2005/12/17

■サンデー2号を与えられた時の反応

ハヤテのごとく

 ディードリット雪路!(挨拶)

 我々のような出渕エルフ直撃世代ならともかく、今の子供に「ディードリット」なんて言って意味が通じるのか? と思いましたが、でもよく考えてみたら今のサンデーは『聖結晶アルバトロス』における「アルバトロス」という単語から一番最初に連想する言葉が宮崎駿氏が脚本と演出を手がけたことで知られる「ルパン三世・死の翼アルバトロス」だったりするロートルなオッサン読者が支えている雑誌になっているので、ディード程度なら一向に問題がないなと思い直しました。パソコンゲーム版「ロードス島戦記」のCDに入っていたドラマでは、ディードリットの声は鶴ひろみだったんですよ。今のサンデーの読者は、こういうネタが普通に通じるドメインに所属して居る人ばっかりなんですよ。
 ですので、2006年における週刊少年サンデーのキャッチフレーズは、「少年サンデーの目指す低年齢路線? 知るかよ、そんなもの」で決まりということで一つ。

 あと「ハヤテ」本編の方ですが、こちらも相当に大概な感じにグデグデして来て実に良い案配に。「執事クエスト」だなんて行き当たりばったりな展開、もしこの話を書いたのが畑先生でなければ間違いなく編集部に突き返されているに違いありません。畑先生の大物っぷりを実感させて頂きました。

絶対可憐チルドレン

 今回の九具津の敗因は、対超能力者兵器であるモガちゃんに、サイコキネシスの使い手をも一撃で制圧できるだけの火力を備えなかった点が挙げられると思います。
 より具体的には、モガちゃんの攻撃兵装としておっぱいミサイルを装備していなかったことに尽きます。女性型兵器を作ったら、おっぱいに兵器を仕込むのは当然。君もオタクなら、アフロダイAくらいは常識として知っておけと言いたい。あるいは、「巨乳ハンター」に出てきた『バストガン』や、対超能力兵装として『スペルゲン盆地胸バリヤー』でも可。体の中からモガちゃん集団が出てくる不気味なセンスは高く評価しますが、それだけではマスターグレードは名乗れないね!
 これのどこが感想だ。

 本来のストーリーの方ですが、BABELに反する組織の存在が明確になったという点で、作品世界がますます奥深くなってきたと見るべきでしょう。おそらくは兵部が関係している例の組織でしょうね。この事件根が深そう。
 あと、賢木が皆本に「お前はチルドレンを連れて九具津を追え」と指示したのは、あの状況下で九具津を追えるのはチルドレンだけだったということもありますけど、それ以上にダブルフェイスの二人に対して「皆本は子供が大好きなロリコン」という刷り込みをより強力に行い、彼に対する興味を失わせようとしたからではないか? と思いましたがどうだろう。例え死の淵に立っても、自分がモテるための努力を惜しまない男賢木恐るべしであります。
 これのどこが感想だ。

からくりサーカス

 「愛するが故に見守る愛もある」という、まるで「北斗の拳」におけるトキのような、あるいは「うる星やつら」のメガネのような心意気で愛するものの幸せのために死んだギイが素敵すぎてたまりません。
 「自分」というものの役割を弁えた男はカッコいいなあ。

地底少年チャッピー

 こういうタイプの異邦人来訪型コメディーは、サンデーでは「一番湯のカナタ」以来ですね(不吉な例え)。
 水口尚樹作品を構成する主要要素であるヤンキー・オヤジ・生意気なガキの全てが揃っている辺り、気合いの程を伺い知ることができます。なんか作者が脱いでいるのも気合いの現れに違いありません。人気出るといいなあ。

2005/12/14

■リバビリ記念:サンデー1号短観

聖結晶アルバトロス

 変身前も変身後も常にヒドイ目に遭うことが運命付けられた、被虐系ヒロインがサンデーに降臨。彼女がヒドイ目に遭っている時に見せる憂いた表情こそがこのマンガにおける最大の萌え要素であることは、もはや疑いようがありません。往年の「DAN DOH!!」と同じ路線を狙っているのか。
 果たしてゴミ子は、そのいじめられっぷりでダンドーを超えることができるのか!(ミスリード)

MAR

 『一部の連中だろう…

 ドロシーの乳首露出ばかりが話題になってるこのマンガですが、個人的にはのまネコ騒動の時にネットで話題となった「一部の人」メソッドを使用しているのが気になりました。脅迫目的で殺人予告をするのは2ちゃんねらーの一部の人。キメラをヒドイ目に遭わせたのはメルヘブンの一部の人。「一部の人」という表現を使うことは、結果的に同じコミューンに属している自分以外の誰かに責任を全て転嫁してしまうことにも繋がってしまうのです。
 果たして今回の悲劇は、「一部の連中」のやったこととして済ませてしまって良いものなのか? 主人公達もまた、キメラに対してその責を負うべきではないのか?

 「MAR」はライトなバトルファンタジーであると思われていますが、作者がその気にさえなれば大変にドロドロしたヘビーな問題に対する提起を行うことが可能な作品であることを伺い知った気がします。安西先生ならやりかねないので恐ろしい。

あいこら

 井上先生は、ゾンビと同じくらいメガネが好きなのかも知れないと思いました。井上先生は底が知れないなあ(変態度の)。
 弓雁ちゃんの将来が心配です。

絶対可憐チルドレン

 前回の段階で、既に読者の間では「賢木が犯人だとは考えにくい。人形遣いの九具津が怪しいのではないか」という予想が主流になっていたみたいですが、個人的には「フィギィアを愛好する人は、変な人はいても悪い人はいない」というフィギィア萌え族性善説を論拠に、この意見に反論したかったです。もう時遅しですが。
 あと、「賢木の嫌いな食べ物を把握しているだなんて、皆本は普段から彼を相当意識しているに違いない!」というやおい好きな人の意見をネットで見かけ、わずかな手がかりから二人の親密な関係性を「発見」してしまう深い洞察力に対して一方的に敗北感を覚えました。皆本が股間から銃を撃った表現に気を取られすぎて、もっと大切なものを見失っていましたよ自分。みんな妄想のレベルが高すぎます。負けてられないね!

ガッシュ休載

 「雷句先生が右手をケガした!」というところから、師匠つながりで「吼えろペン」における富士鷹ジュビロが手を火傷した時のエピソードを連想し、そこから『ライバルに代筆を頼んだら清麿が勝手に殺される展開にされて激怒する』というネタを考えついたはいいけど、肝心の「富士鷹ジュビロに対する炎尾燃に匹敵する、雷句先生のライバル役の漫画家」に該当する人物を思いつかず、あとちょっとでブログのネタになりそうだったのに! と地団駄を踏んだサンデー感想系ブロガーが、国内にだいたい5人くらいはいると見ました。

 大事に至らなくて良かったと思います(フォロー)。

2005/11/11

■ザ・ハウンド。狩りの目標は皆本。(サンデー50号感想)

絶対可憐チルドレン

いいなー、アレ♥ 欲しい!!
 結局はお前もそんなんかー!(感想)

 皆本は本当に色々なキャラからおモテになっちゃって大変だなあと思いました(躰が)。彼のモテっぷりというか、受けの素質っぷりは異常の域。「モノノケに好かれやすい」体質だった「GS美神」の横島君同様、この作品世界には超能力者に好かれやすい体質とかが存在するのかも知れません。ますます彼の貞操と純潔が心配です。
 あとは、明が乗り移った薫のやたら凛々しい姿と、逆に明の体に乗り移らされた薫が可愛らしく涙ぐんでいる姿にグッと来ました。やおいとかロリとかだけでなく、やろうと思えばトランスセクシャルものまでできるこの作品の奥深さに感銘。色々と妄想のし甲斐があるマンガだなあと思った。

 そして来週は、凛々しくなった薫の姿に思わずときめいてしまう葵を堪能していきたい。
 薫にヘビを投げつけられて悲鳴を上げる姿といい、葵はなんか皆本とは違う意味でいじめがいがあるキャラになりつつある気がします。

結界師

 今週の「結界師」は、式神時子さん(製品名・HM-12時子)の性能の高さにビックリですよ。家事手伝いを楽々こなし、常に礼儀正しく、しかも萌え要素の基本であるアホ毛まで標準装備しているとは恐れ入ります。
 勿論、HM-12の原型であるところの雪村時子さん(製品名・HMX-12時子)も素敵でした。特に、屋根をヒョイヒョイと飛び移る姿は、ちょっと化け物じみてて素晴らしいです。繁守じいさんといい時子ばあさんといい、ホント年寄りが輝いている少年マンガですよねコレ。80代の読者がいるというのも納得です。

あいこら

 「ラーイ!」で吹いた(バカ)。

 『腰のくびれフェチ』という概念が存在することを、恥ずかしながら私は今週の「あいこら」で初めて知りました。フェチの世界はどこまでも奥深いです。
 人体の部位に対するフェチって、あとはどんなのが残っているんでしょうか。私が思いつくのは、せいぜい鎖骨フェチくらいです。あとはうなじフェチとか。「あいこら」には、これからもこの調子でもっとフェチの世界を私たちに教えて頂きたいものだと思います。我々もパーツフェチの素晴らしい世界に旅立ちたい! と思わせて欲しいです。新世紀人体フェティシスト開発マンガ「あいこら」の今後に期待です。

ハヤテのごとく

 心から嬉しそうにヒナギクをいぢめるハヤテが印象に残りました。
 このマンガの中でハヤテが他のキャラに対して絶対的な優位に立ったのって、実はこれが初めてなのではないのでしょうか。これまでは散々苦労させられましたが、やっと苦労が報われましたね! よかったねハヤテ!(まちがい)

道士郎でござる

 健介殿は本当に格好いい男に成長したと感じました。

こわしや我聞

 「本当のヒーローは遅れて登場する」の法則に従って遅れて登場した桃子は、今週ついにホンモノのヒーローの仲間入りを果たしました。
 しかも、あんな絶妙のタイミングで仲間のピンチを救うだなんて! オレが優さんなら、確実にキノピーに惚れるね!(キノピー?)

D-LIVE!!

 斑鳩に惚れ込むあまり、ロコ(ツンデレ)がついにストーキング行為を!
 ロコをいいように操る百舌鳥さんの暗躍っぷりが恐ろしいです。

 あと委員長の春日さんが、お約束通りドジッ娘化しててグッと来ました。
 私の報われないキャラ萌え属性が疼いて仕方ありません。

2005/11/05

■生存証明(サンデー49号感想)

ハヤテのごとく

 ハヤテ×ナギ、ヒナギク×美希、ヒムロ×ハヤテ(あるいはタイガ)、そしてマリア×サキ。
 ノーマル・百合・やおい・ショタ・イロモノ。このマンガ、カップリングを取り揃えすぎです。「ハヤテのごとく」が、「犬夜叉」や「コナン」に代わって同人誌即売会のサンデースペースを席巻する日も近いのではないかと思われます。

見上げてごらん

 地獄の特訓を生き抜いてパワーアップしても、相変わらずの軟弱フェイスを維持している富士丸君は萌え対象だと思いました。

結界師

 先週の「結界師」は、一話をまるごと限の葬儀の描写に費やすことで、人が一人死ぬことが如何にその人を取り巻く社会にとって大きな影響を与えるのものなのかという、「人の死」が持つ意味の重さをキッチリ描いていて感心しましたが、今週は良守が限の死を自分の中で受け入れ、一回り成長した様子をきちんと描いていて好感が持てます。また、そんな彼を見つめる時音の表情も素晴らしいです。
 少年マンガの枠の中でこのような表現を実現することが可能な、田辺先生の漫画家としての力量はハンパな領域じゃないと思いました。マジで。

 次に良守達と黒芒楼が激突する時は、相当に熾烈な争いになりそうな予感。想像するだけで震えが来ますよ(怖くて)。
 「結界師」は、今一番少年マンガとして正統派の「熱さ」を持ってるマンガだと思いました。

あいこら

 「こんな作られたモノで満足できるのかよ!
 今井上先生が、虚構の世界で萌える者達に対してケンカを売ったー!

 今回は、いわゆる「ツンデレ萌え」が如何にアレであるかを客観的に提示していて面白いなと思いました。
 パーツフェチもツンデレ萌えも、どいつもこいつもみんな揃って社会不適合者だなあハハハ。ハハハ。

絶対可憐チルドレン

 犬神初音は、シロとタマモの融合キャラみたいな感じがしますね。基本的な性格はタマモで、変身能力はシロ。
 見てくれはクールで取っつきにくそうな彼女ですが、皆本に対して素直に挨拶してみたり、仲間の宿木君には正直に自分の能力の限界を告白してみたりと、根は割と素直な子であるようです。個人的に、彼女にはぜひ現在「ツンデレ」の対極として注目を集めつつあるアーキタイプである「素直クール」なキャラに成長して欲しいところ。
 なお、「素直クール」とは、全く表情を変えずに「好きだ。結婚してくれ」とか凄いことを言い放つことができるタイプです(聞いてません)。

 あと宿木明の能力からは、「妖女サイベルの呼び声」に出てきた概念である『マインド』を連想しました。相手の心(マインド)に入り込み、その心を掌握して操ることができる力。今週の完成原稿速報を見る限りでは、人間に対しても効果があるみたいなので尚更です。例えが古い?

兄ふんじゃった

 「メガネを取るとカワイイ」ってのは、古典的なツンデレ表現なのではないかと思いました。メガネを掛けている間はツンツン、取るとデレデレ。
 なので、今週の「あいこら」の登場人物達は、所詮は作られたキャラに過ぎないメイド喫茶のツンデレメイドではなく、本物のツンデレキャラである「兄ふん」の委員長にこそ萌えるべきだと思います。

2005/10/21

■素直に「腐女子にウケそうな展開キター!」とは書けない大人の事情について考察します(別名:週刊少年サンデー47号感想速記版)

キッチンでご飯食べてるハヤテとマリア(ハヤテのごとく)

 ハヤテとマリアの二人が、キッチンで鮭の塩焼きとご飯とみそ汁という庶民的なメニューの食事を淡々と済ませている様子が、妙に私の心のツボに刺さりました。なんて様になるんだこの二人。
 ナギの素行の悪さを憂う二人の姿は、まるで娘のことで悩む若夫婦みたいですよ(変な例え)。

 あと、今時ブルマを出しても「マニア人気を狙ってます」という記号的な意味合い以上の効果は期待できないので、トレーニングのシーンでナギにブルマではなく短パンを履かせた畑先生の選択は正しいと思います。

限、烏森に死す(結界師)

 私は1980年代における週刊少年ジャンプの洗礼を受けて育った世代なので、例えマンガの中で主役級のキャラが刀で派手に斬られて血まみれで倒れた挙げ句に「死亡確認!」と王大人に宣告されたとしても、「どうせ後で生き返るんだろ?」と斜に構えて読んでしまうタイプなのですが、そんな私でもさすがに今週の「結界師」における限の死にっぷりは本気でヤバいと思いました。

 特にヤバさを醸しているのが「烏森の地では、『死』を受け入れるとそれが急速に加速する」という描写の部分。限に「死」が迫っていることを悟った良守が悪寒を感じてゾクッとなるシーンがありましたが、ここを初めて読んだ時には私も寒気を感じてしまいました。これはヤバいです。本当に死の香りがします。
 死んだ人間って、生きていた頃と姿形は一緒でも、明らかに「何か」が違うんですよ。その「何か」が、今週の「結界師」の限から感じられる気がしてなりません。少年マンガでここまで現実の「死」が持つ薄ら寒いイメージを感じたのは初めてかも。
 田辺イエロウ先生の描画力もついにここまで来たのかー、と違う意味で感心してしまいました。

 しかし、ここで限が死んでしまうと、このマンガには「良守と公式カップリング状態になるとそのキャラは死ぬ」という新しいジンクスが生まれてしまいかねません。果たして限の運命や如何に。

姫葉薊、南の島から復帰(クロザクロ)

 「クロザクロ」のコミックスのオマケマンガ『ウラザクロ』において、他の出番が無くなった女性キャラ達(幹人の幼なじみと妹)と一緒に南の島に行ってスクール水着姿でバカンスを楽しんでいた姫葉薊ですが、意外な局面で本編に復帰することに。夏目先生は「『ウラザクロ』は5巻で最後にする」みたいなことをマンガの中でおっしゃってましたけど、それって本当に「彼女たちをもう一度本編に復帰させる」という意味だったんですね。

 その本編の方は、敵も味方もそれそれが己のテーマらしきものを語り始めながら戦い続けるという、なんというかこう終局臭い雰囲気が漂うアレな展開になりつつあり、そういう意味でも盛り上がりを見せて来た感があります。
 そんなヤバい状況で、如何にもヤバそうな武器を持って登場した薊。なんかこう、雰囲気的に対上位種用使い捨て決戦兵器! あるいは最終兵器薊! みたいな扱いをされること必至な彼女に、果たして明るい明日は訪れるのでしょうか。というか、むしろこのマンガ自身の明日が(以下略)。

「僕はねっ! マトモで正常な人間です!」(絶対可憐チルドレン)

 椎名高志のマンガに出てきてしまった時点で、自分をマトモな人間であると主張するのは諦めた方が良いと思いました(感想)。

 そういう訳で今回は、兵部の差し金で子供達にいいように遊ばれてしまう皆本がたいへんに面白い回でした。この前発売されたばかりのコミックス1巻では子供達を「君たちはただのガキだ!」と大人らしく叱り飛ばしていたあの皆本が、今ではすっかり少女達に振り回されるヘタレキャラに早変わりですよ。女に振り回される男を描かせると、椎名高志センセは相変わらず天下無双の実力を発揮しますよね。すごいすごい。
 また、先週の段階ではその胸の小ささから皆本を誘惑すること極めて至難ではないか? と心配されていた(オレに)葵でしたが、「メガネの優等生が意中の男子にうっかりパンツを見られてしまい、慌てて隠しながら頬を赤らめる」という彼女にしかできない高等技術を披露し、一躍評価が鰻登りに(オレに)。そういう手で来るとは意外でしたよ! 葵はやればできる子なんだ(萌えを)! と思いました。

 そして最後のページでは「あと一押しで、その坊やは永久に僕のものだ…!」と兵部が問題発言を行い、彼の目的が「薫を皆本の手から奪取」から早くも「薫をいいように使って皆本を奪取」に転換されたことを読者に対して強烈にアピール。これまではあくまで読者の妄想の中の関係だった兵部×皆本が、ついに公式のものとなってしまいました。
 ハシラでも『ちょっとマニアックな女性読者にウケそうな展開キター!』と煽ってましたが、2ちゃんねるの801板の関連スレッドを読む限りでは、みんなそのアオリに自ら乗って大喜びで釣られながら楽しくハマってるみたいですよ。

 原稿速報によれば次週は深海の潜水艦が舞台になるみたいですけど、こんな状況下で潜水艦という名の密閉空間にあの三人娘と一緒に閉じこめられることになる皆本の理性と純潔が心配です。皆本の悲鳴はもう誰にも届かない!

「世界中の人間達、みんな死んじゃえよ」(からくりサーカス)

 サンデーきってのダメ人間であるフェイスレス。「自分以外の男が全員死ねば、きっと自分は彼女からモテるはずだ!」「彼女と宇宙船の中で二人きりになれば、彼女は自分を愛するしかなくなるはずだ!」と、ダメ人間ならではのダメ思考でエレオノールとわしとの密溢れる神聖モテモテ王国建国に挑んでは失敗してきた彼でしたが、ついに万策尽きた模様。ダメ人間にありがちな「みんな死んじゃえ!」モードに入ってしまいました。
 「この世を燃やしたって、一番ダメな自分は残るぜ!」と、高らかにダメ人間の悲哀を歌った筋肉少女帯の「踊るダメ人間」さながらの生き様を爆走し続けるフェイスレス。自分は誰からもモテないダメ人間であり、ダメならダメなりに生きて行かざるを得ないという純然たる事実を今もなお受け入れることができない彼は、「生きる」ことの本当の価値を知っている非ダメ人間・勝に永遠に勝てないまま、きっといつまでもこの調子で永遠にダメなままダメな戯れを繰り返し続けるのでしょう。

 そんな訳で、私にとって「からくりサーカス」は、ダメ人間のフェイスレスのダメな生き様を楽しむマンガとなりつつあります。
 今度はどんなダメなことしてくれるのかなー?(ダメ)

近藤さん退場(ネコなび)

 「ネコなび」作者の杉本ペロ先生は担当編集者の近藤さんに萌えに萌えまくっており、「ネコなび」とは即ちペロ先生による近藤さん萌えマンガであることはサンデーを読んでいる人なら誰でも知っている明白な事実なのですが、それだけに今回の「ネコなび」の担当編集者の変更はかなり影響が大きいのではないのではないか? と思われます。
 愛する近藤さんに代わって新しく担当編集者となった國友さんに対するペロ先生の今の感情が如何なるものであるのかは、彼を真っ黒のシルエットで描いているところから伺い知ることができます。ちょっとヤバくね?(曲解)

 漫画家と担当編集者の関係はその作品のクオリティに大きな影響を及ぼしますが、「ネコなび」の場合は尚更それが心配です。果たしてペロ先生は、かつて近藤さんにそうしたように、國友さんに萌えることができるのか否か。この連載の今後の成功は、そこにかかっていると申し上げても過言ではないでしょう。
 つうかペロ先生は、担当編集者よりもむしろ猫ちゃんにもっと萌え萌えになるべきだと思うんですけどね!

 しかし、週刊ポストから週刊少年サンデーって畑違いもいいとこな気がするのですが、小学館的にはそういう人事異動もアリということなのでしょうか。「サルでも描けるまんが教室」には担当編集者が「週刊少年スピリッツ」から「盆栽日本」に異動したネタが出てきましたけど、あれって小学館では本当に起こりえることなんだなあと思いました。

2005/10/15

■「少年サンデーの目指す低年齢路線? 知るかよ、そんなこと。」サンデー46号感想速記版

クラウス×ハヤテ(ハヤテのごとく)

 眼鏡キャラが眼鏡を外す時!
 それは即ち、大切な人のために本当の自分をさらけ出す覚悟を決めた時!

 という訳で、今回はクラウス殿がハヤテを助けるために眼鏡を外したら、ものすげえダンディヒゲオヤジが出てきたよ! うわー超とーきーめーくー!(ハヤテが) という感じのエピソードに。クラウス格好良すぎますよ! こりゃハヤテでなくても惚れるよ! クラウス×ハヤテのカップリングは、この冬の「ハヤテ」同人界隈を席巻すること間違いなしですよ! とか見境なく叫んでしまいたくなるくらいの格好良さです。これが一流の執事の実力!

 作者のコメントによれば、本来ならば普段あまり出番がない伊澄や咲夜に登場の場を与えるためのエピソードであったようなのですが、もはやそんな女子キャラはナギを含めてどうでもいい領域に突入してしまいましたよこのマンガ。「ハヤテのごとく!」は、そういう意味でどんどんオトナの女性向けのマンガになってますよね。よね。

『がんばって…』(結界師)

 今週の「結界師」は、二人の愛の結晶である卵から生まれた雛を壊して良守の元へと走った限に対する怒りのあまり、火黒がついカッとなって刺してしまった! という展開でした(まちがい)。
 今週グッと来たのは、時音姉さんが『がんばって…』と良守を心の中で応援するシーンでした。良守に対して突き放すような態度を取りながらも、内心では彼女なりに良守×限のカップリングを応援しているという解釈が成り立つということに?(まちがい)

今週の「あいこら」

 今週の「あいこら」は、「少年サンデーの目指す低年齢路線? 知るかよ、そんなこと。」という、井上先生の決意に溢れたエピソードだと思いました。性に目覚めた童貞ボーイズのハートを狙い撃ち! これぞ真の少年マンガというモノなんだよ! という井上先生の魂の叫びが、誌面から聞こえて来るようです!

「自分の担当するエスパーに手を出すね」(絶対可憐チルドレン)

 皆本は残念ながら子供に対しては全く興味が沸かない、至ってノーマルな感性の持ち主みたいなのですが、でも「体はオトナだけど心はコドモ」というアブノーマルなシチュエーションでは思わずグッと来てしまうことが今回のエピソードで判明。実は「ななか6/17」とか好きなタイプ?(決めつけ)
 とりあえず、今回のお話は椎名先生が兵部になりきって皆本をオモチャにしてもて遊ぶことが目的なので、我々読者としても兵部視点で「皆本はからかうと面白いなあ」とか思いながらニヤニヤしながら読むのが正しい鑑賞方法でしょう。それに、お堅い性格のエリート眼鏡男子を持ち前のお色気で悩殺する今回のシチュエーションは全人類女子の夢と憧れに違いないはずなので、そういう視点でも楽しめるのではないかと思います。

 それと今週は、ホラー映画を見て子供っぽく怖がったのを皆本に見透かされ、思わずサイコメトリーで仕返ししてしまう紫穂が可愛かったですね。
 そんな紫穂がもし皆本を本気で悩殺しにかかったらさぞや凄いことになるんじゃないかと思いますので、その辺にも期待しておきます。果たして紫穂は、薫よりも先に皆本を攻略できるのか否か。がんばれ紫穂。負けるな薫。そして、成長すると三人の中で最も胸が小さくなることが判明してしまった葵に挽回のチャンスはあるのか。待て次号。

ガリガリ右京(あお高)

 今週の「あお高」では次回の対戦相手のチームがホームランバーを食べてましたが、これが「ガリガリ君」だったら右京の体格に対する皮肉になっててもっと良かったのにな! と思いました(まちがい)。

まだまだ続くからくりサーカス

 先週のコロンビーヌの最期のシーンには素直に感動してしまったので、基本的にひねくれたことしか書けないこのページには感想を書くことができませんでしたよ。申し訳なく!(こんな自分が)

 それはそうと、フェイスレスとの戦闘が思って今度こそ勝とナルミが合流することになるのかな? と思っていたんですけど、どうやらしろがねが運ばれたキャンプには、勝はまだ到着していない模様。そう考えると、まだ大団円までにはもう一悶着あるのではないかと思われます。専門用語で言うところの「もうちょっとだけ続くんじゃよ状態」にあると考えて問題なさそうです。ミンシアこわい。
 あと、エリ王女が登場した時、彼女が過去にこのマンガに出てきたのを記憶していた自分に感動した。オレの記憶力も捨てたモノじゃないなと思った(バカ)。

終わりそうな我聞

 國生さんと我聞のラブラブカップル成立における重大な伏線になるはずだった「國生さんの反仙術能力」が、こんなにアッサリ使われてしまうだなんて! なんてもったいない! と思ってしまいました。
 やっぱり、もうすぐこのマンガ終わっちゃうんでしょうか?

2005/10/10

■絶チル12話がすごすぎる件について

 今週のサンデー45号に掲載された「絶対可憐チルドレン」ですが、ZETTAI KAREN BLOGGING(愛称:絶ブ)で引っかかる件数が普段よりも多いような気がします。今回のエピソードを「読み切り版以来の傑作」と評するコメントもあったりして、評判は上々な様子。いやもう今回はホントに面白かったもんなあ。

 また、今回のエピソードは、普段よりも多めにパロディが盛り込まれていることも話題の一つになっています。ですので、現段階で個人的に把握できたパロディとその元ネタを、簡単にまとめてみました。
 「他にこういうのもあるよ」といったご指摘は大歓迎。

サブタイトル:プリンセス・メイカー
プリンセス・メーカー。ガイナックスが1991年に発売。プレイヤーが戦災孤児の少女を養女として引き取り18歳になるまで育成する、というコンセプトが当時のゲーマー層に大ヒット、ガイナックスを代表するゲームソフトとなる。
 エンディングの一つに「娘がプレイヤーと結婚する」というものがあり、今回のサブタイトルは谷崎の野望からの連想で付けたものと思われる。
谷崎一郎
谷崎潤一郎。明治後期から戦後にかけて活動した小説家。代表作は『痴人の愛』など。
源氏物語』の現代語訳に取り込んだことでも有名。谷崎潤一郎の名前を持ってきたのは、そこからの連想であると思われる。
梅枝ナオミ
→「梅枝」:源氏物語の中の一節のサブタイトルに「梅枝」というものがある。源氏物語の各帖の名前は、女性の源氏名として好んで使われたという。
→「ナオミ」:谷崎潤一郎の作品『痴人の愛』の登場人物。『痴人の愛』は、カフェの女給であったナオミを見出した主人公が彼女を自分好みの妻に仕立てようとするも、逆に彼女の妖婦っぷりに翻弄されて破滅していくまでを描いた物語。

ProductName 痴人の愛 (新潮文庫)
谷崎 潤一郎
新潮社

キティ・キャット
→子猫ちゃん。「キティ」「キャット」も共に猫を表す言葉であるため、「ネコ被ってる」という意味合いも持つ(らしい)。
「ワイルド・キャット」は野良猫。転じて、奔放で手が付けられない女性という意味合いも持つ(らしい)。
天井から落ちてくる金ダライ
ドリフターズのコントに出てくる定番のギャグ。アニメ版「月詠」の最終話に出てくる程有名。
タライを頭に乗せながら「すみませんごめんなさい」と謝るナオミは萌え。
超力招来
→東映の特撮作品『イナズマン』の主人公が、サナギマンからイナズマンに変転するときの掛声。
「オヤジスイッチ入ります。」
安野モヨコの「働きマン」に出てくる「男スイッチ」のパロディ。
 雑誌編集部で編集者として働く主人公・松方弘子は、締め切り前の緊急時になると『男スイッチ入ります。』のかけ声と共に「働きマン」に変身、血中の男性ホルモンが増加して通常の三倍の勢いで仕事をこなすようになるのだ! というマンガ(間違ってはいない解説)。
「次はおいちゃんの番だよ~~?」
→「史上最強の弟子ケンイチ」のエロオヤジ・馬剣星がモデル。
 でもおそらく薫の方がエロい。

 あと、大変にどうでもいいことなのですが、葵のスカートが薫のサイキックで破られたコマの後、葵の下半身がマンガの中で描画されていないことが気になります。これはきっと、読者のあらぬ妄想を刺激させようという作者の陰謀に違いありません。椎名高志おそるべしです。

Page 25/46: « 21 22 23 24 25 26 27 28 29 »