2007/10/27

■「金剛番長」エントリにリンクを張って下さった皆さまありがとうございますサンデー47号感想

金剛番長

 「番長ってのは、漢の中の漢なんだよ!

 IMEの辞書に「おとこ」と入れると「」と変換する単語登録をしている皆さんこんにちは!(挨拶)
 そんな漢が大好きなみんなが待ちこがれていた、ドキッ! 漢だらけの新連載!! がキャッチフレーズの「金剛番長」がついに開始。第一話では、その誌面を全て「金剛番長は如何に凄い漢なのか」を解説することのみに費やすことで、我々軟弱な読者に対して「番長」の威力を見せつけることに成功したと言えましょう。

 劇中、金剛にチョップ一発で撃沈されたヤクザの若頭が、番長の偉大さを「弱い者には黙って手を差し伸べ、自分のスジは死んでも貫き通し、たとえ相手が百千の軍勢だろうとたった一人で立ち向かい、仲間の為には命張れる男」と説明してましたが、実際には若頭の若い頃はおろかワシの若い頃ですら、斯様な男子は既に絶滅していました。というか、そもそも最初から、そんな「番長」は現実には存在していません。現代社会における番長とは、「侍」とか「忍者」とか「釘宮声のツンデレっ娘」と同列の、形而上学的かつ観念的な存在に過ぎなくなっているのです。

 ですが、だからこそ「番長」なる概念は、男子としてのあり方の一つの理想として、常に現代に生きる我々の心の中に在らねばならないのです。男に生まれて来たからには、道理を大切にし、周囲から何と言われても動じない心を持ちたい! 車を肩に乗せたままヤクザの事務所に乗り込んだあげく、日本刀を片手で切断できる身体を手に入れたい! ついでに幼女からモテたい! と願う気持ちがあるからこそ、人は理想に向かって努力することができるというもの。
 「金剛番長」という作品は、我々読者の心の中に、再び「番長」なる存在を呼び起こさせるものになって欲しいですね。

 そして、この作品世界における「番長」が皆斯様に漢の中の漢であるならば、予告に出てきたサイコ番長とかX番長とかいったキャラ達も、番長を名乗るからには「漢の中の漢」たる資格を持っているということになるのでしょうか。彼らが信じる「自分のスジ」とは如何なるものなのでしょうか。不安です

結界師

 良守、単身で扇一郎にケンカを売った兄の身を案じるの巻。
 元々良守の力の源泉は「自分を守るために傷ついた時音を守りたい」から始まり、烏森の件とか志々尾の件とか色々あった結果、今では「自分に連なる者全てを守りたい」にスケールアップしつつある感がありますが、そんな彼の純粋な気持ちを知った上で「名家の正当後継者」という立場があるので下手に動けないことを良守に告げて散々葛藤させた挙げ句、まるでグレイ型宇宙人が使う異次元転送装置みたいな技で空中に穴を開けてそこに良守を吸い込んで隔離、そこで更に良守を精神的に苦しめようとする奥久尼の底意地の悪さが、たいそうステキな回でした。
 いやまあ「何事にも介入せず中立を保つ」を是とする彼女の立場からすれば、良守が自分の情報を元に扇一族の屋敷に殴り込みをかけた、なんてことは絶対に避けたいところなのでこの判断は当然なのでしょうが、でも奥久尼は内心で良守が動揺する様を見てニヤニヤしていたに違いありません。私には判ります
 暴走しようとする若者を諫める快感! これって年寄りにとって最大の悦びですよね! 奥久尼さんは陰険だなあ! というのが、今回の主な感想です。我ながらひどいね(なら書くなや)。

クナイ伝

 このマンガで二番目にカワイイ(しつこい)いずなちゃんが、「首にケガを負わせる不審者」と聞いた途端に妙な挙動を!
 何か臭うよ! 彼女はいつまでも「ただのボケキャラ」でいて欲しいのに!

 とワガママ言ったところで本編ですが、忍者のスーパーパワーを身に付けたクナイ君が調子に乗ってパパに怒られちゃうの巻。いわゆる「大いなる力には大きな責任が伴う(With great power comes great responsibility)」ことの大切さを教えるストーリーですね。
 今回のような話の流れは、子供が超能力を手に入れた系の少年マンガの序盤の展開としては極めてオーソドックスなものだと思うのですが、心なしかこういう話って最近あまり目にしなくなったような気がします。主人公を叱ることができる父親的なポジションのキャラや、叱られて素直に心を入れ替える主人公キャラが減ってきているからなのかも知れませんね。
 あと今回は、邪紅刀が増長するクナイを諫めようとしたり、逆にクナイを叱る父親からかばったりと、世話の焼き方がまるでクナイのお母さんみたいだなと思いました。今回のような物語には、こういう役回りのキャラも必要なんですよねー。邪紅はクナイに優しいなあ。

 にしても、P.98のクナイ君の腿チラの眩しさっぷりったら、もうちょっと並の男の子キャラでは考えられないレベルですよ! やっぱり「こんな可愛い子が女の子のはずがない」は真実だよな! というのが、今回の本当の感想です。我ながらひどいね(なら書くなや)。

金色のガッシュ

 ラスボスとして登場したはいいけどどうにも貫禄が伴わないクリアでしたけど、ついに自分のスタンドというか、術そのものに意識を乗っ取られて自我が消滅する羽目になるまで落ちぶれてしまいました。
 自分自身が術そのものということは、シン=クリアそのものは術を使えないということになりますが、素体の状態で既に清麿が「ダメだこいつ! 勝てねえ!(要約)」と匙を投げる程強いので、オレは強い! 小賢しい技なんかいらねえ! という、花山薫理論でつかまつるキャラみたいですね。クリア単体では滲み出なかったラスボスとしての貫禄が、もうイヤという程出てますよこの人。人じゃないけど。

マリンハンター

 死を招くシオマネキ!(海鮮ダジャレ)

 グッピーが服を切られておっぱい見えちゃってキャー!→シャークが殴られて吹っ飛ばされる、というシークエンスを読んだ直後、私の脳裏に80年代にコミック業界に吹き荒れていたエロコメブームまっただ中の頃の思い出が、次々と湧き出てしまいました。
 21世紀に入って何年過ぎようとも、エロコメディーは不滅なのだと思いました。

クロスゲーム

 ここに来て若葉のそっくりさんというか、典型的なあだち充マンガのヒロイン顔をしたキャラが出てきたよ! すげえ!
 地区大会が終わり、淡々と時間が流れているなあと思った途端にこの衝撃の展開。このマンガは本当に油断できません。

2007/10/21

■サンデー巻末指定席の座は「ワイルドライフ」で決まりなんでしょうかサンデー46号感想

クナイ伝

 主人公のクナイ君があまりに可愛すぎて女の子と間違えたと仰る方は、作者の緒里たばさ先生のサイトのこのイラストを見て、「こんな可愛い子が女の子のはずがない」という言葉の重みを噛みしめて頂きたいと思います(挨拶)。

 そんなアレで、「クナイ伝」がついに正式連載に昇格。基本的な設定は以前掲載された読み切り版と同じみたいですが、吸血能力を象徴する「邪紅刀」というアイテム(というか相棒)を登場させたところが違いみたいです。邪紅刀は、基本的に大人モードになった時の強引だけど頼りがいのあるクナイのことが突き刺したくて仕方がない程大好き! というところで何か妄想ができないかと思ったんですけど、残念ながらそこまでには至りませんでした。私の妄想のためにも、ぜひ邪紅刀の擬人化をお願いしたい所存です。
 あとこのマンガにおいてクナイの次にかわいいヒロインの二ノ宮いずなは、おそらく何らかの忍者的なパワーを秘めているのではないかと思われる伏線が張られていましたが、でもあえて「彼女は単なる天才的な天然ボケキャラに過ぎない」説を提唱していきたい。どこまでボケ倒せるか勝負して欲しいです。

 このマンガに対する唯一の気掛かりは、「普段は非力な子供だけど、イザという時には大人になって大活躍」というパターンは、以前サンデーで連載されていたけど短期で終わってしまった「暗号名はBF」と基本構成が類似しているところでしょうか。こういうタイプのファンタジーは、案外ヒットさせるのが難しいのかも知れません。
 ちなみに、椎名先生の元アシスタントという緒里たばさ先生の経歴も、「BF」の田中ほさな先生と一緒ですね(言いがかり)。

結界師

 部下を失った勢いで単身扇一郎の元に乗り込んで決着を付けようとする正守と、自分の抱える謎を解くためにやはり単身奥久尼の元に乗り込む良守。普段はウマが合わないこの二人ですが、周囲の心配を余所に無茶な行動をしたがる基本的な部分では似通っているんだよなあという、兄弟愛に溢れる話だと思いました。

 あと個人的に気になっている奥久尼の中身ですが、その背格好やスタイルから推測するに、多分ケロロ軍曹みたいな形をしたクリーチャーが入っているのではないかと思います。

マリンハンター

 サンデー公式サイトのまんが家バックステージを読むと、作者の大塚先生は読者からの「もっとエロスを!」と「エロスはほどほどに!」の両極端な意見の狭間で悩まされているように見えるのですが、ここは一つ椎名高志先生が語った「色気で人気が取れるなら全編裸にしとるし、色気を引っ込めて志が上がるなら誰も苦労せんわ、バカタレ」という尊い教訓を心に刻みつつ、読者のわがままな声に惑わされることなく、自分がベストだと思うマンガを常に描くよう心がけて頂きたいなと思いました。
 そういう意味において、今週の「大ダコの触手に絡まれるグッピー」のシーンが出てきたことは評価したいと思います。「なんでもいいから触手に攻められる美少女を描きたいんだ!」という作者の気概を感じさせて頂きました。本当はもっと太股に触手を絡みつかせて欲しかったところなのですが、今はとりあえず「大塚先生の描くエロの方向性は間違っていない!」と述べて行きたいです。触手さいこう(結論)。

 そして今週は海鮮斬空拳の使い手のカニ少年が出てきましたけど、これって「海鮮なのはむしろお前だ」と読者に突っ込ませる壮大なネタなのでしょうか。

魔王

 オイルライターって息を吹きかけただけで消えるものなのか、という疑問以上に個人的に気になったのは、何故あの極限状態において「出来るだけ長い言葉」として出てきたのが、よりによってフーテンの寅さんの口上であるのかという点です。いやまあ確かに長い言葉ではあるんだけど、この局面で現代男子高校生がパッと思いつくような言葉ではないように思えます。冒険野郎マクガイバーといいこれといい、安藤君はどんだけマニアなんだろう。

 今の男子高校生だったら、ここで出てくるべき「出来るだけ長い言葉」としては、「我々は一人の英雄を失った。これは敗北を意味するのか? 否! 始まりなのだ!」で始まるギレンの演説や、「諸君 私は戦争が好きだ」で始まるミレニアムの少佐の演説の方が相応しいのではないかと思います。これなら、今のオタク高校生男子なら余裕で暗唱できるはずです(決めつけ)。
 また、掲載誌がサンデーであるところを考慮すると、「執事を制する者は世界を制す!」で始まる「ハヤテのごとく」アニメ版第二期オープニングでも良いかも知れません。勿論若本ヴォイスの物真似で。更にそこからKOTOKOが歌うオープニングソングまで繋げることができれば、犬養の介入を待つまでもなく警官隊が取り押さえられる程の時間を稼げると思います。

 というか、今回の犬養の敗北の直接敗因は、やっぱり先週の段階で「冥土のみやげ」を悠長に述べていたことにあると思われます。次回は頑張って下さい(次回?)。

ハヤテのごとく!

 クラスメートの名簿のほとんどが伏せられていたところで、個人的には何故か「バキ」の大擂台賽編のトーナメント表を思い出してしまいました。第一回戦の最初の試合以外は誰と誰が戦うのかすら書かれていなかったアレです。多分畑先生は、クラスメートの設定をまだほとんど考えていないに違いありません。
 あと謎のクラスメートがみんな「20世紀少年」のともだちマスクを付けているのですが(参照)、「友○党ですか!?」という一発ギャグのためだけに名簿ネタを使うところが凄いです。多分来週以降はこの名簿はマンガの中に出て来ないんじゃないかと思われます。
 実は畑先生は、相当追い込まれているのかも知れません。

お茶にごす。

 姉崎部長は今サンデー最強の萌えキャラかも知れないと思いました。

2007/10/18

■サンデー公式サイトの次号予告に載ってる「金剛番長」が何かすごそうな件

 次週発売の週刊少年サンデー47号より、「ブリザードアクセル」の鈴木央先生の新連載・金剛番長が始まります。
 それで現在、サンデー公式サイトの「次号のサンデー」ページに「金剛番長」の予告が載っているのですが、このマンガに対する力の入れ方がちょっと凄いというか、これまでのサンデーの連載予告の常道を逸し気味な勢いを感じさせるものになっています。

 『日本征服をもくろみ、次々と金剛番長に襲いかかる悪の番長軍団。
  今回は特別に、その一部を紹介するぞ!!
  全員が、人間を超えた外見と戦闘能力を持つ超人軍団だ!!

 というアオリ文句と共に、このマンガに登場する「番長」の名前が載ってます。
 しかし、この番長達がとにかく凄い。というかおかしい

  • ホームラン番長
  • さそり番長
  • X番長
  • 原始番長
  • サイコ番長
  • 覆面番長
  • マシン番長
  • 圧殺番長
  • ヨロイ番長
  • 白薔薇番長
  • 狙撃番長
  • 念仏番長
  • 賭博番長
  • 居合番長
  • オオカミ番長
  • ミイラ番長

 何この番長のインフレ
 このマンガにおける「番長」という概念の自由さ加減は、エジプト代表ファラオガンダムやスペイン代表マタドールガンダムが登場した「機動武闘伝Gガンダム」における『ガンダム』の概念にも匹敵すると思われます。

 つまりこのマンガは、いわゆる「不良少年グループにおけるリーダー」という従来の番長の概念を極限まで拡大解釈し、とにかく何でもいいから一芸に秀でている、あるいは秀ですぎたばかりに人間の枠を飛び越えちゃったような男子が、何でもいいからとにかく持てる腕力をもって敵対する者を制圧する意志を持ってさえいれば、この世界では「番長」と呼ばれるようになる――と想像されます。石を投げれば番長に当たるような世界です。
 そうでなければ、ルックスだけで明らかに社会不適合者と判別できるサイコ番長原始番長、既に人間ですらないX番長、生きているかどうかすら怪しいミイラ番長、単なるナルシストの変態に過ぎない白薔薇番長などといった存在が、社会的なステータスである「番長」を名乗ることを許されるはずがありません。

 『いったい、どんな能力で金剛番長と戦うのか!?
  本編に登場するまでに、いろいろ想像してみよう!!

 しかし、この予告を読めば、作品世界における番長のインフレも、「名前と容姿からその能力を容易に想像できる」というベッタベタにステレオタイプなキャラクター達も、作者やサンデー編集部が明らかに意図的にやっていることがよく判ります。「金剛番長」という作品は、そんなステレオタイプな男達が、己の意地と番格を賭けてベタな戦いを繰り広げ続ける、極めてプリミティブな楽しさを持った血湧き肉躍る少年マンガになるはずです。
 いやもう、今から本編読むのが楽しみで仕方ありません! だってホームラン番長ですよ! 圧殺番長ですよ! さそり番長「701号」と呼ばれた過去を持つ元女囚で、『怨み節』を歌いながら登場するに違いないんですよ! このキャラ達を観てワクワクしないはずがありません!
 鈴木先生なら、その期待にきっと応えてくれるはず! 「とんち番長」以来の本格番長マンガに成長することを期待してます!

2007/10/14

■「ハヤテ」のNice Boat.ネタに畑先生の義理堅さを感じたサンデー45号感想

金色のガッシュ!

 やはり、鉄球でバリアの上から容赦なくヴィノーをガンガン叩くシェリーの姿は何度見ても面白過ぎます。クリア対ガッシュ・ブラゴ組のように「最強の敵キャラに共闘で立ち向かう」構図は少年マンガではよく見かけるシチュエーションであり、かつ少年マンガ的にも政治的にも極めて正しいのですが、でもこの「悪知恵が効く生意気な赤ん坊を美女が鉄球でぶん殴る」構図というのは、ちょっと他では類を見ません。
 いやまあ、このシーンはマンガとしては極めて面白いので、例え少年マンガ的や政治的に正しくなくても、一向に問題ないんですけどね。シェリーの杖に鉄球を仕込む企画を考えた雷句先生とサンデー編集部のセンスはやはり侮れません。

 鉄球を振り回して赤ん坊を叩くヒロインが出てくるマンガが読めるのは少年サンデーだけ!

お坊サンバ

 先週の感想で書くの忘れてましたが、最近このマンガのことを素直に面白く感じます。
 でもなんかこのマンガに対して「面白い」って告白するのが、もの凄く悔しく感じてしまうのですが! ツンデレっ娘の心境ってこんななのかな!

犬夜叉

 かつて桔梗に連れ回される程に溺愛されたために桔梗のミラクルパワーをその身に授かった琥珀の身体を巡り、珊瑚と奈落と殺生丸が命を賭けて奪い合うという、言うなれば琥珀総受け的なお話でした。「犬夜叉」というマンガにおいて、琥珀は持ち前のけなげ・はかなげ・いたいけっぷりを発揮して常にモテモテ(主に年上の女性から)な子だったのですが、ここに来てそのモテっぷりも極まって来た感があります。ここで琥珀を手に入れた者が勝ちだ! みたいな展開ですからね。琥珀はどこまでもモテモテだなあ。

 それはともかく(強調)、琥珀と珊瑚の「姉上! 今からでも間に合いますか!」「ああ…間に合うさ!」って台詞のやり取りは、彼らがこれまで辿って来た様々な苦難を思うと、感慨深いものがあります。
 かつてアニメ版で珊瑚と琥珀が折り重なるように倒れているシーンを見て、そのあまりにエロティックな雰囲気にやられて珊瑚×琥珀のカップリングの虜となってしまった私としては、いつの日か再び琥珀が珊瑚と平和に暮らせる日が来るといいなあと思う次第です。
 長めのフォローでした。

お茶にごす。

 駅の案内看板が「西口:駅前公園・コンビニ・サラリーローン」になってるとこにグッと来ました。この駅の駅前の即物っぷりというか、無味乾燥っぷりは異常。現代日本の下流社会の縮図がここに!(言い過ぎ)
 あと今回は、母校ではモテモテな好青年の樫沢も、開架高茶道部の前ではメタメタにょ! という話でしたが、なんというか茶道部の連中はやっぱり人としてひどいなあと思いました。でも、だからこそあまりに好青年過ぎて逆にうさんくさい彼のことを「髭」をネタにゲラゲラ笑うことができるんでしょうけど。やっぱり世の中には、バランスを取るためにも一定数は人として軸がぶれている存在が必要なのかもしれません。

魔王

 「君達は生贄なんだ。これから始まる革命のための…
 から始まる犬養の台詞って、専門用語で言うところの「冥土のみやげに教えてやろう」と同義ですよね? 「これをやったら絶対にやった奴は死ぬ」シチュエーションとしては「ホラー映画に出てくる暗闇でいちゃつくカップル」に比類するレベルの、絶対にやっちゃいかんアレですよね?
 そして今まさに、犬養の計画を無に介する唯一の能力者・安藤君が現場に迫ってます! さっさと計画を実行に移さず、「冥土のみやげに教えてやろう」なんて悠長なことやってるからこんなことに! 犬養あやうし!

 あと関係ないですが、ちょっと犬養さんは化粧が濃すぎてキモいと思います!(ほんと関係ない)

あいこら

 あやめが盃二に愛を伝えることで盃二がトラウマを告白する重要なエピソードだったのですが、そんなエピソードに対して「ブルマー攻撃」という、なんかタイトルが載ってるページでしか通用しないようなサブタイトルをあえて付けてしまうところが、このマンガの色々な意味で凄いところだよなあと思ってしまいました。

2007/10/07

■ああいう連中に愛されたからブルマは滅びたのではないかと「あいこら」を読んで思ったサンデー44号感想

MAJOR

 「オレの吾郎は現実のイチローよりもすごいぜ!」と作者の満田先生が言わんばかりの話でした。
 満田先生幸せそうだなあ。

結界師

 結界師一族の追い落としを謀る扇一族の陰謀が渦巻く渦中に放り込まれてしまった「裏会」が大変なことになったよ! みたいな回だと思うのですが、ちょっとまだ全容が見えていないので、ここ最近は我々読者も混乱させられっぱなしな感じ。この複雑さというか奥の深さっぷりは、(やっぱり複雑だと読者から指摘が来ているらしい)「絶チル」をも越えるのではないと思います。
 今の状況を整理するためにも、一度田辺先生も冒頭に増補版四コママンガを掲載して欲しいなと思いました。そのマンガの中くらいでなら、最近いまいち地味な時音も活躍できるのではないかと(ひどい)。

 あと前回、扇五郎が初登場した時、兄弟全員が風呂のようなものに入っている描写がありましたが、あれには何らかの意味があるのでしょうか。あれに浸かっていないと体が維持できないとか、あの風呂に浸かることで兄弟で肉体を共有している(ので一度に兄弟全員が登場することができない)とか、そんな感じ?
 そのシーンで扇一郎の姿がちょっとだけ出てきましたが、中身がゴン太くんみたいな毛むくじゃらでないのが判って残念です。

金色のガッシュ!

 先週でついにウマゴンが退場。最期はウマゴンの身を案じたサンビーム殿が自ら本に火を放つという形でしたが、この段階で退場するならもうこの形しかない! みたいな、美しい散り方でした。合掌(死んでません)。

 一方のブラゴは「ガッシュが来るまで、あえて力をセーブして戦ってたんだよ!」と自身の劣勢を弁解してましたけど、でもどうしてもこう「結局最期にはやられちゃうんじゃね?」的な雰囲気が消えないのは何故だろう。っていうか、ブラゴは専門用語で言うところのヤムチャ系? みたいな位置付けのキャラということでいいの?(ひどい)

マリンハンター

 まんが家BACKSTAGEを読むと、作者の大塚先生は「何と言われようとも、オレはこのマンガをエロくしてみせる! それが全男子読者の望みだからだ!」と使命感に燃えている様子。その気概や良しです。
 前回は触手系、今回はエビぞり系となかなかマニアックな路線で攻めてますけど、男子中学生読者のエロ妄想を一心に受けている大塚先生の脳内では、きっとグッピーが実に様々なエロシチュエーションで攻められちゃってるに違いないので、次回以降も遠慮しないで更にヒートアップして欲しい所存です。読者から「マリンハンターでサディズムに目覚めました!」って感謝の手紙が届くようになるまで、エログロバイオレンス路線を突っ走って欲しいですね!

 というか、ジャンプが「To LOVEる」「エム×ゼロ」に加えて「初恋限定。」を開始するなど、ある意味正統派のお色気マンガ路線を強化する一方、サンデーはエログロバイオレンスな路線を突っ走る「マリンハンター」、幼女がパンチラし続ける「絶対可憐チルドレン」、フェチズムを盾に真っ当なラブコメ展開を拒否する「あいこら」など、何故かひねくれてるマンガばかりが男性読者妄想充実系作品のラインナップに位置しているところが、雑誌の方向性や読者の傾向みたいなものが伺えて面白いです。何でこうなっちゃったんだろう

ハヤテのごとく!

 ついにヒナギクが大好きな西沢さんに告白したの巻(ミスリード)。ヒナギクにとって「ハヤテを好き」であることを西沢さんに告白するのは色々な意味で一大事であったはずなのですが、しかし西沢さんは既にその程度では全く動じないどころか、「私がハヤテ君を口説き落とすのが先か、ハヤテ君がヒナさんに告白してくるのが先か、競争かな?」と余裕の対応をする始末。何この貫禄。ヒナギクが西沢さんにメロメロになるのも納得です。
 しかも、本人は自身に貫禄が備わってきていることを全く自覚しておらず、あくまで自然体で振る舞うだけで貫禄が滲み出て来る点が、更に凄いと思いました。なんか今の西沢さんは、既に「マリア様がみてる」における福沢祐巳のような存在にまでレベルが上がってきているのかも知れません。末恐ろしい子!

 ナギに甘えられるマリアさんは、まるでお母さんみたいですね(一般的には褒め言葉)。

DIVE!!

 図書館に行く機会があったので「DIVE!!」の原作小説にちょっと目を通してみたのですが、今のマンガ版の展開って、まだ原作では2巻の前半部分くらいなんですね。原作は全部で4巻まであるので、まだ連載の方はしばらく続きそうです(打ち切られなければ)。

 連載の方ですが、相変わらず富士谷要一の自称ライバル・山田君のアレっぷりが面白いです。「王はオレだ!」とか言いながら背中から黒い羽を生やしてダイブする様は明らかに飛び込みマンガとしては異様。ただ、あれだけ騒々しい演技をした彼の後で飛び込んだ富士谷は、彼とは正反対の静かで美しい完璧な演技を見せた訳であり、結果的には王どころか噛ませ犬になっちゃってる感が強いです。
 まあ、今回のエピソードにおける彼の役目はあくまで「富士谷の引き立て役」であると考えられるので、そっち方面にキャラを立てるという意味では、この表現方法は極めて正しいと言わざるを得ないでしょう。山田君のおかげで、今回の選考会エピソードは楽しく読むことができそう。山田君はこの調子でヘタレ攻めキャラの称号を得ることができるのか、注目していきたい所存です。

2007/09/23

■ヒナギク炊き枕は、中のクッションも付いてこの値段ですか?(背面広告を読みながら)サンデー42号感想

金色のガッシュ!

 荒廃したロッキー山脈のど真ん中に一人で置き去りにされた恵の運命や如何に!(ミスリード)

 そして今回の最大の見所は、やはり満を持して登場したブラゴが、これまでとは比べものにならない圧倒的な攻撃力を発揮してクリアの首をパンチで曲げちゃうところなのですが、個人的にはブラゴよりもむしろシェリーが劇中で浮かべている鬼神の如き表情の方にグッと来ましたね。鉄球を仕込んだ杖で、赤ん坊のヴィノーをバリアの外から容赦なくぶん殴ってクリアへの指示を邪魔した時の冷酷な表情など、まさに鬼そのもの。魔物同士の戦いの趨勢は、パートナーの能力によって決定するのだ! と言わんばかりのアグレッシブさが満々です。
 今の状態でこんなだったら、もしもシェリーがかつての清麿の時のように完全鬼面体と化した場合、どんな残虐行為がクリアとヴィノーに対して行われることになるのか、もはや想像もできません。清麿のザケル連発を超える恐怖がヴィノーに迫る! 逃げてー! ヴィノー逃げてー!

 あと、クリアの完全体モードのクリーチャーっぷりというかキモさ具合を見て、「ドラゴンボール」の時代からの格闘マンガの命題である「如何にも人智を越えて強そうな肉体の表現」の難しさについて考えてしまいそうになりました。

ハヤテのごとく!

 商店街のランドマークに観覧車はありえNEEEE! と常識的な突っ込みをしそうになりましたけど、でも基本的にこの「ハヤテのごとく!」というマンガの世界はヒナギクとハヤテの二人にあらゆる艱難辛苦を与えるようにできているので、ヒナギクを困らせるためだけに地方の商店街に国内最大級の観覧車が造られてしまうのも致し方ないことなんだろうなー、と納得することにしました。ヒナギクに待ち受けるは大理不尽。

 そんな感じで、今週の「ハヤテ」は高所恐怖症なヒナギクが観覧車に乗るという拷問を受けつつも必死に強がって耐える一方、彼女が悶える姿を間近で観ている西沢さんが「強がるヒナギクさんはカワイイなあ」とニヤニヤしながら萌え萌えになる、という話であったと要約できます。
 西沢さんの前で言い訳できないレベルのあられもない醜態を演じてしまったヒナギクは、西沢さんに対してますます精神的に受けになってしまった訳であり、こんな精神下においてはもはや西沢さんに対して「ハヤテが好きだ」なんて告白する強気な行動に出るのは不可能ではないかと思われます。しかしこのままハヤテの件で引け目を感じているようでは、ヒナギクは(既にハヤテに対して告白済みの)西沢さんに対して精神的に対等な立場に立つこともできない訳で、つまりはヘタレキャラと化してしまうと言うことに。彼女のプライドはそれを決して許さないでしょう。どうするヒナギク! ヒナギクに待ち受けるは大理不尽!

 いやまあ「普段はしっかり者のヒナギクも、西沢さんの前でだけはヘタレに!」ってのも西沢×ヒナギク妄想を加速させる好材料になるので個人的には大歓迎なのですが(ダメ)。

マリと子犬の物語

 人間に取り残されて厳しい生存競争に晒されることになる犬、というシチュエーションは、私くらいの年代だと「南極物語」が思い出されます(オヤジ)。南極越冬隊に取り残された犬達が南極でサバイバルを繰り広げるという話です。
 で、藤子F不二雄先生の短編マンガの中には、この「南極物語」をパロディ化した作品があります(タイトルは失念)。それは「南極物語」を南極に住む動物たちの立場から見るとどうなるか? という内容で、端的に言えば「南極で平和に暮らしていた動物達に、凶暴な餓えた犬が襲いかかる! 南極で延々と繰り広げられる大虐殺の恐怖!」という話でした。人間の立場から見ると「人と犬との絆」を描いた美しい感動の物語も、その物語に巻き込まれた側から見れば「絆だか何だか知らないが、オレたちゃ迷惑だ! どっか余所でやれ! 余所で!」になってしまうという、皮肉混じりのブラックユーモアが光る話だったと記憶してます。

 つまり何が言いたいのかというと、犬のマリ達の食事シーンでは人間の残した食料しか食べてないので、その辺ちょっと動物同士のサバイバル感が出てなくて勿体ないなあと思いました(ヒドイ感想)。

イフリート

 ユウがニナミのおっぱいを見て奮起! 「ニナミを護る」という使命に目覚めたユウが、ついに同じ体を持つ難敵フェリクスを撃破したよ!
 これってつまり、あの朴念仁のユウが性的な意味で目覚めたって解釈でいいんですよね! 次回からはユウの回想シーンに入るそうですが、個人的にはユウがニナミの体を意識しちゃってギクシャクしちゃう、初心で純朴な姿を見てニヤニヤしたいです! 「RANGEMAN」亡き今のサンデーで真にラブコメができるのは、「イフリート」において他はないくらいの勢いですよ!

DIVE!!

 今週の「DIVE!!」を読んだ皆さんは既に同じ感想を持っているとは思うのですが、でもやっぱり言わないといけないと思うので言っておきます。今回出てきたライバルキャラ達は、どれもみんな登場するマンガを間違えています
 ここまで過激なライバルキャラが出てくるマンガは、サンデーでは「365歩のユウキ!」以来ではないかと思いました。将棋の駒を将棋盤に押しつけて駒を動けなくする腕力キャラとか、取った相手の将棋の駒を食べてしまう過食症児とかいう、やんちゃなキャラが沢山出て来てとても面白かった(個人的には)マンガでした。

 斬新なライバル達の登場で、俄然面白くなって来ましたね!(ハードなフォロー)

2007/09/19

■この号のお坊サンバが妙に面白く感じちゃう…くやしい!(ビクビクッ)サンデー41号感想

ダレン・シャン

 冒頭で作者のダレン・シャンさんが登場してましたけど、「日本のアニメが大好き!」という触れ込みな方なだけあって、何かこう海外のSFコンベンションに良く居そうな感じのお兄さんというか、国籍や言語関係なしですぐにオタトークで友達になれそうな、如何にもといった好青年だなあと思いました。
 勿論そういう意味では日本代表の新井隆広先生も何かこう同人誌即売会に良く居そうな感じのお兄さんというか、ジャンルやカップリング関係なしですぐに(略)な好青年であるという意味においては同様であり、きっとこの二人はこの対談を通じてオタクとしての魂の絆を結ぶことができたに違いありません。良い対談記事を読ませて頂きました。

 ストーリーの方は、バンパニーズとの戦争を経験し、そこで大切な存在であったエラを失い、しかもそんな惨状を目の当たりにしながらもなお殲滅戦を行うことに何の疑問も抱かない自分が所属するヴァンパイア共のアレっぷりに色々と幻滅したダレンが、色々と考えさせられる局面に立った回でした。シーバーの「誰かが導かねばならん…バンパイア一族を過去の暗闇から外の光へと」という台詞は、暗にダレンのこれから辿るべき道を暗示しているかのように思えました。
 既刊の原作のサブタイトルやあらすじも、何かそんな雰囲気ですしね(割と台無しな推理)。

結界師

 サンデー誌上における「ママになって欲しい男性キャラランキング」において「絶チル」の皆本に匹敵する人気を誇る我らが修史さんが、嫁を侮辱されて思わずお茶をぶちまけるの回。彼の嫁さんの守美子さんは現時点ではほとんど掴み所がない謎が多い人物なので、今回のエピソードで彼女の秘密の一端が明かされることを期待したいところ。
 とにかく守美子さんはまかり間違いなく「結界師」世界において人類最強であり、もはや神々のレベルに近いような部類に入るに違いありませんからね。D&Dに例えるところのイモータルレベルみたいなの(微妙な例え)。少なくとも、既に「人間」の領域は超越していらっしゃるのは確かでしょう。
 そんな彼女が何を考えているかなんてことは、所詮は人間レベルの発想でしかできずに矮小な陰謀を企む「裏会」の面々では理解できないと思われます。守美子さんは、そんな些細なしがらみからは既に自由な人間なのです。多分。

 そして予想される今回のエピソードの落とし所ですが、自身の肉親コンプレックスが原因で修史と騒動を起こしてしまった六郎が、修史の母性の深さに気付いてコンプレックスを克服、家族愛に目覚めて修史をママと崇めるようになる――という辺りが妥当でしょうか。これからは修史さんがクるよ!(予告)

金色のガッシュ!

 キャンチョメに続き、ついにティオが退場。ザレフェドーラが放つ強力な弾丸を己が持てる守りの技の全てを出して受け切り、無事にガッシュをクリアとの最終決戦場に無傷の状態で届けるという任務を果たし、最期にガッシュと「また明日!」と素直な笑顔で挨拶を交わして魔界へ帰るという、とても清々しくかつ美しいエピソードでした。登場した頃は疑心暗鬼の塊だった彼女でしたが、帰る時は仲間を心の底から信頼することができるまでに成長したのです。
 やがて訪れるであろう魔界でガッシュと笑顔で再開するシーンが、今から楽しみですね。その時はもう持ち前の釘宮ヴォイスで、凄まじいツンデレっぷりを披露して下さるに違いありません。

 そんな彼女の唯一の汚点は、自己の尊厳を賭けて戦った最期の相手が、よりによって「ファイア!」と叫ぶしか能がない、ポッと出の急造オッサン魔物のザレフェドーラであるというところなのですが、まあそれでも最期に戦った相手がウンコティンティン様だったウォンレイよりは遙かにマシでしょう。ウォンレイはホントにかわいそうだなあ(何)。

DIVE!!

 「ボクさ、飛込やってるせいで色々なもの失くした。友達とか、学校生活とか…彼女とか

 この子、明らかに彼女がいなそうな飛沫に対して、自分がかつて彼女持ちなリア充だったことを、ちょっと自慢してるよ!
 実際は寝取られたクセに! 生意気だゾ!(このシーンをこう捉えてしまう私の視点が歪んでいることは承知しております)

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