2006/12/09

■002,028,106(サンデー07年1号感想)

結界師

 人気投票のキャラクターの選び方が、異様に細かすぎてビビりました。比較的どうでもいい妖怪が沢山登場しているのはともかくとして、三能先生に取り憑いている三匹の蛇(ロクサーヌ・シモーヌ・ジョセフィーヌ)をそれぞれ分割して独立したキャラクターとして扱っているのは、さすがにやりすぎなのではないかと思います。
 投票できるキャラクターの枠は三人だけなので、この三匹で投票枠を埋めてウケを取れ! と読者を誘っているのか。それとも、この企画の担当編集者は、誌面に隙間があると落ち着かないのでどうしても枠を埋めなければ気が済まないという、強迫観念の持ち主だったのか。今後の展開が気になります(展開?)。

 ストーリーの方は、良守が烏森の地のことを感情を持った一つの人格のように扱っているところが面白いです。
 このマンガの真のヒロインは、時音ではなく烏森なのかも知れないと思いました。

ダレン・シャン

 ちょっと前までは実の妹にハァハァしていた初心なダレンに、いきなりかわいいガールフレンドが! 「女の子ってなんてやっかいなんだろう」だなんて、何か一端の彼女持ち男子みたいな生意気なこと言ってますよ彼! バンパイアになれば女子からもモテるということなのか!

 それはともかく、今回出てきたデビーは何かいいですね。素直に「可愛い」と思える子です。ごく自然にダレンを振り回す明るい性格や、「女の子はね、自分から男の子を誘うようなことはしないの!」という台詞に象徴されるこの年頃特有のちょっとおませな行動なんかが、たいへんに魅力的です。闇の世界に生きることを覚悟したダレンとは対極的な世界にいる、明るくてかわいくて元気なキャラクターですね。
 ここんところ、なんか性格がどっかしらひねくれた少女キャラが出てくるマンガ(絶チルとか)ばっかり読んでる気がするので、デビーのような普通に可愛いキャラが出てくると安心します。

うえきの法則+

 みんな大好き「うえきの法則」の福地先生が、久しぶりに帰って来たよ! つうことで、サンデー07年1号最大の目玉は文句なしでこのマンガ。「うえき+」のこれまでのあらすじは先週号で説明したから、もはやこれ以上の解説は不要! と言わんばかりに、いきなり崖っぷちのシーンから連載を再開する思い切りの良さは流石です。
 しかし今思えば、次回の展開がもの凄く気になる重要なシーンで連載が途切れていたんですねコレ。この止まりっぷりは、もはや専門用語で言うところのレイニー止め級と言っても過言ではありません(比較するな)。

 で、個人的に連載休止前の「うえき+」で最も気になっていたのは、ソラが常に食べてるハンバーガーの欠け方がコマによって一様ではないところ(マンガ内の時間経過とハンバーガーの減り方に一貫性がないため、まるでソラがコマ毎に新しいハンバーガーを食べているように見える)であり、それ故に「やっぱり福地先生は調子悪いのかな?」と思っていたりしたのですが、今回の「うえき+」ではその辺どうかと申せば、やっぱりまだちょっと大きさや形に小さな矛盾が見受けられる箇所がありました。
 福地先生の早期の復調に期待します(←嫌な読者)。

ハヤテのごとく!

 ナギがハヤテのベッドでシーツや枕の臭いを嗅ぐという行動に出なかったところに、畑先生のナギに対する愛情の深さを感じました。
 あと、毎週バックステージを更新し続ける畑先生は、私もおかしい凄すぎると思います。

犬夜叉

 新たなる仙人系じじいキャラ・薬老毒仙が登場。更に今回は、サブレギュラーじじいキャラであるところの刀々斎や冥加じいちゃんまで登場するという、じじいわんさかコメディーとでも言うべき心ときめくストーリーが繰り広げられました。高橋留美子先生のマンガに出てくるじじいキャラが大好きな私はもう大喜びです。じじい萌え。
 次回作はじじいが主人公のマンガを描いてくれないものでしょうか。

あいこら

 「思いっきり遠回しに、告白してんのとかわらなくね?
 遠回しでなくても告白していると思います。

 そんなアレで、今回は弓雁に恋する川谷君がハチベエを恋のライバルとして認めるまでの話だったのですが、ちょっと読み方を変えると「川谷君がハチベエを意識するようになっちゃった」系の話と解釈することが可能です(可能にするな)。
 あと、今回もまたヒドイ目にあった弓雁ちゃんでしたけど、「ヒドイ目に遭うと魅力がアップする」という彼女の傾向がどんどん加速しているように思えてなりません。

最強! 都立あおい坂高校野球部

 「あいつと夏の最後までいきたい!

 右京と野球を続けたいというみんなの気持ちが一つとなり、実力以上の力を発揮する。いま、右京はあお高野球部みんなのアイドルとなったのです。
 このマンガのヒロインは右京で決定。

武心

 城内の掃除を担当していると思しき、黒髪のメイドさんが気になります。一見すると、自分の持ち場の掃除のことしか気にしていない堅物以外の何者でもない彼女ですが、相手が流星であろうが暗殺者であろうが自分のペースに持ち込んでしまうしたたかさは、彼女がただ者でない伏線であるような気がしてなりません。何より、彼女は普通のメイドにしては眼光が鋭すぎます。
 国王が暗殺者から常に狙われるような王宮でメイドをしているからには、やはり彼女もまた武の心を持つ強者なのかも知れません。実は彼女は王家に仕えるメイドの間で密かに伝承されているローゼンバッハ流メイド活殺拳の使い手だったとか、そういう展開を超希望。万乗先生ならやってくれるはず!

シランくん

 しりあがり寿先生デザインのコナン君のバッタモノが出てくるっていうから、てっきり「名探偵コナン」を激しくグダグダにした、「真実は一つとは限らない!」とかそういうノリのブラックユーモア溢れるコーナーになるかと思っていたのですが、実際読んでみたらなんか割と普通の子供向けの反体制系時事講座っぽいです。「夕刊ゲンダイ」の1面の記事をマイルドにしたみたいな感じ。そんなこっちゃ、この分野のパイオニアたる久米田先生の「さよなら絶望先生」には勝てませんよ!
 まあでも、「国債は買うと国が利息が付けてお金を返してくれる、国民にとっても魅力のある投資の対象なんだ! 国債の金融商品としてのメリットを、株や定期預金と比較してみよう!」とかやり始めると全然違う企画になるので、少年誌としてはこの程度でちょうど良いのかも知れません。

2006/12/02

■少年サンデーの目指す低年齢路線を改めて検証します(サンデー52号感想)

ワイルドライフ

クラスの話題を独占するのは、我らがサンデーだッ!!」(表紙より)

 少年サンデーは、まだ低年齢路線を目指すことを諦めていなかった!

金色のガッシュ!

 ついに対ゼオン編完結。実力的には拮抗していると思われる両者でしたが、多くの仲間達に支えられて王家の証である「バオウ」の力を制御することに成功し、かつ自分の本の主であるデュフォーの凍てついた心をも溶かしたガッシュの力をゼオンが認め、自らガッシュに膝を屈するという形になりました。
 そんな感動的なエピソードの今回でしたけど、個人的にはガッシュ父と母にあまりに物理的な体格差があったため、「この二人はいったいどうやって繁殖してゼオンとガッシュを作ったのだろうか?」ということがどうしても気になってしまい、最後まで物語に集中することができませんでした。
 低年齢路線…(己の手を見つめながら)

ハヤテのごとく!

 今週のタイガ坊ちゃんの可愛らしさは異常。そのうち女装するようになると思います彼。
 少年マンガとオタク向けマンガの橋渡し的な存在意義を持つ「ハヤテのごとく」としては、現代オタク業界には「こんな可愛い子が女の子のはずがない」という思想がトレンドとして存在することを、よい子のみんなにも教えてあげる必要がありますからね!

 ストーリーの方は相変わらず畑先生独特のセンスが炸裂しており、桂先生というこの漫画最強のダメ人間が主人公であったにも関わらず、姉思いのヒナギクさんのおかげでたいへんにハートフルなシナリオに仕上がっていると思いました。

結界師

 「結界師」今週最高の萌えポイントは?

  1. 操ちゃんの泣き顔
  2. お姫さま抱っこされる箱田
  3. 暗闇で目が光る奥久尼

 自分は3.です。

メルオメガ

 常に眉をひそめて陰気な表情をしているゲルダのことが、最近気になって仕方ありません。
 一見すると気弱そうに見える彼女ですが、以前「お前のことが好きだ」とか言い出したパートナーのモラスクを「何言ってるの」とあっけなく見捨てる冷酷さを持ち合わせているところが侮れません。ツンレデとか素直クールとか、そういうステレオタイプな性格設定を超越した何かを感じさせるキャラだと思います。また、地味ながらも絶対領域を装備しているところも油断できません。
 Wikipediaの記載を読むと、ゲルダと主人公のカイは、共に「雪の女王」から名前を持ってきたキャラクターみたいですね。ということは、今後彼女はカイと何か関係を持つ最重要キャラに成長する可能性は十分あり得ると思われます。今後はその辺に期待しながら読んでいきたい所存です。

 あと全然関係ないですが、「雪の女王」というとNHKアニメ版第19話『マッチ売りの少女』における大谷育江ヴォイスのマッチ売りの少女のいたいけさ加減と報われなさ加減が最高に泣かすので、よい子のみんなはクリスマスになったら『マッチ売りの少女』の録画を見て、この世にはどうにも救いようがない辛い悲劇も存在することを知り、人の善意の限界と無力さにうち拉がれてわんわん泣くが良いと思いました。
 キッズアニメの話とかしてちょっと低年齢路線に迎合してみたがどうか。

史上最強の弟子ケンイチ

 車椅子拳法!

 これはキた! 久々にキタよ! これは凄い!
 なんというかこう、正しい少年マンガを読んだって気がしてたいへんに清々しい気持ちになれました。

RANGEMAN

 レッド大塚の恋に対する一途なバカさこそが、この世界を救う原動力となるのだ! というこの作品における最大のテーマを高らかに謳い上げた、感動のエピソードだと思いました。いやマジで。
 ある意味、これも極めて正しい少年マンガの姿なのではないのでしょうか。

あいこら

 そんな感じで少年サンデーの目指す低年齢路線の鱗片が伺えた今週のサンデーだったのですが、その路線に似つかわしくないマンガが二つありました。そのうちの一つが「あいこら」です。
 今回は川谷君が妄想する「ハチベエに襲われる弓雁ちゃん」のシーンが二回出てきますが、この二回とも大変にいやらしいので困ります。というか使えます。特に二枚目がヤバいです。この絵の弓雁ちゃんの表情のエロさは、もうただ事じゃないですよ! 弓雁ちゃんは不幸な目に遭えば遭う程どんどん美しくなる、困ったタイプの美少女キャラだったのか! これはヤバい! ちょっとトイレ行って来る!(サンデーを持ちながら)

焼きたて! ジャぱん

 そしてもう一つは「焼きたて! ジャぱん」に出てきた褐色美少女ミーシャ。ベッドの中でパンツ1枚の姿で潜んで夜這いをかまそうとしていたという、直球極まりない展開でした。彼女がパンツを履いてたのは、少年サンデーの少年誌としての最後の理性の表れ以外の何者でもありませんが、しかしパンツ履いているにも関わらずこんなにエロいというのは何事か! 何事なのか! ちょっとトイレ行って来る!(またか)

 橋口先生は元々スレンダー美少女の描写には定評があったのですが、久しぶりにその実力を発揮できる展開が出てきたなあと思いました。
 ストーリー本体の方は、もはや突っ込む行為自体が無粋なので突っ込みません。

2006/11/25

■流星ママみたいな女性と結婚したいサンデー51号感想

ダレン・シャン

 「ダレンに会えて良かった」というサムの最期の言葉を聞きながらダレンが血を啜って泣き叫ぶシーンが印象的でした。しかもその時のダレンの眼が完全に吸血鬼のソレになっているところが、このシーンの持つ凄みが強調されていて更に良いです。このシーンを絵にできただけでも、「ダレン」を漫画化した甲斐があったのではないのでしょうか。
 「ダレン・シャン」の原作者のダレン・シャンさん(ややこしい)は日本のマンガとかが大好きな人というか、要するにオタクな人だと聞いたことがあるんですけど、きっとこのシーンを読んだらオタクっぽく大満足して頂けるんじゃないかと思いました。オタク冥利に尽きるとは、まさにこのことですよ! 良かったですねダレンさん!(エラそう)

GOLDEN AGE

 自身のパートナーの条件として「獣のような激しさ」と「自分のプレーを読み取る繊細な心」を持ち合わせている人を上げた唯君ですが、これは即ち近江君のことを指していることは明白。「GOLDEN AGE」という作品は唯君が近江君を自分好みのパートナーに育成(唯君が求めているのは「獣」なので、むしろ調教)していく様を描いていく大河サッカードラマであることが、改めて提示されたエピソードだったと言えるのではないのでしょうか。
 にしても、近江君の「ここであきらめたらオレのプライドが許さねえ!」は面白すぎます。こんなカッコイイ台詞をこんなマヌケなシチュエーションで平気で使える彼のキャラクターの天然っぷりは素晴らしいです。調教しがいがありますね。

結界師

 ストーリー的には、あの強大な黒兜をも簡単に壊してしまえる程に強力な上、良守に黒兜を倒す力を与えようとするなどといった「意志」らしきものをも持ち合わせている烏森の力の不気味さの一端が提示されたという意味において有意義な回でしたが、肝心の時音側のエピソードは「時音にビビった箱使い弟が勝手に撤退、時音があっけなく脱出して終わり」というヨンボリしたもので終わってしまいました。ここんとこ地味な時音さんが久しぶりに大暴れする展開を期待していた向き(オレとか)にとっては、何だか大変残念な結果に。
 良守が(連載初期のように)しきりに時音の身体を心配していたのは、現在連載初期のエピソードを放映中のアニメ版に対するフォローなのでしょうか。ここだけ時音がヒロインっぽかったです。良かったですね時音さん(良いように聞こえない)。

 なお、箱使い弟が潜んでいた部屋はかつてあの兄弟が生活していた部屋のようなのですが、座布団は二つあるけど布団や枕が一つしかないのが、ちょっと気になります。あの兄弟は同じ布団と枕で一緒に寝ていたのでしょうか。であれば、弟が兄を失って怒るのも仕方ないと思います。広がる妄想。

助けて! フラワーマン

 「北斗の拳」の掟に従って本来なら不細工なザコキャラでなければならない不良のモヒカンが美形って、こりゃまた一体どういうことですか!
 世紀末救世主伝説を超えて生き残ったモヒカンキャラのニューウェーブを見た!

あいこら

 友達相手に「あいつのことなんか別に好きじゃない」と虚勢を張ってドツボに嵌るというストーリーは、少年マンガの世界では基本的には男性キャラがやることだと思うんですけど、あえて性別を逆転させることでツンデレ桜子がそのツンっぷり故にハチベエを窮地に追い込んでしまうことになるエピソードに仕立てたのが面白かったです。こういう話も作れるマンガなんだなと感心。
 確かに単純なハチベエなら、いくらヒドいことされても簡単に回復できますからね! 使いやすいキャラだなあハチベエ!(ひどい)

 後はラストシーンの弓雁ちゃんですが、これはヤバいです。弓雁のあの目は、間違いなく人を殺す覚悟を持った者の目です。井上和郎先生のマンガでこんな瞳を持ったキャラが出てきたのは、「美鳥の日々」のサンディの夜這いシーン以来なのではないのでしょうか。
 井上先生は普段は変態マンガを描いているにも関わらず、時折キャラにこういう目をさせることがあるので侮れません。

焼きたて! ジャぱん

 今週の話を描き始めた時、もしかしたら橋口先生はまだ黒マントの中身を何も考えていないのでは? と思いました(感想)。

ブリザードアクセル

 吹雪と六花のラブラブエピソードもついに終結。ここまでゲロ甘なラブロマンスをサンデーで読める機会はもうそうそうないのではないかという気もしますし、何より結果はともかく決勝戦までやって欲しかったと思うとこの展開はちょっと残念ですが、これ以上やるとフィギィアスケートマンガとしての限界を更に突き抜けてしまいかねないことを考えると、この辺がちょうど良い潮時だったのかもしれません。

聖結晶アルバトロス

 サンデーの巻末間際、いわゆる名誉席の常連だったみんな大好き「聖結晶アルバトロス」も、ついにここで最終回。紛う事なき立派な打ち切り最終回でした。ここまで堂々と「俺達の戦いは始まったばかりだ!」的な話をされると、むしろ清々しさが漂って来ます。言うなればアルバトロス大往生。

 思い出してみれば、読み切り版(アルバトロスが宝石泥棒だった奴)は正直なところ「いくら何でもこれはヤバい!」と思わざるを得ない内容だったり、連載版の初期は中身よりもアルバトロスの裸マントが話題になったりと、色々と前途多難を予想させるマンガだったにも関わらず、連載が進むに連れてどんどん「正統派ファンタジー格闘マンガ」のスタイルを確立、作者が経験を積んで成長して行くのが読んでいても実感できる作品だったと思います。
 もし、まだサンデー超増刊が月刊誌として健在だったら、おそらくそちらに移行しても連載を継続させる価値はあるマンガだと思うのですが、歴史に「もし」は許されない以上、ここでの連載終了もやむなしでしょう。

 何にしろ、若木先生おつかれさまでした。次回作を期待します。

参考

 →HoneyDipped

 Webサンデーで触れていた、若木民喜先生のブログ。
 今頃はきっと、何だかんだ言いながらもDOAX2をやり込んでいるに違いありません。

2006/11/21

■サンデー50号感想(遅れました版)

結界師

 黒兜を操作して街を破壊できるゲームがあったら買います(感想)。

ダレン・シャン

 あまりに今の展開が少年マンガとして緊迫極まっているので、ついに原作(小説版2巻)を本屋で立ち読みしてしまいました。
 そしたら、なんかホントにそのまんまだったよ! RVの腕ちょんぱも、今回のサム残酷ショーも、本当にマンガと一緒だったよ! すげえ! 「ダレン・シャン」すげえ!
 「マンガが面白くて原作読んだらオレの負け」ルールに従い、私は今週ダレン・シャンに全面敗北を喫してしまいました。「ダレン・シャン」原作小説版は、小学館から絶賛発売中! 汚くて臭くて不気味なモノが大好きなよい子のみんなは、「ダレン」をモリモリ読んで闇の世界を垣間見て震えるが良いと思うよ!(←巧妙なアフィリエイト)

 血を飲むことを拒否していたヴァンパイアが血を飲むエピソードの重要さ加減については、伝説のTVアニメ版「ヘルシング」におけるセラスのアレで重々承知している世代の私としては、次回のダレンの行動がマンガ版ではどのように描写されるのか注目して行きたい所存です。

焼きたて!ジャぱん

 時折「今の『ジャぱん』のどこが面白いのか判らない」という感想を見かけますが、そういった方には「考えるな、感じるんだ」という截拳道(ジークンドー)の心意気でこのマンガに臨んでみることをオススメします。
 今の「ジャぱん」は様々な奇跡的な経緯をたどってこのような結末を迎えることになった、存在自体が奇跡的なマンガなのです。「奇跡」とは通常なら決して起こりえない常識の埒外から生じるものである以上、理論的に「ジャぱん」とは何かを追求しようとしても無意味なのです。ただ感じて悟りを得ることこそが、「ジャぱん」の面白さを知ることに繋がるのです。一介の料理マンガとして終わることなく、悟りの境地を切り開いて伝説を造り上げた「ジャぱん」に栄光あれ! なのです。

 通常のロジックであればこのマンガも幕引きが近いはずなのですが、「ジャぱん」には通常のロジックが通用しないから恐ろしいですね。

武心

 流星パパがいきなりイングラム王女の盾となって死亡。
 今回のパパの死に様に関しては、いくらボディーガードの仕事は身体を張って主人を守ることであるとは言うものの、よりによって首で標を受けることはないんじゃない? 素直に腕を伸ばした方が良かったのでは? と、サンデーを読んだ人全てが突っ込んだに違いありませんが、この辺は「Zガンダム」でフォウがカミーユを庇うためにあえて頭部で攻撃を受けて死んでしまったのと同様の「如何にキャラを印象的に散らせるか」という演出の話なので、ここは素直に「パパかっこいいなあ」と感心するのが良き万乗ファンとしての勤めなのではないかと思われます。
 首に刺さった相手の飛び道具を引っこ抜いて投げ返すパパさいこう! 息子に対して「別れには笑顔が相応しい」と言い張って無理矢理笑わせるパパさいこう! 散り際の微笑みが見事なパパさいこう!

 徐々に「武心」も、存在自体が奇跡であるレベルのマンガに近付いてきました。良いことです

ハルノクニ

 思想や信教の自由や多様性が保証されていることこそが、その社会が本当に成熟しているかどうかを推し量ることができる重要な証となる――と私は思うのですが、「世界に冠たるべき美しい我が国に相応しくない奴はぬっ殺す!」と叫ぶ榊首相と、「豊かでなくても平和な生活を満ち足りて過ごせる国になろう!」と叫ぶハルにゃんが同列に存在することができる今の日本って、別にそんな悪い国じゃないじゃん? みんなそんなにカリカリしなくても良いじゃん? 「ハヤテのごとく」第36話のサブタイトル・『現在が大事だ!! 現在を守ろう!! 「世界を革命しない力」!』を我が国の国是としても別に構わないじゃん? とか思いました。
 作品の趣旨に反した、たいへんに後ろ向きの感想で申し訳ない。

 何はともあれ、現代社会の意識を背景とした社会派作品を週間少年マンガ誌に掲載し、無事に連載を完結させたことは素晴らしいと思います。
 おつかれさまでした。

2006/11/12

■愛をわしづかめ! サンデー49号感想

ダレン・シャン

 我が国が誇るホンモノの環境戦士・ムツゴロウさんこと畑正憲氏は、かつてライオンに指を噛み千切られても全く動ずることなかったばかりか、「こんなかわいいライオンにだったら、指だけでなく体全部を食われたっていい」とまで語ったと伝えられていますが、環境戦士RVには到底そのような真似はできなかった模様。自分が助けようとした動物に両腕を噛み千切られたくらいで発狂してしまうなんて、RVはムツゴロウさんと比較すると所詮は動物愛護の精神においても小物に過ぎなかったということなのでしょう。
 「動物の解放」という題目を実現するのが如何に困難なことであるかを、RVは身を以て知ってしまう結果になってしまいました。さようならRV。そして教訓をありがとう(ひどい)。

 そんなRVの余計なおせっかいで、余計に事態は悪化。サムを巡るウルフマンとダレンの戦いはもはや避けられなくなって来ましたが、明らかにダレンは劣勢です。以前クレスプリーが言っていた「ヴァンパイアが血を飲んだ人間は、ヴァンパイアの中で永遠に生き続ける」という言葉が、ますます重みを持って来る展開に。さようならサム! そしてありがとう!(きめつけ)

結界師

 アニメ版では「あたしがヒロインよ! ヒロインなのヨ!」みたいな感じで良守(および視聴者)相手にブリブリ言わせている時音さんですけど、マンガ版の方ではすっかり不憫な立場に立たされてます。今週なんか、閉じこめられた壁とにらめっこしただけで出番が終わりという有様ですよ。良守が大怪物相手に大立ち回りを見せ、烏森の力を得て更にパワーアップを果たそうとするなどますます主人公らしい活躍をしたのとは、あまりにも対照的です。
 この調子だと、人気の面でも時音のパワーアップ版とも言える刃鳥さんに奪われかねません。というか刃鳥さんって、普段は裏会実働部隊サブリーダーとしてツンツンした態度を取っているけど、正守と二人っきりの時はデレデレしたい! とか思ってる系のツンデレキャラに、鍛えればなれそうな気がしませんか皆さん。時音あやうし。超あやうし。がんばれ正ヒロイン。

ハヤテのごとく

 ハヤテの感想を書いてあるサイトを読むと、最近とみにおっぱいが目立つようになった上に料理上手というスキルまで披露した咲夜に関する話題は多いのですが、ネコミミでハヤテを籠絡しようとしたマリアさんに関する話題はあまり(というかほとんど)みかけないような気がします。
 「ハヤテ」界におけるもっとも報われない女性キャラって、やっぱりマリアさんなのではないのでしょうか。でも、今回の「おひまをいただくニャン!」なんて、世のOLが退職する時に上司に言って欲しい台詞ナンバーワンクラスの破壊力ですよ! がんばれマリアさん!

 そして、やっぱりマリアさんは、メカハヤテと結婚した方が良いと思います。

あいこら

 ハチベエがフェチを捨てられないのは最初から判っていたことなので、今回のストーリーは冒頭から結論に至るまで全てが予定調和的な展開であった、と言えばそれまでのエピソードだったのですが、とにかくハチベエをフェチの側に戻そうとする連中のやることなすことがあまりに面白過ぎるので、それだけで十分楽しめました。

 特にヤバいのが、科学部の辰巳与一郎。彼の科学技術力の高さは、あの伝説の3Dメガネの回で彼が弓雁ちゃんのおっぱいを見たいがためだけに「服が透けて見えるメガネ」を開発してしまったところからも伺い知ることができますが、そんな彼が技術力の全てを結集して作ったのが、よりによって「ミラクルバスト付きエプロン月野弓雁モデル」であるというバカっぷり。つけて良しもんで良しはさんで良しですよ。はさむって。はさむってアンタ。「愛はここだ! 愛をわしづかめ!」 わしづかめってアンタ。
 そんな一連の気が狂った(良い意味で)騒動の果てに出てきたのが、フェチ界の相田みつをこと油坂先輩が放った名言「フェチは別腹」。恋愛だけが正しい愛の形だと信じ込んでいるこの世界に、フェチという概念を使って変革を起こそうと戦っている油阪先輩(=井上先生)だからこそ出てきた名台詞です。フェチ戦士油坂おそるべしであります。彼なら、例えフェチに両腕を食いちぎられても一向に動じないに違いないね!

 そんなアレな話だったので、「いきなり恋愛マンガに走るだなんて、井上和郎先生はどうかしてしまったのではないか」という懸念は、今回のエピソードで払拭されたのではないのでしょうか。ラブとフェチを融合させるために戦う井上先生の今後の活躍に期待します。

お坊サンバ

 数珠に念力を注入することでパワーが発動するって、それアンタ「GS美神極楽大作戦!!」の横島君の文珠!(ファンサイト要素)

 個人的には結構このノリは好きなので、読む分には問題ないです。サンデー本誌に出てきたこともあり、飯島浩介氏のマンガ特有のアクの強さもいくらか軽減されているみたいですしね(これでも)。
 このマンガにおける最大の問題は、これが「クロスゲーム」の代わりに連載されているということだと思います。

RANGEMAN

 今現実社会の日本において足りないもののは、エロ妄想で頭の中が一杯なドジっ娘の存在である! と、返す返すも思ってしまいました。

2006/11/05

■「アルバトロス」のユウキ母の可愛さはもはや異常の域(サンデー48号感想)

ダレン・シャン

 町内の図書館の書籍検索システムで「ダレン・シャン」全12巻のあらすじを読み、そのスケールの壮大さっぷりに驚愕している私ですがこんにちは。
 どのくらい壮大なスケールなのかと言えば、もしサンデー連載版「ダレン・シャン」が今のエピソードで終了してしまったとしたら、「俺達の戦いは始まったばかりだ!」という言葉を最期に10週で連載が打ち切られた週刊少年ジャンプのマンガの新人作家が脳内に抱いていた壮大な構想に匹敵するくらいの壮大さですよ(判りません)。
 というか、今やってるエピソードって、原作で言えばまだ2巻目みたいです。先が長い。

 「ダレン・シャン」が斯様に壮大な作品である以上、今回あっけなくダレンに撃退された環境戦士RVなどは、所詮は小物に過ぎないということだったみたいです。「人間がウルフマンのエサなら、人間が殺されても仕方がない!」とか言っておきながら、いざ自分が人間以上の存在であるダレンに殺されそうになると「寄るな化け物!」と言い出す偽善者っぷり。まさに小物。動物のためなら死ねるんじゃなかったのか!(RVは言ってません)
 それに比べると、サムは大物というか、自分のわがままが簡単に通ると思い込んでいる子供は無知であるが故に強いんだなあ、と思ってしまいます。ちょっと前まではダレンも同じことやってたかと思うと尚更です。

 あと、「人間なんかに僕たちの気持ちがわかるもんか!」っていうダレンの台詞は、今週の「絶対可憐チルドレン」における薫の「皆本はノーマルだからそんなことが言えるんだ!」にも通じている部分があると感じました。人とは異なる才能を持ってしまった超人が必ず抱える苦悩を、シチュエーションは異なりますがどちらも描いているように思えます。
 超人モノなら必ず直面するこの問題をどうやって乗り越えるのかに注目。でも、なんか「ダレン」の方は悲劇しか待っていない気がしますが。

結界師

 「まだいけます。今、背負ってるものの大きさ刻みつけましたから
 時音が囚われていると知った時は焦って拙攻に走ってしまっていた正守が、学校の外に広がる街を見て急に落ち着きを取り戻すシーンが印象的でした。オレが主人公だ! みたいな気概を感じます。さすがアニメになった作品の主人公はやる気が違う!
 オレが羽鳥さんなら、今頃は良守に惚れてるね! っていうか、例え奥久尼でも惚れる!(言い過ぎ)

ハヤテのごとく

 「GS美神極楽大作戦!!」でマリアが美神の下で働くことになり、マリアのあまりの有能さに嫉妬した横島が「機械がオラ達から仕事を奪うー!」とラッダイト運動的な泣き言を言い出すエピソードを思い出しました(ファンサイト要素)。

 「ハヤテ」のマリアさんは、このメカハヤテと結婚したらどうかと思った。

GOLDEN AGE

 「今回は白河の『魔法』はたしかになかったはず…こいつ…ただの策士ではないのか…
  計り知れない…!

 何を考えているのか判らない時の唯は、何も考えていない事の方が多いのではないか? と思いました。というか、この子は絶対深いことは何も考えてないね!(決めつけ)
 周囲が勝手に「何だか判らないけどとにかく凄そうだ!」と思うことそのものが、唯君のマジックなのかも知れません。

あいこら

 ラーブ! アーンド! コラージュ!(タイトル再確認)

 「フェチ修行のため連載をお休みします」という前代未聞の理由で連載を休んだ井上先生が、休載開けで始めた新展開がハチベエと桜子のラブラブ展開だったということで、読者の間で多少の動揺が広がっているように思えます。「もうすぐこのマンガは終わるのではないか?」という悲観的な意見も、ちらほら見受けられます。

 確かに、普通のラブコメマンガであれば「主人公がメインヒロインに告白して相思相愛に!」という展開はそのままラストになだれ込むのが常道なのですが、しかしこれは普通のラブコメマンガではなく、異常なフェチマンガであるところの「あいこら」なのです。しかも作者は、変態漫画家の第一人者の井上和郎先生。井上先生のマンガがこのまま素直かつ常道な路線でラブコメ一直線となるかと申さば、これは否! 断じて否! と申し上げるしかないのであります。むしろ、今回の展開で桜子が完全無欠なツンデレキャラと化したことで、更にフェチ的な要素に拍車がかかる可能性もあります。
 また、例え桜子がハチベエと相思相愛関係であろうとも、ハチベエを巡るパーツ女子達の戦いは終わった訳でも何でもなく、逆に「しかし! これは敗北を意味するのか?! 否! これは始まりなのだ!」という展開になるのは間違いありません。更に、桜子には過去に恋愛関係で友人とトラブルになっていじめられたというトラウマを抱えているので、それを乗り越えなければならないという障害もあります。それより何より、あのハチベエにマトモな恋愛ができるのかという大問題が(略)。

 前作「美鳥の日々」においても、セイジと(右手状態の)美鳥が相思相愛状態になってから「本当にこのままの関係で良いの?」と二人に問いかけるエピソードを通して二人が普通の男女の関係を築く決心をするまでを描いたりするなど、井上先生はそういう系統のストーリーを作る能力にも長けていることも忘れてはなりません。井上先生はただの変態漫画家ではなく、愛を描ける変態漫画家なのです。フェチとラブを等しく描ける天才的な変態漫画家・井上先生が描く今後の展開に期待したいですね!

 とか書いていきなり連載が終わったらやだなあ(だいなし)。

目次の質問
  • モリタイシ先生の答「言いにくいレベルの二次元のキャラなので言えません
  • 畑健二郎先生の答「ゴザ16世皇帝陛下

 二次元への愛における器の大きさで、畑先生の勝ち。

2006/10/28

■「結界師」アニメ第3話録画失敗記念・サンデー47号感想

結界師

 「結界師」で検索してこのサイトにたどり着いた皆さん、こんにちは!
 結界師で好きなノーマルカップリングは、正守×夜未です!(唐突)

 今回のマンガの方は、「黒兜に食べられる→再生→黒兜に食べられる」を何度も繰り返す、髪の妖怪の体当たり演技に心を打たれました。
 あと、黒兜そのものも妖怪としてカッコイイです。でっかい怪獣が建物の中から登場して破壊しながら大暴れするシチュエーションが大好きなんですよ私。やっぱ妖怪モノは、妖怪が格好良くないとね!

 しかし今週のサンデーは、応募者全員サービスの良守フィギィアのアレっぷりに全てを持って行かれた感があるので、本編が霞んでしまったのが残念です。耐えろ良守。

ダレン・シャン

 クレスプリーのダメ親父っぷりがどんどん愛らしくなってきました。友達からの無理なお願いをどうしようかという子供っぽい理由で悩んでるダレンよりも、そんな子供とどうやって関係を築いていいのか判らなくて悩むクレスプリーに感情移入してしまうなんて、身も心もすっかりオヤジだなあハハハ(笑えない)。
 そして環境戦士RVがヤバいです。彼からはホンモノの香りがしますよ! 「サイガアンテロープのためなら死ねる!」とか日常的に言ってそうでヤバいです! 動物たちを救うためなら人類をも絶滅させる勢いで戦うに違いない環境戦士の襲撃に対し、フリークス達が如何に立ち向かうか楽しみですネ!(だんだん方向性を間違えてきた)

助けて! フラワーマン

 リーゼント+グラサンという前時代的なヤンキーファッションの主人公が花屋をやってるギャップが作品世界の根幹を成しているこのマンガですが、個人的にはむしろ花屋のお姉さんの方が明らかに花屋でないような気がしてなりません。
 というか、何故彼女は、花屋に似つかわしくないあんな派手な恰好をしているのでしょうか。きっとここにも主人公と同様、何かもの凄い秘密があるに違いない! と思っているのですがどうか。思い込みすぎ?(そんな気がする)

MAJOR

 「『MAJOR』とは、吾郎が単身アメリカに乗り込んで見事父の敵を討つまでの過程を描いた、大河野球ドラマである!」と信じていた私の認識が、ついに粉々に砕け散ってしまいました。美しい物語に対して素直に感動できない自分がここにいます。べ、別にギブスンに対する桃子さんの態度に感動したって訳じゃないんだからね!

ハヤテのごとく!

 ボク達は、そんな若作りなマリアさんが大好きです。

あいこら

 今週のサンデーの感想を書いてるサイトを覗くと、ことごとく「こんなラブにひなってるマンガなんか『あいこら』じゃねえ! ラブはいらねえ! フェチを見せろ!」みたいな反応になってるのが面白かったです。ホント、みんなフェチが好きなのな!
 あと今回は、盃二が悩めるハチベエに対するアドバイスする友達役という、まるで常識人みたいなポジションに立っていたのも面白かったです。このマンガに出てくる男性キャラは、基本的に変態ばっかりだからなあ。

GOLDEN AGE

 蓮葉と浦田の間にフラグが!

 っていうか、もうこのマンガ、少年同士がフラグを立て合うマンガにしか読めません!
 たすけて!

ハルノクニ

 死ね! 死ね! 死ね死ね死ね死ね死んじまえ! 日本人は邪魔っけだ! 黄色い日本ぶっつぶせ! という、「死ね死ね団のテーマ」並に日本人を殺していきたい意気に溢れた榊総理の演説が素晴らしかったです。
 ここまで国民を弾圧する思想を持った指導者がサンデーに出てきたのは、「神聖モテモテ王国」のファーザー以来なのではないかと思います。自分がモテる為に他の男を皆殺しにするのも、自分が理想とする美しい国作りに邪魔な人間を皆殺しにするのも、客観的に見ればやってることにあんまり大差はないですよねー。

 頬を紅潮させた麗秘書官は萌え対象だと思いました(感想)。

武心

 「新章ロイヤルガード編」ってアンタそれ「一番湯のカナタ」!(ファンサイト要素)

 イングラム王女が出た時、かつて「ダンドー」を読んでいた人はまかり間違いなく「ラミアたんキター!(AA略)」と叫び声を上げたに違いないです。やっと「武心」にも、レザースーツでスライディングをかましてくれそうなキャラが! そうでなければ万乗先生のマンガじゃないよね!

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