へ行き、マンボウをずっと眺めていたモノでした。懐かしいなあ(自分語り開始)。
覚悟のススメ (山口貴由)
 もはや、自分にとってのバイブル的な存在のマンガの一つ。作者の熱意が絵や台詞から迸りまくっている、文句なしの傑作。当時は、山口貴由先生とはこのマンガを描くためにマンガ家になる運命を授けられた存在に違いない! と思い込んでいた程(迷惑)。
 「シグルイ」もそうですけど、山口先生のマンガは「山口貴由でなければこのマンガは絶対に作れない」と感じさせる強烈な個性を感じさせます。
1993年
海底人類アンチョビー (安永 航一郎)
 基本的には(この時代における)いつもの安永航一郎先生のマンガなんだけど、最終巻ではいきなりハードSF的な展開を見せるところが侮れない。そんな中でも話のノリは相変わらずの安永節なところも凄い。何かこう安永先生のマンガ家としての地力を見たような気がする、という意味で印象的なマンガ。
エンジェリックゲーム (柴堂 恭子)
 柴堂恭子先生のマンガとしては珍しい、現代(1990年代)を舞台にしたサスペンスドラマ。物語後半では当時自衛隊が派遣されたことで話題になっていたカンボジアを舞台にするなどの意欲作ではあったものの、何かよく判らないけど諸般の事情で未完扱い。どうした小学館。
 個人的にこのマンガが記憶に残っているのは、多分柴堂恭子作品としては(これも)珍しく男女の恋愛を真正面から扱っている話だったからと思う。
ダンジョン・マスター (栗橋 伸祐)
 同名のゲームのコミカライズ。原作のゲーム世界の設定を尊重した上で、パーティーのキャラクター達(全て原作のゲームに登場する)にこのマンガ特有の個性を付けることに成功している。ゲーム原作のマンガとして、とてもよくできている作品だと思う。
コーリング (岡野 玲子)
 潮出版社版を所有。ファンタジーの名作「妖女サイベルの呼び声」のコミック版。岡野玲子先生の卓越した表現力によって、作品世界を更に魅力的なものとして描いている。またストーリーの面でも、重要なシーンでは原作にない心理描写的な掘り下げがなされており、原作を事前に読んでいれば更に楽しめるようになっているのも素晴らしい。祖父江慎氏による「魔術書」っぽい装丁もステキ。本棚に常に飾っておきたい本。
がらくた屋まん太 (能田 達規)
 自分が初めて能田達規先生の存在を知ったマンガ。主人公が様々な発明品を作ってご町内を舞台に大暴れするという、後の「おまかせ!ピース電器店」の礎となる痛快ハチャメチャガジェットSF。終盤になるとシリアスな話が増えるものの、基本的にはウィットとSFマインドに富んだユーモア溢れるギャグマンガ。今読んでも面白いです。にしても中古価格が高いなあ。
1992年
グリーンゲイトへようこそ (めるへんめーかー)
 我々の世代にはファンタジー漫画の旗手としてなじみ深い、めるへんめーかー先生の作品集。イギリスの田園都市を舞台にした、全体的にほのぼのした雰囲気のコミック。青春時代の思い出として保存。こういうの好きなんですよ。
マトゥルスの血族 (沢田 一)
 最近になって完全版が出て個人的にビックリしている、沢田一先生の初期の作品。ドラゴンマガジンで連載。冒頭はこの時代のファンタジー作品に頻繁に見られる「乱暴な主人公男子と気の強い女子」の冒険行な話なのだが、「不死」を題材に徐々に物語のスケールがアップして行く展開の力強さが魅力。あと、最初に敵役として出てくるキーラ(属性・ツンデレブラコン女子)がモリモリ可愛くなっていく様が萌え。
七つの海 (岩泉 舞)
 今も根強いファンを持つ、岩泉舞先生の現在唯一の作品集。気弱な少年の心の成長を描いた表題作の「七つの海」、世界から徐々に忘れられ消滅していく主人公の心情を描いた「ふろん」など、今もその内容を鮮明に思い出せるくらい強烈なイメージを自分に残しているマンガが掲載。これからも決してその存在を忘れないであろう本。
GS美神極楽大作戦!! (椎名 高志)
 結果的に、これと出会ったことで自分の運命が変わってしまったマンガ。当時は、本気で「美神令子みたいになりたい」と思ってました。いや別にワンレンボディコンの姉ちゃんになりたかった訳ではなく、自分の力だけで自信を持って好きなように人生を渡り歩いていけるくらい「強い」人間になりたい、という意味でです。ホントです。
 一番好きな女性キャラは小鳩ちゃんです(聞いてない)。
1990-1991年
燃えよペン (島本 和彦)
 竹書房版を所有。「燃える漫画家」島本和彦先生の、言わずと知れた名作。「時間が人を左右するのではない! 人が時間を左右するのだ!」等、魂を揺さぶられる至極の名言の宝庫でもある。漫画家志望に限らず、何らかの大望を志している人は読むべき。
巨乳ハンター (安永 航一郎)
 安永航一郎先生の魅力が凝縮しているギャグマンガ。おっぱいとかが沢山出てくる不健全な内容にも関わらずどこまでも健康的な雰囲気、清々しいまでに徹底された馬鹿馬鹿しいストーリーの数々、B級的な意味でのパロディセンスの素晴らしさ。全てが上手く噛み合った作品だと思う。
グラン・ローヴァ物語 (柴堂 恭子)
 潮出版社版を所有。初期の柴堂恭子先生作品にして、柴堂作品の魅力が凝縮して込められているようなマンガ。読むと「世界」や世の生き物たちに対する考え方が変わるかも知れない――と言っても過言ではない、ファンタジーならではの壮大なスケール感を持った作品。
 あとイリューシアかわいい。超かわいい。自分が人外萌えに目覚めた作品でもあります。
伝染(うつ)るんです。 (吉田 戦車)
 言わずと知れた四コママンガの革命的存在。よって説明不要。これは持っとかないと。
キャウ・キャット・キャン (道原 かつみ)
 SF的な世界観を持った作品が多い、道原かつみ先生のマンガ。猫を祖先に持ち「人類に奉仕する」ことを遺伝子に刷り込まれたヒューマノイド達が住む、人類から捨てられた辺境の惑星を舞台にした話。自由に生きたいが刷り込まれた宿命から逃れられないヒロインの葛藤が印象的。女性読者向けSFコミックの奥深さを知った作品。
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2007/08/05

■「パンドラ」を悪の組織と紹介するハシラの文章にそろそろ違和感を感じて来た人の数→(サンデー35号絶チル感想)

絶対可憐チルドレン

 お久しぶりです(絶チルカテゴリーでは)。
 ここのところの話の感想を少し書きます。

・キャリー編

 皆本が幼女を育成することは、やっぱり彼の宿命だったんだなあと思いました(端的な感想)。
 また、このマンガにおいて「エスパーの背中に生えた羽」とは、純粋に誰かを護りたいと願う力の象徴であるということが提示されたエピソードでもあります。以前澪が薫の背中に「羽」の幻影を見たことがありましたが、あれもまたエスパーという「仲間」を護りたい薫の意思の表れだったのでしょう。

 あと比較的どうでもいいこととしては、最終話で結局皆本はキャリーとどこまで行ったのか(性的な意味で)が気になります。皆本が童貞なのか否かは、この作品を深く読み取る(=あらぬ妄想をして楽しむ)上において非常に重要なポイントだと思うのでつい。この前のサイン会の時、椎名先生に「皆本って童貞なんですか?」と聞いておけば良かったYO!(バカ)

・黒い幽霊編

 バンダナ+ボサボサ頭だと、どうしても「GS美神」の横島君を想像してしまいます。横島君格好良くなったなあ(まちがい)。

 それで今回は、ついにエスパーを純粋に兵器として使用する意志を持った組織の存在を臭わせる展開に。
 これまで、このマンガの中でのエスパーの敵役はエスパー排斥組織であるところの「普通の人々」が担ってきたのですが、今回の敵はエスパーをも自分の意のままに操ろうとしているという意味で、「普通の人々」とははるかにスケール感が違います。兵部率いる「パンドラ」はあくまでエスパーの解放を目的とした組織なので、今回出てきた連中はまさに兵部にとっての天敵であると言えましょう。

 そして薫は、上述したように同じエスパーを護りたいという強い意志を持っているので、そういう意味において薫は兵部と同じ目的を共有しています。兵部はまだ薫にそんな「汚い」組織があるということを知らせたくないみたいですが(結局はエスパー同士の殺し合いになってしまうからだと思われ)が、でも多分今回の一件で薫は何かを知ってしまいそうな気がしてなりません。徐々にストーリーは悲劇的な方向に流れつつあるように思えます。

 この辺はこのマンガにとって極めて大事な部分だと思うので、焦らずじっくりと話を進めて欲しいですね。
 雑誌での掲載位置が下がり気味なのが相変わらず気になりますが(ドクロ)。がんばれ読者アンケート。

2007/08/04

■こういう時代を俺達は生きた!「LOVEオートメーション」

LOVEオートメーション

 玉越博幸先生サンデー初登場。玉越先生というと我々の世代だとどうしてもかつてマガジンで連載されていた「BOYS BE…」な訳であり、まだベッタベタなラブコメマンガに対して耐性ができていなかった初心純真だった当時の我々は、「べ、別にアタシはこんなマンガ好きな訳じゃないんだからね! たまたま毎週マガジンに載ってるから、仕方なく読んでるだけよ!」と見え透いた言い訳をしてツンツンしつつ、内心では大喜びでデレデレしながら読んでいたものです。
 そして「BOYS BE…」の人気に対抗する形で、サンデーでも猪熊しのぶ先生作の同系統のラブコメマンガ「サラダデイズ」が開始。90年代少年誌におけるラブコメマンガの黄金期が到来したのです。そういう意味においても、玉越先生は一つの時代を築いたマンガ家だと言えるのではないのでしょうか。
 まあでも結局、その黄金時代の勝者となったのは、「BOYS BE…」の玉越先生でも「サラダデイズ」の猪熊先生でもなく、ラブひな」の赤松健先生だったんですけどね(ドクロ)。

 それで今回の「LOVEオートメーション」ですが、「ガチャガチャ」以降の玉越先生の作品らしい、安定感があって素直に楽しめる、とても上質のラブコメマンガになっていたと思います。「未来派ラブコメ!!」というアオリが入っているコマが90年代的な典型的玉越マンガのパンチラシーンだったのはご愛敬ということで。
 あと、もし本当にララみたいなアンドロイドが存在していたら、世の男性はみんな現実の女性を放ったらかしてララたんにハァハァしてしまうと思います。困ったものですね(褒めてるの?)。

■「結界師」界最萌えキャラの閃にライバル出現!の巻(サンデー35号結界師感想)

結界師

 新キャラの巫女のサキちゃんの可愛さは異常。何というかこう、「田辺先生、この辺で一つこうパッと萌えるキャラみたいなのを一つお願いします!」みたいな要請がサンデー編集部からあったのではないか? と思ってしまうくらいの萌えっぷりです。
 結界術の中でちょこんと正座し、両手をあわせてビクビクしながら結界師達の様子を伺う様は、彼女が被虐系萌えキャラであることを提示してます。いぢめられればいぢめられる程可愛さが増す、やっかいなタイプです。しかも伝言用の妖蝶を無限増殖させちゃったところからして確実にドジッ子です。萌え対象としてなかなか侮れないスペックを持つキャラと言えましょう。サンデーに被虐系ドジッ子萌えキャラが出てくるのは「聖結晶アルバトロス」のアルバトロス以来?(どうでもいい)

 「絶対可憐チルドレン」では、予知能力者をイルカにすることで「予知はするけどそれに介入はできない」作品世界における予言者の位置付けを明確にしていますが、「結界師」の場合はそのポジションに自分の予知にオロオロした挙げ句にドジを踏んで捕まってしまう程度に役立たずなキャラを配するところが絶妙です。彼女には、いまいち華が足りなくて地味だ地味だと散々言われている「結界師」のイメージアップに貢献して欲しいなと思いました。

 時音姉さんの入浴シーンは、華ところか色気が全くないところが、逆に彼女らしくて素敵だなと思います。

■西沢母は甲斐君と結婚しても同じ愚痴を言っていると思ったサンデー35号ハヤテ感想

ハヤテのごとく!

 ここのところ比較的いい感じにグデグデな、要するに割とどうでもいい話が続いていた感がある「ハヤテ」ですが、何か今週からいきなり物語が動き出しそうな衝撃の展開がスタートしました。
 あのナギがハヤテの為に自ら喫茶店でウェイトレスとして働いて金を稼ぐつもりになるだなんて、正直ちょっとビックリです。突然勉強をする気になったのび太君を目の当たりにして驚くドラえもんになった気分です。

 更に、これからは同じ店で働くことになった西沢さんと常に相対することになるということで、更に今回のバイトがナギにとって大きな試練となることは必至の状況に。
 西沢さんと言えば、かつてはサンデーにおける報われない女性キャラナンバーワンの座にあったものの今では人間的に大きく成長、小説版ではナギからは侮れない存在として認識され、ヒナギクからは憧れの存在として尊敬されるいう、まるで人類最強の恋する乙女のような完璧超人として扱われる存在となっています。畑先生はおそらく小説版の人間関係も律儀にマンガの方に反映させて来るでしょうから、今回はナギが西沢さんを意識することで彼女の成長を促すような話になるのではないか? という気がします。同様に、ヒナギクと西沢さんとの絡みにも期待していきたいところ。

 しかし、マンガの中ですらハヤテの誕生日まで半年以上あるということは、実際に我々がハヤテの誕生日イベントを読むことになるのは、いったい何時のことになるのでしょうか。ナギとハヤテの行く末を見守るためにも、まだワシラは死ぬ訳には行かないようじゃのうフォフォフォ、みたいな悠長な心境で見守っていきたい所存です。

2007/08/02

■引っ越し後の本棚リストを公開したくなった(1995-2000年版)

 お久しぶりです。前回本棚自慢の続きです。今回は1995年~2000年のコミックを羅列。
 なお、今週のサンデーはこれから読みます><

2000年
阿弖流為2世 (高橋 克彦/原 哲夫)
 「アメリカの次はエイリアンにNOだ!」「捨て おけ!
 原哲夫先生のマンガは、描かれた時代の雰囲気を反映していて面白いですよね(穏便な表現)。
がんばれ酢めし疑獄!! (施川 ユウキ)
 現在は「サナギさん」を描いてる施川ユウキ先生の出世作。不条理ギャグと言うよりも哲学ギャグと表現した方がいいかも知れない。作者のセンスが妙に私の性に合います。
あずまんが大王 (あずま きよひこ)
 「女子高生が日常を緩やかに消費する」系マンガの金字塔的な作品にしてデファクトスタンダード。中毒的なまでの再読性の高さは今以て魅力的。
MISTERジパング (椎名 高志)
 現代椎名高志マンガの礎。このマンガが完全に消化できなかった「予知によって決められた未来への抵抗」というテーマを「絶チル」が受け継いでいるのではないかと思ってます。
1999年
愛人 AI-REN (田中ユタカ)
 田中ユタカ先生が、エロマンガ家としてのキャリアを賭け、己の持てる全ての才能を注ぎ込んで造り上げた魂の結晶。読むと心を揺さぶられること間違いなしな名作。こんなしんどいマンガを最後まで描き切ることができた田中ユタカ先生の気力は、本当に素晴らしいと思う。
公権力横領捜査官・中坊林太郎 (原 哲夫)
 「親は関係ないだろ、親は!おー!?」があまりにも(ネタとして)有名なマンガ。原哲夫先生の画風とベタかつ破天荒なストーリーがマッチしており、何度読んでも楽しめる。『大衆向け娯楽マンガ』の魅力を体現したかのような作品。
チャッピーとゆかいな下僕ども (ながいけん)
 リンクは大都社から出ている大増補版。みんな大好き(決めつけ)ながいけん先生の、最初にしておそらく最期の作品集。独自路線を行くギャグマンガ家としての希有な才能を存分に堪能できるが、あとがきを読んでいるとその「才能」があったからこそサンデーというメジャー誌ではやっていけなかったのかな、とも思う。
 昔サンデー増刊に載った「極道さんといっしょ」を読みたいので、「モテモテ王国」の未収録分と含めてコミックスを出して下さい。
スタンダードブルー (宇河 弘樹)
 「朝霧の巫女」の宇河弘樹先生の初期作品。近未来の海洋都市を舞台に、父親を海で失った主人公の女の子が様々な経験を経て成長していく、という筋書き。個人的に海洋冒険モノが好きというのもあるけど、最終話の「父」の存在と向き合った上で大人へと成長していく流れが個人的にツボ。
進め!!聖学電脳研究部 (平野 耕太)
 新声社版を所有。基本的には作者が好き勝手やってる変なマンガなんだけど、それ故に「アレな感じのゲームをネタにして楽しむ」オタク気質や、「情報に流されず本当に自分が好きなゲームを好きと言ってプレイする」コアなゲーマー気質といった、作者の世代のゲームファン達が持っていた雰囲気を伝えていることができている気がします。
半分少女 (流星 ひかる)
 思春期特有の、甘酸っぱくてちょっとエッチでかつ少し不思議なマンガを描かせると圧倒的なアドバンテージを発揮する、流星ひかる先生のマンガ。先生のコミックは何冊か持っていたけど、悩んだ末に一番最初に買ったこれを残した次第。
ホアー!!小池さん (藤子 不二雄A)
 コンセントレーション!(挨拶) 藤子不二雄A先生でなければ到底許されないキャラクターやストーリーが跋扈する、色々な意味でAテイストに溢れたゴルフマンガの怪作。これが本当のAだ!(決めつけ)
羊のうた (冬目景)
 持っているのはソニーマガジンズ版。自分が冬目景という漫画家の魅力を知ったマンガ。主人公の姉の千砂の美しさと純粋な意味でのエロティシズムが忘れられない。あと八重樫さんの健気さも忘れられない。今も自分の心に深く余韻が響いている作品。
1998年
魔術っ子!海堂くん!! (すがわら くにゆき)
 ポップな絵柄のキャラ達が軽快かつ大胆なオタクトークを全編に渡って炸裂させる、すがわらくにゆき先生の作品。「ひょーっ!やっぱりエロ同人はいいのう!」「死んじゃえばいいのに」「ちんこが二本も三本もっ!」「貴様こそアニメとマンガと声優以外の話題で会話してみやがれっ!」等、素敵な台詞が飛び交うマンガ。
 初めて読んだ時はカルチャーショックを覚えました。ある意味、自分のオタク人生に大きな影響を与えたといって良い一冊。
大同人物語 (平野 耕太)
 同人オタク達をスタイリッシュに描いた異色作。
 こんなマンガを描けるのは、おそらく平野先生しかいません。
神聖モテモテ王国 (ながいけん)
 ひるいなき孤高のギャグマンガ。90年代のサンデーに「黄金期」があったとしたら、それは「モテモテ王国」が連載されていた時期だと思います。
1995-1997年
電波オデッセイ (永野 のりこ)
 電波系なギャグの中に「社会になじめない者達の苦悩」というテーマを込めてマンガを描いてきた永野のりこ先生の作品の中でも、メッセージ性が極めて強いマンガ。
 当時このマンガに救われた人も、きっと多いはず。
グルームパーティー (川島 よしお)
 「昭和時代の辛気くさいネタ」と「かわいい女の子」のミスマッチが絶妙な雰囲気を醸している四コママンガ。「女囚さそり」をインスパイアした「さそりちゃん」シリーズがもの凄く好き。故に永久保存。
モジャ公 (藤子不二雄)
 小学館コロコロ文庫版を所有。1969年に描かれたマンガ。
 基本的には「21エモン」と同系統の宇宙冒険モノなのだが、このマンガから感じる死のオーラの強さはもはや尋常ではない。ブラックユーモアが冴え渡った藤子スペースオペラの傑作だと思う。こんなハードなマンガを低学年を対象とした雑誌に連載した藤子F先生はやはり偉大だ。
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