2005/02/09

■てれびくん3月号

 イケメン俳優目当てに「仮面ライダー剣」を見ていた職場の同僚の女性が、「仮面ライダー響鬼」の主人公のあまりのオッサンっぷりを目の当たりにしてガッカリしてる様を横目で見ながら内心でほくそ笑んでるイケてない男性の皆さん、こんにちはー!(挨拶)

 個人的には、今度の「響鬼」は超オッケーです。口から炎を吹いて敵を焼き殺したり、敵の怪物に馬乗りになってドンドコ太鼓を叩くと敵がバラバラになったりする、従来のライダーの概念ではありえない戦い方に惚れました。主人公の普段の飄々とした態度も、むしろ「大人の余裕」が感じられてちょっと素敵。真のヒーローの格好良さとは、顔じゃなく態度に現れるものなのさ! みたいな清々しさがあります。

 正直、ここ最近の仮面ライダーには個人的についていけない雰囲気があったんですけど、雰囲気をガラリと変えた「響鬼」なら好きになれそうな予感。しばらくはがんばって朝起きて観てみようかと思いました。

 そんな訳で、今回は「てれびくん」3月号掲載の漫画版「ウルトラマンネクサス」の話題なのですが(いきなり)。

 今回のエピソード(原作13話~16話)は、主人公の狐門が色々とヒドい目に遭い、「誰かを守るために戦う難しさと辛さ」に直面して悶々と悩むところがメインテーマなお話。コミカライズ担当の椎名先生が『宇宙船』のインタビュー記事で「重いテーマがいつもの5割増しくらいで困りました」と言ってた程に展開がハードなのが特徴です。

 特にドラマの前半(13~14話)は、幼い兄妹がビーストに操られた両親から「食事」と称して薪を食べさせられるなどの虐待を受けたり、妹の方がビーストの体の中に取り込まれちゃってピンク色の肉壁の中で泣き叫んだり、恋人を失った憎しみに燃える狐門がそうとも知らずにそのビーストを撃破しちゃったり(女の子は当然瀕死の重傷に)、狐門が妹の兄から「どうして撃ったんだよ!」と罵られて落ち込んだりと、そりゃもうたいへんにイヤな展開の連続。
 親が怪物に殺されて操られるだけでも子供にとっては恐ろしいってのに、その上怪獣の中に閉じこめられて正義の味方に撃たれちゃうお話を本当にやってしまうところが、今回の「ネクサス」の恐ろしいところです。やはり、「ネクサス」はあくまで本気です。本気で新しい伝説を創ろうとしています。
 何はともあれ、もし「ウルトラマンネクサス」という番組の目的が『子供を怖がらせること』にあるんだったら、ンもうこの番組は大成功ですよ! と誰彼かまわず豪語したくなるくらい、本当に凄惨なエピソードでした。

 ――ただ、この辺のキツい展開は、ドラマ後半(15~16話)になって主人公の狐門が「これ以上不幸な人を増やさないため、受けた憎しみも悲しみも全て背負って戦う」決意をするために必要な試練でもあるのもまた事実。
 今回の一件は、「大切なものを守れなかった憎しみだけで戦っても何も解決しない」「未来を創るためには様々な憎しみや苦しみを受け入れた上で乗り越え、光を信じて先へ進まなければならない」――ということを彼が自覚するために必要なプロセスなのです。「ネクサス」を語る上では、この部分を欠かすことはできません。

 果たして椎名版「ネクサス」では、このキツい部分をどう表現するのか? 椎名キャラデザのロリロリな女の子がビーストの肉壁の中で恐怖のあまり泣き叫ぶ、萌え萌えなシーンは観られるのか? と、邪な気持ちでマンガ版を読んでみたのですが、

 さすがに、子供がヒドイ目に遭うシーンはカットされてました。
 まあ当然ですよね…(←最初から期待するなや)

 今回のマンガの方では、主人公が挫折から立ち上がるドラマ後半(15~16話)の方の展開をクローズアップする形で構成されています。
 主人公が凹む描写は、前回死んだ狐門の恋人・イコ(の幻影)を再びネグリジェ姿で登場させ、彼女に「いっしょに(闇の世界へ)行きましょう…」と誘惑されて狐門が悶絶する形で表現されています。このイコの姿が必要以上にエロいため、オレの脳の中の幼稚園児要素が性に目覚めちゃいそうで大変でした(バカ)。

 そんな感じで狐門を更に精神的に追い込み、闇の世界へと追いやろうとする溝呂木(ダークファウスト)と、彼を闇から救い出そうとする姫矢(ネクサス)による戦いを経て、最後は狐門とネクサスが再び目と目で通じ合って(←最重要)協力することでビーストを撃破! 狐門が「これ以上誰かを不幸にしないため、僕も戦う! もう迷わない!」と再び戦う決意をしてエンド! というドラマ後半の一連のシークエンスを端的に再現することで、今回の「ノスフェル編」のテーマ性を提示する手法を取っています。

 要するに今回のドラマの主眼は狐門の成長にあった訳なのですが、それを「恋人の死を乗り越える」という典型的で判りやすいヒーロー的展開に収斂させたところが、今回の椎名ネクサスの見所だったのではないかと思いました。この展開に行きつくまでに、相当悩んだんじゃないんでしょうか椎名先生。お疲れさまでした。
 こんなキツい脚本をあと半年近くも作り続けるなんて大変だなあ(笑)。

 あと、今月発売の「宇宙船」には、この漫画版「ネクサス」に関する椎名先生へのインタビュー記事が掲載されています。
 内容は、主に漫画版の制作過程の説明や漫画を作る上で留意している点など、(Webでも既に一部語られている)漫画の設計や作画に関する話題がメインだったのですが、今回の仕事を持ってきてくれたのがかつて「GS美神」の担当だった方であることや、その担当の方が「てれびくん」に異動してからは先生のお子さんのために時々グッズを届けてくれていたこと(羨ましい!)、などの裏話も載ってます。
 椎名先生の情報には飢えているけど流石に「てれびくん」を買う踏ん切りまではつかない、微妙な心理状態で毎日を悶々と過ごしている椎名ファンな方々にとってはかなり貴重な記事だと思われますので、見かけたらぜひご一読を。「ネクサス」マンガも1ページだけ掲載されてます。ウルトラマンスーツの皺までリアルに描き込まれている点に全員注目のこと。

 今回「宇宙船」(というか、この手の特撮情報専門雑誌)を久しぶりに読んだんですけど、TV番組の情報量そのものは、実は「てれびくん」とそんなに変わらないんじゃないか、と思いました。
 基本的な情報ソースは一緒なはずなのに、対象としている読者の違いによって表現の仕方がこんなにも変わるものなのか、とちょっとビックリ。雑誌って凄い。

2005/02/04

■死にそうでした(近況)サンデー10号感想

  1. 十二人会(結界師)
  2. 桜坂助教授(ワイルドライフ)
  3. 0歩。(いでじゅう)
  4. 幹人傀牙化(クロザクロ)
  5. ロコ大はしゃぎ(D-LIVE!)
  6. 番外. 阿紫花×ジョージ(からくりサーカス)

1. 十二人会(結界師)

 私の認識では、「結界師」における裏会とは「根性が歪んだおかしな連中しか入れない、おかしな組織」ということになっていますが、今週出てきた「十二人会」はまさに期待通りの根性曲がり達の巣窟だったので大満足です。

 どいつもこいつも性格が悪そうのは裏会の幹部なので当然として、「番号札をなくすと自動的に幹部から降格」という相互不信を増大させるシステムをわざわざ採用しているところ、ただ座っているだけなのに幹部達が「ゴキリ」「オオオ」「ビクッビクッ」と奇妙なオノマトペを勝手に発しているところ、どのメンバーも「コスプレイヤー」呼ばわりされても仕方がない独創的な衣装を着込んでいるはずなのに、それがまったく気にならないくらいナチュラルに着こなしているところなど、素敵ポイント(=突っ込みどころ)が満載な人達だなあと思いました。

 ここまで変態が満載な組織がサンデーに出てきたのって、「ジーザス」の悪の組織「24」以来なんじゃないのでしょうか。少なくとも、今のサンデー連載のマンガに出てくる悪の組織(「こわしや我聞」の真芝グループ、「MAR」のチェスの兵隊など)には十分以上にインパクトで対抗できるでしょう。変態組織に乾杯です。
 ……でも、こんな変態共に夜未や志々尾がいいように使われているのかと思うと、何だかせつなくなって来ます。
 変態の圧力に負けずにがんばれ正守。

2. 桜坂助教授(ワイルドライフ)

 悪の院内組織・平波学部長派から送り込まれた美しき刺客・黒木助教授を激闘の末に下し、改心させて仲間にすることに成功した、我らが正義のヒーロー・岩城鉄生。しかし平和だったのもつかの間、今度は遙かカナダの地から、新たなる刺客・桜坂助教授がやって来たのであった! という、何かな展開になってきた最近の「ワイルドライフ」。
 まあ、そっちの方がある意味少年マンガらしい判りやすさに溢れているのは確かなので、下手にお涙頂戴なヒューマニズム路線に走られるよりは良いのかも知れません。実際、ここんとこの「ワイルドライフ」は結構面白いッスからね! とっても楽しく読ませて頂いてますよ!(←誉めてるように聞こえないのは仕方ない)

 そんな訳で、今回の刺客は以前瀬能さんにフられたことで有名な桜坂助教授の模様。ただ、刺客とは言え所詮は一度鉄生に破れた男であり、専門用語で言うところの再生怪人に過ぎないので、特撮業界における「再生怪人は弱い」の法則に従ってすぐに倒されてしまうのは、もはや必至の有様でしょう。
 私が彼に期待することと言えば、勝手に同僚女子の裸を想像してしまう彼の特性を最大限に活かし、結局前回のエピソードでは出てこなかった黒木助教授の下着姿を妄想してもらうことくらいでしょうか。頼んだぜ再生怪人!

3. 0歩。(いでじゅう!!)

 なんかこのシーンが妙に笑いのツボに入ったので第3位(そんな理由か)。

 まあ、今回の「いでじゅう!!」の本当の見所は、柔道マンガらしく林田君が一本背負いで相手のボスを倒して森さんを救出したところと、助け出された森さんがその林田君から「柔道部の大切な仲間だから助けた」と言われて複雑な表情をするところにあります。それくらいは私にもちゃんと判ってますよ(自己弁護)。
 前回は「もはや柔道もラブコメも普通にできないマンガになっちゃった!」と評しましたけど、こんなおかしい展開の中でもちゃんと柔道とラブを両立させてるじゃないですか! モリタイシ先生はできる漫画家だなあ! と思いました。
 フォロー完了。次。

4. 幹人傀牙化(クロザクロ)

 今週のサンデーは「もしオレが独身男性じゃなくてカップリングが大好きな女子に生まれて来ていたら、大層楽しめたんだろうなあ!」と己の生まれた運命を呪いたくなるような展開を見せたマンガが多かった気がするのですが、「クロザクロ」はまさにそういうマンガの一つでした。

 幹人が傀牙と化すのは今回が二度目ですが、「かわいい妹を守るため」に変身する妹萌えシチュエーションだった前回とは打って変わり、今回は「九蓋を倒された怒り」によって変身するやおいシチュエーションです(やおい言うな)。傀牙の種を植え付けられながらも、あくまで「人間」として生きようと決意した幹人が傀牙と化すというのはよっぽどの事なのであり、つまり幹人にとって九蓋は、既にかわいい妹に匹敵するくらい大切な存在となっていたのであった! ということを意味するのです。
 これまで九蓋はずいぶん甲斐甲斐しく幹人に接して来ていた印象が強かったですけど、この土壇場でついに彼の愛情が幹人に通じましたよ! よかったですね九蓋さん! もう死んじゃいそうだけどな!(ドクロ)

5. ロコ大はしゃぎ(D-LIVE!)

 「今週のサンデーで一番可愛かったキャラは誰か?」と聞かれたら、おそらくサンデー読んでる人の半分は「D-LIVE!!」のロコと答えるに違いないよね! と思ってしまう程、今週の「D-LIVE!!」に出てきたロコは可愛らしかったです。
 憧れのマン島TTで憧れの斑鳩君と一緒に憧れのサイドカーに乗ることができて、ロコちゃんホントに嬉しそう。心とは裏腹に口ではブツブツ文句言ってる(というか、言わないと格好が付かない)ところなんか、今萌えキャラのアーキタイプとして最も注目が集まっているツンデレ系そのまんまですよ! いい歳してツンデレ気取りですよ! やるなこのヒゲオヤジ!

 ちなみに、「今週のサンデーで一番可愛かったキャラは誰か?」の質問に対する残りの半分の人は、きっと「アニメ版『うえきの法則』の森あい」と答えるに違いないと思いました。
 つか彼女、連載の時よりも遙かにカワイくなってるじゃないですか! なんか、ジャンプのマンガをアニメ化した時みたいな感じに! いったい彼女の身に何が!?(←微妙に福地先生に対して失礼な感想)

番外. 阿紫花×ジョージ(からくりサーカス)

 同じマッチで二人一緒にタバコに火を点けてるシーンがやたらダンディで格好良かったので、というかぶっちゃけ萌えたのでピックアップしました。この二人の組み合わせの渋さっぷりは異常。
 ああ、もしオレが独身男性じゃなくて、カップリングが大好きな女子に生まれて来ていたら(以下略)。

 これで、タバコを初めて吸う人が(漫画の世界では)必ずやらかす、「タバコを口にくわえて息を吸いながら火を点けないとタバコが燃えないことを、タバコ吸う人から注意される」シーンが入っていたら、よりソレっぽくて完璧だったんですけどね。例え初タバコでもスムーズに火を点けられるぬかりの無さは、流石しろがね-Oの貫禄といったところでしょうか。むせてたけど。

2005/01/29

■まだ生きてます(近況報告)サンデー9号感想

  1. 黒木助教授陥落(ワイルドライフ)
  2. 墨村繁守(結界師)
  3. 今週の「いでじゅう!」はおかしい
  4. 今週の「道士郎でござる」もおかしい
  5. コオロギの足(こわしや我聞)

1. 黒木助教授陥落(ワイルドライフ)

 初登場時に「あたしは論文の役に立たない患畜は診ないのよ!」と高らかに宣言、その高飛車な態度から自分の中で週刊少年サンデーにおける普段から黒い下着を付けて生活してそうな黒縁眼鏡女性キャラナンバーワンの座に輝いていた「ワイルドライフ」の黒木助教授でしたが、大方の予想通り、今週であっけなく鉄生側に陥落してしまいました。

 今回のエピソードは、「普段は鉄壁の守りを固めて素顔を見せない女が、その鋼鉄の仮面をかなぐり捨てて本当の愛に目覚める!」という系統の燃え展開を狙っていたと思われますが、でも彼女の場合は肝心の「鉄壁の守り」の描写がそれほど出てこなかったためか、どっちかと言えば「普段は強がっているけど、実は押しに弱くてすぐにボロを出しちゃう」という、いわゆるドジっ娘委員長系にカテゴライズされるお話になっちゃったような気がします。
 まあ、それはそれでいいんですけどね(いいのか)。

 そして、カワイイ顔して大の男達を好き勝手に振り回しす娘の理緒ちゃんは、黒い下着系女子として将来有望な人材だと思われるので、大事に育てて頂きたいと思いました。

2. 墨村繁守(結界師)

 今週の「結界師」には、自分の中で週刊少年サンデーにおける「普段は強がっているけど、実は押しに弱くてすぐにボロを出しちゃう」女性キャラナンバーワンの座に輝いている春日夜未が久しぶりに出ていたのでオレ大喜びでしたけど、でもそれ以上に私はオヤジキャラが大好きなので、今週の第2位は墨村繁守68歳で決定。
 年甲斐もなく大はしゃぎしながら妖怪を狩るシーン、ふと素に戻って斑尾とシリアスな会話をするシーン、やっぱり年甲斐もなく良守と口論しちゃうシーン、どれも萌えです。萌え。これから彼のことは、私も白尾に倣って「シゲ坊」呼ばわりして行きたいと思います。

 あと、相変わらず愛想がなくて突っ張ってるけどやっぱり正守の命令には逆らえない、微妙な立場の夜未も良かったです。
 彼女は、地味ながらも今後のこのマンガの行方を左右しそうな位置にいるキャラだと思うので、そろそろWebサンデーのキャラクター紹介のところに彼女も載せてあげて下さい。

3. 今週の「いでじゅう!」はおかしい

 普段から「普通に柔道やってるとおかしい」と言われている「いでじゅう!」ですが(偏見)、今週の展開はいつにも増して変です。「普通に柔道」どころか、もはや柔道をやろうとするとどこからか邪魔が入って柔道すら普通にやらせてもらえないという、「県立伊手高柔道部物語」なるタイトルにそぐわないアンビバレンツな領域に入りつつあるように思えます。
 また、せっかく森さんが林田君のことを意識し出したことで、ついにこのマンガも普通のラブコメっぽいモジモジカップル話が楽しめる体制になったのかなー、とも思ってもいたのですが、こちらも柔道と同様に、もはや普通にラブにコメることすら不可能な状態。
 フィクション世界の恋にはドラマチックな展開が不可欠と申しますが、ちょっとドラマチックに過ぎるのではないかと思いました。

 そんな中で、今週たいへんに格好良かったのが、自分の中では週刊少年サンデーにおける報われないキャラナンバーワンの座に輝いている朔美ちゃん。林田に対して毅然と「森先輩を助けに行ってあげて下さい!」と言い放つ彼女はとても格好良く、とても素敵で、とても報われていません
 これでこそ朔美ちゃんだ!(ひどい)

4. 今週の「道士郎でござる」もおかしい

 先週は「あーそーぼー!」と叫ぶだけだった道士郎ですが、今週は久しぶりに本領を発揮。中学生女子相手に「武士」とは何かをテーマに延々と禅問答を繰り返すという、とても武士らしい活躍を見せてくれました(活躍?)。

 このマンガにおける「武士」とは人種や職業や性別のように明確に定義できるものではなく、むしろ心の有り様を表す、極めてスピリチュアルなものであると考えられます。「武士道」という言葉が表す通り「武士」とは本来求道的なものであり、その「道」が指し示すものを知るためには「悟り」を得る必要があるのです。
 既に悟りを得て「道」を体現している道士郎にとっては、「武士」とは説明する必要もない程に自然な概念に過ぎないのですが、社会常識に囚われて「悟り」への道を見いだすことが未だできていない梢ちゃんは「武士」の概念を理解することができず、結果的に高潔な武士であるはずの道士郎がただのバカにしか見えないということになってしまうのです。
 まあ、確かに武士はある意味バカな存在ですけどね! 週刊少年サンデーにおける馬鹿なキャラのナンバーワンは、道士郎で決まりですけどね! 勿論、馬鹿は誉め言葉ですけどね! 正気にては大業ならず! 武士道はシグルイなり! なのですけどね!

 何を言っているのか判らなくなってきたので次。

5. コオロギの足(こわしや我聞)

 普通こういうシチュエーションだと入れるのはゴキブリなんじゃないかと思うのですが、何故今あえてコオロギなのか。メイド國生さんのエプロンの形状が他の女子部員と違うこと以上に気になります。世の中は不思議でいっぱいです。

 あと、サンデーの感想サイトや掲示板なんかを読んでいると、「メイド喫茶なんてネタで読者に媚びを売らないといけないくらい、今の『我聞』は人気がないのか?」なんて憶測を、時々見かけます。
 がんばれ藤木先生(フォロー)。

2005/01/21

■生きてます(近況報告)サンデー8号感想

  1. 「最強! 都立あおい坂高校野球部」第3話まで終了
  2. 押しに弱い黒木助教授(ワイルドライフ)
  3. 時音残酷ショー(結界師)
  4. 「俺の許可なく死なせはせん!」(クロザクロ)
  5. 「エーリーターン、あーそーぼー!」(道士郎でござる)
  6. 番外:生徒会長(こわしや我聞)

1. 「最強! 都立あおい坂高校野球部」第3話まで終了

 今週の「あおい坂」ですが、

  • かつての友との完全なる決別!
  • 甲子園を目指す主人公達の熱意に全く無関心な先生や学生達!
  • 外野練習もマトモにできない程の不十分な練習設備!
  • これだ! これが逆境だ!

 とでも言いたくなって来るくらい、主人公達の現在の状況が絶望的であることを認識させられる内容でした。もしこのマンガが正式連載ではなく「絶チル」みたいな短期集中連載だったら、「続き読みたいから読者アンケート出さなくちゃ!」と思ってしまうくらい、続きが気になる展開です。

 そんな感じで掴みはバッチリだったので、あとは今後の展開次第で更に盛り上がれることでしょう。個人的にはこれから激しく期待していきたいマンガの一つです。サンデー読む楽しみが増えましたよ。

2. 押しに弱い黒木助教授(ワイルドライフ)

 お嬢さんがいるってことは、実は人妻だったんですか助教授…orz(何を期待していたんですか?)

 人妻要素はさておき、今週はハシラの説明文に書かれていた「役に立たない患畜は診ないことで有名」という設定を登場2週目にして自ら台無しにしてしまう大活躍を見せた黒木さん。しかも最期のシーンで「家で娘が飼ってる犬が倒れた」という泣かせ必至な展開に巻き込まれてしまい、早くもアイデンティティクライシスな状況に立たされてしまいました。
 果たして彼女は、この状況下でも「役に立たない患畜は診ないことで有名」という自分の信条にを立て続けることができるのか、それともこのまま雰囲気に流されてずるずるとヤッてしまい(治療を)、鉄生のペースに巻き込まれてしまうのか? ここが、彼女の運命の分かれ道であると言えるでしょう。
 学部での名誉か! それとも動物への愛か!

 相手が人妻だと判ったので、ちょっとアダルトな表現にしてみたがどうか(アダルト?)。

3. 時音残酷ショー(結界師)

 前回の感想では「時音残酷ショーの幕開けです」とか適当なこと書いたんですが、今回は本当に最初から最後まで時音残酷ショーネタを披露してくれたので、個人的には大満足でした。

 散々痛めつけて可能な限りの情報を脳男から引き出した挙げ句、「あそこじゃ一番優しくないのよ」とか言いながら、慈悲の感情を欠片も見せずに相手をデリート完了。相手を散々痛めつけた上で落とし前をキッチリ付ける時音の姿は、もはや「怖い」を通り過ぎて「清々しい」の領域にまで達していると思います。
 田辺イエロウ先生は、今どきの少年誌読者が「ヒロイン」に対して何を求めているのか、ホントによく判ってますね!(誉めてます)

 あと、そんな恐ろしい時音を目の当たりにしても一向にめげてない良守に萌え。

4. 「俺の許可なく死なせはせん!」(クロザクロ)

 今週はなんか妙に幹人君がカワイく描かれていたような気がするのですが、その辺どうでしょうか皆さん。
 手を縛られて自由が効かない状態に置かれた彼は、九蓋の庇護を得るために無意識に母性本能に訴えかけるプリティーな外見に変形したとか、そういう裏設定があるのでしょうか。これも傀牙の能力の一つ?(妄想が過ぎます)

 そんな感じでたいへんに可愛くなってしまった幹人にグッと来てしまったのか、「お前の命は、あの時俺が預かった!」「俺の許可なく死なせはせん!」と、どう考えてもプロポーズにしか聞こえない台詞を連発し、その上幹人を小脇に抱えてお持ち帰りモードに入ってしまった九蓋さん。
 そんなラブモード全開な九蓋にアテられたのか、ついに御形までが冷徹なメガネの仮面をかなぐり捨て、「オレはそれ(人であること)を捨てた!」とか言いながら九蓋を守るために戦うのであった! という、萌えるシチュエーションの数々を堪能させて頂きました。

 こういう読み解き方は、「クロザクロ」的には正当ですよね?(いいえ)

5. 「エーリーターン、あーそーぼー!」(道士郎でござる)

 今週のサンデーで一番グッと来たのが、実はこのマンガでした。
 特に、道士郎が「戦いじゃ。助太刀いたそう」とか格好いいことを言いながら、健助殿と一緒に「エーリーターン、あーそーぼー!」と叫び始めたところなんか、もう最高にました。これが健助とエリカにとっての「戦い」であると認識し、愚直ながらも真っ正面から健助を援護するために戦場に赴く道士郎は、「戦う場所」をわきまえている本当の意味での武士なんじゃないかと思えてきましたよ。

 通勤電車の中で読んでて泣くかと思った(弱い)。

番外:生徒会長(こわしや我聞)

 そんな感じで今週のサンデーは燃えと萌えが満載でしたが、サンデーを萌えの観点から論ずるなら、やはり「こわしや我聞」における國生さんのメイド姿は抑えておかないといけません。
 今週のエピソードでは、風紀にうるさい生徒会長をも一撃で黙らせて籠絡してしまう攻撃力を発揮。國生さんの萌えっぷりは、いよいよ人型兵器の領域にまで突入しつつある様です。

 でも個人的には、むしろデコ三つ編みメガネと三拍子揃った生徒会長もなかなかのものだと思います(兵器として)。秘書・格闘・メイドとあらゆる局面で活躍できる万能型の國生さんと比べると対象範囲が狭いですが、「デコ・三つ編み・メガネ・生徒会長」の4連コンボが通用する敵が相手だったら、その破壊力は抜群。運用さえ間違わなければ、彼女も「我聞」キャラ萌えマンガ化における強力な武器となることは間違いありません。

 コミックス4巻掲載のおまけマンガではなんか主役張ってましたし、実は彼女は「我聞」スタッフの間でも密かに愛されてるキャラなのかも知れません。彼女の今後の活躍を期待しています(兵器として)。

2005/01/14

■「MAR」アニメ化!マジっスか!記念・サンデー7号感想

  1. 黒木助教授(ワイルドライフ)
  2. 雪村時音(結界師)
  3. 菅原鈴緒(都立あおい坂高校野球部)
  4. 天野恵(こわしや我聞)
  5. 白瀬エリカ(道士郎でござる)
  6. 番外. 今週の東遊記

1. 黒木助教授(ワイルドライフ)

 性格が悪そうで、根性も歪んでいそうで、その上普段から黒い下着を着けて生活してそうな眼鏡女子が出て来たので、私としては今週の「ワイルドライフ」に注目せざるを得ません。

 最近の「ワイルドライフ」の傾向からして、彼女も多分来週辺りで下着姿になってる姿を鉄生に偶然目撃される展開に巻き込まれるのは必至な様相だと思われますが、でもなんか彼女の場合は、仮に黒い下着姿を見られても全く動じずに相手を鼻でせせら笑いながら軽くあしらう態度に出そうで、逆に怖いです。彼女は、これまでこのマンガにはあまり出てこなかったタイプの女性キャラなのではないかと思われます。
 また、陰謀好きな平波学部長から重用されているところから推測するに、彼女は局内の政治力にも長けていることが予想されます。きっと彼女は内心では平波学部長を心底馬鹿にしており、いつか部長を追い越してこの病院を乗っ取ってやろうという野望に燃えているに違いない! と見ました(勝手に)。

 自分の野望のためなら何でも利用しようとする典型的な堅物眼鏡女子の彼女を、一途な鉄生がどうやって籠絡するのか。あの黒木女史が鉄生に裸を見られて頬を染めてしまうコテコテな展開に至ることは、果たして可能なのか否か? 眼鏡キャラファンとしては、そういう観点から注目していきたいと思いました。
 勿論、「ワイルドライフ」というマンガは本来そういうマンガじゃないことは、重々承知しております。

2. 雪村時音(結界師)

 「なめんじゃないわよ」と言った直後に、男の側頭部に結界をぶつける時音さんがステキな今週の「結界師」。
 側頭部にいきなりあんな固いモノをぶつけたりしたら、普通の人間は間違いなく死にます。結界師としての己のプライドを傷つけられた今回の彼女は、まったく容赦がありません。これで彼女に惚れなきゃ男じゃないね! というくらい、今週の時音は輝いていると思いました。

 また、志々尾は今回「傍観者」の立場を貫いているのでこの戦いには介入しなそうな雰囲気ですし、肝心の良守に至っては普段じゃ見られない時音のアダルトな一面を目の当たりにした結果完全に中学二年生モードに入っているので、介入どころではありません。
 つまり、怒りに燃えた時音を止める者はもはや誰もいないのであり、次週は時音が妖怪・脳男(および、操られた隣の高校のイケメン男子)を思う存分虐殺する凄惨な展開が繰り広げられることは、もはや不可避の有様。時音残酷ショーの幕開けです。

 来週のサンデーが楽しみです。

3. 菅原鈴緒(都立あおい坂高校野球部)

 「感動! 劇的! ああっ! 最っっ高!
 かつての教え子が憧れの甲子園で大活躍するのを目の当たりにして全身で嬉しさを表現する鈴緒姉さんが、ンもう可愛くて可愛くてたまりません!
 も、萌えー!(頭悪い感想)

 「この人を勝たせるために野球をやるんだ!」と意気込む主人公達と、「自分が勝利を得るために野球をやるんだ!」と決意を新たにする強力なライバル。極めて判りやすく、かつ燃える対立構造です。「リベロ革命!!」も「鳳ボンバー」もそうでしたが、こういった判りやすくて燃える物語を描かせると、田中モトユキ先生はホントに上手いなあと思います。
 後は、この構造をどこまで突き詰めることができるかが勝負でしょう。バカ・ハデ・オトコの三拍子揃った、男臭い展開を期待しております。あと、姉萌え要素も期待。

4. 天野恵(こわしや我聞)

 そんな感じで、最っっ高に萌え萌えな姉萌えキャラ・鈴ねえを擁してサンデーの萌えマンガ戦線に「あおい坂」が乗り込んで来た訳ですが、この緊急事態に対して「そう簡単にはサンデー随一のキャラ萌えマンガの座は渡さねえ! 本気になったオレの力を見せてやる!」と、「こわしや我聞」の藤木俊先生が大発憤。「メイド喫茶」という最強最期最大のなりふり構わぬネタを繰り出し、本格的な勝負モードに突入してしまいました。
 「こわしや我聞」とは、「仙術」という特殊な格闘術を武器に人知れず悪と戦う、「こわしや」と呼ばれる者達の活躍を描いたアクションコミックなのである! なんて建前なんか、もうどうでもいい! 國生さんのメイド姿で、サンデー読んでる萌え野郎共を一撃で萌え狂わせてやるぜガハハハハ! ガハハハハ! ガーハハハハ!  なんておかしなノリでテンションを上げまくっている、作者や編集者達の様子が目に浮かぶようです(妄想)。

 にしても、今週は特に卓球部女子筆頭・天野恵が良いですね。「卓球部がいきなり文化祭でメイド喫茶を!」なんて無茶な展開をも説得力を持たせることが可能な統率力を持った、ステキなキャラだと思います。
 彼女を中心に卓球部のメンバーを大暴れさせるような学園コメディマンガを作ることができれば、「スクールランブル」みたいな形にすることだって可能だと思いますよ! ますます「こわしや」とは関係ない世界に突入してしまいますが!

 あと、今週出てきた「ジークピンポン!」というフレーズは、今頃全国の中学校や高校の卓球部の間で大流行しているに違いないと思った。

5. 白瀬エリカ(道士郎でござる)

 道士郎団(仮称)の中で一番謎が多そうな、白瀬エリカの正体がいよいよ明らかに! みたいな雰囲気になって来た今週の「道士郎でござる」。不良女子相手に繰り出したボディブロー+足払いのコンボ攻撃もグルービーですが、何よりもナイフを手の平に突き刺しながら押し戻すシーンの迫力は圧巻モノでした。彼女が修羅の道を歩んでいる者であるということを、説得力ある描写で表現できていると思います。

 あと、今週は「バカ子」呼ばわりされてる美世里に人気が出そうだなとか思いました。
 バカ子×エリタンとかどうか(と言われても)。

番外. 今週の東遊記

 「このチンカスヤロー!
 「来い! アバズレ!

 今週の「東遊記」は、身も蓋もないくらいヤバい罵倒の応酬が熱かったです。
 ていうかアバズレて。いいのか。

 イチゾーが急成長し、神を殺すことを決意してからの「東遊記」は、何かちょっと妙な面白さが出てきていると思います。
 例えるなら、「一番湯のカナタ」でリョウが子供になってからの面白さに通じるものが(不吉)。

※私信:私宛にメール出して下さってる皆さん、返事出せなくてすみません。
 読んではいますので、お返事はもうしばらくお待ち下さい

2005/01/10

■2004年のサンデーを振り返る

 2004年のマン・オブ・ザ・イヤーは能登麻美子に決定!(挨拶)

 昨年は、自分が見るアニメ番組に必ずと言って良い程能登麻美子ヴォイスのキャラクターが登場し、常に私の前に立ちはだかったことが、強く印象に残った1年でした。
 他は特にありません

 それはともかく、毎年恒例なので、今更ではありますが去年のサンデーで始まった/終わったマンガをまとめてみました。
参考:週刊少年サンデー超名鑑!!HEAD PLAN雑貨店

2004年に始まったマンガ 2004年に終わったマンガ
暗号名はBF 04年7号



売ったれ ダイキチ! 04年8号


ロボットボーイズ 04年10号
こわしや我聞 04年11号

思春期刑事ミノル小林 04年13号



きみのカケラ 04年14号


ファンタジスタ 04年14号
DAN DOH !!
~ネクストジェネレーション~
04年17号



怪奇千万!十五郎 04年20号
道士郎でござる 04年22・23号



かってに改蔵 04年34号


美鳥の日々 04年34号
クロザクロ 04年35号



暗号名はBF 04年37号
東遊記 04年38号

ハヤテのごとく! 04年45号



うえきの法則 04年46号


DAN DOH !!
~ネクストジェネレーション~
05年1号


モンキーターン 05年3号

 去年のサンデーは、長期に渡って誌面を支えた「ファンタジスタ」「モンキーターン」の円満終了、「美鳥の日々」「焼きたて!! ジャぱん」などに代表される積極的なアニメ化攻勢、根強い人気を持つ夏目義徳先生が新連載「クロザクロ」で復帰、そして「絶対可憐チルドレン」掲載+正式連載化決定など、ポジティブな話題がいくつもあったはずのですが、でも我々のような読者にとっての2004年のサンデーは、

  • かってに改蔵の連載終了
  • 編集長交代
  • 怪奇千万!十五郎

 の三本だけが強く記憶に残る年となってしまった感があります。

 特に「かってに改蔵」の連載終了のネット上での余波はあまりにも大きく、私も「改蔵が終わったからもうサンデー読まない」と書かれた日記サイトやブログを何度見たか知れない程。連載終了に関しては、作者の久米田先生がコミックスの巻末コラムにおいて独特の鬱文章終了の理由を臭わせたり、その後になってそれを裏付けるような噂がネットで流れたりと、これまでのサンデー連載にはなかった動きがあったのも印象的でした。

 「改蔵」がどのような理由によって連載が終了したのかは(私も、改蔵コミックス最終巻の作者の独白と、ネットで聞いた噂でしか知らないので)実際のところはよく判らないので何とも言えませんが、「改蔵」のように一見少年マンガ向けではない不健全そうな作品であろうとも、あのようなシニカルなユーモアに彩られた「毒」を持った作品を必要としている読者は年齢を問わず必ず存在していることを見抜けず、ファンに不信感を抱かせるような形で連載を終わらせてしまったのは、さすがに編集部のミスといわれても仕方がないんじゃないかな、と思います。

 というか、私も、「改蔵」と「美鳥」の連載が終わり、「絶対可憐チルドレン」の短期連載も終了した後のサンデーが雑誌としてあまりにもつまらなく思えるようになってしまい、この雑誌を購読するのを止めようかと本気で検討していた時期があったことを、ここで告白しておきます(43~44号の頃。このサイトやってなかったら、多分サンデー買わなくなってたと思う)。

 そして昨年は、その「改蔵」の連載終了を決断したことで有名になってしまった「M編集長」こと三上氏から、林正人氏に編集長が交代したことも話題になりました。
 このサイトに編集長交代の記事を載せた時には「ヤマカム」さんを初めとした色々なサイトからリンクされてビックリしましたけど、それだけこの異動に関しては注目度が高かったということなのでしょう。

 新編集部のカラーが本格的に出て来るのは今年の春頃からになるのではないかと推測していますが(根拠:編集長が交代した直後に決まった「絶対可憐チルドレン」の連載が始まる時期だから)、今年はどのような方向性の作品を掲載していくつもりなのか、期待をもって見守りたいと思います。色々な意味でウォッチし甲斐のある雑誌になって欲しいですね!(イヤな読者だ)

 あと「怪奇千万!十五郎」については、せめてこの作品の存在がルーキーを起用する際の大きな教訓となったことを祈るばかりであります。新人作家が週刊連載でモノになるかどうかは事前に予測できないこととは言え、さすがに「十五郎」は「事故」じゃ済ませられない何かがあると思いますので。

 昨年はサンデーに限らず、色々と厳しい年だった印象が強かったです(能登麻美子ヴォイスを除く)。
 今年はもっと楽しいマンガが読める年でありますように。あと、「絶対可憐チルドレン」がヒットしますように。

 「絶チル」の紫穂の台詞を、能登ヴォイスに脳内変換するのは合法ですか?(おわり)

2005/01/06

■今年もぼちぼち書きたいと思います。サンデー6号感想

  1. 帰ってきた田中モトユキ(都立あおい坂高校野球部)
  2. 良守を尾け回す志々尾(結界師)
  3. 「空前の妹ブームでさえ、ワシは戦前から予見していたぁ!」(ハヤテのごとく)
  4. もう戻れない「いでじゅう!!」
  5. いきなり十三歳に成長した「東遊記」

1. 帰ってきた田中モトユキ(都立あおい坂高校野球部)

 かつて「リベロ革命!」のママさんバレー編で年上の女性の魅力をあますところなく描き上げた田中モトユキ先生が、今再び年上の女性萌えをキーワードに復活!(挨拶)

 それはともかく、私はこのマンガ本気で面白いと思いました。
 かつて憧れていたお姉さんの夢を叶えるため、野球の道を志したという登場人物達のモチベーションの持たせ方は判りやすい上に素直に共感できますし、個々のキャラクターの性格付けを試合の中のワンプレーで表現する方法もバッチリ決まってますし、何より憧れのお姉さんが率いるチームの絶対的な逆境を友情(と下心)で切り抜ける今回のストーリー展開は、お約束的ではありますが、でもやっぱり熱いです。燃えます
 いやホント、連載マンガの第一話としては、かなり完璧に近い仕上がりなのではないのでしょうか。三週連続で大増ページ掲載という破格の扱いを受けるのも納得の出来映えですよね!(エラそう)

 とりあえず、今週はついに俺たちの大好きな田中モトユキ先生が復活したぜ! と、素直に喜びたい所存です。
 あと、超増刊に掲載された「ヤンチア」のキャラがちょっとだけ出たのが嬉しいです。
 以前ここで取り上げて誉めた甲斐がありました(エラそう)。

2. 良守を尾け回す志々尾(結界師)

 志々尾が何かにつけてやたら良守に突っかかるシーンの後で、志々尾が登校途中の良守をわざわざストーキングするシーンをあえて挿入。もし自分が腐女子さんだったら、このシーンで色々と妄想して楽しめたんだろうなあー、と思ってしまいました(バカ)。
 その一方で、「女の方がいい臭いするけどな」と意味深な台詞を志々尾に発言させ、我々のような男性読者の中学二年生中枢を刺激することも忘れていません。田辺イエロウ先生の読者に対する心配りは、今週も絶好調です。

 「結界師」という作品は、そんな感じで目の肥えた読者をも満足させるだけの高い品質と人気を兼ね備えた、今年のサンデーの屋台骨を支える作品に成長するに違いないね! と、今週号を読んで確信致しました。
 こういう褒め方は正直どうだろう(止めようよ)。

3. 「空前の妹ブームでさえ、ワシは戦前から予見していたぁ!」(ハヤテのごとく)

 物語を一気にシリアス方面に振る大ゴマを出した直後のタイミングで、あえてこんなネタを繰り出す畑先生の心意気に痺れました。この台詞でなにげにハヤテがビビってるところもポイント高いです。
 でも、もう時代は妹じゃなくて姉ですけどね! ! あとは百合ツンデレな!(止めようよ)

 最初はこのマンガはいわゆる「美少女わんさかコメディー」のフォーマットに乗っ取った、外界から隔絶された閉塞環境で主人公が女の子からモテ続ける系に走るのかなと思っていたのですが、どうやらそれだけが狙いではなく、実はオタク受けするネタを織り交ぜつつも本質は割と普通っぽいコメディをやりたいのかな、と思えるようになって来ました。
 今のサンデーでおそらく唯一ニュース系サイトでネタにされて面白がられる(良い意味で)マンガであると同時に、普遍的な面白さを持ったスラップスティックコメディーでもあろうとする「ハヤテのごとく」は、実はある意味今年のサンデーの目玉となれる作品なのかも知れません。やるじゃないですか畑先生!
 この調子で、今年こそは師匠の久米田先生が果たせなかった「打倒赤松健」の野望を!(敵が大き過ぎます)

4. もう戻れない「いでじゅう!!」

 去年から散々引っ張ってきた林田君と森さんのロマンス劇ですが、結果的にこの二人の関係は「劇的」なまでに変化したと解釈して良いでしょう。
 今後のこのマンガは、森さんが林田君のことを猛烈に意識することを前提として話を作ってくることが予想されます。ラブコメマンガとしての構造はこれまでの「林田→森」から「森→林田」の流れに変わることは確実であり、そういう意味において今週は「いでじゅう!」という作品における大きなターニングポイントとなったことは間違いありません。
 つまりこの作品は、ついに「変化」を選択したのです。もう、これまでのぬるいラブコメ路線には戻れないのです。

 なので、来週からの「いでじゅう!」は、かなりノリが変わるのではないのでしょうか。
 きっと、「ラブひな」における10巻までと11巻以降くらい、違ったマンガになりますよ!(判りにくい例え)

5. いきなり十三歳に成長した「東遊記」

 主人公のイチゾー君の服の袖がダボダボだったのは、これの伏線だったのか!
 すごい!(の?)

 なんか、第一話の時に言ってた「夢」がどうとかいうところからはかなり遠くに来てしまった気がする「東遊記」。今回、物語が「神殺し」という神話的スケールにインフレを起こしたことで、これから更に遠いところに行ってしまいそうな気がします。これから「東遊記」は何処へ向かうというのか。
 今週のサンデーは展開的に節目を迎えたマンガが多かった印象ですが、このマンガもまた大きな節目を迎えたのは間違いなさそうです。

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