2004/12/15

■更新情報041215

「GS美神・極楽大作戦!!」関連リンク集に、以前「煩悩の部屋」に投稿して下さっていたM-FIELDさん改めNAKKAさんが運営するブログサイト「nakkaの製作部屋」を追加しました。
「絶対可憐チルドレン」の話題を中心に展開するそうです。今後に期待。

前に予告した「2004 椎名高志作品 Conventional Wisdom」を、今日から開始します。

 椎名高志作品 Conventional Wisdom とは、2004年に各誌に掲載された椎名高志先生の作品に登場したキャラクター達の活躍を「評価」し、2004年で一番活躍したキャラを決めてみようというコーナーです。
 各キャラクターの活躍をあなたなりの基準で5段階評価し、投票して下さい。

 今回の投票受付期間は、来年の1/30までとします。皆様の投票をお待ちしております。
 また、「このキャラが漏れている」というご指摘がありましたら、メールかこのエントリでお早めにお知らせ下さい(※「ネクサス」「RED SPECIAL」のキャラは、椎名高志オリジナルのキャラではないという理由で投票対象から除外してあります)

 前回(去年)は「絶チル」三人娘が上位を独占した形になりましたが、今回はこの三人の人気に「蜘蛛巣姫」のヤツメがどこまで迫れるのかに注目したいと思いました。
 みんなも三十過ぎたら、ヤツメみたいな女性と結婚したいと思うようになりますよ…('A`)

こちらも以前話題にした「ザ・グレート展開予想ショー」のその後ですが、その後天乃斑駒さんと相談した結果、「展開予想ショー」の機能を斑駒さんが管理している『マリアのあんてな』配下に移転させ、斑駒さんに管理を引き継ぐ形を取ることに決定しました。
 掲示板の移転準備を行うため、17日の23:00頃からしばらくの間「展開予想ショー」への書き込みができなくなります。ご了承下さい。

 色々とこの件で心配して下さった皆様には、この場を借りて改めてお礼を申し上げたいと思います。
 今後ともよろしくお願いします。

Posted at 00:00 in 更新情報 | WriteBacks (3) |

2004/12/10

■サンデー編集部は「新千円札の野口英世はダイナマ伊藤に似ている」という風説を流布するべきだと思うサンデー2号感想

  1. すっきりしたティオ(金色のガッシュ!!)
  2. 今週のこわしや我聞
  3. 池内(道士郎でござる)
  4. 「次号最終回、頂点に立った波多野の意外な行動とは!?」(モンキーターン)
  5. 「鉄道の勝ちだぜ、航空ファン」(D-LIVE!!)
  6. 番外. すけっとはメガネくん

1. すっきりしたティオ(金色のガッシュ!!)

 極限まで高まった憎悪のエネルギーを凝縮して敵に投げつけるティオの必殺技「チャージル・サイフォドン」も怖かったですが、それ以上に技を放ってスッキリした表情を見せたティオそのものに対して、私は表現しようがない程の恐怖を感じました。
 この技はヤバいです。非常にヤバいです。というか、この技を放てるようになったティオは超ヤバいです。

 ティオは元々「性格は意地悪だけど本当は優しい子」というキャラだったはずなのですが、この技は「意地悪だけど本当は優しい」というキャラが許される性根の悪さのレベルを遙かに超えているんじゃないかと思います。何故なら、この技は即ち憎しみで人を殺す技だからです。こんな怖ろしい技、「スターウォーズ」で言うところのフォースの暗黒面に囚われた者にしか放てません。パンツを見られた恨みが、ティオをダークフォースに目覚めさせてしまったのです。
 今でさえこうなのですから、今週の最後でティオの魔本に浮かんだ新たな呪文がどれくらいの破壊力を秘めているのか、もはや想像すらできない有様です。

 それより何より、技で怒りを発散した後の妙に晴れやかなティオの表情が恐ろしいです。この若さで怒りを発散することの快感を覚えてしまった、彼女の将来が心配です。このままでは、ティオが怒りをパワーの源にするブラゴみたいなキャラに成長してしまいかねませんよ! お宅の娘さんは大丈夫ですか奥さん!
 今週のエピソードは、ついにティオがダークヒーローへの道を歩み始めた第一歩として記憶されるべきお話になるやも知れないなあと思いました。女はおっかねえなあ(まちがい)。

 そして、自分の才能をダメな事にしか使う気がない我々のような連中にとってのヒーロー・モモンも、健闘むなしく破れてしまいました。憎しみで人を殺す技を食らった上、生理的にイヤな「謎の建造物」へのガイドを強要されたモモンは、きっと今回の闘いで心に深い傷を負ったのではないかと思われます。
 でも、彼にはそれに懲りず、今後も自分の才能をダメな事にしか使わないスタンスを維持して頂きたい。彼の能力はマジメに使えばどれももの凄い役に立つ技ばかりですからね! こんな強いキャラがマジメに戦っちゃダメだよね!(うるさいよ)

2. 今週のこわしや我聞

 静馬かなえが登場した辺りからの「こわしや我聞」は、連載マンガとしてどんどん面白くなって来ている印象があります。「仙術使い」としての主人公の我聞のキャラが立ってきたということもありますが、それ以上に物語を固める脇役達の動きが良いですね。

 例えば、先週から登場した新キャラ・静馬番司に対する個々のキャラの接し方一つ取ってみても、普段は穏やかに接するけど締めるところはちゃんと締める國生、それを見て面白がる森永、相手が誰であれ全く容赦がない保科、相手が誰であれしつけに厳しいかなえ、今もその静馬一族の女性に頭が上がらない中之井、やっぱり誰に対しても飄々としている辻原、そして相変わらず愚直な我聞と、短いエピソードの中でもちゃんと個々のキャラを「立たせる」描き方ができていることが判ります。
 マンガとしての「基礎」がしっかりしている印象を受けました。今後が楽しみなマンガの一つです。

 それはともかく、個人的には國生さんの必殺技・ファイル持ち諸手投げが見られたので満足です(結局)。

3. 池内(道士郎でござる)

 「お茶セットを持ったまま15mも跳ぶジジーや、
  怪しげな魔物を操るババァに鍛え上げられた――
  それが健助殿だ

 個性的なヘアスタイルと想像力が必要以上に豊かなヤンキー・池内クンが面白すぎます。道士郎に追いかけ回されたショックか何かで健助殿伝説を勝手に構築して仲間達に流布していくこの男は、おそらく今後も伝説の語り部として大活躍してくれるはずです。

 あと、所々で漢字を間違えているところが流石ヤンキーだなと思いました。
 やっぱり、ヤンキーは漢字を間違えて使わないとダメだよね(偏見)。

4. 「次号最終回、頂点に立った波多野の意外な行動とは!?」(モンキーターン)
  1. 澄にプロポーズする
  2. 青島さんにプロポーズする
  3. ありさちゃんにプロポーズする

 意外性の順番に並べてみたがどうか(←賛同されたいの?)。

 というかついに最終戦決着。「波多野は痛い目を見るべき同盟」を提唱した私としても、レーサーとしての技術も度胸も格段に成長を遂げた波多野、および波多野と洞口のバトルをここまで盛り上げてドラマを最後まで描ききった河合先生に対しては、素直に感服するしかありません。ここ3週間の「モンキーターン」はホントに面白かったです。
 残るは最終回ですが、果たして「意外な行動とは!?」とその行動を煽られてしまった波多野の運命や如何に。あと、波多野と好勝負を演じ、波多野の夢である「競艇ってこんなにおもしろいんだってファンが思ってくれるようなレース」を一緒に果たすことになってしまった洞口の運命も如何に。何か彼も、青島さんにフられて「いでじゅう!」の皮村並に報われないキャラに成長した結果、ずいぶんと人間味が増しましたよね。ね。

5. 「鉄道の勝ちだぜ、航空ファン」(D-LIVE!!)

 こういうことを思っていても、決して口に出して言わないところが鉄道ファンの奥ゆかしいところなんだよなあと思いました。
 でも飛行機と鉄道を比べるのって、マンガで例えれば「かってに改蔵」と「魔法先生ネギま!」を比べてるようなものじゃないのでしょうか。確かに「マンガ」というカテゴリは一緒なんだけど、その中身が全く異質な為、比較する行為そのものに意味がないような、そんな感じ。
 「女の子の数は『改蔵』よりも『ネギま』の方が多い! 赤松先生の勝ちだぜ、久米田ファン!」って言うのはちょっと変だよね? みたいな?(どんなだ)

 それでマンガの中身の方は、前半の航空機スペクタクルと後半の鉄道マニアの独白が話として噛み合っていないところが気になりましたが、これはおそらく物語後半で両者が一緒になって大活躍するための伏線と見て良いでしょう。走っているモノレールの上に飛行機を無理矢理胴体着陸! みたいな無茶なことをやるに違いないと思われます。どちらの乗り物も、乗員の安全を守ることが一番大事であるという意味において、目指す方向は一緒なのです。

 つまり何が言いたいかというと、飛行機オタクも鉄道オタクもどっちも乗り物オタクというカテゴリで括られるオタクであることに変わりはないので、オタク同士もっと仲良くするべきだと思いました。

番外. すけっとはメガネくん

 今週のサンデーに掲載された読み切りマンガ「すけっとはメガネくん」は、「もの凄い中途半端なところで話が終わるのが気になる!」とか、「将棋のセンスとキャッチャーの配球センスは全然違うよ!」とか、ツッコミを入れたいところはいくつかあるのですが、でもここではタイトルに「メガネくん」という名前を冠している割にはメガネ萌え属性がやや乏しい点に関して、あえてツッコミを入れてみたいです。

 顔がカワイイ眼鏡少年キャラがニコニコしていれば、それで「メガネくん萌え」になるという訳じゃない! 現代メガネ学におけるかわいい系メガネ男性キャラ(通称:めがねっ子)の魅力は「メガネをかけた方が可愛らしく、かつ凛々しくなる」点なのだ! 泣いたり拗ねたり甘えたりメガネをズリ落としたりと色々な表情をさせて読者をメロメロにし、かつ決めるところでは男の子らしくビシッと凛々しく決めてこそのメガネっ子、ということを常に心がけて頂きたい! 男性読者さえも萌えさせることができてこそ、真のメガネくんなのだ! 本気でメガネくんで勝負をかけるのであれば、「おねがいティーチャー」の草薙桂や「ヒカルの碁」の筒井先輩に匹敵するメガネを! と訴えていきたい!

 いやその、別にこれ萌えマンガでも何でもないので、こういう指摘は的はずれだってことは承知しているんですけどね…(フェードアウト)

2004/12/07

■まったく容赦がないてれびくん1月号報告

 「最強の術! ブラゴ・シェリ-大勝利!
  2人の怒りのパワーでゾフィスを倒したぞ!
」(挨拶)

 「てれびくん」のアニメ先取り情報は、相変わらず情報の要約っぷりに容赦がないですね。深沢です。
 ようやく先月末に出た「てれびくん」を読めましたので、その情報を。

 まず、このサイト的に最も重要な「ウルトラマンネクサス」のコミカライズ版ですが、今回は前回以上に子供に対して容赦がないなあと思いました。

 原作の「ネクサス」が元々そういう話だからというのもありますが、掲載誌からイメージされる「幼稚」な部分は一切なく、原作の第5~8話におけるテーマの一つである「誰かを守りながら戦うことの難しさ」を、簡潔な形ながらもキッチリと描写。自分を慕ってくれた女の子を戦争で失ってしまうという過去を持ち、今もその時の喪失感を抱えたままウルトラマンに変身して戦い続ける姫矢、そして今回の任務で女の子は救ったけど、その子から今回の事件に関する記憶そのものを消されてしまって一抹のむなしさを覚える狐門の心情が、ちゃんとマンガの中で描かれています。
 また、原作の第5~8話は「ウルトラマンとダークファウストの闘い」と「怪獣が潜伏している廃工場に取り残された女の子の救出」の二つのストーリーがパラレルに進行するんですけど、そのシークエンスもできる限り誌面上で再現してやろうという心意気を感じる構成になっている点にも感心しました。「テレビシリーズのテイストを極力すくい上げて行く」基本方針は、今回も健在の模様です。

 あと最後の1ページで、第8話終了の段階でこの作品世界が抱えている問題点を「誰かを――何かを守るって、難しくてつらいことなのかもしれない……」という言葉で表現している(この場面は原作にはありません)シーンからは、難解に取られがちな「ネクサス」のストーリーの要点をまとめて作品の理解を助ける狙いがあるのではないかと思いました。
 まあ、幼児向けの雑誌で「難しくてつらいことなのかもしれない」なんて台詞が出てくることそのものが大変なことではあるんだけど(笑)。

 そんな感じで、このマンガちょっと凄いです。掲載雑誌の対象読者が6歳以下という建前抜きで、あくまで「ネクサス」の持つフレーバーを余すところなくコミカライズしてやろう、という確たる目的を持ってマンガ作っている感じがします。
 「てれびくん」を読みながら、『椎名高志って、こんな(色々な意味で)凄いことができる漫画家だったのか!』と今更ながら心底ビビってる私がいます。もうガクブル状態です。

 前にも書いたように、おそらくこのマンガは多分コミックス化はされず(勿論されたら嬉しいです)、いわゆる「椎名高志マンガのファン」のほとんどはこのマンガを目にすることはないだろうと思われますが、そんな環境下でもちゃんと椎名先生は、己の仕事を遂行し続けています。この勢いがあれば、来年の「絶対可憐チルドレン」は相当期待できるモノになるんじゃないんでしょうか。ファンの皆さん安心して下さい(エラそう)。

 作者のモチベーションを高めるための場を与えてくれた、という意味で、椎名氏に「ネクサス」のコミカライズを依頼した「てれびくん」の編集者の方に、我々ファンとは感謝するべきなのかも。

 ついでに、「てれびくん」の他の記事で気になったのは、やっぱりみんな大好き「金色のガッシュベル!」のアニメ展開先取り情報。
 「ゾフィスを倒したぞ!」という記事がこの段階で掲載されているということは、石版魔物編はいよいよ年内で終了すると解釈して良いのでしょうか。ということは、石版魔物編のラストでゾフィスがブラゴに心底ビビってガクブル状態になってしまう、あの伝説の萌えシーンがついにアニメで鑑賞できるということに。小心者っぷりをさらけ出し、ガクブルするゾフィス! 萌え萌えですな!(←萌えるのか?)

 また、「てれびくん」の誌面では、シェリーがココと「再会」を果たして涙を流しながら抱擁する感動的なシーンのカットも掲載されていましたけど、やっぱりこのシーンは相当百合っぽくてエロいと思いました。「ネクサス」とは違う意味で子供に対して容赦がありません。楽しみです。

Posted at 00:00 in マンガ::いろいろ | WriteBacks (0) |

2004/12/05

■「ハヤテ」が面白くて驚いたサンデー1号感想

  1. 息子に冷たいギブソン(MAJOR)
  2. 芽生えたティオ(金色のガッシュ!!)
  3. さらばジーク様(史上最強の弟子ケンイチ)
  4. 4. 「フフフ、入った方がよろしくてよ?」(こわしや我聞)
  5. ダンドー最終回

1. 息子に冷たいギブソン(MAJOR)

 「別に私は息子を見に来たわけじゃない
 「俺には吾郎を見守る義務があるからな
 「今のお前に吾郎の球は打てない。技術的にも精神的にもな

 ギブソンパパの、吾郎に対する過剰な贔屓っぷりに萌え萌えです。これじゃ実の息子がひねくれてしまうのも仕方ないと思います。
 さすがメジャーリーグは実力の世界! 息子のシメ方にも容赦がまったくない!

 ところで、「みそぎを果たす」って概念は英語で表現可能なの?(余計なツッコミ)

2. 芽生えたティオ(金色のガッシュ!!)

 「心の底から沸き上がるこの感じ! あ~~らたな芽生え~~!

 このシーンはぜひアニメで観たいです。釘宮理恵ヴォイスで怒号に満ちたこの台詞が聞けると思っただけで、私はもう辛抱たまりません!(バカ)
 ついでに、「オヨヨヨ」言ってるダメシスターの声は植田佳奈でお願いします!(バカ)

 モモンの能力はどれも「空間や時間を支配できる」という意味においてもの凄い強いはずなのですが、そういう優れた才能を徹底的にバカな事にしか使わない彼の姿勢は、我々も見習わなければならないと思いました。
 人類の英知は、バカな事やエロい事に己の全てを注ぎ込んだ時にこそ、その真の力を発揮するものなのです。魔力や経験では遙かにティオに劣るはずのモモンの健闘っぷりが、何よりの証拠でしょう。

 エロ妄想は全てを超越することを全国の子供達に教えるため、がんばれモモン! オレも負けずにくだらないことをがんばるよ!
 多分来週にはやられちゃうと思うけどな!(ドクロ)

3. さらばジーク様(史上最強の弟子ケンイチ)

 我らがヒーロー・ジーク様が、よりによってドブ川で散華! っていうか自爆!
 でも、ドブ川で死ぬのがこんなに似合う美形キャラってのも、ちょっと珍しいと思います! さすがジーク様はやることが違うよ!

 オレ、このマンガで一番好きなのがジーク様だったんですよ…
 彼が死んでしまったら、これから何を楽しみに「ケンイチ」を読めばいいやら…orz

4. 「フフフ、入った方がよろしくてよ?」(こわしや我聞)

 今週の「我聞」のメインはあくまで「ファイティングバイパーズ」のバンみたいな格好をした新キャラ・静馬番司なのですが、個人的にグッと来たのはむしろ國生さんを誘惑する卓球部女子・の台詞だったので、今回はこちらをランクイン。
 この子は密かにラブコメさせたら面白そうだと睨んではいたのですが、意外にこういう方面でもやりおるキャラだったとは意外です。確かに、彼女だったら相手が國生さんだろうが友達感覚で自然に接するだけの度胸がありそうですからねー。
 彼女の潜在能力は測り知れないものがあるなあ、と本気で思いました。今後に期待。

5. ダンドー最終回

 そして、「ダンドーネクストジェネレーション」はあえなく今回で最終回ということに。
 個人的には大喜びで読んでいたマンガなので終わってしまうのは残念ですが、アニメも終わったことだし仕方ないかな、というのが正直なところ。

 このマンガにおける「ネクストジェネレーション」とは、即ち新庄の遺志を継承する次世代のゴルファー達のことを意味します。連載の中では、時間の都合上(往年の新庄や赤野とダンドーの関係を彷彿とさせる)ダンドーと竜之助の間の関係しか描けませんでしたけど、「新庄の遺志」の真意を理解して新庄の名を冠した大会を己の手に取り戻したラミアや、竜之助に助言して彼とダンドーとの信頼関係をより深いものに導いた優香も、また新庄の遺志を継いだネクストジェネレーション達なのであった! ということを、万乗先生はこの作品で表現したかったのだと思います。

 というか、最初から最後までラミア強すぎです。ダンドーのためなら戦士にも淑女にもなれる彼女の活躍っぷりが、「ネクストジェネレーション」における最大の見所であるというのは、もはや論を待たないと思われます。
 次の万乗先生のマンガの主人公は、ラミアでお願いします(結論)。

2004/11/29

■雲のむこう、約束の場所

 今日は、「新海」という単語から真っ先に「物語」を連想する人には縁がない話をします!(挨拶)

 そんな訳で、新海誠監督作品の新作アニメ映画「雲のむこう、約束の場所」を渋谷で見てきました。
 せっかくなので感想みたいなものを少し。

 新海アニメは「観る人は絶対観るけど、観ない人は絶対に観ない」タイプの作品だと思われるので、以下は「雲のむこう~」が判る人向けです。

 で、この映画の基本的なストーリーは、北海道と本州が違う国家に分断された世界を舞台に、北海道に建設された謎の「塔」に憧れていつか自分達が作った飛行機でそこへ行こうという夢を持った少年・ヒロキとタクヤ、そして彼らと一緒に「塔」へ飛ぶ約束をした少女・サユリを巡って展開される訳なのですが、でも少年達が「塔」へ憧れを抱く心境から私が連想してしまったのが、何故か「Webやぎの目」で有名な林雄司さんのガスタンクファンサイト「ガスタンク2001」の、以下のフレーズでした。

(1999.8.9のガスコラムより引用)
富士山の写真を撮りつづけている人、というのを新聞やテレビでよく見る。
たいていは富士山が見える場所に育った人だ。富士山が好きなんだろう。
僕がガスタンクを撮るのも同じ構造だと思う。ガスタンクの近くで育って、ガスタンクの写真を撮りつづける。
富士山だといい話で、ガスタンクだと「トラウマ」という語を連想するのはなぜだ。

 この映画の主人公達は、巨大で謎めいた「塔」が近くに立っている街で多感な時期を過ごしたためにその後の人生でも「塔」から大きな影響を受けることになるのですが、これは「ガスタンク2001」の上記のコラムと、感覚的には似たようなものなのではないのでしょうか。
 つまり「雲のむこう、約束の場所」とはこの文章の「ガスタンク」を「」に置き換えたような話であり、「塔」は彼らにとっての憧れであるのと同時に幼少期のトラウマの象徴になっているのではないか? いつか自分の飛行機で「塔」に行きたいという彼らの夢は、ガスタンクマニアがガスタンクの写真を撮るのと同じような感情から湧き上がったものなのではないのか?

 ――とかバカなことを一度思いついてしまったが最後、映画が終わるまで「塔」が出てくる度に「あれはガスタンクのメタファー」という考えが浮かんでしまい、せっかくの美しい話に没入することがなかなかできませんでした。
 林雄司さんの書く文章は本当に面白いですよね(まちがい)。

 「雲のむこう、約束の場所」という映画は、新海誠氏の作品に漂う独特の詩情的な空気を感じ、美しく描かれた作品世界へ憧憬を抱き、主人公の感情に共感することで感動を得るタイプの作品だと思われます。ぶっちゃけて言えば、「この感じよく判るよ! スゲエよく判る!」とか言いながら作品と共鳴して己の感性をブルブル震わせるために見るための作品です。
 この映画の場合は、主人公のヒロキのように、過去に夢中になっていたことがある(かつ、それが普通の人にはなかなか"判ってもらえない"ものである)経験を持っている方なら、存分に震えることができるんじゃないかと思います。そういう意味では、「耳をすませば」と系統が似ている作品と言えるかも。
 「耳すま」と「ほしのこえ」の両方を愛することができる感性の持ち主なら、「雲のむこう」も震えながら鑑賞できるのではないのでしょうか。

 なので、鑑賞する際には「ガスタンク」とかそういう余計な感性は震わせない方が、より素直に楽しめるのではないかと思います。
 オレにも、ヒロキ君と同じような真っ直ぐな感情を持っていた時期があったはずなのにな…(夕焼けを見ながら)

 あとこの映画のアニメ的な見所としては、アニメでしか表現できない絶妙な色合いの「空」の風景に代表される背景美術の美しさや、妙にかっこいい独特のフォルムを持つ飛行機(ヴェラシーラ)の飛翔シーンの格好良さなどが上げられると思うのですが、個人的に最高にグッと来たのは、何と言ってもヒロインのサユリが映画の中で随所に見せる女の子走りの素晴らしさでした。
 拳を軽く握りつつ肘を内側に寄せた状態で前後に小さく振る、この年代の女の子特有の仕草でブリブリ駆け回りながら息を弾ませるサユリのモーションは、彼女が「女の子」であることを完璧なまでに表現していると思います。

 アニメたるもの、キャラクターの性格はアニメーションで「演技」をさせる形で表現しなければならない! と思っている私にとって、「雲のむこう、約束の場所」におけるサユリの女の子走りは、彼女が如何に純真で可憐な少女であるのかを雄弁に語っていると感じました。
 憧れの女の子にこんな走り方された上で「あの塔に連れて行って」とか言われたら、そりゃもう少年の心はメロメロになるに決まってます

 更にサユリはその後、この映画の鍵を握る「塔」と深く関わる存在となり、最終的にはサユリの自意識が持つ価値が世界そのものの価値と等しくなるという、いわゆるセカイ系的な展開を見せることになります。
 こういう展開に説得力を持たせるためには、「この少女は世界を秤にかけるだけの価値がある、かけがえのない存在である」ことを視聴者に納得させる必要があるのですが、「雲のむこう、約束の場所」の場合はそれを(女の子走りに象徴される)彼女の愛らしさを全面に押し出すことで、彼女をかけがえのない存在であることを実感させることに成功していると思いました。
 彼女を見ている時に湧き上がる感情を一言で表現するなら「萌え」ということになのですが、でもこれはただの萌えではない! あれは彼女が作品世界の中心であることを証明するためのハイブロウな萌えなのだ! と力説していきたい(誰に?)。

 なので、この映画の主人公のようなイケてる理工系男子をゲットして、アタシもセカイ系のヒロインになりたいワ! と思っている世のあまねく女子中高生は、まずはサユリの女の子走りをマスターして頂きたいと思いました。彼氏と叶えられない約束をするのは、それからでも遅くはありません。

 感想は以上です。(←素直に「この映画面白い」と簡潔に言えない性格ですみません)

Posted at 00:00 in アニメ | WriteBacks (0) |

2004/11/27

■変われるかサンデー52号感想

  1. 「クズがー!」三連発(道士郎でござる)
  2. 本当にかわいそうな朔美ちゃん(いでじゅう!)
  3. 早くも勝負に出たハヤテのごとく
  4. 男だらけのクロザクロ
  5. コスプレミンシアさん(からくりサーカス)
  6. 番外. あるふぁ!

1.「クズがー!」三連発(道士郎でござる)

 編集長が交代して一発目の巻頭を飾ったのがよりによって「道士郎でござる」な辺りに、新編集部のやる気っぷりを感じます(挨拶)。

 基本的にこの作品は「一本筋が通った行動を取る現代のサムライ・道士郎が、爽やかに周囲の人間達を変えていく!」という路線のマンガだったはずなのですが、なんか今回の道士郎の暴れっぷりから推理すると、今度の新展開は「一本筋は通ってるんだけどやっぱりおかしな現代のサムライ・道士郎の行動に、周囲の人達はもう大あわて!」みたいな路線で行くっぽいです。
 ストーリーよりもキャラの勢いを重視してマンガを読ませる手法は、むしろギャグマンガの作り方に近いものを感じます。今の「道士郎でござる」における道士郎のポジションは、「俺様は?」における俺様君と似たようなものであると考えて良いでしょう。

 今週号を読んだ結果、自分の頭の中で「『道士郎』はギャグマンガである」というフラグがセットされました。
 この認識は間違っていませんよね?(と言われても)

2. 本当にかわいそうな朔美ちゃん(いでじゅう!)

 いやもう、「いでじゅう!」に朔美ちゃんが出てくるだけでせつなくなってしまう自分がいます。

 朔美ちゃんは、もはや「片思いが報われないでかわいそう」なこと自体が彼女自身のアイデンティティとなってしまっているので、彼女はこのマンガに登場し続ける限り永遠に報われないまま亀太郎相手にもじもじやっていなければならない、という宿命を背負ってしまっているように思えます。それが更に彼女の報われなさ度をアップさせ、彼女をより魅力的に見せる結果に繋がっているのです。

 朔美ちゃんにおけるかわいそうスパイラルは、もはや日本のデフレスパイラル並に深刻な問題であると申せましょう。
 何言ってますかオレ。

 あと今週のオチの「占いサイト」ですが、自分にも似たような経験があります。
 ホムペを始めたばかりの頃、プログラムの勉強ついでにランダムでそれっぽい占いメッセージが表示されるページを作って公開したのですが、ある時その占いサイトを利用した20代前半の女性から突然恋の悩みを打ち明けるメールが届き、たいそうビックリしたことがあります。
 「占い」という媒体には、例えそれが適当に出力された機械的なメッセージであろうとも、受け取る側がその文章を自分の身に置き換えようとする過程でメッセージを拡大解釈してしまい、最終的にそれを自分にとって何らかの望ましい「意味」を持つものに補完してしまう傾向があるように思えます。例えそれが真実ではなくても、人はそれを自分が真実として望んでいるものとして解釈し、それを「真実」として認識してしまうものなのだ――というこの世の真理を実感した出来事でした。

 ちなみにその女性に対しては、「そんなにモジモジしてないで、彼に思い切って打ち明けてみたらどうだい? ハッハー」とか、そんな適当なメッセージを返した記憶があります。彼女から返事のメールが来なかったのでその後どんな運命を歩んだのかは知りませんが、少なくとも今の朔美ちゃんよりは幸せになってることを願うばかりであります。

3. 早くも勝負に出たハヤテのごとく

 ネコミミモード!(挨拶)

 編集長が代わった途端に、いきなりネコミミ+女装のコンボ攻撃を繰り出してきやがりましたよこのマンガ! ってことは、もしかしてこれまでの「ハヤテ」のイマイチな煮え切らなさっぷりは、前編集長によってソッチ方面に走るのを抑制されていたからだ、ということなんですか! サイドブレーキを引かれた状態だったんですか畑先生!
 サイドブレーキを引く必要がなくなった畑先生は、ついに今回からアクセルベタ踏みで急加速を開始しました! もう誰にも畑先生を止められない! いや、誰も止めるな! 止めちゃいけない! ネコミミとか女装とかやっちゃった時点で、先生は自分自身に爆弾を仕掛けたようなものなんですよ! スピードが落ちて止まったりしたら、先生は自分の仕掛けた爆弾で死んでしまいますよ!(漫画家として) 映画で言うところの「スピード」ですよ! 「GS美神」で言うところの「呪い好きサンダーロード」編ですよ!(←ファンサイト要素)

 そんな感じで、いよいよ本領を発揮し始めたこのマンガの今後の活躍に期待です。
 女装した主人公が女性陣にいたぶられるだなんて、まるで「エイケン」みたいだなあと思いました。そういや、「エイケン」も人気に火が点いたのは主人公が女装をするようになってからだったしなあ。畑先生はよく判ってるなあ。

4. 男だらけのクロザクロ

 掲載位置から推測するに、序盤は割とアンケート人気が好調に推移していたように思える「クロザクロ」ですが、いよいよ今週から新展開に突入です。
 今度の新展開の特徴は、一言でいうなら男ばかりだということ。序盤は薊・梢枝・咲と三人の女子キャラがいて、しかも微妙に幹人が彼女たちからモテていたりしてたんですけど、今回は幹人に同行しているのも男なら旅先で出会うのも男、傀牙の種子をバラ撒こうと暗躍しているのも男、そして殺されるのも男と、もう男だらけです。ドキッ! 男だらけの傀牙狩り大会! ポロリもあるよ!(命の) みたいな感じです。

 そういや、夏目先生の前作「トガリ」ではオセ×トーベエが微妙に盛り上がっていた気がしますが、果たして「クロザクロ」ではそういうムーブメントが起こるのか否か。
 そういう方向でも楽しめるマンガであって欲しいです(勝手に)。

5. コスプレミンシアさん(からくりサーカス)

 「ギャンブルに勝ったら服を1枚づつ着替えさせる」ってアンタ! それってつまり、脱衣麻雀ゲームのルールそのものじゃないですか! さすが生粋のギャンブラーはやることが違う!
 藤田和日郎デザインのキャラで脱衣麻雀! やりてえ!(バカ)

 あと藤田先生と言えば、今週号の目次の読者からの質問(「現在注目している人物は誰ですか?」)に対して「奴が次の連載で何を描くかだ! ウーイエイ楽しみだな!」と答えているのが興味深いです。私も最初は愛弟子の井上"変態"和郎氏のことを指していると思っていたのですが、ヤマカムさんとこで指摘されていた「久米田先生の事ではないか?」という意見にも、ある種の説得力を感じます。

 椎名先生の復帰も今回の編集長交代と(おそらく)無関係ではないでしょうし、来年はサンデーにも色々と新しい動きがあるのではないのでしょうか。楽しみですね。

番外. あるふぁ!

 かつてサンデー超増刊で鉄道模型バトルマンガ「バトルゲージ」を連載、その内容の微妙っぷりが私の心を掻き乱した桜河貞宗氏が、ついにサンデー本誌に登場。色々な意味での微妙さや、何とも表現しようがない不思議な読後感といった桜河氏独特のテイストはこのマンガにおいても随所に発揮されており、個人的にはたいへんに楽しむことができました。
 特に、「ヒロインの女の子が一人で巨大な岩を支えているために動けなくなって困ってる」という明らかに異常なシチュエーションをあえてクライマックスに持ってくる氏のセンスは、もはやただ事じゃないと思います。

 この方はおそらく工学方面にマニアックなネタを題材にしたマンガを描く方が似合っていると思うので、次回はもっと趣味に走った、マニアが大喜びする作品を描いて欲しいなあと思いました。

2004/11/24

■編集長交代

 サンデーの裏側に書いてある、「編集人」の名前が変わってました。

 
左が先々週号、右が今週号

 「かってに改蔵」を終わらせたことで有名なM編集長が交代した、という意味でしょうか?
 これからどうなるんでしょうかサンデー。

Page 57/75: « 53 54 55 56 57 58 59 60 61 »