2005/03/03

■逆襲の久米田

 久米田の野郎、やりやがったな!(赤松健の声で挨拶)

 『久米田康治先生が4月から週刊少年マガジンで連載を始める』という事件が発覚し、マンガ系サイトの話題はこれでもちきり! 「エイケン」の松山せいじ先生まで大喜び! だったりした今日この頃、皆さま如何お過ごしでしたでしょうか。

 「かってに改蔵」連載時には前サンデー編集長との様々な確執が伝えられ、連載そのものは成功したにも関わらず心理的には結局一敗地にまみれる事となってしまった久米田氏ではありますが、まさか次の作品をサンデーではなくマガジンで連載する行動に出るとは。流石です。
 例え精神的には絶望の淵に追い込まれていても、久米田先生はどこまでも芸人魂を忘れない人なんだなあと思いました。

 ネットでは、既に久米田氏の永遠のライバル(というか、一方的に久米田氏がケンカ売ってただけのような気もしますが)である赤松健氏との絡みに対する期待感が高まっており、この件をネタに赤松氏が公式にコメントを発表する(2/26)程の盛り上がりを見せています。このコメントからは赤松氏も今回の事態を随分と楽しんでいる様子が伺え、微笑ましい限りです。
 そんな感じで、両氏の関係を知っている少年マンガのファンにとっては今後のマガジン誌上での展開か今から楽しみなところなのですが、でもこの事態をサンデー編集部の側から観測してみると、そりゃもう「心中穏やかではない」どころの騒ぎじゃ済まないレベルなのは間違いないものと思われます。

 サンデーも今月から新連載攻勢が開始されることが明らかになっていますが、いかな「ライジングインパクト」の鈴木央先生の威光を持ってしても、「久米田康治がマガジンで連載」ネタの話題性には色々な意味で勝ててません。
 仮に久米田氏の次回作がサンデーで描かれることになっていたとしたら、今のような大騒ぎにはならなかったろうとは言え「弟子の畑先生とのコラボレーション」的な盛り上がりが期待できたであろうことを考えると、やっぱり久米田先生を失ったことはサンデーにとって大変に勿体ないと言わざるを得ません。

 というか、当の畑先生からすると、今回の事態は『非業の死を遂げたはずの師匠・久米田先生が、サンデーに復讐するために地獄から甦り、「永遠の天敵」であるはずの赤松健氏と手を組んだ!』 ということになる訳ですよ。かつての師匠が自分の敵に! まるでジャンプの格闘マンガみたいな熱い展開じゃないですか先生!
 本当の敵を倒すためには、まず己の師匠を倒して乗り越えなければならないんですよ先生! 「武装連金」のカズキとブラボーみたいな関係でかっこいいですよ先生! 「善でも悪でも、最後まで貫き通せた信念に偽りなどは何一つない!」「さよならは言ったはずだ! 別れたはずだ!」 ですよ先生! 畑先生のマンガが読めるのはジャンプだけ!(サンデーだけです)
 いやまあ、我々のようなファンは、サンデーの被った機会損失や、畑先生が背負うことになった「武装連金」のカズキ並に重い新たな十字架のことなんかは全く気にしないで、無責任に「わーすげえー久米田先生やるなあー」と騒いでいればいいんですけどね(ドクロ)。

 あの久米田先生がサンデーとはまったくノリが違う上に「外様作家に厳しい」と伝えられる週刊少年マガジンとノリが合うのかどうかはまだまだ未知数ですが、4月からマガジンで始まる予定の「さよなら絶望先生」が今年の春の話題作になることは、もはや間違いないでしょう。赤松先生や畑先生の今後の動向も含め、期待して行きたい所存です。

 あと、一応このサイトの本旨的な話題にも触れておきますが、サンデー3月新連載のラインナップの中に椎名高志先生の新連載「絶対可憐チルドレン」の名前がなかったことを考えると、多分連載が始まるのは4月になるんじゃないかと思われます。ゴールデンウィークが始まる時期辺りでしょうか。「一番湯のカナタ」が始まったのと同じ時期ですね。
 でもそうなると、久米田先生の「さよなら絶望先生」と連載開始週がぶつかることになりそう。もしそうなったら、なんかもの凄く分が悪そうな気がします(椎名氏側に)。

2005/02/26

■風邪引きました…(近況) サンデー13号感想

  1. 清水(MAJOR)
  2. 勝ち気でドジで眼鏡なメイドのお姉さん(ハヤテのごとく)
  3. 眼鏡を外したオーディン(史上最強の弟子ケンイチ)
  4. 皮村(いでじゅう!)
  5. 「こいつとなら頂点に行けそうだ!」(D-LIVE!!)
  6. 番外:あやかし堂のホウライ

1. 清水(MAJOR)

 アニメ版も好調らしい「MAJOR」ですが、サンデーの方ではついに連載500回に到達した模様。おめでとうございます。かつてサンデーコミックス内では最長だった「GS美神」のコミックス巻数記録(39巻)を「MAJOR」が塗り替えた時、「サンデーコミックスが40巻を突破するだなんて!」と個人的に騒いでいたのが懐かしいです。
 ストーリーの方も相変わらず面白いので、この調子で「名探偵コナン」相手にどっちの方が連載を引っ張れるか対決を永遠に続けて頂きたいと思いました。銀河リーグ編開始まで、あとたったの11年ですよ!(多分無理です)

 それで今週の「MAJOR」は、貴重な巻頭カラーページを使われてまで弟から「男日照り」と言われてしまう清水があまりに可哀想だったので、思わず今週の第一位にしてしまいました(バカ)。
 出演したマンガが「MAJOR」でなければ、もちょっと普通に『スポーツマンガの典型的ヒロイン』ができてた気もするのですが、まあ基本的に「MAJOR」は男同士の(中略)を描くのが主眼のマンガなので、女性キャラの扱いが相対的に低くなってしまうのは致し方ありません。それでこそ満田先生のマンガのヒロインだ! ということで一つ。

 そして来週からの新展開は、かつての黄金バッテリー・吾郎×寿也コンビが復活するかどうかに期待。

2. 勝ち気でドジで眼鏡なメイドのお姉さん(ハヤテのごとく)

 今更「タイが曲がっていてよ?」「ごきげんよう」程度の「マリみて」パロディ如きで釣られる私ではありませんが、自分がコケたところをハヤテに見られた時の「目に涙を溜めて睨みながら本気で悔しがってる、勝ち気でドジで眼鏡のお姉さん」な姿に対しては容赦なく釣られる私です。よって第2位(バカ)。
 とりあえず、P195の5コマ目の彼女(貴嶋サキ)の表情にグッと来ない人はどうかしているね! と断言していきたい。

 それはともかく、今回は今後のストーリーにも深く絡んで来そうな「ナギの許嫁」・橘ワタルが登場しました。「許嫁」と紹介された時に彼が不機嫌そうな表情をしているのは気になりますが、明らかに性格が悪いトラブルメーカーとして描かれているところを見る限り、今後は彼とハヤテとの間に(歪んだ)対立が発生する展開に繋げていきたい意向なのかも知れません。

 恋敵を設定するのはこの手のラブコメでは古典的な話の進め方ではありますが、一つ気掛かりなのは、現在「ハヤテ」を支持している層が、その手のラブコメ的展開を「ハヤテ」に求めているかどうか? という点。
 例えば、この手のジャンルの帝王として君臨している赤松健氏は、ストーリーを作る上で心がけている点として「読者にとってつらいことがあまり起こらない世界を作ることを意識している」という趣旨の発言をしています(参照:「萌え萌えジャパン赤松健インタビューこの辺)。「性格の悪い恋敵」は読者にとってストレス発生因子と成り得るので、赤松スキームの中では基本的に存在してはいけないのです(関係ないけど、アニメ版「ラブひな」の評判がイマイチな一因は、オリキャラとして「主人公の恋敵」を出してしまった点にあるように思える)。

 「ハヤテ」のファン層は、「ハヤテ」に対して赤松スキームのようなストレスレスで快適な箱庭的空間を求めているだけなのか、それとも(おそらく畑先生が目指しているであろう)普遍的な面白さを持ったドタバタラブコメストーリーを受け入れるだけの心の余地があるのか。この違いはかなり大きいように思えます。
 これまでは、どっちかと言えば「ハヤテとナギとマリアの三人が織りなす閉じた空間」の中で上手いこと話を回して来たこのマンガにとって、「婚約者とその側近のメイド」という異物の導入はどのような効果をもたらすのか。自ら正念場に自分を追いつめた畑先生の今後の手腕に注目です。

 声優に囲まれながら接待されてウハウハな帝王・赤松健への道のりは、まだ遠い!
 がんばれ畑先生!

「ハヤテのごとく」個人的まとめページにリンクして下さったサイトの皆さま、ご紹介ありがとうございました

3. 眼鏡を外したオーディン(史上最強の弟子ケンイチ)

 眼鏡キャラにとって「眼鏡」とはある種の仮面のようなものであり、彼らにとって「眼鏡を外す」ということは、即ち本当の己をさらけ出すことを意味しているのだ――という考え方は皆様も既に基礎教養として身に付けていることと存じますが、今週の「ケンイチ」はオーディンこと朝宮龍斗君が眼鏡を外すことで、ついに本気モードに突入してしまいました。
 作者の松江名先生は、格闘マンガのボスキャラにわざわざ眼鏡君を配置する程の方なので、さすがに「眼鏡キャラが眼鏡を外すことの重要性」を正しく認識していらっしゃいます。

 「これから君の根性を叩き直す! メガネをとれ龍斗!
 「本当にメガネをとっていいのかい?

 この一連のやり取りで、彼にとって「眼鏡」が一種の封印として機能していることを読者に提示し、実際に眼鏡を取った時に発動する、「観の目」という『何だかよく判らないけどとにかく凄い』技に説得力を持たせることに成功しています。
 それより何より、この台詞のやり取りには、「眼鏡キャラが眼鏡を取る」ことがどれだけそのキャラにとって重い意味を持っているのか、ということが表現されているように思えます。「眼鏡キャラが眼鏡を取る」重大イベントに十分な意味とカタルシスを与えることができる松江名先生は、ちゃんと眼鏡のことがよく判っていらっしゃるんだなあと思いました。

 ちょっと眼鏡のことを書きすぎた気がするので次。

4. 皮村(いでじゅう!)

 メインカップルの林田君と森さんがサンデー読者の8割にとって未知の領域に旅立ってしまった「いでじゅう!」において、徐々に注目を集めて来ているのが皮村君。
 彼は、自分自身の顔が決して女性にはモテない、今で言うところのキモメンであることを自覚しているが故に、この若さにして早くもモテることを放棄してAV収集と女子へのセクハラに邁進しているという、最もラブから遠く離れた仙人みたいな存在だったのですが、でもここ最近は「サンデーで最も報われない女」こと中山朔美ちゃんのあまりの健気さにヤラれてしまい、彼女のことを随分と可愛く想っているように見えます。

 今週なんか、一番最後のページでさりげなく彼女に肩に手を回しちゃったりなんかしてますよ! あの皮村君が、相手から嫌がられることなく、こんなに自然に女の子に触れるようになるだなんて! 彼も今回の一件で随分人間的に成長したんだなあ! と思ってしまいました。
 果たして、恋を諦めたキモメンと恋に破れた美少女の間に、新たな恋愛感情は発生するのか? キモメンに生まれたばかりに人生の裏街道を歩まざるを得なかった皮村に、救いは訪れるのか? もしこの二人の関係がこれから発展するとしたら、ある意味林田君と森さんの時以上にスリリングな展開になりそうな予感がします。

5. 「こいつとなら頂点に行けそうだ!」(D-LIVE!!)

 とりあえず、台詞が狙いすぎだと思った(バカ)。

番外:あやかし堂のホウライ

 超増刊からやって来たサンデー希望の星・「あやかし堂のホウライ」も、ついに今週で最終回。掲載位置を考えると、評判的には本誌で本格連載をするには正直微妙、といったところでしょうか。
 個人的に「あやかし堂のホウライ」で一番好きなキャラはアヤカのクラスメートである四位名(しいな)さんなのですが、結局最後まで彼女が出てこなかったのが悔やまれます。妖怪に襲われる時の四位名さんの怖がる表情って、ちょっとソソられるところがあって萌え萌えなのになあ! 残念だなあ!(バカ)

 「ホウライ」が載ってないと超増刊はやっぱり締まらないので、これからもしばらくの間は超増刊の重鎮として頑張って欲しいと思いました。

2005/02/18

■「ハヤテのごとく」1巻発売記念・サンデー12号感想

  1. 「ジャムおじさんや!」(焼きたて!ジャぱん)
  2. 最初のページのハヤテ(ハヤテのごとく)
  3. 気を遣われるキャプテン(最強! 都立あおい坂高校野球部)
  4. ポックル星人(道士郎でござる)
  5. 今週のいでじゅう!
  6. 番外: KATSU最終回

1.「ジャムおじさんや!」(焼きたて!ジャぱん)

 最後のページで不覚にも笑ってしまったので、私の負けを認めます(負け?)。
 今週はいつにも増して、最後のページのリアクションに持って行くまでの盛り上げ方が冴えていると感じました。

2. 最初のページのハヤテ(ハヤテのごとく)

 なんだこのかわいいパジャマの柄は! 似合いすぎる!
 このマンガで一番カワイイのはやっぱりハヤテ君自身であることが、今回のエピソードで改めて証明されたと感じました。現代オタク向けラブコメマンガにおいて、男性主人公の顔を(イケメンではなく)女装が似合うカワイイ系美少年にするのはもはや基本中の基本ですが、その点コミックス1巻のキャラ紹介で作者から「ときどきヒロイン」と書かれるハヤテは、その基本に実に忠実なキャラと申せましょう。さすが畑先生は判っていらっしゃる!(全肯定)

 ハヤテ以外では、P.161の3コマ目のマリアさんがいい感じ。挑戦的な視線といい口元の微妙な笑みといい、デフォルメがキツめな絵柄なのにも関わらず、ちゃんと「マリア」というキャラに秘められた新たな一面を表現できていると思いました。
 こんな細やかな絵を描けるだなんて、もしかして畑先生って実はすごい漫画家なんじゃないかと思ってしまいました。さすが畑先生は判っていらっしゃる!(失礼な全肯定)

3. 気を遣われるキャプテン(最強! 都立あおい坂高校野球部)

 色々な意味で個性的な天才キャラ達が集う「あおい坂」世界の中で、『丸描いてチョン』レベルの単純極まりないデザインを施され、その「凡人」っぷりが嫌がうえでも強調されている今井君(役職:キャプテン)。学年が一番上という、たったそれだけの理由で天才達が集うチームにおける名目上のキャプテンとなってしまったことに引け目を感じている彼に対し、色々と気を遣って立ち直らせようとする周囲の天才達の姿が印象的でした。超人と凡人が一緒にやってく大変さが早くも浮き彫りに。
 今井君は今はこんなヘボい凡人キャラに過ぎませんが、いずれは「MAJOR」の小森君のように『超人に勝つためならどんなことも厭わない、ちょっとイヤな凡人キャラ』に成長するといいですね!(まちがい)

 後は、対戦相手の宝田君が、週を追う毎にどんどん性格が丸く(というか、カワイく)なって行くのが面白いです。主人公達の宿命のライバルである狛光爾とは違ったベクトルのライバルキャラとして、今後も活躍しそうなキャラっぽいですね。
 田中モトユキ氏独特のカワイイ絵柄と巨乳監督の存在が目立つこのマンガですが、実はこのマンガが狙っている路線は、「テニスの王子様」とかと同じ美少年わんさかコメディー路線なのかも知れません(コメディー?)。

4. ポックル星人(道士郎でござる)

 「50人程ブチポックル殺しました。」のカワイイ文面が異様に怖ろしい絵本がいきなり登場した、今週の「道士郎でござる」。マンガの中に絵本が出てくるマンガとして個人的に一番最初に連想するのは「ちょびっツ」なのですが、この『ポックル星人』の場合はむしろ『供えガイ』がいきなり出てきた「神聖モテモテ王国」を彷彿とさせます(唐突さが)。
 「道士郎」は、もはや連載末期の「モテモテ」並に何でもアリの領域に差し掛かって来た! と、改めて覚悟を決めさせて頂きました。このマンガの面白さは相変わらずハイブロウ過ぎます。

 マンガの内容は相変わらず面白かったです。社会性皆無なバカ相手に倫理を説くことを諦めない健助殿萌え。あとは、明らかに倫理を説かれるバカの範疇に入ってる早乙女君も萌え。

5. 今週のいでじゅう!

 「かってに改蔵」のリサーチによれば、サンデー読者の約8割はバレンタインデーにラーブラブとか何とかそういうモノとは一切無縁な生活を送っているそうなのですが、「いでじゅう!」は前回の予告通り、その8割の読者にとって未知の領域に突入してしまいました。もう後には戻れません。
 もしかして、これからはこんな調子で林田君と森さんのこっ恥ずかしいモジモジカップルのラーブラブでハッピーなエブリディを、我々は毎週のように鑑賞することになるのでしょうか。毎回こんな調子では、サンデー読者の8割を占める非モテな人々の心が、「いでじゅう!!」によって毎週毎週甘く切なくやるせない想いで掻き乱されてしまいます! これは大変なことですよ!

 ああ、なんかかつて「BOYS BE…」や「サラダデイズ」が全盛だった頃、マンガの異様な雰囲気にヤられないために心の中でファイティングポーズを取りながら必死になって青春ラブストーリーを読んでいた、あの頃の感覚が甦って来ましたよ! 今の「いでじゅう!」は心の格闘マンガだ!
 サンデー読者の8割の範疇に入るみんな、負けるな! 戦え!(むなしい)

番外. KATSU最終回

 今週は諸般の事情でサンデー読むのがいつもよりも遅れたのですが、サンデー読む前に何気なく「ヤマカム」さんとこを読んでいたら、「KATSU終了」の記事が載っていて本気でビックリしました。後で誌面を確認してみたら、本当に終わっててまたビックリ。
 「KATSU!」に関しては連載が終わるような兆候が私には全く感じられなかったので、このマンガが今週終わるだなんて想像もしていませんでした。あだち先生にしてやられた心境です。さすが大ベテラン作家は違う!(何が)

 というか、今は「H2」のドラマをやってる真っ最中なのに、何故このタイミングで終わっちゃうの? というのが正直なところ。毎週コンスタントに楽しめていたマンガなだけに、ここで終わってしまうのはちょっと残念です。
 あだち先生の次回作はやっぱりサンデーでしょうか? それともビッグコミック?

2005/02/11

■藤田和日郎先生は大丈夫ですか? 記念・サンデー11号感想

  1. 「お姉さんじゃなかったら、何なんですか?」(結界師)
  2. HAPPY START(いでじゅう!!)
  3. 池内君が語るこの社会の仕組み(道士郎でござる)
  4. 「ハヤテのごとく」の最初のコマ
  5. 「こわしや我聞」急展開

1. 「お姉さんじゃなかったら、何なんですか?」(結界師)

 今、百合奈ちゃんがいいこと言った!(挨拶)

 今週の「結界師」における百合奈のこの台詞は、時音と良守の関係の核心を鋭く突く質問です。
 おそらく時音は、「自分にとって良守とは何なのか」ということについてこれまでほとんど意識したことが無かったのではないかと思うのですが、百合奈に良守との関係性を問いただされ、また友達からも「あの子、時音のこと好きなんじゃないの?」と言われた事により、時音の頭の中に「自分と良守の関係を考える」という新しい概念が生まれたはずです。

 良守の存在を「隣に住んでる幼なじみのうるさいガキ」程度の重さにしか考えていなかった彼女にとって、彼が「ガキ」から成長し、二人の間にそれ以上の関係が発生する可能性が存在し得ると認識したことは、彼女にとってはちょっとしたパラダイムシフトが発生した、と言っても良いのではないのでしょうか。
 この二人の関係の変化は、繁守が言っていた「墨村と雪村の間に400年続いている溝」の解消にも繋がることなだけに、実は今回の話も今後の物語の中ではかなり重要な意味を持ちそう。こんな話をあえてバレンタインウィークに持ってくる辺り、作者の田辺イエロウ氏の計算高さを伺うことができます。

 まあでも、今の段階では、良守が成長して時音とアハハウフフな関係になるところなんて想像すらできませんが。所詮、良守はまだ「ミノル小林」と同じリアル中坊だしなあ。思春期結界師ヨシモリ墨村。早く成長して兄よりエロくなって下さい。

2. HAPPY START(いでじゅう)

 アハハウフフ! アハハウフフ!

 ついに「いでじゅう!!」の林田君と森さんのカップルが正式に成立。ここ最近は散々無茶な展開をやらかして読んでる者を常に不安にさせて来たこのマンガでしたが、そんな茨の道を踏み越えて、ようやくこの段階まで物語を無事積み上げることに成功しました。おめでとうございます(エラそう)。
 一番最後の「HAPPY END♥ いえいえ、HAPPY START!」というアオリからは、『これからも更にこの二人の物語を積み上げてやるぜ! 貴様ら、オレの紡ぎ出す恋路を読んでモジモジしながら悶絶しやがれ!』という、作者の気合いを感じました。「一流(われら)にはその先がある!」と言わんばかりです。モリタイシ先生は、一大高校生恋愛サーガを作り上げる気マンマンなご様子です。今後の展開にも期待させて頂きますよ!

 そして、そんな幸せそうな林田君と森さんの影で一人涙する朔美ちゃんの姿は、全世界の報われない女子萌え属性を持つ者達の心を激しく振るわせたに違いありません。こういう「陰」の部分までちゃんと描いてるからこそ、今回の話はより深く心に浸みるってものですよね。
 ほんと、どこまでも可哀想な境遇が似合う子だなあ(ヒドい)。

3. 池内君が語るこの社会の仕組み(道士郎でござる)

 「道士郎でござる」で個人的にお気に入りのキャラは、『健助伝説の語り部』こと池内君(特徴:坊主)なんですけど、今回もまた彼がやってくれました。

 『俺達は社会に出たら、エリート坊ちゃんのために働く訳じゃないですか
 『上は多分、本当の黒幕、秘密の黒幕までいると思います
 『奴らなのです。リッチパ-ティーでビルの上から見下ろしている奴らです
 『将来搾取される分を今、頂いているんです。当然の権利です

 どうですか、この説得力に溢れた頭の悪い言葉の数々は!
 無根拠な妄想を誇大に表現する! これこそ真のヤンキー的思想!
 つうか、まさにこの構造で、こいつらは級長会やそれを締めてると思しき「黒幕」の神野といった上位の人間から搾取されているんだけどな! それにすら気付けないところが、こいつらのカワイイところなんですよ!

 さすが、長年ヤンキーマンガを描いていた西森先生は違う!(全力で誉めてます)

4. 「ハヤテのごとく」の最初のコマ

 ギャルゲーの世界には「ゲームの中で一番かわいいキャラは主人公の男友達である」という法則があるそうなのですが、「ハヤテのごとく!!」においてはどう考えても一番かわいいキャラはハヤテ君自身で決定です。特に、今週の一番最初のコマなんか、どう考えても執事長のクラウス殿を誘っているようにしか見えません。
 これでパジャマの一番上のボタンを外して胸がはだけた状態だったら完璧だったのですが、さすがにまだキャリアが浅い畑先生ではそこまでの表現は許されなかったのでしょう。これが藤田和日郎先生クラスのキャリアともなれば、台詞の中で「セックス!」と連呼しても合法になることが今週のサンデーで提示されたので、ぜひ畑先生にもその領域まで到達して好き放題やらかして欲しいものだなあと、切に思いました。

 あとこの前のエピソードから登場している伊澄さんですけど、「周りの人を不幸にする特異体質」と称するには、まだちょっとパンチが足りてないと思います。何か普通に「いい娘さん」ですし。
 個人的には、伊澄を見る度に何故か「GS美神・極楽大作戦!!」の六道冥子のことを思い出してしまいます。彼女が、「周りの人を不幸にする」破滅型キャラとして如何に完璧な存在であったのかを再認識させられる今日この頃。
 がんばれ伊澄と畑先生(フォロー)。

5. 「こわしや我聞」急展開

 読者の間に驚愕萌えをまき散らした伝説の「國生さんメイド編」を終えたと思ったのもつかの間、今週からいきなり「こわしや我聞」世界におけるラスボス的な存在・真芝グループとの直接対決に挑む展開になだれ込んだこの作品。

 突然の急展開。突然のカラーページ。このパターンはアレです。「一番湯のカナタ」の打ち切りが決まった時の流れにどことなく似ています
 これまでの掲載位置を考えると(サンデーは掲載位置と人気は比例しない、という伝説があるとは言え)「我聞」はアンケート人気はそれほど高くないことが予想されますが、もし今回のカラーページ+國生さんと果歩をメインに据えた家族愛劇攻勢をもってしても人気が芳しくなかったら、そう遠くないうちにこのマンガ終わっちゃうんじゃなかろうか? と、思わず訝しんでしまいました。

 なので、まだまだ國生さんの萌え萌えな姿を見てみたい! と思っている皆様方は、とりあえず読者アンケートの「A」の欄に「我聞」の番号を書いてポストに投函するべきだと思いました。全ては國生さんのために!
 彼女、ネコミミと尻尾を着けたら意外と似合うはずですよ!(バカ)

2005/02/04

■死にそうでした(近況)サンデー10号感想

  1. 十二人会(結界師)
  2. 桜坂助教授(ワイルドライフ)
  3. 0歩。(いでじゅう)
  4. 幹人傀牙化(クロザクロ)
  5. ロコ大はしゃぎ(D-LIVE!)
  6. 番外. 阿紫花×ジョージ(からくりサーカス)

1. 十二人会(結界師)

 私の認識では、「結界師」における裏会とは「根性が歪んだおかしな連中しか入れない、おかしな組織」ということになっていますが、今週出てきた「十二人会」はまさに期待通りの根性曲がり達の巣窟だったので大満足です。

 どいつもこいつも性格が悪そうのは裏会の幹部なので当然として、「番号札をなくすと自動的に幹部から降格」という相互不信を増大させるシステムをわざわざ採用しているところ、ただ座っているだけなのに幹部達が「ゴキリ」「オオオ」「ビクッビクッ」と奇妙なオノマトペを勝手に発しているところ、どのメンバーも「コスプレイヤー」呼ばわりされても仕方がない独創的な衣装を着込んでいるはずなのに、それがまったく気にならないくらいナチュラルに着こなしているところなど、素敵ポイント(=突っ込みどころ)が満載な人達だなあと思いました。

 ここまで変態が満載な組織がサンデーに出てきたのって、「ジーザス」の悪の組織「24」以来なんじゃないのでしょうか。少なくとも、今のサンデー連載のマンガに出てくる悪の組織(「こわしや我聞」の真芝グループ、「MAR」のチェスの兵隊など)には十分以上にインパクトで対抗できるでしょう。変態組織に乾杯です。
 ……でも、こんな変態共に夜未や志々尾がいいように使われているのかと思うと、何だかせつなくなって来ます。
 変態の圧力に負けずにがんばれ正守。

2. 桜坂助教授(ワイルドライフ)

 悪の院内組織・平波学部長派から送り込まれた美しき刺客・黒木助教授を激闘の末に下し、改心させて仲間にすることに成功した、我らが正義のヒーロー・岩城鉄生。しかし平和だったのもつかの間、今度は遙かカナダの地から、新たなる刺客・桜坂助教授がやって来たのであった! という、何かな展開になってきた最近の「ワイルドライフ」。
 まあ、そっちの方がある意味少年マンガらしい判りやすさに溢れているのは確かなので、下手にお涙頂戴なヒューマニズム路線に走られるよりは良いのかも知れません。実際、ここんとこの「ワイルドライフ」は結構面白いッスからね! とっても楽しく読ませて頂いてますよ!(←誉めてるように聞こえないのは仕方ない)

 そんな訳で、今回の刺客は以前瀬能さんにフられたことで有名な桜坂助教授の模様。ただ、刺客とは言え所詮は一度鉄生に破れた男であり、専門用語で言うところの再生怪人に過ぎないので、特撮業界における「再生怪人は弱い」の法則に従ってすぐに倒されてしまうのは、もはや必至の有様でしょう。
 私が彼に期待することと言えば、勝手に同僚女子の裸を想像してしまう彼の特性を最大限に活かし、結局前回のエピソードでは出てこなかった黒木助教授の下着姿を妄想してもらうことくらいでしょうか。頼んだぜ再生怪人!

3. 0歩。(いでじゅう!!)

 なんかこのシーンが妙に笑いのツボに入ったので第3位(そんな理由か)。

 まあ、今回の「いでじゅう!!」の本当の見所は、柔道マンガらしく林田君が一本背負いで相手のボスを倒して森さんを救出したところと、助け出された森さんがその林田君から「柔道部の大切な仲間だから助けた」と言われて複雑な表情をするところにあります。それくらいは私にもちゃんと判ってますよ(自己弁護)。
 前回は「もはや柔道もラブコメも普通にできないマンガになっちゃった!」と評しましたけど、こんなおかしい展開の中でもちゃんと柔道とラブを両立させてるじゃないですか! モリタイシ先生はできる漫画家だなあ! と思いました。
 フォロー完了。次。

4. 幹人傀牙化(クロザクロ)

 今週のサンデーは「もしオレが独身男性じゃなくてカップリングが大好きな女子に生まれて来ていたら、大層楽しめたんだろうなあ!」と己の生まれた運命を呪いたくなるような展開を見せたマンガが多かった気がするのですが、「クロザクロ」はまさにそういうマンガの一つでした。

 幹人が傀牙と化すのは今回が二度目ですが、「かわいい妹を守るため」に変身する妹萌えシチュエーションだった前回とは打って変わり、今回は「九蓋を倒された怒り」によって変身するやおいシチュエーションです(やおい言うな)。傀牙の種を植え付けられながらも、あくまで「人間」として生きようと決意した幹人が傀牙と化すというのはよっぽどの事なのであり、つまり幹人にとって九蓋は、既にかわいい妹に匹敵するくらい大切な存在となっていたのであった! ということを意味するのです。
 これまで九蓋はずいぶん甲斐甲斐しく幹人に接して来ていた印象が強かったですけど、この土壇場でついに彼の愛情が幹人に通じましたよ! よかったですね九蓋さん! もう死んじゃいそうだけどな!(ドクロ)

5. ロコ大はしゃぎ(D-LIVE!)

 「今週のサンデーで一番可愛かったキャラは誰か?」と聞かれたら、おそらくサンデー読んでる人の半分は「D-LIVE!!」のロコと答えるに違いないよね! と思ってしまう程、今週の「D-LIVE!!」に出てきたロコは可愛らしかったです。
 憧れのマン島TTで憧れの斑鳩君と一緒に憧れのサイドカーに乗ることができて、ロコちゃんホントに嬉しそう。心とは裏腹に口ではブツブツ文句言ってる(というか、言わないと格好が付かない)ところなんか、今萌えキャラのアーキタイプとして最も注目が集まっているツンデレ系そのまんまですよ! いい歳してツンデレ気取りですよ! やるなこのヒゲオヤジ!

 ちなみに、「今週のサンデーで一番可愛かったキャラは誰か?」の質問に対する残りの半分の人は、きっと「アニメ版『うえきの法則』の森あい」と答えるに違いないと思いました。
 つか彼女、連載の時よりも遙かにカワイくなってるじゃないですか! なんか、ジャンプのマンガをアニメ化した時みたいな感じに! いったい彼女の身に何が!?(←微妙に福地先生に対して失礼な感想)

番外. 阿紫花×ジョージ(からくりサーカス)

 同じマッチで二人一緒にタバコに火を点けてるシーンがやたらダンディで格好良かったので、というかぶっちゃけ萌えたのでピックアップしました。この二人の組み合わせの渋さっぷりは異常。
 ああ、もしオレが独身男性じゃなくて、カップリングが大好きな女子に生まれて来ていたら(以下略)。

 これで、タバコを初めて吸う人が(漫画の世界では)必ずやらかす、「タバコを口にくわえて息を吸いながら火を点けないとタバコが燃えないことを、タバコ吸う人から注意される」シーンが入っていたら、よりソレっぽくて完璧だったんですけどね。例え初タバコでもスムーズに火を点けられるぬかりの無さは、流石しろがね-Oの貫禄といったところでしょうか。むせてたけど。

2005/01/29

■まだ生きてます(近況報告)サンデー9号感想

  1. 黒木助教授陥落(ワイルドライフ)
  2. 墨村繁守(結界師)
  3. 今週の「いでじゅう!」はおかしい
  4. 今週の「道士郎でござる」もおかしい
  5. コオロギの足(こわしや我聞)

1. 黒木助教授陥落(ワイルドライフ)

 初登場時に「あたしは論文の役に立たない患畜は診ないのよ!」と高らかに宣言、その高飛車な態度から自分の中で週刊少年サンデーにおける普段から黒い下着を付けて生活してそうな黒縁眼鏡女性キャラナンバーワンの座に輝いていた「ワイルドライフ」の黒木助教授でしたが、大方の予想通り、今週であっけなく鉄生側に陥落してしまいました。

 今回のエピソードは、「普段は鉄壁の守りを固めて素顔を見せない女が、その鋼鉄の仮面をかなぐり捨てて本当の愛に目覚める!」という系統の燃え展開を狙っていたと思われますが、でも彼女の場合は肝心の「鉄壁の守り」の描写がそれほど出てこなかったためか、どっちかと言えば「普段は強がっているけど、実は押しに弱くてすぐにボロを出しちゃう」という、いわゆるドジっ娘委員長系にカテゴライズされるお話になっちゃったような気がします。
 まあ、それはそれでいいんですけどね(いいのか)。

 そして、カワイイ顔して大の男達を好き勝手に振り回しす娘の理緒ちゃんは、黒い下着系女子として将来有望な人材だと思われるので、大事に育てて頂きたいと思いました。

2. 墨村繁守(結界師)

 今週の「結界師」には、自分の中で週刊少年サンデーにおける「普段は強がっているけど、実は押しに弱くてすぐにボロを出しちゃう」女性キャラナンバーワンの座に輝いている春日夜未が久しぶりに出ていたのでオレ大喜びでしたけど、でもそれ以上に私はオヤジキャラが大好きなので、今週の第2位は墨村繁守68歳で決定。
 年甲斐もなく大はしゃぎしながら妖怪を狩るシーン、ふと素に戻って斑尾とシリアスな会話をするシーン、やっぱり年甲斐もなく良守と口論しちゃうシーン、どれも萌えです。萌え。これから彼のことは、私も白尾に倣って「シゲ坊」呼ばわりして行きたいと思います。

 あと、相変わらず愛想がなくて突っ張ってるけどやっぱり正守の命令には逆らえない、微妙な立場の夜未も良かったです。
 彼女は、地味ながらも今後のこのマンガの行方を左右しそうな位置にいるキャラだと思うので、そろそろWebサンデーのキャラクター紹介のところに彼女も載せてあげて下さい。

3. 今週の「いでじゅう!」はおかしい

 普段から「普通に柔道やってるとおかしい」と言われている「いでじゅう!」ですが(偏見)、今週の展開はいつにも増して変です。「普通に柔道」どころか、もはや柔道をやろうとするとどこからか邪魔が入って柔道すら普通にやらせてもらえないという、「県立伊手高柔道部物語」なるタイトルにそぐわないアンビバレンツな領域に入りつつあるように思えます。
 また、せっかく森さんが林田君のことを意識し出したことで、ついにこのマンガも普通のラブコメっぽいモジモジカップル話が楽しめる体制になったのかなー、とも思ってもいたのですが、こちらも柔道と同様に、もはや普通にラブにコメることすら不可能な状態。
 フィクション世界の恋にはドラマチックな展開が不可欠と申しますが、ちょっとドラマチックに過ぎるのではないかと思いました。

 そんな中で、今週たいへんに格好良かったのが、自分の中では週刊少年サンデーにおける報われないキャラナンバーワンの座に輝いている朔美ちゃん。林田に対して毅然と「森先輩を助けに行ってあげて下さい!」と言い放つ彼女はとても格好良く、とても素敵で、とても報われていません
 これでこそ朔美ちゃんだ!(ひどい)

4. 今週の「道士郎でござる」もおかしい

 先週は「あーそーぼー!」と叫ぶだけだった道士郎ですが、今週は久しぶりに本領を発揮。中学生女子相手に「武士」とは何かをテーマに延々と禅問答を繰り返すという、とても武士らしい活躍を見せてくれました(活躍?)。

 このマンガにおける「武士」とは人種や職業や性別のように明確に定義できるものではなく、むしろ心の有り様を表す、極めてスピリチュアルなものであると考えられます。「武士道」という言葉が表す通り「武士」とは本来求道的なものであり、その「道」が指し示すものを知るためには「悟り」を得る必要があるのです。
 既に悟りを得て「道」を体現している道士郎にとっては、「武士」とは説明する必要もない程に自然な概念に過ぎないのですが、社会常識に囚われて「悟り」への道を見いだすことが未だできていない梢ちゃんは「武士」の概念を理解することができず、結果的に高潔な武士であるはずの道士郎がただのバカにしか見えないということになってしまうのです。
 まあ、確かに武士はある意味バカな存在ですけどね! 週刊少年サンデーにおける馬鹿なキャラのナンバーワンは、道士郎で決まりですけどね! 勿論、馬鹿は誉め言葉ですけどね! 正気にては大業ならず! 武士道はシグルイなり! なのですけどね!

 何を言っているのか判らなくなってきたので次。

5. コオロギの足(こわしや我聞)

 普通こういうシチュエーションだと入れるのはゴキブリなんじゃないかと思うのですが、何故今あえてコオロギなのか。メイド國生さんのエプロンの形状が他の女子部員と違うこと以上に気になります。世の中は不思議でいっぱいです。

 あと、サンデーの感想サイトや掲示板なんかを読んでいると、「メイド喫茶なんてネタで読者に媚びを売らないといけないくらい、今の『我聞』は人気がないのか?」なんて憶測を、時々見かけます。
 がんばれ藤木先生(フォロー)。

2005/01/21

■生きてます(近況報告)サンデー8号感想

  1. 「最強! 都立あおい坂高校野球部」第3話まで終了
  2. 押しに弱い黒木助教授(ワイルドライフ)
  3. 時音残酷ショー(結界師)
  4. 「俺の許可なく死なせはせん!」(クロザクロ)
  5. 「エーリーターン、あーそーぼー!」(道士郎でござる)
  6. 番外:生徒会長(こわしや我聞)

1. 「最強! 都立あおい坂高校野球部」第3話まで終了

 今週の「あおい坂」ですが、

  • かつての友との完全なる決別!
  • 甲子園を目指す主人公達の熱意に全く無関心な先生や学生達!
  • 外野練習もマトモにできない程の不十分な練習設備!
  • これだ! これが逆境だ!

 とでも言いたくなって来るくらい、主人公達の現在の状況が絶望的であることを認識させられる内容でした。もしこのマンガが正式連載ではなく「絶チル」みたいな短期集中連載だったら、「続き読みたいから読者アンケート出さなくちゃ!」と思ってしまうくらい、続きが気になる展開です。

 そんな感じで掴みはバッチリだったので、あとは今後の展開次第で更に盛り上がれることでしょう。個人的にはこれから激しく期待していきたいマンガの一つです。サンデー読む楽しみが増えましたよ。

2. 押しに弱い黒木助教授(ワイルドライフ)

 お嬢さんがいるってことは、実は人妻だったんですか助教授…orz(何を期待していたんですか?)

 人妻要素はさておき、今週はハシラの説明文に書かれていた「役に立たない患畜は診ないことで有名」という設定を登場2週目にして自ら台無しにしてしまう大活躍を見せた黒木さん。しかも最期のシーンで「家で娘が飼ってる犬が倒れた」という泣かせ必至な展開に巻き込まれてしまい、早くもアイデンティティクライシスな状況に立たされてしまいました。
 果たして彼女は、この状況下でも「役に立たない患畜は診ないことで有名」という自分の信条にを立て続けることができるのか、それともこのまま雰囲気に流されてずるずるとヤッてしまい(治療を)、鉄生のペースに巻き込まれてしまうのか? ここが、彼女の運命の分かれ道であると言えるでしょう。
 学部での名誉か! それとも動物への愛か!

 相手が人妻だと判ったので、ちょっとアダルトな表現にしてみたがどうか(アダルト?)。

3. 時音残酷ショー(結界師)

 前回の感想では「時音残酷ショーの幕開けです」とか適当なこと書いたんですが、今回は本当に最初から最後まで時音残酷ショーネタを披露してくれたので、個人的には大満足でした。

 散々痛めつけて可能な限りの情報を脳男から引き出した挙げ句、「あそこじゃ一番優しくないのよ」とか言いながら、慈悲の感情を欠片も見せずに相手をデリート完了。相手を散々痛めつけた上で落とし前をキッチリ付ける時音の姿は、もはや「怖い」を通り過ぎて「清々しい」の領域にまで達していると思います。
 田辺イエロウ先生は、今どきの少年誌読者が「ヒロイン」に対して何を求めているのか、ホントによく判ってますね!(誉めてます)

 あと、そんな恐ろしい時音を目の当たりにしても一向にめげてない良守に萌え。

4. 「俺の許可なく死なせはせん!」(クロザクロ)

 今週はなんか妙に幹人君がカワイく描かれていたような気がするのですが、その辺どうでしょうか皆さん。
 手を縛られて自由が効かない状態に置かれた彼は、九蓋の庇護を得るために無意識に母性本能に訴えかけるプリティーな外見に変形したとか、そういう裏設定があるのでしょうか。これも傀牙の能力の一つ?(妄想が過ぎます)

 そんな感じでたいへんに可愛くなってしまった幹人にグッと来てしまったのか、「お前の命は、あの時俺が預かった!」「俺の許可なく死なせはせん!」と、どう考えてもプロポーズにしか聞こえない台詞を連発し、その上幹人を小脇に抱えてお持ち帰りモードに入ってしまった九蓋さん。
 そんなラブモード全開な九蓋にアテられたのか、ついに御形までが冷徹なメガネの仮面をかなぐり捨て、「オレはそれ(人であること)を捨てた!」とか言いながら九蓋を守るために戦うのであった! という、萌えるシチュエーションの数々を堪能させて頂きました。

 こういう読み解き方は、「クロザクロ」的には正当ですよね?(いいえ)

5. 「エーリーターン、あーそーぼー!」(道士郎でござる)

 今週のサンデーで一番グッと来たのが、実はこのマンガでした。
 特に、道士郎が「戦いじゃ。助太刀いたそう」とか格好いいことを言いながら、健助殿と一緒に「エーリーターン、あーそーぼー!」と叫び始めたところなんか、もう最高にました。これが健助とエリカにとっての「戦い」であると認識し、愚直ながらも真っ正面から健助を援護するために戦場に赴く道士郎は、「戦う場所」をわきまえている本当の意味での武士なんじゃないかと思えてきましたよ。

 通勤電車の中で読んでて泣くかと思った(弱い)。

番外:生徒会長(こわしや我聞)

 そんな感じで今週のサンデーは燃えと萌えが満載でしたが、サンデーを萌えの観点から論ずるなら、やはり「こわしや我聞」における國生さんのメイド姿は抑えておかないといけません。
 今週のエピソードでは、風紀にうるさい生徒会長をも一撃で黙らせて籠絡してしまう攻撃力を発揮。國生さんの萌えっぷりは、いよいよ人型兵器の領域にまで突入しつつある様です。

 でも個人的には、むしろデコ三つ編みメガネと三拍子揃った生徒会長もなかなかのものだと思います(兵器として)。秘書・格闘・メイドとあらゆる局面で活躍できる万能型の國生さんと比べると対象範囲が狭いですが、「デコ・三つ編み・メガネ・生徒会長」の4連コンボが通用する敵が相手だったら、その破壊力は抜群。運用さえ間違わなければ、彼女も「我聞」キャラ萌えマンガ化における強力な武器となることは間違いありません。

 コミックス4巻掲載のおまけマンガではなんか主役張ってましたし、実は彼女は「我聞」スタッフの間でも密かに愛されてるキャラなのかも知れません。彼女の今後の活躍を期待しています(兵器として)。

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