2006/02/04

■サンデー9号絶チル感想

 『大人だからものすごい下ネタも思いつくけど、それは心の中にしまっておきたい。
  大人になるって不思議だね

 日頃からマンガを読んでは「萌え」とか「パンチラ」とか「(*´д`)ハァハァ」とかそういう事を、思いつくがままに口に出したりネットに書き込んだりしている大人の皆さんこんにちは(挨拶)。

 今週のサンデーに掲載されていた「絶チル」の表紙イラストを初めて見た時、卵の殻から孵化しようとしている葵を何故か皆本と見間違えてしまい、「粘液に包まれた全裸の皆本キター! 彼はどこまでもエロい描写が似合う男だなあ!」と思ってしまったんですけど、私ももういい歳した大人なので、それはそのまま心の中にしまっておきたい。
 精神的な成長度合いで十歳の薫に負ける訳にはいきませんからね(手遅れ)。

 そんな訳で今週の「絶対可憐チルドレン」は、夢の世界の中で薫と皆本がストロベリってしまうという、大人ならずとも読んでいてたいへんにお尻がムズムズしてしまう展開でした。いやもう読んでてウキウキしてしまいましたよ今回。

 椎名高志先生の週刊連載マンガで、主役級のキャラ同士がここまでストレートに「好きだ!」「好きよ!」的な台詞の応酬を行ったのは、ひょっとしたらこれが初めてなのではないのでしょうか。キスシーン(今回は未遂だけど)も、「MISTERジパング」のヒガケと日吉のアレ以来なような気がします。
 かつて「GS美神」では、マンガの中でそういうのを期待させる展開を繰り広げて来たにも関わらず、作者に照れがあったのかどうかは判りませんが、結局最後までそういうシーンがあまり出て来ないまま人間関係が煮え切らずに終了してしまい、そういうのを期待していたファンを随分とやきもきさせたものでしたけど、現在の椎名高志はそういうシーンも必要とあれば照れずに躊躇なく描けるくらいに成長したんだなあと、何だか感慨深くなってしまいました。
 長いことファンやって来て良かったです(エラそう)。

 また、この二人の関係が今回ここまで一気に進展したのは、薫というキャラクターがこれまでの椎名マンガにはあまりなかった程に恋愛に対して直情的で押しまくるタイプであるのと、その一方で皆本が押しに弱いタイプというか、むしろ押されることで魅力が出てくるタイプなのにも一因なのではないか、という気がします。こんな二人が誰もいない世界で二人きりになれば、こうなる方がむしろ自然と言えましょう。
 「作者の中でキャラクター達が意志を持って動いている」ってのはこういうことを言うのかも知れない、と今回の話を読んで思いました。

 「夢から醒めたら、夢の中で起こったり考えたりした事はほとんど忘れてしまう」という制約があるので、今回のストロベリーエピソードが直接今後の展開に影響することはなさそうですが、二人が将来を約束することで兵部が作った「予知を元に未来での可能性を捜すために作った夢」から脱出できたということは、彼らが「予知」を覆すだけの可能性を持っていることが明らかになったことを意味しています。
 そういう意味において、今回は物語的には大きな進展があったのは間違いありません。

 まあ、今後この二人が現実世界でも今回みたいな調子で始終いちゃつかれると困るので(政治的に)、とりあえず今回のストロベリィな展開はあくまで「夢」で済ませておいた方が良いのかも知れませんが(政治的に)。
 また、兵部は結局今回は敗れはしたものの、「キミは将来、自分の担当するエスパーに手を出すね」ネタでこれから更に皆本をいぢめることが可能になったので、今後の彼の陰湿なリベンジにも期待させて頂きます。

 あと、ネットに上げられた今週の感想を読むと、「いくら紫穂のサイコメトリー能力が高いと言えども、目をつぶった状態で銃の着弾位置を予測できるというのは如何なものか?」という意見をたまにみかけますが、でもまだ十歳で未発達な超能力少女の性感帯を一発で見抜くだけの眼力があるなら、いくら精密とはいえども機械に過ぎない銃の弾道を予測することなど簡単に違いないと思いました。

 というか、まだ十歳なのにあんなに敏感でいいのか葵。「悪女」とオフィシャルなキャラ紹介に書かれてしまう紫穂に弱点を握られて大丈夫なのか葵。
 ますますいじられキャラ属性が強まってきた、葵の将来が心配です(結論)。

■コミックス発売祝賀エントリー

絶対可憐チルドレン 1 (少年サンデーコミックス) 絶対可憐チルドレン 1 (少年サンデーコミックス)
椎名 高志
小学館 / ¥ 410 (2005-10-18)
 
発送可能時間:在庫あり。

絶対可憐チルドレン 2 (少年サンデーコミックス) 絶対可憐チルドレン 2 (少年サンデーコミックス)
椎名 高志
小学館 / ¥ 410 (2005-10-18)
 
発送可能時間:在庫あり。

 本日10/18、ついに「絶対可憐チルドレン」のコミックス1・2巻が同時に発売されます。
 今を去ること2年4ヶ月前、サンデー超増刊に「週刊誌連載復帰を賭けたプレゼンテーション作品」として絶チルの読み切り版が掲載されてから、様々な艱難辛苦や無理難題を乗り越えて正式連載枠を獲得、そしてついにコミックス発売にまで到達致しました。しかも、コミックス2巻分を同時に発売するという、まるで「絶チル」がサンデーきっての超人気作品みたいな超優遇っぷりですよ!(人気作品じゃないの?)
 作者を始め、関係者各位の苦労がついに形となって実を結んだと言えるでしょう。本当にお疲れさまでした。

 ただ、それはそれでめでたいのですが、なんか「絶チル」の書店への配本が少ないのでは?鏑木週報さんより) という話がちらほら聞かれるのが気にかかります。確かに「カナタ」の実績を考えると、配本が少なくなるのも(以下略)。また、現在bk1では早くも「この本は現在お取り扱いできません」状態になっているのも、大変に気になります。
 果たしてこの本、我々は本当に今日、本屋で仕事帰りの時間に買うことができるのでしょうか。

 諸君らの幸運を祈ります!(←どこが祝賀エントリ?)

10/19 1:30追記

 bk1は「24時間以内に発送」のステータスに変更になっていますね。
 Amazonは昼頃までは「予約受付中」だったのですが、現在は「2~3日以内に発送」に。とりあえず在庫はあるみたい。

 また、主なネット書店の10/18現在での状況は、阪田犬助さんがまとめて下さっています:
 →絶対可憐チルドレンのネットにおける在庫状況月見日記

 なお、自分がいつもマンガを買っているマンガ専門書店では、「絶チル」は1巻・2巻共に平積み状態で売られており、普通に購入できました。良かったー
 紫穂に「あの人ガンに気づいてない」と思われていないかどうかだけが心配です。


2006/01/23

■暗号名は光速の眼鏡(サンデー7号絶チル感想)

絶対可憐チルドレン

 「光速の女神」もいいけど、むしろ「光速の眼鏡」の方が良くないか!
 女神よりも眼鏡の方が強いんだ!(ダメだ)

 そんな感じで、葵のニックネームが明らかになった今回の「絶対可憐チルドレン」。キャラ紹介の欄にも「戦闘能力も意外と高いことが今回判明」とか書かれる程、兵部を向こうに回して大立ち回りを披露してくれました。

 ただこの異名は、薫の「破壊の女王」と同じく、彼女たちが将来ノーマル相手に戦争を起こした時に呼ばれる名前であることには注意しておいた方が良さそう。兵部が薫や葵をその名前で呼ぶのは、彼は伊号が予知した『エスパーとノーマルの間の戦い』は不可避であり、いずれ彼女たちがその名で呼ばれる時が来ると思っているからでしょう。
 むしろ、コミックス3巻の「瞳の中の悪魔」にあった兵部の台詞「君らに任せれば予知通りに運んでくれることは間違いないしね」から推測するに、彼と彼の組織(P.A.N.D.R.A.=パンドラ)は、エスパーとノーマルの間の戦いという予知を現実のものとすることが目的なのかも知れません。

 まだ紫穂は兵部からそういう名前では呼ばれていませんが、これは紫穂が薫や葵とは違ってエスパー側に立って戦いに加わらなかったために異名が付かなかった(=紫穂は皆本のいるノーマル側に付いた)からなのか、それとも単にまだ異名で呼ばれるシーンを作者が用意していないだけなのか、今のところは謎です。

 以下は私の妄想なのですが、兵部の組織が「パンドラ」という名前になっているのは、組織が伊号の予知をパンドラの箱の神話における「予兆」と同じように捉えているからなのかも知れません。
 パンドラの箱における「予兆」は即ち「予知する力」のことを意味しており、もしパンドラの箱から「予知する力」が飛び出してしまっていたら、人々は将来自分がどんな厄災に見舞われるのかを前もって全て知ってしまうが故に、希望を失って生きることができなくなるものとして扱われています。
 神話では「予兆」は箱から飛び出さずにいたために人間は未来に対する希望を失わずに済んだことになっていますが、「絶チル」では皆本と兵部がその「予兆」を手に入れてしまいました。

 「予兆」を手に入れた兵部は、来るべき将来を見越し、そしてそこから自分が望む未来を作る(=ノーマルを拒絶し、エスパーが支配する世界の構築)ためにバベルと決別、自ら組織を興して行動を起こしていると考えられます。薫を自分の仲間に引き込もうとしているのもその一環でしょう。

 一方の皆本は、その未来を変えてノーマルとエスパーが共存できる世界を作ることを決意してはいるのですが、現在はまだ「予知を元に未来での可能性を捜すために作った夢」の中でフラフラしている状況。皆本が如何に薫に泣いてすがろうとも、未来の彼女は戦いを止めようとしてくれません。
 これはつまり、今のままでは将来、薫が兵部の側についてしまう=伊号の予知がそのまま成就してしまうことを意味しています。

 しかし今週の展開で皆本の夢の中に薫が入ったことで、彼女もまた「前兆」を知る人間となりました。皆本に銃を突きつけられる未来が待っていることを知った薫は、その未来を変えようとする行動を(皆本と共に)起こすようになるはずです。兵部が薫を手に入れようと焦っていることから想像すると、もしかしたら薫は己の意志と行動によって、「前兆」を(パンドラの箱の神話のもう一つの解釈である)「希望」に変えることができる力を持っている存在なのかも知れません。
 今回の「サイコ・ダイバーズ」というエピソードは、そういう意味でも今後のこのマンガの展開に大きな影響を及ぼすことになるのではないか? という気がします。未来を知った薫の反応が見られるであろう、次回以降の展開が楽しみです。

 あともう一つ気になる点があるのですが、皆本と薫が同じ夢の世界でシンクロナイズド睡眠をしているということは、悪夢の後で訪れるレム睡眠時のA-10神経直撃のエロい夢までシンクロしてしまうのでしょうか。皆本は夢の中で大人の薫に対して散々エロい妄想を実現させて来たのは間違いないですが、更に煩悩の固まりである薫が己の妄想を夢の中で炸裂させたりしたら、そりゃもう凄いことになるに違いありません。
 はたして、薫の妄想はサンデーの限界を突破できるのか。彼女の妄想を実現するには、いったい乳首券が何枚必要になるのか。興味は尽きません。皆本の妄想を通じてオトナの世界を知ることになる薫の反応が見られるであろう、次回以降の展開が楽しみです。

2006/01/19

■絶対可憐チルドレン3巻個人的まとめページ

 実家の母親に電話をしたら、母が「フツーの拷問」を仕掛けて来たよ!
 助けて皆本!(近況)

 タイミング的に遅くなってしまいましたが、「絶対可憐チルドレン」コミックス3巻に関して、私が掴んだ情報をまとめて書いておきます。

・入手難度

 発行部数が少なかったおかげで大騒ぎになった1・2巻で出版社側もようやく判って頂けたのか、3巻は部数を倍増した模様。今のところ、リアル書店・ネット書店共に、特に極端な品切れを起こしている様子はなさそうです。
 それでも、ここの感想掲示板に「買えなかった」との書き込みがあったり、私の通勤経路途中にある本屋では既に3巻だけ品切れするなどといった現象が起こっているので、相変わらず油断できません。「売り切れ続出の話題作」という売り文句は伊達じゃないよ!(煽り)

・購入特典

 「とらのあな」で椎名先生書き下ろしのペーパーを3巻の購入特典として配布していたことはネットでも結構話題になっていましたが、2ちゃんねるの絶チルスレに書き込まれていた情報によれば、アニメイトでも店舗によっては「B5サイズの複製ネーム」を特典としてプレゼントしていたそうです(「フィアンセ戦車」さん1/16より)。
 アニメイトのサイトをちょっと調べてみましたが、そういう情報は見つかりませんでした。あまり大っぴらには宣伝していなかったみたい。特典付きの店舗が少なかったからでしょうか?

・制服

 コミックス3巻掲載分のエピソードより「ザ・チルドレン」の制服にマイナーチェンジが施され、帽子と首のリボン(ネクタイ?)のカラーリングが変更になっています(感想掲示板のるかるかさんからの情報)。白黒だとその辺が判らないのがちょっと残念。

 変更前変更後Webサンデーの壁紙サービスより)

・パンチラ

 既に皆さんご存じでしょうけど、3巻の表紙には、即売用の帯を外すと薫のパンチラを拝むことができるというギミックが搭載されています(「ヤマカム」さん1/16より)。

 本編では、「瞳の中の悪魔」編で皆本にパンツを見られた葵が頬を赤らめながらスカートで隠したり、本来なら非パンチラ要員であるはずの紫穂までもが大人バージョンでパンツを見せたりしてます。
 また「プリンセス・メイカー」編のラストシーンでは、連載時には描かれていなかった葵の下半身(ブレザーが捲かれている)を描くことで、却って直前の「スカートを破かれてパンツが丸見え」な状態だった葵の姿を読者に意識させようとする意図が垣間見えます。

 そしてカバーの折り返しでは、葵が「もおっ! なんでいつもローアングルやのん!?」と、京都弁でパンチラ過多な傾向に対して不平を可愛らしく漏らすことにより、読者にトドメを刺しに来ています。完璧です。

 即ち、絶チル3巻と言えばパンチラ。こう結論付けて良いでしょう。
 何だこれ! おかしい!(おわり)

2006/01/15

■「絶対可憐チルドレン」コミックス3巻購入

 皆本にパンツを見られてから、葵は私服ではズボンを着用するようになったことに全員注目!(挨拶)

 そんな感じで、「絶対可憐チルドレン」の3巻を購入しました。
 1・2巻の時は「配本が少ない」という情報が飛び交ったり、実際にネット書店が軒並み一時的に売り切れ状態となったりと色々大変なことが起こりましたが、さすがに今回は余裕で購入できる程の数が配本されたみたいで何よりです。
 アオリの帯に書いてあった「1・2巻は売り切れ続出の話題作」という言葉を見て、ちょっとだけあの頃の辛さと怒りを思い出してしまった今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 それでこの3巻ですが、その内容を一言で表すれば「『絶対可憐チルドレン』というマンガは、この巻から本当の物語が始まる!」という感じ。
 兵部京介というキャラの登場によって一気にこのマンガの世界に奥深さが出てきたと同時に、1~2巻では時々感じられた「大人が子供に読ませたいマンガ」的な『堅さ』もすっかり適度にほぐれ、より純粋に「子供が読んでも大人が読んでも面白い」と思うことができるエンターテイメント要素に磨きがかかって来たなと思いました。

 というか、ぶっちゃけて言えば、それだけ兵部というキャラが色々な意味で面白すぎるのですが。いやもう、ホントに兵部をイルカにしなくて良かったですね
 今兵部に萌え萌えになってる全ての読者は、イルカ化を水際で阻止した担当編集者と先生の嫁さんに感謝するべきです。

絶対可憐チルドレン 3 (少年サンデーコミックス) 絶対可憐チルドレン 3 (少年サンデーコミックス)
椎名 高志
小学館 / ¥ 410 (2006-01-14)
 
発送可能時間:在庫あり。

2006/01/07

■皆本妄想ショー(サンデー5・6号感想)

絶対可憐チルドレン

 前回の扉絵で男物のシャツを羽織って微笑んでいる薫の姿や、今回の「今(手が)ふさがってるんだもん!」と甘える薫の姿を見ていると、やっぱり椎名高志先生が描く煩悩の本質は、「GS美神」の『夢の中へ!!』で美神令子が横島クンに「だぞ」とか言いながらキスしてた頃と全然変わっていないんだなあと思って安心しました。

 個人的には、夢の中で皆本が薫にこれ以外にどんな格好をさせてどんなエロい事をしてたのかが大変に気になるので、今回のエピソードがコミックスに収録される時は、ぜひそういうシーンをおまけマンガとして掲載して頂きたい! と懇願していきたい所存です。ええもう是非。
 基本的に皆本はムッツリスケベなはずなので、そりゃもう葵ならずとも思わず「皆本はん、フケツ!」と叫び出したくなるようなプレイに耽っていたに違いないよ!(プレイ?)

 そんな感じで皆本が己の心の殻に閉じこもってイメクラドリームに熱中している間に、椎名先生(の頭)がおかしくなった時に現れる兵部が登場し、薫にアプローチを迫るという展開に。
 薫の皆本に対する好意を知った上で、「未来を変えて皆本を救うためにはバベルを離れなければならない」と薫を動揺させて誘惑する兵部の行動の小ずるさは実に彼らしくて素晴らしいのですが、でも彼の本当の狙いは薫ではなく、あくまで皆本。「ノーマルとエスパーの間には信頼が成り立つ」と信じている皆本を挫折させ、「ノーマルとエスパーは決して分かり合えない」という自分の考えに屈服させることこそが兵部の望むものであることを忘れてはいけません。
 かつてノーマルに裏切られた経験を持つ兵部は、自分が受けた行為を皆本に対して行い、彼が自分の理想に挫折する姿を見ることで、歪んだ満足感を得ようとしているように思えます。皆本を傷つけて自分と同じ境遇に叩き落として屈服させることこそが、今の彼の最大の望みなのです。兵部のサディスト的な一面が伺えますね。

 ――つまり今回のエピソードは、薫を媒体にした兵部から皆本への歪んだアプローチを描いたものであると解釈できます。
 兵部は薫を惑わせて皆本に屈服を迫り、皆本は夢の中で薫との明るい未来への道を模索し続ける。サディスト兵部が薫を誘惑して皆本を絶望させるのが先か? ムッツリスケベ皆本の妄想が現実を打ち破り、兵部の野望を打ち砕くのが先か? 今回のエピソードの焦点はそこにあると見ました。がんばれ皆本の妄想! 負けるな皆本の妄想!
 妄想こそが二人の未来への最大の絆! なんてハイブロウなエピソードなんだ!(←すみません椎名先生)

 あと、薫にくっつかれている時は「甘えすぎだぞ!」とツンツンし、いざ薫が離れようとしたら「行かないでくれ!」と甘えて懇願する皆本は、やっぱりツンデレの素質があるのではないかと思った。

2005/10/10

■絶チル12話がすごすぎる件について

 今週のサンデー45号に掲載された「絶対可憐チルドレン」ですが、ZETTAI KAREN BLOGGING(愛称:絶ブ)で引っかかる件数が普段よりも多いような気がします。今回のエピソードを「読み切り版以来の傑作」と評するコメントもあったりして、評判は上々な様子。いやもう今回はホントに面白かったもんなあ。

 また、今回のエピソードは、普段よりも多めにパロディが盛り込まれていることも話題の一つになっています。ですので、現段階で個人的に把握できたパロディとその元ネタを、簡単にまとめてみました。
 「他にこういうのもあるよ」といったご指摘は大歓迎。

サブタイトル:プリンセス・メイカー
プリンセス・メーカー。ガイナックスが1991年に発売。プレイヤーが戦災孤児の少女を養女として引き取り18歳になるまで育成する、というコンセプトが当時のゲーマー層に大ヒット、ガイナックスを代表するゲームソフトとなる。
 エンディングの一つに「娘がプレイヤーと結婚する」というものがあり、今回のサブタイトルは谷崎の野望からの連想で付けたものと思われる。
谷崎一郎
谷崎潤一郎。明治後期から戦後にかけて活動した小説家。代表作は『痴人の愛』など。
源氏物語』の現代語訳に取り込んだことでも有名。谷崎潤一郎の名前を持ってきたのは、そこからの連想であると思われる。
梅枝ナオミ
→「梅枝」:源氏物語の中の一節のサブタイトルに「梅枝」というものがある。源氏物語の各帖の名前は、女性の源氏名として好んで使われたという。
→「ナオミ」:谷崎潤一郎の作品『痴人の愛』の登場人物。『痴人の愛』は、カフェの女給であったナオミを見出した主人公が彼女を自分好みの妻に仕立てようとするも、逆に彼女の妖婦っぷりに翻弄されて破滅していくまでを描いた物語。

ProductName 痴人の愛 (新潮文庫)
谷崎 潤一郎
新潮社

キティ・キャット
→子猫ちゃん。「キティ」「キャット」も共に猫を表す言葉であるため、「ネコ被ってる」という意味合いも持つ(らしい)。
「ワイルド・キャット」は野良猫。転じて、奔放で手が付けられない女性という意味合いも持つ(らしい)。
天井から落ちてくる金ダライ
ドリフターズのコントに出てくる定番のギャグ。アニメ版「月詠」の最終話に出てくる程有名。
タライを頭に乗せながら「すみませんごめんなさい」と謝るナオミは萌え。
超力招来
→東映の特撮作品『イナズマン』の主人公が、サナギマンからイナズマンに変転するときの掛声。
「オヤジスイッチ入ります。」
安野モヨコの「働きマン」に出てくる「男スイッチ」のパロディ。
 雑誌編集部で編集者として働く主人公・松方弘子は、締め切り前の緊急時になると『男スイッチ入ります。』のかけ声と共に「働きマン」に変身、血中の男性ホルモンが増加して通常の三倍の勢いで仕事をこなすようになるのだ! というマンガ(間違ってはいない解説)。
「次はおいちゃんの番だよ~~?」
→「史上最強の弟子ケンイチ」のエロオヤジ・馬剣星がモデル。
 でもおそらく薫の方がエロい。

 あと、大変にどうでもいいことなのですが、葵のスカートが薫のサイキックで破られたコマの後、葵の下半身がマンガの中で描画されていないことが気になります。これはきっと、読者のあらぬ妄想を刺激させようという作者の陰謀に違いありません。椎名高志おそるべしです。

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