2004/07/14

■Groove on Fight back again

 この前の日曜日は参議院議員選挙の投票日でしたが、選挙権をお持ちの皆さんにおかれましては、ちゃんと国民の権利を正当に行使なさったでしょうか?

 なお、ここで言う「国民の権利」とは、勿論「マリア様がみてる」「特捜戦隊デカレンジャー」で始まり「レジェンズ~甦る竜王伝説~」に至る日曜日午前中のアニメ・特撮番組を、TVの前で延々と連続鑑賞することを意味します。
 アニメの視聴は、日本国民として生まれた者が持つ正当な権利ですよ! 当然じゃないですか!(挨拶)

 この前の日曜は「マリみて」の生鑑賞に気を取られ、裏番組の「デカレンジャー」をテープに録画するのをすっかり忘れていてしょんぼり。深沢です。
 こんなこと書いてますが、もう一つの国民の権利であるところの選挙権も、ちゃんと行使して来ました。私が住んでる地域の選挙区は与野党の勢力が伯仲してゲームバランスが取れていたので、観戦しがいがありました(観戦?)。

 で、そんな日曜アニメの中でも、今かなりの盛り上がりを見せているのが「金色のガッシュベル!」。対石版魔物編も中盤に差し掛かり、若本規夫ヴォイスのビクトリーム様、宍戸留美ヴォイスのレイラと、どちらも実によく判っていらっしゃるキャスティングでファンの期待に応えてきたこの番組ですが、この前の放送ではついにウマゴンの本の持ち主であるサンビーム殿が登場しました。声は郷田ほづみさん。渋い人選です。相変わらずよく判っていらっしゃいます。

 勿論、サンビーム殿と言えば「グルービー!」に尽きる訳ですが、アニメでもちゃんとやってくれましたよ! 郷田ほづみの渋いヴォイスで「グルービー!」としっとり叫んでくれました!
 ただ、肝心のグルーヴなシーンが止め絵チックだったのは少々残念というか、せっかくアニメなんだから「グルービー!」と叫んだサンドーム殿独特のテクノな動きをアニメーションで表現して頂きたかったところなのですが、でも私は「グルービー!」というかけ声を聞けただけで大満足してしまったので、もう何も文句言えません!(弱い)
 あと、そんなグルービーなサンビームとウマゴンに対して、ちゃんとレイラが宍戸留美ヴォイスで「ヒュウ!」と口笛を吹いてくれたのも嬉しかったり(弱い)。

 更に次回のエピソードでは、サンドーム殿のもう一つのかけ声である「ロックンロール!」が聞けるはずなので、そちらにも期待したいところ。もしかしたら、そこで「グルービー!」だの「ロックンロール!」だのとシャウトしながらウマゴンと一緒に歌を歌う、視聴者のロック魂を激しく掻きむしるに違いないテーマソングが挿入されるかも知れませんしね。
 もしそうなったら、その曲が入ったCDをまた買わないといけなくなるので気になります。

 あと、二週間ほど前の話になりますが、椎名先生に「『絶対可憐チルドレン』の連載おめでとうございます」とメールを出したところ、丁寧にもお返事のメールを頂きました。
 返事の内容は「絶対可憐」に対する先生の自信が伺える心強いものでしたが、更にそのメールの追伸には、「アニメ版ガッシュのビクトリーム様、イマイチじゃなかったですか?(笑)」とも書かれていました。

 先生も、日曜の午前中はちゃんと国民の権利を行使しているんだなと思いました(まちがい)。

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2004/07/09

■青島さんと関わる男性は不幸になる定めなのか サンデー32・33号感想

  1. 墨村正守(結界師)
  2. 小坂健助(道士郎でござる)
  3. 終わりそうな改蔵と美鳥の日々
  4. 國生さん(こわしや我聞)
  5. マジョラム(暗号名はBF)

1. 墨村正守(結界師)

 いやその、今週の「結界師」で一番グッと来たキャラは、本当はヒゲ兄貴こと正守じゃなくて彼の結界に反応してゾクッと来た表情を見せた時音の方だったりするのですが、そっちは今回のストーリーの本筋ではないので、残念ながら今回はこちらを。

 「烏森を永久に封じて災いの元凶を取り除きたい!」と決意を表明した良守に対しては「いいんじゃない? やってみなよ」と、まるで好きな女の子に告白するかどうか悩んでいる中学生男子の相談を適当に聞き流す大人のような対応を見せた正守でしたが(変な例え)、でも良守の決意を聞いた直後に「町中に結界を巡らせて異形を探す」なんて自分でも無茶だと判っているような行動に出てしまうところから考えると、やっぱり本心では弟の決意に対して色々と思うところがあるみたいです。陰からこっそり男子の恋を応援する大人みたいで格好いいです(変な例え)。
 また、その後の良守と祖父との対話では、「裏会」での彼の立ち位置にも含みを持たせていますし、やっぱり彼は「『裏会』の側に立って烏森の力を得ようとしている」単純な悪役という訳ではなさそう。

 ただ、だからと言っても、単純に良守達の味方という訳でもないのも、また間違いないでしょう。個人的な裏ヒロインである夜未をいいように操って「裏会」の中で何かやらかそうとしているのも気になります。やはりこの男は、今後のストーリーにおいて大きな鍵を握る存在となりますね。
 それに、やっぱり実の兄弟はライバル関係である方が、少年マンガ的に盛り上がりますしね! 墨村の正当後継者となれるのはただ一人! みたいな!(まちがい)

 何にしろ、烏森を巡る各人の思惑が巡り始めたことで、いよいよこのマンガは本格的にストーリーが動き始めたと見るべきでしょう。
 夜未の今後が気がかりです。

2. 小坂健助(道士郎でござる)

 いやその、今週の「道士郎でござる」で一番グッと来たキャラは、本当は健助じゃなくて「早乙女と呼べー!」と激高する前島君の方だったりするのですが、そっちは今回のストーリーの本筋ではないので、残念ながら今回はこちらを。

 今回の事実上の主役となった健助君は、基本的に彼は読者と「常識」を共有して作品世界を観察する、いわゆる『読者にとっての視点キャラ』的なポジションに位置するキャラクターであると言えます。
 そういう立ち位置にいるキャラなので、彼はこのマンガの中では常識外れな道士郎や校内のヤンキー達のおかしな行動に対して常識的な見解からツッコミを入れる『傍観者』に徹するものとばかり思っていたのですが、でもなんか意外に早くも彼に成長の兆しが訪れた模様。まあ、いかなツッコミ役といえども、道士郎に最も近い位置にいる彼もまた「道士郎効果」の影響を受けていた、ということなのでしょう。
 たった一人の男が、無感動・無関心が支配していたつまらない世界を書き換えていく。なんて清々しい、少年マンガらしい少年マンガなのでしょう。西森先生すごいなあ。伊達にヤンキーばっかり描いてた訳じゃなかったんだなあ。

 周囲のヤンキーのみならず視点キャラの健助君までもが変わり始めた今、このマンガもまた本格的にストーリーが動き始めたと見るべきでしょう。
 個人的には、「早乙女と呼べー!」と激高する前島君が、再び道士郎からクズ呼ばわりされないかがどうか気がかりです。

3. 終わりそうな「かってに改蔵」と「美鳥の日々」

 「どちらかが出れば、どちらかがへこむ。本当にいいコンビよね。
  いつも二人でいれば、もう大丈夫ね

 ああ、なんか「改蔵」の部長が勝手に二人をとりまとめるような台詞を!
 彼女は本当に心からそう思っているのか! ちょっと違うような気がするよ!

 「あなたたち二人は、
  この扉の向こうにあるものを、手に入れる権利がある

 そして、改蔵と羽美に、このマンガに引導を渡す役割を押しつけようとしているよ! 今週の部長は本気だ!
 こわい! 部長がこわい!

 そんな訳で、当初の予告通り「かってに改蔵」は次回で最終回を迎えることに。
 最終回の作り方には定評がある(らしい)久米田先生の引き際に注目したい。

 そして、同時に「美鳥の日々」も次回で最終回。基本的にはアニメ版最終回と同じような話になりそうですが、マンガならではの奥深い心理描写を期待したいところです。

 終盤のキーアイテムとなった美鳥の日記は、個人的には以前「人間に戻った美鳥がかつての自分が書いた日記を読み、失っていた過去の記憶を取り戻す」ために使われるのかなーと予想していたんですけど、逆にセイジが美鳥の本当の気持ち――右手の立場から巣立ち、改めて自分の意志で告白したい――を知るために使われたのが興味深かったです。
 このマンガは、ダメ人間の美鳥を引きこもりから脱却させるのが本来のテーマなので、あくまで美鳥が自分の意志で自分の身体に戻り、そして自分の意志でもってセイジに告白しなければ、美鳥の引きこもりが治ったことにならないんですよね。がんばれ美鳥! 引きこもりからの脱却を目指せ!

4. 國生さん(こわしや我聞)

 國生さんってホントにいい娘ですね! 部下として一人欲しいです!
 職場で隣の席からあの瞳で冷たく見つめられたら、気分転換でネットとかヤフオクとか絶対できないよね! 仕事が進みそうだなあ!(プレッシャーで)

 そして、今週のサンデーを読みながら、「オレはこんな秘書が欲しくて社長になったんだーっ!」と泣き叫んでいる中小企業の社長さんが3人くらいはいたんじゃないかと妄想。

5. マジョラム(暗号名はBF)

 マジョラムってホントにいい娘ですね! 夜の部下として一人欲しいです!(夜?)
 というか、ギャンビットの仕事を彼女がパートタイムでこなしていたのは意外です。「夜の看護婦」同様、雑誌編集者もどっちかと言えば仕事するのは夜みたいなイメージがあるのですが、仕事がブッキングしたりはしないのか。というか、そもそも仕事してるのかこの人(主にギャンビットで)。秘密の多い女だと思いました。

 にしても、さすがに今週はいつにも増して掲載位置が微妙。「BF」は安定して面白いマンガだと思うのですが、何だか不遇な気がします。
 この前チャットで話している時に「今週のサンデーの表紙で、イラストが丸で囲まれているマンガは打ち切り候補なんじゃないの?」みたいな不遜な話題が出てきたのですが、あながちこの推測が間違ってない気がして怖いです。「BF」と同じく丸で囲まれてた「D-LIVE!」も、キマイラに最終ボスとしての風格が出てきたり、百舌鳥さんがしきりに「次の世代に…」みたいなことを言い出すようになったりと、まとめに入る雰囲気が出てきたしなあ。「美鳥」は次回で終了だしなあ。「俺様は?」に至っては、もう何がどうなってんだか全然訳わかんないしなあ。

 次々号以降の新連載が気になります(まとめ)。

2004/07/06

■展開予想ブログ化

 前にちょっとだけ書きましたが、先月末辺りから「展開予想ショー」の後継システムの開発に着手しました。
 とりあえず動くレベルになったら公開する予定ですが、とりあえず作業に取りかかったことだけアピールしていきたい(要は公開するメドがまだ立たないということです)。
 以下は開発前に書いたメモです。

概要
  • blosxom(blogツール)を使用した掲示板のシステムを応用し、「展開予想ショー」の後継システムを開発する。
  • 開発コードネーム:GTY - Get Alternative story(いい加減極まる当て字)
改善用件
  • 現行システムでは数ヶ月に一度ログ整理が必要。
     →blosxomを使うことでログ管理を極力自動化する。Blosxomはエントリ毎にPermalinkを持っているので、ログ整理に伴って投稿作品のURLが変わってしまうのも防げる
  • ロック機能が貧弱。ロック制御に失敗して書き込めないケースが多々ある。
     →投稿・コメント時のロック機能を強化する
  • いわゆる「連作」支援機能がない。
     →トラックバックを使って対応。連作を行う場合、前の投稿にトラックバックを飛ばし、リンクを動的に生成する
  • 投稿に対する賛成/反対票の表示が、一覧画面と投稿表示時で異なる場合がある
     →負荷軽減のため、賛成/反対票数の同期を取っていないのが原因。票数管理の方法を変更して対応する
仕様
  • 一覧表示は25件軽度。
     それ以前の投稿の表示はArchiveプラグイン経由で行う。
  • 一覧の表示順は投稿された順番とする。
  • RSS でも投稿・コメント内容を出力する。
  • 初歩的な荒らし行為を防止するため、Writebackを拡張する。
  • 賛成/反対票の管理もWritebackが行う。
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■更新報告040705

 最近職場の同僚繋がりで知り合った女性が、いわゆる校庭にマリア像が突っ立ってるドメインに属する学校の出身であることを知る。
 シスターが先生をやっていたり、目立つ制服なので学校帰りに気楽に寄り道して遊ぶようなマネが出来なかったり、同級生達が世間的な基準では「天然ボケ」に属する系統の子が多かったり、卒業して十年以上経っても同級生同士の結束が妙に固かったりと、如何にもソレっぽい学園ライフの話を聞くにつれ、何だかちょっと興奮。
 すげえ! やっぱり現実にもあるんだそういう学校!(←バカ)

 なお、試しにこの女性に「マリア様がみてる」の話をしてみたところ、「そういうセンスはよく判らない」と軽くあしらわれました。ドメイン内の現実を知る人はロマンには冷たいと思いました。

 というか深沢です。私は高校の頃は工業高校に通っていましたが、「工業哀歌バレーボーイズ」は今でも苦手です。
 まあ、つまりはそういうものなんだろうと思います(挨拶)。

 6月は仕事がクソ忙しくてプライベートな時間をほとんど取れなかったことに心情的に反逆するため、結構がんばってここで日記とか書いてきたつもりですが、さすがに今月は先月ほどにはがんばれそうになさそうです。早い話が、寝ないと死にそう
 問題は、こんな生活があと9ヶ月は続くことなのですが。がんばります…

  • 煩悩の部屋」の創作文集のページに、人狼さんの「GS美神 NEW事件ファイルシリーズ」シリーズ最新作・FILE-13「雌雄を決するとき!」を掲載しました。

    1ヶ月ちょっとぶりの更新です。今回のは前に感想掲示板に書いたとおり、タマモのGS試験編です。
     自分は、アクション的な表現の文章が苦手なので、そっちの方に目が肥えてる人には(下手すると普通の人にも)物足りないかもしれませんが、そうだったらごめんなさい。
    」(人狼さんによる解説)

  • C-WWW インフォメーションの投稿部分を修正しました。
    以前にも予告しましたが、当サイトへの新規作品の投稿は、とりあえず2004年7月末を持って締め切らせて頂く予定です。
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2004/07/03

■サンデー超増刊もみてる ~夏~

 このサイトのこの記事を読んで、サンデー超増刊の春号を「美鳥の日々」外伝のおっぱい目当てで探した皆さん、こんにちはー!(挨拶)

 そんな「美鳥の日々」の外伝は、コミックス7巻に収録されてて良かったですね! 深沢です。
 前回書いた超増刊のエントリが『書店員のたわごと』のたかさんの日記でネタになっててちょっと嬉しかったので、今回もまた調子に乗って先月25日に発売された超増刊についてちょっと触れてみたい。

 今回の夏号では「美鳥」のおっぱいみたいなキャッチーな売りはないのですが、少年マンガ愛好家的な意味においては、やはり何と言っても能田達規先生が登場しているのが最大の売りでしょう。

 かつて旧アスキーコミックで「がらくた屋まん太」を、週刊少年チャンピオンで「おまかせ! ピース電器店」「ORANGE」を掲載し、どの作品も好評を博した――というか、どのマンガも私のハートにたいそうグッと来たので個人的に大好きな――あの能田達規氏が、何の因果かサンデー超増刊に登場。それも、掲載位置で他のサンデーの新人作家とほぼ同列の扱いを受けているというさりげなさで、極めて控えめに登場しています。氏を知っている人なら、おそらく「どうしてこの人がこんなところに!?」と思ってしまうこと間違いなし。私も事前情報がなかったら、「能田達規」の名前を見た途端に驚いて死んじゃうかと思ったくらいです(おおげさ)。

 能田氏は以前「サンデーGX」に一度読み切りを掲載したことはありましたが、純粋な少年サンデー系列の雑誌に作品を載せるのは、多分これが初めてでしょう。実績の割に掲載位置が低めなのは、そういう関係もあるのかも。

 勿論、今回の読み切り『マッドレイダーズ』も能田テイスト満載で面白かったです。
 基本的な筋書きは「王族の生き残りの姫君から依頼を受けた少年トレジャーハンターが、軍隊相手に大活躍!」みたいなノリの冒険アクションものですが、そこに(能田氏のマンガには欠かせない)精神的なライバル関係にある父と息子の競い合い、そんな関係でも確かに感じられる親子の絆の深さ、敵味方が何度も入れ替わるどんでん返しの連続、そんな状況下でも信念を曲げずに行動する主人公の潔さ、そして(これも能田氏のマンガには欠かせない)スレンダーでかつエッチな体つきの女性キャラが大暴れと、とても密度の濃いマンガになっています。
 それでいてあまりゴチャゴチャした印象もなく、一気にテンポ良く読ませる紙面構成もよくできてます。同列に掲載されていた他の新人作家の作品と比べると、さすがに完成度は高いと感じました(キャリアを考えれば当然なんだけど)。

 能田氏のマンガは、ネタが発明であれサッカーであれ、常に「純粋に子供が読んで楽しめる少年マンガ」が描ける才能を持っている人であると思っています。どの雑誌でも良いですから、早いところ連載を持って、再び第一線で復帰してくれることを期待しています。

 その他の掲載作品で気に入ったものを上げるとすると:

  • 「やんちゃ男が怪我してクール男が介抱する」という、基本を押さえた百舌鳥と斑鳩父の関係性にグッと来る「A-LIVE!」(皆川亮二)
  • 「身分を気にせず突っかかってくるやんちゃ男のことが気になっちゃうクール男」という、これまた基本を押さえた青磁と先希の関係性にグッと来る「青磁と先希」(中道裕太)
  • 何だかよく判らないけど勢いだけは感じる「何だ?とは何だ?」(直井俊樹)
  • 明らかに他の作品とは雰囲気が異なる印象を受ける「鬼月」(桐幡歩)

 今回は、前号のように読んでいてカタルシス以上の理不尽なストレスを感じてしまう系統の作品が少なく(皆無ではないけど)、全体的にかなり読みやすくなっていると言えます。

 この中でも、桐幡歩氏の「鬼月」はかなりの注目作(あるいは異色作)。この人のデビュー作「魔法の卵使い」もそうでしたが、この人の描く作品は、最近のサンデーではあまり見られない「読者の感性に訴えかける独特の力」を持っているように思えます。作者のセンスが普通のサンデー作家とはちょっと違っているというか何というか。
 作品のタイプは全く違うのですが、なんか初めて「トガリ」の夏目義徳氏の作品をサンデーで読んだ時と似たようなものを感じた気がします(不吉?)。

 今後桐幡氏がサンデーで連載を持てるようになるかどうかはさすがに判りませんけど、サンデーがどうとかいう以前に、純粋に新人作家として気になる存在です。今後の登場にも期待したいところ。

 あと、超増刊最大のウリであるところの連載作品「あやかし堂のホウライ」も良かったです。前回で人生最大の艱難辛苦を乗り越えた主人公・アヤカが逞しく成長していく様子を見るのが楽しくなって来ました。

 そして今回は、眼鏡っ娘で意地っ張りで人の言うことを素直に聞けないけど実は寂しがりやさんでかつドジっ娘、というかなり極まったお嬢様・四位名(しいな)さんが出て来ますが、この娘が(色々な意味で)秀逸過ぎ。彼女は、まさに妖怪に襲われるためにこの世に生まれ出たような、そんな被虐感溢れるキャラとして描かれています。勝ち気な女の子が不安のあまりボロボロ泣くところが大好きな人なら!
 勿論、最後は主人公のアヤカと四位名がちゃんと助かって仲良くなる健全なハッピーエンドが待っていますのでご安心を!(誰に言ってるのか)

 結局、今回もまたロクでもない紹介をしてしまって申し訳ありません…orz

■ヘソの周囲のムダ毛も処理した方が良いと思います。サンデー31号感想

  1. 「そこも全然計算してないですよ」(伊集院光×満田拓也球漫対談)
  2. ザグルゼム+ザケルガのコンボ攻撃(金色のガッシュ!!)
  3. 「どっちも本当に好きなんだ」(モンキーターン)
  4. 「あいつがレベル2をどこまで使いこなせるかだな」(うえきの法則)
  5. 「君たちの悲喜劇の結末を告げる『女神』だ」(からくりサーカス)
  6. 番外:ハルマキ

1. 「そこも全然計算してないですよ」(伊集院光×満田拓也球漫対談)

 秋からのアニメ化決定で、ますます長期連載化に拍車がかかることになった「MAJOR」。今週号にはアニメ化記念ということで伊集院光氏と満田拓也氏の対談記事が載ってましたが、個人的には当時ファンの間に大きな衝撃を与えた、あの「吾郎が海堂高校を捨て、別の高校に行って海堂と戦う道を選ぶ」展開に関わる部分のトークが興味深かったです。

 満「海堂はあまりに身内が強すぎて、じゃあどこと戦うんだ? というのがありましたから。海堂以上のチームは考えられませんでしたから」
 伊「しかもその後(話が)飛ぶでしょ? 対外試合できませんというので1年くらい」
 満「そこも全然計算してないですよ(苦笑)」

 当時は「吾郎が寿也を捨てた!」と同人女子達の間で大騒ぎになり、ショックで「MAJOR」の同人サイトを閉鎖した人も出たなんて話を聞いたものでしたが、その衝撃の展開は、どうやら上記の思考プロセスによって生み出されたみたいです。週刊連載マンガにおける、ストーリーの不確定っぷりを再認識させられた気分になりました。
 今回の対談で、ストーリーは「その週とか、その前の週に決まる」と今回の対談で図らずも公言してしまった満田氏。氏がインタビューの中で語っていた「予想は裏切り、期待は裏切らない」ドラマチックな展開を、この作品が今後も続けていけることを願います。あと、ちゃんとファンがその展開について行ってくれることも願います。

 しかし、アニメ版はやっぱり少年時代からスタートですか! いきなり「ゴローの父親の頭にビーンボールが直撃!」なんてシュートかつトラウマチックなシーンで、お茶の間開幕デビューを戦慄と共に飾りますか!
 前述の行き当たりばったり的な展開もそうですが、実はよく考えると「MAJOR」って色々な意味で相当おっかねえマンガなのではないのでしょうか。お見逸れしました。

2. ザグルゼム+ザケルガのコンボ攻撃(金色のガッシュ!!)

 これには純粋に感心。ザグルゼムって、こんな使い方できるのな!
 Magic: the Gathering で新しいコンボデッキを見た時くらいビックリしましたよ!(変な例え)

 アニメ版の方は、ビクトリーム様が若本ヴォイスで大暴れしてて満足でした。「ブラァアア!」を携帯の着ボイスにしたいくらいです。
 ところで、アニメの中でビクトリーム様が歌っていたベリーメロンの歌は、シングルCD化されたりするのでしょうか。もし出るなら買わないといけないので、たいへんに気になります。勿論「ちちをもげ音頭」も買います。

3. 「どっちも本当に好きなんだ」(モンキーターン)

 先週は、2ちゃんねるの該当スレッドがたった1日で1スレ消費する程の大騒ぎを読者に巻き起こしたらしい「モンキーターン」。肝心の波多野がこんな調子では、どうやらこのネタは当分後を引きそうな予感がします。
 あと、「どっちも本当に好きなんだ!」とか調子のいいこと思っておきながら、当の「好き」な相手である澄の顔を見ただけでオタオタしてしまう波多野を見て、いい気味だ! もっと苦しめ! と思いました(狭い)。

4. 「あいつがレベル2をどこまで使いこなせるかだな」(うえきの法則)

 「金色のガッシュ」のザグルゼム+ザケルガのコンボ攻撃には純粋に感心させられましたが、「うえきの法則」におけるレベル2無限リサイクルコンボ攻撃は、感心するというよりもむしろ「こんなの出して大丈夫か?」とちょっと心配に。
 今回、植木の能力の本質は「相手の能力を元に戻してしまう能力」であることが示されましたが、これは早い話が『全ての能力者の能力は植木には通用しなくなる』ことを意味しています。マンガの中ではコバセンが「このバトルの本質を根底から覆す能力だ」と誇らしげに言ってますけど、下手すると「このマンガをバトルマンガとして不成立にさせてしまう能力」になってしまう危険性があるような気がしてなりません。
 コバセンは「あいつがレベル2をどこまで使いこなせるかだな」とも言っていますが、本当に植木のレベル2能力を使いこなせる資質を問われているのは、他ならない作者の福地先生(およびサンデー編集部)だと思うのです。

 まあでも、作者の福地先生は例の「相手を眼鏡好きにさせる能力」を考案して自身がレベル2に到達してからは絶好調を維持してますので、私としてはあまり心配してませんけどね!
 つうか、前の森さん対理系メガネ君の眼鏡対決の決着方法はやっぱり納得行かねえ! 眼鏡っ娘が眼鏡を粗末に扱うな!(鼻息)

5. 「君たちの悲喜劇の結末を告げる『女神』だ」(からくりサーカス)

 何故仲町サーカスのメンバー達は、ゾナハ病が蔓延する中で普通に動けるの? という疑問点が浮かびましたが、空に浮かぶ『女神』のあまりの格好良さに感動し、そんな些細なことはすぐに忘れてしまいました。

 ゲーム終演の到来を告げる、空に浮かぶ金属製の天使。
 まるで Magic: the Gathering の「白金の天使」を見ているようです(変な例え)。

番外:ハルマキ

 今週は「KATSU!」のあだち充先生が急遽休載ということで、その代理で突っ込まれたマンガがこれなんじゃないかと思われますが、にしてもこう久しぶりに客観的評価がとても難しい微妙なマンガが出て来ちゃったなぁという感じに。
 ネット上にはサンデーに掲載されたマンガを全てレビューするサイトが沢山ありますが、彼らがこの作品をどう評価するのか楽しみです。このマンガは、新進気鋭の新人が描いたギャグマンガというよりは、むしろ読者を試す挑戦状の域に達していると思います。うちが評論系サイトでなくて良かったです。

 もう一本の読み切り「ミッションX」は、せっかく絵柄やストーリーをレトロな雰囲気で統一しているんだから、ヒロイン格で登場したビン底眼鏡の橘さんも、よりレトロっぽく最初から最後までダサいままだったら、もっと疎外感が出て良かったのに! と思いました。いやその、物語的には勿論決めシーンで眼鏡外すと美少女が! って展開の方が自然だというのは判っていますが!(わがまま)
 「別に眼鏡をとってもかわいくないぞ! そこがいいんじゃん!」(コミック版「G-ONらいだーす」の後書きより)という小野敏洋先生の言葉を真に受けてくれるマンガ家はいらっしゃらないのでしょうか。

2004/07/02

■更新情報 040701

  • 煩悩の部屋」の創作文集のページに、赤のバンダナさんの「GS美神 無限の中の一度」シリーズ最新作・「~リポート06 国道127号線の白き稲妻~」を掲載しました。

    今回のお話は!!チョット族っぽく(?)なってしましました(汗)
    横須賀クンも少し成長します(人間的にも…)
    バイクの名前等チョットマニアックですがあしからず!!
    これをきっかけにバイクに乗ってみては(笑)
    」(赤のバンダナさんによる解説)

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