2004/03/16
■スピンちゃん それは、いのち
『「無敵鉄姫スピンちゃん」を読むときは 部屋を明るくして 親から離れて読んでください
』
つかまれたー!(ハートを)
そんな感じで、今週の週刊少年ジャンプに掲載された「無敵鉄姫スピンちゃん」は、事前の予想を遙かに超えた面白さでした。
アバズレンジャー!
エロボット!
ネジマニア!
いもうとミサイル!
読み切りの時も相当アレな感じのマンガでしたが、まさかここまで徹底的にアレなテクニカルタームが剛速球で飛び交いまくるマンガになるとは嬉しい驚き。素晴らしいの一言です。作者の大亜門氏のセンスは、なかなか侮れない高レベルにあると思います。
それより何より、開始わずか1ページ目で「美少女ロボットに萌えることこそが男のロマンなのだ!」と高らかに宣言しているのが素晴らしいです。
かつて『少年が美少女ロボット萌えに目覚める』ことを作品の到達点とした名作「電化製品に乾杯!」を椎名高志氏が描いてから幾星霜、当時は先鋭的な概念であった「ロボット美少女に萌える」という認識は、今ではもう読者間における共通概念として通用するものになったのだ! と捉えた作品が、国内コミック誌の最高峰である週刊少年ジャンプに連載作品として登場した意義は大きいのではないのでしょうか。
ああもう、この胸の高鳴りをどうしたらいいやら!
スピンちゃんさいこう!
ところで、私はいつもジャンプを通勤で使っている駅のキヨスクで購入していますが、キヨスクの主な顧客は勿論サラリーマンの皆さんです。週刊少年ジャンプは、お子さまや大きなお友達のみならず、サラリーマン世代の大人達も大好きな雑誌であるのは、皆様ご存じの通り。
実際、私が乗り合わせた電車の中でも、私の他に2~3人ほどのサラリーマンと思しき男性がジャンプを読んでました。
そして、今週のジャンプの表紙は、「スピンちゃん」のぷに顔が飾っています。
表紙に美少女ロボのぷに顔を晒したジャンプを持ったサラリーマン達が、熱心にジャンプを読んでいるのです。
アバズレンジャー!
エロボット!
ネジマニア!
いもうとミサイル!
こんなアレな単語が飛び交い、開始わずか1ページで美少女ロボット萌えを是とするマンガを、今まさに日本を支えているサラリーマンの方々が熱心に読む。これと同じような光景が日本各地で繰り広げられていたかと思うと、何というかこう得も知れない感情がわき上がってくるのを覚えます。
これはいったい何なのか。今日本で、いったい何が起ころうとしているのか?
果たして「スピンちゃん」は、ロボット娘+眼鏡という先進的な萌え要素を持つキャラクターを物語の構成要素に据えて一時代を築き上げた「Dr.スランプ」級のジャンプの人気メカ美少女となることができるのか。それとも、同じメカ美少女でもまったく萌え要素が違う「メタルK」みたいに、
どっちに転ぶにしろ、「スピンちゃん」がジャンプの表紙を飾った2004年3月15日は、もしかしたら日本で何かが変わり始めた日として記憶されることになるやも知れないと思いました(おおげさ)。今後の展開に蝶期待。
そして、斗貴子さんは相変わらず目突きが大好きなんだなぁと思いました。
2004/03/13
■自分はウマゴンタイプと判定されました・サンデー15号感想
- 相手をメガネ好きに変える能力(うえきの法則)
- 「やっぱり私は今のままで楽しく そーしてたいなー」(いでじゅう!)
- 「それにうるせーヒゲもいないしな!」(史上最強の弟子 ケンイチ)
- 今週の美鳥の日々
- 「強くなりたい…」(結界師)
- 番外:HOOK!
1. 相手をメガネ好きに変える能力(うえきの法則)
これまでマンガの中でも散々引っ張ってきた森さんの新能力は、おそらく全国百数十万のサンデー読者が一斉に「ぶっちゃけありえなーい!
」と本名陽子ヴォイスで突っ込んだに違いない、とてつもなくフェティッシュな「相手をメガネ好きに変える能力」だったのだ! というオチに驚愕。
基本的にこの感想はサンデーの掲載順に並べるようにしているのですが、でも流石に今週はコレに勝る衝撃はないね! と判断したので、今週の第一位は文句なしでコレです。どう考えてもコレです。
「ジョジョの奇妙な冒険」以来、いわゆるスタンドバトルものの作品はそれこそ沢山作られてきた訳ですが、さすがにここまでアレな能力を考えついた人は、そうそういないんじゃないかと思います。というか、仮にこんな能力を仮に考えついたとしても、この能力を活用した「読者の予想を裏切り、期待を裏切らない」ストーリーを構築することができる自信がなければ、絶対に実行には移しません。普通のマンガ家なら。
なので、あえてこんなネタを投入してきたからには、作者の側にはこのアイディアに対する絶対の自信があるはずです。おそらく今頃作者の福地先生と担当編集者は、全国のサンデー読者に対して「どうよ?」と満面の笑みを浮かべながら鼻息を荒くしているに違いありません。
まいりました! コレにはまいりましたよ先生! だから許して!
今回のエピソードを読んで、私は福地先生が「うえきの法則」で言うところのレベル2に到達したものと確信致しました。従来の能力とは趣があまりに異なる、この力をどんな風に使えばいいのか普通の読者ではちょっと想像できないタイプの新能力を提示したことにより、このマンガはついになんかもの凄いモノに化ける可能性を手に入れることに成功したのです。WELCOME TO NEXT LEVEL! なのです!
果たして「相手をメガネ好きに変える能力」というヤバい能力をこれからどう活かすつもりなのか、福地先生の手腕に注目したい所存です。
あと、最近福地先生はカワイイ女の子を描くのが巧くなりましたよね(フォロー)。
2. 「やっぱり私は今のままで楽しく そーしてたいなー」(いでじゅう!)
あっちの森さんはそんな感じで大革新を引き起こして大変なことになってますが、こっちの森さんは己が変わってしまうことを恐れて停滞ムードに。
私の経験からすると、「今のままで楽しく そーしてたいなー
」とかそんなモラトリアムな事を言ってるうちに10年くらいの歳月はそれこそあっという間に過ぎ去ってしまいますので、もしあなたがそういう人生をお望みでなければ、このタイミングで何かしらのアクションを起こした方が良いのではないかと思いました。
あー(学生時代の自分を思い出しつつ)
3. 「それに、うるせーヒゲもいないしな!」(史上最強の弟子 ケンイチ)
今回のエピソードの主眼は「ケンイチ君と彼の仲間のメガネ君との関係性を再構築する」ところにあると思って読んでいたのですが、実はこのエピソードがケンイチ×メガネの話ではなく、なんか知らない間に秋雨×逆鬼の話になっていたのでビックリしました。
この二人、いつの間にこんな離れていても気持ちが通じ合えるような関係に!?
でもよく考えてみたら、やんちゃな酒鬼とクールな秋雨って、ある意味王道の組み合わせなんですよね!
ナルホ!(納得)
4. 今週の美鳥の日々
ごきげんよう!(別れの挨拶)
前回登場時、妙に私の感じるツボに入った変態生徒会長カマキリ夫人×純情前髪っ娘スズカのコンビですが、さすがにこの二人の関係がああなってしまい、もはやセイジと関わる必要性がなくなった以上、今回で彼女たちは物語の表舞台から退場することになるでしょう。
こうなった以上、彼女達はこのまま少年誌どころか「ごきげんよう」の挨拶が飛び交う百合百合しいコバルト文庫の世界ですら表現できないような関係に突入し、そっちの方で幸せになって欲しいと思いました。
このマンガって、ちょっと道を外れている人達でも幸せを掴むことができるのがステキ。
あと、今週のまんカレMLの「ここがすごい!」のコーナーで「美鳥の日々」が取り上げられているのですが、『目が隠れていてもきちんと表情がわかるよね!! これぞ、プロの表現力!!
』とか『キャラの特徴を活かしつつ、インパクトある演出につなげる…やはりプロはスゴイね!!
』とか、なんか普段以上に井上先生を持ち上げていた印象を受けました。確かにプロの表現力は凄いんですけど。
何かあったんでしょうか。
5. 「強くなりたい…」(結界師)
今週のサンデーは、この他にも「小金の錬金術師」(サンデーGX編集長・談)と評されたヤバいネタ満載の「かってに改蔵」、もはや「黒賀村編」というよりは「黒賀三姉妹フラグ立て編」と表現した方がいいんじゃないかと思った「からくりサーカス」、ついにパンが1コマも出てこなかった「焼きたて! ジャぱん」、本筋である動物愛護の精神から遠く離れて奇人変人大集合っぷりを楽しむマンガにパラダイムシフトを起こした「ワイルドライフ」など、色々な意味でおもしろおかしいマンガがたくさん載っていたのですが、そんな中で真っ当に少年少女の成長物語をコツコツ描き続けている「結界師」を読むと、なんだか安心できます。あなたに逢えて良かったよ! みたいな!(どんなだ)
自分の中では、もう「金色のガッシュ!!」と共にサンデーの良心を象徴する作品です。
あまりにも突拍子がないので今後の展開が想像できない「うえき」のメガネ能力と違い、「結界師」の能力はとても判りやすく作られているため、読者が「結界能力を使ってどう敵と戦うのか?」と展開を予想できる楽しさがあります。なので、主人公達の能力に徐々に応用力を持たせていく今回のようなお話は、作品の幅を広げる意味でも、また読者の想像力を刺激する意味でも、とても大事な意味を持っています。
そんな地味でも大事なエピソードを、良守と時音が相互に相手を意識しながら成長して行く物語とリンクさせて面白いお話に仕上げている作者の力量は、ホントに大したものだと思いました。いやマジで。
番外:HOOK!
「この方法がよく釣れるのは、オレオレ詐欺と似たような理由だよ
」
理由だよと言われましても!(感想)
「釣り」と「詐欺」の共通点を元にした釣りマンガを作ろうとする発想は良いのですが、「詐欺のテクニックは釣りに応用できる!」というアイデアを押し通そうとするあまり、何だか理屈ばっかりが先行して読んでいてお話そのものの説得力に欠けるものになってしまった気がします。
これだったら、釣り名人の主人公がプロの詐欺師相手に釣りのテクニックを駆使して大立ち回り! 逆に騙して釣り上げちゃったよ!(警察に)、みたいなお話にした方がカタルシスがあって良かったんじゃないかなぁ。
2004/03/09
■ジャンプはおもしろいなぁ(挨拶)
「そもそも死の行軍(デス・マーチ)ってのはな
徹夜して倍速でプログラム仕上げる事言うんだよ!」
体の疲れは1日休めば回復するけど、
プログラムを組んだ頭の疲れは1日休んでも回復しないんですよ! ヒルマ君!
というか、そもそもデス・マーチに追い込まれるのはスケジュールマネージネントの失敗を意味しているので、「オレは平気で徹夜仕事して来たんだぜ!」とか他人に自慢するジョックスな方は、自分の管理能力のなさを自慢しているのと一緒だということに気付いて下さい! お願いします!(誰に言っているのか)
そんな感じで、今週刊少年ジャンプがすげえ面白いです。みんな大好き「アイシールド21」や「武装錬金」は言うに及ばず、「ワンピース」も「ボボボーボボーボボ」も「スティール・ボール・ラン」も「デスノート」も、今週から始まった「ゲドー」も、今週でついに完結した「遊戯王」も、今週は載ってないけど「ブリーチ!」も、果ては次週で打ち切りが懸念されている「ごっちゃんです!」や「銀魂」まで面白いのは、一体どうしたことなのか。
何というか、紙面構成にまったく隙が見あたりません。
何より、マガジンの「味の助」やサンデーの「十五郎」のような、一般読者から脇の甘さを指摘されるような作品がほとんど存在しないのが凄いです。「ブラックキャット」だって、イヴたんがカワイイので私はそれだけで全肯定です。男の子はみんなそうだよね! ね!
ああ、でも、目次のページに載っているジャンプの素晴らしさを讃える川柳だけは、視界に入るだけで何か妙に恥ずかしいのでカンベンな! という気分になれますが!
次週のジャンプは、ついに意見が衝突した斗貴子さんとカズキの顛末が気になる「武装錬金」と、読み切り版で「どんなに社交性のないダメ人間でも、ロボットと小さな女の子は大好きですからね!
」という台詞がオレの心に刺さった新連載「スピンちゃん」の出来に注目していきたい。
そして、土俵際で驚異的な粘りを見せている「ごっちゃんです」の運命や如何に!
週刊少年ジャンプの連載作品が読めるのは『ジャンプ』だけ!(再帰定義)
2004/03/07
■「私の夢になってよ、ダンドー」サンデー14号感想
- ダンドーアニメ化決定
- 「あふぅ♥」(思春期刑事ミノル小林)
- 新解誠と星佳先生(暗号名はBF)
- 「かくなるうえはウィルスでもばらまいて…」(十五郎)
- 「きみのカケラ」最終回と「ファンタジスタ」最終回
1. ダンドーアニメ化決定
「何故今あえてダンドーが!?」という疑問の声も聞かれるものの、ついに大々的に「DAN DOH! アニメ化」が発表されました。
サンデーに載っていたイラストから察するに、どうやら連載の一番最初から忠実にストーリーを追っていくような展開になりそう。
それでダンドーと言えば、どうしても「万乗パンツ」という単語が浮かんでしまう方も多いようで(私もそうですが)、ダンドーがアニメ化されると聞くと大抵の方は「テレビ東京のアニメじゃ、万乗パンツを出すのは無理なんじゃない? 大丈夫か?
」とパンチラの心配をしてしまう模様です。
確かにテレ東と言えば、あの「ラブひな」のアニメ版ですらパンチラ表現を封じたことで有名な程、パンチラに対して規制が厳しい放送局としてアニメファンに知られる存在。その懸念はもっともだと言えます。
しかし、ここで思い出して頂きたいのですが、「DAN DOH!!」は最初から懲りに凝ったパンツの描写を売りにしていたマンガではなく、元々は「薄汚い野球少年に過ぎなかったダンドーが、新庄プロと出会うことのよってゴルフに目覚めていく
」という筋書きの、少年少女の正統派成長ドラマだったんですよ。「ダンドー」にとって最も重要なのは、パンツでもパンツを履いた美少女でもなく、あくまで新庄先生にメロメロになり、また後に出会う赤野に対してもメロメロになってしまう、ダンドーとオヤジキャラとの関係性の描写にあるということを忘れてはいけません。
ゴルフというスポーツを通じて、ダンドーがオヤジにメロメロになったり、また逆にオヤジがダンドーにメロメロになっちゃったり! メロメロになりつなられつの美しくも耽美な関係の構築! それこそが、この作品において最も重要なのです! それを忘れてはいかんのですよ! パンチラなんて飾りなんですよ!(鼻息)
なお、「DAN DOH!!」アニメ版の前番組に当たる「カレイドスター」は、一見すると主人公の少女・苗木野そらが劇団の中でスターとして成長していく様子を描いた普通の少女向けアニメのように見えながらも、実はそらと劇団の先輩であるレイラの二人の関係の成長を描いたディープな百合アニメとしても成立していたという、実に底が深い作品として鑑賞することが可能でした。
最初はただのドジな後輩と意地悪な先輩という関係だったものが、そらが成長するに従って次第に「エースをねらえ!」のお蝶夫人×岡ひろみのような熱血スポ根的な関係に移行、最後には「マリア様がみてる」の祥子×裕巳みたいな、相互に相手を信頼し合って自分の夢を相手に託せる真のパートナーの関係に昇華していく様子を描くことが「カレイドスター」というアニメの目的だったのだ、と言っても過言ではありません。多分。
果たして「DAN DOH!!」のアニメ版では、新庄先生とダンドー少年の関係性をどんな形で描いてくれるのか? 前番組が相当アレだっただけに、「DAN DOH!!」にも期待してしまいます。
「朝っぱらからこんなイケない関係を見せつけられちゃって、ンもうどうしよう!」みたいな困った投書が新聞に載せられるくらいのディープな展開を希望。
2, 「あふぅ♥」(思春期刑事ミノル小林)
しまった! このコマで思わず笑ってしまったよ!
まさか、手のひらに性感帯がどうとかいう中学生男子ノリのバカ話が、ちゃんと伏線になっていたなんて!
オレの負けだ!
という訳で、私は「思春期刑事ミノル小林は面白いと思う」派に属しました。
何故オレはこういうくだらないネタに弱いのか。
3. 新解誠と星佳先生(暗号名はBF)
ここにいるよ!(セカイ系挨拶)
これまでのお話で、とにかくメガネと巨乳には事欠かないことが提示されているこのマンガですが、ここに来てまた新たなメガネが登場。キャラ名はともかく(新海誠氏のパロディですね)、「陰謀論者」っていう設定は面白そう。変な能力を持ったスーパースパイ達が日夜暗躍しているこのマンガの世界なら陰謀を推理するネタには事欠きませんし、七海君にとっては存在自体がトラブルのタネになることは必至。この二人のコンビは色々と面白い話が作れそうな予感がします。
というか、私も子供の頃は陰謀ネタが大好きだったので、誠クンのトキメキっぷりには激しく共感。オレもこういう世界に生まれたかったよ!(イヤな子供だ)
あと、星佳先生は子供相手に色気を振りまきすぎだと思った。
あれは絶対誘ってますよ! ザ・ルック!(おっぱいを)
4. 「かくなるうえはウィルスでもばらまいて…」(怪奇千万!十五郎)
この「かくなるうえはウィルスでもばらまいて…
」という十五郎の台詞は、(作者の意図はともかく)彼の思考が至って幼稚でわがままであることを端的に表現しています。というか、学校でこんな事を一人で呟いてニヤニヤしている子供は、普通ならカウンセリングの対象になると思います。彼が学校をここまで嫌がるのは、授業内容が幼稚だとかそういう以前に、単に学校に友達がいないからに違いありません。
ちゃんと突っ込んでくれる面倒見が良いクラスメートがいて良かったね十五郎君。
このマンガが不評を買っているもっとも大きい要因は、主人公の十五郎が作中内で無敵であることに寄りかかったワガママのし放題っぷりに読者が誰もついて行けていない点にあると思うのですが、ここ最近はそんな十五郎に対してツッコミを入れられる立場にいるキャラを投入し、読者のストレスを軽減する形に作品が徐々に変化しつつあるような気がします。
これって、作品の本来のコンセプトからすると「敗北」なんじゃないかと思うのですが、でもエンタータイメントとしては正しい方向性でしょう。まさか、最初からこういう展開を狙っていたのか!?(それはない)
5. 「きみのカケラ」最終回と「ファンタジスタ」最終回
どちらもお疲れ様でした。
「ファンタジスタ」の方は(「このタイミングでいきなり終わるのはおかしい」という意見もあるようですが)、個人的にはもうこの作品で描くべきテーマは全て描き尽くしたんじゃないかと思っているので、これはこれでいいんじゃないかと。「パスに込める意志
」というサッカーの概念を広めた功績は、高く評価されるんじゃないんでしょうか。
最後に主要メンバーが世界各地で活躍している、という終わり方は「俺たちのフィールド」を彷彿とさせますが、あの頃と比べると現実のサッカー環境が大きく変わっていて、今じゃ日本人選手が世界でプレーするのもそれほど珍しい話ではなくなって来ているのが何だか感慨深いです。
そして、色々な意味で問題作だった「きみのカケラ」も終了。結局、シロは最終兵器だったんだけど、兵器としての自分の運命を拒絶し、新しい太陽になることができました! めでたしめでたし! という解釈でよろしいのでしょうか。
前作「最終兵器彼女」を読んだ時にも思ったんですけど、「最終兵器が世界を滅亡させる」脅威を物語の骨格とする手法は、「戦争」のあり方そのものが大きく形を変え、そしてこの日本もその流れとは無縁ではいられなくなりつつある現代社会においては、もう昔ほどには読者の共感を得られなくなってきているのではないのだろうか? という気がします。この辺どうなんだろう。
後は、なんか連載中に色々と作者の側にゴタゴタがあったりして大変そうだったなぁー、という印象。今後のしん先生の復活に期待しております。