2006/10/09

■落ち着きがない子は漫画家に適していることが判明したサンデー44号感想

史上最強の弟子ケンイチ

 アニメ版第一話を観ましたが、ケンイチの卑屈な行動が声優の関智一氏のスネ夫ヴォイスとピッタリとマッチし、彼の情けなさを一層引き立てることに成功していますね。今のマンガの方だと「ボクを信じて!」とか格好いいこと言ってる彼ですが、本来の彼はこういうキャラだったんだよなあと再認識した所存です。
 そして美羽の必殺技はホントに人が殺せそうというか、途中の首を捻りながら膝蹴りを入れたところで普通の人なら余裕で死ねると思われるので、よい子は真似してお友達に光鵬翼を試したりしないでネ!(できません)

結界師

 『よくも兄者を…地獄見せてやる

 一度倒した敵役の俳優を使い回し、「お前この前死んだはずだ!」と突っ込まれると「俺はその弟だ!」と言い返す伝説の『Gメン75』香港編メソッドを、まさか「結界師」で読めるとは思いませんでした。
 でも、彼の後先考えてない怒りっぷりを見る限り、なんか兄と同じ轍を踏んで再び自爆しそうな勢いですけどね。兄ふんじゃった!(上手いこと言った気分)

ハヤテのごとく

 好感度が上昇した結果、ヒナギクのハヤテに対する呼び方が「綾崎君」から「ハヤテ君」に変化。呼び名が名字から名前に変わるだなんて、何だかときメモみたいですね。Only Love!(アニメ版)

 その辺はともかく、今回のヒナギク編はキレイにまとまっていて良かったと思います。ヒナギクがハヤテの事を好きだと自覚して認めることが、彼女自身を過去の束縛から解き放って自身の成長を促すことに繋がっていたという、二人の関係を単なる恋愛感情に留まらないよりメタ的な意味を持たせた構成はお見事。
 ハヤテの「今も…怖いですか?」という問いかけに対する、ヒナギクの「怖いわ。でも…悪くない気分よ」という回答は、今のヒナギクに対するハヤテへの感情を表すと同時に、ハヤテに対する意識を自覚できるようになった自分自身に対する感想も込められていたのではないのでしょうか。

 こんな深い脚本を作れるようになっただなんて、畑先生はすごいなあと思いました(褒めてます)。

 『他にもヒナギクの待つ時計塔に遅れてきたせいで、ヒナギクと戦うことになったハヤテが、その最中、実は女装の呪いが解けていなくて、再び女装姿となりヒナギクとの戦うことを渋々承諾。』

今週のマンガ家BACKSTAGEの畑先生のコメントより引用

 しかし、このシーンだけは何としても読みたかったです。
 畑先生は今回描けなかったこのシーンを同人誌にして出すべき。

ダレン・シャン

 ほのぼの展開が続いて読者をほんわかさせたところで物語を急展開させ、読者をどん底に突き落とす。ドラマチックなストーリー構成手法における基本中の基本ですが、だからこそ効果的でもあります。今回登場したデズモンド・タイニーはこの物語におけるかなり重要な人物らしく、いよいよダレンの物語も本編に差し掛かってきたのかなという感じ。
 なんか、原作読んでた方がこのマンガもより面白く読めるんじゃないかという気になって来たよ! 小学館の狙いにハマりつつあるよオレ! ヤバい!(ヤバいのか)

あおい坂

 本当に監督抜きで勝っちゃったよ!
 鈴ねえ監督の采配よりも、ドリル教頭の涙の方が強い! という結論に! いいのかそれで!
 それで、いいのだ!

 少年マンガ的には心底正しい展開なので、この調子で決勝戦まで突っ走って下さい。

GOLDEN AGE

 ナリアちゃんとモヒカンの間にフラグが!
 蓮葉と橋本君の間にフラグが!
 浦田と近江の間にフラグが!

ネコなび

 水曜日の段階ではただ旗が立ってただけのペロ先生のサイトでしたが、その後は毎日姫ちゃんの写真を掲載したり、Webコミックの連載を始めるなど、日々順調にコンテンツが増えてるみたいで何よりです。

 個人的に評価したいのは日記ページがちゃんと「1日=1つのURL」となっていることで、これは即ち個々のページが「パーマリンク」(一意のURLが一意のコンテンツと結びついていることが保証されているリンクのこと。「固定リンク」とも言います)を持っていることを意味しています。こうすることで、ペロ先生の日記の個々のページに対するリンクを容易に張ることができるようになります。つまりはパーマリンクがあることで「みんな、10/4の姫ちゃんの写真は見た? マンガとソックリなんでビックリしちゃいましたよ! カワイイですね! テヘ!」みたいなエントリを書くことが簡単にできるようになる訳で、我々読者にとってよりペロ先生のサイトを話題にしやすくなるというメリットが生まれるのです。
 この「パーマリンク」は、所謂「Web2.0」時代における重要な概念の一つと言われています。

 サンデー公式サイトのマンガ家BACKSTAGEは優れたコンテンツなのですが、この「パーマリンク」という概念が存在していないため、URLと内容が一致しなくなるというデメリットがあります。具体的には、BACKSTAGEの最新記事は常にURLが一定であり、そのURLが指す内容は1週間単位で変わってしまうため、今週BACKSTAGEにリンクを張ってその内容に言及するエントリを書いても、来週になったらその言及がリンク先と一致しなくなってしまうのです。
 更に極端な例を挙げれば、「ネギま」の赤松健先生の日記は、個々の日付に対して直接リンクを張ることが不可能な作りになっています。このようなスタイルの日記ページは昔はよく見られましたけど、個々のエントリに「パーマリンク」が存在するのが普通なブログが主流となった今では時代にそぐわなくなりつつある、と申し上げざるを得ません。

 はからずも日記に「パーマリンク」を導入したペロ先生のサイトは、それだけ我々ブロガーにとってフレンドリーであると申せましょう。ペロ先生は判っていらっしゃる! 赤松健先生よりもススんでますよ! Web2.0っスよ先生!
 でもまあ、無料で使えるブログサービスやブログツールを利用すれば、パーマリンク付きの写真日記サイトなんて簡単に作れるんですけどね!(ドクロ)

あいこら

 虚栄心とプライドにまみれていた高貴な身分の女王様が真実の愛に目覚める、という感動的なエピソードのはずなのですが、普通の感動エピソードには絶対ならないところが、フェチを前面に掲げる「あいこら」のシステム的に優れた点だと思います。

 「次号、作者フェチ修行のため休載致します
 こんな理由で休んだ漫画家は、歴史上には存在しないと思われます。画期的だ!

2006/10/01

■椎名先生、お目々とお身体をお大事に(´・ω・`)(サンデー42/43号絶チル感想)

絶対可憐チルドレン

 前回の感想も含め、思いついたことを羅列しました。

・絵柄

 前回から明らかに絵柄を変えてきましたね。特に子供キャラに顕著。お目々が格段に可愛くなり、そのせいか顔がより丸く大きくなったようなイメージを受ける(相対的に体つきはよりスレンダーになった)ところが判りやすい変化点でしょうか。大人キャラはそれほど変わってませんが、例外的に皆本はやたらカワイクなってます。
 ただカワイクなったとは言え、いわゆる「萌え」系の絵柄とはちょっと系統が違うのは明らか。むしろ古典的な少女マンガのソレに近い印象を受けました。もっと女の子にも読んで頂きたい! みたいな意志が込められているのではないか、と妄想しています。

・紫穂ちゃんムチの味

 43号にちょっとだけ出て来た、エレキ照(兄)が回想する大人版の紫穂は凛々しくて大変にカッコイイんですけど、逆にマグ熱人(弟)が改変した紫穂の極悪バージョンは大変に悪そうです(頭が)。「超能力味わってみるかオラー」ってアンタ、鞭で物理的に叩くのはどう考えても超能力じゃないです。弟のこのセンスは、ちょっと侮れないモノがあるなと思いました。
 あとは、極悪バージョンになってまでもパンチラをさせられている葵が可哀想。いつもよりも胸のサイズが小さくなってる大人版の葵はもっと可哀想。照兄貴は容赦がないですね。せめてそこくらいは改変してやって下さい。

・皆本は兵部の手を握らなければならない

 42号では、膝を抱えて兵部のことを考えている薫と、それを察して「あいつを信じるな!」と怒鳴る皆本のシーンが印象に残りました。

 兵部が狙っているのはエスパーとノーマルの間の不信感の増大であることは間違いないのですが、兵部にとって最も重要なノーマルは皆本であることも、また間違いありません。皆本はこのマンガの中では、エスパーを受け入れるノーマルの代表みたいな立場にいるからです。
 ただそれ故に、薫が兵部のことを気に掛けていることを理由に皆本が兵部を敵視していることは、今後チルドレンが皆本に対して不信を抱くきっかけになる可能性があるように思えます。

 現段階では薫にとって皆本は一番大好きな男性なんですけど、その「大好き」の成分は、どっちかというと家族に対するソレが多分に含まれているように思えます。前に不二子が彼女たちに対して「皆本にとってチルドレンは妹のような存在である」とか言ってたことがありましたが、逆にチルドレン達もまた皆本をまだ兄のように思っているのところが多いのではないのでしょうか。
 しかし、薫の兵部に対する想いはそれとは明らかに異なってます。いわゆる「恋」って奴です。42号で兵部を想っている薫の表情は、他のコマとは雰囲気が違いますし。そして、それを皆本は何となく判っているからこそ、彼は兵部に警戒感を抱いている訳です。「いずれチルドレンは兵部に獲られてしまう運命にある」と彼が知っているので尚更でしょう。
 皆本の兵部に対する思いの中には、嫉妬という成分が多分に含まれているのは間違いないと思われます。

 しかし、もし本当に皆本がエスパーとノーマルの間の架け橋となれる人物であるのであれば、皆本は恋敵である兵部でさえも受け入れなければならないのではないか? と私は思っています。兵部が恋のライバルであることと、兵部がノーマルにとっての敵となろうとしていることがごっちゃになっているから話がややこしくなるのであって、もし「エスパーとノーマルは共存できる」と皆本が主張するのであれば、皆本はいずれ自分が兵部とも共存できることを決意しなくてはならない時が来るのではないのでしょうか。薫の恋のライバルであることは別問題として。
 皆本が兵部と和解して、二人が握手をすることができるような世界。現段階におけるこのマンガの最終的な理想の終着点はその辺になるんじゃないかなあ、と思いました。

・安奈みら

 42号にちょっとだけ名前が出てきた「安奈みら」ですが、彼女は元々は「GS美神極楽大作戦!!」の登場人物です。
 コミックス28巻(ワイド版ではおそらく15巻)の「紙の砦!!」編に登場した少女小説系のティーンエイジ向けミステリー作家で、「絶チル」内の水曜サスペンス劇場化されていた「華の女子校ミステリーシリーズ」は、「GS美神」当時から彼女の代表作でした(美神の時は「花の女子校」)。
 どんな人かと言うと、大体こんな人です:


「GS美神極楽大作戦!!」コミックス28巻 P.167より。安奈先生は左のコマ

 ちょっとおかしいですね。さすが椎名キャラ。
 「紙の砦!!」が描かれたのは「マリみて」登場以前の1997年だったこともあって少年誌ではまだこういうネタは希少でしたけど、現代における少年サンデーの男性読者は女性キャラが二人並んで出てきただけで二人の間の関係性を自動的に妄想してしまう訓練がなされた人が8割くらいを占めているのは確実なので、結構いい線イケるのではないのでしょうか。どんな線だ。

■合い言葉はBee。そういう時代を俺達は生きた。サンデー43号感想

ハヤテのごとく

 DVD収録時には時系列順の方が良いと思います(挨拶)。

 今回のエピソードの物語としてのポイントは、伊澄が「生徒会長さんは(武器を持つことによる感情の高ぶりも)完璧にコントロールできてたので大丈夫でしょう」とか言ってるその裏で、ヒナギクが感情を昂ぶらせてあられもない事を次々とハヤテに対してやらかしてしまっているところにあると思うのですが、まあとにかく今回はヒナギクさんの大活躍のおかげで最初から最後まで面白かったですね。合い言葉はBeeとか(そこかよ)。

結界師

 利発な操ちゃんが大活躍。サンデーにおける絶対可憐チルドレンの座を奪いかねない勢いで猛烈にカワイイですよこの子。さすがアニメになるマンガは勢いが違いますね! こんなエピソードを読まされちゃったら、いったいこれからどうしたら!(おちつけ)
 そして、そんな彼女に対して大人げなさを遺憾なく発揮している箱男も熱いです。っていうか、「箱男」と書くとなんか江戸川乱歩の猟奇小説の登場人物みたいだ。猟奇男対ゴスロリ少女。

 触手に襲われて「にゃー」とか言ってる閃ちゃんは萌え対象です。

クロスゲーム

 ここのところの展開は、登場人物達の心理を淡々と表現するあだち充作品の魅力が遺憾なく発揮されていると思います。
 何というかこう、勝負は戦う前から既に決している! みたいな雰囲気が熱いです。

ダレン・シャン

 『俺の蛇のハラと同じ味さ! なめてみろよ!

 蛇少年エブラがいきなりダレンにエロいアプローチを!
 舌をペロペロ出してダレンを挑発! エブラ君ってば、なんて積極的なんだ!(こういう読み取り方は自分でもどうかと思った)

ハルノクニ

 この世界のあまねく兵器が全部ネコ型だったら、きっと世界はもっと平和になれるのになあと思いました。

焼きたて! ジャぱん

 最大最後最強の敵との最終決戦を前に、続々と仲間達が主人公の元に集結! という少年漫画的には最高に熱い展開なはずなのですが、誌面から仄かに感じられるこの微妙な頭のおかしさは、一体どこからやって来るのでしょうか。

 「ジャぱん」連載開始最初の構造段階では、霧崎氏と東の決着方法は間違いなくこんな形ではなかったはずであり、今回の話を読んでいるとつくづく「ジャぱん」というマンガが如何に数奇な運命を辿ってしまった作品であったのかを、改めて思い知らされた気がします。即ち、現在の主観漫画誌の中で、最も連載マンガの深淵に近い位置にある作品。それが「ジャぱん」と言えましょう。
 「ジャぱん」を読む者は、その過程で自らがヒューパンと化さぬよう心せよ。おまえが長く「ジャぱん」を覗くならば、「ジャぱん」もまた等しくおまえを見返すのだ。――と、ニーチェも「善悪の彼岸」の中で言ってました(言ってません)。

聖結晶アルバトロス

 アイビスが死ぬ間際にユウキのことを!
 そんなに彼のことを愛していたのか!(まちがい)

2006/09/27

■サンデー42号感想

 お久しぶりです。忙しいです(近況)。
 先週号の簡単な感想を書きました。

犬夜叉

 他人の不幸をサイコメトリーして楽しむ趣味を持つ変態エスパーが敵だった! という話だったんですね(まちがい)。

史上最大の弟子ケンイチ

 アニメ版の声優がおかしなことになってますよ! なにこの豪華キャスト!
 ハーミットなんか「GS美神」の横島君じゃないですか!(そういう比喩はどうか)

メルオメガ

 ドロシー再登場よりも、主人公の幼なじみ女子のハイキックの美しさに萌えました。

ダレン・シャン

 生きるためにはいい歳して半ズボンのおっさんの血をも啜らなければならない、吸血鬼稼業の大変さを思い知りました。
 あと、クレスプリーがどんどんダレンに扶養してもらってるダメオヤジみたいになって行くのは萌え対象だと思います。親父萌え要素までもを仕込んでいたとは、さすがワールドワイドな児童小説は違う。

ハヤテのごとく

 「なんでハヤテを女装させたままヒナギクと対決させなかったんだー!」という女装ファンの魂の叫びが聞こえて来るような展開でした(幻聴)。
 というか、結局女装ってメインストーリーには絡まない、単なる読者サービスだったん?

ゴールデンエイジ

 『勝手にそんな事したら、あの性格悪い白河がオレをホケツにすんべ?
 すっかり唯君に心を支配されてる近江君が愛おしいです。

あおい坂高校野球部

 ラスト3ページは歴史に残る展開だと思います。

絶対可憐チルドレン

 カラーページに登場した格好良いパンドラの面々と、最後に登場した電磁波義兄弟の変態っぷりとのギャップが熱いです。兵部はテレビ映えする仲間だけを出演させたに違いありません。
 とりあえず、黒髪ツインテール少女の登場を希望。私の予想では、この娘は腹黒キャラだと思います。紫穂と一緒に葵を弄んで欲しいです。

 「もしかして何か…」というちさとの独白は、今後の展開への伏線になるのでしょうか。変態兄弟は「チルドレンの正体をバラす」とか言ってるしなあ(感想)。

ブリザードアクセル

 この回の小雪ちゃんのエロさ加減は尋常ではありません。ちょっと前まではにぎやかし担当のロリキャラだったはずの彼女に、一体何が!
 恋は女を変えるってホントだったのね!

武心

 ついに万乗パンツの封印が解かれた!

2006/09/18

■10歳の賢木ってちょっと髪型がカナタに似てませんか(サンデー41号絶チル感想)

絶対可憐チルドレン

 序盤で薫が寝ていたベッドなのですが、クルーザーに置かれているベッドにしては広すぎるというか、むしろラブホテルとかそういう施設に行かないとなかなかお目にかかれないと思われるタイプのベッドのように見えてしまうのが、ちょっと気になります。
 賢木の個人所有ならともかく、これってバベル印のクルーザーですよね? コミックス6巻で「キスは大人になってから」とか言ってるバベル所有ですよね? 何でこんなエロいのん? 大人が使う分にはいいのん?

 そんな感想(何)。
 あと細かいところでは、日焼け痕を皆本に見せびらかしてる薫を、スケベ眼鏡オヤジ的な表情で見つめる葵がツボでした。葵もそんなお色気が気になる年頃なのか、それとも薫のだから気になるのか。個人的には、この調子で葵×薫を妄想する路線も少しは盛り込んで下さるとありがたいです(ダメ)。

 話としては、大人げない賢木と子供っぽくない紫穂がサイコメトリーを通してケンカしつつも、お互いの弱みを少しづつさらけ出して相互理解をすることができた(ように見える)というエピソードでした。紫穂が「透視まないようにしていることもたくさんあるの」と言ってるところが、紫穂が既に無邪気な子供ではないことを改めて示していて印象深かったです。
 彼女は以前「皆本のことを全力で透視したい」とか言っていましたが、これは皆本に対しては遠慮や抑制なしで素直に子供として振る舞うことができることの裏返しな表現なのかも知れないな、と思います。

 あと、個人的に前回読んだ時に期待していた賢木と皆本の過去話ですが、結局そういうのはほとんど出て来なかったですね。でも、「俺が今10歳だったら、『チルドレン』のメンツになって皆本に面倒をかけてやったものを」という賢木の問題発言は期待以上に面白かったというか、如何に賢木が皆本のことを大好きなのかってことがよく判ったので、個人的にはもうそれで十分グッと来てしまいましたよ。
 今回のエピソードの結論としては、紫穂も賢木もみんな皆本のことを愛しているということで一つ。

 あと、賢木のその発言を受けた皆本が惚けた表情をしてましたが、あれは多分女の子になった10歳の賢木の姿を妄想してニヤニヤしていたに違いないと思いました。確かに変態だ(決めつけ)。

■この世には二種類の人間がいる。石原さとみの袋とじグラビアを開封する人と、しない人だ。(サンデー41号感想)

結界師

 『この謎全て、私が解いてみせましょう
 真実は常に一つ!(キャッチフレーズ)
 奥久尼の法衣の中に入っているのは、サンデーで活躍中の少年名探偵のなれの果てみたいなクリーチャーなのではないかと思いました。身長もちょうどいいですしね(ですしね?)。

 そして、その箱の中に取り込まれた操ちゃんが早くも再登場してくるとは意外でした。しかも緊縛された状態で。
 この衝撃的な再登場シーン、そしてその状態から縄に仮初めの命を与えて難なく危機を脱出してしまう彼女の利発さが描写されたことで、一気にそういうのが大好きなマンガファンの間で彼女の人気が上昇したに違いありません。ホントみんなそういうの好きな! と決めつけて次。

ハヤテのごとく!

 絶対領域を装備した男の子が主人公のマンガを読めるのは「ハヤテのごとく」だけ!(挨拶)

 畑先生も主人公を女装させるのが好きな作家さんだと思うのですが、その割には井上和郎先生や哲弘先生みたいな「変態漫画家」呼ばわりはされてませんよね。これはおそらく、誌面から「女装キャラ描いてるけど、でもやっぱりちょっと恥ずかしいの!(*ノノ) 」っていう感じの恥じらいオーラが滲み出てきているからではないかと私は思うのですが、その辺どうでしょうか。
 逆に言えば、井上先生や哲弘先生の作品からは、その辺の恥じらいを突き抜けた勢いのようなものを感じます。畑先生の作品は、そういう突き抜け感がないところが、逆に独特のほのぼのした魅力を醸し出しているのかも知れませんね。

 あと今回は、ヒナギクの歌をバックにハヤテが走るというアニメみたいな演出がなされていましたが、こういう形の演出はマンガで初めて読んだ気がします。というか、こんな演出を実際に実行に移せるのは、間違いなく畑先生だけだと思います。こういうところにも、畑先生の人柄というか趣味が反映されていますね。
 きっと「ハヤテ」のファンの人達は、みんなそんな畑先生の人柄に萌え萌えになっているからファンになったんじゃないかと思います。

妖逆門

 読者サービスの入浴シーンで真っ先に裸の姿が描かれてこそヒロインの証であると言えますが、そうするとこのマンガのヒロインはこの文月詩織だということになりますが、それでいいのでしょうか。カレーに漢方薬を入れることで自分の知性をアピールするタイプの、クールビューティーな女性がヒロイン。新機軸です。いや別に個人的にはそれでも一向に構いませんが。
 あと、眼鏡を外した顔をあえて描かないところを見ると、作者の田村先生も眼鏡っ娘の素顔の価値を理解している様ですね。安心しました。

GOLDEN AGE

 モヒカンスタイルは雑魚の証であるだけでなく、うっかり道を走ると不信人物だと警察に思われて逮捕されてしまうご時世なのに、あえてモヒカンな髪型を貫く宮内君は、今時珍しいロックな心を持った少年だなあと思いました。
 そんな彼をあえてセンターフォワードとして起用する唯君も、勿論ロックです。これはきっと、自ら弱小チームだと思いこんでいるかもめ中サッカー部に渇を入れるため、唯君はあえてロックのスピリッツをチームに持ち込もうとしているのです。「自分が好きなモノへの情熱を無くしたら、何も先に進まねーぞ! それが嫌ならやろうぜ! オレらのロックをよ!」(今週の「あいこら」のスタローン前田の台詞)なのです! それこそがロック! モヒカンとロックの魂がサッカーに融合した瞬間です!

あいこら

 そんな感じでロック魂に溢れている「あいこら」なのですが、今回は『セックス・ドラッグ・ロックンロール』なロックの原初的なスピリッツを現代少年マンガの世界で表現するとこうなる! みたいな、心底無茶苦茶なエピソードだったと思いました。
 歯でギターを弾いたり自らギターを破壊したりするパフォーマンスを披露する部分なんかは、もうロックの極み。一見するとただ暴れているだけの彼らですが、真のロックヴォーカリストである筋居スウが彼らの中に「熱さ」を見つけ出してバンドに戻ることを決意したところを見る限り、ああいう破壊的な熱狂こそがロック的には正しい熱さなのです。ハゲのおっさんが髪の毛を掻きむしるのも、ヌンチャクで自傷するのも、犬がボーカルなのも、みんな破壊的であるという意味において共通しており、即ちそれこそがロック。ロックは衝動だ! おさえきれぬ激情だ! 言葉を超えた魂の叫びだ! なのです。
 多分。

地底少年チャッピー

 前回に全く予告なしでいきなり最終回ってアンタ!
 そんなところでロックなことをしなくても!

今週の質問:

 『運動会で一番好きだった種目は何ですか?

 運動会が好きな人間は、基本的に漫画家になってはいけないと思われます。
 従って、満田先生の回答が一番漫画家として正しい回答です。子供の頃に運動会で校庭の隅で膝を抱えて震えていても、大人になったら日本を代表するスポーツマンガを描ける漫画家になれるのが、マンガという表現媒体の素晴らしいところなのではないのかな、と思いました。いやマジで。

■絶対可憐チルドレン6巻

 スーパーヒロインコラボポスターの応募は今日で締め切りですよ!(挨拶)

 自分は昨日出しました。ギリギリ過ぎ。
 そんなアレで「絶対可憐チルドレン」の6巻を買いました。今回は池袋のとらのあなで購入できる機会があったので、一緒に購入特典の没設定資料ペーパーも入手。コミックス5巻のおまけに掲載されていた、皆本高校生バージョンの時期の設定資料みたいですね。大人になって眼鏡を外した葵の姿が新鮮。
 また、チルドレン三人組が「バビル二世」の三つの僕(しもべ)からイメージされたものであるのは割と有名ですが、このペーパーによれば「ロプロス=薫」「ポセイドン=葵」「ロデム=紫穂」になってます。やっぱ紫穂はロデムなのか。猫っぽく四つんばいになってる紫穂の姿は萌え対象(本編では絶対こんな恰好をしないという意味で)なので、もし機会があったらみんな猫紫穂を見て萌えるがいいと思いました。

 この巻に掲載されているエピソードは、薫が『女王』(というか姉御)の素質の鱗片を見せた「パンドラの使者」後半2話、プリティー兵部のおちゃめな大活躍が拝める「荒野のエスパー」、不二子ちゃん初登場の「浅し夢見し」、そして「いつか王子さまが」の前半2話。
 この巻最大のトピックは、間違いなく不二子ちゃんこと蕾見不二子管理官の登場で決定です。兵部と同期の旧日本軍所属のエスパーだったとか、バベルにおける影の最大権力者であるとかいう設定面でも興味深いキャラクターなのですけど、何より(例え理由がどんなに合理的であろうとも)やることなすこと全てエロい方向に直結している、というバカバカしさが最高に面白いです。

 あと、このマンガにイマイチ欠けていた巨乳要素を持ち込んだ点も大きいと思われます。うきうきしながらエロ要素を振りまいて大暴れしている彼女の姿を見ていると、「やっぱり椎名先生は何だかんだ言いながらも巨乳キャラを描きたくて仕方がなかったんだね! こんな楽しそうだもんね!(作者が) しょうがないよね!」って優しい気分になって来ます。
 6巻のおまけマンガも、彼女のおかげでエロくて面白いモノになってますしねー。不二子ちゃんはいいキャラだなあ。

 そして、西エイジアの薫のそっくりさんの姉と、コレミツ10歳は、正直やりすぎだと思いました。特にコレミツ。いったいどんな人生を辿れば、こんな美少年が包帯フェチの大男になってしまうのか。彼の姿は、エスパーの運命の過酷さを暗に表しているのかも知れませんね。ウソだけど。

絶対可憐チルドレン 6 (少年サンデーコミックス) 絶対可憐チルドレン 6 (少年サンデーコミックス)
椎名 高志
小学館 / ¥ 410 (2006-09-15)
 
発送可能時間:在庫あり。

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