2005/04/23
■生存証明を兼ねた最近買ったもの紹介:無敵鉄姫スピンちゃん
連載中は主に大きなお友達層からコアな人気を獲得したにも関わらず、掲載時期のタイミングの悪さなどの諸般の事情が重なってしまって惜しまれながらもわずか11週で打ち切りとなり、椎名先生からも同情された(笑)悲劇のコメディマンガ「無敵鉄姫スピンちゃん」。ついにコミックスが発売されました。めでたい。
私が普段コミックを書店では、ジャンプのコミックスの場合は例え不人気作品でもあっても結構な数が入荷されるものなんですけど、なんか「スピンちゃん」の場合は、自分が発売日に買った時には既に残り一冊の状態でした。
変な人気があるせいなのか、単に入荷数が少ないせいなのかは不明ですが、ジャンプコミックスでこういうのは珍しい気がします。
それでこのマンガ、今改めて読んでみると、「いもうとミサイル
」「真性ゲイの女子高校長
」などはともかく、「女性を口汚く罵る引きこもりのデブ男
」やら「性格はともかく見てくれがマッチョかつマッスルなデブ女子
」やらのスパルタンなキャラが大暴れする話とかになってしまうと、なんかこう「まあ、さすがに少年誌じゃ打ち切られるのも仕方ないかな…」という気になって来る良識的な自分を発見してしまい、ちょっと悔しい気分に(悔しいの?)。
作者の大亜門氏は「テーマはダメ人間賛歌です
」と取って付けたようなこと言ってますが、天下の週刊少年ジャンプがこういうダメなマンガを受け入れるには、まだ時代がちょっと早過ぎたのかも知れませんね。
「スピンちゃん」の連載が始まってスピンのぷに顔がジャンプの表紙を飾った時は、「これは新しい時代の幕開けに違いない!」と確信したものでしたが、残念ながら時代のあだ花に終わってしまったようです。と時代のせいにしてみる(万能の言い訳)。
何にしろギャグセンスには光るモノを感じるのは確かですので(読み切り版に出てきた台詞「どんなに社交性のないダメ人間でも、ロボットと小さな女の子は大好きですからね
」は、今も私の座右の銘です)、ダメ人間に対する愛情を更に極めた上での再起を期待します。
■生存証明を兼ねた最近買ったもの紹介:武装錬金4巻
皆さんご存じだろうと思いますが、みんな大好きLOGIC&MATRIXの遊星さんは、相変わらず「武装錬金」普及のために頑張ってますね! 私の頭の中では、もう遊星さんのビジュアルイメージはパピヨン蝶野そのものです!(失礼)
幾多の打ち切りの危機を乗り越えてきただけあって、「武装錬金」のファンはみんな熱いなあ!
□
そんな感じ(?)の「武装錬金」ですが、コミックスの方も相変わらず熱いです。今回のメインは勿論早坂姉弟との対決シーンとなる訳ですが、とにかくカズキの言動が熱い。特に、P.142の
「まだだ! あきらめるな先輩!
」
という台詞は、おそらくこの中にこの作品のテーマのもっとも大事なものが詰まっているであろう、名言中の名言だと思います。かつて自分の目の前で蝶野が人間であることを諦めてホムンクルスになってしまうのを止められなかった経験を持つカズキだからこそ、彼が放つ「あきらめるな!」という言葉には強い説得力があるのでしょう。何度読んでも、このシーンで目頭が熱くなりますよ。
対早坂姉弟編は、早坂姉弟が相互依存の閉塞状態から脱却して生きる目的を取り戻したのと同時に、カズキもまた一度は守れなかった大切なものを今度は守ることができた――という意味において、とても重要なエピソードであったと言えるでしょう。
あと、ちょうどこの対早坂姉弟編が掲載されていた頃はジャンプでの「武装錬金」の掲載位置が後退していた時期で、「もうすぐこのマンガ終わっちゃうんじゃ?」とまで噂されていたこともあっただけに、「まだだ! あきらめるな!
」という台詞が妙なシンクロ感を生んでいたのも、今となっては良い思い出です。
4巻のライナーノーツを読むと作者が人気獲得のために色々と苦心している様子が伺え、やっぱりこの頃は作品のマネージメントが大変だったんだなあと想像。
あの頃はあんなに貧弱だった「武装錬金」が、今ではキャラクター人気投票ができるくらいまでの人気者に……(しみじみ)
やっぱり、何事も簡単に諦めちゃダメだよね!
現在ジャンプに掲載されている連載では、今度はカズキが「人間」であることをあきらめない為にあらゆるモノと戦わなければならない境遇に叩き落とされており、4巻で提示されたテーマがますます重みを増して来ています。
生物的な意味での「人間」でいられる残りわずかな時間の中で、カズキはいったい何を成し遂げることができるのか。作者の和月氏の今後の手腕に注目したいところです。
「武装錬金」は、個人的には今ジャンプの中で最も今後に期待しているマンガです。
さすがに私はコミックスを30冊も買うことはできませんが(笑)、これからも何とか応援していきたいなあ。
2004/11/15
■ありえない
以下は余談。
「武装連金」5巻と一緒に入っていた集英社ジャンプコミックスの宣伝チラシ(ジャンパラ!)に載っていた、「いちご100%」のイラスト(のおっぱい)がありえなかったので、思わずスキャンしてしまいました。
おっぱいが浮き出る特殊な繊維で作られたとしか思えないセーター
「うる星やつら」全盛期の頃、「あんなに身体の線が出るセーラー服はあり得ない!
」という趣旨の意見をアニメ雑誌か何かで読んだ記憶がありますが、今回の「いちご100%」の北大路のイラストは、「服を着た時の身体の線の描写」における従来の概念をもはやブッチギリで凌駕していると思いました。
「いちご100%」が「うる星やつら」を超えた瞬間です!ヽ(;´Д`)ノ
2004/11/09
■武装錬金5巻
ただの変態サンじゃないんだよ!(挨拶)
と、「武装錬金」のライナーノートでわさわさ作者の和月氏がパピヨンにフォローを入れているのを見て、改めてパピヨンはみんなから変態キャラとして愛されるんだなあ、と改めて思いました。深沢です。お久しぶりです。
ちなみに、私が好きな「武装錬金」の変態はムーンフェイスです(聞いてない)。
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そんな感じで、変態キャラが大活躍のみんな大好き「武装錬金」のコミックス5巻を、ようやく読むことができました。
「武装錬金」はどの巻を読んでも必ずグッと来るシーンがあって感心させられるんですけど、5巻における個人的な見所は、やはりコミックスのサブタイトルにもなっている『a friend of everybody』と、それに続く『沸き立つ力』の両エピソード。孤立無援の状況下で戦うカズキと斗貴子を「仲間」として学校のみんなに認めさせるために行動を起こすカズキの友達三人組と、戦っているのが兄のカズキだと確信し、「兄がみんなを守ってくれる」と信じて自分も友人を守るために身体を張るまひろの姿が、ンもう最高に格好良すぎます。
武装錬金というマンガは「大切な人を守るために諦めないで戦う」カズキの姿を真正面から描くことを大きなテーマとしていますが、カズキの友達三人組や妹のまひろもまたカズキと同じ想いを持っており、それ故に彼らはそれぞれ自分達ができる限りの力を尽くして戦うことができる――『a friend of everybody』というエピソードは、そんな彼らの姿を描いているように思えます。
彼らは武装錬金を持っていないため、この作品における「戦士」の定義からは外れるんですけど、でも彼らの中に宿っている心意気はカズキと同様の(ポジティブな意味での)戦士のソレに近いものを感じます。「覚悟のススメ」的な表現をするなら、「でも大丈夫! 戦士はもう一人いる!
」みたいなものだと思うのです。判って頂けるでしょうかこの気持ち。
作者の和月氏は、ライナーノートの中でこのエピソードを「『武装錬金』第一部のクライマックス
」であると語っていましたが、三人組達の活躍によって全校生徒がカズキを「仲間」と認めて声援を送るようになり、それを受けたカズキが巨大化した敵を一撃で粉砕してしまうシーンは、ある意味このマンガのテーマを集約しているように思えます。このシーンの異様な盛り上がりっぷりの前では、もう我々は素直に感動するしかありません。
更に、この「仲間達から力を分けてもらっているかのような強さ」が、5巻最後のエピソードであり、ストーリー上における大きなターニングポイントでもある「カズキ・ヴィクター化」への遠大な伏線になっている構成力の高さにも感心させられます。どこまで面白くなるつもりなのでしょうかこのマンガ。
□
「武装錬金」というマンガは、いわゆる『少年マンガ』に求められているあらゆる要素をあますことなく詰め込んだ優れたエンターテイメント作品であることを、改めて実感させられました。いやもう、このマンガに足りないものは、掲載誌である週刊少年ジャンプのアンケート人気だけだと思います(ドクロ)。
つうか、どうしてこのマンガはドッキリポジション(専門用語)周辺を相変わらずウロウロしているんですか! 服だけ残して消えちゃった斗貴子さんの行方も心配だけど、そっちの方がもっと心配で物語に集中できないYO!(バカ)
2004/06/05
■ジャンプショップ
そうそう、昨日ジャンプのジャージ男のことを書いたら思い出した!
ちょっと前のことなんですけど、東京ドームシティの中にある、ジャンプのグッズショップへ行ったんですよ! ラクーアで風呂に入るついでに!(もうオヤジなので)
ジャンプっつたら、今自分の中でマキシなのは勿論「武装錬金」な訳ですよ。さすがに斗貴子さんが着ている制服のレプリカとか、パピヨン蝶野変身セット(バタフライマスクと黒ビキニパンツのセット。マスクはビキニの中に仕込むのがオシャレ!)みたいなコアなグッズはないとしても、「武装錬金」の絵柄のテレカくらいはあるんじゃないかなぁ、とかちょっと期待してたんですよ。
でも、実際言ってみたら、「武装錬金」関連グッズはまだ全然ありませんでした。その代わりにあったのが、店内の三分の一くらいのスペースを占めているであろう「テニスの王子様」と「NARUTO」の関連グッズ。ナルトが持ってるガマ口の財布とかそんなの。改めてその人気っぷりに感心しました。確か、神崎さんも着ていた青学ジャージも置いてあったはずです。ほんとみんなジャージ好きな!
でも、オレが欲しいのは青学のジャージじゃなくて、蝶野のビキニパンツなんだよ!
わかれよジャンプ!(わかりません)
とかブツブツ言いながらポストカードが置いてある棚を見たら、そこには「暗闇にドッキリ!」のイラストが書かれた絵葉書が!
「武装錬金」はないのに、結構前に連載が終わったはずの「暗闇にドッキリ!」はまだあるのか! こんなシチュエーションはさすがに想定外だよ! オレの負けだよ!
仕方がないので、せめてもの反逆として「ごっちゃんです!」のごっちゃんが描かれた絵葉書を購入し、ジャンプショップを後にしたのでした。
ちょっと気に入ったので、今も部屋の机のフォトスタンドに飾ってあります。
いい買い物したよ!(よかったね)
2004/05/26
■すっかりジャンプの思うツボ報告
「武装錬金」は今期連載打ち切りの危機を乗り切ったそうだ、という噂がネットを駆け巡っている今日この頃、皆様如何お過ごしでしょうか?(挨拶)
やっぱり蝶野でしょうか。コミックス2巻で存分に蝶サイコーな変態ぶりを世間に見せつけ、その後の連載の中でも蝶のマスクと黒パンツの美しい姿で何度も読者を悩殺した蝶野の勇姿こそが、この作品を窮地から救い出したと判断して良いのでしょうか。
つまりジャンプの読者は、この作品に対して凛々しく美しい斗貴子さんではなく、蝶野のような変態の方を強く求めていたということになるのか。みんな不健全だなぁ(蝶野の下半身のコスチュームを見つめながら)。
しかし、「武装錬金」が雑誌内での地位を回復して掲載位置が中盤で安定して来たのは嬉しいことなのですけど、こうなってしまうと逆に「もうすぐ打ち切られちゃう!
」みたいな危機感が薄まって来るので、読んでいてもせっぱ詰まった感覚というか、「今のうちに楽しんでおかなくては!」という背徳的な衝動みたいなものがなくなって来てしまって、ちょっと物足りなく思えてくるのは何故なのでしょうか。
特に「武装錬金」の場合は、連載初期からアンケート不人気の噂が囁かれていただけに尚更です。私にとって「武装錬金」とは、マンガとして面白いんだけど常にアンケート人気に不安を抱えていなければいけない、アンビバレンツな存在になってしまっている様なのです。
こう考えてしまうのは、やっぱり私のワガママなのか?(やっかいだ)
もしかしたら、週刊連載マンガの楽しさの中には、「好きな作品がいつ打ち切られるか判らない」という刹那的な儚さや脆さまでもが織り込まれているのではないのだろうか。そして、そんな読者の危機感を演出するのも、また雑誌編集者の仕事のうちなのではないのだろうか? 私は、ジャンプ編集部の思うツボにハマってしまったのではないか? と、余計なことまで考え始めてしまう始末です。
何とかして下さい。
とか言ってるうちに、今度は「ゲドー」と「スピンちゃん」が何だか思わせぶりな展開に! ネットでの噂通り、この二本も打ち切り候補の中に入ってしまっているのか! どっちも好きなマンガだから、アンケートを出さなきゃ! 実名で! 実年齢で!
すっかりジャンプの思うツボ。
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あと、今週のジャンプで最も熱かったのは、文句なしで「デスノート」の夜神局長に決定。
TV局にトラックで単身突入をいきなり大敢行! あれが彼の武装錬金!(まちがい)
2004/05/11
■「武装錬金」は歴史に残ると思った
「武装錬金」の掲載位置が上がってる!(挨拶)
ジャンプでの掲載位置に関わらず、ここ最近の「武装錬金」の盛り上がり方はスゲエです。特に今週は超スゲエ。
第一話をリフレインするかのような、「妹を助ける」というシチュエーションの再来!
第一話と変わらないカズキの信念! 変わってしまったカズキの姿の中に変わらないものを見出し、兄を信頼するまひろ!
カズキと斗貴子が「味方」であることを生徒達に認めさせるために行動した友人一同!
それに呼応し、自ら戦おうと立ち上がったクラスメート達!
モザイクがかかるくらいグロいプロセスを経て、合体して巨大化する敵ホムンクルス!
それを一撃で破壊するカズキ!
強い! 強過ぎる! 斗貴子さんもビックリだ!
そしてついにみんなのアイドル・パピヨン蝶野が登場! どうなるのこれから、ってところでエンド!
うわーい何だこの面白さ! この密度の濃さ! 泣ける! 超泣けるよ!
ただ、この密度の濃い面白さをもたらした最大の要因が「連載がもうすぐ終了するので、限られた話数でこの作品が描きたかったことを全て表現しようとしている
」ところにあるとしか思えないってのが、何とも皮肉というかせつないと言うか何というか。
せっぱ詰まった状況だからこそマンガが面白くなることもある、という感覚をジャンプで味わったのは「バオー来訪者」以来のような気がします。
パピヨン蝶野の変態ぶりや斗貴子さんのブチマケっぷりなどのおもしろおかしな要素が話題になりがちな「武装錬金」ですが、というか私もこれまで喜んでそういうことをネタにして来たのでアレなんですが、この作品の本質はあくまで主人公のカズキの真っ直ぐな信念を「武装錬金」という存在を通じて表現することにある、と私は思っています。斗貴子や蝶野の存在は、むしろカズキの「信念」を表現するための視点を読者に提供する、パートナーとしての役割を果たしているのです。
何か表現したいテーマがあり、それを表現するために数々のキャラクターやその関係性が構築されている――という意味において、この作品はとてもよく設定が練られていると思います。作品の土台が安定しているので、蝶野やブラボーやムーンフェイスといった度を超えた変態達が大暴れしようが、ちゃんと物語が破綻せずに成立しているのではないのでしょうか。
そして現在の展開は、その「テーマ」がかなり明確に表現されています。ここに来てテーマ性を明確に打ち出して来たのは、やっぱりこの物語がいよいよ終盤に差し掛かってきた証拠なんだろうな、と思う次第です。
「武装錬金」はジャンプの連載作品としてはイマイチ成功しなかった作品かも知れませんが、「良質な少年マンガ」として後世に語られるようなタイプの作品になりそうな気がします。「るろうに剣心」とは違った意味で、和月先生の代表作になりそうな、そんな感じ。
…と、こんなことを書いておきながら連載が終わらなかったらどうしよう(笑)。
ガンバレ和月先生!(←フォロー)
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あと今週のジャンプでツボにハマったのが「ゲドー」の機関銃眼。
このくだらなさが最高。もちろん誉めてます。