2004/10/09

■蜘蛛巣姫感想

遅くなりましたが、ヤンマガアッパーズに掲載された「蜘蛛巣姫」の感想:
 ちょっと前まではワガママなイケイケクソ女が主人公のマンガを描いてた椎名高志氏が、「男運に恵まれない独身女の悲哀」を描ける程までに漫画家としても人間としても成熟したんだなあ、と何だか妙に嬉しくなってしまいました(←感想か?)。

 何というかこう、とにかくヤツメがやたら可愛く思えてしまって仕方ありません。これくらいの年頃の女性の「男からカワイク見られたい」(けど、本性はやっぱり隠せない)心理がほどよく出ているところが特に良いです。2004年椎名高志マンガにおける嫁にしたい女性キャラナンバーワンの座に輝く勢いなステキっぷりです。

 もちろん、そのヤツメをメロメロにする魅力を持った八郎太も良いですし、テンポ良く進むストーリーや、「生まれ変わる」というキーワードに統一されたテーマ、あちこちに散りばめられた椎名マンガらしい小ネタの数々も良かったのですが、やはりこのマンガの最大の魅力はヤツメに尽きますね。
 愛しい八郎太の腕をかいがいしく縫ってるところも、彼に女がいると知って怪気炎を吐いてるところも、スパイダーマンっぽく城に乗り込むところも、密姫に一方的に嫉妬してるところも、八郎太に泣いてる姿を見られないように捨て台詞を吐いて立ち去るところも、もう全部カワイイ。
 こういう女性をカワイイと感じてしまうということは、やっぱりオレも相応に歳をとったということなのでしょうか。

 ああ、でも「喫茶・蜘蛛之巣」という煩悩丸出しなネーミングはどうかと思った。さすが蜘蛛女。

 「パンドラ」の第3話を描いてからの椎名氏は、それ以前とは描くマンガの性質が変わってきている――というのが自分の今の椎名高志評なのですけど(いつかこの辺はちゃんと書いてみたいと思ってはいます)、「蜘蛛巣姫」もまたそれに連なるマンガの一つ。「絶チル」は、作者が結婚とか子育てとか連載切られたりとかいった公私に渡って様々な経験をして来たからこそ作れたマンガだと思いますが、「蜘蛛巣姫」もまた作者が様々なキャリアを経たから作れたタイプの作品のように思えます。
 あと、なんか(「Time Slipping Beauty」の頃とは違って)作品全体に作者の余裕のようなものが感じられるような気がするのですがどうか。

 それにしても、今回の「アッパーズ」はほとんど全ての作品が「終局」に向かって一斉に突っ走ってる感じがして、これはこれで妙に面白いですな(不謹慎)。袋とじ「G-taste」最終回なんか、最終ページのマスカレード男爵が格好良すぎてもう大変。こんなに「ご機嫌よう」の挨拶が似合う男だったとは!
 ページの最後に「次回最終回」と書かれているマンガとそうじゃないマンガがあったんですけど、そういうマンガは後継雑誌かどこかに移転して続く可能性があると考えてよいのでしょうか。「RED」や「シュガー」の今後が気になります。「やまとの羽根」は終わっちゃうみたいで超残念。

Posted at 00:00 in マンガ::いろいろ | WriteBacks (0) |

2004/10/08

■「かってに改蔵」が載ってた頃は面白かったサンデー45号感想ダイジェスト

  1. 帰ってきたハヤテのごとく
  2. 石版魔物編終了後の金色のガッシュ!!
  3. うえきの法則次回最終回
  4. 辻原登場(こわしや我聞)
  5. 勝(からくりサーカス)
  6. 定点観測:今週のモンキーターン

1. 帰ってきたハヤテのごとく

 「ハヤテの如く」というタイトルや畑健二郎という作者の名前よりも、「コナミに怒られたアレ」の通り名の方が圧倒的に有名な伝説の問題作が、ついに連載としてサンデーに帰って来てしまいました。
 コナミに謝って仁義も通したことだし、というかむしろ怒られたことで名を上げたことだし、これで連載化には何の問題もなくなったぜ! という判断が編集部内で働いたのではないかと、勝手に推測しています。やっぱり世の中やった者勝ちだよね!(ドクロ)

 読み切り版で社会問題を引き起こした半端なオタク系のネタは、さすがに今回は自粛したようであまり使われてはいませんが、「貧乏少年が大金持ちでロリなお嬢様とお付きの美人メイドに雇われて一緒に暮らす」というプロットは相変わらずオタク向けマンガっぽいので、やっぱりコレはそういう系統を狙った作品だと判断して良いでしょう。サンデーの表紙もソレっぽかったですしね。
 ただ、マンガ本編の方が、その「サンデーの表紙」とはかけ離れた内容に終始してしまった点は頂けません。本来この手のマンガに求められているのは、あくまで今週のサンデーの表紙を飾ったイラストみたいな「美少女達と一緒に過ごす主人公の日常描写」であるはずなのですが、今回の「ハヤテ」では、主人公の不幸な身の上話とか、小悪党とのバトルとか、そこで垣間見せた主人公の驚異的な身体能力だとかいった比較的どうでもいい事の描写で2話も使ってしまっています。ちょっと勿体ないという感じ。

 つうか、どうせこのマンガはオタ向けなんだから、細かいことは放っておいていきなり主人公が執事の立場でお嬢様から一方的に迫られてるシーンからスタート! ストーリーやキャラが判らない奴は、読み切り版をどっかその辺から探し出して読め! くらいの正々堂々さが欲しかったところ(堂々?)。

 とりあえず、今週でこのマンガをストーリーマンガとして成立させる儀礼的な描写は終わったはずなので、次回以降は「まんがタイムきらら」に掲載されていても遜色がないレベルのコッテコテなキャラ萌えマンガ的展開に専念して下さい。話はそれからです。

2. 石版魔物編終了後の金色のガッシュ!!

 石版魔物編が終了して日常に戻ってきた我らが「ガッシュ」ですが、何だか最近の話は石版編とは随分とノリが変わってしまった気がします。

 石版魔物編では「共通の敵であるゾフィスを倒す」「ソフィーが親友のココを取り戻す」という判りやすい物語の核があったために読んでて素直に盛り上がることができたのですが、現在の展開は今後の大局的な流れがまだ不明瞭ですし(最終的にゼオンとガッシュが戦う流れになるのかな? と思ったらそうでもないみたい)、キーとなる「謎の建築物」は登場人物のみならず自分にとってもあまりに謎過ぎるのでとっかかりが悪いしと、どうも今の展開に乗り切ることができない私がいます。

 このマンガは現在、後の大きな展開に繋がる伏線をじっくり張っている状態なのか。それとも、「謎の建築物」はしばらく謎のままにしておいて、今回のような「魔物がいる日常生活」的な路線のエピソードを続けるつもりなのか。
 サンデー随一の看板マンガにまで成長した「ガッシュ」の今後はもはやサンデーという雑誌そのものの浮沈に関わる重大問題なので、サンデーウォッチャーとしては今後の展開が気になるところ。

3. うえきの法則次回最終回

 「うえきの法則」の連載終了は事前に噂には聞いていましたが、なんかホントに次回で最終回となってしまうようです。
 個人的には、森の「相手をメガネ好きに変える能力」が出てきた辺りからこのマンガは絶好調を維持、人気もそこそこのレベルをキープ、トーナメント編の運営も特に大きな問題は見られず、このまま引き延ばせようと思えばいくらでも引き延ばせる態勢を確立したのでしばらく連載は安泰なんじゃないかなー、と余裕の構えで読んでただけに、ここで終わってしまうと知った時はビックリ。どうしたんですか福地先生! 「メガネ好きに変える能力」のアレっぷりにビビった読者達の姿を遠目で眺めながら、ワインを片手に勝利の笑みを浮かべていたんじゃなかったんですか福地先生!(それはオレの妄想です)

 その一方、植木のことを想って泣いてる森さんの姿を見て、ホント先生は(外見的にも内面的にも)カワイイ女の子を描くのが上手くなったよなあと感心。漫画家として成長しましたね福地先生!(フォロー)
 まあ、何にしろ次回に期待ということで。

4. 辻原登場(こわしや我聞)

 「工具楽屋営業部長の辻原です。
  んじゃー商談といきますか真芝の方!

 このマンガの中の最強生物であり、いつかは我聞が超えなければならない最強のライバル(きめつけ)である辻原が、今回ついに動いてしまいました。何かに目覚めちゃって暴走状態の我聞を肘撃ち一発でKOしてしまうだなんて、彼の強さはやはりホンモノです。
 所詮はただの変態に過ぎない才蔵では辻原に太刀打ちできないことは明白であり、おそらく来週は才蔵を材料とした辻原残酷ショーが開催されることは必至の状況に。どうする千紘ちゃん!(ミスリード)

 あと、先週から今週にかけての「やられても何度もしぶとく立ち上がって奥義に目覚める」我聞の戦い方は、「聖闘士星矢」を代表とする往年のジャンプバトルマンガみたいで随分懐かしいです。

5. 勝(からくりサーカス)

 「大人より子供の方が弱いなんて、誰が決めたんだろう?

 小さい頃から色々と余計な苦労を経験した勝だからこそ説得力を持つ台詞。
 こんないい子を相手に本気になって女の奪い合いをしているフェイスレスは、本当にダメ人間なんだなあと改めて思いました(ミスリード)。

 そして次週からはついに鳴海が登場。しかしアメリカとはまた遠いところに!
 勝が人生の目標としている彼と再会できるのは、まだまだ先のことになりそう。

定点観測:今週のモンキーターン

 波多野は洞口の挑発に乗ってスタート前にやらかしたミスを挽回できずに負け、洞口は洞口で波多野に気を取られすぎたばっかりに周囲の状況を把握できずに負け。順位的には波多野の方が上でしたけど、どっちもライバルのおかげで勝ちを落としたという意味では一緒ですので、今回のデュエル(決闘)は痛み分けといったところでしょう。
 波多野は「負けたのはオレが未熟だったせいだ」と自分の心がけを反省してましたが、一方の洞口は今回のレースをどう総括するのか気になります。ここで「負けたのは自分のせいじゃない! 波多野のせいだ!」と更に復讐の鬼と化してくれると面白いのですが(オレが)。

 レースが終わったことで、次の焦点は再び波多野の女問題に移るでしょう。個人的には波多野にはもうちょっと痛い目にあって反省してもらわないと、澄を嫁に出す訳にはいきません(嫁?)。
 でもなんか彼女は、仏心で健ちゃんのこと許しちゃいそうな気がするなあ。モテる奴は何をやってもモテるんだなあ。やっぱり世の中やった者勝ちなんだなあ(トホホ)。

2004/10/04

■肉! うまそうな肉!(ラミアを見ながら) サンデー44号ダイジェスト感想

  1. 今後に期待のクロザクロ
  2. 今週の道士郎でござる
  3. 相変わらずなフェイスレス(からくりサーカス)
  4. 今週のラミア(ダンドーネクストジェネレーション)
  5. 定点観測:今週のモンキーターン

1. 今後に期待のクロザクロ

 気が付けば、自分の中では「結界師」と並んで今のサンデーで今後が気になるマンガの筆頭格にまで上がって来た「クロザクロ」。
 ザクロの意志に反してあくまで人間として自分の中の傀牙と戦う意志を固めてようやく主人公らしくなってきた幹人と、理由はどうあれ自分のプライドを確立するために確固たる意志を持って鬼牙を狩ろうとする姫葉という、敵対してるとも言えるし共闘しているとも言える二人の微妙な関係が今後どうなって行くのか、かなり興味が沸いてきました。
 そのうち、幹人君が姫葉のちちとかしりとかふとももとかを「肉! うまそうな肉!」とお年頃の男の子っぽく意識するようになると、思春期ラブコメディみたいで微笑ましいんですけどね。喰うか狩られるか。まさに命がけの恋。

 このマンガの残る欠点は、出てくる傀牙達にどれもまだいまいち個性がない点でしょうか。単なるやられ役でもちゃんと個性を持たせてキャラを立ててる「武装連金」なんかを読んでしまうと、「クロザクロ」の傀牙達もただ狩られるだけじゃなくてもっと頑張って欲しい! いずれは「パピ★ヨン!」クラスの変態台詞を平気で言えるキャラが見てみたいな! とか思ってしまうんですけど、これは私のわがままなのでしょうか(わがままです)。

 あと夏目先生は、やっぱりカラーページが苦手なんだなと思った。

2. 今週の「道士郎でござる」

 「ちょれー事いってんじゃねーよ! テメーがやってる事だろーが!

 不良描かせたら少年誌随一の実力を誇る西森先生の偉大さを、改めて認識させてくれるエピソードでした。
 毒をもって毒を制す。ヤンキーをこういう形で世のために活かすストーリーを描けるポテンシャルを持ってる「道士郎」ってマンガは、やっぱり凄いわ。

 個人的にはこのマンガすげえ面白いと思うのですが、掲載位置がこの場所だということは、やっぱり世の健全な少年達にはこの面白さが判ってもらえてないのでしょうか。不安です。

3. 相変わらずなフェイスレス(からくりサーカス)

 「僕はエレオノールと二人、人類が死滅するのを待つことにするよ

 ヤバい! この思想はヤバいです! 「自分以外の男が全て死滅すれば自分がモテるはずだ」という考え方は、「神聖モテモテ王国」のファーザーと同レベルです!
 つまりフェイスレスは、自らがナオンにモテモテになる神聖モテモテ王国を建国するためにモテる男を皆殺しにすることを決意し、オートマータ軍団を結成したということに! これって早い話が、「モテモテ王国」で言うところのMG部隊と一緒じゃないですか!
 ファー様ですら成し遂げられなかったモテモテ王国建国の野望に挑むフェイスレス! かっこいいなあ!

 ああ、でも、そのアプローチはダメなのです! 「自分以外の男が全て死滅すれば自分がモテる」なんてこと考えるのはダメ人間だけなのでフェイスレスはダメ人間決定なのですが、ダメ人間はそんな考えをしているが故に、女からモテることは未来永劫ありえません!
 ダメだからモテない! モテないからダメ! この循環構造こそが、フェイスレスを支配している「地獄の大きな機械」の正体なのです!

 誰かフェイスレス様に、筋肉少女帯の「踊るダメ人間」を聞かせてあげて下さい!
 この世を燃やしたって、一番ダメな自分は残るぜ!

 そんな感じで、モテないダメ男の悲哀と執念の化身となったフェイスレスに、婦女子からモテモテな勝が挑むという構図に収斂されつつある「からくりサーカス」。
 心情的にフェイスレスの辛さがよく判る独身男性な私としては、いつか彼が「モテない奴は何をやってもモテない」という世界の真理に到達し、モテない苦しみから解脱して過ちを悔い改める旅に出る日が来ることを願って止みません。

今週のラミア(ダンドーネクストジェネレーション)

 掲載位置の関係で紹介順序はこの位置ですが、サンデー44号はまさにラミアのためにあったと言えます。言うなれば週刊少年ラミア
 大股開いて麻酔銃撃ったり、腰を前に突き出した状態でレザースーツのジッパーを降ろしたり、尻を露出したり、淑女のコスプレして「私が色々教えて差し上げますわ」と意味深なことを言ったりと、過剰な程のラミアっぷりばかりが印象に残りました。
 余りのラミアの強烈さに、ウブでいたいけな少年に過ぎない竜之介君は震えが止まらない様子(まちがい)。

 万乗先生の次回作には、スポーツマンガじゃなくてラミアマンガをお願いします。

5. 定点観測:今週のモンキーターン

 前回の感想で「洞口から負けオーラが出ている」と書きましたが、やっぱり洞口負けましたね(確定口調で)。

 まあ、今回の洞口のレースの目的はダービー制覇じゃなくてあくまで波多野への制裁ですので、せめて波多野が勝たないように散々足を引っ張って邪魔して頂きたい。そして、自分がダービーで勝てないのも、青島さんが幸せになれないのも、みんな波多野が悪い! 自分と青島さんの運命は、波多野が回す地獄の大きな機械に操られているんだ! と思い込むようになり、フェイスレスのようなモテない男の悲哀と執念の塊と化した狂気の化身となって欲しい。

 やっぱり洞口は、フォースの暗黒面に引き込まれてこそ光るキャラですよ(←波多野痛い目同盟の立場は?)。

2004/09/28

■絶チルが載っていないサンデー43号感想(縮小版)

  1. 「総督! あなたは世界の頂点に立つメロディーをおびたお方!」(ケンイチ)
  2. 時音の「貫く」結界(結界師)
  3. 姫葉の跳び蹴り(クロザクロ)
  4. ラミア大暴れ(ダンドーネクストジェネレーション)
  5. 「明日のレースは『勝負』ではない。もはや『制裁』だ!」(モンキーターン)
  6. 番外:最後のページの森さん(いでじゅう!)

1. 「総督! あなたは世界の頂点に立つメロディーをおびたお方!」(ケンイチ)

 この台詞を言ってる時のジーク様の腰使いに注目。硬い表情と柔らかい腰の動きのギャップがおかしいです。
 オレ、やっぱり「ケンイチ」の中ではジーク様が一番好きだわ。

2. 時音の「貫く」結界(結界師)

 いたそう(感想)。

 というか、この技はある意味最強の攻撃技なんじゃないかと思いました。こんな攻撃喰らったら、結界を滅するまでもなく、普通はどんな生物でも確実に一撃で死にます。まさに一撃必殺。良守とは違う方向性で成長を遂げた時音姉さんは、サンデーを代表する最強ヒロインの座にまた一歩近付きました。
 これで後は、彼女独特のクールな雰囲気に更に磨きがかかれば、『お姉さまからいじめられたい属性』を持ったどうしようもないサンデー男性読者のハートを鷲づかみにできるんじゃないかと思います。がんばれ!(イヤな応援の仕方)

3. 姫葉の跳び蹴り(クロザクロ)

 今回の「クロザクロ」の本当の見所は、最後の最後で「人間」として戦うことを決意して姫葉を助けた幹人君の姿であるのはよく判っているのですが、でもビジュアル的に映えるのはやっぱりどう考えても姫葉の方。鍛え上げられた下半身から繰り出される蹴り技の数々は、もはや「凄い」を通り越して「萌え」の領域にまで達しています。蹴り萌え。
 そして、蹴り技が冴えれば冴えるほど、傀牙(オーガ)に逆襲された時の被虐っぷりもまた冴えるというもの。思わぬ反撃を食らって気絶した姫葉さんの姿は、『普段気の強い女の子がいじめられてるのを見るとグッと来る属性』を持ったどうしようもないサンデー男性読者のハートを鷲づかみにするに十分な魅力を持っていると思いました。がんばれ!(イヤな応援の仕方)

4. ラミア大暴れ(ダンドーネクストジェネレーション)

 今回の「ダンドー」は、もはやゴルフマンガであることを放棄してしまったかのような割り切りっぷりが、たいへんに面白かったです。やっぱり「ダンドー」は本筋以外のところで楽しめてこそですよ!(まちがい)
 万乗先生の次回作には、スポーツマンガじゃなくてアクションマンガをやらせてあげて下さい。

5. 「明日のレースは『勝負』ではない。もはや『制裁』だ!」(モンキーターン)

 同盟バナーを張ってる立場としては「いいぞ洞口! もっとやれ!」と囃し立てたいのは山々なのですが、でも何だか早くも洞口から負けオーラが漂い始めているような気がしてなりません。
 少年誌のセオリーでは、こういう事をする奴は負けると決まっているからでしょうか。それとも、これもまた「彼女と付き合った男は必ず負ける」という恐ろしいアンチエスパー能力を持つ青島さんの特殊能力が成せる技なのか。青島さんのアンチ能力が、洞口と波多野のどちらにより多く作用してしまうのかが、この勝負の分かれ目になるかも知れません。
 超度7のエスパー少女よりも恐ろしいぜ青島さん(よく意味がわかりません)。

番外:最後のページの森さん(いでじゅう!)

 ヒロインに平気でヨゴレ役をさせるところに、モリタイシ先生の心意気を感じました。
 大丈夫?(誰ともなしに)

2004/09/25

■絶対可憐チルドレン反省会報告

作品の完成度高すぎで今更突っ込むところが
むしろオレらが反省です

 この前行った「絶対可憐チルドレン反省チャット会」ですが、だいたいそんな理由で(絶チルのことじゃなくて)他のものの反省ネタで盛り上がってました。
 「一番湯のカナタ」とか。サンデー編集部とか。

 今思えば、「一番湯のカナタ」は反省のしがいがあるので、ファンが話題として語るには良いマンガでした。
 そして同じ反省という意味では、「旋風の橘」以降のサンデー編集部も色々と反省というかツッコミしがいがある良い(以下略)。

「絶対可憐チルドレン」反省会

開催場所:
IRC #C-WWW チャンネル
開催日時:
9/15 23:00 - 9/16 2:30
9/16 23:00 - 9/17 2:00
参加者(敬語略):
T`s, NoMore0, 駒木ハヤト, 裏町片菜, ASK-YOU, NOZA, nayuta_jj, 荻木譲, hien, EMPER-OR, fukazawa

※この「議事録」は、チャットでの発言を適当に編集してまとめたものです。
 コメントの順番は、実際の発言が行われた時系列とは異なります。
 また、発言内容は編集の都合上、オリジナルから(かなり)修正してあるものもあります。ご了承下さい。

ストーリー
  • ネットで見かける感想では「短編として完結してないのが不満」というのを見かける。
    • 3話の盛り上げ方からすれば不完全燃焼
    • 3話で出てきた話を残り1話で消化するのは無理
    • 読者が「次があることを知っている」ならあの終わり方でも問題ない
    • 次本当に連載するの? という読者の不安感をあおって、アンケートを出させようとしているに違いない
  • 「子供が説教される」というのがポイント。自分と同年代の主人公が大人から説教されて喜ぶかどうか?
    • 子供が自分で問題解決の方が喜ぶのでは
    • かと言って、絶チルの皆本が「エスパー魔美」の高畑さんみたいだったら、全然違うマンガになってしまうのが難しいところ
  • 第3話冒頭の、テロから南の島へ飛ぶところの繋がりが弱いように感じる。
    逆に、第4話のラストシーンは凄く良い。
    • 第4話ラストは、第2話のラストシーンと立場が逆になっている。それでちゃんと3人娘を激昂させたのがやっぱり上手い。
    • 4話の中で、そういう対比的な構図がいくつも組めてるところが「練ってるな」と感じた
  • 「ちびくろサンボ」とか「渡る世間は鬼ばかり」とか、子供が判りそうにないものをパロディにするのはどういう意図なのか
    • 思いついちゃっただもん、しょーがないじゃんって感じだと思う。昔から椎名先生にはそういうところがある
キャラクター
  • 読み切り版の頃から、最初から良い感じでキャラクター達に手垢がついてる。ちゃんと過去があって、その上で現在をお見せしてるという感じがする。
  • あの三人娘の性格の悪さは結構リアル
  • 椎名センセの息子さんの幼稚園のクラスメートにモデルがいたりしたら、それはそれで面白い
    • 朧は幼稚園の先生にモデルがいるね(きめつけ)
  • (三人娘の)正装は、上手く描かないと漫才師になる危険な衣装だ
  • 薫がおっぱいに異常な興味を示すのは、好意的に解釈すれば大人への成長の憧れ
    • 成長した姿では案外発育している
    • でも紫穂の方が(おっぱいが)大きい
  • 美神DVD予告マンガの横島とのカップリングは思いつかなかった
    • 薫がやたらエロい性格だったのは、あの予告の伏線だったに違いない
    • ネットではこれまで散々「横島みたいなキャラを出せ」とか書かれてたけど、まさかこんな形で実現するとは
紫穂
  • 結婚するなら紫穂
    • 何もかも読まれますよ。紫穂
    • 変に隠そうとするからいけないんですよ
  • 第一話でナースの手を自分から取ろうとした時点で、紫穂は既にかなり精神的ショックに耐性のついているテレパスであると判断できる
  • 横島に張り付かせたら楽しそうだ
葵(葵をもっと目立たせる方法について集中議論)
  • 三人漫才の一番目立たない役に回された印象
  • テレポートって、ある意味もっとも地味な能力
  • 本来はツッコミ役なのだろうが、皆本が先にツッコンでしまって出番を奪われている
    • 3人組だけのエピソードを描けば、自然に立ってくるんじゃ?
    • でもそれ、要するに「皆本の補欠」になっちゃってる
    • 葵と皆本は、「眼鏡の形」で既にキャラが被ってる
    • 男塾の解説役みたいに(出番がない時でも)何らかの役割を持たせるべき
  • 読み切り版では唯一「親父」という言葉を発した子なので、そっち(=家族ネタ)方面で期待できる。
  • 金に執着持ってる性格をギャグに活かせるかどうか。絶対実家が貧乏に違いない
    • いや、関西なら金持ちでもがめつい。むしろ金持ち程がめつい
    • テレポートの能力で裏商売とか
      • パーやん?
  • 椎名先生が「美神」でメガネっ娘を描いてこなかったツケがこんなところで!
    • メガネっ娘というのは、『こわしや我聞』に出てた少女秘書みたいな子のことを言うのだ
「普通の人々」
  • 磯野家の次は幸楽と来たよ
    • 「幸楽」ではなく「辛楽」になってる芸の細かさがさすが。今の椎名氏の心境?
    • わざわざ割烹着に着替えるところがわきまえている
  • 次の“普通の人々”は?
    • ドラえもん
    • 山田のの子
    • 寺内貫太郎
    • ちびまる子
    • ちゅらさん
    • おしん
    • トトロ
    • 福沢祐巳
    • ここは水口尚樹さんとコラボで『普通えもん』を
  • チルドレンのライバルとしてどんなものを持ってくるか、というのが連載化された時の問題点か。
    「カナタ」はそれが上手くなかった
アンケートとDVD
  • アンケート出すには美神DVDの予告を切り取らないといけない、という形で編集部から嫌がらせされてますよ先生
    • 2冊買えばいいんです
    • 妖怪×美神のエロ同人は見たことない
  • 美神のDVDは誰が買う?
    • 國府田ファン
    • 声優ファンは買うよね
コミックス化
  • 読み切り版48P+今回の連載分で145P。絶チルのコミックスはこれで出せる状態になったはず
    • 小学館って本当に短編集出すの渋る
    • 最近は集英社も短編集なかなか出さない
    • 短編集はそうそう重版がかかるものではないので、儲けが薄い。
      (短編出す漫画家が)連載を持っていないと売り上げが期待できないのでは
    • 井上和郎短編集に期待
これからの椎名高志
  • さすがに「絶チル」が最後の週刊少年サンデー連載作になるのでは。そこから先は?
    • 椎名先生のパワー受け止められるのって、サンデーGXくらいなんじゃ
    • 最有力なアッパーズが無くなっちゃうし
    • アッパーズの後継雑誌に期待
    • アワーズもありか?
    • 月刊マガジン?
    • いっそのこと小学5年生とかどうだ
    • ASUKAとかどうだろう
    • サンデーに水が合いすぎる(結局)
  • 「ふたりエッチ」みたいなマンガ描くような日は来るか?
    • 作品世界を客観視した鋭いギャグを入れないと気が済まない作風。ぬるいラブコメとかは想像出来ない
    • というか椎名先生は人外が出てこないとダメなんです
    • アッパーズの次のイラストはカッパにブルマ履かせると見たね
スク水
  • 椎名先生はブルマより水着ですよ
    • スク水に目覚める何かがあったに違いない
    • 描いてみるとあの造形の素晴らしさに気づく。メリハリのない体型にここまでぴったり来るものは他にない
    • 絶チルの四分の一くらいはスク水でできてる

■てれびくんレビュー

 「絶チル」の三人組を「怒首領蜂大往生」のエレメントドールに例える訓練!(挨拶)

 パワー強化型超能力者の薫はやっぱりショーティアでしょうか(と言われても)。
 深沢です。

 先日椎名先生のサイトの完成原稿速報が更新されていましたが、今回は我々のようないい歳した独身男性の読者にとってはかなり重要なことが書かれてました。

 まあ、とりあえず「絶対可憐チルドレン」はあまりに出来が良かったので今後のことは個人的にはそれほど心配してませんし、次号(10/5発売)のアッパーズに掲載される「蜘蛛巣姫」も、主人公が椎名先生得意の人外女性キャラなので大丈夫でしょう。
 最大の問題は、「てれびくん」で連載されるネクサスのコミカライズです。というか、「てれびくん」という媒体そのものが問題です。

 ネクサスに関しては、まず設定からして相当これまでのウルトラマンとは異質(何となく「クウガ」以降の仮面ライダーを連想させます)であり、またスタッフには「板野サーカス」で有名な「超時空要塞マクロス」の板野一郎氏が参加するという情報もあるなど、かなりの意欲作な雰囲気が漂っています。特撮ファンの間でも前評判高そうな感じ。
 いわゆる「平成ウルトラマン」のノリに全くついて行けず、当時は裏番組の「YAT安心!宇宙旅行2」を観て丹下桜ヴォイスに萌えていたウルトラ負け組な私ですら、ちょっと気になる番組ではあります。

 そして、そんな「ネクサス」のコミカライズをあの椎名高志氏が担当するというのは、ファンならずともマンガ好きな人間の観点からして興味深いところ。
 幼年向けテレビ雑誌というのは、とにかく「子供がその番組を見て面白がれるように、徹底的に盛り上げてやるぜ!」みたいな編集方針で作られているので、これまでの椎名作品には見られなかったハイテンションなマンガになるんじゃないかと期待できます。

 ただ、我々のようないい歳した独身男性の椎名ファンにとって、問題になるのは掲載誌。
 基本的に「てれびくん」を買うのは子供がいるご家庭か、あるいは相当の特撮マニアというイメージがあるので、どちらにも該当しない人にとって「てれびくん」はちょっと敷居が高い、というのが普通ではないのでしょうか。

 という訳で、近所のスーパーに今月号が残っていたので、どんなものか試しに買ってみました

てれびくん表紙
むしろ「買ってしまいました」が正しい

 眠田直氏がかつてフィギィア王に掲載したコラムには「これらの幼年テレビ雑誌の魅力は、(世間一般とは全く違う価値観で物事を報じる)『バーチャル・ジャーナリズム』にあると思う」とありますが、誌面を読んでみるとまさにそんな感じがします。

 実際、この本の記事は「新世代ライダーがブレイドたちにちょう戦!」「デカ戦士特捜パワーランキング! 得意の技でアリエナイザーをたおすぞ!」「地球の平和はジャスティライザーにまかせたぞ!」とか、そういう幼年誌独特のノリで全てが支配されており、読んでいるうちに頭の中が『この世の中は全てスーパーヒーロータイム的な世界観でできているんじゃないのだろうか?』と錯覚してくること請け合い。
 「てれびくん」を読んだ後に録画していたデカレンジャーを見直すと、何だか妙に面白く思えて来てしまうから不思議です。現実への認識を一変させてしまうこの威力! これがジャーナリズムの真の力なのか! と感心した次第。
 「てれびくん」を読んでジャーナリズムを知る私。その名は私。

 また、入手した「てれびくん」10月号が発売されたのは9月1日ですが、この雑誌では既に「ネクサス」の詳細な情報が掲載されています(「ネクサス3大ひみつ大公開!」という大げさなタイトルで)。
 ホームページはまだ簡単な概要が掲載されているだけの状態ですが、一方「てれびくん」ではデュナミスト(ウルトラマンに変身できる能力を持つ者のこと)が持つアイテムの紹介、ネクサスの二種類の形態の全身写真、そしてウルトラマンが光線技を出すときのポーズの詳細な説明と、番組を観るにあたってファンが知っておくべき情報がコンパクトにまとめられており、たいへん参考になりました。

 「人類をおびやかす恐ろしい敵スペースビーストと戦うウルトラマンネクサス! 新しいウルトラ戦士ネクサスの、変身のひみつや体のひみつ、光線技のひみつを『てれびくん』がいち早く、しらべたぞ!」という売り言葉に、嘘偽りはまったくありません。
 詳細な情報をどこよりも早く! これがジャーナリズムの真の力か!(またか)

 あとは、子供向けアニメの情報も当然載ってます。「金色のガッシュベル!」とか。
 アニメについては、基本的な記事の構成は普通のアニメ雑誌とそれほど変わらない印象です。「ガッシュ」の場合、先々週に放映された「キッドがベルギムE・Oを倒して魔界に帰る」回のエピソードが特集されていました。

 このエピソードは、ナゾナゾ博士の下で成長したことを態度で証明するキッドの雄志や、過去に孫を失った心の傷を持つ博士がキッドによって癒される様子、そしてキッドと博士の感動的な別れのシーンなど見所が多く、それ故にファンにとっては評論しがいがある名エピソードと言えるでしょう。
 ですが、そんなエピソードも、真のジャーナリズムを体現する「てれびくん」の手にかかれば

 「ベルギムE・Oをやっつけた!

 というたった一つのアオリ文句に集約されてしまいます。
 いくら感傷的なエピソードであろうが、子供にとって一番大事なことは、キッドが凄い大技でベルギムE・Oをやっつけた、という圧倒的な事実を突きつけ、納得させることなのだ! 事実の前には机上の評論など無意味! それが真のジャーナリズムなのだ! ということを訴えているように思えるのは、私の気のせいでしょうか(気のせいです)。
 なお、ちゃんとキッドと博士の別れのこともフォローされているのでご安心を。

 他にもグッズ関連情報がやたらと充実していたり(雑誌の趣旨からすれば当然ですが)、「てれびくん」購読者しか手に入らない限定グッズが買えたり、週刊少年サンデーにも出てくるゲーム記事担当のナカムー氏が「てれびくん」ではやたらいい男になってたりと色々見所があり、思っていた以上に楽しめた気がします。
 というか、努力次第でいくらでも突っ込んで面白がれる雑誌だと思いました。

 購入する覚悟ができました。(←マジで?)

 あと、アッパーズのイラストは、ブルマ女子の絡みも良かったですが、それ以上に「運動会ってホント嫌いでした。どうでもええやん」という椎名氏の投げたコメントが一番ステキでした。
 例えマンガの中ではマッチョなキャラばっかり出そうとも、相変わらず体育会系大嫌いなスタンスに変わりはないようで一安心。これからもがんばって下さい(体育会系嫌いを)。

2004/09/18

■アニメ版美神放送終了はもう10年前…サンデー41号感想

  1. 今週の琥珀(犬夜叉)
  2. 今週の姫葉さん(クロザクロ)
  3. 今週の桐壺帝三53歳(絶対可憐チルドレン)
  4. 今週の「こわしや我聞」のあらすじ
  5. 今週のラミア(ダンドーネクストジェネレーション)
  6. 番外:UPPERS

1. 今週の琥珀(犬夜叉)

 「おれは死ににいくんじゃない… 奈落を倒すために行くんだ

 あの神楽をもメロメロにして少年萌えに目覚めさせた(まちがい)琥珀スマイルは今回も健在。こんな覚悟を決めた笑顔を見せられたら、そりゃもう犬夜叉だって誰だって何も言えなくなるよね! ね!(←誰に同意を?)
 そんな覚悟を決めた琥珀と対峙することになる桔梗は、果たして彼をどうするつもりなのか。高橋留美子マンガ伝統の一途っぷりと堅さっぷりで「犬夜叉」界ナンバーワンキャラの座に君臨する桔梗ですが、あんな真摯で健気な瞳をした琥珀に対して自ら手を下すことができるのか? それともあの桔梗ですら神楽みたいにメロメロに(以下略)。

2. 今週の姫葉さん(クロザクロ)

 「たかが傀牙一匹くらい、私一人で倒せるわよ!」という姫葉の台詞が今週のポイント(萌えの)。
 学校では無頼気取りで近付きがたいイメージだけど、でも中身は憧れの男の人に少しでも近付きたくて背伸びをしたいと思ってる、普通の女の子なのヨ! っていう、ある意味古典的なキャラの性格設定がいい味を出してます。なんかこう、作者から愛されていそうな感じがする子です。

 こんな性格のキャラなので、そのうち主人公の幹人と隠れて二人きりで会って話しているところを彼女を快く思っていないクラスメート女子に偶然目撃され、「姫葉さんは幹人と付き合っている」とあらぬ噂を学園中に流されてしまい、顔を真っ赤にしてわたわたと動揺しながら必死になって周囲に弁解するエピソードが登場することは、もはや必至の様相。そういう方面で色々とからかい甲斐があるキャラだと思います。今から楽しみだなあ!(そういうマンガじゃないと思った)

3. 今週の桐壺帝三53歳(絶対可憐チルドレン)

 「テロリストが普通とか言うなー!」と自分のマンガの基本設定に対してツッコミを入れながら、椎名氏が描く肉体派親父キャラが、いきなり予想外の大活躍。皆本やチルドレン達を差し置いて桐壺帝三53歳がおいしい見せ場を全てさらって行くという驚愕的な展開に、勿論オレは大喜び(バカ)。

 それで今回の話ですが、ストーリー的には前回の続きといった趣が強く、「4話完結の短編の最終回」という感じはあまりしませんでしたね。実際、第3話で提示された問題点に対しては「未来は変えられるかも知れない」という可能性が示されただけで、物語内ではほとんど解決していません。つまり第3~4話は、明らかに次回以降に話が続く前提で作られたエピソードだということが言えます。
 ネットでの感想を眺める限りではイマイチ読後の感覚がスッキリしない印象を受けた方も多かったみたいですが、「この続きは必ずどこかで読める」と思えば、これはこれで納得できる終わり方ではないかと思います。

 ――というかですね(注意:ここから論旨がおかしくなります)。もしこのマンガがこのまま何処にも続きが載らずに終わっちゃったら、「絶チル」はまるで途中で打ち切りを食らった連載マンガみたいじゃないですか。それだけは! それだけは避けなければならないのです! このままでは、往生できずに彼岸の彼方を漂うカナタ達も浮かばれません!
 彼女たちの未来を変える一縷の望みは、今回のマンガの中で示されました。その一縷の望みをより強い可能性に変える力を持つのは、誰であろう我々読者です。我々読者が持ちうる権利を行使することにより、彼女たちの未来を創り出す力が生まれるのです。
 よりぶっちゃけて言えば、みんなアンケートハガキ出そうぜ! ということになるのですが!

 何の因果なのか陰謀なのかは判りませんが、今週のサンデーのアンケート用紙は、よりによってDVD版「GS美神」の広告マンガの裏のページにあります。もし「絶チル」にアンケートを出そうと思ったら、おキヌちゃんのコマを切り裂いた上、おキヌちゃんの上にベッタベタと糊を付けなければなりません。おキヌちゃんに糊を! しかし! その試練を乗り越えなければ、薫や葵や紫穂に未来はない! 勿論、生みの親の椎名先生にも未来はないのです!
 即ちおキヌちゃんに糊オアダイ! オアダイ! なのであります!

 あと、何だかんだ言ってもやっぱりサンデーのアンケートは本来の対象読者層である小中学校の子供の意見を重視する傾向があるみたいなので、とりあえず知り合いにサンデー読んでる甥っ子や姪っ子がいる方は、彼らに「どうして次のサンデーからは『絶対可憐チルドレン』がのらないんですか? もっとよみたいです!」とわざとらしい意見をアンケートに書かせ、編集部の情に訴える作戦に出て下さい(卑屈)。
 その時は、ちゃんとその子に「渡る世間は鬼ばかり」と「ちびく(検閲対策のために中略)サンボ」の事も教えてあげてね! 建前上は子供向けマンガのはずなのに、相変わらず子供に判らないネタを平気で使うよなあ先生!

4. 今週の「こわしや我聞」のあらすじ

 「果歩達は我聞と陽菜をくっつけようと画策中」。

 先週からのストーリーは実際こうなっているので、この説明は決して間違ってはいるわけではないのですが、でも「こわしや我聞」って本来こういうマンガだったっけ? なんかおかしくなくない? みたいな不思議な感覚に囚われました。このあらすじは、今のこのマンガの微妙な状況を簡潔にまとめた名文なんじゃないかと思います。
 でもまあ、國生さんがカワイイからそれでいいんだけどな!(いいのか)

 あと、今週我聞のライバルとして立ちはだかった変人・十曲才蔵の秘書の千紘(ちひろ)が良い感じです。これぞメガネっ子! みたいなドジっ娘オーラが漂うソバカスっぷりと、二言目には「さすがです若様!」と口走る盲従っぷりが相当の萌えポイント。國生さんといい果歩ちゃんといいこの娘といい、「こわしや我聞」は順調にキャラ萌えマンガへの道を歩み始めているのを感じます。
 「美鳥の日々」亡き今、サンデーの萌えを引き受けるのはこのオレにまかせろ! みたいな勢いで、藤木俊先生がソッチ方面に突っ走ってくれることを期待していきたい。

5. 今週のラミア(ダンドーネクストジェネレーション)

 「さあて、戦争でも始めるか
 そんなこと言いながらラミアが自らつなぎ服のジッパーを降ろした! まさかここで脱ぐつもりなのか! 全裸で敵地に潜入しようだなんて、さすがラミアはやることが違う!(←勘違いであることは承知しております)

 今回は割と普通にゴルフマンガしてた今週のダンドーでしたが、でも最後のページの脱衣ラミアで全てが台無し
 控えめに言っても、ラミア格好良すぎます。ラミアは作者から愛されてるなあ。

番外:UPPERS

 マンガを通して作者が訴えたいことは理解できるんだけど、でもそれを表現するにはちょっと作風やストーリーの選択を間違えているんじゃないか? という印象を受けました。私はこのマンガの中身にはまったく共感できませんでしたが、でも「若い作家が一生懸命作ったマンガ」という感じがするところは好感持てます。
 若いっていいなあ…(遠い目)

Page 38/46: « 34 35 36 37 38 39 40 41 42 »