2005/10/07

■「絶チル」の梅枝ナオミよりも「兄ふん」のヤン子の方がナイスバディなのではないかと思われる件について(別名:サンデー45号感想速記版)

「10月は改編期だから、納得行かない最終回でもあったんじゃないですか?」(ハヤテのごとく!)

 納得行かない最終回!
 種死か! 種死のことか!(超反応)

 今週号の原稿を書く段階で、既に「ガンダムSEED DESTINY」の最終回が多くの視聴者にとって納得行かないモノになることを予見していた畑先生は流石だと思いました。伊達にサンデーで一年間も連載を続けてないね!(失礼な褒め方)

 そして「DESTINY」と言えばルナマリアの絶対領域ですが、今週の「ハヤテ」で個人的に一番グッと来たシーンも、P.24でハヤテに靴紐を結んでもらっている時のナギの絶対領域でした。こんな格好で男子に靴紐を結んでもらうってのは、いくら何でもシチュエーションがエロ過ぎます。自分から彼にパンツを見せていると解釈されても仕方がない格好ですよコレ。キタコレ(流行語)。
 もしこれを意図的にやってるんだったら、ナギは立派な小悪魔キャラとして純で初心なハヤテをタジタジにできるところなのですが、逆に自分がハヤテを意識してしまってタジタジになってしまうところがナギクオリティ(流行語)。

 願わくば、「ハヤテのごとく」にはこのレベルのぬるいラブコメを1年と言わず永遠に続けて欲しいところなのですけど、今週のWebサンデーの畑先生のコメントを読む限りでは、やっぱり最後はこの状態を脱してキッチリとラブコメを終演に導く意志に溢れている模様。畑先生がこれからどこまで頑張れるのか、果たして先生が目指すような最終回を無事に迎えることができるのか、我々としても暖かく見守っていきたいと思います。
 まかり間違っても、大量破壊兵器が宇宙を飛び交った挙げ句、最終回間際でナギが「ありがとうヒナギク。そしてさようならだ」と池田秀一ヴォイスで言い出すような展開にはならないようにお願いします。

 「ガンダムSEED DESTINY」の最終回は、ルナマリアが死ななかった点は良かったなと思いました。

「シルヴァのセリフはベネズエラの総意ってことか…!!」(MAJOR)

 吾郎が「総意」なんて難しい言葉を使っていたのでビックリしました。
 あと、ドジッ娘化した清水は萌え対象だと思った。

地尚拳連環掌拳脚法(史上最強の弟子ケンイチ)

 「我が絶招をもって打ち砕かん!

 かつてサンデーに連載された中国拳法マンガのバイブル「拳児」に出てきた『絶招』と呼ばれる技は、八極拳における猛虎硬爬山にしろ、心意六合拳における虎朴把にしろ、どれもただ一度打つだけで対戦相手を倒す、文字通りの一撃必殺の攻撃方法として描かれていました。
 が、我らが李師父が繰り出した絶招は、地面を転がりながらパンチやキックを延々と出し続けるだけという、これまでの私の認識の中には全く存在していないものだったため、今週の「ケンイチ」を初めて読んだ時には軽いショックを受けてしまいました。これまでの常識を覆す、全く新しい必殺技の形を見た気がします。中国拳法もついにここまで来たか! と考えさせられた気分に。これがパラダイムシフトというものなのでしょうか?(ちがうよ)

薄皮療法(最強!都立あおい坂高校野球部)

 今週の「あおい坂」は、右京とイチャイチャしているマサハルにキタローが嫉妬して二人の関係が壊れそうになるものの、マサハルが「オレの本命はオマエなんだ!」とキタローを諭して再びラブラブになる話、と要約するしかないストーリーで、久しぶりに自分が腐女子に生まれてこなかったことがたいへんに悔やまれる内容でした。
 「オレの復活まで右京で我慢しといてよ」という台詞は、あらぬ妄想を色々とかき立てますよね! ね!

 そして、「あお高」のキャラ達はみんな「発掘!あるある大事典」に釣られすぎだと思った(本当の感想)。

式神時子(結界師)

 今週の「結界師」は、時子の姿が見えないことに気付いた繁守が、「時子! 時子!」と叫びながら雪村家の中を必死の形相で駆け回る姿に心を打たれました。オレは本当の「純愛」って奴を、今週のじじいの中に見たね! じじい最高!
 そして繁守が邂逅した時子の式神ですが、「式神」というだけあってどっか非人間的なところを感じさせます。何というかこう、これはこれでという感じ(何?)。本物の人間時子さんをHMX-12に例えれば、式神時子さんはHM-12といった趣。例え家に強盗が侵入しても、ご主人様をしっかりガードしつつ最寄りの結界師に通報する機能を標準装備しているところが、HM-12時子のメイドロボとしてのセールスポイントだと思います。

 あとその時子さんの孫娘の時音さんですが、すっかり良守と限のラブラブっぷりにアテられたのか、今回ばかりは良守を「あんたは強い!」と元気付けるのが精一杯な模様。いつか彼女には、「Mr.ジパング」のヒカゲのように、いちゃつく男二人を遠目で眺めながら「まー、モテちゃって♥」とか言いつつニヤニヤするくらいの懐の深さを持ってもらいたいところですね(無理)。

踏まれフェチ(あいこら)

 「あいこら」が始まってからというもの、「井上先生には、また『美鳥の日々』のようなほのぼのラブコメを描いて欲しい」といった感想を時折見かけることがありますけど、でも今週のエピソードを読んで頂ければ、そんなものを望むのは今の井上先生に対しては野暮の極みである、というのが納得頂けると思います。
 また、「あいこら」が始まった時には「これってラブひなのパクリじゃん!」みたいな意見をよく見かけましたけど、今となってはそんな無粋なことを言う人はもう誰もいないでしょう。常道を逸したポジティブな変態キャラが立て続けに登場し、作品世界そのものがその変態行為を是として賛美する構造になっているこの作品は、その他の凡庸な量産型美少女わんさかラブコメディーとは、もはや一線を画した存在となっているのです。いや、一線を画すというよりも、むしろもう周囲に誰も存在し得ない領域に到達しているとさえ言えるでしょうか。
 この作品に対しては、もう「オンリーワン」というありきたりな表現すら生ぬるく感じます。孤島! 極北! 唯我独尊!

 井上先生には、己が選んだこの路線をどこまでも歩み続けて頂きたい。
 私はもはや、そう願うのみであります。

「結局キスしちゃったね♥」(ブリザードアクセル)

 「あいこら」を極北とするならば、「ブリザードアクセル」はまさに王道

 女性に顔面を踏んづけられて喜ぶ展開が許されるのは「あいこら」だけですが、背中を押されて倒れるついでに偶然チューしちゃった! だなんてベッタベタな展開が許されるのは「ブリアク」だけです。歩む道は違えども、その道を極めることでその作品独特の個性を表現しようとしている――という意味において、両者は同じレベルで極まっていると言えるのではないのでしょうか。
 でまかせですが(だいなし)。

「うっわ最低だコイツ!」(絶対可憐チルドレン)

 今、皆本がこのマンガの基本コンセプトを否定したー!(まちがった感想)

 椎名先生のサイトで公表されたバグ情報ページには「せっかくの新キャラ、登場するなり源氏物語から持ってきた風雅な雰囲気が台無し」と書かれていましたけど、今回のエピソードのコンセプトそのものが「清楚で上品な雰囲気の女性を台無しにする」話なので、正直どっちもどっちだと思いました。

 あと、原稿速報ではエロなマンガにツッコミを入れる無粋な読者に対する予防線を一生懸命張ってましたが、こういう内容なら誤解を招かないためにこういうアナウンスをするのも致し方ないかなあという気に。実際、「もうテコ入れかよ!」みたいなコメントもネットで見かけましたしね。
 ファンサイトとして一応フォローしておきますが、あれは決してテコ入れではなく、基本的に椎名高志という漫画家はこういうマンガを描きたくて仕方がない人なのです。「絶チル」は一見すると「決して解り合えない超人と人間の関係の悲劇」を基底としたハードSF直系の深遠なテーマを抱えた物語のように見えますが、本当に椎名氏がやりたいマンガは今回のようなノリですので、その辺を知った上で「絶チル」を鑑賞して頂けると、より楽しめるのではないかと思われます。
 本心ではエロとパロディに彩られたマンガを作りたいにも関わらず、ひねくれた生真面目な性格が災いして素直にそんなマンガを作ることができない、ツンデレ的アンビバレンツな心境と戦いながら毎週毎週マンガを描いている椎名先生に萌えて頂きたい。

 椎名高志ファンサイト C-WWW へようこそ(挨拶)。

「私はバカですから、若様にお仕えすること以外考えられません!」(こわしや我聞)

 かつてサンデーには、本当のメガネッ娘が存在した!
 その名は千紘

 と、ついレジェンドを伝承してしまいたくなる程、今週の千紘は完璧なまでに「ご主人様に仕える、ドジでメガネなメイド」を演じていたと思います。
 十曲は超増刊連載版時代からの我聞のライバルキャラだった訳ですが、さすがに今週で「我聞のライバル」としての十曲才蔵の命運は尽きたと思うので、才蔵は千紘を嫁にして故郷に帰って家業を再興するが良いと思いました。「我聞」もそろそろ終演が近いんでしょうかねえー

2005/09/30

■サンデー44号における「ワイルドライフ」の動物描写の抽象ぶりはもはや芸術の域

「これならば、清麿も回復しながらついていける!」(金色のガッシュ)

 熱血しているところ大変に申し訳ないんだけど、いくら何でもそれはちょっと回復できないような気がします! それじゃまるで、棺に入った状態で連れ回されるドラクエのキャラみたいですよ! 一度死んでも休めない清麿はたいへんだなあ!
 あと、大怪我してるんだから、介抱する意味でもせめて服ぐらいは脱がせた方がいいんじゃないかと思った。エロくない意味で。

李天門大はしゃぎ(史上最強の弟子ケンイチ)

ぬっはあああ!

 たしかに拳法を極めた達人はどんな相手をも一撃で倒すと言われてはいますが、いくら達人と言えどもコンクリートの壁を頭突き一発で粉砕してしまうってのは、ちょっとヤリスギなような気がします! しかも「ぬっはあああ!」ってアンタ! この奇声は達人と言うよりは変態の域ですよ! 警察呼ばれますよ!

 とは言うものの、いい年した大人が子供相手に地面を転がったり弾道ミサイルごっこをしたりコント以外には成立し得ない方法で壁を壊したりと大暴れする今週の「ケンイチ」は、個人的にはとても楽しく読むことができました。特に、最後のシーンで一人で勝手にキョロキョロした挙げ句にいきなり背中から凄い勢いで倒れ込み、目からビームを出しながら「馬 剣星!」と叫ぶシーンの彼は、最高に輝いていたと思います。こういう大人になってもいいんだ! と思います。
 爽やかな感動をありがとう李天門師父。そしてさようなら(決めつけ)。

暴走すると萌えキャラになる薫(絶対可憐チルドレン)

 限界を超えて能力が薫を中心に爆発したシーンで、「危険がウォーキング」を思い出した人?(挨拶)

 もはや「絶チル」におけるオチの定番と化してきた感がある薫の暴走ネタですが、今回は『頭を使って超能力をコントロールし過ぎると萌えキャラに変身する』という新機軸で攻めてきました。最後のシーンで「バッカ、ちげーよ!」と皆本に元気に飛びかかる本来の彼女もカワイイですが、まんまる白目の状態でフラフラしてる暴走状態の彼女もゾンビみたいであなどれない可愛らしさを発揮。
 「にゃ」とか「にょ」とかいうテクニカルタームを交えつつ皆本に甘える薫に至っては、もはや萌え対象です。

 しかし今週の最大のポイントは、前回のエントリでも書きましたが、皆本が兵部に対して顔を背けながらも「コイツ(薫)を守ってくれて感謝する」と礼を言ったところにあります。
 彼の兵部に対する態度と台詞からは、「相手に感謝したいんだけど、これまでの手前を考えると素直に自分の気持ちを伝える訳にもいかない」という、アンビバレンツな心境を読み取ることができます。つまり、この時の彼の心理は、ツンデレキャラが異性への恋に目覚めた時のそれと等価なのです。
 即ち、このシーンでの彼の台詞を判りやすくツンデレ語に翻訳すると、「あたしはアンタに助けてもらったから、それのお礼を言ってるだけだからね! あ、アンタのことなんか別に何とも思ってないんだから! か、勘違いしないでよ!」ということになる訳であり、これは即ち専門用語で言うところの『フラグが立った』状態であることは明白であります。

 チルドレン達になつかれてる時は「内心は嬉しいんだけど表面上はそれを隠している」むっつりスケベな状態を押し通している皆本ですが、兵部の前ではツンデレとなってしまう。薫を兵部の魔の手から守るはずの立場の彼が、そんなことで本当に大丈夫なのか。薫を媒体とした兵部と皆本のこれからの展開や如何に?
 そんな感じで、ますます作品構造に奥深さが出てきたこのマンガの今後に期待です。期待の仕方が間違ってる気もしますが気にしない。

「すみません頭領。俺、言いつけ守れませんでした」(結界師)

 限に対する良守の表情の変化が面白かった今週の「結界師」。腕を吹き飛ばされた時には心から限のことを心配し、「お前は化け物じゃない」と諭す時には親友の顔になり、そして完全変化を遂げた限を見て「かっこいいじゃねーか」と戦友のように不敵に笑う。どれも、良守が如何に限のことを大切に思っているのかが伺える描写です。

 そしてその限は、自分のことを「化け物じゃない」と言ってくれた良守を救う為に、「変化をしない」という正守との約束を破る決断を下します。先週までは、戦いの最中でも正守の笑顔を脳裏に浮かべてしまうくらい正守を崇拝していた限でしたが、自分の心の中では正守の期待よりも良守の信頼の方が大きくなっていることに、ついに気付いてしまったのです。
 「すみません頭領。俺、言いつけ守れませんでした」という限の言葉は、自分の中の正守の虚像との決別の言葉でもあるのです。

 という訳で、今週は良守×限が公式カップリングと認められるエピソードだったと認識致しました。
 認識の仕方が間違ってる気もしますが気にしない。

「キス…してみようか?」(ブリザードアクセル)

 「あいこら」なんていう極まったラブコメマンガが載っている雑誌の中で、あくまで王道の青春ドラマを描こうとする鈴木央先生の姿勢はストイックで格好良いです。

 次週は、如何に格好良く吹雪が六花を説得し、彼女に自尊心を持たせてやるかがポイントでしょう。
 というか、一度キスしたくらいで異性と心が通い合えるようになれるんだったら、誰もこんなに苦労はしないと思いますYO!(←何かあったんか)

取材のため休載が長引くうえきの法則

 もう何週間も連続して「うえきの法則プラス」が取材のためお休みとなっていますが、さすがにこれだけ「取材」が続くとちょっとヤバいんじゃないかという気に。大丈夫か福地先生。

2005/09/29

■絶チルに関係する様々な思考テストの続き

 絶対可憐小泉チルドレン!(オヤジギャグ)
 前回に引き続き、たいへんにどうでもいいことが書かれている「絶チル」関連の雑感メモの続きです。

4. 紫穂だけが表現できる色気を考えるテスト

 第10話で紫穂が浴槽の中でエビアンを飲んでいたシーンがあったが、個人的にはエビアンよりも硬度がやたらと高くて慣れないうちは飲み込むことすら一苦労することで有名なセレブ御用達ミネラルウォーター・コントレックスを、時々喉に詰まらせて咳き込みながらも頑張って飲んでるシーンが見たい。勿論紫穂のことなので、飲み干した後は何事もなかったかのようにニッコリ微笑むに違いない。

 原稿速報では椎名先生がマンガの中のエロいシーンにツッコミを入れてくる読者に対する怒りを表明していたが、本当のエロってのはパンチラとか乳濡れとかではなく、そういうことを言うんだと思う。
 ただのフェチとも言う(フェチです)。

5. 兵部×皆本カップリングテスト

 原稿速報では椎名先生がマンガの中のエロいシーンにツッコミを入れてくる読者に対する怒りを表明していたが、それはそれとして、これまで絶チルで一番エロスを感じさせるシーンは、第2話で紫穂が脱いだ自分の靴下の臭いに顔をしかめているところだと思うがどうか。
 次点は、第8話でパイプ椅子に縛られて座らされて拷問を受けてた皆本。この二人の潜在的なエロさは底知れない。

 新キャラの兵部京介には残念ながらまだそういう意味でのエロさが足りてないのだが、今週の「絶チル」で皆本から目を反らせながらも感謝の言葉を引き出せたのは、兵部×皆本の関係性の構築を妄想する上では収穫だろう。このシーンでの皆本はちょっと照れていたはずなので、きっとツンデレっぽく頬を赤らめていたはずだ。兵部には、薫の潜在的な戦闘能力をより高めたのと同じように、皆本の潜在的な魅力を引き出す能力があるのかも知れない。
 兵部×皆本の関係性が成立するかどうかは「絶チル」の作品評価にも関わる重大観察事項であるので、引き続きそういう観点からも注目していきたい。

6. 隣のお姉さんみたいに優しい心境になるテスト

 原稿速報では椎名先生がマンガの中のエロいシーンにツッコミを入れてくる読者に対する怒りを表明していたが、私が推測するに、少年マンガ雑誌に載っている「ちょっとエッチな要素」が作品世界の根幹を成しているタイプのマンガに対して「このマンガには人気取りのためのエロなんか必要ない! エロがない方が絶対面白いのに!」と文句を言う読者は、

  • エロが低俗なモノであると認識しており、
  • 自分が好きな作品は低俗ではなく高尚なモノなのだと位置付けたいと願っており、
  • その作品を造っている作者も高潔な人間であって欲しいと願っており、
  • かつそんな自分の気持ちを世間にも認めてもらいたいという、

 ポップカルチャー好きな若者が一度はかかる病気にかかっているのではないかと思う。いわゆる「中二病」の一つ(多分)。赤松健先生のマンガに対して「エロがない方が!」とか苦言を呈していたりするのが、予想される典型的な症状。

 でも、このサイトは基本的に作者は擁護しないで読者を擁護するというスタンスなので、もしそんな書き込みをネットや何かで見かけたら、「それは、男の子なら誰もがみんな一度は経験することなのよ。キミが大人になるために必要な、大事なステップなの。ちっとも恥ずかしいことじゃないわ」と、隣に住む年上の優しいお姉さんのようなおおらかな態度で接していきたい。
 決して、「かつて『GS美神』が小学館漫画賞を受賞した時は、『このマンガはエッチだけど、エッチだけじゃない』ところが審査員に評価されたんだよ! この評価の真意が判るようになってから出直して来いよ!」とか、そういう狭量なことは言ってはいけない。言ってるけど(手遅れ)。

 あと、「今の椎名高志マンガに必要なのは色気よりも萌えではないか」という意見は私もごもっともだと思うのだが、かつておキヌちゃんに萌え萌えなファンに手を焼き、彼等を「病んでるファン」と呼称した経験がある椎名氏にとって、「萌え」で獲得できるタイプの人気には容易に与することができない、という感情はあるのかも知れない。
 とりあえず今週の薫には萌えた(だいなし)。

2005/09/23

■サンデー43号は「週刊少年亜取アキラ」と改名するべきだと思った

「だって俺がここにいるのは…」(結界師)

 自分が生きるか死ぬかの瀬戸際の戦いをしている最中に正守の姿を脳裏に浮かべちゃうから、世間では正守×限が公式カップリングみたいな扱いを受けちゃうんですよ!(公式?)

 カップリングはともかく、今回の牙銀と結界師チームとの戦いを読んでると、アクションゲームをやってて初めて出会ったボスキャラ相手に「こいつにはどんな攻撃が有効なのか?」と探りを入れなから慎重にプレイする、あの感覚を彷彿とさせる緊張感が醸し出されていて素敵だなと思いました。既に「通常の結界技は効かないが、結界を使って物理的なダメージを与えることは可能」「牙銀の火の玉は跳ね返せる、跳ね返す方向のコントロールも可能」「限は牙銀のスピードに正面から対抗できる」等の描写は出てきているので、これらをヒントに攻略法を想像しながら読み進める楽しさがあります。

ウォンレイ退場(金色のガッシュ!)

 これは、「グラップラー刃牙」で言うところの「侠客立ち」(おとこだち)!
 とうに命は枯れ果てて されど倒れぬ「侠客立ち」! 男一代「侠客立ち」!

 以来、リィエンはウォンレイを侠客(おとこ)の鑑として崇め、「侠客立ち」と称して彫物とし、後の代まで彫り継ぐことになったと聞きます。
 聞きません。

妖霊大聖様(犬夜叉)

 「犬夜叉」って実はステキなジジイキャラが多いことに、今になって気付いた。
 高橋留美子デザインのジジイに萌えることができれば、「犬夜叉」はもっと読んでて面白くなるんじゃないかと思いました。がんばろう。

薫に接近する兵部京介(絶対可憐チルドレン)

 自分が演出したピンチの場面に颯爽と乗り込んで意中の女子を助けるという、古典的ながらも手堅い手法で薫に接近する兵部京介。さすが中身は人生経験豊富なお年寄りだけあって、やることに全く無駄がありません。その上で、今の薫に最も必要な「超能力を有効に使う戦術」を指南して、彼女からの信頼を得ることにも成功。
 そんな兵部にかわいい薫を取られてしまった皆本が「そいつから離れろ!」と叫んだ時の表情は間違いなく嫉妬のソレであり、今ここに薫の将来の婿の座を賭けた激しい戦いが切って落とされたと見るべきでしょう。薫を育成するに相応しい男は、果たしてどっちだ!
 ホント、みんな10歳の女の子が大好きな!(語弊)

 あとは、風呂場で濡れ乳(フェチ用語)を薫にマジマジと鑑賞された朧が悪寒を感じていたところが個人的なポイント。これって、薫の視線には、大人の女性をも感じさせる潜在能力を秘めているということになりませんか。その辺どうですか。
 今はまだ子供なのでちょっと横島忠夫的直情エロセンスが先行してしまっている彼女ですが、これが「ぞわっ」という擬音で表現される悪寒ではなく「ぞくっ」という擬音で表現される快感を呼び覚ますくらいの技術を身に付けることができれば、彼女は男性女性をあらゆる手段でメロメロにした上で身も心も支配する、名実共に「女王」として君臨することが可能なのではないかと思われます。

 以上の可能性を考えれば、確かに薫は兵部京介が言うように大変に危険な存在であると言わざるを得ません。
 薫…なんて恐ろしい子…!

今もレオタードにこだわるあだち先生(クロスゲーム)

 「高校行ったら何か運動やれよ。レオタードに手を出す前に

 あだち充先生と言えば「タッチ」、「タッチ」と言えば南ちゃん、南ちゃんと言えば新体操、新体操と言えばレオタード。今現在サンデー読んでる子供達がどこまでご存じなのかは判りませんが、「タッチ」がサンデーに連載されていた時代からマンガを読んで来た人間にとって、あだち充先生とレオタードは不可分な関係にあるのです。
 「あだち充 レオタード」でググると何故か2番目にヒットしてしまう当サイトの責任において、これだけは明言しておかなければなりません。

 今を去ること80年代、まだ「萌え」という概念が発明されていなかった頃、あだち先生が描く南ちゃんのレオタード姿は当時の男性読者のエロ願望を痛烈に刺激。その艶めかしさたるや、「南ちゃんが脱いだ直後のレオタードからは、体温が残ってて温もりを感じるような気がする」と称えられる程でした。また、当時のサンデーのもう一人の雄・高橋留美子先生も「うる星やつら」「らんま1/2」でレオタード姿の女性キャラをバンバン登場させて人気を博し、ここに『エロコメにはレオタード』という黄金律を確立させるに至ります。
 折しも時は大量にアニメが制作されていたアニメバブル期であり、いわゆる美少女アニメと呼ばれるジャンルには、レオタードを基調としたエロい格好をしたキャラクターがそこかしこに見受けられました。「美少女戦士セーラームーン」の登場で、80年代から続いたレオタードムーヴメントは頂点に達します。

 しかし90年代の初頭において、その「セーラームーン」の火野レイや「GS美神」のおキヌちゃんを代表とする巫女キャラに対する人気が上昇。レオタードのような直接的なエロではない、よりソフトかつフェティッシュなエロを好む路線が台頭し始めたのがこの頃でしょう。「GS美神」の中で、椎名高志先生が巫女装束に対して「レオタードにないエロチシズム!」と叫んだ時期を境にレオタード全盛の時代は終息へと向かい始め、より複雑化・フェチ化した「萌え」の時代が始まったのではないか? と私は思うのです。

 そして時は現在、フェチがパーツレベルにまで細分化した「あいこら」なんて変なマンガがサンデーにも掲載されるようになりましたが、その時代においてもあだち充先生はレオタードに拘りを見せている様子。ツンデレキャラに挑戦する気概を見せる一方で、己の基礎を忘れない一徹さも持ち合わせているあだち充先生は、やっぱり凄い漫画家なんだなあと改めて感心させられました。
 がんばって下さい(何だこれ)。

畑先生は本当に林原めぐみの歌が好きなんですね(ハヤテのごとく)

 畑先生の林原めぐみ大好きっぷりな話題に触れるのは、サンデー感想サイトとしての義務です!
 紳士ですから!

 あと、カラオケボックスであのタイプのコンパネが用意されていた場合、つい過去の客の歌った曲の履歴をチェックしてしまい、そこでアニソンを見つけたりしちゃったら「前に歌ってた奴らは俺たちの仲間だ!」と思って嬉しくなってしまったりしませんか?(挨拶)

健介殿格好良すぎ(道士郎でござる)

 早乙女から実力以上の力を引き出させ、ハッタリが信条の池内にはその威力を存分に発揮させ、そして場の雰囲気を自分の支配下においたところで満を持して道士郎を登場させる、健介殿の戦略的なセンスの良さに惚れてしまいそうです。
 今の健助殿の強さは、間違いなく「本当の強さ」とは何かを知っているが故の強さですね。正攻法で強さを表現している「史上最強の弟子ケンイチ」とはまったく違ったアプローチなのが興味深いというか、「道士郎」という作品の懐の深いところだと思います。

虎穴に入らずんばフェチを得ず(あいこら)

 「攻めのフェチ」ってアンタそれ犯罪!

 とはいえ、今週もまた大変に面白かったです。ここんとこ井上先生絶好調ですな。「ランド・オブ・ザ・デッド」公開の影響でしょうか。井上先生のゾンビ大好きっぷりは、畑先生の林原めぐみ大好きっぷりに比類する程ですからね!
 濡れ乳ネタが「絶チル」と被る辺りはご愛敬。濡れ乳は男子永遠の憧れ。

今週のこわしや我聞

 我聞と國生さんがお互いを家族のように信頼し合う姿が美しかった今週の「こわしや我聞」ですが、何というかこうあまりにも美し過ぎるというか、エロスが足りないというか、君たち高校生なんだからもっとこう「家族」とか「信頼」とかいう美しい言葉の裏に隠した、もっとギラギラした何かがあるだろうというか! 言葉では表現しづらいんだけど、みんなには判ってもらえるよね! みたいな!

 というか、ちょっと前に桃子にフカされて真っ赤になってた國生さんの延長上にあるものが見たかったんですが、さすがにそれはちょっと望みすぎたかなと反省。「我聞」は元々そういうマンガじゃありませんしね。きっと純情な好青年に違いない藤木先生には、そのピュアなハートをいつまでも大事にして頂きたい(とても失礼な激励)。

2005/09/19

■絶チルに関係する様々な思考テスト

※注意:大変にくだらないことしか書いてありません。

1. サンデー42号「絶対可憐チルドレン」扉絵イラストの能力マークを無理矢理別解釈してみるテスト
サイコキネシス
「クレーン作業中は上昇するコンテナに注意」
サイコメトリー
「ボールを使ったストレッチ運動で頭をリフレッシュ」
テレポーテーション
「ヨガテレポート→ドリルキック」(ダルシム

2. もし「絶対可憐チルドレン」が大人気になってカードゲーム化された時、「マジック・ザ・ギャザリング」とその亜流しか知らないデザイナーによってゲームがデザインされ、結局ギャザの劣化コピーみたいなゲームになっちゃってガッカリするのを防ぐため、「絶チル」らしいゲームシステムを事前に考えるテスト

 そういや、昔出てた「名探偵コナン」のトレーディングカードゲームって、事件からマナが出てくるシステムになってた気がしますが、実際どうなんだろう(挨拶)。

 仮に「絶チル」をゲーム化する場合、普通の対戦型カードゲームのようにデッキを組んでデュエルだ! 薫をタップして対象の皆本に4点ダメージ! みたいな形式よりも、

  • プレイヤーはチルドレンチームを指揮する立場となり、自分のチームを人類にとっての天使に育てることが目的。ライバルチームには「普通の人々」を差し向けて邪魔する。育成に失敗すると悪魔に育っちゃって人類が滅亡
  • プレイヤーはチルドレンの一人となり、自分の心と体と能力を成長させつつ皆本をモノにすることが目的。皆本をモノにした上で人類を滅亡させた子が勝ち
 みたいな、育成を題材にしたものの方がいいんじゃないかと思う。ポイントを積み重ねてゴールを目指す「Mille Borne」システムの亜流と相性よさそう。
 結局亜流。

3. もし「絶対可憐チルドレン」が大人気になってアニメ化された時の声優を考えるテスト
  • 桐壺帝三:若本規夫
  • その他:誰でもいい

2005/09/15

■サンデー42号感想速記版

ご挨拶:

 普段はインチキランキング形式でサンデー感想書いてますが、諸般の事情により今後しばらくはマンガの感想を推敲してゆっくり書く暇が取れなさそうなため、自分にとってものすごい楽な形式でやらせて頂きます。
 要は適当に書き殴り。

ウォンレイ退場(金色のガッシュ!!)

 リィエンを守るために最後の力を振り絞って立ち上がるウォンレイがやたら格好いい今週の「ガッシュ」ですが、でもどんなに去り際を美しく演出しようとも、彼が最期に戦った相手の名前が「ウンコティンティン」であることだけは変わらない現実がここに。
 ウンコの自爆から恋人を守るために死亡。武道家の最期は常に切ない。

ツンツン吾郎(MAJOR)

 待ち望んでいた夢が思いもかけない形で現実となったのに、素直になれない吾郎ちゃん。ツンデレの持ち味を遺憾なく発揮しているように見えます。
 「あいこら」の天幕桜子には負けてられねえ! サンデー最高のツンデレキャラはこのオレだ! と言わんばかりの彼の態度に萌えられる人間に私はなりたい。

兵部京介(絶対可憐チルドレン)

 兵部京介! その正体は齢80歳の老軍人!
 「新世紀エヴァンゲリオン」のカオル君かと思っていたら、実は「覚悟のススメ」の葉隠四郎だったというオチ!(まちがってる上に判ってもらえない気味の感想)

 とりあえず今回のエピソードのオチは、「チルドレンを将来僕の花嫁にしたい」とか得意そうに言ってた京介が、薫に「バーカバーカ!」と完膚無きまでにバカにされてフられて終わるに違いないと予想。というか期待。現代におけるモテ顔はカオル君風のイケメンではなく、既に皆本みたいな知性派メガネ君系に移行していることを知った上で出直して頂きたい。
 あと、わざわざ彼が学生服着ているのは、「バビル2世」の浩一君リスペクツ故でしょうか。エスパー少年は学生服を着ていなければならないという、昭和ジュヴナイルSFの大原則を守っているところは感心。さすがお年寄りだけあって、その辺のケジメはキッチリしてますよね(関係ない)。

「あ、バカって2回言った」(結界師)

 白の台詞にいちいちツッコミを入れる紫遠がカワイイと思った。
 あと本編の方は、繁守大活躍で嬉しいです(良守は?)。

「オレが気に入ってんだ!」(あいこら)

 正確には、「オレが気に入ってんだ!(目を)」ですね。己のフェチを貫く行動が、そのままフェチの対象となるパーツを持つ者を守ることに繋がってしまうという、このマンガのシステマチックな部分の面白さを象徴するエピソードだと思いました。
 あと、転校前の男子がみんな桜子に惹かれていたってことは、その学校の男子はみんな青い瞳が萌え要素の眼球フェチばっかりだったということなのか。あまねく男子は皆フェティシストであるということなのか。オタクの時代だなあ。

がんばったキャプテン今井(あおい坂)

 丸書いてチョン顔のキャプテン今井が「打てる」オーラを出したことが、相手のバッテリーにワンバウンドのスライダーを投げさせることを選択させ、結果的にそれが勝利に結びついた今回のエピソード。
 しかし、いくらそんな活躍をしようとも、きっと彼はこれからも今週のチアリーディング女子達から言われていたように、「今井じゃ期待できない」と周囲から言われ続けるんだろうなあと思いました。何故なら、彼がそういう顔をしているからです。彼はそんな人生を送るのが似合っている顔をしていると思います。それが、丸書いてチョン顔のキャラとして生まれついた、彼の宿命なのです。そんな今井君が、私は大好きです。
 少しは素直に感動しろオレ。

「人殺しだったお前が、殺しをしないと誓いを立てた眼鏡」(こわしや我聞)

 マンガに出てくるあらゆる眼鏡キャラは、その「眼鏡」に意味が込められていなければならないのですが、辻原の眼鏡にはそんな秘密が隠されていたのか! と、改めて彼の眼鏡っぷりに感動。
 彼の眼鏡は「本当の自分」を隠すためのペルソナとしての眼鏡ではなく、過去の過ちを悔い改めて「新しい自分」となるための、言わば象徴としての眼鏡だったのです。そして、彼にその眼鏡を掛けさせる決意を促したのが、他でもない我聞。辻原の眼鏡は、自分を生まれ変わらせてくれた我聞への感謝と誓いを込めた眼鏡なのです。
 彼が工具楽屋を辞職しようと決意した時に辞表と共に眼鏡を一緒に置いたのは、もう眼鏡がなくても自分は間違えることがないという、彼の決意の表れであったのです! 例え物理的に眼鏡を掛けていなくても、彼の心の中には常に我聞との誓いの眼鏡が掛けられていたのです! 心にはいつもダンディ眼鏡! だったのです!

 しかしストーリー上の都合とはいえ、とても惜しい眼鏡キャラを我々は亡くしてしまいました。
 彼には、「結界師」の修史さんや「絶対可憐チルドレン」の皆本たちと、サンデー最萌メガネ男子キャラの座をいつまでも争って欲しかったのになあ(まちがい)。

 そして来週のサンデーは、永遠に一人で宇宙に取り残されることになったフェイスレスの恨み節が楽しみです。
 サンデー随一の喪男である彼の言葉は、きっとサンデー読者の8割を占めるモテない者達のハートを暗黒色に震わせる呪詛の言葉を吐いてくれるはず!

2005/09/09

■「MAJOR」を読んで『君たちは小学生カップルか』と説教したくなったサンデー41号感想

  1. ちょっとだけ「GS美神」っぽかった今週のハヤテのごとく
  2. 鬱展開に入った今週のあいこら
  3. 墨村利守(結界師)
  4. イヤボーン薫(絶対可憐チルドレン)
  5. フェイスレスがいっぱい(からくりサーカス)

1. ちょっとだけ「GS美神」っぽかった今週のハヤテのごとく

 ここは「GS美神極楽大作戦!!」で有名な椎名高志先生のファンサイトという名目ですので、ちょっとだけ往年の「GS美神」っぽい演出がなされていた今週の「ハヤテのごとく!」には触れない訳には参りません。

 いやまあ、どの辺が「GS美神」っぽかったかと言えば、鉄パイプを指先で回してから殴りかかるヒナギクの一連のアクションが、神通棍を持った美神令子のソレに似てたなあ、というとこだけだったんですが。他はあまり似てません。
 もしこれが「ハヤテ」ではなく「美神」だったら、悪霊を退散させるシチュエーションは「ハヤテがヒナギクの胸を掴んでしまい、それでヒナギクの『気』が増大した」とかそういう横島忠夫的エロコメシチュエーションに持って行かなければならないのですが、しかし現代少年向けラブコメマンガにおいては男子はスマートかつストイックな存在でなければならないので、結局そういう描写は一切なく、理詰めでヒナギクを『悪霊を退散させた』と説得するという結末に。
 というか、エロという観点では、むしろオモシロ半分な感覚でハヤテを誘惑していたヒナギクの方が、遙かににエロかった気がします。現代少年向けラブコメマンガでは、エロいのは男子ではなく女子の方なのです。時代は男子総受けなのです。
 現代ラブコメマンガの世界では、もう横島忠夫は存在できないんだなと思いました(変な感想)。

 あと今回のエピソードでは伊澄お嬢様が正真正銘のゴーストスィーパーであることが証明されましたが、それと相反してどんどん作品内で影が薄くなって行くのが気掛かりです。作者自身も「報われない」とか書いてますし。いいのかそれで。
 「ハヤテ」世界における報われない女性キャラナンバーワンの座は西沢さんのものなのではないかと思っていたのですが、ここに来て俄然伊澄が追い上げてきました(影の薄さで)。このままでは、彼女は「ハヤテがコミックス3巻で打ち切られていたら最強のヒロインだったのに」と後世に記憶されてしまう、まるで「北斗の拳」が10週打ち切りだったらケンシロウの最強のライバルでいられたシンみたいな存在になってしまいかねません。あやうし!(変な感想)

2. 鬱展開に入った今週のあいこら

 先週のフェチ万歳っぷりが井上先生の本領であるならば、今週の鬱展開も、先生のもう一つの本領。フェチ賛美という光を描くためには、フェチという概念を悟ることができない「普通の人々」が、他とはちょっと違った要素を持つ者に対して向ける非寛容な冷たい視線がもたらす影も、また描かなければならないのだ! という感じで、魅惑の瞳を持って生まれて来たばかりに辛い目に遭ってしまった桜子の過去をキッチリと描いたエピソードだったと言えましょう。
 変態主人公が惚れ込んでる「パーツ」は、やはり当の本人達にとってはコンプレックスになっていた模様。この障害を乗り越えて桜子の心を主人公が癒していく過程を描くことが「あいこら」というマンガの正真正銘の目的であると思われる以上、いよいよこの作品も本題に差し掛かってきたと見るべきでしょう。試運転段階を終え、いよいよ本領を発揮し始めた井上先生の紡ぎ出す、これからの展開に期待です。

 正義の変態の熱い魂は、冷たく閉ざされたツンデレの心を攻略できるのか!
 つまりはそういうことだよね!(なのか?)

3. 墨村利守(結界師)

 「お父さんを守れるな?」「ハイ!
 「何言ってんですか! 僕も戦いますよ!」「でもお父さん、見えないんでしょ? あれ

 ナチュラルに修史パパの威厳を破壊している利守少年に萌え。その素直さが君の罪だ!
 この子は将来大物になると思った。

 あと「壁ハウス」さんの先週のサンデーの感想を読んで気付いたのですが、今回の戦いは繁守じいさんが大活躍する可能性が高そうですね。もし、雪村さんちにいる時子ばあさん(中身は式神なので無力)が人質に取られてしまったりした場合、繁守じいさんは怒りのあまり大戦鬼に変身して大暴れしてしまうに違いありません。そこで我々は、かつて愛した女の為なら己の命をも顧みずに戦う、一人の男の姿を目撃することになるのです。
 そして更に、自分の分身を救うために戦う繁守じいさんの姿を、異変を察して駆けつけた時子ばあさんが偶然目撃することに! 二人の間に蘇る、若き日の想い出! 墨村・雪村両家の数百年の確執は愛によってのみ乗り越えられることを、繁守じいさんと時子ばあさんが図らずも証明する展開になるに違いありません!
 ヤバイ! あまりに燃える展開過ぎて、想像しただけで泣けて来たよ!(バカ)

4. イヤボーン薫(絶対可憐チルドレン)

 かの「サルでも描けるマンガ教室」でも述べられていたように、エスパーマンガにはお約束としてイヤボーン効果が欠かせませんが、今週ついに薫がイヤボーン的な覚醒を遂げてしまいました。ただ、発動のきっかけが「自分の身の危険」ではなくあくまで「皆本の身の危険」であるところが、皆本のことが大好きな薫らしいところです。
 愛する者を守るためだったら、少女は天使にも悪魔にもなれる! みたいな、ベタと言えばベタなんだけどドラマ的な観点からすれば極めて正しい展開を見せて頂いた気分です。軍用ECMですら止めることができない、本気を出した薫の破壊力の描写は迫力十分であり、だからこそその力を目の当たりにした皆本が「止められるさ…!」と誓うように心の中で呟くシーンが栄えてくるというもの。

 そして、皆本のその言葉と同じくらい重要であると思われるのが、紫穂の「子供だってされたことは忘れない… 私たち、超能力はすぐに取り戻すし、いずれ大人にもなるわ」という台詞。このマンガは最終的に「チルドレン達が大人になった時、人類にとっての悪魔となるか否か」がテーマとなることが既に提示されているのですが、今回の一件は彼女たちの記憶に大人になっても留まり続け、それが後の彼女たちの運命の選択に影響を与えることになるでしょう。
 彼女たちが大人になるまでの時間は、彼女たちが復讐を育むために必要な時間でもあることを忘れてはなりません。葵が言うように、復讐という料理は冷めてからがオイシイのです。

 ところで、鉄パイプに縛られてグッタリしてる皆本の姿に、ちょっとだけグッと来ちゃった人はいますか?(←聞いてどうする)

5. フェイスレスがいっぱい(からくりサーカス)

 今回はもううんざりする程フェイスレスの顔が大量に出てきましたが、それぞれの顔の表情がどれも少しずつ違うところが凄いと思いました。だって、これ全部、コピーじゃなくて一個一個手で描いてるに違いないんですよ! フェイスレスの顔を大量に描くだなんて悪夢のような作業を延々と! やっぱり藤田先生はすごい! そしておかしい!

 あと、何げに液状化したマサルがかわいいと思った。

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