2004/04/16

■アニメ版「ガッシュ」のパティの可愛らしさに悶絶・サンデー20号感想

  1. ココ登場(金色のガッシュ!!)
  2. 赤野登場(ダンドーネクストジェネレーション)
  3. 岬退場(KATSU!!)
  4. ルーシィ退場(美鳥の日々)
  5. 十五郎退場(怪奇千万! 十五郎)
  6. 番外:今週のワイルドライフ

1. ココ登場(金色のガッシュ!!)

 何度も申し上げているように、私は根性が曲がった女性キャラが大好きなので、勿論ココは大好きなキャラです。「ガッシュ」に登場する人間の女性キャラの中では一番好きかも。
 シェリーの立場から見ればココはゾフィスに心を惑わされた犠牲者ということになるのでしょうけど、もしかしたらココには元々そういう素質があったんじゃ? と思ってしまうくらい、彼女は今の境遇を愉しんでいるように見えます。そうじゃないと、あんなエロい服はそうそう着こなせません。この話がアニメになるのが今から楽しみです。

 それにしても、出会い頭に「ボンジュール」とはさすがです。日本語に訳すと「ごきげんよう」ですよお姉さま。根性が曲がっていてよ?(何)

2. 赤野登場(ダンドーネクストジェネレーション)

 拓さん出たーー(゚∀゚)ーー!
 ダンドー得意の抱きつき出たーー(゚∀゚)ーー!
 そして、「ダンドー」名物の性格の悪い悪役も、新しいのが更に出てきたーー(゚∀゚)ーー!

 タイトルは「ネクストジェネレーション」なはずなのに、内容がどんどんいつもの「DAN DOH!!」に戻っていくよ! これでいいのか!
 これでいいのだ!(続く)

3. 岬退場(KATSU!!)

 岬と活樹が決勝戦で対戦! ボクシングのことも恋のことも、ハッキリ白黒つけようぜ! って展開になると誰もが思っていたこのマンガですが、ここに来て唐突に岬クンが明らかに不自然な事故に巻き込まれてリタイアしてしまいました。
 やっぱり、そう簡単には決着を付けさせてもらえないようです。

 「決戦前に恋のライバルが不慮の事故に遭う」という展開は、「タッチ」や「ラフ」でも出てきた、言うなればあだち充先生の十八番。今ひとつ煮え切らないまま微妙なバランスが保たれていた彼らの関係が、この事件を境に急激に変化するのはもはや確実です。いよいよ、あだち充先生がその本性を現し始めたと見るべきでしょう。
 このタイミングでライバルを潰すなんてヒドイ! と思っていまいがちですが、でもこれはあだち充のマンガなので、ここはむしろ「タッチ」の和也みたいに死なずに済んで良かったね! と安堵するべき。ここからが本当のあだちマンガの始まりなのです。あだち充先生が80年代から延々と繰り返してきた永遠のドラマが、今再び蘇る時がやって来たのです。ヤバイ。あだちヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。

 とにかく貴様ら、あだち充先生のヤバさをもっと知るべきだと思います。

4. ルーシィ退場(美鳥の日々)

 嵐のような女だったな…(ルーシィの笑顔が大写しになった青空をバックに)

 「別れは決して不幸ではない」という教訓を美鳥の心に刻み、ルーシィはアメリカに帰って行きました。
 寝ぼけただけであれだけ殺意に満ちた目つきができるんだったら、きっと彼女はこれからの人生も幸せにやっていけると思います。勿論、根拠はないですが。

 その一方で、今回の一件は美鳥の心の中にも楔を打ち込む効果があった模様。
 美鳥がセイジの右手から離れる決心をする日も近いのか?

5. 十五郎退場(十五郎)

 そして、「ライジングサン」「旋風の橘」に続くサンデーの問題作「怪奇千万! 十五郎」も、結局わずか17週で最終回を迎えることになってしまいました。
 この作品に対する評価は、「駒木博士の社会学講座」さんが第一話掲載時に述べた「『こんなマンガ、よく載せたな』というのが実感」というコメントが全てでしょう。終盤は違う意味で面白くなったとは言え、連載作品としてはあまりに酷い内容でした。

 それにしても、「十五郎」の作者の川久保氏は約2年以上前から「十五郎」の名前を冠した作品を超増刊などに掲載してきたのですが、その成果が結局コレというのも、何だか辛いモノがあります。氏の作品が抱える問題点は既に超増刊時代から判っていたんじゃないかと思うんですけど、実際こんなことになってしまう前に手を打つことはできなかったのでしょうか。
 「十五郎」の失敗は、ある意味サンデーの新人作家育成システムの失敗と言っても過言ではないのかも知れません。

番外:今週のワイルドライフ

 「大人気! 大増22ページ!」と扉で煽られていた今週の「ワイルドライフ」ですが、やってることは安全な食肉の見分け方偽装表示をする小売業者に対する攻撃だけ。もはや、色々な意味で少年マンガの枠を越えてしまっています。

 前に「ジャぱん」がいきなり大麻について滔々と語り始めた時にもビビりましたが、あちらはまだ「黒柳と河内のボケツッコミトーク」の範疇に収まっていましたし、今後の展開に対する伏線としても機能しているという点で、ちゃんと「マンガ」として成立していました。
 しかし今週の「ワイルドライフ」は、「国産牛と輸入牛の見分け方」とか「天然モノと養殖モノの見分け方」とか、確かに勉強にはなるけど別に今あえてこのマンガでやる必要がまったくない上、何もこんなことマンガでやる必要性すらないじゃん? 「ためしてガッテン」とかの情報バラエティ番組でやるべき内容じゃん? と思わざるを得ないような内容に終始。これはいったい何なのでしょう。
 扉のアオリには「新章突入!」と書いてありましたけど、もしかして今週の話は次回以降の伏線になっているのか。次週からフードバトル編に突入なのか。

 つうか、偽装表示をする小売を叩きたいんだったら、それを単にストレートに表現するんじゃなくて、ちゃんと起承転結のストーリーを持った「マンガ」で表現しろよ! マンガ家の武器は「『マンガ』を媒体に自分の思考を表現できる」ことなんじゃないのかYO! と思ってしまいました。

 いったい藤崎先生は今、何と戦っているのか。そして今、サンデーで何が起こっているのか?
 謎が謎を呼ぶまま、次号へ続きます。

2004/04/09

■祝! 「十五郎」コミックス1巻発売決定! 記念・サンデー19号感想

  1. 夜這いルーシィ(美鳥の日々)
  2. 「ローマンスター社会長! ルチオ・フルチ氏です!」(ダンドーネクストジェネレーション)
  3. 「しっかり決めろ。」と言った良守(結界師)
  4. P.323のなつめの妄想(暗号名はBF)
  5. 犬ちゃん
  6. 番外:國生さん足払い(こわしや我門)
1. 夜這いルーシィ(美鳥の日々)

 とりあえず、「美鳥の日々」のアニメ第一話は期待通りの面白さでした。原作の面白さを活かす方向にアレンジが加えられており、感触は極めて良好。今後への期待がムクムク湧いてきます。
 このアニメのためにハイブリッドレコーダーを買った甲斐がありましたよ! アニメ版の制作に関わってる皆様、本当にありがとう!
 DVDが出たら、勿論購入して行く所存です!(二重投資)

 それでマンガの方ですが、栞やカマキリ夫人に引き続き、いよいよルーシィまでもが表舞台から退場しかねない事態に。キャラとしてはとても魅力的なのにも関わらず、いま一つ活躍の場を与えられず「にぎやかし」的なポジションから抜け出せなかった彼女ですが、最後に一花咲かせることはできるのか?(最後?)
 というか、今週の最後のコマのセイジを見つめるルーシィの目は本気で怖いです。あれはもはや恋する乙女の目ではなく、むしろ暗殺者の目に近いです。己の感情を押し殺して任務を遂行しようとする、その筋のプロの目です。何が彼女をそこまで追いつめたのか!
 これは間違いなく、次回は血を見ますよ! ラブオアダイ! オアダイ!

 ホントこのマンガは異常だなぁ!
 そこがいいんだけどな!(末期)

2. 「ローマンスター社会長! ルチオ・フルチ氏です!」(ダンドーネクストジェネレーション)

 理不尽な敵キャラ出たーー(゚∀゚)ーー !
 「DAN DOH!!」名物・如何にも性根が歪んでいそうな悪のオヤジキャラが、早くも登場してしまいました!

 ダンドーの前に立ちはだかるのは、いつだって悪辣で根性が曲がったオヤジキャラ!
 そのオヤジに全身全霊をもって立ち向かい、全身がズタボロになるまで戦うダンドー!
 極限状態のダンドーから立ち昇るカタルシスウェーブが、オヤジのハートを直撃よ!
 やっぱりこのマンガは、こうでなくてはいけませんよね!

 問題は、新シリーズでもこんなコッテコテな展開を望んでいる読者が、世の中にどのくらいいるのかという点だったりするんですが(冷静に)。

3. 「しっかり決めろ。」と言った良守(結界師)

 先週辺りから、良守のキャラがちょっと凛々しくなったというか、強気の方向に変わって来てます。受けか攻めかで区別すれば「攻め」の方。例え相手がどんなに強大でも、時音や斑尾を守るためには絶対負けられないという気持ちが彼を強くした、と解釈するのが少年誌的には正しい姿勢だとは思うのですが、でもどっちかというと受けか攻めかという同人誌的な観点で解釈した方が遙かに面白いので、私の中では良守は極限状態になると攻めキャラに豹変する性格の持ち主ということにして行きたい。
 これで後は、彼の攻め傾向を全身で受け止めることができる、「MISTERジパング」で言うところの信長に対する日吉みたいなキャラさえいればもう(以下略)。今後の楽しみがまた一つ増えました。

4. P.323のなつめの妄想(暗号名はBF)

 個人的には大きなお姉さん×いたいけな少年の組み合わせは相当ツボなのですが、世間的にはどうなんだろう。小学館じゃなくて松文館のコミックスだったら、そういう話が沢山ありそうなんですけど(結局エロかよ)。

 あと、今回はなつめメインのお話なためか、今回のターゲットである会社社長のお姉さんが妙に情けなく描写されているのも良いです。初登場時から頬を染めてる辺り、この人最初からやる気満々な様子。これなら、「誘う目」なしでも籠絡できそう。まるでサラリーマン向けエロ劇画に出てきそうなキャラだと思った。
 世の美人社長がみんなこんなんだったら、サラリーマン稼業も楽なのにな! がんばれ大将!

5. 犬ちゃん

 今週はレギュラー連載が三本も揃って休載したため、その穴埋めとして掲載されたっぽい読み切りマンガがコレなのですが、ぶっちゃけこれものすげえ面白くないですか? オレは最高に面白いと思います。
 絵柄の雰囲気といい設定といいどっかしら抜けている(頭が)男の子や女の子のキャラといい、「癒やし系」と言えばそうなるんだけどでもこれ絶対癒やしじゃねぇだろう! と突っ込みたくなるような不条理感がたまりません。一見すると単なるほのぼのマンガのように見えますけど、実は作者の絶妙なバランス感覚によってギリギリのところで「ほのぼの」が成立している、かなりハイブロウなギャグマンガなんじゃないかと思いました。このセンスは誉めてやらないといけません。

 なんか、久しぶりにサンデーで世間に通用する現代オタク的なセンスを持った新人作家を見た感じがします。
 作者の河北タケシ氏の今後の成長が楽しみ。

番外:國生さん足払い(こわしや我門)

 格好良かったのでメモ。
 咄嗟の時に足払いを繰り出せる女性と結婚したい。(末期)

2004/04/03

■P.166最後のコマのかごめの表情がエロいです記念・サンデー18号感想

  1. 美鳥の日々アニメ放送開始
  2. ミベルナ・マ・ミグロン(金色のガッシュ)
  3. 第二話にして新庄死す(ダンドーネクストジェネレーション)
  4. おちぶれ洞口(モンキーターン)
  5. カチューシャをプレゼントしたなつめ(暗号名はBF)
  6. 番外:「大麻」を連呼する焼きたてジャぱん

1. 美鳥の日々アニメ放送開始

 「美鳥の日々」のアニメを録画するためだけに、ハイブリッドレコーダー(RD-XS41)を購入した深沢です。こんにちは(挨拶)。
 今週のサンデーにも書かれていましたが、このアニメは声優陣がホント豪華というか、如何にもそういうのが大好きな人達が喜びそうな、手堅い人選をしていらっしゃると思います。「美鳥」のスタッフは俺達の味方だ!

 で、井上先生の描くキャラはどれも破壊力が抜群な人型決戦兵器であることは皆様ご承知だと思いますが、今週のサンデーではそんな先生の武器庫の中でも最強の攻撃力を有する「鮫島葵」を投入してきました。38歳にしてショタオーラ全開。何度見てもおかしくなります(頭が)。
 正直、今回やってることは「葵DESTRUCTION!」とほぼ一緒ですし、「葵」のキモはあくまで「いくら可愛くても実の父親に萌えていいのか?」と悩む息子の哲夫君(および我々読者)の葛藤を楽しむところにあるので、「美鳥」のエピソードとしての出来は今ひとつかなーという印象でしたが、むしろ今回は「葵」の世界と「美鳥」の世界を本格的にフュージョンさせ始める行動に出たことの方に意味があると思いました。
 一度動かせば国が一つ傾く、萌える人型兵器を惜しげもなく投入! 先生は本気だ!
 次は30人の女空手家軍団ですか! それとも禁断の親子愛ですか!

 そして、次週こそは美鳥メインの鬱話をお願いします(懲りてません)。

2. ミベルナ・マ・ミグロン(金色のガッシュ)

 天井から、大量のムーンフェイス@武装錬金みたいなおかしな顔がついた三日月が降って来た!
 なんですかこの悪夢のような技は!

 今週はガッシュが新しい技・ザグルゼムに目覚めるという大きな山場があった回でしたが、悪い夢のようなレイラの新技の前ではインパクト的に負け気味。「ザグルゼム」は明らかにコンボ前提のマニアックな技なので、この技をキーにして一撃で相手を倒すことを前提としたデッキを組まないと、活用するのは難しいと思った(デッキ?)。

3. 第二話にして新庄死す(ダンドーネクストジェネレーション)

 自分の予想では、新庄がダンドーと戦って大往生→ダンドーが次代を受け継ぐ者=ネクストジェネレーションとして覚醒する、みたいなお話になるのかなと思っていたので、いきなり新庄先生が一人で大往生してしまう展開は予想外でした。
 万乗先生にはやられっぱなしです。

 基本的に今回の話は、新庄がいまわの際にダンドーに対する感謝の気持ちを走馬燈のように思い浮かべ、そしてダンドーは新庄の死に立ち会えなかった無念さを糧として、恩師の遺志を継ぐため新たな戦いに旅立つ! という筋書きの感動的なお話――だったはずなのですが、その「新庄の死に立ち会えなかった」悲劇の原因を作ったのが、何日も郵便受けを確認しなかったダンドーやダンドー母のうっかりミスだったり、特別便で送ったはずだったのに何故か途中から通常の宅配ルートに切り替わってしまった宅配業者のうっかりミスだったりするので、なんかマンガ本来の目的とは外れたところで無念さを感じてしまいました。

 これもまた、「余計な苦労を強いられる」というダンドーの宿命がなせる技なのか。

4. おちぶれ洞口(モンキーターン)

 彼女にフラれた上に、酔っぱらってケンカして路上で血塗れ!
 まるでコントのような典型的落ちぶれっぷりです洞口クン!
 あの誇り高い洞口が、ここまでおちぶれる日が来ようとは!

 オレの中のおちぶれキャラ萌え袋が疼くぜ!
 萌え!(萌え?)

5. カチューシャをプレゼントしたなつめ(暗号名はBF)

 団のチャームポイントとなってる孫悟空型髪留めは、実は昔好きだった女の子からプレゼントされたものだった、という微笑ましいエピソードが語られた今回のお話。

 それはそうと、孫悟空の頭のヘアバンド(禁箍児・きんこじ)は、元々は三蔵法師が孫悟空を懲らしめるためにつけられたものです。そういう由来を持つアイテムと同じ形のものを男の子にプレゼントするってのは、つまり「アンタはアタシの言うことに従っていればいいのヨ! 勝手なことは許さないんだから!」という呪いが込められていると思うのですが、その辺どうなのでしょうか。

 というか、今回登場した『なつめ』は、昔作られたTVドラマ版「西遊記」の三蔵法師役・夏目雅子さんから名前を持ってきたものだということに、たった今気付きました(遅い)。そうなると、前に登場したデブ少年・八角は猪八戒ということに。主人公のルックスもそうですが、「BF」ってものすごい遠回しに「西遊記」をメタファーとして使っていたのな。

番外:「大麻」を連呼する焼きたてジャぱん

 今回出てきた大麻ジャぱんは、「一般的には有害と思われているが、実は食べると旨い」という逆転の発想に基づいて生み出したもので、パンそのものはマンガでよく使われるセオリーに沿ったものであると言えます。「鉄鍋のジャン!」にも、そんなヤバい料理が出てくる話がいくつかありました。

 ですが、しかし今回の「ジャぱん」における大麻の持ち上げっぷりはどこか異常。黒柳が河内を罵倒しながら、せつせつと大麻の素晴らしさを説くシーン辺りになると、俳優の窪塚洋介氏が大麻を礼賛したことを報じる新聞記事を読んだ時と似たような、何というかこうムズムズする感覚に囚われてしまいます。
 橋口先生は、いったい今何と戦っているのか。

 サンデーは、たまにアナーキーなマンガを繰り出してくるので油断できないと思った。

2004/03/26

■「相変わらずの死神ぶりだな毛利名探偵」サンデー17号感想

  1. ダンドーネクストジェネレーション
  2. 馬連華さん(史上最強の弟子ケンイチ)
  3. ラクロス部(美鳥の日々)
  4. 「こわしや我聞」の微妙な掲載位置
  5. 「あんたら二人、入籍させといたから」(かってに改蔵)

1. ダンドーネクストジェネレーション

 前作「DAN DOH!! Xi」において新庄先生からゴルフ道の奥義を継承し、人間がプレイする「ゴルフ」のレベルを超越して神の領域に足を踏み入れて半神と化したダンドーが、アニメ化というムーブメントに乗り、今再び我々人間が住む俗世界に帰って来ました!
 奇跡だ!(おおげさ)

 で、「ネクストジェネレーション」と銘打つからには、ダンドー達が一学年進級してダンドーに憧れてゴルフを始めた下級生の少年達から「ボクをダンドー先輩のスールにして下さい!」と告白されるみたいなお話になったり、あるいはダンドーとラミアがめでたく結婚、二人が交配してできた萌え要素満載な子供が主人公になり、両親から受け継いだ才能とソソる性格と風貌を武器にゴルフ界で大暴れ! みたいなお話になるのかなー、と連載前は妄想していました。半分本気で
 ですが、実際は新庄がダンドーを含む世界各地のゴルファー達を手紙で呼び出して一堂に会させ、そこで格闘大会(まちがい)を開いて悦に浸ろうと画策するという、まるで「キングオブファイターズ」みたいなお話になりそう。あるいは「ファイターズヒストリーダイナマイト」。勿論新庄の立場はカルノフ(もう誰にも判ってもらえない比喩)。

 あと、いくらゴルフで神の領域に近付こうが、相変わらずダンドーは余計な苦労をする星の下にいるのは変わらないみたいで、ちょっと安心しました。しかも、なんか演技が巧くなってますよ彼。殴られた時の表情のそそりっぷりにも磨きがかかってます。きっと、全英大会で優勝してからも色々と余計な苦労をして成長したに違いありません。
 今回もきっと、苦しんで苦しんで苦しみ抜きますよ! お楽しみに!

2. 馬連華さん(史上最強の弟子ケンイチ)

 馬連華って、元々こんなキャラだったっけ? と思ってしまう程、なんか徹底的に萌えキャラとしてチューンナップされて帰って来た感がある彼女。チャイナ服・バカ毛(しかも動く)・大きな鈴・そして大きなおっぱいと、何というかこうこれでもかと言わんばかりのキャラ萌え記号要素が投入されています。東浩紀氏に評論して欲しいくらいの記号っぷりです。
 サンデー内でも屈指の人気を誇る美羽にライバルとして対抗するキャラを作るためには、もはやなりふり構っていられねぇ! という、作者側の強い意志を感じます。

 にしても、こうやってみると中国はある意味萌え記号の宝庫であるというのがよく判りますね。
 コンテンツビジネス(要は萌えアニメと萌えマンガと萌えゲーム)がアジアのみならず世界に通用する産業として急速に注目を集めている中、彼女の存在は中国の潜在的な萌え能力の高さを示唆していると言えましょう。21世紀の経済は中国が中心に動くようになるのでは? とか言われているそうですが、まさか萌え産業においても中国が世界の中心に!?
 というか、マンガで天下国家を語るのは止めよう(すみません)。

3. ラクロス部(美鳥の日々)

 映画「猫の恩返し」や最近では「ふたりはプリキュア」など、フィクションの世界ではラクロスというスポーツは「いいとこの学校に通っている活発な女の子がやってるスポーツ」の象徴として使われていることが多いです。美鳥の友達もこの例ですね。
 しかし、現実の世界では、私はいまだに実際にラクロスをやっている女子高生や女子中学生を見たことがありません。都内在住の知人からは「ラクロス女子をよく見かけます」という目撃証言は得ているので、とりあえずこの日本に「ラクロス部」が存在している学校は実在しているはずなのですが、でも実際に見たことがない以上、私にとってラクロスはアニメの中にしか存在していないスポーツです。スポーツといえばサッカーしかやるものがない静岡県に生まれたのが悪いのでしょうか?
 つまり、私にとってラクロスとは、美少女フィギィア同士を戦わせる「機動天使エンジェリックレイヤー」とか、過剰にチューンされた鉄道モデルを走らせて競う「バトルゲージ」とかと同レベルの、フィクショナルな存在なのです。ラクロスはアニメ!(実際にラクロスやってる皆さんすみません)

 次週はアニメ化記念で巻頭カラーを飾るそうですが、でもなんか今週の話の流れからすると、次回は今のセイジとの関係に対して疑問を持った美鳥が「このままでいいの?」と悩んでしまう、そんな鬱っぽいお話になりそうな予感。
 こういう晴れのタイミングでそんな話を持ってくる井上先生は、どこまでもステキだなぁと思いました(きめつけ)。

4. 「こわしや我聞」の微妙な掲載位置

 先週は「暗号名はBF」の掲載位置の微妙っぷりを取り上げましたが、今週は同じく新連載の「こわしや我聞」が23本中の18本目というこれまた微妙な位置に。

 この作品に対しては、ネットで「もっとはっちゃければいいのに!」という意見を見かけたことがありますが、実際このマンガは國生さんにしろ辻原さんにしろ優さんにしろ本気を出せば色々な意味で破壊力抜群なキャラクターが揃っていますので、潜在的なポテンシャルはまだまだこんなものじゃないはずです。
 次回はいよいよ、その國生さんにスポットが当たる話を持ってくる模様。本気を出した國生さんの威力を思い知らせてやって下さい! お願いします!(誰に頼んでいるのか)

5. 「あんたら二人、入籍させといたから」(かってに改蔵)

 これって今週のオチに過ぎないのか、それとも次週への引きになっているのか、全然判断がつきません。
 もしかして次週、「かってに改蔵」に何かが起こるのか! それとも単なる文字通りの自爆テロ(むしろ不発弾)なのか!

 何しろ改蔵のやることなので、全く予測ができません。ガクブル。

2004/03/19

■「十五郎」が色々な意味で違うマンガに! サンデー16号感想

  1. ショートカットパティ(金色のガッシュ!)
  2. 陸海空11歳(ダグラーバスタークウ!)
  3. 今週のいでじゅう!
  4. 暗号名はBFの微妙な掲載位置
  5. 「菊クンが怒ったー!」(からくりサーカス)
1. ショートカットパティ(金色のガッシュ!)

 ガッシュ柄がプリントされたパンツを愛用するなどのイタさ加減が災いし、読者の間でもおそらくまったく人気がなかったんじゃないかと思われるパティでしたが、ついに最後の最後でもの凄い変身を遂げてしまいました。髪を切って覚悟を決めたアタシを見て! とでも言いたげな、あの自信に満ちた表情はどうよ!
 うわー超とーきーめーくー!(←弱い)

 そんな彼女を見ていたら、学生時代にとある講師が「女の長い髪は、それだけで女を美しく見せる力がある。だから、髪を短くしてもカワイイ女の子こそが、本当にカワイイ女の子ということになるんだ! 女の子はショートカットの方が絶対イイんだよ! わかったか!」と、ショートカット原理主義者っぽく熱弁を振るっていたことを、ふと思い出しました。そういや、後にその講師の奥さんとなる女性も、普段はショートカットでした。
 このマニアな講師の理論を真に受けるとすると、「ショートにした方が断然可愛い」ことが明らかになったパティは、実はとんでもない美少女だったということになってしまいます。これまでの煙突が二本立ってるような珍妙な髪型は、あえて自分をダサく見せて「あくまで自分はガッシュちゃんの敵なのヨ! 力尽くで彼をモノにしてやるのよ! 覚悟しやがれ!」って己のスタンスを明確にする、いわば擬態だったに違いありません。女はおっかねぇなぁ!(そういう話じゃありません)

 あと今週のサンデーには「ガッシュ」カードゲームのカードが入ってました。ガッシュやブラゴがキーパーツになっているコンボデッキに入れたら普通に使えそう。ゲーマーならこれだけのために4冊買うと思った。この商売上手!

2. 陸海空11歳(ダグラーバスタークウ!)

 初めて読んだ時からこのキャラはどっかで見たことがあったなぁー、と思っていたんですけど、この子は以前作者の松浦聡彦氏がサンデーGXで連載していた「Wake Up!」に登場した『くう』という名前のキャラと、造形やら性格やらがほとんど一緒です。見た目の性別が不詳なのも一緒です。
 この作品は、「Wake Up!」のくうをスピンアウトして作られたものと見なして良いでしょう。「ソウルテイカー」から萌えキャラをスピンアウトさせて「ナースウィッチ小麦ちゃん」を作るようなものです。多分。

 それはともかく、マンガとしても普通に面白かったと思います。
 どうも松浦氏というと、「ブレイブ猿's」にしろ「ライジングサン」にしろ、実力はあるんだけどどうにも運に恵まれない作家というイメージがあるんですけど、そのイメージを払拭するきっかけにはなれそうな感じ。やっぱりこの人には、マッスル兄貴が憂国してフンバフンババ! みたいなマンガよりも、こういった軽いタッチのエンターテイメントの方が似合っているような気がします。
 この調子で、今度は百合っぽいマンガを描いて下さい(失礼)。

3. 今週のいでじゅう!

 あんだけ盛り上げといて、結局元の木阿弥かよう! と憤慨した人?(挨拶)
 やっぱり「いでじゅう」はこうでなくちゃな! と安堵した人?(挨拶)

4. 暗号名はBFの微妙な掲載位置

 先週は華麗にセンターカラーを飾った「BF」ですが、今週の掲載位置は23本中の17本目と、なんか往年の「一番湯のカナタ」を思わせる微妙な位置取りに(不吉な例え)。とりあえず、現在の雑誌内での人気はこのレベルにあるという解釈でよろしいのでしょうか。
 このマンガって、何となく「サンデーは読んでるけど読者アンケートは絶対に出しそうにない層」に一番ウケてるイメージがあるんですけどどうなんだろう。個人的には冬の新連載陣の中では一番安定していて面白い作品と思っているので、ちゃんとアンケート出して応援しないといけないのかなぁと思いました。

 にしても、ホントみんなおっぱい大きいですね(結局)。

5. 「菊クンが怒ったー!」(からくりサーカス)

 黒賀三姉妹フラグ立て編(自分の中での呼称)も、いよいよ大詰めに突入。
 三姉妹の中でも一番攻略が難しそうな長女の菊さんが今回のターゲットですが、どうやら早くもフラグ立てイベントが発生した模様。勝は「知性」を何よりも重視する菊姉さんに対し、彼女が求めていた哲学的な質問の答えをごく自然に導き出してしまう芸当を見せることにより、自分が(彼女の仲間の男達のような)単なる頭でっかちの天才児とはひと味違うところをさりげなくアピールすることに成功。
 今はまだ顔を真っ赤にして怒ってる菊姉さんですが、このペースで行けば彼女も籠絡は時間の問題でしょう。三人同時攻略ですよ! すごいよマサルさん!(「からくりサーカス」ってそういうマンガだったっけ? という件については不問)。

 その一方で、かつてそのアレっぷりで読者の間にセンセーションを巻き起こして一世を風靡したパンタローネ様とアルレッキーノ様が、何やらピンチです。いきなり逆境に立たされています。
 がんばれパンタローネ様! 「かってに改蔵」で散々ネタにされた過去を誇りに、戦えパンタローネ様! なびいているだろ! パンタローネ様のごとく!(負けそう)

2004/03/13

■自分はウマゴンタイプと判定されました・サンデー15号感想

  1. 相手をメガネ好きに変える能力(うえきの法則)
  2. 「やっぱり私は今のままで楽しく そーしてたいなー」(いでじゅう!)
  3. 「それにうるせーヒゲもいないしな!」(史上最強の弟子 ケンイチ)
  4. 今週の美鳥の日々
  5. 「強くなりたい…」(結界師)
  6. 番外:HOOK!

1. 相手をメガネ好きに変える能力(うえきの法則)

 これまでマンガの中でも散々引っ張ってきた森さんの新能力は、おそらく全国百数十万のサンデー読者が一斉に「ぶっちゃけありえなーい!」と本名陽子ヴォイスで突っ込んだに違いない、とてつもなくフェティッシュな「相手をメガネ好きに変える能力」だったのだ! というオチに驚愕。
 基本的にこの感想はサンデーの掲載順に並べるようにしているのですが、でも流石に今週はコレに勝る衝撃はないね! と判断したので、今週の第一位は文句なしでコレです。どう考えてもコレです。

 「ジョジョの奇妙な冒険」以来、いわゆるスタンドバトルものの作品はそれこそ沢山作られてきた訳ですが、さすがにここまでアレな能力を考えついた人は、そうそういないんじゃないかと思います。というか、仮にこんな能力を仮に考えついたとしても、この能力を活用した「読者の予想を裏切り、期待を裏切らない」ストーリーを構築することができる自信がなければ、絶対に実行には移しません。普通のマンガ家なら。
 なので、あえてこんなネタを投入してきたからには、作者の側にはこのアイディアに対する絶対の自信があるはずです。おそらく今頃作者の福地先生と担当編集者は、全国のサンデー読者に対して「どうよ?」と満面の笑みを浮かべながら鼻息を荒くしているに違いありません。
 まいりました! コレにはまいりましたよ先生! だから許して!

 今回のエピソードを読んで、私は福地先生が「うえきの法則」で言うところのレベル2に到達したものと確信致しました。従来の能力とは趣があまりに異なる、この力をどんな風に使えばいいのか普通の読者ではちょっと想像できないタイプの新能力を提示したことにより、このマンガはついになんかもの凄いモノに化ける可能性を手に入れることに成功したのです。WELCOME TO NEXT LEVEL! なのです!
 果たして「相手をメガネ好きに変える能力」というヤバい能力をこれからどう活かすつもりなのか、福地先生の手腕に注目したい所存です。

 あと、最近福地先生はカワイイ女の子を描くのが巧くなりましたよね(フォロー)。

2. 「やっぱり私は今のままで楽しく そーしてたいなー」(いでじゅう!)

 あっちの森さんはそんな感じで大革新を引き起こして大変なことになってますが、こっちの森さんは己が変わってしまうことを恐れて停滞ムードに。

 私の経験からすると、「今のままで楽しく そーしてたいなー」とかそんなモラトリアムな事を言ってるうちに10年くらいの歳月はそれこそあっという間に過ぎ去ってしまいますので、もしあなたがそういう人生をお望みでなければ、このタイミングで何かしらのアクションを起こした方が良いのではないかと思いました。
 あー(学生時代の自分を思い出しつつ)

3. 「それに、うるせーヒゲもいないしな!」(史上最強の弟子 ケンイチ)

 今回のエピソードの主眼は「ケンイチ君と彼の仲間のメガネ君との関係性を再構築する」ところにあると思って読んでいたのですが、実はこのエピソードがケンイチ×メガネの話ではなく、なんか知らない間に秋雨×逆鬼の話になっていたのでビックリしました。
 この二人、いつの間にこんな離れていても気持ちが通じ合えるような関係に!?

 でもよく考えてみたら、やんちゃな酒鬼とクールな秋雨って、ある意味王道の組み合わせなんですよね!
 ナルホ!(納得)

4. 今週の美鳥の日々

 ごきげんよう!(別れの挨拶)

 前回登場時、妙に私の感じるツボに入った変態生徒会長カマキリ夫人×純情前髪っ娘スズカのコンビですが、さすがにこの二人の関係がああなってしまい、もはやセイジと関わる必要性がなくなった以上、今回で彼女たちは物語の表舞台から退場することになるでしょう。
 こうなった以上、彼女達はこのまま少年誌どころか「ごきげんよう」の挨拶が飛び交う百合百合しいコバルト文庫の世界ですら表現できないような関係に突入し、そっちの方で幸せになって欲しいと思いました。
 このマンガって、ちょっと道を外れている人達でも幸せを掴むことができるのがステキ。

 あと、今週のまんカレMLの「ここがすごい!」のコーナーで「美鳥の日々」が取り上げられているのですが、『目が隠れていてもきちんと表情がわかるよね!! これぞ、プロの表現力!!』とか『キャラの特徴を活かしつつ、インパクトある演出につなげる…やはりプロはスゴイね!!』とか、なんか普段以上に井上先生を持ち上げていた印象を受けました。確かにプロの表現力は凄いんですけど。
 何かあったんでしょうか。

5. 「強くなりたい…」(結界師)

 今週のサンデーは、この他にも「小金の錬金術師」(サンデーGX編集長・談)と評されたヤバいネタ満載の「かってに改蔵」、もはや「黒賀村編」というよりは「黒賀三姉妹フラグ立て編」と表現した方がいいんじゃないかと思った「からくりサーカス」、ついにパンが1コマも出てこなかった「焼きたて! ジャぱん」、本筋である動物愛護の精神から遠く離れて奇人変人大集合っぷりを楽しむマンガにパラダイムシフトを起こした「ワイルドライフ」など、色々な意味でおもしろおかしいマンガがたくさん載っていたのですが、そんな中で真っ当に少年少女の成長物語をコツコツ描き続けている「結界師」を読むと、なんだか安心できます。あなたに逢えて良かったよ! みたいな!(どんなだ)
 自分の中では、もう「金色のガッシュ!!」と共にサンデーの良心を象徴する作品です。

 あまりにも突拍子がないので今後の展開が想像できない「うえき」のメガネ能力と違い、「結界師」の能力はとても判りやすく作られているため、読者が「結界能力を使ってどう敵と戦うのか?」と展開を予想できる楽しさがあります。なので、主人公達の能力に徐々に応用力を持たせていく今回のようなお話は、作品の幅を広げる意味でも、また読者の想像力を刺激する意味でも、とても大事な意味を持っています。
 そんな地味でも大事なエピソードを、良守と時音が相互に相手を意識しながら成長して行く物語とリンクさせて面白いお話に仕上げている作者の力量は、ホントに大したものだと思いました。いやマジで。

番外:HOOK!

この方法がよく釣れるのは、オレオレ詐欺と似たような理由だよ
 理由だよと言われましても!(感想)

 「釣り」と「詐欺」の共通点を元にした釣りマンガを作ろうとする発想は良いのですが、「詐欺のテクニックは釣りに応用できる!」というアイデアを押し通そうとするあまり、何だか理屈ばっかりが先行して読んでいてお話そのものの説得力に欠けるものになってしまった気がします。
 これだったら、釣り名人の主人公がプロの詐欺師相手に釣りのテクニックを駆使して大立ち回り! 逆に騙して釣り上げちゃったよ!(警察に)、みたいなお話にした方がカタルシスがあって良かったんじゃないかなぁ。

2004/03/07

■「私の夢になってよ、ダンドー」サンデー14号感想

  1. ダンドーアニメ化決定
  2. 「あふぅ♥」(思春期刑事ミノル小林)
  3. 新解誠と星佳先生(暗号名はBF)
  4. 「かくなるうえはウィルスでもばらまいて…」(十五郎)
  5. 「きみのカケラ」最終回と「ファンタジスタ」最終回

1. ダンドーアニメ化決定

 「何故今あえてダンドーが!?」という疑問の声も聞かれるものの、ついに大々的に「DAN DOH! アニメ化」が発表されました。
 サンデーに載っていたイラストから察するに、どうやら連載の一番最初から忠実にストーリーを追っていくような展開になりそう。

 それでダンドーと言えば、どうしても「万乗パンツ」という単語が浮かんでしまう方も多いようで(私もそうですが)、ダンドーがアニメ化されると聞くと大抵の方は「テレビ東京のアニメじゃ、万乗パンツを出すのは無理なんじゃない? 大丈夫か?」とパンチラの心配をしてしまう模様です。
 確かにテレ東と言えば、あの「ラブひな」のアニメ版ですらパンチラ表現を封じたことで有名な程、パンチラに対して規制が厳しい放送局としてアニメファンに知られる存在。その懸念はもっともだと言えます。

 しかし、ここで思い出して頂きたいのですが、「DAN DOH!!」は最初から懲りに凝ったパンツの描写を売りにしていたマンガではなく、元々は「薄汚い野球少年に過ぎなかったダンドーが、新庄プロと出会うことのよってゴルフに目覚めていく」という筋書きの、少年少女の正統派成長ドラマだったんですよ。「ダンドー」にとって最も重要なのは、パンツでもパンツを履いた美少女でもなく、あくまで新庄先生にメロメロになり、また後に出会う赤野に対してもメロメロになってしまう、ダンドーとオヤジキャラとの関係性の描写にあるということを忘れてはいけません。
 ゴルフというスポーツを通じて、ダンドーがオヤジにメロメロになったり、また逆にオヤジがダンドーにメロメロになっちゃったり! メロメロになりつなられつの美しくも耽美な関係の構築! それこそが、この作品において最も重要なのです! それを忘れてはいかんのですよ! パンチラなんて飾りなんですよ!(鼻息)

 なお、「DAN DOH!!」アニメ版の前番組に当たる「カレイドスター」は、一見すると主人公の少女・苗木野そらが劇団の中でスターとして成長していく様子を描いた普通の少女向けアニメのように見えながらも、実はそらと劇団の先輩であるレイラの二人の関係の成長を描いたディープな百合アニメとしても成立していたという、実に底が深い作品として鑑賞することが可能でした。
 最初はただのドジな後輩と意地悪な先輩という関係だったものが、そらが成長するに従って次第に「エースをねらえ!」のお蝶夫人×岡ひろみのような熱血スポ根的な関係に移行、最後には「マリア様がみてる」の祥子×裕巳みたいな、相互に相手を信頼し合って自分の夢を相手に託せる真のパートナーの関係に昇華していく様子を描くことが「カレイドスター」というアニメの目的だったのだ、と言っても過言ではありません。多分。

 果たして「DAN DOH!!」のアニメ版では、新庄先生とダンドー少年の関係性をどんな形で描いてくれるのか? 前番組が相当アレだっただけに、「DAN DOH!!」にも期待してしまいます。
 「朝っぱらからこんなイケない関係を見せつけられちゃって、ンもうどうしよう!」みたいな困った投書が新聞に載せられるくらいのディープな展開を希望。

2, 「あふぅ♥」(思春期刑事ミノル小林)

 しまった! このコマで思わず笑ってしまったよ!
 まさか、手のひらに性感帯がどうとかいう中学生男子ノリのバカ話が、ちゃんと伏線になっていたなんて!
 オレの負けだ!

 という訳で、私は「思春期刑事ミノル小林は面白いと思う」派に属しました。
 何故オレはこういうくだらないネタに弱いのか。

3. 新解誠と星佳先生(暗号名はBF)

 ここにいるよ!(セカイ系挨拶)

 これまでのお話で、とにかくメガネと巨乳には事欠かないことが提示されているこのマンガですが、ここに来てまた新たなメガネが登場。キャラ名はともかく(新海誠氏のパロディですね)、「陰謀論者」っていう設定は面白そう。変な能力を持ったスーパースパイ達が日夜暗躍しているこのマンガの世界なら陰謀を推理するネタには事欠きませんし、七海君にとっては存在自体がトラブルのタネになることは必至。この二人のコンビは色々と面白い話が作れそうな予感がします。
 というか、私も子供の頃は陰謀ネタが大好きだったので、誠クンのトキメキっぷりには激しく共感。オレもこういう世界に生まれたかったよ!(イヤな子供だ)

 あと、星佳先生は子供相手に色気を振りまきすぎだと思った。
 あれは絶対誘ってますよ! ザ・ルック!(おっぱいを)

4. 「かくなるうえはウィルスでもばらまいて…」(怪奇千万!十五郎)

 この「かくなるうえはウィルスでもばらまいて…」という十五郎の台詞は、(作者の意図はともかく)彼の思考が至って幼稚でわがままであることを端的に表現しています。というか、学校でこんな事を一人で呟いてニヤニヤしている子供は、普通ならカウンセリングの対象になると思います。彼が学校をここまで嫌がるのは、授業内容が幼稚だとかそういう以前に、単に学校に友達がいないからに違いありません。
 ちゃんと突っ込んでくれる面倒見が良いクラスメートがいて良かったね十五郎君。

 このマンガが不評を買っているもっとも大きい要因は、主人公の十五郎が作中内で無敵であることに寄りかかったワガママのし放題っぷりに読者が誰もついて行けていない点にあると思うのですが、ここ最近はそんな十五郎に対してツッコミを入れられる立場にいるキャラを投入し、読者のストレスを軽減する形に作品が徐々に変化しつつあるような気がします。
 これって、作品の本来のコンセプトからすると「敗北」なんじゃないかと思うのですが、でもエンタータイメントとしては正しい方向性でしょう。まさか、最初からこういう展開を狙っていたのか!?(それはない)

5. 「きみのカケラ」最終回と「ファンタジスタ」最終回

 どちらもお疲れ様でした。

 「ファンタジスタ」の方は(「このタイミングでいきなり終わるのはおかしい」という意見もあるようですが)、個人的にはもうこの作品で描くべきテーマは全て描き尽くしたんじゃないかと思っているので、これはこれでいいんじゃないかと。「パスに込める意志」というサッカーの概念を広めた功績は、高く評価されるんじゃないんでしょうか。
 最後に主要メンバーが世界各地で活躍している、という終わり方は「俺たちのフィールド」を彷彿とさせますが、あの頃と比べると現実のサッカー環境が大きく変わっていて、今じゃ日本人選手が世界でプレーするのもそれほど珍しい話ではなくなって来ているのが何だか感慨深いです。

 そして、色々な意味で問題作だった「きみのカケラ」も終了。結局、シロは最終兵器だったんだけど、兵器としての自分の運命を拒絶し、新しい太陽になることができました! めでたしめでたし! という解釈でよろしいのでしょうか。
 前作「最終兵器彼女」を読んだ時にも思ったんですけど、「最終兵器が世界を滅亡させる」脅威を物語の骨格とする手法は、「戦争」のあり方そのものが大きく形を変え、そしてこの日本もその流れとは無縁ではいられなくなりつつある現代社会においては、もう昔ほどには読者の共感を得られなくなってきているのではないのだろうか? という気がします。この辺どうなんだろう。
 後は、なんか連載中に色々と作者の側にゴタゴタがあったりして大変そうだったなぁー、という印象。今後のしん先生の復活に期待しております。

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