2005/03/15

■てれびくん4月号

ウルトラマンネクサス」を観ていなくて、「てれびくん」版ネクサスも読んだことがない方への解説:
 3/14更新分の椎名百貨店Webの原稿速報に掲載された褐色の肌の美少女・セラちゃんですが、この娘は既に死んでます(ドクロ)。

 というか、ドラマの中で如何にも東南アジア系な雰囲気を醸し出しているセラ役の女の子を演じているのが日本人(田中舞)だと知ってビックリ。子役と言えども、やっぱり役者ってすごいなあと思いました。
 そんな感じで、今回はてれびくん掲載のコミック版「ネクサス」と、あと本編のことを少し。

 で、今「ネクサス」と言えば、Google Suggestで「ウルトラマンネクサス」と検索すると、検索候補の筆頭に「ウルトラマンネクサス 打ち切り」が出てきてしまうくらいホットな状況(湾曲表現)になってますが(*)、それはそれとして、ここ最近の「ネクサス」はホント面白くなっていると思いますよ。いやマジで。
 これまで(~16話)の「ネクサス」は、内容が面白いかどうかという以前に「色々な意味で凄すぎる」(陰鬱な展開とかが)という文脈で語られても致し方がない内容だったと思うのですが、主人公の狐門君が恋人の死を乗り越えて戦う決意を固めた話以後(17話~)からは、ドラマの雰囲気がかなり変わりつつあります。

 個人的にちょっと感動したのが、第20話でビーストの写真の撮影に成功したけどビーストに襲われて死んでしまったカメラマン(保呂草)の助手(潤平)が、MPに記憶を消されてしまったにも関わらず、保呂草の遺志を継いで自分もカメラマンを目指すと言い出すシーンでした。
 ビーストに殺されてしまった保呂草は、元々(現在ウルトラマンに変身してビーストと戦っている)姫矢がカメラマン時代に戦場で最後に撮影した写真に感銘を受けてカメラマンになることを志した、「姫矢の志を継ぐ存在」とも言える人だったのですが、そんな彼が亡くなっても、彼の志は更に次の人間へと受け継がれていく――これはつまり、姫矢の意志が「絆」によって結ばれ、新しい世代に伝えられていくことの象徴であると言えます。このドラマのタイトルにもなっている「ネクサス(絆)」という概念が、いよいよ具体的な形となってドラマの中に登場するようになったんだなあ、と感心させられるエピソードでしたね。
 もっとも椎名コミック版では、この辺のエピソードは諸般の都合で端折られていますが。

 今回コミック版が注目したのは、溝呂木がダークメフィストと化したきっかけを描いた過去話(17~18話)と、立て続けにビーストと戦ったおかげですっかり消耗してしまった姫矢のフラフラっぷり(19~21話)の方でした。
 結果的にウルトラマンとTLTが怪獣と戦うエピソードが連続する構成になっているので、今回は格闘マンガとして普通に楽しめる内容になっています。その上、姫矢がTLTに捕獲されてしまうところ(21話)で話が終わっているので、次回への「引き」の要素も十分。
 果たして姫矢の運命や如何に!? という、原作ドラマを見た時のスリルを再び味わえる内容になっているのは流石です。

 まあでも、「てれびくん」4月号のネクサスの記事には、「今までネクサスに変身していた姫矢准が、ダークメフィストとの戦いで行方不明に!」「誕生! ネクサスジュネッスブルー! 姫矢に代わってネクサスに変身する適能者に選ばれたのは千樹燐だ!」と、早くも姫矢がリタイアしてネクサスが代替わりすることがハッキリと明記されているので、ある意味台無しではあるんですけどね。さすがはよい子達に真のジャーナリズムを伝える情報専門誌、例え同じ雑誌に掲載されているコミックに対しても、まったく容赦がありません。
 コミック版では、「ネクサス(絆)」の継承がどのような形で表現されるのか。そこが次回以降の見どころでしょうか。

 で、原稿速報で椎名先生が言っている「シリーズ前半のクライマックス」ですが、次回の3/19に放送される予定の第24話『英雄 ―ヒーロー―』が、まさにそのクライマックスにあたる回となります。
 「岩に縛られて磔にされたウルトラマン」というショッキング極まりないシーンから開始されるであろうこのエピソード、まだ「ネクサス」を観たことがない方が試しに観てみるには丁度良い機会なんじゃないかと思われるので、興味がある方はご覧になってみて下さい。ネクサスが「凄い」理由が判るかも知れませんよ?(煽り)

 あと「てれびくん」に載ってた記事では、「仮面ライダー響鬼」に登場する新ライダー・威吹鬼(いぶき)が格好良いと思いました。武器がラッパなところが特に萌えです。「烈風を力強く吹き鳴らすぞ!」ってアオリ文句も熱いです。更に、ラッパなくせに変形してマシンガンになるところはもっと熱いです。
 これのオモチャが欲しいです(真顔で)。

※「ネクサス打ち切りはデマ」という情報も既にありますね
http://www.c-player.com/ac27486/thread/1100009791506

2005/03/11

■杉本ペロ先生とワイルドアームスの組み合わせは異常だと思ったサンデー15号感想

  1. 鈴木央先生登場(ブリザードアクセル)
  2. 「私は誰も死なせぬ!」(金色のガッシュ)
  3. 白爪の七人(クロザクロ)
  4. 「オレは絶対テメーにゃ負けねえ!」(道士郎でござる)
  5. 「女にモテたこと…ねぇでしょ?」(からくりサーカス)
  6. 番外:三木のり平(焼きたて! ジャぱんですよ)

1. 鈴木央先生登場(ブリザードアクセル)

 「ブリザードアクセル」が載ってるとこだけ雰囲気がジャンプだ!(感想)

 普通の漫画家の場合だと、掲載誌が変わったら作風が多少なりともその雑誌のカラーに沿った雰囲気になったりするものだと思うのですが、鈴木央先生の場合は何かそういうのが無いような気がします。
 P.26で「もっと騒いでくんねーんだよー!」と騒ぐ主人公の描写の仕方なんか、言葉で表現するのは難しいんですけど、でも何となく「表現の仕方がジャンプっぽいなあ」とか思いません?(思い込み)

 それで内容の方ですが、読み切り版とは大きく話の中身を変えて勝負に出て来たな、という印象です。全編に渡ってコメディータッチだった読み切り版とは違い、今回は主人公のコンプレックスをフィギィアスケートを通して昇華させることで精神的に成長して行く過程を描く、正統派少年マンガな展開を期待させてくれる雰囲気の作品だと思いました。今年のサンデーの中軸を担えるマンガに成長してくれることを期待します。
 後は、主人公の友人の花音というキャラの性別が、個人的には激しく気になります。着ている学生服からすると多分男なんだろうけど、カラーページのイラストでスカートのようなものを履いて踊っているのが混乱の元凶。ぜひ脱がせて下さい

2. 「私は誰も死なせぬ!」(金色のガッシュ)

 仲間の命か、世界の滅亡か。相反する選択を突きつけられたガッシュは、悩んだ末に「私は誰も死なせぬ!」とどちらも救う道を探すことを高らかに宣言。仲間を救うためには『ファウードを復活させる』危険を冒すことも厭わない勇気を仲間達に見せることで、彼はついに「王への道」を歩み始めたのだ――というお話でした。
 王への道、即ち王道。ガッシュの選択した道は、「少年漫画として正しい選択肢はそれしかない!」という意味においても、まさに王道の展開となりました。雷句誠先生は『ヒーロー』を描くことに対して常に激しい情熱を抱いている方ですが、だからこそこんな王道的展開であっても説得力を持ったストーリーが描けるんだな、と感心させられた次第です。

 で、それはそれとして、今週の「ガッシュ」では、ガッシュの尻を頭の突起物でしきりに突くリーヤの姿が印象に残りました。だって尻ですよ尻。尻を突起物で突っつくんですよ。これは一体なんの暗示ですか? 「それはリーヤの友好のしるしだ。気に入られたものだな」ということは、リーヤ×ガッシュは既に飼い主公認のカップリングということに?(バカ)
 あと、P.83でガッシュが「この選択にはまだ時間がある!」と叫んだ時に清麿が見せた邪悪な笑みが忘れられません。いったい清麿殿に何が!(バカ)

3. 白爪の七人(クロザクロ)

 初登場時から、早くも「敵か味方か判らないけど、こんなのが味方になったら嫌だ」と思わせるに十分な負の迫力を醸し出していた「クロザクロ」のおかしな六人組ですが、どうやら彼らは御形の仲間だったらしいです。つまり、敵か味方かという分類で行けば、彼らは味方ということに。マジすか! こんなのが味方になっちゃうんですかこのマンガ!
 今週の話の中でも、彼らはどれも容姿に違わぬ一癖ありそうな性格のキャラとして描かれており、こんな連中にこれからつきまとわれることになる幹人君は大変だなあと思ってしまいました。

 この中でも特に嫌でも目を惹くのが、「(すずな)」「蘿蔔(すずしろ)」と名付けられた白黒ゴスロリ少女コンビ。本来私のような立ち位置にいる読者は、彼女達に対して「ゴスロリ幼女! 夏目先生デザインのゴスロリ幼女! モエー! モエー!」と、時節を弁えず脊髄反射的に叫び出さないといけないはずなんですけど、でもさすがの私ですら、彼女たちに対して萌えることを激しく躊躇わせる何かがあります。あまりに怖くて、うっかり萌えられません。
 さりげなく幹人の肩を馴れ馴れしく叩くパンダのぬいぐるみに恐怖しながら次。

※今週の豆知識:「白爪の七人」の名前は、春の七草に由来しています

4. 「オレは絶対テメーにゃ負けねえ!」(道士郎でござる)

 平時における腕力のなさではサンデーの中でも「クロザクロ」の幹人に比類するくらい非力な「道士郎でござる」の健助殿が、ついに今週ヤンキー相手に「オレは絶対テメーにゃ負けねえ!」と大激怒。
 彼の言う「強い」「弱い」は腕力のことではなく、人としての器とかそういったメタなレベルの概念のことを指していると思われますが、権力を傘に平気で他人の尊厳を踏みにじる様を目の当たりにした健助は、いよいよ『人として最も大事なもの』に目覚めつつあります。
 彼が本当の意味でのリーダー(道士郎的な表現で行けば「殿」)となるための戦いが、今ついに始まったのです。

 なんか純粋に「がんばれ健助殿!」と応援したくなる展開で燃え。自分も池内君と一緒に健助殿伝説の語り部になりてえ。

5.「女にモテたこと…ねぇでしょ?」(からくりサーカス)

 今、阿紫花さんがサンデー読者の8割を敵に回したー!(感想)

 おそらく阿紫花最期の戦いになるであろう今回の対戦相手が、(過去に因縁があったとは言え)何故よりによってパンタローネ様なのか? と、このマッチアップに対してちょっと疑問に思っていたのですが、今週の「からくり」を読んで納得しました。
 つまり今回の対戦は、これまで様々な女にモテて来た阿紫花と、たった一人の女主人にすらモテることができなかったパンタローネを対比させ、彼らオートマータが何故人間を「笑わせる」ことができないのか? というこの作品の命題とも言えるテーマを、この二人に象徴させる意味合いがあったのではないかと思います。こういう展開なら、確かに軟派な阿紫花と堅物のパンタローネの組み合わせがお似合いですね。

 という意図はよく判ったのですが、でもやっぱり「女にモテたこと…ねぇでしょ?」という台詞は刺さりますね。に。

番外:三木のり平(焼きたて! ジャぱんですよ)

 タイアップ!(挨拶)

 アニメ版「焼きたて! ジャぱん」はコンビニのローソンとタイアップを結んで「ジャぱん」ブランドの限定パンを販売、通常の菓子パンを遙かに超える好調な売れ行きを見せている――なんてニュースがこの前「ワールドビジネスサテライト」で流れてましたが、まさか「ジャぱん」タイアップ業界に桃屋が参入して来るとは想像もしてませんでした。いくら何でも、三木のり平飛び道具としてあまりにも強烈過ぎます。
 この前のジャムおじさんネタといい、もっと前のメーテルネタといい、「ジャぱん」は権利方面で無茶なことばっかりしてますね! いいぞいいぞもっとやれ!(無責任)

 そして、食パンに「ごはんですよ」を塗って食べるソリューションは、「ご飯にかけて食べると美味しいものは、パスタにかけても食える」理論(例:パスタ+納豆)を応用したものと解釈しました。一度試してみたくなる衝動に駆られます。きっと、今週は全国のスーパーで「ごはんですよ」の売れ行きが異常な伸びを示しているに違いないです! タイアップおそるべし!
 でも、ご飯と一緒に食べると美味いモノは、素直にご飯と一緒に食べた方が良いのでは?(だいなし)

2005/03/09

■おたく:人格=空間=都市

 今日はマンガとかあまり関係なく、普通の日記っぽいこと書きます(挨拶)。

 週末に都内に出る用事があったので、せっかくだからということで恵比寿の東京都写真美術館でやってた「グローバルメディア2005 おたく:人格=空間=都市」展(以下、おたく展)を観てきました。ヴェネチアの国際建築展で公開されて好評を博した(らしい)展示を再現しました! という触れ込みのアレです。
 会場には午後1時過ぎに着いたのですが、既にかなりの入場待ち行列が発生しており、実際に入場できるまでに1時間近くかかってしまいました。こんな行列作ってまで「おたく」的なモノをわざわざ見たいだなんて、みんなモノ好きなのだなあと思いました(人のこと言えませんが)。

 展示内容は、ラジオ会館とかに置いてあるレンタルショーケースの再現、床に貼られたり天井から吊されたりしている色々なアニメの販促ポスター、様々なジャンルの同人誌の実物展示、コミケのサークルカットを実際の配置通りに展開してみた図、模型で表現した秋葉原の町並み。そんな感じ。
 全体的に、いわゆる「おたく」的な、更に言えば「秋葉原」的なエッセンスを展覧会の会場に濃縮して見せてやろうという意図が感じられ、「海外の展覧会向けとはいえ、よくもここまでそれっぽいモノを集められたものだ」と感心させられましたが、何しろ観客の数が多かったので、個々の展示物や会場全体の雰囲気をじっくり味わって鑑賞できる雰囲気ではなかったですね。

 まあ、常に人で混雑しているのが秋葉原の特徴でもあるので、会場内で秋葉原同様の混雑を生み出す我々の存在も、また「おたく展」の展示物の中の一つなのだ! みたいなメタ的な意図があったのかも知れませんが(多分考えすぎ)。

 そして今回の展示物のメインは、「趣都の誕生・萌える都市アキハバラ」で主張されている『秋葉原という街の今の形は、秋葉原に集う「おたく」の個室を巨大化させたものである』という「おたく:人格=空間=都市」論を具体化した「おたくの個室」と銘打った部屋なのですが、でも「この部屋に入るだけで更に1時間程待つことになりますが、よろしいですか?」とか案内の人に言われたので、さすがに断念してしまいました。コミケでだってそんなに並んだこと滅多にないのに!(ダメ)
 ヴェネチアならともかく、ここ東京では「おたくの部屋」なんてそれこそ普遍的に存在しているものだと思うのですが、それでもあえておたくの部屋を見たいだなんて、みんなモノ好きだなあと思いました(人のこと言えませんが)。

 それでこの展示を我々が見る価値があるかどうかなのですが、基本的にこの展示で提示されているおたく的なフレーバーは、基本的には恵比寿から電車で30分くらいで行ける秋葉原の駅前にある秋葉原ラジオ会館に行けば得られるものばかりなので、少なくとも日本在住の現役おたくな皆様方なら、あえて行く必要性はないでしょう。秋葉原さいこう。
 強いて言えば、「趣都の誕生」で述べられている理論が具体化した姿を見てみたい評論家気質の方、および身近におたくがいないけど「おたくの空間」というものがどんなものかを見てみたい物好きな方向けでしょうか。ただ、前述したように会場内は混雑が予想されるので、「おたくの個室」を実際に見たい方は長蛇の列を覚悟した方が良いです。

 あと、(既に終わってしまいましたが)同じ東京都写真美術館で開催されていた文化庁メディア芸術祭も見てきました。
 「マインドゲーム」が想像以上に変なアニメでビビったこと、「まかせてイルか!」が普通に面白そうだったので全部見てみたいなあと思ったこと、ニンテンドーDSの「ピクトチャット」が異様に面白いのでDS欲しいと発作的に思ったこと、「YKK AP EVOLUTION」の『海岸や線路の上を浮遊する空想物体』の格好良さにグッと来たこと、あと「」における夢オチの引っ繰り返しっぷりが印象に残りました。

 以上、普通の日記でした。

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2005/03/05

■佐藤×高木カップル成立記念 サンデー14号感想

  1. 「甘ったれめ! お前が決めるんだ!」(金色のガッシュ!!)
  2. 「D-LIVE!!」100回記念
  3. お互いの事を考えてる九蓋と幹人(クロザクロ)
  4. 今週の「ハヤテのごとく!!」
  5. 狛光爾を見て目覚める北大路輝太郎(最強!! 都立あおい坂高校野球部)
  6. 番外:ギャグフェスタ2005

1.「甘ったれめ! お前が決めるんだ!」(金色のガッシュ)

 「君も決めなければならない。リィエンという友の死か、全世界の人々の死か、どちらかを

 大切な人の命と世界の運命を天秤にかけられる、という展開はヒーローもの作品のクライマックスとしてよくあるパターンではありますが、それだけに読んでて盛り上がるのも確かです。
 魔界の王の力とは絶対的なものであり、それだけに王となる者には、自分が行使すると決めた力が及ぼす全ての物事に対する責任を背負う"義務"と"覚悟"が必要となります。清麿が言う『決して逃げられない究極の選択を背負う覚悟』とは、即ち王たるものが持たなければならない資格そのものでもあるのです。
 「ファウード」という巨大な力を復活させる鍵となることで、図らずも世界の命運を背負うこととなったガッシュ。いよいよ物語は、ガッシュが「王」となるための英雄譚的色彩を帯びて来たと感じました。

 そんな感じで今週の「ガッシュ」はこれからに向けて盛り上がれるいいお話だったんですけど、ただ一つ間違っているところがあるとするならば、究極の選択に迷うガッシュに「甘ったれめ! お前が決めるんだ!」と決断を促す魔物・リーヤのデザインが、やたら可愛すぎるので迫力に欠ける点でしょうか。
 リーヤちゃんモコモコの着ぐるみを着てあったかそうでちゅねー(バカ)

2.「D-LIVE!!」100回記念

 微妙な掲載位置を常にキープしながらも、着実に連載回数を積み重ねて来た「D-LIVE!!」。
 今のサンデーで2年間連載を続けるのはかなり難しいことを考えれば、何だかんだで「D-LIVE!!」は連載作品として成功しているですよねー。大したものです。

 それで今週はついにマン島TT編完結。
 口では「俺の背中が見えなくなった時点で俺とお前は敵対関係だぜ!」とかツンツンした台詞を言っておきながら、心の中では「今度はお前と差しで戦ってみたいぜ!」とデレデレしたことを妄想している、最後の最後までツンデレ系キャラとしての誇りを貫き通したロコが徹底的に可愛かったエピソードとして、永遠に記憶していきたいと思いました。

3.お互いの事を考えてる九蓋と幹人(クロザクロ)

 今回の「クロザクロ」は、ニワトリをぼんやり見つめながら、何気なくお互いのことを考えてる幹人と九蓋の相思相愛っぷりに萌える回と認識しました。
 ああ、自分が独身男性じゃなくて、カップリング大好きな女子に生まれていたら(以下略)。

 あと今週は、敵だか味方だかよく判らない不審人物が6人まとめて見開きページを使って登場しましたが、この中で人間的にまだしもマトモそうに見えるのがたった一人だけ(右から2番目)しかいないのが気掛かりです。ギリギリで乙種合格レベルなのが一人(一番右)。左側にいる残りの4人は、明らかに容姿で人生アウトです。このまま平松伸二氏のマンガ「ブラックエンジェルス」の世界に行っても敵役として立派に通用しそうなフリークスっぷりがたまりません。
 こんな連中と比べれば、「傀牙の上位種」と謳われるザクロやスグリ達の方が、まだしも『人間』に近いのではないか? と思いました。最近の「クロザクロ」に出てくる連中って、何だかこんなのばっかりですね。勿論、個人的には大喜びです。

4. 今週の「ハヤテのごとく!!」

 先週いきなり「性格の悪いヒロインの許嫁」なんてネガティブな存在が出てきたので、作者はどんなつもりでこのキャラを出したんだ? と訝しんでいましたが、今週の物語を読んで納得。彼(橘ワタル)はハヤテの直接のライバル的な存在ではなく、あくまで「ホレてる伊澄とハヤテとの関係を誤解して突っかかってくるトラブルメーカー」に徹する方向で攻めるキャラな訳ですね。
 彼が出れば必然的に伊澄の出番も増えてくるので、必然的に伊澄とハヤテとの絡みも増えることになり、物語は更に『勘違いドタバタラブコメ』みたいな雰囲気に。上手いこと仕掛けを作ってるなあ、と感心しました。

 あとちょっと面白いのが、ハヤテにしろワタルにしろ、どちらも「年上の女性に惚れている」という点。年上の女性に永遠の憧れを持つ男性心理を突くことを狙っているのでしょうか。それとも、単に作者の趣味なのでしょうか。
 とりあえず畑先生は、年上萌えに並ぶ先生のもう一つの趣味である「女装癖」を満たすため、とっととワタル君を女装させるべきです(決めつけ)。

5. 狛光爾を見て目覚める北大路輝太郎(最強!! 都立あおい坂高校野球部)

 宝田と同レベルのバカ勝負に熱中していた北大路の前に颯爽と登場し、遙かな高見から北大路を尊大な態度で見つめる光爾。彼の存在に気付き、己がなすべき本当の使命を思い出した北大路は、ついに本当の実力を発揮し始めるのであった!

 まだ第一回戦なのに、まるで最終決戦間近クラスの格好いいシチュエーションだなあと思いました(縁起でもない)。
 おそらく、これで第一回戦はあお高の勝ちで決定でしょう。北大路と宝田はバカさ加減においても野球の実力においてもおそらく同レベルですが、本当の意味での"ライバル"を持っている北大路と持っていない宝田の差が、勝負の結果となって現れたのだ! みたいな展開になるんじゃないかと予想。

番外:ギャグフェスタ2005

 個人的には、河北タケシ氏の「やってくる!!」の勝ちと判定しました。
 「犬ちゃん」の頃からこの人の作品が醸し出す微妙な雰囲気が好きなので、河北氏にはこの調子でこれからも頑張って頂きたいと思います。

2005/03/03

■逆襲の久米田

 久米田の野郎、やりやがったな!(赤松健の声で挨拶)

 『久米田康治先生が4月から週刊少年マガジンで連載を始める』という事件が発覚し、マンガ系サイトの話題はこれでもちきり! 「エイケン」の松山せいじ先生まで大喜び! だったりした今日この頃、皆さま如何お過ごしでしたでしょうか。

 「かってに改蔵」連載時には前サンデー編集長との様々な確執が伝えられ、連載そのものは成功したにも関わらず心理的には結局一敗地にまみれる事となってしまった久米田氏ではありますが、まさか次の作品をサンデーではなくマガジンで連載する行動に出るとは。流石です。
 例え精神的には絶望の淵に追い込まれていても、久米田先生はどこまでも芸人魂を忘れない人なんだなあと思いました。

 ネットでは、既に久米田氏の永遠のライバル(というか、一方的に久米田氏がケンカ売ってただけのような気もしますが)である赤松健氏との絡みに対する期待感が高まっており、この件をネタに赤松氏が公式にコメントを発表する(2/26)程の盛り上がりを見せています。このコメントからは赤松氏も今回の事態を随分と楽しんでいる様子が伺え、微笑ましい限りです。
 そんな感じで、両氏の関係を知っている少年マンガのファンにとっては今後のマガジン誌上での展開か今から楽しみなところなのですが、でもこの事態をサンデー編集部の側から観測してみると、そりゃもう「心中穏やかではない」どころの騒ぎじゃ済まないレベルなのは間違いないものと思われます。

 サンデーも今月から新連載攻勢が開始されることが明らかになっていますが、いかな「ライジングインパクト」の鈴木央先生の威光を持ってしても、「久米田康治がマガジンで連載」ネタの話題性には色々な意味で勝ててません。
 仮に久米田氏の次回作がサンデーで描かれることになっていたとしたら、今のような大騒ぎにはならなかったろうとは言え「弟子の畑先生とのコラボレーション」的な盛り上がりが期待できたであろうことを考えると、やっぱり久米田先生を失ったことはサンデーにとって大変に勿体ないと言わざるを得ません。

 というか、当の畑先生からすると、今回の事態は『非業の死を遂げたはずの師匠・久米田先生が、サンデーに復讐するために地獄から甦り、「永遠の天敵」であるはずの赤松健氏と手を組んだ!』 ということになる訳ですよ。かつての師匠が自分の敵に! まるでジャンプの格闘マンガみたいな熱い展開じゃないですか先生!
 本当の敵を倒すためには、まず己の師匠を倒して乗り越えなければならないんですよ先生! 「武装連金」のカズキとブラボーみたいな関係でかっこいいですよ先生! 「善でも悪でも、最後まで貫き通せた信念に偽りなどは何一つない!」「さよならは言ったはずだ! 別れたはずだ!」 ですよ先生! 畑先生のマンガが読めるのはジャンプだけ!(サンデーだけです)
 いやまあ、我々のようなファンは、サンデーの被った機会損失や、畑先生が背負うことになった「武装連金」のカズキ並に重い新たな十字架のことなんかは全く気にしないで、無責任に「わーすげえー久米田先生やるなあー」と騒いでいればいいんですけどね(ドクロ)。

 あの久米田先生がサンデーとはまったくノリが違う上に「外様作家に厳しい」と伝えられる週刊少年マガジンとノリが合うのかどうかはまだまだ未知数ですが、4月からマガジンで始まる予定の「さよなら絶望先生」が今年の春の話題作になることは、もはや間違いないでしょう。赤松先生や畑先生の今後の動向も含め、期待して行きたい所存です。

 あと、一応このサイトの本旨的な話題にも触れておきますが、サンデー3月新連載のラインナップの中に椎名高志先生の新連載「絶対可憐チルドレン」の名前がなかったことを考えると、多分連載が始まるのは4月になるんじゃないかと思われます。ゴールデンウィークが始まる時期辺りでしょうか。「一番湯のカナタ」が始まったのと同じ時期ですね。
 でもそうなると、久米田先生の「さよなら絶望先生」と連載開始週がぶつかることになりそう。もしそうなったら、なんかもの凄く分が悪そうな気がします(椎名氏側に)。

2005/02/26

■風邪引きました…(近況) サンデー13号感想

  1. 清水(MAJOR)
  2. 勝ち気でドジで眼鏡なメイドのお姉さん(ハヤテのごとく)
  3. 眼鏡を外したオーディン(史上最強の弟子ケンイチ)
  4. 皮村(いでじゅう!)
  5. 「こいつとなら頂点に行けそうだ!」(D-LIVE!!)
  6. 番外:あやかし堂のホウライ

1. 清水(MAJOR)

 アニメ版も好調らしい「MAJOR」ですが、サンデーの方ではついに連載500回に到達した模様。おめでとうございます。かつてサンデーコミックス内では最長だった「GS美神」のコミックス巻数記録(39巻)を「MAJOR」が塗り替えた時、「サンデーコミックスが40巻を突破するだなんて!」と個人的に騒いでいたのが懐かしいです。
 ストーリーの方も相変わらず面白いので、この調子で「名探偵コナン」相手にどっちの方が連載を引っ張れるか対決を永遠に続けて頂きたいと思いました。銀河リーグ編開始まで、あとたったの11年ですよ!(多分無理です)

 それで今週の「MAJOR」は、貴重な巻頭カラーページを使われてまで弟から「男日照り」と言われてしまう清水があまりに可哀想だったので、思わず今週の第一位にしてしまいました(バカ)。
 出演したマンガが「MAJOR」でなければ、もちょっと普通に『スポーツマンガの典型的ヒロイン』ができてた気もするのですが、まあ基本的に「MAJOR」は男同士の(中略)を描くのが主眼のマンガなので、女性キャラの扱いが相対的に低くなってしまうのは致し方ありません。それでこそ満田先生のマンガのヒロインだ! ということで一つ。

 そして来週からの新展開は、かつての黄金バッテリー・吾郎×寿也コンビが復活するかどうかに期待。

2. 勝ち気でドジで眼鏡なメイドのお姉さん(ハヤテのごとく)

 今更「タイが曲がっていてよ?」「ごきげんよう」程度の「マリみて」パロディ如きで釣られる私ではありませんが、自分がコケたところをハヤテに見られた時の「目に涙を溜めて睨みながら本気で悔しがってる、勝ち気でドジで眼鏡のお姉さん」な姿に対しては容赦なく釣られる私です。よって第2位(バカ)。
 とりあえず、P195の5コマ目の彼女(貴嶋サキ)の表情にグッと来ない人はどうかしているね! と断言していきたい。

 それはともかく、今回は今後のストーリーにも深く絡んで来そうな「ナギの許嫁」・橘ワタルが登場しました。「許嫁」と紹介された時に彼が不機嫌そうな表情をしているのは気になりますが、明らかに性格が悪いトラブルメーカーとして描かれているところを見る限り、今後は彼とハヤテとの間に(歪んだ)対立が発生する展開に繋げていきたい意向なのかも知れません。

 恋敵を設定するのはこの手のラブコメでは古典的な話の進め方ではありますが、一つ気掛かりなのは、現在「ハヤテ」を支持している層が、その手のラブコメ的展開を「ハヤテ」に求めているかどうか? という点。
 例えば、この手のジャンルの帝王として君臨している赤松健氏は、ストーリーを作る上で心がけている点として「読者にとってつらいことがあまり起こらない世界を作ることを意識している」という趣旨の発言をしています(参照:「萌え萌えジャパン赤松健インタビューこの辺)。「性格の悪い恋敵」は読者にとってストレス発生因子と成り得るので、赤松スキームの中では基本的に存在してはいけないのです(関係ないけど、アニメ版「ラブひな」の評判がイマイチな一因は、オリキャラとして「主人公の恋敵」を出してしまった点にあるように思える)。

 「ハヤテ」のファン層は、「ハヤテ」に対して赤松スキームのようなストレスレスで快適な箱庭的空間を求めているだけなのか、それとも(おそらく畑先生が目指しているであろう)普遍的な面白さを持ったドタバタラブコメストーリーを受け入れるだけの心の余地があるのか。この違いはかなり大きいように思えます。
 これまでは、どっちかと言えば「ハヤテとナギとマリアの三人が織りなす閉じた空間」の中で上手いこと話を回して来たこのマンガにとって、「婚約者とその側近のメイド」という異物の導入はどのような効果をもたらすのか。自ら正念場に自分を追いつめた畑先生の今後の手腕に注目です。

 声優に囲まれながら接待されてウハウハな帝王・赤松健への道のりは、まだ遠い!
 がんばれ畑先生!

「ハヤテのごとく」個人的まとめページにリンクして下さったサイトの皆さま、ご紹介ありがとうございました

3. 眼鏡を外したオーディン(史上最強の弟子ケンイチ)

 眼鏡キャラにとって「眼鏡」とはある種の仮面のようなものであり、彼らにとって「眼鏡を外す」ということは、即ち本当の己をさらけ出すことを意味しているのだ――という考え方は皆様も既に基礎教養として身に付けていることと存じますが、今週の「ケンイチ」はオーディンこと朝宮龍斗君が眼鏡を外すことで、ついに本気モードに突入してしまいました。
 作者の松江名先生は、格闘マンガのボスキャラにわざわざ眼鏡君を配置する程の方なので、さすがに「眼鏡キャラが眼鏡を外すことの重要性」を正しく認識していらっしゃいます。

 「これから君の根性を叩き直す! メガネをとれ龍斗!
 「本当にメガネをとっていいのかい?

 この一連のやり取りで、彼にとって「眼鏡」が一種の封印として機能していることを読者に提示し、実際に眼鏡を取った時に発動する、「観の目」という『何だかよく判らないけどとにかく凄い』技に説得力を持たせることに成功しています。
 それより何より、この台詞のやり取りには、「眼鏡キャラが眼鏡を取る」ことがどれだけそのキャラにとって重い意味を持っているのか、ということが表現されているように思えます。「眼鏡キャラが眼鏡を取る」重大イベントに十分な意味とカタルシスを与えることができる松江名先生は、ちゃんと眼鏡のことがよく判っていらっしゃるんだなあと思いました。

 ちょっと眼鏡のことを書きすぎた気がするので次。

4. 皮村(いでじゅう!)

 メインカップルの林田君と森さんがサンデー読者の8割にとって未知の領域に旅立ってしまった「いでじゅう!」において、徐々に注目を集めて来ているのが皮村君。
 彼は、自分自身の顔が決して女性にはモテない、今で言うところのキモメンであることを自覚しているが故に、この若さにして早くもモテることを放棄してAV収集と女子へのセクハラに邁進しているという、最もラブから遠く離れた仙人みたいな存在だったのですが、でもここ最近は「サンデーで最も報われない女」こと中山朔美ちゃんのあまりの健気さにヤラれてしまい、彼女のことを随分と可愛く想っているように見えます。

 今週なんか、一番最後のページでさりげなく彼女に肩に手を回しちゃったりなんかしてますよ! あの皮村君が、相手から嫌がられることなく、こんなに自然に女の子に触れるようになるだなんて! 彼も今回の一件で随分人間的に成長したんだなあ! と思ってしまいました。
 果たして、恋を諦めたキモメンと恋に破れた美少女の間に、新たな恋愛感情は発生するのか? キモメンに生まれたばかりに人生の裏街道を歩まざるを得なかった皮村に、救いは訪れるのか? もしこの二人の関係がこれから発展するとしたら、ある意味林田君と森さんの時以上にスリリングな展開になりそうな予感がします。

5. 「こいつとなら頂点に行けそうだ!」(D-LIVE!!)

 とりあえず、台詞が狙いすぎだと思った(バカ)。

番外:あやかし堂のホウライ

 超増刊からやって来たサンデー希望の星・「あやかし堂のホウライ」も、ついに今週で最終回。掲載位置を考えると、評判的には本誌で本格連載をするには正直微妙、といったところでしょうか。
 個人的に「あやかし堂のホウライ」で一番好きなキャラはアヤカのクラスメートである四位名(しいな)さんなのですが、結局最後まで彼女が出てこなかったのが悔やまれます。妖怪に襲われる時の四位名さんの怖がる表情って、ちょっとソソられるところがあって萌え萌えなのになあ! 残念だなあ!(バカ)

 「ホウライ」が載ってないと超増刊はやっぱり締まらないので、これからもしばらくの間は超増刊の重鎮として頑張って欲しいと思いました。

2005/02/23

■お詫びとお知らせ050222

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 申し訳ありませんが、お返事とかはもうちょっとだけお待ち下さい。もうちょっとだけ(専門用語)。

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