2005/07/29

■健介殿はサンデーで一番カッコイイ男だと思ったサンデー35号感想

  1. 名犬ジョン
  2. 桐壺帝三53歳(絶対可憐チルドレン)
  3. 今週のあいこら
  4. 「自由って何だ」「孤独を恐れないこと」(結界師)
  5. カミロボ

1. 名犬ジョン

 「名犬ジョン」は「うえきの法則プラス」が急遽休載のために掲載された代理原稿作品ですが、思いの外楽しく読むことができました。

 本来ならカワイイものに「ゴルゴ13」系の濃いルックスの顔をあてがってギャップで読者を笑わせるパターンのマンガは、おそらくギャグ漫画家を志そうとする人なら必ず一度は作るのではないかと思われますが、「名犬ジョン」は図らずもその黄金パターンの有効性を改めて証明する形になりました。
 また、他にも「母さん、とりあえずお豆腐とおっぱい買ってくるから!」なんて台詞回しにも、作者のセンスを感じます。少なくとも、ここ最近サンデーに出てきた読み切りのギャグマンガの中では、割と「面白い」部類に入るのではないのでしょうか。
 とりあえず、作者の橋本時計店氏の名前は覚えておく価値はありそう(エラそう)。

 あとついでに最近の「うえきの法則プラス」ですが、新キャラクターのソラが常に食べているハンバーガーが、コマ毎に食べかけ度合いが微妙に異なっている点が気になります。前のコマよりも残っているハンバーガーの量が増えているように見える時もあったりするので、ゆめゆめ油断できません。
 もしかして彼女は、ハンバーガーを1個/コマのペースで消費していたりするのでしょうか? それとも、一度食べたハンバーガーを復元させる能力を持っていたりするのか? カワイイ外見に似合わず、なかなか彼女は謎が深そうです。

2. 桐壺帝三53歳(絶対可憐チルドレン)

 「しかたなかったんじゃああああああああッ!
 仕方ないオッサンだなあ(感想)。

 それはさておき、今回のお話は、第一話に出てきた朧の台詞「仕事から何かをもらうことも大切ですよ」を実証するような話になりました。
 つまり、大人の仕事は子供に様々なことを教えることであると同時に、「教えたことは守ってくれる」と子供を信頼してあげることであり、子供を信頼するが故に大人は無闇に子供に干渉してはいけない――と子供達から教えてもらうことが、今回のエピソードにおける作者の主張の一つだったのではないかと思います。なんて教育的なマンガなのでしょうか。同じ『教育的』でも、「Dr.椎名の教育的指導!!」における『教育的』とは、教育の意味合いがまったく異なりますね!
 昔は「怪人耳かき男」とか「怪人爪切り男」とか超度7クラスの変態ばっかり出てくるマンガを描いてた人が、今ではこんなマトモなマンガを描けるようになるだなんて!(失礼)

 また今回は、東野が「お前じゃないっていうならそれを証明しろ! それができたら、もう一度だけお前らのことを信じてやる!」と言い、薫がでそれに応えたように、人間と超能力者が相互を信頼できる関係を築くことこそがこの作品世界においては最も大切であるということが、明示的に提示された回でもあったと思います。

 超能力者とは言え所詮中身は普通の人間と一緒に過ぎないので、自分が他人からどう思われているのか不安にもなるし、能力を持っていたらそれを使ってしまいたくなる弱さも持っています。ちさとが東野に対してやったことは、結局は彼女が「普通の人間」であることの証でもあります。
 東野のような一般人が、超能力者もそういう意味においては並の人間と全く変わらない存在であることを理解し、そして超能力者がそういった力を無闇にふるわないと信頼することができるようになれば、究極的にはチルドレンが人間にとっての悪魔になる未来の到来を防ぐことに繋がることになるはずです。

 大人と子供の間の信頼、そして超能力者と普通の人間との間の信頼。形は異なりますが、相互理解に大切なものはどちらも変わりません。今回のエピソードの中にも出てきた皆本と紫穂のように、お互いがごく自然に手を繋ぎあえることができる関係こそが、この作品世界における「理想の姿」なのでしょう。そんなことを考えさせられたお話でした。

 改めてこんなこと書くと、やっぱりこのマンガはすげえ教育的だなあと思わされます。第3話にして、早くも全力で本領を発揮してますね椎名先生。
 いやホント、ほんの十数年前までは、超度7クラスの女装癖を持った熱血男性教師が主人公のおかしな四コママンガを描いてた人だったのになあ!(重ねて失礼)

3. 今週のあいこら

 いやもう、もうどこから突っ込んでいいのか困ってしまう程、今週の「あいこら」はおかしなお話でした。
 基本的には「胸が大きくて悩んでいる女の子の心を主人公が救う」というハートウォームなエピソードのはずなのですが、その主人公が重度のおっぱいフェチで、弓雁ちゃんの心を守るためではなくただ自分の歪んだフェティシズムを満足させるおっぱいを守るためだけに行動しているというだけで、ここまでバカなお話になってしまうのが凄いなと思いました。勿論、バカは常に褒め言葉です。
 とはいえ、彼がアクティブに己の変態趣味に基づいた行動を取ったからこそ、胸にコンプレックスを持ってる弓雁ちゃんの尊厳を守ることに結果的には繋がったのも事実。変態趣味の持ち主でも人を救うことができるんだ! という、変態賛歌なエピソードとして解釈することも可能なこのマンガの懐の深さは、決してあなどれません。

 あまりにあからさまなツンデレヒロインの存在の印象が強すぎるためか『「ラブひな」の二番煎じ』みたいな評価をネットでよく見かけるこのマンガですが、でもこのマンガが狙っている本当のポイントは、そんな安易なところではないのではないか。先週や今週の「あいこら」を読んで、私は本気でそう考えるようになって来ました。

4. 「自由って何だ」「孤独を恐れないこと」(結界師)

 本当に自由な存在である者は、孤独であることを誇ったりはしないものです。

 実際問題として、限に対して「自由」を語る火黒は、力は持っていても本当の意味において「自由」な存在ではないんですよね。彼が限を仲間に引き入れようとしているのは、黒芒楼側が『裏会』戦力の切り崩しを画策しているからという理由以外にも、火黒が自由を得るためには限の力が必要になるからではないか? と、深読みしたくなるようなエピソードでした。
 その後に出てきた黒芒楼の連中も、諸般の事情で不自由な境遇に甘んじている様子が描写されています。「結界師」の世界で化け物やっていくのも、色々と大変なんですねえ。

5. カミロボ

彼は子供の頃より、27年間もの間、ただ自らの楽しみのためにカミロボを生み出し続けてきた!
 そして、それを自らの世界の中で、たった一人で戦わせてきた!
 カミロボとは!
 一人の人間が生み出した、一人遊びの世界である!

 たった一人で生み出した、究極の一人遊びの世界!
 冒頭のアオリ文句を読んだだけで、私は猛烈に感動した!(弱い)

 子供の頃は誰しもが自分だけの一人遊びの世界を持っていたはずであり、それ故にその世界を大人になるまで失うことなく育て続けるために必要なパワーというか妄想力の大きさと、それを維持し続けるための苦労も、また誰しもが理解できることでしょう。
 「カミロボ」制作者の安居氏は、自分の中に生まれた妄想の世界を「大人になっても自分の好きなものを捨てる必要はない」と信じて育て続け、また彼の周囲の人たちも彼の妄想をバカにすることなく、逆に「面白い!」と価値を発見できるだけの感性があったからこそ、「カミロボ」は現在のような形にまで成長したのでしょう。
 今回掲載された「カミロボ誕生物語」は、自分だけの妄想を育てることの大切さと、他人の妄想を面白がれるセンスを持つことの大切さを描いた、妄想感動巨編なのです。少なくとも私はそう理解しました。この理解は間違っていませんよね? ね?

 また、今回の作画は萌える少年キャラを描かせたらサンザー随一の力を発揮するあおやぎ孝夫先生が担当していますが、なんかこうまさに適材適所ですな。無邪気でやんちゃな少年時代、夢を捨てて現実を見据えようとするクールな中学時代、カミロボを仲間から認められて照れまくってる大学時代、そして顎髭メガネキャラな現在と、どの時代の主人公もかなりの萌えっぷり。まだその腕は衰えていないようで何よりです。次の登場にも期待してます。

2005/07/26

■てれびくん7月号感想

 「みんなも、さいごまでネクサスを応えんしてね!

 と書かれた「てれびくん」のネクサス記事に哀愁を感じる今日この頃です。こんにちは(挨拶)。
 まだ仕事の方が収束していないのでこの日記も完全復調という訳には行かないのですが、椎名センセのサイトてれびくん版「ネクサス」最終話の話題が出ていたので、今更ながらですが7月号(と、最近のネクサス)の感想を少し。

 で、勿論てれびくんに言われるまでもなく、ここ最近の「ネクサス」は毎週楽しく観てます。特に、先週~今週にかけてのネクサスとビーストとの戦闘シーンなんかは、「ウルトラマンと怪獣が市街地ミニチュアのセットを破壊しながら戦う」という、これまでのネクサスには(ウルトラマンでありながら)滅多に出てこなかったシチュエーションだった上、ネクサスがナイトレイダーと共闘しながらプロレス技を駆使してビーストを退治するという燃え燃えな展開を見せてくれたので、個人的にはもう大満足。
 アメフラシ型ビースト(メガフラシ)が怪光線でビルを破壊した時なんか、思わず「やった! ついにセットを壊した!」と奇声を上げて大喜びしてました(バカ)。

 そんな感じで戦闘が盛り上がる一方、ストーリーの方も毎回が怒濤の急展開の連続。これまで散々焦らしてきた伏線の数々が、次々とそれこそものすごい勢いで明らかになっていく様は、ある意味壮観です。
 ここ最近の「ネクサス」をこのサイト的に表現するとすれば、リョウが子供になってからの「一番湯のカナタ」や、連載に片を付けるためだけに10週限定で連載を再開、読者が思わず引いてしまうくらいの鬱展開を続けまくった「きみのカケラ」と類似したノリを感じます。例え作品の評価がどうなろうとも表現したかったことを時間が許す限り描き続け、それが伝わる者に全てを託そうとする作者の強い意志が、そこにあるように思えるのです。

 「死ぬ気で戦うのと、死んでもいいと思って戦うのは違う!
  明日がなくとも、生きるために戦いなさい!

 11日に放送されたエピソードに出てきた凪副隊長のこの台詞、そしてそれに対して「俺は俺の光を走りきる!」と応えて最期の戦いに挑む憐の姿からは、例えあと放送回数が2回しかなくても最後まで前に歩むことを諦めない、この番組の今の姿を連想させます――と言ったら、さすがに誉めすぎでしょうか(過ぎてる気がする)。

 原作がそんな感じで急展開を見せているため、ページ数がより少ない「てれびくん」掲載の椎名コミックス版も凄いことになってました。
 今回の話は、原作では30~35話で明かされる憐や吉良沢の出生の秘密、そして上記の「俺は俺の光を走りきる!」という台詞に象徴される憐(ジュネッスブルー)の心理の変遷にスポットを当てているのですが、何しろページが少ないため、原作ドラマ後半で憐と深く関わって彼の変化に対して大きな役割を果たすことになる瑞生全く登場しません。彼女が憐に対して果たしたドラマ上の役割、およびナイトレイダーのメンバーとウルトラマンとの間に築かれた信頼関係の表現などは、コミック版では全て孤門一人で担当しています。

 その結果、「孤門×憐」的な雰囲気が何だか濃厚に。憐の体の心配をするあまり胸ぐらを掴んで激高しながら「どんなことがあっても必ず生きて戻れ!」と言ったり、街の人々を守るためにウルトラマンに変身した憐を助けるために真顔でCICに援護を要請したり、憐について調べたことについて一人で悶々と思い返したり、絶妙の連携で憐と一緒にビースト倒したりと、今回は孤門が原作以上に大活躍しています。

 ただ、原作が30~35話で表現したかったであろうテーマは基本的にコミック版の中で一通り触れられているので、これはこれで問題ないでしょう。むしろ、「よくここまであの話を要約したものだ」と、逆に感心させられました。
 既に孤門は物語のキー要素を背負って表現できるだけのキャラになっていることを、今回のコミック版ネクサスは端的に表現していたような気がします。

 あと今月の「てれびくん」には、「ウルトラマンマックス・最強!バトルカードゲーム」という名前の限定ジャンケンゲームがオマケについてましたが、タロウとかエースとかセブンとかバルタン星人とかエレキングとかキングジョーとかいった往年のウルトラキャラの写真がわんさか印刷されてて、なんか妙に懐かしくなってしまいました。自分が小学生だった頃、「小学X年生」(X=1~4のどれか)か何かで彼らのグラビアを見た記憶があります。数十年ぶりの再会!
 「ネクサス」で新しいことをやろうとしたウルトラマンですが、結局行き着いた先は昔と変わらないこの場所だったということなのか?(←深く考えすぎです)

 あと、このカードゲームに出てくるダークザギって誰?(←ググれ

2005/07/22

■葵が急速に一般人化しつつある状況に警笛を鳴らしたいサンデー34号感想

  1. 「王族に生まれし雷…雷帝ゼオン!」(金色のガッシュ!!)
  2. 「死んでしまえこの変態共ォ!」(あいこら)
  3. 変な執事参上(ハヤテのごとく)
  4. 「登場! これが白帝の最強軍団…」(ブリザードアクセル)
  5. 今週のこわしや我聞
  6. 定点観測:今週の絶対可憐チルドレン

1. 「王族に生まれし雷…雷帝ゼオン!」(金色のガッシュ)

 最近あまりに登場していなかったので、すっかりゼオンの存在を忘れていました(挨拶)。

 真のヒーローは遅れて登場するのがこの手のマンガのセオリーですが、そのパターンに当てはめると今回のファウード編の本当の主人公はこのゼオンということになります。しかもリオウから「雷帝」とか呼ばれちゃってますよ彼。「王族に生まれし雷」という二つ名を持っているってことは、ゼオンは現魔界の王のご子息様か何かなのでしょう。
 ということは、ゼオンと同じ電撃技を使うガッシュも、必然的に王族の血を引く者であるということに。ああ見えて実はお坊っちゃまだったんですかガッシュ。アニメや映画の方では既出の設定?

 あと今週は、早くも清麿の心臓が蘇ってしまいました。数多くの魔物を倒してきたガッシュのパンチの前では、さすがに瀕死の清麿の心臓も動かずにはいられなかった、ということでしょうか。
 同時に「ファウードの回復液に漬かればダメージは回復できる」というソリューションも提示されたので、そう遠からず清麿は戦列に復帰することができるでしょう。このネタでもうちょっと引っ張ると思っていたので残念です(残念?)。

2.「死んでしまえこの変態共ォ!」(あいこら)

 気の強い女の子が泣きながら癇癪を起こす姿が大変に萌え萌えなので第二位(バカ)。

 今週登場した新たな変態メガネ渋沢龍之介君ですけど、如何にも井上先生のマンガに出てきそうな、見ていて安心感がある心温まる変態君だなあと思いました。
 「美鳥の日々」に登場した変態メガネの高見沢君は、最終的に立派な造形師として真っ当な人生を歩むことに成功しましたが、「あいこら」の変態メガネ君の方はどう考えても既に引き返せそうにありません(人道に)。勿論、主人公のハチベエ君も、決して悪い人間ではないのですが、でもやっぱり引き返せそうにありません(人道に)。

 ちょっと道を外れた人達が幸せになるストーリーを描くことを得意とする井上先生ですが、今回は己の作品に課すハードルを更に高く設定してしまった模様。果たして先生は、パーフェクトパーツフェティシストな彼等に幸せを与えることはできるのか?

3. 変な執事参上(ハヤテのごとく)

 執事でありながら、「ご主人様」であるはずの少年を雑用にこき使う主従逆転な関係性が大変に萌え萌えなので第三位(バカ)。

 この二人の異常な関係といい、涼しい顔していきなりハヤテを脱がしにかかったりする性格といい、畑先生はソッチの方もちゃんと判っていらっしゃると思いました。「美形の男性キャラを描くのは苦手」と言いながらも、こうしてちゃんとマンガにして表現できるんだから大したものです。
 今週の「ハヤテ」を読んで、畑先生の漫画家としての力量はやはり侮れないものがあるなあ、という思いを強くした次第です。

 そして、マリアさんの究極超人っぷりが証明されたのも、今週の目玉の一つでした。学院の歴史を塗り替える程の実績を修めたのであれば、フィクサーとして暗躍できる程の影響力を持てるのも納得です。
 あと、若くして飛び級を繰り返していたということは、それだけ精神面でも成熟するのが早かったのではないかと思われるので、今の彼女が年の割に老けて見えるのも納得できます。コミックス2巻のおまけマンガで「17歳です ピチピチです」と微笑む彼女に激しく無理を感じたのも仕方ありません。やっぱり貴女は、年の割に苦労してやつれている姿こそがよく似合うタイプの女性なんですよ。
 そんなマリアさんが、私は大好きです(フォロー)。

4.「登場! これが白帝の最強軍団…」(ブリザードアクセル)

 さすが最強軍団!
 梧桐君以外は、誰一人として中学生には見えません!(まちがい)

 あと今週の話では、初登場の時は自信満々だった五反田君が、白帝の超人達に囲まれた今ではすっかりヘタレキャラになってるところにグッと来ました。「白帝の最強軍団」な扉絵の中に五反田がいないということは、彼は早々にリタイアすることが確定なんでしょうか?
 今の情けない彼を見ていると、なんというかこう私の中の落ちぶれキャラ萌え属性が疼いて来ます。この調子でもっと落ちぶれて下さい。

5. 今週のこわしや我聞

 今週の「こわしや我聞」の密度の濃さは異常。1コマたりとも無駄なコマがなく、かつどのページにも必ず、ニヤリとさせられたり、ゲラゲラ笑えるギャグが入っていたり、桃子ちゃんの古典的な生意気お嬢様っぷりに萌え萌えになったりといった仕掛けが満載。更に、連載マンガとしての次週への引きも十分。完璧です。完璧すぎます今週の我聞。
 ここ最近は巻末付近をウロウロしていることが多い「こわしや我聞」なのに、こんなに面白くていいのでしょうか(失礼)。

 やっぱり、桃子とこのマンガのレギュラーキャラクター達との相性が極めて良い点が、今週のノリの良さに繋がっているのでしょう。今回の話のようなドタバタ学園コメディーができるマンガは、「いでじゅう!」亡き後の今のサンデーでは極めて貴重かつ不可欠な存在なので、「我聞」にはぜひこの調子で今後も頑張って頂きたいと思いました。

定点観測:今週の絶対可憐チルドレン

 「同い年の子って『チルドレン』しか知らないもんね。
  フツーの子って何、考えてるのか透視るのが楽しみ

 この年頃の子供は基本的にテレビとかマンガとかゲームとかうんことかの事しか考えていない(参照:サナギさん1巻)ので、あまり透視はしない方が賢明なのではないかと思われます。

 それより紫穂の場合、カラーページに出てきた未来予想図で、短期連載版では薫よりも大きかったはずのおっぱいが、現在は薫よりも小さくなっていることを懸念するべきだと思います。先週のアレで薫の方が先に大人への階段を昇ってしまった影響が、早くもこんなところに現れているということなのでしょうか?
 たったあれだけの接触でここまで未来(のおっぱい)が変わってしまうことを示した今週のカラーページは、この作品世界におけるバタフライ効果の影響力の強さと、それに伴う未来予知の難しさを、端的に表していると言えましょう。
 ウソですが(だいなし)。

 そして今週は早くも小学校編に突入。エスパーの置かれた社会的な立場を端的に表現するエピソードになるのかな? とも思ったのですが、クラスメート女子の発言からするとエスパー少女の花井さんをいじめているのはどうやら東野君だけみたいなので、今回は単に「好きな女の子をいじめちゃう不器用な男の子」的な平和な展開で落ち着きそうな感じ。
 「一番湯のカナタ」の連載末期にやった小学校のエピソードがかなり評判が良かったことを考えると、今後出てくるであろう小学校を舞台にした物語も、質的な面で期待して良さそうです(今回の騒動で退学にならなければ)。今度はちゃんとクラスメートの小学生に溶け込んで少年探偵団を結成できるといいですね! と思いました。

 あと、冒頭で薫がスポーツブラを丸出しにして涼んでいるシーンが作者が意図した今回のサービスカットだったと思われますが、個人的にはそれよりもむしろ「怪訝そうな顔をして自分の脱いだ臭う靴下を摘んでいる紫穂」の方にグッと来ました。
 というか、おそらくスポーツブラマニアよりは靴下マニアの方が遙かに数が多いはずなので、私と同じ感想を持った方もきっと多いのではないか? と思われますがどうだろう。どうだろう(連呼)。

豆知識:

 今回登場したクラスメートの「花井ちさと」「東野将」のキャラクター名の元ネタは、どちらも薫達と同じく源氏物語から。

  • 花井ちさと→花散里
  • 東野将→頭中将

参考:源氏物語の登場人物一覧(Wikipedia)、「絶対可憐チルドレン感想掲示板」の夕さんの書き込み

2005/07/19

■絶対可憐ブロギング更新報告

近況:

 サンデーの読者アンケートを出してきました。
 いい年した大人が少年誌の読者アンケートを出す時によく言われるテクニックとしては「年齢が高すぎるとアンケートの集計対象から外れる恐れがあるので、年齢を中学生と偽って出す」行為が有名ですが、しかし「年齢を中学生と偽るなんてことをして許されるのは、中学生までだ!」という己の固い信念に基づき、あえて実年齢プレイで投函して来ました。あくまで社会人として戦う姿勢を示した所存。

 アンケートの集計対象にはならなくても仕方ないですが、せめて懸賞の賞品の抽選対象にはして欲しいです。
 私は今、猛烈にNintendoDSが欲しいです。タダで(←社会人か?)。

 以下、最近の絶対可憐ブロギングの更新報告です。

Related Book、Related Book Ranking を追加

 "Related Book" は、検索で取得した「絶チル」キーワードが含まれているブログの記事の中から見つけ出した、Amazon の商品コード (ASIN) のリストです。
 また "Related Book Ranking" は、Related Book で取得した Amazon の商品コードを登場数順でランキング化したものです。どちらも、画面の右下に表示するようにしてあります。

 「絶チル」で検索して見つかったブログで扱われているマンガを調べることで、結果的に『「絶チル」に興味がある人は、こんなマンガにも興味を持っている』という傾向を掴むことができるのではないか? と思い、Amazon Web Service のお勉強を兼ねて作ってみました。
 勿論、アフィリエイトの稼ぎがレンタルサーバ代の足しになればいいな! という下心もマンマンです(アサマシエイト的発想)。

 現在のところ、「ハヤテのごとく」が頭一つリードしています。やっぱりみんな好きなのね。

椎名高志 Comic Ranking 追加

 こちらは、「椎名高志」をキーワードに Amazon で検索し、売れ行き順にソートしたものと同じ結果を表示したものです。

検索対象拡大断念

 最初のうちは「まとめ検索」や「livedoor 未来検索」や「Blogwatcher」や「はてなダイアリー」も検索対象に含める野望を抱いていたのですが、結果的にことごとく野望を断念する結果となりました。以下理由。

まとめ検索

 RSSを吐かないため自前で出力結果を解析する必要があるが、様々な例外ケースに対処する余裕がなくて断念。
 検索結果をRSSで出力するようになれば、私みたいなことしてる人がみんな喜ぶと思います。

livedoor 未来検索

 検索結果をRSS出力する機能はあるが、検索処理に時間がかかり過ぎることが多いので断念。惜しい。

Blogwatcher

 検索結果がいわゆる「パーマリンク」ではないので、このようなシステムで使用するには不向き。断念。

はてなダイアリー

 キーワード検索結果が出力するRSSに日記本文のdescriptionが含まれないので使い辛い点、および「Update Pingを送信」オプションを選択している日記の記事(Bulkfeedsで普通に検索できるので、あえてはてな検索してまで取得する必要がない)を別途除外する処理を入れないといけないのが面倒くさいので断念。
 キーワード検索のRSSにdescriptionが含まれない点に関しては、はてなのやることなのできっとそのうち対応してくれると信じています。あと、RSSのアイテムの単位は「日付」単位ではなく、「記事」単位になっているとありがたいです(個人的に)。

 後は、なんだかんだ言っても bulkfeedsGooブログ検索の併用でネット上の評判を判断するには十分な結果が現在でも取得できているので、あえてこれ以上検索する必要がないというのが大きいです。特に bulkfeeds はホントに便利。まだこれを超えるRSS検索サービスは国内に存在していないんじゃないかと思えるくらいです。

 なお、「絶ブ」の検索対象になりたいとお考えのブログのオーナーの方は、お使いのブログツールの「Update Pingを送信」機能を使い、

  • ping.bloggers.jp
  • MyBlog Japan
 のいずれかに Ping を飛ばす設定にして下さい。

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2005/07/17

■フラン☆Skinさんから誉められた

フラン☆Skin さんの 2005/07/12の日記より

とまぁ、何故こんなことを唐突に言い出したかというと、 「なんでC-WWWの深沢さんの感想はこんなに面白いのだろう」 ということを考えたところ「考察が上手い」というのがあるのでは、という結論に達しまして。

 「ここの感想を読んでいると、サンデーが面白い雑誌に思えて来るので困る」という、誉められてるんだか苦情なんだかよく判らないことを言われたことはありましたが、「考察が上手い」と言われたのは初めてです。ありがとうございます。
 せっかく誉められたので、自分がマンガの感想を書く時に考えていることについて少し書きたいと思います。「考察」に関係あるかどうかは判りませんが。

 自分がマンガなり小説なりを読む場合、何かしらどこか一つはこだわれる部分を見つけるようにしています。ストーリーやキャラクターの動きを追いながら、「これにこだわりながら読むと、この物語は自分にとってもっと面白いものになるのではないか?」と思える箇所を見つけ、見つけたら「これ」を軸にしてその作品について考え、面白がってみる。そんなことを(無意識のうちに)考えながら、自分はマンガを読んでいるような気がします。
 「これ」はキャラクター単体に限らず、小道具(メガネとか)の場合もあれば、特定のシチュエーションの場合も、更にはキャラのライフスタイルや、作者本人の場合もあります。

 もうちょっと分かり易く表現すると、対象の作品そのものから、自分にとってグッと来るような「萌え要素」を探し、萌え萌えになりながら楽しむ感じ(分かり易いの?)。Excite Bookで米光一成さんが提唱している「萌え発想術」における、「この件萌え」に近いのかも知れません。
 どれが一つこだわれる部分を持てれば、それを基点に作品について色々と考察を巡らせること(=萌え要素を更に見つけ出すこと)ができるようになるので、よりその作品を楽しめるようになるのではないのでしょうか。

 例えば「絶対可憐チルドレン」の場合、基本的にはインテリ熱血メガネである皆本の子供達に対する心意気に萌えることができれば十分面白いと思いますけど、ここはむしろ「カナタ」が終わってからこれを連載するために2年半の時間を費やし、特にここ1年間は「ネクサス」「GSホームズ」以外はひたすら「絶チル」のネーム切りばかりを延々と繰り返して色々苦労した挙げ句、今やこんな似顔絵を描くようになっちゃった椎名先生自身に萌え萌えになれれば、より面白くなるんじゃないかと思われます。
 みんなも40歳の中年漫画家に萌えてみよう!(←イヤな書き方だ)

 あと他の人が書いた感想や批評なんかを読む時は、その人の立ち位置というか、それを書いた人はどんな作品が好きなのか? という傾向が判っていると、より面白く読めます。「萌え」の観点からすると、この人はこれに萌えているからこういう読み方をするんだ! みたいなものが見えて来た方が、読んでて楽しいですね。
 例えばこのサイトは「椎名高志ファンページ」を標榜していますが、とりあえず「自分は椎名高志のマンガが好きだ」と表明することにより、自分が好きな傾向の作品がだいたい判って頂けているのではないかと(勝手に)思っています。

 また、いわゆる「やおい」系の同人誌を作っている方が書いている少年マンガの感想は面白いものが多いと個人的に思っているんですけど、これは書き手の趣向やマンガに対する観点が明確になっており、かつそういう観点を自分は持っていないからなのではないか、と推測してます。他にも、感想の書き手が自分でもマンガを描いてる人の場合は「マンガを描く側からの視点」で見た感想が読めるので、これも興味深いです。
 「MISTERジパング」の時は、「このシーンの着物に使われているトーンは作者が自作したものだろう」とか「殿の腿チラっぷりがすごい」とか、自分が読んでいて気が付かなかったところを指摘している方がいて、大変に勉強になった記憶があります。

 何にしろ、著者の立ち位置を明確にしておくのは、感想を書くタイプのサイトにとっては結構大事なのではないかと思いました。

 最後に、「MISTERジパング」と「絶対可憐チルドレン」で作者が訴えたいメッセージが共通しているのではないか? と考えたのは、正直に言えば「考察」というよりはむしろ「直感」に近いです。最後の締めとしてもっともらしいことを書いておくと格好良いんじゃないかと思ってつい(笑)。
 でも考えてみれば、「GS美神」のアシュタロス編は元々「アシュタロスに作られた魔族メフィストを前世に持つ美神令子の、アシュとの宿命の戦い」を描く(はずだった)話でしたし、更に言えば『時間移動』や『予知』が物語の主軸になっている作品は大抵「定められた運命との戦い」をテーマとして扱っている訳で(「絶チル」第一話から映画「マイノリティー・レポート」を連想した人も多かったみたい)、SF的なものを作品内で扱うのが大好きな椎名先生にとってこのテーマを描くことはごく自然なことでしょう。なので、『椎名氏が訴えたいのは「己に定められた運命と戦う」ことだ』ってのもそんなに間違っていないんじゃないかな、とか思ってます。

 イマイチまとまってませんが、とりあえず今後もこんな調子で萌え萌え言いながらやって行きますので、今後ともよろしくお願いします。

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2005/07/16

■2005/07/16のメモ

_[SF][星雲賞] 『第36回星雲賞が決定|Excite エキサイト ブックス (文学・書評・本のニュース)』 [関連情報(4件)]
http://www.excite.co.jp/book/news/00021121493705.html

現在行われている第44回日本SF大会で、第36回星雲賞が決定。
コミック部門は『ブレーメンII』(川原泉)が受賞とのこと

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2005/07/15

■やっぱり紫穂が一番性格悪いと思ったサンデー33号感想

  1. 「人類の未来を賭けた皆本の育成は、まだ始まったばかりだ!」(絶対可憐チルドレン)
  2. 清麿死亡(金色のガッシュ!!)
  3. 「伊賀忍者の末裔で、秋水流忍法の使い手や」(あいこら)
  4. 「私の推薦状を足しておいたので…その分が加算され…合格ということにさせてもらいました」(ハヤテのごとく!)
  5. 「では行こうか。最後の旅へ」(結界師)
  6. 番外:桃子・A・ラインフォードの萌えっぷりを語る(こわしや我聞)

1.「人類の未来を賭けた皆本の育成は、まだ始まったばかりだ!」(絶対可憐チルドレン)

 最後のページのハシラに書かれていた言葉がコレなのですが、これではまるで育成されるのが子供達じゃなくて皆本みたいに読めます。子供達に皆本が調教されるマンガになる伏線?
 あるいは、今週で打ち切られるマンガみたいですね。ご愛読ありがとうございました(ドクロ)。

 そんな感じでようやく始まった「絶対可憐チルドレン」ですけど、上記のアオリ文句から推測できるように、このマンガの実質的な主人公(=読者にとっての視点キャラ)はやはり皆本です。貴重なカラーページのうち、見開きのタイトル2ページ以外はほとんど皆本が占めていることからも、このマンガにおける彼の重要性を推し量ることができます。
 生意気な子供達の面倒をみるハメになって毎回苦労する、暗い過去を背負ったメガネ兄さんキャラが主人公。確かに、これは少年マンガとしてはちょっと例を見ないパターンですね。もし自分が独身男性ではなく子持ちの主婦だったら、今頃はもう皆本にメロメロになってるに違いありません。自分が子持ちの主婦に生まれてこなかったことが悔やまれます。

 あと、短期連載版と比較して今回顕著に変わったところとしては、予知能力の扱いを大きくして、「子供達は将来、人類にとっての天使にも悪魔にもなり得る」ことをグラフの形でビジュアル化した点が上げられるでしょう。
 「予知」を物語の前面に持って来たことにより、以前の版のような「事件が起こってからチルドレンが出動する」事後対処型だけではなく、「あらかじめ事件が起こりそうなところにチルドレンが出動する」事前対応型のエピソードが作れるようになった点は、連載マンガとしては結構大きなプラスなのではないかと思います。作れるシナリオのバリエーションが増えることは、そのまま作品の幅を広げる意味がありますからね。

 その一方、(短期連載版に出てきた超度7の伊-九号中尉とは違って)予知能力そのものは極めて不安定であり、その能力者達がかなり厳しい扱いを受けているのが提示されているのも、地味な点ではありますが見逃せないところ。今後、予知絡みで何らかの事件が起こることが予想されます。

 他には、年齢不詳の秘書官・柏木朧の髪型が変わったのが気になります。いつの間にか、「ガラスの仮面」の月影先生のように片眼を隠した、ちょっと不自然というかおかしい髪型に変更されていますよこの人。この1年の間に、いったい彼女に何があったのでしょうか。何故彼女は、片眼を隠さなければならなくなったのか? 目からビームを出す能力でも身に付けてしまったのか? 謎が謎を呼びます。

 というか、ここまで書いておいて肝心の子供達について全く触れていないことに今になって気付きましたが、まあその辺に関しては後日ゆっくり書くということで一つ。
 これからの彼女たちの活躍が楽しみですネ!(ごまかす)

2. 清麿死亡(金色のガッシュ!!)

 先々週は「クロスゲーム」のヒロインが死亡、先週は「結界師」の松戸平介氏が死亡と、最近やたらと死人づいてる週刊少年サンデーではありますが、今週はついにサンデーを代表する正当派少年マンガ・「金色のガッシュ!!」の主人公である清麿君まで死んでしまいました。まだ死亡が決定した訳ではなさそうですが、既に心臓が停止している以上、このままでは確実に死んでしまいます。
 魔本も魔物も健在で、かつパートナーが「死亡」してしまった場合の例外処理がどうなるのか? というところが不明瞭なのが今のところは逆に一縷の望みになっていますが、でも仮に彼の命が助かったとしても、さすがにこのまま素直に清麿が戦列に復活できるとは思えません。

 「魔本。それは受け継がれる絆」とかウルトラマンネクサスの最終回みたいなことを言い出して、ガッシュのパートナーが清麿から他のキャラ(鈴芽とか)に変わってしまったりしたら、それはそれで凄いです。もし本当にやったら雷句先生は。本を受け継ぐのが鈴芽じゃなくてナオミちゃんだったら更に
 現人神雷句の登場なるか! 待て次号!(何そのアオリ)

3. 「伊賀忍者の末裔で、秋水流忍法の使い手や」(あいこら)

 雨柳先生が、魅惑のハスキーボイス担当・鳳桐乃を紹介した時の台詞がコレなのですが、「伊賀忍者の末裔で、秋水流忍法の使い手」と常識的に考えたら到底ありえない上に理解してもらえない文面でいきなり紹介してしまう先生も、されてしまう桐乃も、それを全く気にかけないハチベエも、冷静になって考えるとみんなどっかおかしいです。具体的に言えば頭がおかしいです。
 このマンガを読む時は、これくらいの非常識な展開でも深いことを考えずに軽くスルーできるメディアリテラシーが必要なんだなあと思いました。

 あとおかしいと言えば、ハチベエに散々パワー&セクシャルハラスメントを仕掛けた挙げ句に「そんな破廉恥な」とフラレたにも関わらず、全く懲りない上に生徒達にいきなりツイスターゲームを強要して再びハラスメントを仕掛ける雨柳先生も、やっぱりどこかどっかおかしいです。具体的に言えば頭がおかしいです。
 この調子で、どんどん読者のメディアリテラシーの限界に挑戦するストーリーを繰り出して欲しいですね。メディアリテラシーという単語の使い方を間違えている気もしますが。

4. 「私の推薦状を足しておいたので…その分が加算され…合格ということにさせてもらいました」(ハヤテのごとく!)

 「私の推薦状を足しておいたので」ってことは、それだけマリアは白皇学院に対して顔が利くということを意味しているという解釈でいいんですよね。畑先生もサンデーのBACKSTAGEで「マリアの力の一端が垣間見える月夜の誓い」と彼女の『力』を仄めかすようなこと言ってますし、どうやら彼女にはまだ我々があずかり知らない闇の部分があるようです。

 最初に今回の話を読んだ時は「コミックス2巻の巻末で読者の女の子から『マリアさんは意地悪そう』と言われて泣きそうだったマリアの優しいところをアピールするつもりなのかな」と好意的に解釈したのですが、でも名門学院の入学試験の結果を改竄して身内の人間を学園にねじ込める程に権謀術数に長けている彼女は、やっぱりどう考えても意地が悪い性格であるとしか思えません。
 やっぱり貴女は、そういうキャラである方が魅力的なんですよ。子供に好かれるのはもう諦めて下さいマリアさん。

5. 「では行こうか。最後の旅へ」(結界師)

 私の人生の真の目標たる人物・松戸平介氏が生きていました! しかものうのうと女連れで!
 キャーうらやましい!(間違った喜び方)

 結果的に黒芒楼も繁守も(あとは読者も)騙して逃げおおせることに成功したんですから、今回は彼の大勝利と言って良いでしょう。「人の皮」をこんな風に使ってくるとは予想外の展開でしたし、また今回は彼が文字通り「悪魔に魂を売り払っていた」ことも明らかになりましたが、どちらも「松戸平介ならそれくらいやりかねない!」と素直に納得できる展開であることもまた事実。キャラの作り方や活かし方が相変わらず上手いマンガだなあ、とつくづく感心させられます。
 あらゆる束縛から解き放たれた松戸氏は、これから何をやらかそうとしているのか。今後の展開に期待。

番外:桃子・A・ラインフォードの萌えっぷりを語る(こわしや我聞)

 「絶対可憐チルドレン」は主人公達が10歳の女の子とは言えどもいわゆる「萌え」路線に沿ったものではありませんし、「あいこら」は見た目は典型的な美少女わんさかラブコメディーであるにも関わらず楽しむためには独特のリテラシーを要求され、「ハヤテ」もなんだかんだで「萌え」というよりは普通に面白いコメディー路線を目指しているっぽいしと、今のサンデーには秋葉系マンガが大好きな読者が素直に「萌えー! 萌えー!」と叫べるタイプのマンガがありそうでない状況なのですが、そんな中で正当派の「萌え」を追求しているのが、実は「こわしや我聞」なのです。

 ヒロイン役の國生さん、我聞の妹の果歩ちゃん、高瀬「さすがです若様!」千紘ちゃん、果ては森永優や辻原蛍司に至るまで、直球ど真ん中の正当派萌えキャラをずらりと並べたラインナップが定評あるこのマンガに、今回新たにベッタベタなワガママお嬢さまキャラである桃子・A・ラインフォード嬢が仲間入りを果たしました。わがままで生意気で我が強く人の言うことを聞かず周りの人間を小馬鹿にして友達がおらず、その上ドジっ娘。完璧なお嬢さまです。
 そして、そんな完璧なお嬢さまがピンチなところで、夕日を背に受けながら颯爽と登場する我聞。これもまたシチュエーションとして完璧です。これで桃子が我聞に惚れないはずがありません。何故なら、桃子はベッタベタなお嬢さまキャラであるからです。他に理由は要りません。判って頂けるでしょうか

 個人的にはベッタベタな展開やキャラは大好きなので、今週の「我聞」はもう大喜びで読ませて頂きました。わがままで生意気で我が強く人の言うことを聞かず周りの人間を小馬鹿にして友達がおらずドジっ娘なお嬢さまさいこう!
 っていうか、マンガの世界における本当の「子供らしい子供」ってのは、こういうことを言うんですよ! 今週のサンデーにおける、真の意味での「絶対可憐チルドレン」は桃子で決定! フツーの少女に憧れてる「絶チル」の薫は、ぜひ桃子ちゃんのアレっぷりを見習って欲しいですネ!(おわり)

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