2005/08/03

■「MAJOR」の松尾って、「犬夜叉」の妖怪役に出てきそうな顔ですよね(サンデー36号感想)

  1. 三宮警察庁長官が格好良すぎる(絶対可憐チルドレン)
  2. 今週のあお高
  3. ヘタレてない五反田君(ブリザードアクセル)
  4. ヘタレてる富士丸(見上げてごらん)
  5. 対桃子編の裏テーマがスーパーマリオであることに今頃気付いた(こわしや我聞)

1. 三宮警察庁長官が格好良すぎる(絶対可憐チルドレン)

 「私ね、こんな能力だから、この世がおとぎ話とは違うってことはもう判ってる

 今週の「絶チル」は、主役の紫穂のキャラクターとしての完成度も、そしていわゆる「テレパシー能力」を持っている主人公が抱える問題をテーマとしたSFドラマとしての完成度もかなり高いので、不真面目な感想を書くのが趣味の私としては、突っ込むスキが全く見あたらなくて困ります。
 あえて突っ込むとするならエロく成長した紫穂のサディスト警官コスプレのシーンくらいなんですけど、でもこのシーンは作者の方が「さあ、ここに突っ込め!」と誘っているのが明らかなので、ここに対して作者の意図通りに「オレも取り調べられてえー!」とか叫んでしまうのは、歪んだサンデー感想サイトとしてのプライドが許さないのです(やっかいだ)。

 「絶チル」に対するネットの感想で、「サンデーには『少年読みたいマンガ』だけではなく、『少年読ませたいマンガ』を掲載する傾向がある」という趣旨のコメントを読んだことがあるのですが、今週の物語は前回にも増してそういう傾向があるのかな、と思わせる内容でした。
 自分のことを心から信じて守ってくれる人が身近にいるって、やっぱり素敵なことなのね! と健全な感想を読者に抱かせるのが、今回のエピソードの狙いだったのではないかと思います。そういう意味では非常によくできたお話でした。「絶チル」は健全なマンガだなあ(不満なの?)。

 という訳で今回はとてもよくできたエピソードだったんですけど、あえて突っ込みを入れるとするなら、紫穂パパとして登場した三宮警察庁長官の、度を超した見事なダンディヒゲメガネっぷりでしょうか。職務に忠実な冷徹かつ強靱な精神と、娘を愛している優しい父親の性質を合わせもつ、ある意味完璧な「大人」キャラだと思います。同じ溺愛でも、無節操に子供達にデレデレしている桐壺局長とは大きく異なりますね。ここまでイカした中年男性キャラが出てくるだなんて、椎名高志のマンガ史上ではかなり異常。「MISTERジパング」の織田信秀以来?
 ただ、これはあくまで椎名高志のマンガなので、今後紫穂パパが桐壺局長並のアレなキャラに堕ちる恐れも否定できません。ダンディな中年オヤジに萌えるなら今のうち!

2. 今週のあお高

 「ピッチャーの血で濡れたボール」から、以前サンデーで連載されていた「砂漠の野球部」を思い出した人?(挨拶)
 「砂漠の野球部」は不健全な野球マンガだったので、ピッチャーがボールを血で濡らせてボールの軌道を不規則にさせるスピットボールを投げて勝つなんてことをやっていたのですが、「あおい坂高校野球部」は健全な野球マンガなので、スピットボールにならないようにちゃんとボールを拭いてるところがエライなあと思いました。
 まあ、スピットボール以前に、怪我しているのが審判にバレるとその場でゲームオーバーになっちゃうから拭いているんでしょうけど。

 あと、今週はなにげに星南高校の癒し系ショート・山下君が大活躍していたのが良かったです。「えへ~なんか打ちやすそうになったよ~」という台詞は、本来ならは敵役らしく憎々しいイメージを読者に与えるものであるべきなのですが、彼独特のしゃべり方と笑顔のおかげで、何だかとってもフレンドリーかつほのぼのしたものに早変わり。最終局面を迎えて緊張感が高まる今回の試合における、一服の清涼剤と言えましょう。
 何故自分がここまで彼に入れ込んでいるのかよく判らないので次。

3. ヘタレてない五反田(ブリザードアクセル)

 今回の「ブリザードアクセル」のエピソードの表向きのテーマは「吹雪、スピンを覚えるの巻」なのですが、裏に隠された本当のテーマは「五反田がヘタレ状態から脱出する」であったことは明白。今回の一件ですっかり吹雪にメロメロになっちゃった五反田君は、「これからも相部屋よろしく!」と本気で嬉しそうです。相部屋!(含み)
 性根がひねくれたキャラが大好きな私としては、自分の実力が全く至っていなかったことを自覚してしょぼくれていた状態の彼の方が好きだったのですが、残念ながらこれは歪んだ少年マンガではなく健全な少年マンガなので、いつまでもヘタれたままではいてくれなかった模様。致し方ありませんね(不満なの?)。

4. ヘタレてる富士丸(見上げてごらん)

 そんな感じで「ブリアク」の五反田がヘタレから脱出したため、サンデーにおけるスポーツマンガのヘタレ筆頭キャラの座は「見上げてごらん」の富士丸君に委譲されました。
 五反田は超人揃いの白帝軍団の中に放り込まれたショックで一時的な自信喪失状態に陥っていたにしろ、元々実力はあるので一度立ち直れば何とかなりそうな感じなのですが、「見上げて」の富士丸の場合は実力はともかく「自信」というものが最初から全くないタイプなので、ある意味五反田よりも成長させるのがやっかいなキャラかも知れません。

 まだ主人公の了の試合は終わっていない状態でここまで富士丸のヘタレっぷりをドラマの中でアピールしているということは、おそらくどんな形であれ富士丸のガチな試合が行われる展開になるのではないかと思われます。果たして彼は、五反田に続いてヘタレの立場から脱出できることができるのか否か。勿論、性根がひねくれたキャラが大好きな私としては、いつまでもヘタレたままの彼でいて欲しいのですが。

 「見上げてごらん」が「ブリアク」同様に健全な少年マンガなのが悔やまれます(不満なの?)。

5. 対桃子編の裏テーマがスーパーマリオであることに今頃気付いた(こわしや我聞)

 桃子=ピーチ姫、ヒゲ兄と弟=マリオとルイージ、クーパ=クッパ、そしてキノピーはキノコ。
 すげえ! これってスーパーマリオじゃん!(遅いよ)

 今週の「こわしや我聞」に出てきた10歳当時の桃子と、現役の10歳児である「絶チル」の紫穂は、「他人から疎まれる能力を持っている」という意味においては似ているんですけど、子供に対する親の接し方、気の許せる仲間の有無、という周囲の環境が決定的に異なります。紫穂には薫や葵や皆本が必要なように、桃子にも自分のことを心から信じて守ってくれる我聞や、彼の愉快な仲間達の存在が必要であるということなのでしょう。そうでなければ、桃子はツンデレをこじらせてますます歪んだキャラになってしまうことになってしまいかねません。
 性根がひねくれたキャラが大好きな私としては桃子にはいつまでも素直になれないツンデレキャラでいて欲しいのですが、でも「こわしや我聞」もやっぱり健全な少年マンガの範疇に入るので、いずれ桃子も我聞を通じて救われる展開になりそうです。よかったですね(不満なの?)。

2005/07/29

■健介殿はサンデーで一番カッコイイ男だと思ったサンデー35号感想

  1. 名犬ジョン
  2. 桐壺帝三53歳(絶対可憐チルドレン)
  3. 今週のあいこら
  4. 「自由って何だ」「孤独を恐れないこと」(結界師)
  5. カミロボ

1. 名犬ジョン

 「名犬ジョン」は「うえきの法則プラス」が急遽休載のために掲載された代理原稿作品ですが、思いの外楽しく読むことができました。

 本来ならカワイイものに「ゴルゴ13」系の濃いルックスの顔をあてがってギャップで読者を笑わせるパターンのマンガは、おそらくギャグ漫画家を志そうとする人なら必ず一度は作るのではないかと思われますが、「名犬ジョン」は図らずもその黄金パターンの有効性を改めて証明する形になりました。
 また、他にも「母さん、とりあえずお豆腐とおっぱい買ってくるから!」なんて台詞回しにも、作者のセンスを感じます。少なくとも、ここ最近サンデーに出てきた読み切りのギャグマンガの中では、割と「面白い」部類に入るのではないのでしょうか。
 とりあえず、作者の橋本時計店氏の名前は覚えておく価値はありそう(エラそう)。

 あとついでに最近の「うえきの法則プラス」ですが、新キャラクターのソラが常に食べているハンバーガーが、コマ毎に食べかけ度合いが微妙に異なっている点が気になります。前のコマよりも残っているハンバーガーの量が増えているように見える時もあったりするので、ゆめゆめ油断できません。
 もしかして彼女は、ハンバーガーを1個/コマのペースで消費していたりするのでしょうか? それとも、一度食べたハンバーガーを復元させる能力を持っていたりするのか? カワイイ外見に似合わず、なかなか彼女は謎が深そうです。

2. 桐壺帝三53歳(絶対可憐チルドレン)

 「しかたなかったんじゃああああああああッ!
 仕方ないオッサンだなあ(感想)。

 それはさておき、今回のお話は、第一話に出てきた朧の台詞「仕事から何かをもらうことも大切ですよ」を実証するような話になりました。
 つまり、大人の仕事は子供に様々なことを教えることであると同時に、「教えたことは守ってくれる」と子供を信頼してあげることであり、子供を信頼するが故に大人は無闇に子供に干渉してはいけない――と子供達から教えてもらうことが、今回のエピソードにおける作者の主張の一つだったのではないかと思います。なんて教育的なマンガなのでしょうか。同じ『教育的』でも、「Dr.椎名の教育的指導!!」における『教育的』とは、教育の意味合いがまったく異なりますね!
 昔は「怪人耳かき男」とか「怪人爪切り男」とか超度7クラスの変態ばっかり出てくるマンガを描いてた人が、今ではこんなマトモなマンガを描けるようになるだなんて!(失礼)

 また今回は、東野が「お前じゃないっていうならそれを証明しろ! それができたら、もう一度だけお前らのことを信じてやる!」と言い、薫がでそれに応えたように、人間と超能力者が相互を信頼できる関係を築くことこそがこの作品世界においては最も大切であるということが、明示的に提示された回でもあったと思います。

 超能力者とは言え所詮中身は普通の人間と一緒に過ぎないので、自分が他人からどう思われているのか不安にもなるし、能力を持っていたらそれを使ってしまいたくなる弱さも持っています。ちさとが東野に対してやったことは、結局は彼女が「普通の人間」であることの証でもあります。
 東野のような一般人が、超能力者もそういう意味においては並の人間と全く変わらない存在であることを理解し、そして超能力者がそういった力を無闇にふるわないと信頼することができるようになれば、究極的にはチルドレンが人間にとっての悪魔になる未来の到来を防ぐことに繋がることになるはずです。

 大人と子供の間の信頼、そして超能力者と普通の人間との間の信頼。形は異なりますが、相互理解に大切なものはどちらも変わりません。今回のエピソードの中にも出てきた皆本と紫穂のように、お互いがごく自然に手を繋ぎあえることができる関係こそが、この作品世界における「理想の姿」なのでしょう。そんなことを考えさせられたお話でした。

 改めてこんなこと書くと、やっぱりこのマンガはすげえ教育的だなあと思わされます。第3話にして、早くも全力で本領を発揮してますね椎名先生。
 いやホント、ほんの十数年前までは、超度7クラスの女装癖を持った熱血男性教師が主人公のおかしな四コママンガを描いてた人だったのになあ!(重ねて失礼)

3. 今週のあいこら

 いやもう、もうどこから突っ込んでいいのか困ってしまう程、今週の「あいこら」はおかしなお話でした。
 基本的には「胸が大きくて悩んでいる女の子の心を主人公が救う」というハートウォームなエピソードのはずなのですが、その主人公が重度のおっぱいフェチで、弓雁ちゃんの心を守るためではなくただ自分の歪んだフェティシズムを満足させるおっぱいを守るためだけに行動しているというだけで、ここまでバカなお話になってしまうのが凄いなと思いました。勿論、バカは常に褒め言葉です。
 とはいえ、彼がアクティブに己の変態趣味に基づいた行動を取ったからこそ、胸にコンプレックスを持ってる弓雁ちゃんの尊厳を守ることに結果的には繋がったのも事実。変態趣味の持ち主でも人を救うことができるんだ! という、変態賛歌なエピソードとして解釈することも可能なこのマンガの懐の深さは、決してあなどれません。

 あまりにあからさまなツンデレヒロインの存在の印象が強すぎるためか『「ラブひな」の二番煎じ』みたいな評価をネットでよく見かけるこのマンガですが、でもこのマンガが狙っている本当のポイントは、そんな安易なところではないのではないか。先週や今週の「あいこら」を読んで、私は本気でそう考えるようになって来ました。

4. 「自由って何だ」「孤独を恐れないこと」(結界師)

 本当に自由な存在である者は、孤独であることを誇ったりはしないものです。

 実際問題として、限に対して「自由」を語る火黒は、力は持っていても本当の意味において「自由」な存在ではないんですよね。彼が限を仲間に引き入れようとしているのは、黒芒楼側が『裏会』戦力の切り崩しを画策しているからという理由以外にも、火黒が自由を得るためには限の力が必要になるからではないか? と、深読みしたくなるようなエピソードでした。
 その後に出てきた黒芒楼の連中も、諸般の事情で不自由な境遇に甘んじている様子が描写されています。「結界師」の世界で化け物やっていくのも、色々と大変なんですねえ。

5. カミロボ

彼は子供の頃より、27年間もの間、ただ自らの楽しみのためにカミロボを生み出し続けてきた!
 そして、それを自らの世界の中で、たった一人で戦わせてきた!
 カミロボとは!
 一人の人間が生み出した、一人遊びの世界である!

 たった一人で生み出した、究極の一人遊びの世界!
 冒頭のアオリ文句を読んだだけで、私は猛烈に感動した!(弱い)

 子供の頃は誰しもが自分だけの一人遊びの世界を持っていたはずであり、それ故にその世界を大人になるまで失うことなく育て続けるために必要なパワーというか妄想力の大きさと、それを維持し続けるための苦労も、また誰しもが理解できることでしょう。
 「カミロボ」制作者の安居氏は、自分の中に生まれた妄想の世界を「大人になっても自分の好きなものを捨てる必要はない」と信じて育て続け、また彼の周囲の人たちも彼の妄想をバカにすることなく、逆に「面白い!」と価値を発見できるだけの感性があったからこそ、「カミロボ」は現在のような形にまで成長したのでしょう。
 今回掲載された「カミロボ誕生物語」は、自分だけの妄想を育てることの大切さと、他人の妄想を面白がれるセンスを持つことの大切さを描いた、妄想感動巨編なのです。少なくとも私はそう理解しました。この理解は間違っていませんよね? ね?

 また、今回の作画は萌える少年キャラを描かせたらサンザー随一の力を発揮するあおやぎ孝夫先生が担当していますが、なんかこうまさに適材適所ですな。無邪気でやんちゃな少年時代、夢を捨てて現実を見据えようとするクールな中学時代、カミロボを仲間から認められて照れまくってる大学時代、そして顎髭メガネキャラな現在と、どの時代の主人公もかなりの萌えっぷり。まだその腕は衰えていないようで何よりです。次の登場にも期待してます。

2005/07/22

■葵が急速に一般人化しつつある状況に警笛を鳴らしたいサンデー34号感想

  1. 「王族に生まれし雷…雷帝ゼオン!」(金色のガッシュ!!)
  2. 「死んでしまえこの変態共ォ!」(あいこら)
  3. 変な執事参上(ハヤテのごとく)
  4. 「登場! これが白帝の最強軍団…」(ブリザードアクセル)
  5. 今週のこわしや我聞
  6. 定点観測:今週の絶対可憐チルドレン

1. 「王族に生まれし雷…雷帝ゼオン!」(金色のガッシュ)

 最近あまりに登場していなかったので、すっかりゼオンの存在を忘れていました(挨拶)。

 真のヒーローは遅れて登場するのがこの手のマンガのセオリーですが、そのパターンに当てはめると今回のファウード編の本当の主人公はこのゼオンということになります。しかもリオウから「雷帝」とか呼ばれちゃってますよ彼。「王族に生まれし雷」という二つ名を持っているってことは、ゼオンは現魔界の王のご子息様か何かなのでしょう。
 ということは、ゼオンと同じ電撃技を使うガッシュも、必然的に王族の血を引く者であるということに。ああ見えて実はお坊っちゃまだったんですかガッシュ。アニメや映画の方では既出の設定?

 あと今週は、早くも清麿の心臓が蘇ってしまいました。数多くの魔物を倒してきたガッシュのパンチの前では、さすがに瀕死の清麿の心臓も動かずにはいられなかった、ということでしょうか。
 同時に「ファウードの回復液に漬かればダメージは回復できる」というソリューションも提示されたので、そう遠からず清麿は戦列に復帰することができるでしょう。このネタでもうちょっと引っ張ると思っていたので残念です(残念?)。

2.「死んでしまえこの変態共ォ!」(あいこら)

 気の強い女の子が泣きながら癇癪を起こす姿が大変に萌え萌えなので第二位(バカ)。

 今週登場した新たな変態メガネ渋沢龍之介君ですけど、如何にも井上先生のマンガに出てきそうな、見ていて安心感がある心温まる変態君だなあと思いました。
 「美鳥の日々」に登場した変態メガネの高見沢君は、最終的に立派な造形師として真っ当な人生を歩むことに成功しましたが、「あいこら」の変態メガネ君の方はどう考えても既に引き返せそうにありません(人道に)。勿論、主人公のハチベエ君も、決して悪い人間ではないのですが、でもやっぱり引き返せそうにありません(人道に)。

 ちょっと道を外れた人達が幸せになるストーリーを描くことを得意とする井上先生ですが、今回は己の作品に課すハードルを更に高く設定してしまった模様。果たして先生は、パーフェクトパーツフェティシストな彼等に幸せを与えることはできるのか?

3. 変な執事参上(ハヤテのごとく)

 執事でありながら、「ご主人様」であるはずの少年を雑用にこき使う主従逆転な関係性が大変に萌え萌えなので第三位(バカ)。

 この二人の異常な関係といい、涼しい顔していきなりハヤテを脱がしにかかったりする性格といい、畑先生はソッチの方もちゃんと判っていらっしゃると思いました。「美形の男性キャラを描くのは苦手」と言いながらも、こうしてちゃんとマンガにして表現できるんだから大したものです。
 今週の「ハヤテ」を読んで、畑先生の漫画家としての力量はやはり侮れないものがあるなあ、という思いを強くした次第です。

 そして、マリアさんの究極超人っぷりが証明されたのも、今週の目玉の一つでした。学院の歴史を塗り替える程の実績を修めたのであれば、フィクサーとして暗躍できる程の影響力を持てるのも納得です。
 あと、若くして飛び級を繰り返していたということは、それだけ精神面でも成熟するのが早かったのではないかと思われるので、今の彼女が年の割に老けて見えるのも納得できます。コミックス2巻のおまけマンガで「17歳です ピチピチです」と微笑む彼女に激しく無理を感じたのも仕方ありません。やっぱり貴女は、年の割に苦労してやつれている姿こそがよく似合うタイプの女性なんですよ。
 そんなマリアさんが、私は大好きです(フォロー)。

4.「登場! これが白帝の最強軍団…」(ブリザードアクセル)

 さすが最強軍団!
 梧桐君以外は、誰一人として中学生には見えません!(まちがい)

 あと今週の話では、初登場の時は自信満々だった五反田君が、白帝の超人達に囲まれた今ではすっかりヘタレキャラになってるところにグッと来ました。「白帝の最強軍団」な扉絵の中に五反田がいないということは、彼は早々にリタイアすることが確定なんでしょうか?
 今の情けない彼を見ていると、なんというかこう私の中の落ちぶれキャラ萌え属性が疼いて来ます。この調子でもっと落ちぶれて下さい。

5. 今週のこわしや我聞

 今週の「こわしや我聞」の密度の濃さは異常。1コマたりとも無駄なコマがなく、かつどのページにも必ず、ニヤリとさせられたり、ゲラゲラ笑えるギャグが入っていたり、桃子ちゃんの古典的な生意気お嬢様っぷりに萌え萌えになったりといった仕掛けが満載。更に、連載マンガとしての次週への引きも十分。完璧です。完璧すぎます今週の我聞。
 ここ最近は巻末付近をウロウロしていることが多い「こわしや我聞」なのに、こんなに面白くていいのでしょうか(失礼)。

 やっぱり、桃子とこのマンガのレギュラーキャラクター達との相性が極めて良い点が、今週のノリの良さに繋がっているのでしょう。今回の話のようなドタバタ学園コメディーができるマンガは、「いでじゅう!」亡き後の今のサンデーでは極めて貴重かつ不可欠な存在なので、「我聞」にはぜひこの調子で今後も頑張って頂きたいと思いました。

定点観測:今週の絶対可憐チルドレン

 「同い年の子って『チルドレン』しか知らないもんね。
  フツーの子って何、考えてるのか透視るのが楽しみ

 この年頃の子供は基本的にテレビとかマンガとかゲームとかうんことかの事しか考えていない(参照:サナギさん1巻)ので、あまり透視はしない方が賢明なのではないかと思われます。

 それより紫穂の場合、カラーページに出てきた未来予想図で、短期連載版では薫よりも大きかったはずのおっぱいが、現在は薫よりも小さくなっていることを懸念するべきだと思います。先週のアレで薫の方が先に大人への階段を昇ってしまった影響が、早くもこんなところに現れているということなのでしょうか?
 たったあれだけの接触でここまで未来(のおっぱい)が変わってしまうことを示した今週のカラーページは、この作品世界におけるバタフライ効果の影響力の強さと、それに伴う未来予知の難しさを、端的に表していると言えましょう。
 ウソですが(だいなし)。

 そして今週は早くも小学校編に突入。エスパーの置かれた社会的な立場を端的に表現するエピソードになるのかな? とも思ったのですが、クラスメート女子の発言からするとエスパー少女の花井さんをいじめているのはどうやら東野君だけみたいなので、今回は単に「好きな女の子をいじめちゃう不器用な男の子」的な平和な展開で落ち着きそうな感じ。
 「一番湯のカナタ」の連載末期にやった小学校のエピソードがかなり評判が良かったことを考えると、今後出てくるであろう小学校を舞台にした物語も、質的な面で期待して良さそうです(今回の騒動で退学にならなければ)。今度はちゃんとクラスメートの小学生に溶け込んで少年探偵団を結成できるといいですね! と思いました。

 あと、冒頭で薫がスポーツブラを丸出しにして涼んでいるシーンが作者が意図した今回のサービスカットだったと思われますが、個人的にはそれよりもむしろ「怪訝そうな顔をして自分の脱いだ臭う靴下を摘んでいる紫穂」の方にグッと来ました。
 というか、おそらくスポーツブラマニアよりは靴下マニアの方が遙かに数が多いはずなので、私と同じ感想を持った方もきっと多いのではないか? と思われますがどうだろう。どうだろう(連呼)。

豆知識:

 今回登場したクラスメートの「花井ちさと」「東野将」のキャラクター名の元ネタは、どちらも薫達と同じく源氏物語から。

  • 花井ちさと→花散里
  • 東野将→頭中将

参考:源氏物語の登場人物一覧(Wikipedia)、「絶対可憐チルドレン感想掲示板」の夕さんの書き込み

2005/07/15

■やっぱり紫穂が一番性格悪いと思ったサンデー33号感想

  1. 「人類の未来を賭けた皆本の育成は、まだ始まったばかりだ!」(絶対可憐チルドレン)
  2. 清麿死亡(金色のガッシュ!!)
  3. 「伊賀忍者の末裔で、秋水流忍法の使い手や」(あいこら)
  4. 「私の推薦状を足しておいたので…その分が加算され…合格ということにさせてもらいました」(ハヤテのごとく!)
  5. 「では行こうか。最後の旅へ」(結界師)
  6. 番外:桃子・A・ラインフォードの萌えっぷりを語る(こわしや我聞)

1.「人類の未来を賭けた皆本の育成は、まだ始まったばかりだ!」(絶対可憐チルドレン)

 最後のページのハシラに書かれていた言葉がコレなのですが、これではまるで育成されるのが子供達じゃなくて皆本みたいに読めます。子供達に皆本が調教されるマンガになる伏線?
 あるいは、今週で打ち切られるマンガみたいですね。ご愛読ありがとうございました(ドクロ)。

 そんな感じでようやく始まった「絶対可憐チルドレン」ですけど、上記のアオリ文句から推測できるように、このマンガの実質的な主人公(=読者にとっての視点キャラ)はやはり皆本です。貴重なカラーページのうち、見開きのタイトル2ページ以外はほとんど皆本が占めていることからも、このマンガにおける彼の重要性を推し量ることができます。
 生意気な子供達の面倒をみるハメになって毎回苦労する、暗い過去を背負ったメガネ兄さんキャラが主人公。確かに、これは少年マンガとしてはちょっと例を見ないパターンですね。もし自分が独身男性ではなく子持ちの主婦だったら、今頃はもう皆本にメロメロになってるに違いありません。自分が子持ちの主婦に生まれてこなかったことが悔やまれます。

 あと、短期連載版と比較して今回顕著に変わったところとしては、予知能力の扱いを大きくして、「子供達は将来、人類にとっての天使にも悪魔にもなり得る」ことをグラフの形でビジュアル化した点が上げられるでしょう。
 「予知」を物語の前面に持って来たことにより、以前の版のような「事件が起こってからチルドレンが出動する」事後対処型だけではなく、「あらかじめ事件が起こりそうなところにチルドレンが出動する」事前対応型のエピソードが作れるようになった点は、連載マンガとしては結構大きなプラスなのではないかと思います。作れるシナリオのバリエーションが増えることは、そのまま作品の幅を広げる意味がありますからね。

 その一方、(短期連載版に出てきた超度7の伊-九号中尉とは違って)予知能力そのものは極めて不安定であり、その能力者達がかなり厳しい扱いを受けているのが提示されているのも、地味な点ではありますが見逃せないところ。今後、予知絡みで何らかの事件が起こることが予想されます。

 他には、年齢不詳の秘書官・柏木朧の髪型が変わったのが気になります。いつの間にか、「ガラスの仮面」の月影先生のように片眼を隠した、ちょっと不自然というかおかしい髪型に変更されていますよこの人。この1年の間に、いったい彼女に何があったのでしょうか。何故彼女は、片眼を隠さなければならなくなったのか? 目からビームを出す能力でも身に付けてしまったのか? 謎が謎を呼びます。

 というか、ここまで書いておいて肝心の子供達について全く触れていないことに今になって気付きましたが、まあその辺に関しては後日ゆっくり書くということで一つ。
 これからの彼女たちの活躍が楽しみですネ!(ごまかす)

2. 清麿死亡(金色のガッシュ!!)

 先々週は「クロスゲーム」のヒロインが死亡、先週は「結界師」の松戸平介氏が死亡と、最近やたらと死人づいてる週刊少年サンデーではありますが、今週はついにサンデーを代表する正当派少年マンガ・「金色のガッシュ!!」の主人公である清麿君まで死んでしまいました。まだ死亡が決定した訳ではなさそうですが、既に心臓が停止している以上、このままでは確実に死んでしまいます。
 魔本も魔物も健在で、かつパートナーが「死亡」してしまった場合の例外処理がどうなるのか? というところが不明瞭なのが今のところは逆に一縷の望みになっていますが、でも仮に彼の命が助かったとしても、さすがにこのまま素直に清麿が戦列に復活できるとは思えません。

 「魔本。それは受け継がれる絆」とかウルトラマンネクサスの最終回みたいなことを言い出して、ガッシュのパートナーが清麿から他のキャラ(鈴芽とか)に変わってしまったりしたら、それはそれで凄いです。もし本当にやったら雷句先生は。本を受け継ぐのが鈴芽じゃなくてナオミちゃんだったら更に
 現人神雷句の登場なるか! 待て次号!(何そのアオリ)

3. 「伊賀忍者の末裔で、秋水流忍法の使い手や」(あいこら)

 雨柳先生が、魅惑のハスキーボイス担当・鳳桐乃を紹介した時の台詞がコレなのですが、「伊賀忍者の末裔で、秋水流忍法の使い手」と常識的に考えたら到底ありえない上に理解してもらえない文面でいきなり紹介してしまう先生も、されてしまう桐乃も、それを全く気にかけないハチベエも、冷静になって考えるとみんなどっかおかしいです。具体的に言えば頭がおかしいです。
 このマンガを読む時は、これくらいの非常識な展開でも深いことを考えずに軽くスルーできるメディアリテラシーが必要なんだなあと思いました。

 あとおかしいと言えば、ハチベエに散々パワー&セクシャルハラスメントを仕掛けた挙げ句に「そんな破廉恥な」とフラレたにも関わらず、全く懲りない上に生徒達にいきなりツイスターゲームを強要して再びハラスメントを仕掛ける雨柳先生も、やっぱりどこかどっかおかしいです。具体的に言えば頭がおかしいです。
 この調子で、どんどん読者のメディアリテラシーの限界に挑戦するストーリーを繰り出して欲しいですね。メディアリテラシーという単語の使い方を間違えている気もしますが。

4. 「私の推薦状を足しておいたので…その分が加算され…合格ということにさせてもらいました」(ハヤテのごとく!)

 「私の推薦状を足しておいたので」ってことは、それだけマリアは白皇学院に対して顔が利くということを意味しているという解釈でいいんですよね。畑先生もサンデーのBACKSTAGEで「マリアの力の一端が垣間見える月夜の誓い」と彼女の『力』を仄めかすようなこと言ってますし、どうやら彼女にはまだ我々があずかり知らない闇の部分があるようです。

 最初に今回の話を読んだ時は「コミックス2巻の巻末で読者の女の子から『マリアさんは意地悪そう』と言われて泣きそうだったマリアの優しいところをアピールするつもりなのかな」と好意的に解釈したのですが、でも名門学院の入学試験の結果を改竄して身内の人間を学園にねじ込める程に権謀術数に長けている彼女は、やっぱりどう考えても意地が悪い性格であるとしか思えません。
 やっぱり貴女は、そういうキャラである方が魅力的なんですよ。子供に好かれるのはもう諦めて下さいマリアさん。

5. 「では行こうか。最後の旅へ」(結界師)

 私の人生の真の目標たる人物・松戸平介氏が生きていました! しかものうのうと女連れで!
 キャーうらやましい!(間違った喜び方)

 結果的に黒芒楼も繁守も(あとは読者も)騙して逃げおおせることに成功したんですから、今回は彼の大勝利と言って良いでしょう。「人の皮」をこんな風に使ってくるとは予想外の展開でしたし、また今回は彼が文字通り「悪魔に魂を売り払っていた」ことも明らかになりましたが、どちらも「松戸平介ならそれくらいやりかねない!」と素直に納得できる展開であることもまた事実。キャラの作り方や活かし方が相変わらず上手いマンガだなあ、とつくづく感心させられます。
 あらゆる束縛から解き放たれた松戸氏は、これから何をやらかそうとしているのか。今後の展開に期待。

番外:桃子・A・ラインフォードの萌えっぷりを語る(こわしや我聞)

 「絶対可憐チルドレン」は主人公達が10歳の女の子とは言えどもいわゆる「萌え」路線に沿ったものではありませんし、「あいこら」は見た目は典型的な美少女わんさかラブコメディーであるにも関わらず楽しむためには独特のリテラシーを要求され、「ハヤテ」もなんだかんだで「萌え」というよりは普通に面白いコメディー路線を目指しているっぽいしと、今のサンデーには秋葉系マンガが大好きな読者が素直に「萌えー! 萌えー!」と叫べるタイプのマンガがありそうでない状況なのですが、そんな中で正当派の「萌え」を追求しているのが、実は「こわしや我聞」なのです。

 ヒロイン役の國生さん、我聞の妹の果歩ちゃん、高瀬「さすがです若様!」千紘ちゃん、果ては森永優や辻原蛍司に至るまで、直球ど真ん中の正当派萌えキャラをずらりと並べたラインナップが定評あるこのマンガに、今回新たにベッタベタなワガママお嬢さまキャラである桃子・A・ラインフォード嬢が仲間入りを果たしました。わがままで生意気で我が強く人の言うことを聞かず周りの人間を小馬鹿にして友達がおらず、その上ドジっ娘。完璧なお嬢さまです。
 そして、そんな完璧なお嬢さまがピンチなところで、夕日を背に受けながら颯爽と登場する我聞。これもまたシチュエーションとして完璧です。これで桃子が我聞に惚れないはずがありません。何故なら、桃子はベッタベタなお嬢さまキャラであるからです。他に理由は要りません。判って頂けるでしょうか

 個人的にはベッタベタな展開やキャラは大好きなので、今週の「我聞」はもう大喜びで読ませて頂きました。わがままで生意気で我が強く人の言うことを聞かず周りの人間を小馬鹿にして友達がおらずドジっ娘なお嬢さまさいこう!
 っていうか、マンガの世界における本当の「子供らしい子供」ってのは、こういうことを言うんですよ! 今週のサンデーにおける、真の意味での「絶対可憐チルドレン」は桃子で決定! フツーの少女に憧れてる「絶チル」の薫は、ぜひ桃子ちゃんのアレっぷりを見習って欲しいですネ!(おわり)

2005/07/08

■来週は破滅の女王がやって来るサンデー32号感想

  1. ポジティブな変態前田ハチベエ(あいこら)
  2. 松戸平介(結界師)
  3. 「この俺が正義のアイテムを!」(道士郎でござる)
  4. 星南高校のショート(最強! 都立あおい坂高校野球部)
  5. 今週のからくりサーカス

1. ポジティブな変態前田ハチベエ(あいこら)

 38歳のショタ親父が萌えフェロモンを息子にまき散らして大変なことになる「葵DESTRUCTION!」、モテない男の右腕に美少女が宿っちゃって大変なことになる「美鳥の日々」、三十路で童貞のまま死んだ侍の魂が宿った刀を持って戦う女剣士が大変なことになる「音禰のないしょ」と次々とおかしな(頭が)マンガを繰り出し、今や変態漫画家の名を欲しいままにしている井上和郎先生が、ついに週刊少年サンデー誌上に復活。

 今回の新連載「あいこら」ですが、主人公がひょんなことから高校の女子寮に転がり込むことになったり、そこに住む女性達がお姉さん・ロリ・メガネ・ツンデレと基本を押さえたラインナップであったりするところは、特に奇をてらっていない、安心して読める極めてスタンダードな少年向けラブコメディーだなと思いました。主人公が開始わずか4ページ目で「女はパーツだろ!」と高らかに宣言し、女の子ではなく女の子のパーツに惚れ込んでしまうところ以外は、至って普通のラブコメしてると思います。
 主人公以外は全て正しいラブコメマンガ。そんな感想です。

 とはいえ、お姉さん担当の雨柳つばめのあのサリーちゃん脚だけは、正しいというよりはおかしいですけどね。あの脚で日常生活が送れるのかどうか、二次元キャラのことながら心配になってきます。
 足の関節が自然にあの形になることはちょっと考えられないので、あれはきっとサニーちゃんマニアな整形外科医か何かに改造されたに違いないと思いますがどうか(と言われても)。

 あと、ツンデレ担当の天幕桜子が表では目を隠すように深く帽子を被っていたところから推測するに、変態主人公が惚れ込んでる「パーツ」は、当の本人達にとっては逆にコンプレックスになっているのではないのでしょうか。その辺の女性キャラ達の心理状態の変化が、恋愛マンガとしてのこのマンガの見所になるのかも知れません。
 変態が考えたとしか思えない異常な設定に目が眩みがちですが、井上先生は基本がしっかりしたハートフルなストーリーが描ける方であるということも、このマンガを語る上では忘れてはならないのです。

 と、一応フォローしてみた。多分手遅れですが。

2. 松戸平介(結界師)

 最後のコマの曰くありげな倒れ方と、床に広がった黒っぽい染みと、傍らに転がったピストルはいったい何!
 もしかして松戸さん死んじゃったんですか! 結界師で一番好きなキャラだったのに! 彼の変人っぷりは時音姉さんよりも萌えだったのに!(本気です)

 繁守に対する感謝の証を表現するのに「君も立派な変人だ」という言い回しを使うセンス、使い魔をかつて恋していた女性の姿に変化させてはべらせる俗っぽさ、そしてあらゆる物事を面白がり自分のオモチャのようにいじくり回さないと気が済まない、マッドサイエンチィスト的な価値観。何から何までグッと来るステキキャラでした。オレも歳を取ったら、こういうイヤな人間になりたいです。
 もしここで本当に倒れたとしても、彼のことなのでタダでは死なないのではないかと思われます。繁守や黒芒楼の連中に対して、彼独特の歪んだユーモアセンスに溢れた「置きみやげ」を用意してあったりして欲しいですね。勿論、本当は彼が生き残っていて欲しいのですが。

 あと今回は、過去にその平介と何かあったらしい婿養子の修史さんの凛々しい(でもやっぱり頼りない)結界師姿が拝めたのもポイント高いです。「こわしや我聞」の辻原がメガネを捨ててしまった今、サンデー最強のメガネ兄さんの座はやはり彼で確定でしょうか。
 そして、来週から始まる「絶対可憐チルドレン」の皆本は、果たして彼にどこまで(メガネ兄さんキャラとして)迫れるのか? がんばれ修史。負けるな皆本。何の話しているのか判らなくなったので次。

3. 「この俺が正義のアイテムを!」(道士郎でござる)

 たかだか町内会の夜の見回り当番程度の腕章を「正義のアイテム」と大げさに呼称する池内クン(特徴:ボール状のカステラ菓子みたいな頭)が、相変わらず面白すぎます。彼こそ、無根拠な妄想を誇大に表現する、真のヤンキー的精神が宿ったナイスガイです。悪だけど。頭悪いけど。
 というか、まさか今回のエピソードで池内クンまで顔を出してくれるとは思いませんでした。ひょっとして人気あるんでしょうか彼。

4. 星南高校のショート(最強! 都立あおい坂高校野球部)

 超人同士が極限の中で競い合い、さながら「アストロ球団」みたいな雰囲気になって来た「あお高」ですが(誇張)、そんな中で今週は星南高校のショートの選手がいい味出してました。
 緊張感溢れるシーンに似つかわしくない「あい~」「ああ~」という気の抜けた台詞を発し、フライをキャッチしようとジャンプすると「びよーん」という間の抜けた効果音を出し、着地に失敗して「すてーん」と転ぶ。良い味です。妙に細長い四肢や、緊張感とは無縁そうな面構えも、また良い味出してます。癒し系です。癒し系選手の登場です。
 星南でレギュラーのショートということは彼も相当の超人戦士であるはずなのですが、にも関わらずこのほのぼのっぷり。きっと只者ではありません(決めつけ)。

 スポーツ記者の真木さんも、右京に萌え萌えになってる場合じゃなくて新しいスターを積極的に探すべきだと思った。
 いや、このショート君はスターかと言うと、絶対そうじゃない気がしますが(だいなし)。

5. 今週のからくりサーカス

 「コワイよ、死ぬのはコワイ
 「老いるのも傷つくのもコワイ…
 「命ひとつだけはコワイよオォ!!

 「老いた本当の自分」と対面させられ、「自分は永遠に生きられる」という虚構を打ち砕かれたしろがね-O達の錯乱っぷりが、心底恐ろしい回でした。書き文字で書かれたコロンビーヌの「知ってたコトじゃない」という台詞が、なにげに重く感じられます。
 やっぱり、どうせ老いるなら「結界師」の松戸平介みたいな優雅な歳の取り方をしたいものですよね!(今回の結論)

2005/06/30

■「二次元にしか興味ないんだ」に突っ込んだら負けかなと思っているサンデー31号感想

  1. 『愛する者の危機が、この男をも動かした!』(ワイルドライフ)
  2. 若葉死亡(クロスゲーム)
  3. 杉本ペロ先生新連載(ネコなび)
  4. バント瀬川(最強! 都立あおい坂高校野球部)
  5. 退職届の隣に置かれた眼鏡(こわしや我聞)
  6. 番外:ミノル小林最終回

1.『愛する者の危機が、この男をも動かした!』(ワイルドライフ)

 これまでは役立たずで見栄っ張りなヘタレの小悪党みたいな描かれ方しかされて来なかった平波学部長だけど、なんかこのアオリが入ってるコマだけは妙に格好良くなってるよ!
 なんか、死ぬ前にいい奴になる悪の組織の幹部みたいだ!(ひどい感想)

 仮にこの人が鉄生の仲間になった場合、「学部長」という肩書きはかなり政治的にプラスになるはずなのですが、でもこの人はどう好意的に解釈しても権力闘争に強くなさそうというか、上層部からいいようにコキ使われたあげくに失敗の責任を取らされて捨て駒にされるタイプにしか見えないので、すぐ安座間学長辺りに首切られるか、あるいは死領に「シシシシ」とか笑われながら物理的に首を切られそうな気がしてなりません。

 次週、生き残ることができるか!(犬ではなく学部長が)

2. 若葉死亡(クロスゲーム)

 あだち充先生の連載マンガというと、個人的にはどっかしらで一度「これまでの物語をひっくり返す事件が起こって、ストーリーをドラマチックに盛り上げる」展開を入れるものというイメージがあるのですが(前作「KATSU!」におけるライバルの突然の怪我とか)、今度の「クロスゲーム」では連載9話目にして早くもヒロインと見られていた美少女キャラ・若葉ちゃん11歳がいきなり死亡するという驚愕の展開に突入。
 こんなデッドリーな鬱展開は誰も予想していなかったというか、そもそもここまでハードかつスパルタンな展開を今のあだちマンガに対して誰も求めていないような気がしてならないのですが、それでもあえてこんな死臭漂うストーリーを描かずにはいられないあだち先生の本気っぷりには身が震えるばかりであります。
 さすがですあだち先生!(「こわしや我聞」の千紘ちゃんっぽく)

 しかし、ヒロインが死んでも(表面上は)ドライな雰囲気で淡々とストーリーが進むのも、また『さすがですあだち先生!』的なところではあります。このマンガが今後どう転ぶのか読めなくなってきました。相変わらずあだちマンガは油断できません。

3. 杉本ペロ先生新連載(ネコなび)

 サンデーで4コママンガを描くということは、15年前の椎名高志に挑むのと同義であることを忘れるな!(挨拶)

 実際、サンデーにおける4コママンガ連載は「Dr.椎名の教育的指導!」が最後の成功例なんじゃないかと思うのですが、その辺どうだろう。「漢魂!!!(メンソウル)」は世間的に見て成功例に入るんでしょうか。個人的には入れたいんだけど。

 で、現代四コママンガ界においては、「あずまんが大王」や「トリコロ」などの成功に起因すると思しき萌え系な絵柄の四コママンガがまだ主流っぽい雰囲気なんですけど、そんな中で萌えから遠く離れた絵柄と芸風が特徴の杉本ペロ先生をあえて持って来るサンデーのセンスはすごいなあと思いました。
 あと、なんか今回はネコ以上に担当編集の近藤さんが目立っていたんですけど、そういえば以前ペロ先生が「ワイルドアームズ」のゲームレビューを描いていた時も、ゲームに出てくる美少女キャラはまったく描かずに担当編集の近藤さんばっかり延々と描き続けていた記憶がします。もしかして、ペロ先生は近藤さんに萌えているのか。

4. バント瀬川(最強! 都立あおい坂高校野球部)

 送りバント一つで、ここまで緊張感のあるストーリーを描けるものなのか! と感心してしまうくらい、今週の「あお高」の瀬川のバントシーンには興奮させて頂きました。超人達が超人バトルを繰り広げる中、凡人が生き残るために必死で奮闘する姿には燃えるものがあります。
 こういうエピソードと、右京×比呂彦のハイレベルな超人同士の凌ぎ合いのエピソードを同じ回に見せ場として突っ込めるところが、このマンガの設定面での強みなのかなと思います。

5. 退職届の隣に置かれた眼鏡(こわしや我聞)

 私はかねがね「こわしや我聞」における辻原の眼鏡の重要性について語ってきましたが、ついにその眼鏡が重要なパーツとして使われる時がやって来ましたよ! 眼鏡好きの血が騒ぎますよ! ワフー!(興奮)

 かつて自分が伝授したパンチの奥義を会得し、更に強くなった我聞を見て「ヒナ鳥は巣立った。親鳥は必要ない」と呟き、我聞の机の上に辞職届と一緒に眼鏡を置いて静かに立ち去る辻原。「辞表と一緒に眼鏡を置く」ところがこのシーンのポイントです。
 自分の眼鏡を会社に残すことで、彼にとって眼鏡が「工具楽屋の一員として、我聞の成長を見守る」人格の象徴であったことを明らかにしたと同時に、『今の自分には、「もう一つの人格」のペルソナとしての眼鏡は必要ない! これからは、己の真の目的のために一人で戦うのだ!』という彼の新たな決意を、間接的に表現することに成功しています。眼鏡一つが、彼の心の有り様を全て物語っているのです。
 今回の「辻原眼鏡外して辞職」エピソードは、「眼鏡」を極めて効果的に使ったという意味において眼鏡ファンも納得な回だったと言えるのではないのでしょうか。

 そして、いつか辻原が我聞と再会した時、我聞が「工具楽屋の仲間として、もう一度一緒にやって欲しい」と言いながら辻原にこの時の眼鏡を自ら手渡すシチュエーションなんかが出てきたら、ンもう超シビレますよね! 妄想が止まりません!

 ――でも工具楽屋って、そもそも営業の辻原さん抜きで会社として運営できるの?(だいなし)

番外:ミノル小林最終回

 なんて豪快な最終回なんだ!
 さすがです水口先生!(千紘ちゃんっぽく)

 「アクの強いオッサンとヤンキーを描く人」という印象が強い水口尚樹先生にとって、アクの強い子供を主人公にした「思春期刑事ミノル小林」は、先生にとっても一種のチャレンジだったんじゃないかと思います。
 次回作ではどんなアクの強いイヤなキャラが出てくるのか期待してます。ホントです

2005/06/25

■サンデー30号感想リハビリ中

  1. 小枝にスカートが引っかかって困ってる時音(結界師)
  2. 鼻魔神の瞳(ブリザードアクセル)
  3. 桂ヒナギク(ハヤテのごとく!)
  4. ひき逃げアタック(こやしや我聞)
  5. たいへんに男らしいリーゼさん(からくりサーカス)
  6. 番外.「いでじゅう!」最終回

1. 小枝にスカートが引っかかって困ってる時音(結界師)

 「クロザクロ」の幹人がずっとパンツ一丁姿なのには、何か深遠な理由が!?(挨拶)

 そんな感じで、久しぶりにサンデーの感想です。こんにちは。
 仕事が鬼のように忙しかった間も一応サンデーは買っていたんですけど、ちゃんと中身を読む時間がほとんど取れなかったため、連載マンガの内容が記憶からほとんど欠落していたことに気付きました。
 たとえば「結界師」の場合、一度登場したはずの黒芒楼のメンバーの顔や特徴を、私はまったく把握できていません。彼らは「裏会」幹部メンバー同様、今後このマンガに深く関わって来るのは確実でしょうから、「結界師」をちゃんと楽しむならとりあえずキャラを知っておく必要はあるかな? とは思っているのですが。
 今週号の話を読んだ結果、とりあえず「牙銀」というキャラは、アニメ化されたら山口勝平が声を担当しそうなタイプであることは把握できました。この調子でリハビリに努めたいと思います。

 そして今週のサンデーですが、小枝に制服のスカートが引っかかって困ってる時音の姿にグッと来たので「結界師」が一位ということで(バカ)。控えめなエロスをわきまえてる時音さんがステキ。
 というか、サンデーをちゃんと読めなかった間でも、足を捕まれて壮大にコケたり、顔に妖怪が張り付いて困ってたりした彼女の姿だけは、何故か鮮明に覚えているんですよ。普段は冷静なお姉さんがドジを踏んで慌てる姿には、人間の無意識下に強く訴える何かがあるのかも知れません。
 学術的なことを言って年上キャラ好きを誤魔化したので次。

2. 鼻魔神の瞳(ブリザードアクセル)

 出会い頭で、いきなり吹雪に愛の告白をした鼻魔神の瞳が美しすぎます。
 なんてキレイな眼をしてやがる…(感想?)

3. 桂ヒナギク(ハヤテのごとく!)

 「結界師」の黒芒楼メンバーにも困りましたが、しばらく見ない間に「ハヤテのごとく!」に新キャラっぽい人がわんさか出てきていたのにも困りました(困るのか)。
 というか、本当に学園編をやっちゃってますよこのマンガ。ナギとハヤテのドキドキお屋敷引きこもり型マンガから、ついに本格的に脱却ですか? 1萌えキャラ/週のペースで女性キャラをどんどん増やしていき、いずれはハヤテが何処へ行ってもモテモテになるハーレムマンガ体制を盤石になさるおつもりですか? さすがです畑先生!(「こわしや我聞」に出て来る眼鏡秘書の千紘ちゃんっぽく)

 そんな畑先生の野望の一翼を担うものと思われる桂ヒナギクさんですが、ハヤテに「私のことはヒナギクって呼びなさい」とお願いする時のポーズが実に絶妙(むしろ巧妙)で、その筋の方々の感じるツボを刺激したことはおそらく必至。このままサブレギュラーになれれば、普通に人気が出そうなキャラだなあと思います。
 彼女を活かすためにも、ハヤテはこの学園の生徒になるべきですね。もちろん女装して(もちろん?)。

 あと毎回思うのですが、このマンガのサブタイトルとトビラの煽り文句を考えている人は。今週の「現在が大事だ! 現在を守ろう! 世界を革命しない力! とりあえず現状維持からだ!」は、これからの人生の座右の銘の一つにしたいくらいのスマッシュヒットでした。この後ろ向きなところが、今の私にピッタリです。
 ここまでトビラが必要以上に面白いマンガは、週刊連載ではチャンピオンの「がんばれ酢めし疑獄!」以来かも知れない。

4. ひき逃げアタック(こわしや我聞)

 このネーミングセンス! そしてこの負けっぷり!
 さすがです若様!(眼鏡秘書の千紘ちゃんっぽく)

 才蔵が負けることは読者の誰しもが判っていたことではありますが、ここまで噛ませ犬に徹してくれると、むしろ清々しいです。サンデー超増刊連載時代は彼が我聞にとって最大最後最強のライバルキャラだったことなんて、今じゃもうきっと誰も信じてくれないに違いありません。
 さらば才蔵(勝手に)。

参照:ひき逃げアタックをGoogleで検索

5. たいへんに男らしいリーゼさん(からくりサーカス)

 「私は〈猛獣使い〉! 獣に喰われ、路傍に屍をサラすが本望!
 「マサルサンを、助けるタメにワタシは来タンダ!

 今週の「からくりサーカス」におけるリーゼの台詞回しには、「覚悟のススメ」の零に宿った英霊達の名台詞「私は軍人! 安らぎは受け取らぬ! 覚悟の居るあの荒れ果てた世界に、安らぎをもたらすのだ!」にも似た迫力を感じます。天国で割腹しかねない勢いです。
 こんなノリで迫られたら、そりゃ猛獣たちも「その心意気や見事なり! 戦士と認める!」とリーゼを主と認めざるを得ないでしょう。

 特に、最後のコマのユニコーンに乗ったリーゼの格好良さは異常。こんなに格好良くユニコーンを乗りこなす女性を見るのは初めてですよ。ユニコーンなんて乙女チックな動物をも漢の乗り物に変えてしまう、リーゼロッテの心意気や恐るべし!(そういうマンガだったっけか)

番外.「いでじゅう!」最終回

 サンデーをちゃんと読む暇がなくて何が一番残念だったかと言えば、クライマックスに差し掛かった「いでじゅう!」をちゃんと楽しめなかったことに尽きます。
 後で一ヶ月分のサンデーをゆっくり読み直して復習しよう…

 今週の最終回では、藤原が黄金水をバラまいてたところにグッと来ました。これって、彼が第一話で空中を浮遊しながら黄金水をバラまいてたオチへのオマージュですよね。オマージュ。「Webサンデー」のいでじゅう紹介ページですら読めない第一話への。
 初めて第一話を読んだ時は「たいへんなマンガが始まっちゃったー!」と思ってましたが、結果的にサンデーを代表するラブコメマンガにまで成長したんですから大したものです。すっかりサンデーの次世代を担う逸材へと成長した、モリタイシ先生の次回作に期待します(フォロー)。

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