2004/06/23
■光の赤松、闇の久米田
突然ですが、「ネギま!」なら誰?(挨拶)
私は朝倉和美さんがお気に入りです。雑多な人間関係が入り乱れる学園生活の中で、独自の客観的な視点を保ちながらも積極的にクラスの中で立ち振る舞うことができる彼女のスタイルは、不器用だった学生時代の私が憧れていた生き方に近いものがあります。同様の理由で、「マリみて」の蔦子さんも好きですね。
まあ勿論、嫁にするなら本屋ちゃんで決まりな訳ですが!
そんな感じで(?)、先週発売された「魔法先生ネギま!」の6巻が異様に面白いです。
「お嬢様とボディーガード」の立場から大きく変化し始める木乃香と刹那の関係を物語の軸に据えた上で、ノンストップかつ高密度で繰り広げられるアクションシーンの数々やら、ネギ達の窮地を察して次々と駆けつけるクラスメート達の大活躍っぷりやら、強力なライバルに対して知恵と勇気で乗り越えようと頑張るネギ少年の雄志やら、凝りに凝った魔法や呪術の描写やら(特にクライマックスにおけるエヴァンジェリンは圧巻)と、最初から最後まで盛りだくさんの内容で心底楽しめました。
私は通勤電車の中で読んでいたのですが、あまりに集中し過ぎて思わず乗り過ごすところでした(バカ)。
勿論、これは赤松健先生のマンガなので、おっぱいぽいんとか風呂場でぽいんとかパンストでガン=カタとかそういうサービスシーンも過剰ですし、基本的にやってることはこの手のドラマのお約束に沿ったものなので物語的な目新しさは薄く、別にこれを読んだからといっても頭が良くなるとか人生にとってプラスになるとかそういう要素もあまりないんですけど、でも徹底的にエンターテイメントに徹した作品の作り方には好感が持てます。読んでるだけで楽しく、かつ元気になれる作品であることは確かです。
あと、要所要所で魔法や呪術の解説を入れ、ソッチ方面への知識欲をかき立てる誌面構成も上手いなと思いました。このマンガのメインターゲットである現役のオタクな中高生男子は、マンガの中に出てくる女の子と同じくらい、オカルトっぽいネタが大好きですからね!
つうか、もし私が現役の中学生や高校生だったら、このマンガに心底惚れ込んでいたんじゃないかと思います! あぶないあぶない!(手遅れ?)
それにしても、赤松氏は「ラブひな」の頃と比べても、エンターテナーとしての実力が遙かに上がっているような気がします。正直、「ラブひな」が一番面白かったのは4~7巻くらいまでだったんですけど(笑)、「ネギま」は面白さに底が見えません。なんか来年辺りにアニメになるとかいう噂も聞きますし、まだまだ楽しめそう。
この調子で行けば、CLAMP大先生に比類する(あるいは凌駕する?)メディアミックス作家として大成する日も、そう遠いことではないでしょう。そういう意味でもこのマンガには期待してます。
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そして赤松健先生といえば久米田康治先生なんですけど、いくつかのブログで『「かってに改蔵」が次巻で打ち切りになる
』みたいなコメントを見かけたので、ちょっと不思議に思ってコミックス25巻を確認してみたところ、表紙カバーの折り返し部分には確かに「次号『かってに改蔵』最終巻は…
」なんて一文が。あー
それを踏まえてコミックス25巻の作者コメント「今巻の反省文」を読み直してみると、まあ確かにいつにも増してネガティブな雰囲気な文章書かれてますね先生。このコメントを真に受けた読者から心配されるのも判るような気がします。
こんなに心配してもらえるなんて、ホント先生はみんなから愛されてるなと思います。
ただ私の場合、ネットでもコミックスでもやたらネガティブかつ自虐的なコメントを出すのが久米田先生の芸風だと認識しているので、今回の反省文を読み、『最終巻』という単語を見ても、「今回はいつにも増して先生が絶好調だなあ!
」とか思いつつニヤニヤしてしまいましたが(ダメ)。『最終巻』という言葉も先生のいつものネタの一環なんじゃないかと思って軽く流してしまうような、そんな心境です。
個人的には、「改蔵」ってのは本来そういうスタンスで楽しむべきマンガでは? という認識なのですが、でもそれは私がどっか人として大切な何かを間違えてしまっているからなのか。
でも、もし仮に次巻で最終回となると、実質的にあと1~2話程度で連載を終わらせてしまわないといけない計算になるのですが、その程度の話数でこのマンガの物語を収束することは、果たして可能なのでしょうか。
ああ、なんか「かってに改蔵」を読むのが怖い。「からくりサーカス」で怖がってる場合じゃなくなって来ました。
2004/06/15
■全裸カタツムリはエロいな(感想)
そして、今日発売のアッパーズに載ってた、椎名センセのイラストを見ましたよ!
カッパ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
いやまあ、イラストのテーマが「塗れちゃう寝姿
」なのでキャラ選択は間違ってはいませんし、前回の伊号ちゃんの時の「身体のパーツ取れ萌え」みたいな特殊極まりない萌え要素を必要としないことを考えれば遙かに難易度低くてユーザーフレンドリーなのですが(人外萌え程度ならみんなとっくに乗り越えてます)、でも何故ここでずぶ濡れ水着少女とかそういうものではなく、あえて河童を投入してしまうのか。これが椎名高志なのか(椎名高志です)。
やっぱり、どうしても必要以上に面白くしないと気が済まない人なんだなと思いました。
今回のイラスト集は、エロいという観点ではやっぱり吉崎観音氏のイラストが一番だと思います。
でもあれ痛そうだ(おっぱいが)。
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この号のアッパーズでは、「バジリスク」がついに完結。壮絶かつもの悲しいラストシーンが印象的でした。
同じく「THE 大市民」は、主人公の山形氏の話を適当に聞き流してあしらってる女性の大人な態度が印象的でした(まちがい)。
2004/06/09
■コミック感想「夜の童話」
いきなりですが、7月からアニメ版「マリア様がみてる」の新シリーズ(自分内名称:マリア様がみてる~セカンドインパクト~)が始まるそうですね。
私は性格が曲がった女性キャラが大好きなので、今回から新キャラとして登場する生粋のトラブルメーカー・松平瞳子にはかなり期待してます。視聴者から『何このドリル女! 超ムカツク!
』とウザがられればこのアニメは大成功なんですよ! と制作スタッフが胸を張って豪語するくらいの暴れっぷりを期待したい所存。
基本的に「金色のガッシュ!」のパティみたいな役回りですしねこの娘(変な例え)。
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で、それとはあまり関係なく、最近紺野キタ先生のコミックスを三冊(「夜の童話」「Cotton」「乙女は祈る」)まとめて購入してから、今ちょっと自分の中で紺野キタ作品がブームです。
"紺野キタ"と言えば、個人的には「ひみつの階段」を代表とする女学院寄宿舎ファンタジーを描く人、というイメージが強いのですが、これらのコミックスに収録されている作品の多くは、ちょっとそれとはフレーバーが異なっています。これらの作品も広義で言えばファンタジーの部類に入るんですけど、「ひみつの階段」のようなティーンエイジ向けではなく、より対象年齢の高い、文字通りの「大人の童話」といった趣を感じます。
その傾向が一番よく出ていると感じたのが「夜の童話」。作者が同人誌で発表した作品を集めたというだけあって、どの作品も深い(あるいは重い)メッセージ性を持っていると思います。
例えば、この中に収録されている「春を待つ家」という作品では、気ままに放浪の生活を送る社会性皆無な童話作家を父に持つ主人公の少女が、「いつかは離婚した母と同じように、そんな父を自分は排除するようになるだろう
」と心の底では予兆を感じながらも、それでも父の生み出す童話と、童話を作り続ける父を愛してやまない様子を、爽やかに描いています。
「ファンタジー」に生きる父と、その父を支えながら「リアル」の世界を生きる重さに耐えられなかった母。リアルな世界でファンタジーに想いを馳せることへの厳しさ。そんなことを考えさせられる作品です。
その一方で、逆に生活に疲れた中年のおじさんが「少女の姿をした、自分の『初恋』の化身
」なるポエジック極まりない存在と出会うという、ファンタジーをある種の「救い」として描いている物語があったりするのも、また興味深いところ。『夜の童話』というタイトルに込められた作者のファンタジーに対するスタンスや思い入れが伺える、興味深い作品集だと思いました。
とりあえず、「ひみつの階段」の世界観がオッケーな方なら、ファンタジーとは無縁な人生を送っている男性でも十分イケると思います。「百合姉妹」で紺野キタ先生を知ったとかいうような、そういう傾向がある方にもお勧めできそう。
――以上、bk1のトラックバック書評向けに耐えうるエントリを書いてみたつもりでしたが、書き出しが全然関係ない「マリみて」なのはどうかと思った。
2004/06/05
■講談社刊の青年漫画誌「ヤングマガジン アッパーズ」が10月に休刊
「マジですかー!」と、職場で叫びそうになりました。アッパーズって「バジリスク」を筆頭に(部数は少なくても)割と手堅く売っている雑誌というイメージがあったので、ここで休刊ってのはちょっと意外です。
「最後通牒」に掲載されている記事には「新ジャンルのコミック誌の創刊を決めた
」とかいうコメントが掲載されていますが、やっぱり講談社の方針変更か何かがあったのか?
というか、10月って椎名先生が「アッパーズ」で読み切りを載せる予定の時期と被っている気がするのですが!
ちょっと心配になってきました。