2004/07/23
■二人に幸あれ。久米田先生にも幸あれ。サンデー34号感想
- 水野鈴芽(金色のガッシュ!!)
- 保科さん(こわしや我聞)
- 青島さんのメール(モンキーターン)
- かってに改蔵最終回
- 美鳥の日々最終回
□
1. 水野鈴芽(金色のガッシュ!!)
石版編の頃はあまりの出番の少なさを読者からも心配され、「ウマゴンのパートナーは彼女になるのではないか?(出番が増えるから)」とまで噂されていた鈴芽。石版編も無事終了し、物語の舞台が彼女や清麿が住む街に戻ってきたことで、ようやくこの子にも再び出番が回ってくるようになりました。
鈴芽はナオミちゃんと並ぶこのマンガにおける"日常"の象徴であるので、やっぱり戦うよりもドジっ娘のままでいてくれた方がいい味出せると思います。いつまでもダメでドジで不器用なままの君でいて!
あと、今週の恵は調子に乗りすぎだと思いました。ちょっとばかり自分の方がカワイイし清麿君とも仲がいいからと思って、鈴芽を格下扱いしていい気になってますよ彼女。ライバルに対して全く容赦がない! さすが、生き馬の目を抜く芸能界で日夜戦っている人間は違う! 女はおっかねえなあ!
2. 保科さん(こわしや我聞)
今週のサンデーには、「こわしや我聞」の保科、「うえきの法則」の植木春子、「暗号名はBF」のアムネジア、そしてかつて「ARMS」で『笑う雌豹』の異名を持っていたに違いない「D-LIVE!」の亜取アキラなど、女性キャラが初登場する話が多かったです。しかも、どのキャラもみんなおっかないのが特徴なのも共通しています。サンデーは男性読者を女性不信にするつもりに違いありません。
そんな怖い女性キャラ達の中で一番個人的にグッと来たのが、「こわしや我聞」の保科さん。見た目は中学生だけど実は二十歳、性格はヤンキーで喧嘩っ早くて空手マニアだけど実は努力家で人情に厚く、そして父の形見のユンボに対して異常な愛着を持つという、かなり特殊な萌え要素を複雑に組み合わせて構成されたキャラクターだと思いました。
おそらく、建機マニアな方には最高にツボなのではないのでしょうか。サンデーは新しい読者層の開拓を狙っているに違いありません。
なので、こんな特殊なツボを持ったキャラが出てきちゃったら、もう「ATM強盗で使われる建機は、証拠隠滅の意味でも使い捨てするのが普通じゃ?
」とか「ユンボ壊すよりも犯人壊した方が早いぜ?
」みたいな常識的なツッコミを入れるのは無粋の極みでしょう。今回の強引とも思える展開は、全てはユンボへの愛のために戦う、建機マニアで空手マニアの保科さんが活躍するために必要な前振りなのです。彼女の次回の大暴れっぷりに期待しましょう。
3. 青島さんのメール(モンキーターン)
前回・今回と青島さんが波多野に宛てて出したメールがマンガの中に出て来ましたけど、何か彼女のメールの文章は雰囲気が妙にリアルというか、「男と付き合い始めて間もない女性が、彼氏に出すメールの文面」なフレーバーを実に上手く醸し出していると思いました。
彼女のメールには「~ね
」「~の?
」というくだけた表現と「~ます
」という丁寧な表現が入り交じってますが、この文面からは、一応彼女彼氏の関係ではあるけれどもそんなに深くお互いのことが判っている訳でもなく、まだ相手とどのくらいの距離を取ったらいいのかイマイチ計りかねている、ちょっと複雑な心理状態を伺うことができます。多分青島さんは、波多野に対してどこまでフランクな表現を使えばいいのか考えながら、慎重にメールを打ってるんじゃないのでしょうか。
恋愛って、こういう微妙な関係にある時が、実は一番ドキドキできて楽しいんですよね! 青島さんは初々しくてカワイイなあ! キシャー!(独身男性の奇声)
そんな感じで幸せそうな彼女とは対照的に、波多野はどんどんダメになって行きますな。レーサーとして。
ちょっと前まで「どっちも本当に好きなんだ!
」と調子のいいこと言ってた報いって奴ですよガハハハ(独身男性の奇声)。
4. かってに改蔵最終回
「南国アイス」の時代から最終回のネタっぷりには定評がある我らが久米田先生が、期待に応えて今回もまたやってくれました!
全ては改蔵や羽美達が作り上げた共同幻想だった、という衝撃の結末! ネットでは賛美と批判が入り乱れた感想が飛び交い、ものすごい大騒ぎに! 議論好きなブロガー達も、こぞって「改蔵」をネタにしてますよ! 今、まさに「改蔵」が世界の中心にいます!
やりましたよ久米田先生!
そして、秋に発売される予定のコミックス最終巻には追加原稿が掲載されるー、みたいなことが今週のサンデーに書かれていましたが、何しろ久米田先生のやることなので、きっと感動の最終回を再び台無しにするマンガを繰り出してくるに違いありません。
ですので、今週の最終回に本気で感動し、メタフィクション的な視点で「改蔵」を解析してみよう! みたいな意欲に目覚めてしまった方は、コミックス最終巻は読まない方がいいんじゃないかと思いました。
久米田先生の次回作に期待します。
5. 美鳥の日々最終回
そして、「美鳥の日々」も今週で終了。「右手から女の子が生えてきたら面白そうだ!
」というアイデア一本だけで勝負、読者に対しては常に右手の美鳥に対して萌え続けることを要求し、その上出てくるキャラは高見沢みたいなおかしな連中ばかり、というやや特殊な要素が目に付くマンガではありましたが、でも基本的にやってることは極めて真っ当なラブコメマンガだったと思います。
「真っ当なラブコメマンガ
」を最初から最後まで描くのが如何に難しいことなのかは私もよく判っているつもりですので、ここは素直に作者の井上和郎先生の手腕を褒めるべきでしょう。
ドラマCD化やアニメ化も果たし、読者みんなから愛される作品を作り上げることに成功した井上先生は、もうすっかり人気漫画家の仲間入りを果たしたと言えます。「美鳥」の連載成功で週刊連載漫画家としての実力があることも十二分に証明できましたし、今から次回作が楽しみです。
そんな「美鳥の日々」の唯一にして最大の不幸は、一緒に終了した「かってに改蔵」があまりに凄すぎて、せっかくの最終回なのにあまり話題に上らないことでしょうか。
今週のサンデーの誌面でも、「改蔵」の方が優遇されてたしなあ。やっぱり凄いなあ「改蔵」(結局)。
2004/07/09
■青島さんと関わる男性は不幸になる定めなのか サンデー32・33号感想
- 墨村正守(結界師)
- 小坂健助(道士郎でござる)
- 終わりそうな改蔵と美鳥の日々
- 國生さん(こわしや我聞)
- マジョラム(暗号名はBF)
□
1. 墨村正守(結界師)
いやその、今週の「結界師」で一番グッと来たキャラは、本当はヒゲ兄貴こと正守じゃなくて彼の結界に反応してゾクッと来た表情を見せた時音の方だったりするのですが、そっちは今回のストーリーの本筋ではないので、残念ながら今回はこちらを。
「烏森を永久に封じて災いの元凶を取り除きたい!」と決意を表明した良守に対しては「いいんじゃない? やってみなよ
」と、まるで好きな女の子に告白するかどうか悩んでいる中学生男子の相談を適当に聞き流す大人のような対応を見せた正守でしたが(変な例え)、でも良守の決意を聞いた直後に「町中に結界を巡らせて異形を探す」なんて自分でも無茶だと判っているような行動に出てしまうところから考えると、やっぱり本心では弟の決意に対して色々と思うところがあるみたいです。陰からこっそり男子の恋を応援する大人みたいで格好いいです(変な例え)。
また、その後の良守と祖父との対話では、「裏会」での彼の立ち位置にも含みを持たせていますし、やっぱり彼は「『裏会』の側に立って烏森の力を得ようとしている」単純な悪役という訳ではなさそう。
ただ、だからと言っても、単純に良守達の味方という訳でもないのも、また間違いないでしょう。個人的な裏ヒロインである夜未をいいように操って「裏会」の中で何かやらかそうとしているのも気になります。やはりこの男は、今後のストーリーにおいて大きな鍵を握る存在となりますね。
それに、やっぱり実の兄弟はライバル関係である方が、少年マンガ的に盛り上がりますしね! 墨村の正当後継者となれるのはただ一人! みたいな!(まちがい)
何にしろ、烏森を巡る各人の思惑が巡り始めたことで、いよいよこのマンガは本格的にストーリーが動き始めたと見るべきでしょう。
夜未の今後が気がかりです。
2. 小坂健助(道士郎でござる)
いやその、今週の「道士郎でござる」で一番グッと来たキャラは、本当は健助じゃなくて「早乙女と呼べー!
」と激高する前島君の方だったりするのですが、そっちは今回のストーリーの本筋ではないので、残念ながら今回はこちらを。
今回の事実上の主役となった健助君は、基本的に彼は読者と「常識」を共有して作品世界を観察する、いわゆる『読者にとっての視点キャラ』的なポジションに位置するキャラクターであると言えます。
そういう立ち位置にいるキャラなので、彼はこのマンガの中では常識外れな道士郎や校内のヤンキー達のおかしな行動に対して常識的な見解からツッコミを入れる『傍観者』に徹するものとばかり思っていたのですが、でもなんか意外に早くも彼に成長の兆しが訪れた模様。まあ、いかなツッコミ役といえども、道士郎に最も近い位置にいる彼もまた「道士郎効果」の影響を受けていた、ということなのでしょう。
たった一人の男が、無感動・無関心が支配していたつまらない世界を書き換えていく。なんて清々しい、少年マンガらしい少年マンガなのでしょう。西森先生すごいなあ。伊達にヤンキーばっかり描いてた訳じゃなかったんだなあ。
周囲のヤンキーのみならず視点キャラの健助君までもが変わり始めた今、このマンガもまた本格的にストーリーが動き始めたと見るべきでしょう。
個人的には、「早乙女と呼べー!」と激高する前島君が、再び道士郎からクズ呼ばわりされないかがどうか気がかりです。
3. 終わりそうな「かってに改蔵」と「美鳥の日々」
「どちらかが出れば、どちらかがへこむ。本当にいいコンビよね。
」
いつも二人でいれば、もう大丈夫ね
ああ、なんか「改蔵」の部長が勝手に二人をとりまとめるような台詞を!
彼女は本当に心からそう思っているのか! ちょっと違うような気がするよ!
「あなたたち二人は、
」
この扉の向こうにあるものを、手に入れる権利がある
そして、改蔵と羽美に、このマンガに引導を渡す役割を押しつけようとしているよ! 今週の部長は本気だ!
こわい! 部長がこわい!
そんな訳で、当初の予告通り「かってに改蔵」は次回で最終回を迎えることに。
最終回の作り方には定評がある(らしい)久米田先生の引き際に注目したい。
そして、同時に「美鳥の日々」も次回で最終回。基本的にはアニメ版最終回と同じような話になりそうですが、マンガならではの奥深い心理描写を期待したいところです。
終盤のキーアイテムとなった美鳥の日記は、個人的には以前「人間に戻った美鳥がかつての自分が書いた日記を読み、失っていた過去の記憶を取り戻す」ために使われるのかなーと予想していたんですけど、逆にセイジが美鳥の本当の気持ち――右手の立場から巣立ち、改めて自分の意志で告白したい――を知るために使われたのが興味深かったです。
このマンガは、ダメ人間の美鳥を引きこもりから脱却させるのが本来のテーマなので、あくまで美鳥が自分の意志で自分の身体に戻り、そして自分の意志でもってセイジに告白しなければ、美鳥の引きこもりが治ったことにならないんですよね。がんばれ美鳥! 引きこもりからの脱却を目指せ!
4. 國生さん(こわしや我聞)
國生さんってホントにいい娘ですね! 部下として一人欲しいです!
職場で隣の席からあの瞳で冷たく見つめられたら、気分転換でネットとかヤフオクとか絶対できないよね! 仕事が進みそうだなあ!(プレッシャーで)
そして、今週のサンデーを読みながら、「オレはこんな秘書が欲しくて社長になったんだーっ!
」と泣き叫んでいる中小企業の社長さんが3人くらいはいたんじゃないかと妄想。
5. マジョラム(暗号名はBF)
マジョラムってホントにいい娘ですね! 夜の部下として一人欲しいです!(夜?)
というか、ギャンビットの仕事を彼女がパートタイムでこなしていたのは意外です。「夜の看護婦」同様、雑誌編集者もどっちかと言えば仕事するのは夜みたいなイメージがあるのですが、仕事がブッキングしたりはしないのか。というか、そもそも仕事してるのかこの人(主にギャンビットで)。秘密の多い女だと思いました。
にしても、さすがに今週はいつにも増して掲載位置が微妙。「BF」は安定して面白いマンガだと思うのですが、何だか不遇な気がします。
この前チャットで話している時に「今週のサンデーの表紙で、イラストが丸で囲まれているマンガは打ち切り候補なんじゃないの?
」みたいな不遜な話題が出てきたのですが、あながちこの推測が間違ってない気がして怖いです。「BF」と同じく丸で囲まれてた「D-LIVE!」も、キマイラに最終ボスとしての風格が出てきたり、百舌鳥さんがしきりに「次の世代に…」みたいなことを言い出すようになったりと、まとめに入る雰囲気が出てきたしなあ。「美鳥」は次回で終了だしなあ。「俺様は?」に至っては、もう何がどうなってんだか全然訳わかんないしなあ。
次々号以降の新連載が気になります(まとめ)。
2004/07/03
■サンデー超増刊もみてる ~夏~
そんな「美鳥の日々」の外伝は、コミックス7巻に収録されてて良かったですね! 深沢です。
前回書いた超増刊のエントリが『書店員のたわごと』のたかさんの日記でネタになっててちょっと嬉しかったので、今回もまた調子に乗って先月25日に発売された超増刊についてちょっと触れてみたい。
□
今回の夏号では「美鳥」のおっぱいみたいなキャッチーな売りはないのですが、少年マンガ愛好家的な意味においては、やはり何と言っても能田達規先生が登場しているのが最大の売りでしょう。
かつて旧アスキーコミックで「がらくた屋まん太」を、週刊少年チャンピオンで「おまかせ! ピース電器店」「ORANGE」を掲載し、どの作品も好評を博した――というか、どのマンガも私のハートにたいそうグッと来たので個人的に大好きな――あの能田達規氏が、何の因果かサンデー超増刊に登場。それも、掲載位置で他のサンデーの新人作家とほぼ同列の扱いを受けているというさりげなさで、極めて控えめに登場しています。氏を知っている人なら、おそらく「どうしてこの人がこんなところに!?
」と思ってしまうこと間違いなし。私も事前情報がなかったら、「能田達規」の名前を見た途端に驚いて死んじゃうかと思ったくらいです(おおげさ)。
能田氏は以前「サンデーGX」に一度読み切りを掲載したことはありましたが、純粋な少年サンデー系列の雑誌に作品を載せるのは、多分これが初めてでしょう。実績の割に掲載位置が低めなのは、そういう関係もあるのかも。
勿論、今回の読み切り『マッドレイダーズ』も能田テイスト満載で面白かったです。
基本的な筋書きは「王族の生き残りの姫君から依頼を受けた少年トレジャーハンターが、軍隊相手に大活躍!
」みたいなノリの冒険アクションものですが、そこに(能田氏のマンガには欠かせない)精神的なライバル関係にある父と息子の競い合い、そんな関係でも確かに感じられる親子の絆の深さ、敵味方が何度も入れ替わるどんでん返しの連続、そんな状況下でも信念を曲げずに行動する主人公の潔さ、そして(これも能田氏のマンガには欠かせない)スレンダーでかつエッチな体つきの女性キャラが大暴れと、とても密度の濃いマンガになっています。
それでいてあまりゴチャゴチャした印象もなく、一気にテンポ良く読ませる紙面構成もよくできてます。同列に掲載されていた他の新人作家の作品と比べると、さすがに完成度は高いと感じました(キャリアを考えれば当然なんだけど)。
能田氏のマンガは、ネタが発明であれサッカーであれ、常に「純粋に子供が読んで楽しめる少年マンガ」が描ける才能を持っている人であると思っています。どの雑誌でも良いですから、早いところ連載を持って、再び第一線で復帰してくれることを期待しています。
□
その他の掲載作品で気に入ったものを上げるとすると:
- 「やんちゃ男が怪我してクール男が介抱する」という、基本を押さえた百舌鳥と斑鳩父の関係性にグッと来る「A-LIVE!」(皆川亮二)
- 「身分を気にせず突っかかってくるやんちゃ男のことが気になっちゃうクール男」という、これまた基本を押さえた青磁と先希の関係性にグッと来る「青磁と先希」(中道裕太)
- 何だかよく判らないけど勢いだけは感じる「何だ?とは何だ?」(直井俊樹)
- 明らかに他の作品とは雰囲気が異なる印象を受ける「鬼月」(桐幡歩)
今回は、前号のように読んでいてカタルシス以上の理不尽なストレスを感じてしまう系統の作品が少なく(皆無ではないけど)、全体的にかなり読みやすくなっていると言えます。
この中でも、桐幡歩氏の「鬼月」はかなりの注目作(あるいは異色作)。この人のデビュー作「魔法の卵使い」もそうでしたが、この人の描く作品は、最近のサンデーではあまり見られない「読者の感性に訴えかける独特の力」を持っているように思えます。作者のセンスが普通のサンデー作家とはちょっと違っているというか何というか。
作品のタイプは全く違うのですが、なんか初めて「トガリ」の夏目義徳氏の作品をサンデーで読んだ時と似たようなものを感じた気がします(不吉?)。
今後桐幡氏がサンデーで連載を持てるようになるかどうかはさすがに判りませんけど、サンデーがどうとかいう以前に、純粋に新人作家として気になる存在です。今後の登場にも期待したいところ。
あと、超増刊最大のウリであるところの連載作品「あやかし堂のホウライ」も良かったです。前回で人生最大の艱難辛苦を乗り越えた主人公・アヤカが逞しく成長していく様子を見るのが楽しくなって来ました。
そして今回は、眼鏡っ娘で意地っ張りで人の言うことを素直に聞けないけど実は寂しがりやさんでかつドジっ娘、というかなり極まったお嬢様・四位名(しいな)さんが出て来ますが、この娘が(色々な意味で)秀逸過ぎ。彼女は、まさに妖怪に襲われるためにこの世に生まれ出たような、そんな被虐感溢れるキャラとして描かれています。勝ち気な女の子が不安のあまりボロボロ泣くところが大好きな人なら!
勿論、最後は主人公のアヤカと四位名がちゃんと助かって仲良くなる健全なハッピーエンドが待っていますのでご安心を!(誰に言ってるのか)
結局、今回もまたロクでもない紹介をしてしまって申し訳ありません…orz
■ヘソの周囲のムダ毛も処理した方が良いと思います。サンデー31号感想
- 「そこも全然計算してないですよ」(伊集院光×満田拓也球漫対談)
- ザグルゼム+ザケルガのコンボ攻撃(金色のガッシュ!!)
- 「どっちも本当に好きなんだ」(モンキーターン)
- 「あいつがレベル2をどこまで使いこなせるかだな」(うえきの法則)
- 「君たちの悲喜劇の結末を告げる『女神』だ」(からくりサーカス)
- 番外:ハルマキ
□
1. 「そこも全然計算してないですよ」(伊集院光×満田拓也球漫対談)
秋からのアニメ化決定で、ますます長期連載化に拍車がかかることになった「MAJOR」。今週号にはアニメ化記念ということで伊集院光氏と満田拓也氏の対談記事が載ってましたが、個人的には当時ファンの間に大きな衝撃を与えた、あの「吾郎が海堂高校を捨て、別の高校に行って海堂と戦う道を選ぶ」展開に関わる部分のトークが興味深かったです。
満「海堂はあまりに身内が強すぎて、じゃあどこと戦うんだ? というのがありましたから。海堂以上のチームは考えられませんでしたから」
伊「しかもその後(話が)飛ぶでしょ? 対外試合できませんというので1年くらい」
満「そこも全然計算してないですよ(苦笑)」
当時は「吾郎が寿也を捨てた!」と同人女子達の間で大騒ぎになり、ショックで「MAJOR」の同人サイトを閉鎖した人も出たなんて話を聞いたものでしたが、その衝撃の展開は、どうやら上記の思考プロセスによって生み出されたみたいです。週刊連載マンガにおける、ストーリーの不確定っぷりを再認識させられた気分になりました。
今回の対談で、ストーリーは「その週とか、その前の週に決まる
」と今回の対談で図らずも公言してしまった満田氏。氏がインタビューの中で語っていた「予想は裏切り、期待は裏切らない」ドラマチックな展開を、この作品が今後も続けていけることを願います。あと、ちゃんとファンがその展開について行ってくれることも願います。
しかし、アニメ版はやっぱり少年時代からスタートですか! いきなり「ゴローの父親の頭にビーンボールが直撃!
」なんてシュートかつトラウマチックなシーンで、お茶の間開幕デビューを戦慄と共に飾りますか!
前述の行き当たりばったり的な展開もそうですが、実はよく考えると「MAJOR」って色々な意味で相当おっかねえマンガなのではないのでしょうか。お見逸れしました。
2. ザグルゼム+ザケルガのコンボ攻撃(金色のガッシュ!!)
これには純粋に感心。ザグルゼムって、こんな使い方できるのな!
Magic: the Gathering で新しいコンボデッキを見た時くらいビックリしましたよ!(変な例え)
アニメ版の方は、ビクトリーム様が若本ヴォイスで大暴れしてて満足でした。「ブラァアア!
」を携帯の着ボイスにしたいくらいです。
ところで、アニメの中でビクトリーム様が歌っていたベリーメロンの歌は、シングルCD化されたりするのでしょうか。もし出るなら買わないといけないので、たいへんに気になります。勿論「ちちをもげ音頭」も買います。
3. 「どっちも本当に好きなんだ」(モンキーターン)
先週は、2ちゃんねるの該当スレッドがたった1日で1スレ消費する程の大騒ぎを読者に巻き起こしたらしい「モンキーターン」。肝心の波多野がこんな調子では、どうやらこのネタは当分後を引きそうな予感がします。
あと、「どっちも本当に好きなんだ!
」とか調子のいいこと思っておきながら、当の「好き」な相手である澄の顔を見ただけでオタオタしてしまう波多野を見て、いい気味だ! もっと苦しめ! と思いました(狭い)。
4. 「あいつがレベル2をどこまで使いこなせるかだな」(うえきの法則)
「金色のガッシュ」のザグルゼム+ザケルガのコンボ攻撃には純粋に感心させられましたが、「うえきの法則」におけるレベル2無限リサイクルコンボ攻撃は、感心するというよりもむしろ「こんなの出して大丈夫か?」とちょっと心配に。
今回、植木の能力の本質は「相手の能力を元に戻してしまう能力」であることが示されましたが、これは早い話が『全ての能力者の能力は植木には通用しなくなる』ことを意味しています。マンガの中ではコバセンが「このバトルの本質を根底から覆す能力だ
」と誇らしげに言ってますけど、下手すると「このマンガをバトルマンガとして不成立にさせてしまう能力」になってしまう危険性があるような気がしてなりません。
コバセンは「あいつがレベル2をどこまで使いこなせるかだな
」とも言っていますが、本当に植木のレベル2能力を使いこなせる資質を問われているのは、他ならない作者の福地先生(およびサンデー編集部)だと思うのです。
まあでも、作者の福地先生は例の「相手を眼鏡好きにさせる能力」を考案して自身がレベル2に到達してからは絶好調を維持してますので、私としてはあまり心配してませんけどね!
つうか、前の森さん対理系メガネ君の眼鏡対決の決着方法はやっぱり納得行かねえ! 眼鏡っ娘が眼鏡を粗末に扱うな!(鼻息)
5. 「君たちの悲喜劇の結末を告げる『女神』だ」(からくりサーカス)
何故仲町サーカスのメンバー達は、ゾナハ病が蔓延する中で普通に動けるの? という疑問点が浮かびましたが、空に浮かぶ『女神』のあまりの格好良さに感動し、そんな些細なことはすぐに忘れてしまいました。
ゲーム終演の到来を告げる、空に浮かぶ金属製の天使。
まるで Magic: the Gathering の「白金の天使」を見ているようです(変な例え)。
番外:ハルマキ
今週は「KATSU!」のあだち充先生が急遽休載ということで、その代理で突っ込まれたマンガがこれなんじゃないかと思われますが、にしてもこう久しぶりに客観的評価がとても難しい微妙なマンガが出て来ちゃったなぁという感じに。
ネット上にはサンデーに掲載されたマンガを全てレビューするサイトが沢山ありますが、彼らがこの作品をどう評価するのか楽しみです。このマンガは、新進気鋭の新人が描いたギャグマンガというよりは、むしろ読者を試す挑戦状の域に達していると思います。うちが評論系サイトでなくて良かったです。
もう一本の読み切り「ミッションX」は、せっかく絵柄やストーリーをレトロな雰囲気で統一しているんだから、ヒロイン格で登場したビン底眼鏡の橘さんも、よりレトロっぽく最初から最後までダサいままだったら、もっと疎外感が出て良かったのに! と思いました。いやその、物語的には勿論決めシーンで眼鏡外すと美少女が! って展開の方が自然だというのは判っていますが!(わがまま)
「別に眼鏡をとってもかわいくないぞ! そこがいいんじゃん!
」(コミック版「G-ONらいだーす」の後書きより)という小野敏洋先生の言葉を真に受けてくれるマンガ家はいらっしゃらないのでしょうか。
2004/06/25
■サンデー30号の感想はなかった事に。
- 「女子高生はやっぱ制服じゃない」(道士郎でござる)
- 急展開する美鳥の日々
- 急展開するモンキーターン
- 急展開するからくりサーカス
- 急展開するかってに改蔵
□
1. 「女子高生はやっぱ制服じゃない」(道士郎でござる)
女子高生の制服を着てカツラを被ったくらいで制服フェチ気取りとは、まだまだですな先生! そんなだから、ヤンキー生徒に簡単に女装を見破られて「ウハハハ超面白ー!」とバカにされてしまうんですよ先生!
もし本当に「女子高校生の制服を着て女装するオレの性癖は、ホンモノの域に達しているのだ!」と自覚しているんだったら、スネ毛を全部処理するとか、女性らしい肩のラインを表現するために肩の骨を削るとか、それくらいの気概は見せて欲しいものですな先生! そんなこっちゃ、先生がバカにするブルマフェチとかとレベルが一緒ですよ先生! まだ浅いッスよ先生! 女装をナメるな先生!(鼻息)
「爽やか道士郎が学園を爽やかに変えていく!
」みたいな愉快痛快コメディマンガみたいな好ましい雰囲気になって来つつあるこのマンガですが、あくまでその爽やかさに染まるまいと頑強な抵抗を試みるヤンキーキャラも同時に出して来るのが、やっぱり西森先生のマンガらしくて良いと思います。私はこのマンガ好きだな。
2. 急展開する美鳥の日々
綾瀬シナリオもついに結末。今回は、「やっぱ思い切って告白して良かったわ
」と言う綾瀬の姿が印象的でした。彼女に一番必要だったのは、結局は自分から「好きだ」と言うための勇気だったのだ、という訳ですね。結果的にフラれはしましたが、この経験はこれからの彼女にとって大きな糧になるでしょう。
そして、綾瀬のこのマンガの中での物語がこれで終了したことで、残るは美鳥だけということに。なんかもう彼女の中では結論は出ているみたいなので、後はその決着を見守るのみであります。
にしても、「美鳥の日々」がここまでキッチリしたラブコメになるなんて、連載当初は想像もできませんでした。てっきり「葵DESTRUCTION!!」の流れを組むヤバいマンガになるものだとばっかり(失礼)。お見逸れしました。
3. 急展開するモンキーターン
そんな感じでついにラブコメの決着にまでこぎ着けた「美鳥」とは対照的に、今まさにラブの炎が燃え上がりつつあるのが「モンキーターン」。「好きよ!
」「好きだ!
」って、そんな「ダンガードA」の歌詞みたいな勢いでいきなり好きとか何とか言ってしまって大丈夫なんですか波多野君!
波多野の幼なじみで気分はもう本妻の澄や、青島さんの前カレの洞口は、果たしてこのフライング気味な二人の告白劇を知った時にどう動くのか! うわーい面白くなって来たなあ! もしオレが編集者だったら、「恋の第一マークに突入! トップで抜け出すのは誰だ!」とか、そういうベタな煽り文句をベタベタ貼って盛り上げるね!(だいなしです)
4. 急展開するからくりサーカス
「それが怖いと思われるなら、皆様、15秒差し上げます。
」
どうぞ、退場なさってくださいまし
地獄開始!
緊張感を極限まで引き延ばした上で、ゾナハ病に侵された百合さんのアップを見開きでドーンと持って来る演出センスは流石です。藤田先生絶好調です。怖いけど楽しみだ。
参考:デウス・エクス・マキナ(はてなキーワード)
5. 急展開するかってに改蔵
「からくりサーカス」に登場した「デウス・エクス・マキナ」とは、演劇用語で物語に突然の終末をもたらす機械仕掛けの神のことでありますが、このマンガもなんか「からくり」の余波か何かの影響で、いきなり終末的な展開に突入。
何故いきなり沼なのか。いきなり頻繁に登場し出した「なかった事に」というキーワードには何の意味があるのか。いきなり登場した秀才塾の目的とは? 『あの扉の向こうにあるもの』とは何なのか?
このいきなり感あふれる急展開は、往年の「南国アイス」の最終回を思い起こさせます。やっぱり終わってしまうのか。
というか、この人のマンガって結局みんなこうなのな!
2004/06/20
■「いでじゅう!」が普通に柔道やってると不安になります・サンデー29号感想
- 標的指定結界(結界師)
- 「絶頂しちゃうよーッ!!!」(MAR)
- 告白した綾瀬(美鳥の日々)
- 「JASRACは1フレーズ使うのも1曲使うのも同じ値段なので、使えるだけつかってみました」(かってに改蔵)
- 乳みせ天使(からくりサーカス)
- 番外:「タマ!!!!」
□
1. 標的指定結界(結界師)
ここで出てきた「標的指定結界」とは、例えば結界に封じる対象を「水」だけにすることができるとか、そういう芸当のことを指していると解釈することができます。結界の中に封じ込める対象を物理的に指定できるとなると、確かに色々と応用が利きそうです。
例えば、蓋が堅くて開かないジャムの瓶からジャムだけ抜き出したり、きつくて指から抜けなくなった指輪を抜き出したり、歩いている人からパンツだけ抜き出したりできそう。こんな便利なアイテム、もし王様のアイディアで売り出したりしたら、ンもう大ヒット間違いなしです。「もう霊能と関係ない世界に突入してるな!
」とか言われそうですが。
それにしても、良守の兄の正守さんは21歳にしてはあまりにオッサン臭いと思います。
説教好きなとこなんか特に。
2. 「絶頂しちゃうよーッ!!!」(MAR)
一目見ただけで明らかにヤラレ役と判る、人格が崩壊気味してるダメ女が出てきたー!
オレ、こういうダメな女キャラが大好きなんですよー!(←人生をやり直したいです)
3. 告白した綾瀬(美鳥の日々)
現代ラブコメマンガでは必須にして最萌な委員長タイプの正統派美少女というアドバンテージを持ちながら、出演したマンガがよりによって「美鳥の日々」なんていう異常なマンガだったばっかりに余計な艱難辛苦を背負う羽目になった綾瀬さんですが、ついにというかようやくというか、勇気を出して沢村に告白するところまでこぎ着けました。
登場人物が自分の幸せな場所を自分自身で見つけることがこのマンガの最近の話の流れになってますが、果たして綾瀬の幸せは何処にあるのか。彼女はそれを見いだすことはできるのか。そして、綾瀬の決意を聞いた美鳥はどうするのか? 綾瀬にとっての最期にして最大の戦いの行方に期待です。
それにしても、告白した時のコマの綾瀬のおっぱいは、なんか普段よりも大きくなってませんか?
この時に備えて鍛えたの?(だいなし)
4. 「JASRACは1フレーズ使うのも1曲使うのも同じ値段なので、使えるだけつかってみました」(かってに改蔵)
久米田先生の反逆精神の健在ぶりが伺える一節。さすがです。
あと、このマンガの作品内公認カップルは、やっぱりどう考えても砂丹×改蔵だと思いました。
どっちも狙ってやってるだけにタチが悪いね!
5. 乳みせ天使(からくりサーカス)
先週に引き続き、『平和』な村の様子の描画に終始した今週の「からくりサーカス」。これからの展開が恐怖と絶望にまみれるのが判っているだけに、菊姉さんを始めとした幸せそうな村の人々の姿を見ても、もはや素直に喜べません。
というか、これまでの黒賀村での脳天気なエピソードがあったからこそ、先週から今週にかけての嫌な演出が生きてくる訳ですよね。これが、読者にトラウマを植え付けるのが大好きな富士鷹ジュビロ先生(まちがい)の本領なのか! と、つくづく思わせて頂きました。
そして、一番最後のページに出てきた、天使とおぼしき女性の姿にも注目。理由はよくわかりませんが、なんかおっぱい出してますよこの人。
これって、単なる読者サービスなのか。それとも、おっぱいを「安らぎ」の象徴として表現した、深遠なメタファーを伴った演出の一環なのか。あるいは、迫り来る恐怖を前に、ここで乳みせ天使に萌えておけとでもいうのか! これって、もしかしたら「かってに改蔵」で言うところの『ラヴと恐怖は比例する
』効果を狙ったものなのか! こわいようこわいよう! おっぱいがこわいよう!
おっぱいがいっぱい! おっぱいがいっぱい! うれしいなさわりたい!(フェードアウト)
番外:「タマ!!!!」
編集部と執筆陣の間で「一番人気が出た作品を連載化する!
」みたいな確約がなされているに違いない今回の読み切りシリーズ、第三弾は小山愛子氏の登場です。
小山愛子氏は、これまでサンデー超増刊を中心に何度も作品を発表していることで、サンデーマニアの間では割と名を知られた存在。「小山愛子」の名前を知っているかどうかが、サンデーマニアかそうでないかの分かれ目なのだ! と申しても過言ではありますまい(過言では?)。
それで今回の「タマ!!!!」ですが、個人的には最後のオチの部分が気に入りました。主人公のタマ少年は、このお話の中で後にテニス界を揺るがすことになるであろう凄いことを成し遂げているんですけど、本人にはその自覚が全くないまま、最後は彼の愛する「昆虫採集」の世界に再び戻って行きます。
テニスの試合の中で、彼は「登れなかった高さのフェンスに登れるようになる」「速い動きで動く球を捉えられるようになる」等の著しい成長を遂げているのですが、成長できた理由が(今回の敵役の神月を倒すためというよりは)トンボを捕まえるために必要だからっぽいところが面白いところ。主人公のタマ少年にとっては、まだテニスをやるよりもトンボを追いかけている方が遙かに充実した時を過ごすことができるのだ、ということなのでしょう。
周囲の騒ぎをまったく意に介さず、己の世界に没入する主人公の一途な姿には、ある種の清々しさを感じました。世間はどうあれ、子供のうちは己の好きなことを追い求めることこそが一番大事なのだ! ということを、タマ少年は身をもって証明しているのではないのでしょうか。
世間よりも趣味! オタクとはかくありたいものですね!(←そういうマンガじゃないよ)
2004/06/11
■ハリスがダンドーの毒牙に!(まちがい) サンデー28号感想
- 黒姫(結界師)
- 太田崇(道士郎でござる)
- 「そうさ、私は人間ができてない道山先生!」(金色のガッシュ)
- P.853 1コマ目の二人のベンチの間の距離(暗号名はBF)
- からくりサーカスの最後のコマ
- 番外:「ブリザードアクセル」のヒロイン
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1. 黒姫(結界師)
夜の街の闇の中を文字通り「泳ぐ」、金魚の影の姿をした使い魔!
モロにオレ好みのビジュアルですよ! 燃え!
なんかこいつ、ダライアス外伝Jステージの背景で泳いでいる、巨大魚型戦艦のシルエットっぽいですよね!(と言われても)
あと、最後のコマで良守の兄の名前と年齢(隅村正守21歳)が明かされましたが、確か先週彼と会話していた我らが闇のヒロイン春日夜未さんは、「年上を君って呼ぶの、やめてくれる?
」みたいなこと言ってましたよね。ということは、夜未は正守よりも年上ですか! 少なく見積もっても22歳以上ですか! てっきり、まだ高校三年生くらいだと思ってましたよ彼女!
実年齢よりも幼く見えるだなんて、ますますオレ好みのビジュアルですよ! 萌え!
2. 大田崇(道士郎でござる)
本来、西森博之先生のマンガに登場するザコなヤンキーキャラは、どいつもこいつも如何にも性根がダメになってるどうしようもなく手の施しようもないクズばっかりだと思われていたのですが、ついにその定説が打ち破られる時がやって来ました!
道士郎に「卑怯者」と罵倒された途端、なんか更正しましたよこの子! 少年時代の父親との会話を思い出して涙ぐんでるよ! 西森マンガのヤンキーキャラなのに! 西森マンガのヤンキーキャラなのに!(しつこい)
このマンガが始まったばかりの頃は、「結局いつもの西森マンガと同じになるのでは?
」みたいなことを書いてしまいましたが、この「道士郎でござる」という作品はそういう「いつもの西森マンガ」とは違う方向性を目指しているのではないか、と思えて来ました。
先行きが楽しみです。いやマジで。
3. 「そうさ、私は人間ができてない道山先生!」(金色のガッシュ)
人間のクズだ! 人間のクズが出た!
「教師は人格者であらねばならない」という世間一般の幻想から自ら足を踏み出してしまった、完璧なるダメ教師が出て来ましたよ!
でも、本当のダメな教師ってのは、自分自身が人間ができていないことを自覚していないんだよな…
同じダメなら、オレもここまで割り切った教師に教わりたかったよ…(20年くらい前を回想しながら)
4. P.853 1コマ目の二人のベンチの間の距離(暗号名はBF)
そして、その後のP.364(最後のページ)で並んで立っている、団と本庄さんの間の距離に注目。要するに、今回のエピソードで二人の間の距離はグッと縮まりました! ということを、暗に表現している訳ですね。
本庄さんって、見た感じは一般常識や人間関係に疎い猛烈なボケキャラっぽいというか、その気もないのに気がある素振りをしてみせちゃう悪意のない悪女みたいな歪んだイメージがあったんですけど(勿論、歪んでいるのは自分の方です。すみません)、なんか根っこはもの凄いマトモでいい娘じゃないですか。実は園芸マニアって辺りも、個人的にはポイント高いです。もしオレがおじいちゃんだったら、「ぜひ本庄さんを家の孫の嫁に!」とか言い出したい気分です(微妙)。
こういう「愛するべき日常」的なエピソードがもっと最初の方に何度か出てきていれば、対ウィザード編のクライマックスで団が言った「みんなを守るんだ!
」的な台詞にも説得力が出てきて、なお良かったと思うんですけどね。
そして、最後のページに書かれた「次号、急激展開!」って言葉が妙に気になります。これはいったい何を意味しているのか。まだまだ予断を許しませんよ!(連載自体が)
5. からくりサーカスの最後のコマ
今回は黒賀三姉妹フラグ立て編の総決算とも言える内容で、マサルが三姉妹からモテまくる姿を読むのが嬉しいやら恥ずかしいやらでニヤニヤしっぱなしだったのですが、しかしその幸福感も最後のページの最後のコマを見るまで。
ついに来るべきモノが来た! という感じがします。
次週からの展開が、本気で怖いです。
番外:「ブリザードアクセル」のヒロイン
かつてジャンプで「ライジングインパクト」を連載、一度は連載終了の憂き目にあったにも関わらず、コアなファン達の嘆願運動が実を結んで連載が再開された! という伝説を作り上げたことで有名な鈴木央先生が、何の因果かサンデーに登場。
かつて少年向けゴルフマンガで覇を競い合った万乗先生と鈴木先生が、同じ雑誌でマンガを載せる日が来ようとは。ホント、世の中何が起こるか判りませんね(おおげさ)。
マンガの内容はややゴチャついた印象を受ける場面はあるものの、コメディありアクションありクライマックスでのカタルシスもありと、最初から最後まで楽しく読めるマンガになっていたと思います。今回のサンデー読み切り攻勢はどれも連載化を睨んだものっぽいので、もし今回のお話が好評だったら、あの鈴木央先生がサンデーで連載開始! という事態も十分に考えられそう。
でも、このマンガのヒロインの小雪ちゃんは、絶対どっか何かがおかしいと思います。いくら告白されて嬉しいからとは言え、あの惚れっぽさは異常の域に近い気がしてなりません。兄も妹に萌えてる場合じゃないと思った。